特許第6584758号(P6584758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584758
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】電磁コネクター
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/14 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   H01F38/14
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-159475(P2014-159475)
(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公開番号】特開2015-32836(P2015-32836A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2017年7月18日
(31)【優先権主張番号】13/959,888
(32)【優先日】2013年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514091080
【氏名又は名称】ベドロック・オートメーション・プラットフォームズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ジー・カルヴァン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・コラン
(72)【発明者】
【氏名】アルバート・ルーヤッカーズ
【審査官】 田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−215028(JP,A)
【文献】 特開平08−322252(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0170258(US,A1)
【文献】 特開平09−182324(JP,A)
【文献】 特開平06−189479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F38/14
38/18
H02J50/00−50/90
H04B5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッシブハブの第1の磁気回路部分を形成するように構成されている電磁コネクターであって、前記電磁コネクターは、
第1のコア部材と、
前記第1のコア部材の周囲に配設されている複数のコイルであって、前記複数のコイルのそれぞれは、複数の電気回路のうちの対応する1つの電気回路に別々に接続するように構成されており、前記電磁コネクターは、第2の電磁コネクターと嵌め合わせるように構成されており、前記第2の電磁コネクターは、第2の磁気回路部分を形成するように構成されており、前記第2の電磁コネクターは、第2のコア部材と、前記第2のコア部材の周囲に配設されている少なくとも1つのコイルとを含み、前記第1のコア部材および前記第2のコア部材は、前記複数のコイルを前記少なくとも1つのコイルに連結するように構成されており、前記電磁コネクターが前記第2の電磁コネクターに嵌め合わされると、前記第1の磁気回路部分および前記第2の磁気回路部分から磁気回路が形成され、前記磁気回路は、前記複数のコイルのうちの第2のコイルが通電されると、前記複数のコイルのうちの第1のコイル、および、前記少なくとも1つのコイルの中に情報信号を誘導するように構成されている、複数のコイルと
を含む、電磁コネクター。
【請求項2】
前記複数の電気回路のそれぞれが、単一のプリント基板の上に製作されている、請求項1に記載の電磁コネクター。
【請求項3】
前記単一のプリント基板が、前記第1のコア部材および前記複数のコイルを支持するように構成されている、請求項2に記載の電磁コネクター。
【請求項4】
前記電磁コネクターが前記第2の電磁コネクターと嵌め合わされるときに、前記第1のコア部材を前記第2のコア部材から分離させるために、前記第1のコア部材の周囲に配設されている少なくとも1つの材料の層をさらに含む、請求項1に記載の電磁コネクター。
【請求項5】
前記第1のコア部材が、I字形状のコア部材を含む、請求項1に記載の電磁コネクター。
【請求項6】
前記I字形状のコア部材が、第2のI字形状のコア部材と嵌め合わせるように構成されている、請求項に記載の電磁コネクター。

【請求項7】
複数の電気回路と、
パッシブハブの第1の磁気回路部分を形成するように構成されている電磁コネクターであって、前記電磁コネクターは、第1のコア部材と、前記第1のコア部材の周囲に配設されている複数のコイルとを含み、前記複数のコイルのそれぞれは、前記複数の電気回路のうちの対応する1つの電気回路に別々に接続するように構成されており、前記電磁コネクターは、第2の電磁コネクターと嵌め合わせるように構成されており、前記第2の電磁コネクターは、第2の磁気回路部分を形成するように構成されており、前記第2の電磁コネクターは、第2のコア部材、および、前記第2のコア部材の周囲に配設されている少なくとも1つのコイルを含み、前記第1のコア部材および前記第2のコア部材は、前記複数のコイルを前記少なくとも1つのコイルに連結するように構成されており、前記電磁コネクターが前記第2の電磁コネクターに嵌め合わされると、前記第1の磁気回路部分および前記第2の磁気回路部分から磁気回路が形成され、前記磁気回路は、前記複数のコイルのうちの第2のコイルが通電されると、前記複数のコイルのうちの第1のコイル、および、前記少なくとも1つのコイルの中に情報信号を誘導するように構成されている、電磁コネクターと
を含むデバイス。
【請求項8】
