特許第6584925号(P6584925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6584925
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】ゴム組成物及び空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 21/00 20060101AFI20190919BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20190919BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20190919BHJP
   C08L 71/00 20060101ALI20190919BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   C08L21/00
   C08K3/04
   C08K5/17
   C08L71/00 Y
   B60C1/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-221457(P2015-221457)
(22)【出願日】2015年11月11日
(65)【公開番号】特開2017-88753(P2017-88753A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100124707
【弁理士】
【氏名又は名称】夫 世進
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】菱川 靖浩
【審査官】 岡谷 祐哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−028129(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0177072(US,A1)
【文献】 特開2012−057153(JP,A)
【文献】 特開2015−168742(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0252204(US,A1)
【文献】 特開2015−172138(JP,A)
【文献】 特開2011−026544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C
C08K
C08L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエン系ゴムと、カーボンブラックと、p−フェニレンジアミン系老化防止剤を含むアミン系老化防止剤と、ポリオキシアルキレンナフチルエーテルとを含む、ゴム組成物。
【請求項2】
前記ポリオキシアルキレンナフチルエーテルの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部である、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
タイヤサイドウォール用ゴム組成物である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤ等のゴム製品は、オゾンの存在下で劣化が進行し、ゴム表面に亀裂が生じ、これが耐久性を悪化させる原因となる。そのため、かかる亀裂の発生及び進行を抑制するために、ゴム組成物にアミン系老化防止剤を配合することが知られている。しかしながら、アミン系老化防止剤は、耐オゾン性には優れているものの、ゴム表面に過剰に移行(ブルーム)することで、変色などの外観性悪化の要因となる。
【0003】
アミン系老化防止剤による変色を抑制するために、特許文献1には、ジエン系ゴムにポリオキシアルキレンアルキルエーテル系の非イオン性界面活性剤を配合することが開示されている。特許文献2には、テトラヒドロピラン環やテトラヒドロフラン環を分子内に有するエステル及びポリエーテル型の非イオン性界面活性剤をジエン系ゴムに配合することが開示されている。特許文献3にはエステル型の非イオン性界面活性剤をゴム成分に配合することが開示されている。しかしながら、これらの文献において、非イオン性界面活性剤は、ゴム表面に析出したアミン系老化防止剤等による凹凸面を平滑面化することにより、外観性を改善するものであり、また、非イオン性界面活性剤としてポリオキシアルキレンナフチルエーテルを用いることは開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−057153号公報
【特許文献2】特開2006−045279号公報
【特許文献3】特開2015−000973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、アミン系老化防止剤を配合することによる外観性の悪化を抑制することができるゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るゴム組成物は、ジエン系ゴムと、カーボンブラックと、アミン系老化防止剤と、ポリオキシアルキレンナフチルエーテルとを含むものである。
【0007】
本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いて作製されたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ジエン系ゴムにアミン系老化防止剤を配合したものにおいて、カーボンブラックとともにポリオキシアルキレンナフチルエーテルを配合したことにより、アミン系老化防止剤のゴム表面への移行を抑制して外観性の悪化を抑制することができる。また、ポリオキシエチレンナフチルエーテルによりカーボンブラックの分散性が向上することで、加工性や低発熱性を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
【0010】
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分としてのジエン系ゴムと、カーボンブラックと、アミン系老化防止剤と、ポリオキシアルキレンナフチルエーテルとを含有するものである。
【0011】
ゴム成分としてのジエン系ゴムについては、特に限定されない。使用可能なジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、及び、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。より好ましくは、NR、SBR、及びBRよりなる群から選択される少なくとも1種である。
【0012】
