特許第6584775号(P6584775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584775
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】フィルタ及びこれを備えた集塵機
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/52 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   B01D46/52 D
   B01D46/52 A
   B01D46/52 B
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-263096(P2014-263096)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-120469(P2016-120469A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2017年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113355
【氏名又は名称】ホソカワミクロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】笹井 良祐
(72)【発明者】
【氏名】河原 正佳
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭49−049268(JP,A)
【文献】 特開平06−170135(JP,A)
【文献】 特開平10−211410(JP,A)
【文献】 米国特許第04073632(US,A)
【文献】 米国特許第06179888(US,B1)
【文献】 特開2005−279503(JP,A)
【文献】 米国特許第04445915(US,A)
【文献】 実公昭42−004470(JP,Y1)
【文献】 実開昭61−048021(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00−54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を含んだ気体が流入する捕集室と、清浄気体が集められる清浄室とを仕切る隔壁に取り付けられるフィルタであって、
有底筒状の濾材における開口側の端部と一体に形成された弾性変形可能な単一の樹脂材からなる筒状のフィルタボスを備え、
前記フィルタボスは、その内周を湾曲膨出してなる逆洗用気体を流動させるベンチュリー部を有し、前記フィルタボスの下端部に前記濾材の開口部の端部が挿入されて溶着あるいは接着固定されると共に、その上部の内周に、前記隔壁の通気孔に設けられて当該フィルタを支持する筒状のフィルタ支持部材の外周に弾性係合する係合部を有する、
ことを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
粉体を含んだ気体が流入する捕集室と、清浄気体が集められる清浄室とを仕切る隔壁に取り付けられるフィルタであって、
有底筒状の濾材における開口側の端部と一体に形成された弾性変形可能な単一の樹脂材からなる筒状のフィルタボスを備え、
前記フィルタボスは、その内周を湾曲膨出してなる逆洗用気体を流動させるベンチュリー部を有し、前記フィルタボスの下端部に前記濾材の開口部の端部が挿入されて溶着あるいは接着固定されると共に、その上端に、前記隔壁に形成した当該フィルタのフィルタ装着孔より大径の取付けフランジを有する、
ことを特徴とするフィルタ。
【請求項3】
前記粉体が製品粉体であって、前記気体に含まれる製品粉体の濃度が、5g/m以上であり、
前記濾材が、プリーツ状に屈曲されると共に、そのプリーツ角度が、15°以上45°以下である、
請求項1または2に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記フィルタボスは、前記フィルタ支持部材に外嵌装着可能であり、前記フィルタボスの前記係合部は、前記フィルタ支持部材の外周に設けた係合部に弾性係合する、
請求項1に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記フィルタボスの外周に装着した締付けバンドの締め付けによって、フィルタボスの外方への変形を阻止して、前記係合部同士の係合状態を保持する、
請求項4に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記締付けバンドに締付け用のフックレバーを備え、当該フックレバーのデッドポイントを超える正逆回動によって締付け状態と締め付け解除状態に切換え可能である、
請求項5に記載のフィルタ。
【請求項7】
前記フィルタボスは、前記フィルタ支持部材に、ねじ込み装着するためのネジ部を備える、
請求項4に記載のフィルタ。
【請求項8】
前記ネジ部が複数条ネジである、