プリント基板をさらに含み、前記複数の電気回路のそれぞれが、前記プリント基板の上に製作されている、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記プリント基板が、前記第1のコア部材および前記複数のコイルを支持するように構成されている、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記複数の電気回路のうちの少なくとも2つの電気回路が、少なくとも実質的に同一である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の電磁コネクターが前記第2の電磁コネクターと嵌め合わされるときに、前記第1のコア部材を前記第2のコア部材から分離させるために、前記第1のコア部材または前記第2のコア部材のうちの少なくとも一方の周囲に配設されている少なくとも1つの材料の層をさらに含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第1のコア部材または前記第2のコア部材のうちの少なくとも一方が、I字形状のコア部材を含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1のコア部材または前記第2のコア部材のうちの少なくとも他方が、前記I字形状のコア部材と嵌め合わせるように構成されている第2のI字形状のコア部材を含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
複数の電気回路と、第1の磁気回路部分を形成するように構成されている第1の電磁コネクターとを含む産業用エレメントであって、前記第1の電磁コネクターは、第1のコア部材と、前記第1のコア部材の周囲に配設されている複数のコイルとを含み、前記複数のコイルのそれぞれは、前記複数の電気回路のうちの対応する1つの電気回路に別々に接続するように構成され、前記産業用エレメントは複数のコントローラーを備えている、前記産業用エレメントと、
第2の電磁コネクターを含むバックプレーンであって、前記第2の電磁コネクターは、第2の磁気回路部分を形成するように構成されており、前記第2の電磁コネクターは、第2のコア部材と、前記第2のコア部材の周囲に配設されている少なくとも1つのコイルとを含み、前記複数のコントローラーは、前記産業用エレメントと前記バックプレーンとの間、並びに、前記複数のコントローラーの各々の間で通信を行うように構成され、前記複数のコイルの各々一つは前記複数のコントローラーの各々一つに接続されている、前記バックプレーンと、
前記第1の電磁コネクターを前記第2の電磁コネクターと嵌め合わせることによって形成されるパッシブハブであって、前記第1のコア部材および前記第2のコア部材は、前記複数のコイルを前記少なくとも1つのコイルに連結するように構成されており、前記第1の電磁コネクターが前記第2の電磁コネクターに嵌め合わされると、前記第1の磁気回路部分および前記第2の磁気回路部分から磁気回路が形成され、前記磁気回路は、前記第1の電磁コネクターの前記複数のコイルのうち一つのコイルが、対応する一つのコントローラーによって通電されるとき、前記第1の電磁コネクターの前記複数のコネクターのうち他のコイルと前記第2の電磁コネクターの前記少なくとも1つのコイルとが、前記複数のコイルのうち前記一つのコイルから前記バックプレーンへと、前記複数のコイルのうち前記一つのコイルから前記複数のコイルのうち前記他のコイルへと、それぞれの対応するコネクターによって通信するように構成されている、前記パッシブハブと
を含む、産業用制御システム。
【請求項15】
プリント基板をさらに含み、前記複数の電気回路のそれぞれが、前記プリント基板の上に製作されている、請求項14に記載の産業用制御システム。
【請求項16】
前記プリント基板が、前記第1のコア部材および前記複数のコイルを支持するように構成されている、請求項15に記載の産業用制御システム。
【請求項17】
前記複数の電気回路のうちの少なくとも2つの電気回路が、少なくとも実質的に同一である、請求項14に記載の産業用制御システム。
【請求項18】
前記第1の電磁コネクターが前記第2の電磁コネクターと嵌め合わされるときに、前記第1のコア部材を前記第2のコア部材から分離させるために、前記第1のコア部材または前記第2のコア部材のうちの少なくとも一方の周囲に配設されている少なくとも1つの材料の層をさらに含む、請求項14に記載の産業用制御システム。
【請求項19】
前記第1のコア部材または前記第2のコア部材のうちの少なくとも一方が、I字形状のコア部材を含む、請求項14に記載の産業用制御システム。
【請求項20】
前記第1のコア部材または前記第2のコア部材のうちの少なくとも他方が、前記I字形状のコア部材と嵌め合わせるように構成されている第2のI字形状のコア部材を含む、請求項19に記載の産業用制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
[0001]本出願は、2013年5月2日に出願された「Electromagnetic Connectors」という発明の名称の米国特許出願第13/875,858号、2011年12月30日に出願された「COMMUNICATIONS CONTROL SYSTEM WITH A SERIAL COMMUNICATIONS INTERFACE AND A PARALLEL COMMUNICATIONS INTERFACE」という発明の名称の米国特許出願第13/341,176号、2011年12月30日に出願された「SWITCH FABRIC HAVING A SERIAL COMMUNICATIONS INTERFACE AND A PARALLEL COMMUNICATIONS INTERFACE」という発明の名称の米国特許出願第13/341,161号、および、2011年12月30日に出願された「ELECTROMAGNETIC CONNECTOR」という発明の名称の米国特許出願第13/341,143号の米国特許法(35 USC)第120条による一部継続出願である。また、本出願は、2012年12月28日に出願された「ELECTROMAGNETIC CONNECTOR AND COMMUNICATIONS/CONTROL SYSTEM/SWITCH FABRIC WITH SERIAL AND PARALLEL COMMUNICATIONS INTERFACES」という発明の名称の国際出願第PCT/US2012/072056号の一部継続出願である。米国特許出願第13/875,858号、米国特許出願第13/341,176号、米国特許出願第13/341,161号、および米国特許出願第13/341,143、ならびに、国際出願第PCT/US2012/072056号は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
