【文献】
薬理と治療,2008年,Vol. 36, No. 10,p. 941-950
【文献】
日本調理科学会誌,2008年 8月20日,Vol. 41, No. 4,p. 257-261
【文献】
食品成分表2014,2014年 2月10日,p. 228, 229
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において「コーヒー飲料」とは、コーヒー分を原料として使用し、加熱殺菌工程を経て製造される飲料製品をいう。製品の種類は特に限定はされないが、例えば、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」、「コーヒー飲料」、「コーヒー入り清涼飲料」が挙げられる。なお、本発明の容器詰コーヒー飲料は、レディ トゥ ドリンク(ready to drink)である。ここで「レディ トゥ ドリンク」とは、容器詰コーヒー飲料を開封した後、希釈せずにそのまま飲用できるものをいう。
【0011】
本発明の容器詰コーヒー飲料は、(A)難消化性デキストリンを含有する。ここで、「(A)難消化性デキストリン」とは、人間の消化酵素により加水分解されずに残るデキストリンをいう。(A)難消化性デキストリンは、澱粉に微量の塩酸を加えて加熱し、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ等の酵素で処理して得られた食物繊維画分を分取することにより得られる。なお、澱粉は食品分野において使用されているものであれば、その由来は特に限定されないが、例えば、トウモロコシ、馬鈴薯、甘藷、小麦、米、もち米、タピオカ等の植物由来の澱粉等を挙げることができる。中でも、トウモロコシ由来の澱粉から得られた難消化性デキストリンが所望の効果を得やすい点で好ましい。
【0012】
(A)難消化性デキストリンのデキストロース当量(DE:Dextrose Equivalent)は、酸味の質、後味のキレ、香りの観点から、1以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上が更に好ましく、8以上がより更に好ましく、9以上がより更に好ましく、そして30以下が好ましく、25以下がより好ましく、23以下が更に好ましく、20以下がより更に好ましく、15以下がより更に好ましい。かかるデキストロース当量の範囲としては、好ましくは1〜30、より好ましくは5〜25、更に好ましくは7〜23、より更に好ましくは8〜20、より更に好ましくは9〜15である。このような(B)難消化性デキストリンとして市販品を用いることが可能であり、例えば、パインファイバー、ファイバーソル2(以上、商品名、松谷化学工業社製)、プロミター85(商品名、Tate&Lyle社製)等を挙げることができる。中でも、ファイバーソル2が好ましい。
【0013】
本発明の容器詰コーヒー飲料中の(A)難消化性デキストリンの含有量は、2.3〜3.0質量%であるが、酸味の質、後味のキレの観点から、2.4質量%以上が好ましく、2.5質量%以上がより好ましく、また香り、酸味の質、後味のキレの観点から、2.9質量%以下が好ましく、2.8質量%以下がより好ましく、2.7質量%以下が更に好ましい。(A)難消化性デキストリンの含有量の範囲としては、本発明の容器詰コーヒー飲料中に、好ましくは2.4〜2.9質量%、より好ましくは2.4〜2.8質量%、更に好ましくは2.5〜2.7質量%である。なお、(A)難消化性デキストリンの含有量は食物繊維成分含量として求められる値であり、その分析は後掲の実施例に記載の方法で行うことができる。
【0014】
また、本発明の容器詰コーヒー飲料は、飲料1本当たりの(A)難消化性デキストリンの含有量が、2g以上が好ましく、3g以上がより好ましく、3.5g以上が更に好ましく、4g以上が更に好ましく、4.5g以上がより更に好ましく、そして、9g以下が好ましく、8g以下がより好ましく、7g以下が更に好ましく、6g以下が更に好ましく、5.5g以下がより更に好ましい。飲料1本当たりの(A)難消化性デキストリンの含有量の範囲としては、2〜9gが好ましく、2〜8gがより好ましく、3〜7gが更に好ましく、3.5〜6gが更に好ましく、4〜6gが更に好ましく、4.5〜5.5gが更に好ましい。なお、容器に充填されたコーヒー飲料の容量は、100〜400gが好ましく、140〜300gがより好ましく、180〜250gが更に好ましい。
【0015】
本発明の容器詰コーヒー飲料は、(B)クロロゲン酸類を含有する。ここで「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称であり、本発明においては上記9種のうち少なくとも1種を含有すればよいが、すべて含有することが好ましい。
【0016】
本発明の容器詰コーヒー飲料中の(B)クロロゲン酸類の含有量は、生理活性の観点から、0.02質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.04質量%以上が更に好ましく、0.05質量%以上がより更に好ましく、また風味バランスの観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましく、0.2質量%以下がより更に好ましく、0.15質量%以下が更に好ましく、0.1質量%以下がより更に好ましい。(B)クロロゲン酸類の含有量の範囲としては、本発明の容器詰コーヒー飲料中に、好ましくは0.02〜1質量%、より好ましくは0.03〜0.5質量%、更に好ましくは0.04〜0.3質量%、更に好ましくは0.05〜0.2質量%であり、更に好ましくは0.05〜0.15質量%、より更に好ましくは0.05〜0.1質量%である。なお、(B)クロロゲン酸類の含有量は、上記9種の合計量に基づいて定義される。