請求項7に記載のフィルタ。
【請求項9】
当該フィルタを、前記清浄室側から前記フィルタ装着孔に挿入可能とした、
請求項2に記載のフィルタ。
【請求項10】
前記フィルタ装着孔に挿入された当該フィルタにおける前記フィルタボスの前記取付けフランジが、固定部材によって押さえ込み支持される、
請求項9に記載のフィルタ。
【請求項11】
粉体を含んだ気体が流入する捕集室と、清浄気体が集められる清浄室とを、フィルタを備えた隔壁で仕切り、捕集室の気体がフィルタを通過して清浄室に流動されるよう構成するとともに、前記フィルタの内部に向けて逆洗用気体を供給する逆洗手段を前記清浄室に装備した集塵機であって、
前記フィルタが、前記請求項1ないし10のいずれか一項に記載のフィルタである、
ことを特徴とする集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体中の粉体を捕集するフィルタ、及び、これを備えた集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
微細粉塵等の粉体を含んだガスから粉体を分離して捕集する捕集装置の一例である集塵機においては、例えば、特許文献1に示されているように、粉体を含んだガスが導入される捕集室と清浄気体が集められる清浄室とを仕切る隔壁に有底筒状のフィルタを装着し、フィルタを通して粉体を濾過した清浄ガスを、清浄室を経て取り出すよう構成するとともに、清浄室内のインジェクタチューブから間欠的に噴出した高圧気体を、隔壁に支持したベンチュリー管を介してフィルタ内に吹込み供給することで、ベンチュリー管の外気誘引作用によって空気をフィルタ内に効率よく吹き込み、フィルタに付着した粉体を効果的に捕集室側に吹き落とし除去するパルスジェット式の逆洗手段を備えたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−75902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中間部がくびれた形状のベンチュリー管は、金属直管を、へら絞り加工などによって形成されるものであるために、加工に手数がかかるとともにコスト高の部品となるものであった。
【0005】
また、除塵処理する気体が、SOxや塩化水素などを含んだ腐食性のガスである場合には、ベンチュリー管の薄肉の先端部分が比較的短期間の間に腐食して変形あるいは欠落しやすくなり、そのため、高価なベンチュリー管の取替えが必要となり、メンテナンスコストが高くつくものであった。
【0006】
特に、ベンチュリー管を隔壁に溶接固定しているような場合には、ベンチュリー管の取替えは大掛かりなものとなるものであった。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、ベンチュリー管を簡単かつ安価に製作することができるとともに、メンテナンスコストの低減に寄与することができるフィルタ及びこれを備えた集塵機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0009】
(1)本発明のフィルタは、粉体を含んだ気体が流入する捕集室と、清浄気体が集められる清浄室とを仕切る隔壁に取り付けられるフィルタであって、
有底筒状の濾材における開口側の端部と一体に形成された弾性変形可能な単一の樹脂材からなる筒状のフィルタボスを備え、前記フィルタボスは、その内周を湾曲膨出してなる逆洗用気体を流動させるベンチュリー部を有し、前記フィルタボスの下端部に前記濾材の開口部の端部が挿入されて溶着あるいは接着固定されると共に、その上部の内周に、前記隔壁の通気孔に設けられて当該フィルタを支持する筒状のフィルタ支持部材の外周に弾性係合する係合部を有する。
(2)また、本発明のフィルタは、粉体を含んだ気体が流入する捕集室と、清浄気体が集められる清浄室とを仕切る隔壁に取り付けられるフィルタであって、有底筒状の濾材における開口側の端部と一体に形成された弾性変形可能な単一の樹脂材からなる筒状のフィルタボスを備え、前記フィルタボスは、その内周を湾曲膨出してなる逆洗用気体を流動させるベンチュリー部を有し、前記フィルタボスの下端部に前記濾材の開口部の端部が挿入されて溶着あるいは接着固定されると共に、その上端に、前記隔壁に形成した当該フィルタのフィルタ装着孔より大径の取付けフランジを有する。
【0010】
本発明によると、フィルタボスにベンチュリー部を一体形成するので、金属管に、へら絞り加工を施してベンチュリー部を形成するような手数のかかる加工が不要となり、逆洗用のベンチュリー機能を備えたフィルタを簡単かつ安価に製作することができる。
【0011】
また、適時取り替えられるフィルタ自体にベンチュリー部が備えられているので、フィルタの取り替えの都度、ベンチュリー部も新しいものとなり、ベンチュリー部の腐食を考慮する必要がなく、腐食性ガスの除塵処理を好適に行うことができる。
【0012】
)本発明の一つの実施態様では、前記粉体が製品粉体であって、前記気体に含まれる製品粉体の濃度が、5g/m3以上であり、前記濾材が、プリーツ状に屈曲されると共に、そのプリーツ角度が、15°以上45°以下である。