[0002]電気的なコネクターは、電気回路を完成させ、または、2つ以上の電気回路を接合するために使用される機械的なアッセンブリである。プラグおよびソケットタイプの電気的なコネクターは、一般的に、雄型プラグおよび雌型レセプタクルを含み、雄型プラグの中の複数のピンまたはプロング接触部は、雌型レセプタクルの嵌め合わせソケットの中の開口部の中へ挿入するように構成されている。マルチピンコネクターは、複数の金属ピンを用いている。したがって、嵌め合わせ金属部分(例えば、ピンおよびソケット)同士の間の接続は、良好な電気的接続を提供し、電気回路を完成させることができなければならない。例えば、マルチピンコネクターは、産業用制御システム(ICS)/プロセス制御システム(PCS)における相互接続部として使用され、入力/出力(I/O)デバイスを、パワーおよび/または通信信号伝送回路に接続する。そのような回路は、例えば、パワーバックプレーンによって使用することが可能であり、複数の電気的なコネクターが、共通の電源に並列に接続されている。他のタイプの電気的なコネクターは、イーサネット(登録商標)およびカテゴリー5(CAT5)ケーブル用に使用される8極8芯(8P8C)モジュラーコネクター;Recommended Standard 232(RS−232)モデムシリアルポート、コンピューター、電気通信、テスト/測定計器、モニター、ジョイスティック、マウス、およびゲーム機用に使用されるDサブミニチュアコネクター;デバイスにインターフェース接続するために使用されるユニバーサルシリアルバス(USB)コネクター(タイプA、タイプB、Mini−A、Mini−B、Micro−A、およびMicro−Bコネクターを含む);交流電流(AC)パワープラグおよびソケット(例えば、ソケット、レセプタクル、コンセント、パワーポイントなどの中の、適合するスロットおよび/または孔部の中へ嵌合する、突出するプロング、ブレード、および/またはピンを有するプラグ)、ならびに、直流電流(DC)コネクター(同軸パワーコネクターなど)などのような電力コネクター;RF信号を送信するための高周波(RF)コネクターなどを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]1つまたは複数の実装形態では、デバイスが開示されており、デバイスは、複数の電気回路と、電磁コネクターとを含み、電磁コネクターは、第1の磁気回路部分を形成するように構成されており、第1の磁気回路部分は、第1のコア部材と、第1のコア部材の周囲に配設されている複数のコイルとを含む。複数のコイルのそれぞれは、複数の電気回路のうちの対応する1つの電気回路に別々に接続するように構成されている。電磁コネクターは、第2の電磁コネクターと嵌め合わせるように構成されており、第2の電磁コネクターは、第2の磁気回路部分を形成するように構成されており、第2の磁気回路部分は、第2のコア部材と、第2のコア部材の周囲に配設されているコイルとを含む。電磁コネクターが第2の電磁コネクターと嵌め合わされると、第1のコア部材および第2のコア部材は、電磁コネクターの複数のコイルを、第2の電磁コネクターのコイルに連結するように構成されており、磁気回路は、第1の磁気回路部分および第2の磁気回路部分から形成される。磁気回路は、(例えば、パッシブハブ(passive hub)の様式で)複数のコイルの第2のコイルが通電されると、複数のコイルの第1のコイル、および、第2の電磁コネクターのコイルの中に信号を誘導するように構成されている。
【0004】
[0004]この概要は、簡易化された形態で、概念の選択を紹介するために提供されており、この形態は、以下に、詳細な説明でさらに説明されている。この概要は、特許請求されている主題の重要な特徴、または、本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求されている主題の範囲を決定することを助けるものとして使用されることも意図していない。
【0005】
[0005]詳細な説明は、添付の図を参照して説明されている。説明および図において、異なる例の中の同じ参照数字の使用は、同様のまたは同一の事項を指示している可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0006]本開示の例示的な実施形態によるコネクターアッセンブリを図示する等角図であり、コネクターアッセンブリは、第2の電磁コネクターと嵌め合わされた第1の電磁コネクターを含み、第1の電磁コネクターは、第1のコア部材の周囲に配設されている第1および第2のコイルを含み、第2の電磁コネクターは、第2のコア部材の周囲に配設されている別のコイルを含み、第1および第2の電磁コネクターは、磁気回路を形成し、磁気回路は、(例えば、パッシブハブの様式で)第1の電磁コネクターの第2のコイルが通電されると、第1の電磁コネクターの第1のコイル、および、第2の電磁コネクターのコイルの中に信号を誘導するように構成されている。
図2】[0007]本開示の例示的な実施形態による、複数の電気回路に別々に接続されている複数のコイルを含む電磁コネクターの説明図である。
図3】[0008]本開示の例示的な実施形態によるシステムの部分図であり、システムが、図2に示されている電磁コネクターなどのような、電磁コネクターを使用して形成されているパッシブハブに接続されている複数の通信チャネルを含む。
図4】[0009]本開示の例示的な実施形態によるシステムの部分図であり、システムが、プリント基板の上に製作される電気回路を含み、電気回路のそれぞれが、図2に図示されている電磁コネクターなどのような、プリント基板によって支持されている電磁コネクターに別々に接続されている。
図5A】[0010]本開示の例示的な実施形態による電磁コネクターを使用してバックプレーンに連結するように構成されているモジュール(例えば、産業用エレメント)を含むシステムの端面断面図である。
図5B】[0011]図5Aに示されているシステムの部分端面断面図であり、電磁コネクターが嵌め合わされ、モジュールをバックプレーンに連結している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
概説