【0017】
また、本発明の容器詰コーヒー飲料は、(C)カフェインを含有する。本発明の容器詰コーヒー飲料中の(C)カフェインの含有量は、苦味の観点から、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、0.02質量%以上がより更に好ましく、また雑味の観点から、0.1質量%以下が好ましく、0.08質量%以下がより好ましく、0.07質量%以下が更に好ましく、0.06質量%以下がより更に好ましい。かかる(C)カフェインの含有量の範囲としては、本発明の容器詰コーヒー飲料中に、好ましくは0.0001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.08質量%、更に好ましくは0.01〜0.07質量%、より更に好ましくは0.02〜0.06質量%である。
【0018】
本発明の容器詰コーヒー飲料は、(B)クロロゲン酸類と(C)カフェインとの質量比[(B)/(C)]が0.35〜1.8であるが、酸味の質、後味のキレの観点から、0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.8以上が更に好ましく、1.0以上がより更に好ましく、また香り、酸味の質、後味のキレの観点から、1.7以下が好ましく、1.65以下がより好ましく、1.6以下が更に好ましく、1.55以下がより更に好ましい。かかる質量比[(B)/(C)]の範囲としては、好ましくは0.4〜1.7、より好ましくは0.5〜1.65、更に好ましくは0.8〜1.6、より更に好ましくは1.0〜1.55である。
【0019】
また、本発明の容器詰コーヒー飲料は、(A)難消化性デキストリンと(C)カフェインとの質量比[(C)/(A)]が、香り、酸味の質、後味のキレの観点から、0.017以上が好ましく、0.018以上がより好ましく、0.020以上が更に好ましく、0.021以上がより更に好ましく、また酸味の質、後味のキレの観点から、0.025以下が好ましく、0.024以下がより好ましく、0.023以下が更に好ましい。かかる質量比[(C)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.017〜0.025、より好ましくは0.018〜0.024、更に好ましくは0.020〜0.024、より更に好ましくは0.021〜0.023である。
【0020】
更に、本発明の容器詰コーヒー飲料は、(A)難消化性デキストリンと(B)クロロゲン酸類との質量比[(A)/(B)]が、香り、酸味の質、後味のキレの観点から、25以上が好ましく、30以上がより好ましく、35以上が更に好ましく、40以上がより更に好ましく、また酸味の質、後味のキレの観点から、140以下が好ましく、130以下がより好ましく、125以下が更に好ましく、115以下がより更に好ましい。かかる質量比[(A)/(B)]の範囲としては、好ましくは25〜140、より好ましくは30〜130、更に好ましくは35〜125、より更に好ましくは40〜115である。
【0021】
本発明の容器詰コーヒー飲料は、所望により、甘味料、乳、乳化剤、酸化防止剤、香料、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、無機塩、色素、保存料、調味料、酸味料、ビタミン、アミノ酸、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
【0022】
本発明の容器詰コーヒー飲料は、容器詰ブラックコーヒー飲料でも、容器詰乳入りコーヒー飲料でもよい。ここで「ブラックコーヒー飲料」とは、無糖ブラックコーヒー飲料、加糖ブラックコーヒー飲料及び微糖ブラックコーヒー飲料等のいわゆる甘味料の有無にかかわらず乳分が配合されないものをいう。また「乳入りコーヒー飲料」とは、甘味料の有無にかかわらず生乳、無脂肪乳等の乳分が配合されたものをいう。
【0023】
本発明の容器詰コーヒー飲料のpH(20℃)は、保存性、風味バランスの観点から、4.0以上が好ましく、4.5以上がより好ましく、5.0以上が更に好ましく、5.5以上がより更に好ましく、そして7.0以下が好ましく、6.8以下がより好ましく、6.5以下が更に好ましく、6.2以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは4.0〜7.0、より好ましくは4.5〜6.8、更に好ましくは5.0〜6.5、より更に好ましくは5.5〜6.2である。
【0024】
