特許第6584908号(P6584908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584908
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】柔軟性を有するスパンボンド不織布
(51)【国際特許分類】
   D04H 3/16 20060101AFI20190919BHJP
   D04H 3/011 20120101ALI20190919BHJP
   D04H 3/009 20120101ALI20190919BHJP
   A01G 13/02 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   D04H3/16
   D04H3/011
   D04H3/009
   A01G13/02 D
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-203921(P2015-203921)
(22)【出願日】2015年10月15日
(65)【公開番号】特開2017-75427(P2017-75427A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年8月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】正時 佑哉
(72)【発明者】
【氏名】税所 一哉
(72)【発明者】
【氏名】矢放 正広
【審査官】 相田 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−026635(JP,A)
【文献】 特表2008−542576(JP,A)
【文献】 特開2008−007884(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/037238(WO,A1)
【文献】 特開2000−169683(JP,A)
【文献】 特開2006−132042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00−18/04
A01G 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂から構成されるポリエステル系又はポリアミド系スパンボンド不織布であって、該ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂に、粒子径150nm〜250nmの二酸化炭素発生量抑制剤が分散され、0.03〜0.30重量%で含有されており、かつ、該二酸化炭素発生量抑制剤が、酸化マグネシウム、アルミノケイ酸塩、及びチタン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記不織布。
【請求項2】
前記不織布の引張強度が20〜400N/50mmであり、引張伸度が10〜70%であり、かつ、タフネス指数が40〜300である、請求項1に記載のスパンボンド不織布。
【請求項3】
前記不織布を構成する繊維の平均単糸繊度が0.7〜3.0dtexであり、かつ、前記不織布の目付が8〜100g/mである、請求項1又は2に記載のスパンボンド不織布。
【請求項4】
前記ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂に分散助剤がさらに含有されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパンボンド不織布。
【請求項5】
前記分散助剤が、脂肪酸金属塩、高分子界面活性剤、及び両親媒性脂質から成る群から選ばれる少なくとも1種である、請求項に記載のスパンボンド不織布。
【請求項6】
前記ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜いずれか1項に記載のスパンボンド不織布。
【請求項7】
土木、建築、農業、産業又は生活資材用の、請求項1〜いずれか1項に記載のスパンボンド不織布。
【請求項8】
請求項1〜いずれか1項に記載のスパンボンド不織布を含む包装材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木、建築、農業、産業、生活資材等の資材用途に適した燃焼時二酸化炭素発生量を抑制するスパンボンド不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
スパンボンド不織布は、布強度が強く、低コストで生産性が高いため、土木、建築、農業、産業、生活資材を中心に広範な用途で使用されている一方で、大量に普及したことから廃棄時の焼却処分における有害物質発生等の環境問題を引き起こしている。その中で地球温暖化への影響から排出量削減が強く望まれている二酸化炭素は燃焼の最終生成物であることから削減が難しいのが現状である。
【0003】
他方、この焼却への対策として、埋め立てによって自然分解する生分解性樹脂も存在するが、大量に使用されるスパンボンド不織布を置き換え、全て埋め立てによって処分することは困難である為、廃棄方法は焼却が重要な位置を占めているのが現状である。
また、排気量そのものを削減する方法として、再生利用が行われているが、再生利用は未だ一部でしか採用されておらず、再利用を重ねるごとに強度等の物性が落ち、最終的に焼却されることとなるため、二酸化炭素排出の根本的な解決とはならない。以上の様な二酸化炭素排出問題を解決するため、二酸化炭素量を抑制する化合物を樹脂に配合する方法(例えば、特許文献1、2参照)が提案されている。
【0004】
特許文献1や2では、二酸化炭素の発生を抑制する化合物を樹脂に添加して製造したポリエチレンフィルムについての記載がされている。しかし、特許文献1や2に記載している様な添加剤は通常フィルム生産工程で凝集を起こし、ゲル化(フィッシュアイ)や、繊維生産工程では糸切れを発生させる原因となる。特に繊維中における添加剤の凝集は繊維断面積が小さいため、紡糸時の繊維生産工程において曳糸性に顕著に影響する。