[0012]マルチピンコネクターは、典型的に、産業用制御システム/プロセス制御システムにおいて使用され、I/Oデバイスを、パワーバックプレーンに含まれるパワーおよび/または通信信号伝送回路に接続する。ピン相互接続は、高精度の信号分解能を提供し、かつ、金めっきが施された硬化鋼などのような、高品質の材料から構築されることが多い。様々なピンを曲げること、または、ミスアライメント状態にすることを回避するために、マルチピンコネクターを接続および取り外すときには、注意が払わなければならない。追加的に、産業用の環境(settings)において、および、現場の双方において、ピン相互接続は、腐食性物質および汚染物質に露出されることが多く、酸化およびコーティングを受け、間欠的な故障につながる可能性がある。故障の本質および原因の特定は、難しく、コストがかかる可能性がある。したがって、マルチピンコネクターは、一般的に、産業用制御システムハードウェアの高コストおよび高メンテナンスのコンポーネントである。
【0008】
[0013]また、産業用制御システム/プロセス制御システムは、I/Oデバイス同士の間のガルバニック絶縁を必要とし、かつ、パワー伝送および制御機器に関連付けされる可能性がある。例えば、I/Oデバイスは、典型的に、信号伝送のために、変圧器および/または光学的な機器を使用し、I/Oデバイスを電気的に絶縁し、接地ループを防止するなどする。産業用システムは、パワーおよび/または通信信号伝送のためにバックプレーンを提供することが可能であり、プラグ着脱可能なI/Oデバイスが、バックプレーンに接続されている。それぞれのプラグ着脱可能なI/Oデバイスは、パワーおよび通信伝送の両方のために、マルチピンコネクターを使用することが可能であり、パルス幅変調(PWM)/パルス持続期間変調(PDM)およびパワー変圧器が、バックプレーンとI/Oデバイスとの間の絶縁を実現することを伴う。例えば、バックプレーンは、DC信号をI/Oデバイスへ送達するために、DC電源およびコネクターを使用することが可能である。次いで、それぞれのI/Oデバイスは、DC信号をAC信号へ変換するためにPWMを使用し、パワー/通信信号を回路へ送達するために変圧器を使用することが可能である。高品質のマルチピンコネクター、PWM回路、およびパワー変圧器の使用は、I/Oデバイスのコストおよび複雑さを増加させる。
【0009】
[0014]したがって、磁気回路の一部分を形成する電磁コネクターを用いる電磁コネクターアッセンブリが説明されている。電磁コネクターのうちの1つまたは複数は、コア部材と、コア部材の周囲に配設されている複数のコイルとを含む。実装形態では、電磁コネクターは、他の電磁コネクターと嵌め合わせるように構成されており、1つの電磁コネクターが別の電磁コネクターに嵌め合わされるときに、コネクターのコア部材が、第1のコネクターのコイルを、第2のコネクターの1つまたは複数のコイルに連結し、磁気回路を完成させるようになっている。複数のコイルのうちの1つのコイルが通電されると、磁気回路は、複数のコイルのうちの別のコイル、および、第2のコネクターの1つまたは複数のコイルの中に信号を誘導するように構成されている。さらに、第2のコネクターのコイルが通電されると、第1のコネクターの複数のコイルの中に、信号が誘導される。このように、電磁コネクターアッセンブリは、パッシブハブの様式で使用することが可能である。電磁コネクターが使用され、例えば、I/Oモジュールとバックプレーンとの間の通信を促進させることが可能である。
【0010】
[0015]本開示にしたがって構成されている電磁コネクターは、緊密に連結されているコイルにリンクする磁気回路を完成させるために、必ずしも、正確な接触、圧力、および/または、アライメントを必要とはしない。実装形態では、電磁コネクターは、パワーバックプレーン/バス構成を有する産業用制御システムにおいて使用することが可能である。例えば、電磁コネクターは、PWM、別々のパワー変圧器、および、関連のトランジスター(これは、使用しない場合、それぞれのI/Oモジュールが、I/Oモジュールとパワーバックプレーンとの間の隔離を維持することを必要とすることとなる)の代わりに、1つまたは複数のI/Oモジュールとともに使用することが可能である。また、電磁コネクターは、通信および/またはパワー信号伝送のために、マルチピンコネクターの代わりに使用することが可能である。複数のPWM、パワー変圧器、トランジスター、およびマルチピンコネクターを排除することは、このタイプの構成に関して、著しいコスト節約およびスペース節約を提供することを可能とし、これにはセンサーと制御コンポーネントとの間で強化されたガルバニック絶縁を伴う。さらに、信号伝送のための非接触式の相互接続は、より環境的にロバストな構造を提供し、腐食、ピンミスアライメントなどに起因する現場故障を低減させるか、または、排除することが可能である。
【0011】
[0016]1つまたは複数の実装形態では、電磁コネクターアッセンブリが、AC信号を分配するためのバックプレーンを含むシステムの中で用いられる。システムは、バックプレーンに連結されている多数の電磁コネクターを含むことが可能である。本明細書で説明されているように、電磁コネクターは、(例えば、先述されているように、)コア部材と、コア部材の周囲に配設されている1つまたは複数のコイルとを含む。電磁コネクターのそれぞれは、別の電磁コネクターと嵌め合わせるように構成されており、別の電磁コネクターは、モジュールの中に含まれ得る。電磁コネクターが嵌め合わされると、コイルは、磁気回路を介して連結される。磁気回路は、バックプレーンのコイル、または、モジュールの別のコイルが通電されると、モジュールの1つまたは複数のコイルの中に信号を誘導するように構成されている。さらに、モジュールのコイルが通電されると、磁気回路は、バックプレーンの1つまたは複数のコイルの中に信号を誘導するように構成されている。バックプレーンが使用され、電力を供給し、および/または、モジュールの回路との通信を供給することが可能である。
【0012】