【0013】
製品捕集用の集塵機では、気体に含まれる製品粉体の濃度も環境集塵に比べて5g/m3以上と高く、プリーツ型のフィルタでは、目詰まりが生じ易く使用するのが困難であるが、この実施態様によると、プリーツ角度を、15°以上45°以下とすることによって、目詰まりを抑制してプリーツ型のフィルタを好適に使用することができる。
【0014】
)本発明の好ましい実施態様では、前記フィルタボスは、前記フィルタ支持部材に外嵌装着可能であり、前記フィルタボスの前記係合部は、前記フィルタ支持部材の外周に設けた係合部に弾性係合す
【0015】
この実施態様によると、フィルタボスの弾性を利用して、フィルタをフィルタ支持部材に正しく位置決めした状態で装着することができる。
【0016】
)本発明の他の実施態様では、前記フィルタボスの外周に装着した締付けバンドの締め付けによって、フィルタボスの外方への変形を阻止して、前記係合部同士の係合状態を保持する。
【0017】
この実施態様によると、フィルタ支持部材に外嵌装着したフィルタを適正な連結位置に強固に固定保持できるとともに、締め付けによってフィルタ支持部材とフィルタボスとを密着させて、気体が短絡連通してフィルタ内に流入することを防止することができる。
【0018】
)本発明の更に他の実施態様では、前記締付けバンドに締付け用のフックレバーを備え、当該フックレバーのデッドポイントを超える正逆回動によって締付け状態と締め付け解除状態に切換え可能である。
【0019】
この実施態様によると、フィルタのフィルタ支持部材への固定および固定解除を、フックレバーの正逆回動操作によって簡単に切り換えることができ、フィルタの取替え操作が容易なものとなる。
【0020】
)本発明の他の実施態様では、前記フィルタボスは、前記フィルタ支持部材に、ねじ込み装着するためのネジ部を備える。
【0021】
この実施態様によると、簡単かつ速やかにフィルタをフィルタ支持部材に対して脱着することができる。
【0022】
)本発明の更に他の実施態様では、前記ネジ部が複数条ネジである。
【0023】
この実施態様によると、一周に満たない少ない回動操作でフィルタをフィルタ支持部材に略全周に亘って均等にねじ係合させて装着することができ、フィルタの脱着を一層簡単かつ速やかに行うことができる。例えば、4条ネジにすると、全周の四分の一である90度程度フィルタを締め込み回動操作するだけで、略全周に亘ってねじ係合させた状態でフィルタ支持部材に確実に連結することができる。
【0024】
)本発明の他の実施態様では、当該フィルタを、前記清浄室側から前記フィルタ装着孔に挿入可能とした。
【0025】
この実施態様によると、隔壁のフィルタ装着孔ごとにフィルタ支持部材を装備しなくても、フィルタを隔壁に上方から落とし込み装着することが可能となり、フィルタ装着操作が簡単になるとともに、フィルタの個数分のフィルタ支持部材が不要となり、部品点数を節減してコストの低減を図ることができる。
(10)本発明の更に他の実施態様では、前記フィルタ装着孔に挿入された当該フィルタにおける前記フィルタボスの前記取付けフランジが、固定部材によって押さえ込み支持される。
【0026】
11)本発明の集塵機は、粉体を含んだ気体が流入する捕集室と、清浄気体が集められる清浄室とを、フィルタを備えた隔壁で仕切り、捕集室の気体がフィルタを通過して清浄室に流動されるよう構成するとともに、前記フィルタの内部に向けて逆洗用気体を供給する逆洗手段を前記清浄室に装備した集塵機であって、前記フィルタが、上記(1)ないし(10)のいずれかのフィルタである。
【0027】
本発明によると、逆洗用のベンチュリー機能を備えたフィルタを簡単かつ安価に製作することができ、かつ、腐食性ガスの除塵処理も好適に対応させることができる。
【発明の効果】
【0028】
このように、本発明によれば、ベンチュリー管を簡単かつ安価に製作することができるとともに、メンテナンスコストの低減に寄与することができるフィルタ及びこれを備えた集塵機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】集塵機の概略構成を示す縦断正面図である。
図2】装着固定されたフィルタの一部縦断正面図である。
図3】装着固定されたフィルタの正面図である。
図4】フィルタの締付け装着部位を示す横断平面図である。
図5】締付けバンドの斜視図である。
図6】従来例の一部縦断正面図である。
図7】その他の装着構造で装着固定されたフィルタの一部縦断正面図である。
図8図7のフィルタ取付け構造の平面図である。
図9】プリーツ型フィルタの構成を示す図である。
図10】プリーツ角度が異なるフィルタの運転時間tとフィルタ差圧ΔPとの関係を示す図である。
図11図10のフィルタのプリーツ角度θとフィルタ総表面積比S/Soとの関係を示す図である。
図12】別の締付け機構で装着固定されたフィルタの正面図である。
図13】締付け装着部位を示す横断平面図である。
図14】締付けバンドの斜視図である。