本発明の容器詰コーヒー飲料のBrix(20℃)は、風味バランスの観点から、1.5以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましく、3以上がより更に好ましく、3.5以上がより更に好ましく、そして16以下が好ましく、14以下がより好ましく、12以下が更に好ましく、10以下がより更に好ましく、8以下がより更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは1.5〜16、より好ましくは2〜14、更に好ましくは2.5〜12、より更に好ましくは3〜10、より更に好ましくは3.5〜8である。
【0025】
本発明の容器詰ブラックコーヒー飲料のBrix(20℃)は、風味バランスの観点から、1.5以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましく、3以上がより更に好ましく、3.5以上がより更に好ましく、そして10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下が更に好ましく、5以下がより更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは1.5〜10、より好ましくは2〜8、更に好ましくは2.5〜6、より更に好ましくは3〜6、より更に好ましくは3.5〜5である。
【0026】
本発明の容器詰乳入りコーヒー飲料のBrix(20℃)は、風味バランスの観点から、4以上が好ましく、4.5以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、5.5以上がより更に好ましく、そして16以下が好ましく、14以下がより好ましく、12以下が更に好ましく、10以下がより更に好ましく、8以下がより更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは4〜16、より好ましくは4.5〜14、更に好ましくは5〜12、より更に好ましくは5〜10、より更に好ましくは5.5〜8である。
【0027】
本発明の容器詰コーヒー飲料は、例えば、質量比[(B)/(C)]が0.35〜1.8であるコーヒー分に、一定量の(A)難消化性デキストリンを、必要により添加剤とともに配合した後、コーヒー飲料を加熱殺菌して製造することができる。
【0028】
コーヒー分としては、例えば、焙煎コーヒー豆から抽出したコーヒー抽出液、インスタントコーヒーの水溶液から、質量比[(B)/(C)]が0.35〜1.8であるものを選択して使用することができる。質量比[(B)/(C)]が0.35〜1.8であるコーヒー抽出液は、例えば、焙煎度が、色差計で測定したL値として、好ましくは16〜25、より好ましくは18〜24、更に好ましくは19〜23、より更に好ましくは20〜22である焙煎コーヒー豆を用いて通常得ることができる。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。なお、焙煎方法及び焙煎条件は特に限定されない。また、コーヒー分として、焙煎度の異なる焙煎コーヒー豆から抽出されたコーヒー抽出液や、インスタントコーヒーの水溶液を混合して質量比[(B)/(C)]を前記範囲内に調整したものを使用しても、コーヒー抽出液やインスタントコーヒーの水溶液に成分(B)及び成分(C)から選ばれる少なくとも1種を添加して質量比[(B)/(C)]を前記範囲内に調整したものを使用してもよい。コーヒー分は、コーヒー抽出液100g当たり焙煎コーヒー豆を生豆換算で、好ましくは1g以上、より好ましくは2.5g以上、更に好ましくは5g以上使用しているものである。
【0029】
抽出に使用する焙煎コーヒー豆の豆種及び産地は特に限定されず、嗜好性に応じて適宜選択することができる。また、豆種又は産地の異なる焙煎コーヒー豆を2種以上使用しても構わない。また、焙煎度の異なるコーヒー豆を2種以上使用することもできる。
抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法及び条件を採用することが可能であり、例えば、特開2009−153451号公報に記載の方法及び条件が挙げられる。また、得られたコーヒー抽出液は、必要により濃縮又は水希釈してコーヒー分として使用してもよい。
【0030】
コーヒー飲料を収容する容器としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器を挙げることができる。
【0031】
加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、容器詰乳入りコーヒー飲料の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
【0032】
前述の実施形態に関し、本発明は更に以下の飲料、方法及び使用を開示する。
<1>
(A)難消化性デキストリンを2.3〜3.0質量%含み、
(B)クロロゲン酸類と(C)カフェインとの質量比が〔(B)/(C)〕が0.35〜1.8である、加熱殺菌された容器詰コーヒー飲料。
【0033】
<2>
(A)難消化性デキストリンを2.3〜3.0質量%配合し、(B)クロロゲン酸類と(C)カフェインとの質量比〔(B)/(C)〕を0.35〜1.8に調整する、加熱殺菌された容器詰コーヒー飲料の酸味の質の改善方法。
【0034】
<3>
(B)クロロゲン酸類と(C)カフェインとの質量比が〔(B)/(C)〕が0.35〜1.8である、加熱殺菌された容器詰コーヒー飲料において、