一実施形態として、ジエン系ゴムは、天然ゴム単独、又は天然ゴムと他のジエン系ゴム(例えば、ブタジエンゴム)とのブレンドでもよい。ブレンドの場合、ジエン系ゴム100質量部中にNRを40質量部以上含むことが好ましい。例えば、ジエン系ゴム100質量部は、40〜80質量部のNRと、20〜60質量部のBRからなるものでもよい。
【0013】
上記カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。例えば、SAF級(N100番台)、ISAF級(N200番台)、HAF級(N300番台)、FEF級(N500番台)、GPF級(N600番台)(ともにASTMグレード)のものが好ましく用いられる。これら各グレードのカーボンブラックは、いずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0014】
カーボンブラックの配合量は、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜150質量部でもよく、20〜100質量部でもよく、30〜80質量部でもよい。
【0015】
上記アミン系老化防止剤としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン(DNPD)、N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのp−フェニレンジアミン系老化防止剤; p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(CD)、オクチル化ジフェニルアミン(ODPA)、スチレン化ジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系老化防止剤; N−フェニル−1−ナフチルアミン(PAN)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(PBN)等のナフチルアミン系老化防止剤; 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(TMDQ)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロ−キノリン(ETMDQ)、ジフェニルアミンとアセトンの反応物(ADPAL)等のアミン−ケトン系老化防止剤などが挙げられる。これらはそれぞれ単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】
これらの中でも、アミン系老化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、及び、ナフチルアミン系老化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の芳香族第2級アミン系老化防止剤が好ましい。より好ましくは、p−フェニレンジアミン系老化防止剤であり、更に好ましくは、N−アルキル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(但し、アルキルは炭素数3〜8のアルキル基)である。
【0017】
アミン系老化防止剤の配合量は、要求される耐オゾン性能などに応じて適宜に設定することができ、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜10質量部でもよく、1〜8質量部でもよく、2〜6質量部でもよい。
【0018】
本実施形態に係るゴム組成物では、上記のカーボンブラック及びアミン系老化防止剤とともに、ポリオキシアルキレンナフチルエーテルを配合する。ポリオキシアルキレンナフチルエーテルを配合することにより、アミン系老化防止剤のゴム表面への移行を抑制して外観性の悪化を抑制することができ、また、カーボンブラックの分散性を向上して、加工性や低発熱性を改善することができる。その理由は、次のように推測されるが、これにより限定することを意図するものではない。すなわち、ポリオキシアルキレンナフチルエーテルのナフチル基がカーボンブラックと作用し、ポリオキシアルキレン部がアミン系老化防止剤と作用することにより、ポリオキシアルキレンナフチルエーテルを介してアミン系老化防止剤がカーボンブラックと作用することになるので、アミン系老化防止剤の移行(ブルーム)をカーボンブラックによってとどめ、又は移行を遅らせることができると考えられる。また、ナフチル基がカーボンブラックと作用することにより、カーボンブラック同士の凝集を防いで分散性が向上するので、これにより未加硫ゴム粘度が低減するとともに、低発熱性が改善されると考えられる。しかも、カーボンブラックとともにポリオキシアルキレンナフチルエーテルも分散した状態に保持されるので、これに作用するアミン系老化防止剤のゴム表面への移行もより効果的に抑制されると考えられる。
【0019】
ポリオキシアルキレンナフチルエーテルとしては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。このような化合物自体は、非イオン性界面活性剤として公知である。
【0020】
【化1】
式中、Rは、水素原子又は炭素数が1〜25のアルキル基を示す。好ましくは、Rは水素原子である。A及びBは、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示し、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の配列はブロックでもランダムでもよい。m及びnはそれぞれA及びBの平均付加モル数であって0〜40の数であり、但し、m+nは2〜40の範囲内である。ポリオキシアルキレン基のナフチル基に対する置換位置は、α位でもβ位でもよい。ポリオキシアルキレン基は、好ましくは、ポリオキシエチレン基、又はオキシエチレン基とオキシプロピレン基の双方を含むポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)基である。m及びnは、より好ましくは、それぞれ0〜20の数であり、m+nは2〜20の範囲内である。
【0021】
ポリオキシアルキレンナフチルエーテルとしては、下記一般式(2)で表されるポリオキシエチレンナフチルエーテルをより好ましい例として用いることができる。
【0022】
【化2】
式中、pはオキシエチレン基の平均付加モル数であって2〜40の数であり、より好ましくは2〜20の数である。
【0023】
ポリオキシアルキレンナフチルエーテルの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。0.1質量部以上であることにより、その添加効果を発揮することができ、また、10質量部以下であることにより、低発熱性の悪化を抑えることができる。ポリオキシアルキレンナフチルエーテルの含有量は、より好ましくは、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜10質量部であり、更に好ましくは2〜8質量部である。