図15】他の締付け機構を備えた締付け装着部位を示す横断平面図である。
図16】締付けバンドの正面図である。
図17】他の締付け機構を備えた締付け装着部位を示す横断平面図である。
図18】締付け装着部位を示す正面図である。
図19】他の締付け機構を備えた締付け装着部位を示す横断平面図である。
図20】締付け装着部位を示す正面図である。
図21】他の締付け機構を備えた締付け装着部位を示す横断平面図である。
図22】締付け装着部位を示す正面図である。
図23】締付けバンド位置決め構造を示す縦断正面図である。
図24】締付けバンド位置決め構造の別実施例を示す一部切欠き正面図である。
図25】別の装着構造で装着固定されたフィルタの一部縦断正面図である。
図26】更に別の装着構造で装着固定されたフィルタの一部縦断正面図である。
図27】フィルタの平面図である。
図28】粉体を含む気体の供給排出形態の各種を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1に、集塵機の概略構成を示す縦断正面図が示されている。この集塵機は、各種の施設から排出される微細粉塵等の粉体を含んだガスを浄化するものであって、縦型筒状の筐体1が、上下において隔壁2で仕切られ、粉体を含んだガスが流入口1aから流入する捕集室3が隔壁2の下方に形成されるとともに、浄化したガスが回収されて排出口1bから取り出される清浄室4が隔壁2の上方に形成されている。前記隔壁2の複数箇所にはフィルタ装着孔2aが形成され、各フィルタ装着孔2aに、捕集室3から清浄室4に流動するガスから粉体を濾過捕集する複数のフィルタ5が、捕集室3に入り込んで配備されている。
【0032】
清浄室4は、ブロア6に連通接続されて、浄化ガスの吸引送出が行われるとともに、清浄室4の内部には、逆洗機構としてのノズル管7が配備されており、ノズル管7から噴出した空気を各フィルタ5に内側から吹き込んで、捕集した粉体をフィルタ5から逆洗分離して捕集室3の下部に備えた漏斗状のホッパ部8に回収するよう構成されている。ホッパ部8に回収された粉体は、ホッパ部8の下端部に配備したロータリバルブ9を介して、適時機外に取り出すことができるように構成されている。
【0033】
図2に、フィルタ5を、隔壁2の通気孔2aに取付けるための取付け構造の一例が示されている。この取付け構造では、前記隔壁2の通気孔2aに、金属材からなる筒状のフィルタ支持部材10が溶接固定されている。
【0034】
この実施形態のフィルタ5には、円周方向に襞が連続する断面略星型の円筒状に成形したプリーツ型の濾材11が用いられ、軟質樹脂やゴム等の弾性変形可能な材料、例えば、ウレタン樹脂からなるフィルタボス12の下端部に、不織布等からなる濾材11が挿入されて、溶着あるいは接着固定されている。また、筒状に形成された濾材11の下端はボトムキャップ13で閉塞されるとともに、濾材11の内周には硬質樹脂材で筒状かご形に形成されたリテーナ14が配備されて、通気負圧によって濾材11が変形することが防止されるようになっている。
【0035】
この実施形態では、フィルタボス12は、その内周が湾曲膨出されてベンチュリー部15が一体形成されている。このベンチュリー部15は、前記ノズル管7から間欠的に噴出された空気が吹き込まれることで、清浄室4側の空気をフィルタ5内に誘引するよう機能し、フィルタ5の内部から捕集室3に向けて多量の空気を流動させて、効率よくフィルタ5を逆洗する。すなわち、従来のベンチュリー管と同様の機能を有する。
【0036】
フィルタ支持部材10の外周には、係合溝16が環状に形成されるとともに、フィルタボス12の内周には、係合突条17が環状に形成されている。フィルタボス12を、フィルタ支持部材10に下方から外嵌圧入して、弾性的に拡径変形させた係合突条17を係合溝16に弾性係入させることで、フィルタ5が、フィルタ支持部材10の所定高さ位置に装着支持されるようになっている。
【0037】
金属直管を、へら絞り加工して形成される従来のベンチュリー管は、フィルタ支持部材10を兼ねており、隔壁2からフィルタ支持部材10よりも長く下方へ延出している。このため、ベンチュリー管に、従来のフィルタを下方から外嵌装着する際には、フィルタボスが、くびれた形状のベンチュリー管に当接し易く、多数のフィルタを装着するのに手間取っていたけれども、本実施形態のフィルタ5は、フィルタボス12にベンチュリー部15を一体に形成しているので、隔壁2から下方へ延出する短円筒状のフィルタ支持部材10に、フィルタ5のフィルタボス12を外嵌装着すればよく、装着が容易である。
【0038】
フィルタ5を、フィルタ支持部材10に装着した上で、締付けバンド18を、係合溝16と係合突条17との係合箇所の外側に位置させて、フィルタボス12の外周に巻き掛け装着し、締め付けバンド18を、後述のようにして締込むことでフィルタボス12の拡径変形を阻止してフィルタ5を、所定位置に強固に装着固定することができる。
【0039】