また、二酸化炭素発生量抑制剤の様な添加剤を添加すると通常繊維中の結晶配向性は抑制され、繊維・不織布の強度・伸度(タフネス)は低下するものである。また、ボンディング加工を強めることで不織布としての強度を得ることはできるが、タフネスは低下することで不織布の柔軟性は低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2011/037238号
【特許文献2】特開2013−122020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、二酸化炭素発生量抑制剤を、繊維を構成するポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂中に均一に分散し、かつ、紡糸条件を最適化することにより該繊維の結晶配向性・布の柔軟性を維持し、さらに燃焼時二酸化炭素発生量を抑制したスパンボンド不織布を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の不織布に添加する二酸化炭素発生量抑制剤は、耐熱性が良く、紡糸時に繊維内に直接混練することができ、また、繊維を構成するポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂中に均一に分散されることで、凝集を引き起こすことがなく、繊維生産工程における曳糸性が良好となり、糸切れが発生することなく高紡速の繊維を得ることができ、強度の強い繊維を形成することが可能となる。更に該二酸化炭素発生量抑制剤は、繊維を構成するポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂中へ添加しても該繊維の結晶配向性を低下することはなく、逆に紡糸条件を制御することで結晶配向性を向上させることができ、該繊維さらには形成される不織布の強伸度を向上させることができる。柔軟性を有する不織布は生産上の工程安定性や使用時の耐久性が向上したものであるため、土木、建築、農業、産業、生活資材、特に柔軟性が必要とされるカイロ等の包装材料に好適に使用できる。
【0008】
即ち、本発明は下記の通りのものである。
[1]ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂から構成されるポリエステル系又はポリアミド系スパンボンド不織布であって、該ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂に、粒子径150nm〜250nmの二酸化炭素発生量抑制剤が分散され、0.03〜0.30重量%で含有されており、かつ、該二酸化炭素発生量抑制剤が、酸化マグネシウム、アルミノケイ酸塩、及びチタン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記不織布。
[2]前記不織布の引張強度が20〜400N/50mmであり、引張伸度が10〜70%であり、かつ、タフネス指数が40〜300である、[1]に記載のスパンボンド不織布。
[3]前記不織布を構成する繊維の平均単糸繊度が0.7〜3.0dtexであり、かつ、前記不織布の目付が8〜100g/mである、[1]又は[2]に記載のスパンボンド不織布。
[4]前記ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂に分散助剤がさらに含有されている、[1]〜[3]のいずれかに記載のスパンボンド不織布。
]前記分散助剤が、脂肪酸金属塩、高分子界面活性剤、及び両親媒性脂質から成る群から選ばれる少なくとも1種である、[]に記載のスパンボンド不織布。
]前記ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[]のいずれかに記載のスパンボンド不織布。
]土木、建築、農業、産業又は生活資材用の、[1]〜[]のいずれかに記載のスパンボンド不織布。
][1]〜[]のいずれかに記載のスパンボンド不織布を含む包装材料。
【発明の効果】
【0009】
通常、繊維を構成する樹脂に添加剤を添加することは、添加剤凝集により、繊維生産工程で糸切れを発生させる原因となるし、また、繊維中の結晶配向性は抑制され、繊維・不織布の強度・伸度(タフネス)も低下する。これに反し、本発明の不織布は、二酸化炭素発生量抑制剤が均一分散されており、タフネス指数が向上され、燃焼時二酸化炭素発生量が抑制され、且つ、強伸度を有し、生産上の工程安定性や使用時の耐久性が向上したものであるため、土木、建築、農業、産業、生活資材として好適に利用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
本実施形態の不織布を構成する繊維は、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる。
【0011】
前記ポリエステル系樹脂としては、熱可塑性ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートが代表例として挙げられる。また、熱可塑性ポリエステルは、エステルを形成する酸成分としてイソフタル酸やフタル酸等が重合または共重合されたポリエステルであってもよい。前記ポリエステル系樹脂の何れでも構わない。なかでも、強度、寸法安定性からポリエチレンテレフタレートを選択することが好ましい。
【0012】
前記ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン4、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6(ポリメタキシレンアジパミド)が挙げられる。前記ポリアミド系樹脂の何れでも構わない。なかでも、強度、寸法安定性からナイロン6又はナイロン66を選択することが好ましい。
また、前記ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂には、他の添加剤、例えば、核剤、難燃剤、無機充填剤、顔料、滑材、着色剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
【0013】