[0017]システムは、マルチドロップパワーバックプレーン/バス構成を有する産業用制御システム/プロセス制御システムのために構成することが可能であり、マルチドロップパワーバックプレーン/バス構成は、DC−AC(DC/AC)変換回路および配電変圧器を使用して、高周波ACパワーを送信し、電磁コネクターは、先述されているように構成されている。本開示にしたがって構成されているシステムは、それぞれのI/Oデバイスに関して別々のPWMを使用することを排除し、複数のPWMを、例えば、バックプレーンの上に位置付けされている単一のPWMと交換することが可能である。したがって、典型的なコネクターおよびパワー変圧器構成は、磁気回路(例えば、緊密に連結されている変圧器)と交換することが可能である。それぞれの磁気回路は、変圧器の2つの部分(例えば、半分)として構成することが可能であり、変圧器の一方の部分(例えば、半分)は、それぞれのモジュールの中に位置付けされており、もう一方の部分(例えば、半分)は、バックプレーンの中に位置付けされている。バックプレーンの中の変圧器の部分は、例えば、一次コイル、および、コアの一部分を含むことが可能である。それぞれのモジュールの中の変圧器の部分は、二次コイル、および、嵌め合わせコアを含むことが可能である。一次コイルの中の電力は、二次コイルによって取り出され、次いで、整流されて使用され、それぞれのモジュールの中の回路に電力を供給し、および/または、それぞれのモジュールの中の回路と通信する。
【0013】
[0018]本開示にしたがって構成されているシステムは、通信制御システムとして実装することが可能であり、通信制御システムは、シリアル通信インターフェース(例えば、マスターおよび複数のスレーブを有するシリアルバスまたはマルチドロップバス(MDB))、および、パラレル通信インターフェース(例えば、クロススイッチを使用して実装されるパラレルバスまたはポイントツーポイントバスなど)を有するスイッチファブリックを含む。シリアル通信インターフェースおよびパラレル通信インターフェースは、複数の入力/出力(I/O)モジュールを、通信/制御モジュールに接続するために、および、互いに接続するために使用することが可能である。
【0014】
例示的な実装形態
[0019]図1から図5は、本開示の例示的な実装形態によるコネクターアッセンブリ102の例示的な電磁コネクター100を図示している。電磁コネクター100は、回路同士の間の隔離を維持しながら、電気信号および/または電力を一方の回路から別の回路へ送信するために、電気回路を一緒に連結することが望ましい任意の適用例において使用することが可能である。例えば、電磁コネクター100は、必ずしもそれに限定されるわけではないが、産業用制御システム/プロセス制御システム(例えば、I/Oデバイスをパワーおよび/または通信信号伝送回路に接続するためのもの)、電気通信(例えば、オーディオ、ブロードバンド、ビデオ、および/または音声の伝送のためのもの)、情報/データ通信(例えば、イーサネット(登録商標)機器、モデムなどのような、コンピューターネットワーク機器を接続するためのもの)、コンピューターハードウェア相互接続(例えば、ジョイスティック、キーボード、マウス、モニターなどのような、周辺機器を接続するためのもの)、ゲーム機、テスト/測定計器、電力コネクター(例えば、AC電源からのパワー伝送のためのもの)などを含む、適用例において使用することが可能である。
【0015】
[0020]電磁コネクター100のそれぞれが、磁気回路部分104を形成するように構成されており、磁気回路部分104は、コア部材106と、コア部材106の周囲に(例えば、周囲に、および/または、中に)配設されている1つまたは複数のコイル108とを含む。本開示では、「コア部材」は、磁気コアの不完全な部分を参照するために使用され、この不完全な部分は、電磁コネクター100が一緒に連結されているときに、別のコア部材によって完全にされるということが留意されるべきである。それぞれの電磁コネクター100は、電磁コネクター100を介して接続されているコンポーネント同士の間で、パワーおよび/または通信信号を送信するために、コネクターアッセンブリ102の別の電磁コネクター100と嵌め合わせるように構成されている。例えば、電磁コネクター100の第1のI字形状またはE字形状のコア部材106は、第1の電磁コネクター100と第2の電磁コネクター100との間で通信信号を送信するために、別の電磁コネクター100の第2のI字形状またはE字形状のコア部材106と嵌め合わせるように構成されている。
【0016】
[0021]一方のコア部材106が別のコア部材106に接触するように構成されている実装形態では、接触表面は、実質的に平坦であることが可能であるが、この構成は、単に例として提供されており、本開示を限定することを意味していない。したがって、他の実装形態を提供することが可能であり、他の実装形態は、コア部材同士の間の接触の表面積を増加させるように設計され、および/または、(例えば、別のコア部材の中へ挿入するために、一方のコア部材の一部分を構成させることによって)コア部材のセルフアライメントを提供するように設計された実装形態を含む。例えば、一方のコア部材は、別のコア部材のテーパー付きの孔部の中へ挿入するために構成されているテーパー付きのピンを含み、テーパー付きのピンの外周面および/または端部が、テーパー付きの孔部の内部壁部および/または底部表面の一部分に接触するように構成されている。いくつかの実施形態では、電磁コネクター100は、締まり嵌め(interference fit)構成を備え付けており、例えば、1つまたは複数のコイル108が、第1のコア部材106の周囲に配設されており、および、1つまたは複数の他のコイル108が、第2のコア部材106の中に配設されている。必ずしもそれに限定されるわけではないが、摩擦フィットのために、円錐形状の、同心円状の、偏心した、幾何学的な、傾斜した幾何学形状などを含む、幾何学形状を有するコネクターを使用することで、締まり嵌めを確立することが可能である。
【0017】
[0022]本開示の実施形態では、第1のコア部材106は、第1の電磁コネクター100が第2の電磁コネクター100と嵌め合わされるときに、必ずしも、第2のコア部材106に接触するように構成されてはいない。1つまたは複数のギャップを、特定の組の嵌め合わせコア部材106の様々な点の間に、設けることが可能である。例えば、図1に図示されているように、2つのI字形状のコア部材106を備える実施形態では、エアギャップAが、第1のI字形状のコア部材106と第2のI字形状のコア部材106との間に設けられている。例えば、第1のコア部材106は、必ずしも、第2のコア部材106に電気的接触をしないが、第2のコア部材106の近位に支持されている。さらに、E字形状のコア部材106を、C字形状のコア部材、U字形状のコア部材、I字形状のコア部材などと嵌め合わせることによって、エアギャップAを設けることが可能である。例えば、一方のE字形状のコア部材の中間脚部は、平面的な巻き線を含む第1のコイルを備える第1の回路基板と、平面的な巻き線を含む第2のコイルを備える第2の回路基板の両方を通って延在するように構成することが可能であり、E字形状のコア部材の外側脚部は、別のU字形状のコア部材の脚部に接触するように構成されている。この構成では、U字形状のコア部材の周囲に配設されるコイルは、「U」の脚部同士の間に位置付けされ得る。しかし、平面的な巻き線は、単に例として提供されており、本開示を制限することを意味していない。したがって、コイル108は、コア部材106の周囲に、または、コア部材106の中に巻き付けられた絶縁銅巻き線などのような、他の巻き線を含むことが可能である。