また、締付けバンド18によって締め込まれたフィルタボス12の内周が、フィルタ支持部材10の外周に圧着されて、捕集室3とフィルタ内部とが、濾材11を介することなく短絡連通することが防止される。特に、フィルタボス12の係合突条17が、フィルタ支持部材10の係合溝16に圧入係合されて密着し、高いシール機能がもたらされる。
【0040】
図3はバンド締付け状態の正面図、図4はバンド締付け状態の横断平面図、図5は締付けバンド18の斜視図である。
【0041】
この実施形態の締付けバンド18は、フィルタボス12の周長より長い薄い金属帯材からなり、その両端部に亘って装備した締付け機構20で巻き掛け締結するように構成されている。
【0042】
締付け機構20はバックル方式に構成されている。具体的には、締付けバンド18の一端側外面に溶接固定した二股状の支点ブラケット21に、厚板材からなるフックレバー22を支点a周りに内外方向に回動可能に枢支するとともに、締付けバンド18の他端側外面に、支点ブラケット23を介して支点b周りに回動可能に矩形ループ状の係止部材24を枢支連結して構成されている。
【0043】
この締付け機構20によると、係止部材24のループ遊端部を、外方に回動させたフックレバー22のフック部25で係止し、係止部材24とフックレバー22との係止点cが、支点bを通る巻掛け接線として示されるデッドポイントDを越えるまで、フックレバー22を内向きに回動させることで、フィルタボス12に巻き掛けられた締付けバンド18が締め付けられ、かつ、デッドポイントDを越えて締込み位置まで回動されたフックレバー22は、バンド張力によって締込み回動方向に回動付勢され、これによって締め付け状態が保持されるようになっている。
【0044】
この場合、フックレバー22がデッドポイントDを越える時点で締め付けが最大となり、フックレバー22がデッドポイントDを越えて締込み位置まで回動された状態では締付けが少し減少することになるが、フィルタボス12自体が弾性的に縮径変形することでフックレバー22のデッドポイント越えを許容し、フックレバー22がデッドポイントDを越えた状態では、フィルタボス12が拡径方向に弾性復元することで、弛みの無い所定の締込み状態がもたらされることになる。
【0045】
このように本実施形態では、締込み対象であるフィルタボス12を弾性変形可能な材料で形成し、フィルタボス12自体の弾性を利用して締込み状態を保持するので、デッドポイントを越えた後に弛みが発生しないように、バネ材などを備える必要のない簡素な構成にすることができ、また、バネ材のように繰り返し使用しても締付け機能が低下することもない。
【0046】
また、この実施形態では、締付けバンド18には、デッドポイントDを越えて締付け位置まで回動されたフックレバー22が、運転中の振動等によって不用意に弛み方向に回動するのを防止するためのレバーロック機構26が備えられている。
【0047】
すなわち、締付けバンド18の外面には、支点ブラケット21とは別に、二股状の固定係止部27が溶接固定されている。この固定係止部27は、締付け位置まで回動されたフックレバー22の遊端部が挿入されるように設置されている。また、フックレバー22には、図4の仮想線で示すようにロック孔28が、固定係止部27には、図5に示すようにロック孔29が、フックレバー22の固定係止部27への挿入状態において、互いに重複するようにそれぞれ貫通形成されている。フックレバー22を締付け位置まで回動操作した後、重複するこれらロック孔28,29に亘ってロックピン30を挿通止着する。これによって、締込み位置のフックレバー22が、弛み方向に回動することを防止するピンロック構造のレバーロック機構26が構成される。なお、ロックピン30は、図3に示すようにチェーン31を介して固定係止部27に繋いでおくと、紛失や落下のおそれがなくなる。
【0048】
フィルタ5の清掃や取替え、等のメンテナンスのためにフィルタ5を取り外す場合には、ロックピン30をロック孔28,29から抜いてレバーロックを解除した後、フックレバー22を、デッドポイントDを越えて弛み方向に大きく回動操作して、締付けバンド18の巻き付けを解除する。次に、フィルタ5を強く下方に引き下げることで、フィルタボス12における係合突条17の形成箇所を弾性的に拡径変形させながら、係合溝16から離脱させ、フィルタ5をフィルタ支持部材10から抜き外す。
【0049】
本実施形態のフィルタ5では、フィルタボス12にベンチュリー部15を一体形成するので、金属直管に、へら絞り加工を施してベンチュリー部15を形成するような手数のかかる加工が不要となり、逆洗用のベンチュリー機能を備えたフィルタを簡単かつ安価に製作することができる。
【0050】
また、フィルタ5は、適時交換されるが、このフィルタ5自体にベンチュリー部15が備えてられているので、フィルタ5の取り替えの都度、ベンチュリー部15も新しいものとなり、従来のベンチュリー管のように、その腐食を考慮する必要がなく、したがって、SOxや塩化水素などの腐食性ガスの除塵処理を好適に行うことができる。
【0051】