(B)難消化性デキストリンを2.3〜3.0質量%配合する、酸味の質を改善するための難消化性デキストリンの使用。
【0035】
<4>
(A)難消化性デキストリンが、好ましくはトウモロコシ、馬鈴薯、甘藷、小麦、米、もち米及びタピオカから選ばれる1以上の植物に由来するものであり、更に好ましくはトウモロコシに由来するものである、前記<1>記載の容器詰コーヒー飲料、前記<2>記載の酸味の質の改善方法、又は前記<3>記載の難消化性デキストリンの使用(以下、「容器詰コーヒー飲料」、「酸味の質の改善方法」又は「難消化性デキストリンの使用」を「容器詰コーヒー飲料等」と称する)。
<5>
(A)難消化性デキストリンのデキストロース当量(DE)が、好ましくは1以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは7以上、より更に好ましくは8以上、より更に好ましくは9以上であって、好ましくは30以下、好ましくは25以下、更に好ましくは23以下、より更に好ましくは20以下、より更に好ましくは15以下である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<6>
(A)難消化性デキストリンのデキストロース当量(DE)が、好ましくは1〜30、より好ましくは5〜25、更に好ましくは7〜23、より更に好ましくは8〜20、より更に好ましくは9〜15である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<7>
(A)難消化性デキストリンの含有量は、好ましくは2.4質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上であって、好ましくは2.9質量%以下、より好ましくは2.8質量%以下、更に好ましくは2.7質量%以下である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<8>
(A)難消化性デキストリンの含有量は、好ましくは2.4〜2.9質量%、より好ましくは2.4〜2.8質量%、更に好ましくは2.5〜2.7質量%である、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<9>
コーヒー飲料1本当たりの(A)難消化性デキストリンの含有量が、好ましくは2g以上、より好ましくは3g以上、更に好ましくは3.5g以上、更に好ましくは4g以上、より更に好ましくは4.5g以上であって、好ましくは9g以下、より好ましくは8g以下、更に好ましくは7g以下、更に好ましくは6g以下、より更に好ましくは5.5g以下である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<10>
コーヒー飲料1本当たりの(A)難消化性デキストリンの含有量が、好ましくは2〜9g、より好ましくは2〜8g、更に好ましくは3〜7g、更に好ましくは3.5〜6g、更に好ましくは4〜6g、更に好ましくは4.5〜5.5gである、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
【0036】
<11>
容器に充填されたコーヒー飲料の容量が、好ましくは100〜400g、より好ましくは140〜300g、更に好ましくは180〜250gである、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<12>
(B)クロロゲン酸類が、好ましくは3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸、5−フェルラキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸から選ばれる少なくとも1種を含有するものであり、更に好ましくは前記9種をすべて含有するものである、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<13>
(B)クロロゲン酸類の含有量が、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.04質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上であって、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下、より更に好ましくは0.2質量%以下、より更に好ましくは0.15質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<14>
(B)クロロゲン酸類の含有量が、好ましくは0.02〜1質量%、より好ましくは0.03〜0.5質量%、更に好ましくは0.04〜0.3質量%、更に好ましくは0.05〜0.2質量%であり、更に好ましくは0.05〜0.15質量%、より更に好ましくは0.05〜0.1質量%である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<15>