本実施形態のスパンボンド不織布は以下の方法で製造されうる。ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂を溶融押出し、多数の紡糸孔を有する紡糸口金から糸条として吐出させる。次いで吐出された糸条を5℃〜20℃に制御した冷風をあて冷却しながら牽引装置により牽引する。牽引装置より出た糸条を搬送コンベア上に堆積させ不織ウェブとして搬送する。搬送中の不織布ウェブを積層し、多層積層の不織ウェブとしてもよい。目的に応じて、本発明のスパンボンド(S)不織布をメルトブローン(M)繊維と積層してもよく、SM、SMS、SMMS、SMSMSと積層した構造であってもよい。
【0014】
紡糸温度は、好ましくは、樹脂の融点より30℃〜100℃高く、好ましくは40℃〜95℃、より好ましくは45℃〜70℃、さらに好ましくは50℃〜65℃高い温度である。紡糸温度は融点より100℃を超えない範囲であれば、樹脂分解物による紡口表面の汚れが少なく、さらに樹脂の粘度が低くなることによる糸切れの発生を抑制することができる。他方、紡糸温度が融点より30℃を超える範囲であれば、樹脂の粘度が高くなることによる糸切れの発生を抑制し、さらに紡糸時の紡口内圧力が高くなることによる樹脂漏れなどを抑制することができる。
樹脂の融点の測定には、SIIナノテクノロジー社製のDSC210を使用し、測定雰囲気:窒素ガス50ml/min、昇温速度:10℃/min、測定温度範囲:25〜300℃の条件下で行い、融解ピークの導入部分における変曲点の漸近線とTgより高い温度領域でのベースラインが交わる温度を融点とした。
【0015】
本実施形態のスパンボンド繊維で構成された不織布ウェブを接合して不織布となす場合の接合手段としては、フラットカレンダーロールプレス、エンボスロールプレス等のカレンダー加熱接着方法、その他加熱接着方法では、熱風循環型、熱風貫通型、赤外線ヒーター型、不織布の両面に熱風を吹き付ける方法、あるいは加熱気体中に導入する方法等、各種の加熱する方法が用いられる。また、非加熱方式では、ニードルパンチ法、水流交絡接着等が用いられる。不織ウェブの形態保持や最終的に得られる不織布の強度の観点から、フラットカレンダーロールプレス又はエンボスロールプレスを選択することが好ましい。
【0016】
前記フラットカレンダーロールプレスは、金属ロールと金属ロールの組み合わせの一対のロールに通して加工してもよいし、金属ロールと弾性ロールの組み合わせの一対又は二対のロールに通して加工してもよい。表面平滑性の観点では前者金属ロールと金属ロールの組み合わせを選択することが好ましく、不織布の通気性保持の観点では後者を選択することが好ましい。
【0017】
前記エンボスロールプレスは、金属エンボスロールと金属フラットロールの組合せの一対のロールに通して加工することが生産性の面から好ましい。不織ウェブの形態保持や最終的に得られる不織布の強度の観点から、エンボス面積率は5〜40%、好ましくは5〜30%、更に好ましくは6〜20%である。エンボス形状は特に限定することはないが、円形状、楕円形状、ダイヤ形状、矩形状であることが好ましく、土木、建築、農業、産業、生活資材に好適に使用できる強伸度および柔軟性を有する不織布を得ることができる。
【0018】
本実施形態の不織布の引張強度は20N/50mm以上400N/50mm以下であり、且つ引張伸度は20%以上70%以下である。また、タフネス指数は以下の式(1):
タフネス指数=引張強度(N/50mm)×引張伸度(%)/目付(g/m) …式(1)
で算出され、好ましくは40以上300以下であり、より好ましくは45以上250以下であり、更に好ましくは50以上200以下である。
引張強度、引張伸度、及びタフネス指標がこの範囲であると、不織布の加工性の面や土木、建築、農業、産業、生活資材として使用に適した範囲となる。タフネス指数が当範囲から外れると、工程上での布破断や、皺発生等の不具合が発生し易くなる。
【0019】
また、不織布を構成する繊維の繊度について制限はなく、通常のスパンボンド不織布に使用される繊維の繊度は生産性や通気性、風合いの点から、好ましくは0.7〜3.0dtex程度、より好ましくは1.0〜2.8dtex、更に好ましくは1.2〜2.5dtexである。
【0020】
本実施形態の不織布の目付は、好ましくは8g/m以上100g/m以下が好ましく、さらに好ましくは10g/m以上60g/m以下、特に好ましくは10g/m以上30g/m以下である。8g/m以上であれば土木、建築、農業、産業、生活資材に使用される不織布としての強度を満足し、100g/m以下であれば、土木、建築、農業、産業、生活資材に使用される不織布の通気性を満足し、広範な用途への適応が可能である。
【0021】
本実施形態のスパンボンド不織布は、燃焼時二酸化炭素発生量を抑制することができ、使用後焼却廃棄している土木、建築、農業、産業、生活資材に好適に使用することができる。例えば、土木資材、建築資材であれば屋根下材、土木安定シート、断熱材面材、床材、ハウスラップなどが挙げられる。農業資材であれば、べた掛け、農資ポットなどが挙げられる。産業資材、生活資材であれば、食品包材、風呂敷、テープヤーン、靴資材、カイロ、ティーバック、クリーンカバー、メディカルガウン、自動車用資材、合紙、電線被覆材、テープ基材、膜機材、液体フィルター、エアーフィルター、不織布ワイパー、防護服などが挙げられる。尚、スパンボンド不織布が適応できるものであれば本用途は限定されるものではない。
【0022】
本実施形態の不織布は二酸化炭素発生量抑制剤が繊維中に150〜250nmの粒子径で均一分散している事が好ましい。さらに好ましくは150〜200nmであり、粒子径が150nm以上であれば二酸化炭素発生量を抑制する効果を発現し、250nm以下であれば凝集を引き起こすことがなく、紡糸工程において糸切れを発生することがない。繊維に均一分散している二酸化炭素発生量抑制剤の添加量は0.03〜0.30重量%が好ましい。好ましくは0.05〜0.25重量%、更に好ましくは0.10〜0.20重量%である。添加量が多すぎると、紡糸時糸切れを発生させる原因となるものである。特に繊維中における添加剤の凝集は繊維断面積が小さいため、紡糸時の繊維生産工程において曳糸性に顕著に影響する。他方、添加量が0.03重量%未満では、二酸化炭素発生量抑制効果が発現しないものである。
【0023】