更に、ベンチュリー部15を有しない従来例のフィルタ70では、例えば、図6に示すように、フィルタボス71は短く、金属製のベンチュリー管72は、フィルタボス71よりも下方へ延出している。このため、ベンチュリー管72の下端よりも上方のフィルタボス71の下端までの領域Aでは、ベンチュリー管72による逆洗の効果が得られず、付着した粉体を分離することができず、しかも、ベンチュリー管72から清浄室4側へ吸引されるために、一層粉体が付着することになる。
【0052】
これに対して、フィルタボス12に、ベンチュリー部15を一体形成している本実施形態のフィルタ5では、逆洗の効果が得られないために、粉体が付着したままとなる領域Aは存在しない。
【0053】
上記実施形態のフィルタ5は、隔壁2のフィルタ装着孔2aに溶接されたフィルタ支持部材10に対して、フィルタ5を下方から装着したけれども、本発明の他の実施形態として、清浄室4の空間高さを十分確保できるような場合には、隔壁2のフィルタ装着孔2aに、上方から直接に挿入装着できるようにしてもよい。
【0054】
図7は、フィルタ5を、上方から装着する場合の構造を示す一部縦断正面図であり、図8は、その平面図である。
【0055】
この実施形態のフィルタ5では、フィルタボス12の上端にフランジ12aを備えており、隔壁2のフィルタ装着孔2aに上方から直接に挿入装着することが可能である。この場合、並列して装着されたフィルタ5群のフランジ12aを、隔壁2にボルト56で連結される長い固定部材57で押え込み支持することで、各フィルタ5のフランジ12aを個々にボルト締めなどで隔壁2に固定する場合に比べて、多数のフィルタ5を少ない部材、及び、少ない操作で簡単に固定、あるいは、固定解除することができる。
【0056】
この実施形態によれば、フィルタ5を、隔壁2のフィルタ装着孔2aに挿入して装着するので、フィルタ5毎に必要であったフィルタ支持部材10が不要となり、フィルタ支持部材10を隔壁2のフィルタ装着孔2aに溶接したり、ネジ止めするといった必要がない。
【0057】
また、フィルタ5のフィルタボス12に、ベンチュリー部15が一体に形成されているので、従来例のように、フィルタを隔壁2のフィルタ装着孔2aに装着した後、フィルタ内に、ベンチュリー管を挿入して固定するといった作業も不要となる。
【0058】
なお、固定部材57のボルト挿通孔58を長孔にしておけば、ボルト56を少し弛めて、固定部材57を長孔方向に沿ってフランジ12aから外れるまで動かすことで、ボルト56及び固定部材57を隔壁2から完全に取り外さなくても、フィルタ装着孔2aへのフィルタ挿抜が可能となり、フィルタ5の取り替え等における取扱い性が高いものとなる。
【0059】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0060】
上記実施形態は、含塵濃度が、例えば、5g/m3未満程度の微細粉塵を集塵する環境集塵に好適なものであったけれども、含塵濃度が、5g/m3以上の製品捕集を目的とした集塵機に好適な実施形態について説明する。
【0061】
製品捕集を目的とした集塵機、例えば、搬送気体によって搬送される製品粉体を搬送気体から分離して捕集する集塵機では、気体中に含まれる製品粉体の濃度が高く、上記実施形態のような濾材11を断面略星型の円筒状に成形したプリーツ型のフィルタ5を使用すると、図9(a)に示すように、プリーツ状に屈曲させた襞11aと襞11aとの間の谷部に製品粉体65が詰まって逆洗しても製品粉体65を十分に払い落とすことができない。
【0062】
この実施形態では、製品捕集用の集塵機に用いられるプリーツ型のフィルタにおいて、襞11aと襞11aとの間の谷部に製品粉体が詰まるのを抑制するものである。
【0063】
具体的には、図9(b)に示すようにプリーツ状に屈曲された不織布からなる濾材11のプリーツ角度θ、すなわち、断面略星型に屈曲された濾材11の隣り合う襞11aと襞11aとの間の谷部の角度θを、所定の角度範囲とするものである。
【0064】
図10は、このプリーツ角度θの好ましい角度範囲を求めるために行った試験結果を示す図である。
【0065】
この試験では、製品粉体として平均粒径が4.3μm(D50=4.3μm)の消石灰を用い、含塵濃度、すなわち、気体中に含まれる製品粉体の濃度を、100g/m3とした。フィルタは、図9(b)に示すように内径D1が90mm、外径D2が120mmであって、長さが、1000mmのものを使用した。また、集塵機内のフィルタを通過する気体の速度を1.0m/minとした。
【0066】
図10の横軸は運転時間t(h)を、縦軸はフィルタ差圧ΔP(kPa)をそれぞれ示している。フィルタ差圧ΔPは、図1の集塵機に示すように、捕集室3と清浄室4との差圧として測定した。
【0067】
上記プリーツ角度θが、11°、17°、22°、33°の各プリーツ型のフィルタについてフィルタ差圧ΔPを測定すると共に、角度θが、180°、すなわち、プリーツ型でない、濾材11が単に円筒状のフィルタについてフィルタ差圧ΔPを測定した。なお、このプリーツ型でないフィルタの総表面積をSoとし、後述のように、プリーツ角度θが11°、17°、22°、33°の各プリーツ型のフィルタの総表面積Sとの比率である総表面積比S/Soを算出した。