(C)カフェインの含有量が、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.02質量%以上であって、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.08質量%以下、更に好ましくは0.07質量%以下、より更に好ましくは0.06質量%以下である、前記<1>〜<14>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<16>
(C)カフェインの含有量が、好ましくは0.0001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.08質量%、更に好ましくは0.01〜0.07質量%、より更に好ましくは0.02〜0.06質量%である、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<17>
(B)クロロゲン酸類と(C)カフェインとの質量比[(B)/(C)]が、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.8以上、より更に好ましくは1.0以上であって、好ましくは1.7以下、より好ましくは1.65以下、更に好ましくは1.6以下、より更に好ましくは1.55以下である、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<18>
(B)クロロゲン酸類と(C)カフェインとの質量比[(B)/(C)]が、好ましくは0.4〜1.7、より好ましくは0.5〜1.65、更に好ましくは0.8〜1.6、より更に好ましくは1.0〜1.55である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<19>
(A)難消化性デキストリンと(C)カフェインとの質量比[(C)/(A)]が、好ましくは0.017以上、より好ましくは0.018以上、更に好ましくは0.020以上、より更に好ましくは0.021以上であって、好ましくは0.025以下、より好ましくは0.024以下、更に好ましくは0.023以下である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<20>
(A)難消化性デキストリンと(C)カフェインとの質量比[(C)/(A)]が、好ましくは0.017〜0.025、より好ましくは0.018〜0.024、更に好ましくは0.020〜0.024、より更に好ましくは0.021〜0.023である、前記<1>〜<19>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
【0037】
<21>
(A)難消化性デキストリンと(B)クロロゲン酸類との質量比[(A)/(B)]が、好ましくは25以上、より好ましくは30以上、更に好ましくは35以上、より更に好ましくは40以上であって、好ましくは140以下、より好ましくは130以下、更に好ましくは125以下、より更に好ましくは115以下である、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<22>
(A)難消化性デキストリンと(B)クロロゲン酸類との質量比[(A)/(B)]が、好ましくは25〜140、より好ましくは30〜130、更に好ましくは35〜125、より更に好ましくは40〜115である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<23>
好ましくは甘味料、乳、乳化剤、酸化防止剤、香料、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、無機塩、色素、保存料、調味料、酸味料、ビタミン、アミノ酸、pH調整剤、及び品質安定剤から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<24>
pH(20℃)が、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.5以上、更に好ましくは5.0以上、より更に好ましくは5.5以上であって、好ましくは7.0以下、より好ましくは6.8以下、更に好ましくは6.5以下、より更に好ましくは6.2以下である、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<25>
pH(20℃)が、好ましくは4.0〜7.0、より好ましくは4.5〜6.8、更に好ましくは5.0〜6.5、より更に好ましくは5.5〜6.2である、前記<1>〜<24>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<26>
Brix(20℃)が、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは2.5以上、より更に好ましくは3以上、より更に好ましくは3.5以上であって、好ましくは16以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下である、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<27>
Brix(20℃)が、好ましくは1.5〜16、より好ましくは2〜14、更に好ましくは2.5〜12、より更に好ましくは3〜10、より更に好ましくは3.5〜8である、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<28>