本願明細書中、二酸化炭素発生量抑制剤とは、二酸化炭素を化学的又は物理的に吸着する物質であればいかなるものでも構わないが、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、アルミノケイ酸塩、チタン酸化合物、リチウムシリケート、シリカゲル、アルミナ、活性炭が挙げられる。
【0024】
前記金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
【0025】
前記金属酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0026】
前記アルミノケイ酸塩としては、非晶質アルミノシリケート、天然ゼオライト、合成ゼオライト等が挙げられる。
【0027】
前記チタン酸化合物としては、チタン酸バリウム、オルソチタン酸バリウム等が挙げられる。
【0028】
前記ポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂には分散助剤をされに添加してもよい。該における分散助剤は脂肪酸金属塩、高分子界面活性剤、両親媒性脂質のうち少なくとも1種であることができる。
【0029】
例えば、微小なカプセル状のリポソームによって二酸化炭素発生量抑制剤及び結晶核剤を内包し、前記樹脂中に効率よく均一分散させることができる。
【0030】
また、二酸化炭素発生量抑制剤と分散助剤とを、分散処理、超臨界流体処理、超音波照射、撹拌処理等の方法で混合し、得られた二酸化炭素発生量抑制剤と分散助剤との混合物を、樹脂に添加することにより、樹脂との相溶性が低い二酸化炭素発生量抑制剤を凝集させずに、該樹脂に均一に分散させることができ、高い二酸化炭素の吸収効果を有する二酸化炭素発生量抑制樹脂を得ることができる。
【0031】
二酸化炭素発生量抑制効果としては30%以上が好ましく、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。この範囲の二酸化炭素発生量抑制効果であれば、地球温暖化への影響から望まれている二酸化炭素削減効果と言える。
【0032】
本実施形態のスパンボンド不織布の製造においては、二酸化炭素発生量抑制剤が繊維中に均一に分散されているので、曳糸性が良く、紡糸工程において繊維の糸切れが発生しにくい。更に繊維の結晶配向性は低下しておらず、逆に紡糸条件を特定範囲で制御することで結晶配向性を向上させることができため、得られる繊維さらには形成される不織布の強伸度を向上させることができる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において使用した各種特性の評価方法は下記のとおりであり、得られた物性を以下の表1及び2に示す。
【0034】
1.平均単糸繊度(dtex)
不織布のCD方向に5等分して1cm角の試験片を採取し、キーエンス社製マイクロスコープVHX−700Fで繊維の直径を各20点ずつ測定し、その平均値を算出した。
【0035】
2.目付(g/m
JIS−L1906に準じ、MD方向20cm×CD方向5cmの試験片を不織布のCD方向に採取位置が均等になるように5枚採取して質量を測定し、その平均値を単位面積あたりの重量に換算して目付(g/m)として求めた。
【0036】
3.引張強度(N/5cm)、引張伸度(%)、タフネス指標
JIS L−1906に準じ、CD方向均等になる様に、CD方向5cm、MD方向20cmの試験片を不織布のCD方向に採取位置が均等になるように5枚採取して、引張試験機で、つかみ間隔10cm、引張速度30cm/分で測定した。MD方向各5点の試料を測定し、測定値を平均して引張強度と引張伸度を算出した。タフネス指数は以下の式:
タフネス指数=引張強度(N/5cm)×引張伸度(%)/目付(g/m
から算出した。
【0037】
4.二酸化炭素発生量抑制剤の平均粒子径
粒度分布計(Particle Sizing System Co.製 NICOMP 380ZLS型)を用いて測定した。
【0038】
5.二酸化炭素発生量抑制剤の分散性
凝集する目安として剤粒子の大きさが400nm以上とし、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡 S-5500(株式会社 日立ハイテクノロジーズ社製)明視野STEMにて20000倍率の繊維断面を観察した。400nm以上のサイズの塊が無ければ分散性を「良」、あれば「悪」として評価した。
6.二酸化炭素発生量抑制効果
<低温熱分解物の調製>
一般的な自治体焼却炉で使用されているストーカ炉を想定し、各実施例で得られた二酸化炭素発生量抑制不織布と、二酸化炭素発生量抑制を含有しない不織布とをTG/DTA装置で雰囲気ガス窒素/空気、測定範囲30〜400℃、昇温速度10℃/分、ガス流量200mL/分条件で処理し低温熱分解物を得た。
<不織布の二酸化炭素発生量抑制効果の測定>
上記で調製した熱分解物10mgをJIS−K7217に準じ、空気下800℃で10分間燃焼させ、その際に発生した二酸化炭素を、熱伝導度検出器を備えたガスクロマトグラフで定量測定した。二酸化炭素発生量抑制剤を含有しない不織布から発生した二酸化炭素量と各実施例で得られた不織布から発生した二酸化炭素量との差の割合から二酸化炭素削減効果を算出した。
【0039】
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点254℃、密度1.38g/cm)に平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.03重量%になる様に添加した。この二酸化炭素発生量抑制剤を添加したナイロン6樹脂をスパンボンド法により、単孔吐出量0.90g/min・Hole、紡糸温度295℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して牽引し、移動捕集面に向けて押し出し、平均単糸繊度2.00dtexの不織布ウェブを得た。
【0040】
次いで、得られたウェブを、フラットロールとエンボスロール(パターン仕様:菱形、直行配列、縦横ピッチ2.0mm、圧着面積率14.7%)の間に通して温度240℃と線圧35kgf/cmで繊維同士を接着し、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0041】