【0018】
[0023]コア部材106は、添付の図では、I字形状およびE字形状のものとして示されているが、これらの形状は、単に例として提供されており、本開示を限定することを意味していないということが留意されるべきである。したがって、コア部材106、および/または、2つの嵌め合わせコア部材106の組み合わせ形態は、必ずしもそれに限定されるわけではないが、「C」/「U」コア、「EFD」コア、「EP」コア、「ER」コア、ポット(pot)コア、トロイダル(toroidal)コア、リング/ビードコアなどを含む、他の形状および/またはコア幾何学形状を含むことが可能である。例えば、コア部材106の形状は、カップリング/動作周波数に基づいて選択することが可能である。さらに、コア部材106は、(例えば、平面的な巻き線とともに)平面的なコアとして実装することが可能である。実装形態では、コア部材106は、例えば、平面的な巻き線として形成されたコイル108に沿って、回路基板の中に、または、回路基板の上に形成することが可能であり、コア部材106が、回路基板の1つまたは複数の部分によって、コイル108から電気的に絶縁されるようになっている。
【0019】
[0024]電磁コネクター100の1つまたは複数のコア部材106は、鉄スラリー材料から形成することが可能である。しかし、この材料は、単に例として提供されており、本開示を限定することを意味していない。したがって、コア部材106は、コイル108によって発生させられる磁界を閉じ込めて案内するのに適切な透磁率を有する任意の材料を含むことが可能であり、それは、必ずしもそれに限定されるわけではないが、軟磁性の材料(すなわち、シリコン鋼などのような、低いヒステリシスを有する磁気的な材料)、強磁性の金属(例えば、鉄)、フェリ磁性体の化合物(例えば、フェライト)などを含む。
【0020】
[0025]第1の電磁コネクター100の1つまたは複数のコイル108は、第1の電磁コネクター100の磁気回路部分104、および、第2の電磁コネクター100の磁気回路部分104から形成される磁気回路を伴って、第2の電磁コネクター100の1つまたは複数のコイル108に緊密に連結され得る。磁気回路は、第2の電磁コネクター100のコイル108の1つまたは複数が通電されるときに、第1の電磁コネクター100のコイル108の1つまたは複数の中に信号を誘導するように構成されており、および、第1の電磁コネクター100のコイル108の1つまたは複数が通電されるときに、第2の電磁コネクター100のコイル108のうちの1つまたは複数の中に信号を誘導するように構成されており、パワーおよび/または通信信号が、電磁コネクター100を介して接続されているコンポーネント同士の間で送信されることを可能にする。実装形態では、コイル108は、緊密に連結されるか(例えば、鉄製コアを使用して、約1(1)のカップリング係数を提供する)、クリティカルに(critically)連結されるか(例えば、通過帯域の中のエネルギー伝達が最適である)、または、オーバーカップルされ(overcoupled)得る(例えば、二次コイルが、一次コイルの場を崩壊させるのに十分なほど、一次コイルに近づく)。
【0021】
[0026]実装形態では、コア部材106および/またはコイル108のうちの1つまたは両方が、1つまたは複数の層の材料中に、少なくとも部分的に(例えば、完全にまたは部分的に)、機械的にケースに入れられ得る。さらに、いくつかの実施形態では、第1の電磁コネクター100が第2の電磁コネクター100と嵌め合わされるときに、第1のコア部材106を第2のコア部材106から分離させるために、1つまたは複数の層の材料(例えば、保護層110)が、第1のコア部材106の周囲に配設されている。保護層110は、薄膜プラスチック材料のコーティングなどのような、非導電性/絶縁材料から製作することが可能である。保護層(例えば、非導電性/絶縁材料)は、必ずしもそれに限定されるわけではないが、コーティング、ペインティング、蒸着などを含む技法を使用して、適用することが可能である。いくつかの実施形態では、保護層110は、0.127mm(1000分の5インチ(0.005インチ))の厚さのLexanの層を含む。本開示の実施形態では、保護層110は、電磁コネクター100のコア部材106および/またはコイル108を、腐食、機械的な損傷(例えば、破壊)などから保護するように構成されている。コア部材106が脆性材料から構成されるときには、ケースに入れることは、特に有用である可能性がある。例えば、コア部材106は、プラスチック材料から形成される保護層の中に、緊密にケースに入れることが可能である。このように、コア部材に対する損傷(例えば、コア部材の中の亀裂または破損)が起こるとき、材料のピースは、ケーシングの中で、実質的に互いに接触した状態に維持され得る。したがって、コア材料に対する損傷は、著しくは性能を減少させないことが可能である。
【0022】