【0068】
この図10に示されるように、プリーツ角度θが11°のプリーツ型のフィルタでは、運転開始直後にフィルタ差圧ΔPが急激に上昇し、プリーツ角度θが17°のプリーツ型のフィルタでは、運転開始後2時間前後でフィルタ差圧ΔPが急激に上昇し、フィルタの目詰まりが生じていることが判る。
【0069】
したがって、製品粉体の平均粒径が4.3μm(D50=4.3μm)であって、含塵濃度が100g/m3程度であるときには、フィルタ5のプリーツ角度θは、17°より大きいのが好ましく、22°以上であるのが好ましい。
【0070】
しかし、一般に、捕集の対象となる製品粉体の平均粒径は、10μm以上であるので、フィルタ5のプリーツ角度θは、17°以上としてもよい。
【0071】
図11は、プリーツ角度θが11°、17°、22°、33°の各プリーツ型のフィルタのプリーツ角度θとフィルタの総表面積比S/Soとの関係を示す図である。
【0072】
フィルタの総表面積比S/Soとは、上記のように、プリーツ角度θが、180°、すなわち、プリーツ型でない、濾材11が単に円筒状のフィルタの総表面積をSoとし、プリーツ角度θが11°、17°、22°、33°の各プリーツ型のフィルタの総表面積Sとの比率である。
【0073】
この図11に示すように、プリーツ角度θが180°、すなわち、プリーツ型でない、濾材11が単に円筒状のフィルタの総表面積Soに比べて、プリーツ角度θが45°のプリーツ型のフィルタでは、総表面積Sが約3倍となり、プリーツ角度θが15°のプリーツ型のフィルタでは、総表面積Sが約7倍となることが判る。
【0074】
このようにプリーツ角度θが45°,15°のプリーツ型のフィルタでは、プリーツ型でないフィルタに比べて総表面積、したがって、濾過面積を約3倍,約7倍大きくとることができる。このため、濾材を小型化できることにより、集塵機全体の体積が少なくて済み、コストを低減することができる。
【0075】
図10及び図11に基づいて、目詰まりを抑制しつつ、小型化を図るために、本発明のフィルタ5は、プリーツ角度θを、15°以上45°以下としている。このプリーツ角度θは、15°以上40°以下であるのが好ましく、15°以上35°以下であるのがより好ましく、20°以上35°以下であるのがより一層好ましく、この実施形態のプリーツ型のフィルタ5では、プリーツ角度を22°としている。
【0076】
このようにプリーツ型のフィルタのプリーツ角度を規定することによって、気体中に含まれる製品粉体の濃度が高い、例えば、5g/m3以上の製品捕集を目的とする集塵機に好適に使用することができる。
【0077】
図12図14に、上記図3図5の前記締付け機構20及びレバーロック機構26の他の実施形態が示されている。
【0078】
この実施形態の締付け機構20では、締付けバンド18の他端側に係合孔32を形成して、この係合孔32をフックレバー22のフック部25で直接に係止するよう構成されており、バックル方式の締め付け機能及び取り扱いは前例の実施形態と同様である。この構造によると、前例の実施形態における係止部材24及びこれの支点ブラケット23が不要となる。
【0079】
また、レバーロック機構26のロックピン30を、一端側が長い略逆U字状に形成すると共に、固定係止部27にロックピン30の前記一端側を挿通保持する保持孔33を形成し、ロックピン30を上下に移動可能、かつ、上方へ抜き外せないように保持している。これによって、上記実施形態のように、ロックピン30にチェーン31で繋ぎ止めておく必要がなくなる。
【0080】
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0081】
(1)図15図16に示すように、ピンロック構造のレバーロック機構26を、支点ブラケット21に装備し、支点ブラケット21とフックレバー22とに亘ってロックピン30を挿通する形態で実施することもできる。
【0082】
(2)図17図18に示すように、締付けバンド18の他端側外面に、支点金具35を介して、支点d周りに回動可能に矩形ループ状のロックアーム36を枢支連結し、締付け位置まで回動されたフックレバー22の遊端部に形成した切欠き37に、ロックアーム36の遊端部を外側から係止することで、フックレバー22の弛み方向への回動を阻止するレバーロック機構26を構成することもできる。
【0083】
(3)図19図20に示すように、フックレバー22の遊端部に、支点e周りに回動可能に矩形ループ状のロックアーム38を枢支連結し、フックレバー22を締付け位置まで回動した後、ロックアーム38を内方に回動操作して、締付けバンド18から切り起こした係止爪39に、ロックアーム38の遊端部を乗り越え係止することで、フックレバー22の弛み方向への回動を阻止するレバーロック機構26を構成することもできる。
【0084】
(4)図21図22に示すように、締付け機構20を、フックレバー22の外側辺にフック部25を形成した形態とすることもできる。
【0085】