好ましくは容器詰ブラックコーヒー飲料である、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<29>
Brix(20℃)が、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは2.5以上、より更に好ましくは3以上、より更に好ましくは3.5以上であって、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは6以下、より更に好ましくは5以下である、前記<28>記載の容器詰コーヒー飲料等。
<30>
Brix(20℃)が、好ましくは1.5〜10、より好ましくは2〜8、更に好ましくは2.5〜6、より更に好ましくは3〜6、より更に好ましくは3.5〜5である、前記<28>又は<29>記載の容器詰コーヒー飲料等。
【0038】
<31>
好ましくは容器詰乳入りコーヒー飲料である、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<32>
Brix(20℃)が、好ましくは4以上、より好ましくは4.5以上、更に好ましくは5以上、より更に好ましくは5.5以上あって、好ましくは16以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下である、前記<31>記載の容器詰コーヒー飲料等。
<33>
Brix(20℃)が、好ましくは4〜16、より好ましくは4.5〜14、更に好ましくは5〜12、より更に好ましくは5〜10、より更に好ましくは5.5〜8である、前記<31>又は<32>記載の容器詰コーヒー飲料等。
<34>
焙煎度(L値)が、好ましくは16〜25、より好ましくは18〜24、更に好ましくは19〜23、より更に好ましくは20〜22である焙煎コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液を配合したものである、前記<1>〜<33>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<35>
コーヒー抽出液100g当たり焙煎コーヒー豆を生豆換算で、好ましくは1g以上、より好ましくは2.5g以上、更に好ましくは5g以上使用して得られたコーヒー抽出液を配合したものである、前記<1>〜<34>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<36>
容器が、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、又は瓶である、前記<1>〜<35>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<37>
加熱殺菌が、好ましくは適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであり、より好ましくはレトルト殺菌、高温短時間殺菌(HTST)、又は超高温殺菌(UHT)である、前記<1>〜<36>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
<38>
好ましくはレディ トゥ ドリンクである、前記<1>〜<37>のいずれか一に記載の容器詰コーヒー飲料等。
【実施例】
【0039】
1.難消化性デキストリンの分析
(1)定量法
試料約1〜5gを精密に量り(Sp)、0.08mol/Lリン酸緩衝液(pH6.0)を加え50mLにした。これに熱安定性α−アミラーゼ(ターマミル120L:ノボザイムズ社)0.1mLを加え、沸騰水浴中に入れ、30分間振とうした。放冷後、0.275mol/L水酸化ナトリウム溶液10mLでpHを7.5±0.1に調整した。たんぱく分解酵素溶液(プロテアーゼP-5380:シグマ社)0.1mLを加え、60℃で振とうしながら30分間反応させた。放冷後、0.325mol/L塩酸10mLで、pHを4.3±0.3に調整した。次いで、アミログルコシダーゼ(アミログルコシダーゼA-9913:シグマ社)0.1mLを加え、60℃で振とうしながら30分間反応させた。以上の酵素処理を終了後、直ちに沸騰水浴中で10分間加熱した後冷却し、10W/V%グリセリン溶液(内部標準物質)3mLを加え水で100mLとし酵素処理液とした。
酵素処理液50mLをイオン交換樹脂〔アンバーライトIRA-67(OH型,オルガノ社):アンバーライト200CT(H型,オルガノ社)=1:1(容量比)〕50mLを充填したカラム(ガラス管、φ20mm×300mm)に通液速度50mL/hrで通液し、更に水を通して流出液の全量を約200mLとした。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、全量を水で10mLとした後、孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、検液とした。検液20μLにつきHPLCにより、検液のグリセリン及び食物繊維画分のピーク面積値を測定し、次式により食物繊維成分含量を求めた。
【0040】
食物繊維成分含量(%)=〔X
1/Y
1〕×f
1×〔Z
1/Sp〕×100
〔式中、X
1は食物繊維成分のピーク面積を示し、Y