[0027]図2から図5は、本開示の例示的な実装形態による、プロセス制御システム技術などとともに使用するために構成されているシステム112を図示している。例えば、コントローラーエレメントおよびサブシステムから構成される分散制御システムとともに使用され得るシステム112が図示されており、サブシステムが、システム全体にわたって分配されている1つまたは複数のコントローラーによって制御される。システム112は、スイッチファブリックを含むことが可能であり、スイッチファブリックは、1つまたは複数のバックプレーン114と1つまたは複数のモジュール116との間に通信を供給するために、シリアル通信インターフェースおよび/またはパラレル通信インターフェースを含む。それぞれのバックプレーン114は、多数の電磁コネクター100を有しており、電磁コネクター100のそれぞれは、(例えば、先述されているように、)コア部材106と、コア部材106の周囲に配設されている1つまたは複数のコイル108とを含む。バックプレーン114に含まれている電磁コネクター100のそれぞれは、産業用エレメントなどのような、モジュール116に含まれている別の電磁コネクター100と嵌め合わせるように構成されている。例えば、電磁コネクター100が、産業用制御システム(ICS)/プロセス制御システム(PCS)の中で相互接続し、I/Oデバイスを、パワーおよび/または通信信号伝送回路に接続する状態で、システム112を実装することが可能である。
【0023】
[0028]電磁コネクター100が嵌め合わされると、バックプレーン114のコア部材106、および、モジュール116のコア部材106は、磁気回路を介してコイル108を連結するように構成されている。バックプレーン114のコイル108が通電されると(例えば、DC/ACコンバーターからのAC信号とともに)、磁気回路は、モジュール116の1つまたは複数のコイル108の中に信号を誘導するように構成されている。モジュール116のコイル108の中に誘導された信号が使用され、図2に示されているように、電力を供給し、および/または、1つまたは複数の電気回路118との通信を供給することが可能である。バックプレーン114は、モジュール116の中に信号を誘導するものとして説明されているが、この実装形態は、単に例として提供されており、本開示を制限することを意味していないということが留意されるべきである。したがって、また、モジュール116のコイル108が通電され、バックプレーン114との通信を供給すると、磁気回路は、バックプレーン114の1つまたは複数のコイル108の中に信号を誘導するために使用され得る。さらに、嵌め合わせ電磁コネクター100に含まれるコイル108は、交互のシーケンスで(例えば、次々に)通電され、双方向通信などを提供することが可能である。
【0024】
[0029]本開示の実施形態では、モジュール116および/またはバックプレーン114は、複数の電気回路118を含み、電気回路118のうちの2つ以上が、それぞれ、電磁コネクター100のコア部材106の周囲に配設されているコイル108に別々に接続する。このように、バックプレーン114と1つまたは複数のモジュール116との間の通信は、パッシブハブ120の様式で実装され得る。例えば、バックプレーン114およびモジュール116は、複数の通信チャネル122を使用して通信することが可能であり、複数の通信チャネル122のそれぞれは、図3に示されているように、例えば、コントローラー124(例えば、マイクロコントローラー)を使用して実装することが可能である。バックプレーン114の中に配設されているコイル108が通電されると、信号が、モジュール116のそれぞれの通信チャネル122に関連付けされているそれぞれのコイル108の中に誘導される。さらに、モジュール116の中に配設されているコイル108が通電されると、信号が、バックプレーン114に関連付けされている1つまたは複数のコイル108の中に誘導される。このように、通信が、複数のコントローラー124の間に供給される。本開示の実施形態では、電気回路118のうちの2つ以上が、少なくとも実質的に同一であり(例えば、同一である、電気的に同等であるなど)、バックプレーン114および/またはモジュール116の中に冗長性を提供する。
【0025】
[0030]いくつかの実装形態では、電気回路118は、図4に示されているように、単一のモノリシックのプリント基板(PCB)126の中に実装されており、例えば、複数のI字形状および/またはE字形状のコア部材106、および、電磁コネクター100のコイル108が、PCB126によって支持されている。実装形態では、コア部材は、PCB126から機械的に隔離され得る(例えば、PCB126に触れていない)。しかし、この構成は、単に例として提供されており、本開示を制限するということを意味していない。いくつかの実施形態では、図5Bに示されているように、1つまたは複数の付勢部材128(例えば、ばね)が、コア部材106を付勢するために含まれている。例えば、図示されている実施形態では、コア部材106は、別のコア部材106に向かって付勢されている。しかし、他の実施形態では、コア部材106は、別のコア部材106から離れるように付勢され、別のコア部材106と整合するように付勢されるなどとなる。
【0026】
[0031]システム112は、1つまたは複数のI/Oモジュール116を(例えば、スレーブデバイスとして)接続するために、ならびに、データをI/Oモジュール116とやりとりするために、構成することが可能である。I/Oモジュール116は、入力モジュール、出力モジュール、および/または、入出力モジュールを含むことが可能である。例えば、入力モジュールは、プロセスまたは現場の入力計器から情報を受信するために使用することが可能であり、一方、出力モジュールは、現場の出力計器へ命令を送信するために使用することが可能である。例えば、I/Oモジュール116は、ガスプラント、精製所などのための配管の中の圧力を測定するためのセンサーなどのような、プロセスセンサーに接続することが可能である。実装形態では、I/Oモジュール116が使用され、必ずしもそれに限定されるわけではないが、産業用プロセス(製造、生産、発電、製作、および精製など)、インフラストラクチャープロセス(水処理および配水、廃水収集および処理、油およびガスパイプライン、電力伝送および電力分配、ウィンドファーム、ならびに、大型通信システムなど)、建物、空港、船舶、および宇宙ステーションのための(例えば、冷暖房空調(HVAC)機器およびエネルギー消費を監視および制御するための)設備プロセス;大型キャンパスの産業用プロセスプラント(油およびガス、精製、化学薬品、医薬品、食品および飲料、水および廃水、紙パルプ、商用電力、鉱業、金属など)、ならびに/または、重要インフラストラクチャーを含む適用例において、データを収集し、システムを制御することが可能である。
【0027】