(5)図23に示すように、フィルタボス12の外周に、締付けバンド18の下方に位置させて低い突条51を環状に形成することで、突条51が締付けバンド18の幅方向で適正な装着位置を決める位置決め部として機能するとともに、装着された後は、振動などによって締付けバンド18が下方にずれ動くことを防止するストッパとしても機能する。
【0086】
(6)図24に示すように、フィルタボス12の外周に、係合溝52を環状に形成するとともに、締付けバンド18の幅方向中央箇所に、前記係合溝52に係入する係合突条53を、締め付け箇所を除く適所に連続的あるいは断続的に形成し、これら係合溝52と係合突条53の係合によって締付けバンド18のバンド幅方向の位置決めと、バンド幅方向へのずれ動きを阻止するよう構成することもできる。
【0087】
(7)締付けバンド18のバンド幅方向の位置決めと、バンド幅方向へのずれ動きを阻止する手段としては、フィルタボス12の外周に、バンド幅に相当する幅で浅い係合溝を環状に形成したり、あるいは、フィルタボス12の外周複数箇所に突設した小突起を、締付けバンド18の長手方向複数箇所に形成した周方向長孔に係入させる、等の手段を利用することもできる。
【0088】
(8)図25に示すように、フィルタ支持部材10の外周にネジ溝54を形成するとともに、フィルタボス12の内周に、前記ネジ溝54に係合するネジ突条(ネジ部)55を形成して、フィルタ5をフィルタ支持部材10にネジ込み装着する形態で実施することもできる。この場合、フィルタボス12の上端を隔壁2に強く圧接して弾性変形させる状態までネジ込むことで、ネジ込み装着状態を保持させることができる。なお、フィルタ支持部材10の外周にネジ突条、 フィルタボス12の内周にネジ溝(ネジ部)を形成して実施することもできる。
【0089】
(9)図26図27に示すように、フィルタ支持部材10のネジ溝54、及び、フィルタボス12のネジ突条55をそれぞれ4条とすることで、フィルタ5を約90度回動操作するだけで、全周に亘って均一にネジ係合させた状態で安定的に連結固定することができる。
【0090】
なお、フィルタ5をフィルタ支持部材10にねじ込み装着する場合、フィルタ5が振動などによって弛むことを防止する手段を備えておくことが望ましい。例えば、所定のネジ込み位置にあるフィルタボス12の上端(あるいは内周)に食い込み係合する突起やピンを隔壁2(あるいはフィルタ支持部材10)に備えておくことで、振動などによってねじ込みが不用意に弛むことを防止することができ、かつ、食い込み係合を乗り越えて強く逆に回すことで、フィルタ5を外すことができる。
【0091】
図28は、粉体を含むガスの集塵機への流入形態のいくつかが示されており、粉体を含むガスの種類、等に応じて選択することになる。
【0092】
ガスに含まれる粉体が、粗い粒子や鋭い形状の粒子で構成されている場合、図28(a)に示すように、粉体を含むガスをフィルタ群の下方において流入させることで、フィルタ5の濾材が粉体の衝突を直接に受けて損傷することを防止することができる。
【0093】
ガスに含まれる粉体の粒度が小さい場合、図28(b)に示すように、粉体を含むガスを捕集室の上方に流入させることで、フィルタ5から払い落とされて下部に堆積している粉体がガス流によって舞い上がってフィルタ5に再吸着されることを防止することができる。
【0094】
図28(c)に示すように、捕集室の上方において接線方向から流入させると、ガス中の粗い粒子がフィルタ5に直接衝突することを抑制でき、フィルタ5の濾材を損傷することが少なくなる。また、細かい粒子は旋回流動しているうちに凝集しやすくなって、フィルタ5での捕集が容易となる。
【0095】
ガスに含まれる粉体の粒子が微細で、舞い上がると落ちてこないような場合には、図28(d)に示すように、流入口1aに対向する衝突板59を配備して、粒子が舞い上がりにくくする。
【0096】
また、図28(e)に示すように、上方に流入口1aが設けられていて、粗い粒子との衝突によってフィルタ5の濾材が損傷するおそれがある場合には、流入した粉体を含むガスを平面視コの字形の案内板60で下方に案内するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
2 隔壁
2a フィルタ装着孔
3 捕集室
4 清浄室
5 フィルタ
10 フィルタ支持部材
11 濾材
12 フィルタボス
12a フランジ
15 ベンチュリー部
16 係合部(係合溝)
17 係合部(係合突条)
18 締付けバンド
22 フックレバー
D デッドポイント
θ プリーツ角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
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図20
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図26
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図28