1はグリセリンのピーク面積を示し、f
1はグリセリンとブドウ糖のピーク感度補正係数(0.82)を示し、Z
1は内部標準グリセリン重量(mg)を示し、Spは秤取試料重量(mg)を示す。〕
【0041】
HPLC分析
・検出器 :示差屈折計
・カラム充填剤:TSKgel G2500PW
XL
・カラム管 :φ7.8mm×300mm
・カラム温度:80℃
・移動相 :水
・流速 :0.5mL/min
・注入量 :20μL
【0042】
(2)デキストロース当量
試料2.5gを正確に量り、水に溶かして200mLとする。この液10mLを正確に量り、0.04mol/Lヨウ素溶液10mLと、0.04mol/L水酸化ナトリウム溶液15mLを加えて20分間暗所に放置する。次に、2mol/L塩酸を5mL加えて混和した後、0.04mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。滴定の終点近くで液が微黄色になったら、でんぷん指示薬2滴を加えて滴定を継続し、液の色が消失した時点を滴定の終点とする。別に空試験を行う。次式によりデキストロース当量(DE)を求める。
【0043】
DE=(b−a)×f×3.602/(1/1000)/(200/10)/[A×(100−B)×100]×100
〔式中、aは滴定値(mL)を示し、bはブランク値(mL)を示し、fはチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター値を示し、Aは試料の秤取量(mg)を示し、Bは試料の水分値(%)を示す。〕
【0044】
2.クロロゲン酸類及びカフェインの分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:L−2420(日立ハイテクノロジーズ社製)
・カラムオーブン:L−2300(日立ハイテクノロジーズ社製)
・ポンプ:L−2130(日立ハイテクノロジーズ社製)
・オートサンプラー:L−2200(日立ハイテクノロジーズ社製)
・カラム:Cadenza CD−C18 φ4.6×150mm、粒子径3μm(インタクト社製)
【0045】
分析条件は次の通りである。
・ル注入量 :10μL
・流量 :1.0mL/min
・UV−VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
【0046】
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
【0047】
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
【0048】
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)9種のクロロゲン酸類
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
・モノフェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
・ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
なお、カフェインの分析は、UV−VIS 検出器設定波長:270nm、カフェインを標準物質とした以外はクロロゲン酸類と同様に実施した。カフェインの保持時間は18.9分。
【0049】
3.Brixの測定
糖度計(Atago RX−5000α−Bev、Atago社製)を用いて20℃にて測定した。
【0050】
4.官能評価
各容器詰コーヒー飲料の酸味の質、後味のキレ、香りについて、専門パネル3名が下記基準にしたがい評価し、その後専門パネル3名の評点の平均値を求めた。なお、「後味」とは、JIS Z 8144:2004に記載の「口内に残る感覚」をいう。
【0051】
酸味の質
L22の焙煎コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液を用い、かつ難消化性デキストリンを2.39質量%配合した殺菌前の容器詰コーヒー飲料の酸味の質を評点5とし、L22の焙煎コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液を用い、かつ難消化性デキストリンを3.73質量%配合した殺菌前の容器詰コーヒー飲料の酸味の質を評点1(不自然な酸味)とし、L20の焙煎コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液を用い、かつ難消化性デキストリンを配合していない殺菌後の容器詰コーヒー飲料(比較例8)の酸味の質を評点1(カドがある酸味)として、評価を行った。具体的な評価基準は以下のとおりである。
【0052】
5:適度な酸味である
4:やや適度な酸味である
3:酸味にややカドがあるか、又はやや強い
2:酸味にカドがあるか、又は酸味が強い
1:酸味にカドが強いか、酸味が強過ぎるか、又不自然である
【0053】
後味のキレ
L16の焙煎コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液を用い、かつ難消化性デキストリンを2.39質量%配合した殺菌前の容器詰コーヒー飲料の後味のキレを評点5とし、L22の焙煎コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液を用い、かつ難消化性デキストリンを配合していない殺菌後の容器詰コーヒー飲料(比較例3)の後味のキレを評点3として、評価を行った。具体的な評価基準は以下のとおりである。