〔実施例2〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0042】
〔実施例3〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0043】
〔実施例4〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.30重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0044】
〔実施例5〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度3.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0045】
〔実施例6〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度1.40dtex、目付30g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0046】
〔実施例7〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度0.07dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0047】
〔実施例8〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付8g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0048】
〔実施例9〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付60g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0049】
〔実施例10〕
平均粒子径200nmの酸化マグネシウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.10重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0050】
〔実施例11〕
平均粒子径200nmのチタン酸バリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.10重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0051】
〔実施例12〕
ポリブチレンテレフタレート樹脂(融点225℃、密度1.38g/cm)に平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.10重量%となる様に添加し、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0052】
〔実施例13〕
平均粒子径が150nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0053】
〔実施例14〕
平均粒子径が250nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0054】
〔実施例15〕
ナイロン6樹脂(融点223℃、密度1.14g/cm)に平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.03重量%になる様に添加した。この二酸化炭素発生量抑制剤を添加したナイロン6樹脂をスパンボンド法により、単孔吐出量0.90g/min・Hole、紡糸温度265℃で押出し、このフィラメント群をエアジェットによる高速気流牽引装置を使用して牽引し、移動捕集面に向けて押し出し、平均単糸繊度2.00dtexの不織布ウェブを得た。
【0055】
次いで、得られたウェブを、フラットロールとエンボスロール(パターン仕様:直径0.425mm円形、千鳥配列、横ピッチ2.1mm、縦ピッチ1.1mm、圧着面積率6.3%)の間に通して温度190℃と線圧35kgf/cmで繊維同士を接着し、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0056】
〔実施例16〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0057】
〔実施例17〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0058】
〔実施例18〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.30重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0059】
〔実施例19〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度3.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0060】
〔実施例20〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度1.40dtex、目付30g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0061】
〔実施例21〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度0.07dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0062】
〔実施例22〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付8g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0063】
〔実施例23〕