[0032]実装形態では、I/Oモジュール116は、(例えば、アナログ−デジタルコンバーター(ADC)回路などを使用して、)センサーから受信したアナログデータをデジタルデータへ変換するように構成することが可能である。また、I/Oモジュール116は、モーターに接続され、モーター速度、モータートルクなどのような、モーターの1つまたは複数の動作特性を制御するように構成することが可能である。さらに、I/Oモジュール116は、(例えば、デジタル−アナログ(DAC)回路などを使用して)モーターへ伝送するために、デジタルデータをアナログデータへ変換するように構成することが可能である。実装形態では、I/Oモジュール116のうちの1つまたは複数は、イーサネット(登録商標)バス、H1フィールドバス、プロセスフィールドバス(PROFIBUS)、ハイウェイアドレス可能遠隔トランスデューサ(HART)バス、モドバスなどのような、通信サブバスを介して通信するために構成された通信モジュールを含むことが可能である。さらに、I/Oモジュール116のうちの2つ以上が使用され、通信サブバスのために、耐故障性および冗長性の接続を提供することが可能である。
【0028】
[0033]1つのI/Oモジュール116を別のI/Oモジュール116から区別するために、それぞれのI/Oモジュール116には、一意識別子(ID)が提供され得る。実装形態では、I/Oモジュール116は、システム112に接続されるときに、そのIDによって識別することが可能である。複数のI/Oモジュール116が、システム112とともに使用され、冗長性を提供することが可能である。例えば、2つ以上のI/Oモジュール116を、センサーおよび/またはモーターに接続することが可能である。それぞれのI/Oモジュール116は、ハードウェアへの物理的な接続を供給する1つまたは複数のポート130と、PCB126などのような、I/Oモジュール116に含まれる回路とを含むことが可能である。
【0029】
[0034]I/Oモジュール116のうちの1つまたは複数は、必ずしもそれに限定されるわけではないが、広域携帯電話ネットワーク(3Gセルラーネットワーク、4Gセルラーネットワーク、または、移動通信(GSM(登録商標))ネットワーク用のグローバルシステムなど)、無線コンピューター通信ネットワーク(Wi−Fiネットワーク(例えば、IEEE802.11ネットワーク規格を使用して動作される無線LAN(WLAN)など)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)(例えば、IEEE802.15ネットワーク規格を使用して動作される無線PAN(WPAN))、広域ネットワーク(WAN)、イントラネット、エクストラネット、インターネット、インターネット(Internet)などを含む、他のネットワークに接続するためのインターフェースを含む。さらに、I/Oモジュール116のうちの1つまたは複数は、I/Oモジュール116をコンピューターバスなどに接続するための接続部を含むことが可能である。
【0030】
[0035]システム112によって送信されるデータは、パケット化することが可能であり、すなわち、データの個別部分は、データパケットへ変換することが可能であり、データの個別部分は、ネットワーク制御情報などを伴うデータ部分を含む。システム112は、ハイレベルデータリンク制御(HDLC)などのようなビット指向同期式データリンク層プロトコルを含む、データ伝送のために1つまたは複数のプロトコルを使用することが可能である。特定の場合には、システム112は、国際標準化機構(ISO)13239規格などにしたがって、HDLCを実装することが可能である。さらに、2つ以上のシステム112が使用され、冗長性のHDLCを実装することが可能である。しかし、HDLCは、単に例として提供されており、本開示を制限することは意味していないということが留意されるべきである。したがって、システム112は、本開示にしたがって、他の様々な通信プロトコルを使用することが可能である。
【0031】
[0036]ここで図5Aおよび図5Bを参照すると、バックプレーン114およびモジュール116は、2つの(2)E−コアコネクターアッセンブリ102と、3つの(3)I−コアコネクターアッセンブリ102とを含む。E−コアコネクターアッセンブリ102は、実質的に同一であり、一方が、モジュール116のための主要電力源としての役割を果たしており、もう一方が、モジュール116のバックアップ電力源としての役割を果たしている。3つのI−コアコネクターアッセンブリ102を参照すると、1つが、バックプレーン114からモジュール116への高周波通信を提供し、1つが、バックプレーン114からモジュール116への高速通信を提供し、1つが、監視および/または管理機能のために、比較的に低周波の双方向通信を提供している。示されているように、モジュール116の中に配設されているそれぞれのI−コア電磁コネクター100は、5つの(5)巻き線を有しており、1つの(1)巻き線が、バックプレーン114の中に配設されているI−コア電磁コネクター100に含まれている。I−コア電磁コネクター100は、コネクターアッセンブリ102を形成し、コネクターアッセンブリ102は、様々な負荷の間でバランスの取れたインピーダンスを有する多重巻き線変圧器を含む。しかし、2つの電磁パワー伝達アッセンブリ、および、3つの電磁通信アッセンブリの使用は、単に例として提供されており、本開示を限定することを意味していない。他の実施形態では、より少ない、または、より多い、そのようなアッセンブリが設けられる。
【0032】
結論
[0037]主題が、構造的特徴および/またはプロセス動作に特有の言葉で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義されている主題は、必ずしも、上記に説明されている特有の特徴または作用に限定されないということが理解されるべきである。むしろ、上記に説明されている特有の特徴および作用は、特許請求の範囲を実装する例示的な形態として開示されている。
【符号の説明】
【0033】
100 電磁コネクター
102 コネクターアッセンブリ
104 磁気回路部分
106 コア部材
108 コイル
110 保護層
112 システム
114 バックプレーン
116 I/Oモジュール
118 電気回路
120 パッシブハブ
122 通信チャネル
124 コントローラー
126 プリント基板
128 付勢部材
130 ポート
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B