【0054】
5:後味のキレがよい
4:後味のキレがややよい
3:後味のキレがやや弱い
2:後味のキレが弱い
1:後味のキレがない
【0055】
香り
L16の焙煎コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液を用い、かつ難消化性デキストリンを2.39質量%配合した殺菌前の容器詰コーヒー飲料の香りを評点5とし、L22の焙煎コーヒー豆から得られたコーヒー抽出液を用い、かつ難消化性デキストリンを配合していない殺菌後の容器詰コーヒー飲料(比較例3)の香りを評点3として、評価を行った。具体的な評価基準は以下のとおりである。
【0056】
5:香りが十分にある
4:香りがある
3:香りがややある
2:香りがほとんどない
1:香りがない
【0057】
コーヒー抽出液の調製
製造例1
L15.5の焙煎コーヒー豆50gを90℃の熱水にて抽出し、600gのコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液は、Brixが1.92%、(B)クロロゲン酸類/(C)カフェインの質量比が0.31であった。
【0058】
製造例2
L16の焙煎コーヒー豆50gを90℃の熱水にて抽出し、500gのコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液は、Brixが1.72%、(B)クロロゲン酸類/(C)カフェインの質量比が0.42であった。
【0059】
製造例3
L20の焙煎コーヒー豆50gを90℃の熱水にて抽出し、500gのコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液は、Brixが1.69%、(B)クロロゲン酸類/(C)カフェインの質量比が1.07であった。
【0060】
製造例4
L22の焙煎コーヒー豆50gを90℃の熱水にて抽出し、500gのコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液は、Brixが1.58%、(B)クロロゲン酸類/(C)カフェインの質量比が1.57であった。
【0061】
製造例5
L26の焙煎コーヒー豆50gを90℃の熱水にて抽出し、600gのコーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液は、Brixが1.94%、(B)クロロゲン酸類/(C)カフェインの質量比が1.90であった。
【0062】
実施例1〜3及び比較例1〜2
製造例1〜5で得られた各コーヒー抽出液をBrix1.2%になるように計量し、これと表1に示す各成分とを配合し、所定のpHに調整後、規定調合量となるようにイオン交換水を加え、コーヒー飲料を得た。次いで、コーヒー飲料を容量200mLの缶容器に185g充填した後、レトルト殺菌(129℃、8.5分)し、容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を表1に併せて示す。
【0063】
【表1】
【0064】
実施例4〜5及び比較例3〜7
製造例4で得られたコーヒー抽出液をBrix1.2%になるように計量し、これと表2に示す各成分とを配合し、所定のpHに調整後、規定調合量となるようにイオン交換水を加え、コーヒー飲料を得た。次いで、コーヒー飲料を容量200mLの缶容器に185g充填した後、レトルト殺菌(129℃、8.5分)し、容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を実施例3の結果とともに表2に併せて示す。
【0065】
【表2】
【0066】
実施例6〜7及び比較例8〜12
製造例3で得られたコーヒー抽出液をBrix1.2%になるように計量し、これと表3に示す各成分とを配合し、所定のpHに調整後、規定調合量となるようにイオン交換水を加え、コーヒー飲料を得た。次いで、コーヒー飲料を容量200mLの缶容器に185g充填した後、レトルト殺菌(129℃、8.5分)し、容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を実施例2の結果とともに表3に併せて示す。
【0067】
【表3】
【0068】
実施例8〜9及び比較例13〜17
製造例2で得られたコーヒー抽出液をBrix1.2%になるように計量し、これと表4に示す各成分とを配合し、所定のpHに調整後、規定調合量となるようにイオン交換水を加え、コーヒー飲料を得た。次いで、コーヒー飲料を容量200mLの缶容器に185g充填した後、レトルト殺菌(129℃、8.5分)し、容器詰コーヒー飲料を得た。次いで、得られた容器詰コーヒー飲料の分析、官能試験を行った。その結果を実施例1の結果とともに表4に併せて示す。
【0069】
【表4】
【0070】
表1〜4から、コーヒー飲料中のクロロゲン酸類とカフェインとの量比を一定に制御し、難消化性デキストリンを一定量含有せしめることにより、加熱殺菌したにもかかわらず、香り、酸味の質、後味のキレの良好な容器詰コーヒー飲料が得られることが分かる。