【0024】
本実施形態に係るゴム組成物には、上記した各成分に加え、シリカ等の他の充填剤、フェノール系老化防止剤などの他の老化防止剤、シランカップリング剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤など、通常ゴム工業で使用される各種添加剤を配合することができる。
【0025】
上記加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量はジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
【0026】
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、カーボンブラック、アミン系老化防止剤及びポリオキシアルキレンナフチルエーテルとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
【0027】
このようにして得られたゴム組成物は、タイヤ用、防振ゴム用、コンベアベルト用などの各種ゴム製品に用いることができる。好ましくは、タイヤに用いることであり、乗用車用、トラックやバスの重荷重用など各種用途、各種サイズの空気入りタイヤに用いることができる。一実施形態に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物からなるゴム部分を備えたものである。タイヤの適用部位としては、例えば、サイドウォールゴム、リムストリップゴムなどが好ましい部位として挙げられる。ゴム組成物は、常法に従い、例えば、押出加工によって所定の形状に成形され、他の部品と組み合わせてグリーンタイヤ(未加硫タイヤ)を作製した後、例えば140〜180℃でグリーンタイヤを加硫成型することにより、空気入りタイヤを製造することができる。好ましくは、サイドウォール用配合として用いることであり、一実施形態に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物からなるサイドウォールゴムを備えたものである。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例で使用した原材料は以下の通りである。
【0029】
・NR:RSS3号
・BR:宇部興産(株)製「BR150B」
・カーボンブラック:HAF、東海カーボン(株)製「シースト3」
・オイル:JX日鉱日石エネルギー(株)製「プロセスNC140」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華3号」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・老化防止剤1:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・老化防止剤2:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(TMDQ)、大内新興化学工業(株)製「ノクラック224」
・老化防止剤3:2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(MBMBP)、大内新興化学工業(株)製「ノクラックNS−6」
・ワックス:日本精鑞(株)製「OZOACE0355」
・ポリオキシエチレンナフチルエーテル:上記式(2)で表される非イオン性界面活性剤、第一工業製薬(株)製「ノイゲンEN」
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル:花王(株)製「エマルゲン1118」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
・加硫促進剤:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
【0030】
下記実施例及び比較例におけるゴム組成物の評価方法は以下の通りである。
【0031】
・低発熱性:JIS K6394に準じて、加硫した試験片について、温度50℃、静歪み5%、動歪み1%、周波数50Hzの条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、低発熱性(低燃費性)に優れることを意味する。
【0032】
・未加硫ゴム粘度:JIS K6300に準拠して、(株)東洋精機製作所製ロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴムを100℃で1分間予熱後、4分後のトルク値をムーニー単位ML(1+4)で測定した値であり、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど粘度が低く、加工性に優れることを意味する。
【0033】
・外観性:加硫ゴム片を40℃に温度調節したギアーオーブン中に入れて3週間放置し、その後、加硫ゴム片の表面を目視により観察して下記の基準で外観性を評価した。
◎:表面が黒く、ほとんど変色なし
○:わずかに茶色または白色に変色している
△:やや茶色または黄色または白色に変色している
×:茶褐色または白色に変色している。
【0034】
[ゴム組成物の調製]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第1工程で、ジエン系ゴムに対し、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、第2工程で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物について、未加硫ゴム粘度を測定するとともに、160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、低発熱性と外観性を評価した。
【0035】
結果は、表1に示す通りである。コントロールである比較例1に対し、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを配合した比較例2では、粘度低減効果は得られたものの、低発熱性が悪化し、また外観性の悪化を抑制する効果も不十分であった。また、ポリオキシエチレンナフチルエーテルを配合したものの、アミン系老化防止剤の代わりにフェノール系老化防止剤を配合した比較例3では、外観性の悪化を抑制する効果が不十分であった。これに対し、カーボンブラック及びアミン系老化防止剤とともに、ポリオキシエチレンナフチルエーテルを配合した実施例1〜3であると、低発熱性が改善されるとともに、加硫ゴム粘度が低下して加工性に優れており、更に、外観性の悪化を抑制する効果にも優れていた。
【0036】
【表1】