平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.15重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付60g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0064】
〔実施例24〕
平均粒子径200nmの酸化マグネシウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.10重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0065】
〔実施例25〕
平均粒子径200nmのチタン酸バリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.10重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0066】
〔実施例26〕
ナイロン66樹脂(融点265℃、密度1.14g/cm)に平均粒子径200nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.10重量%となる様に添加し、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0067】
〔実施例27〕
平均粒子径150nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0068】
〔実施例28〕
平均粒子径250nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。
【0069】
〔比較例1〕
ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点254℃、密度1.38g/cm)にアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.02重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。比較例1の二酸化炭素発生量抑制剤添加量では、二酸化炭素発生量削減効果が22%と低い値であった。
【0070】
〔比較例2〕
ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点254℃、密度1.38g/cm)を使用し実施例1と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。比較例2では二酸化炭素発生量抑制剤を添加していないため、抑制効果が発現しなかった。
【0071】
〔比較例3〕
ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点254℃、密度1.38g/cm)にアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.35重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得たが、紡糸時の糸切れが多く、品位の悪い不織布となった。
【0072】
〔比較例4〕
平均粒子径100nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。比較例4では二酸化炭素発生量抑制剤の平均粒子径が150nm未満であったため、二酸化炭素発生量削減効果が25%と低い値となった。
【0073】
〔比較例5〕
平均粒子径400nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例1と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た 。比較例5では二酸化炭素発生量抑制剤の平均粒子径250nmを超えていたため、紡糸時の糸切れが多く、品位の悪い不織布となった。
【0074】
〔比較例6〕
ナイロン6樹脂(融点223℃、密度1.14g/cm)にアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.02重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。比較例1の二酸化炭素発生量抑制剤添加量では、二酸化炭素発生量削減効果が25%と低い値であった。
【0075】
〔比較例7〕
ナイロン6樹脂(融点223℃、密度1.14g/cm)を使用し実施例13と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。比較例2では二酸化炭素発生量抑制剤を添加していないため、抑制効果が発現しなかった。
【0076】
〔比較例8〕
ナイロン6樹脂(融点223℃、密度1.14g/cm)にアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.35重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.00dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得たが、紡糸時の糸切れが多く、品位の悪い不織布となった。
【0077】
〔比較例9〕
平均粒子径100nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。比較例9では二酸化炭素発生量抑制剤の平均粒子径が150nm未満であったため、二酸化炭素発生量削減効果が25%と低い値であった。
【0078】
〔比較例10〕
平均粒子径400nmのアルミノケイ酸ナトリウムからなる二酸化炭素発生量抑制剤を純分で0.09重量%となる様に、実施例13と同様にして平均単糸繊度2.45dtex、目付20g/mのスパンボンド不織布を得た。比較例10では二酸化炭素発生量抑制剤の平均粒子径250nmを超えていたため、紡糸時の糸切れが多く、品位の悪い不織布となった。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明のスパンボンド不織布は、燃焼時二酸化炭素発生量を抑制することができ、且つ、強伸度を有し、生産上の工程安定性や着用時の破断を抑制する効果を奏するため、土木、建築、農業、産業、生活資材用途に好適に利用可能である。