(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フリーアクセスフロアのフロアパネルを支持する支持脚のパネル支持台の円板状の支持部の上面側の上方筒状部及び板状の突起に係合して前記パネル支持台に回転を伝達することが可能で、結合部材を介して駆動手段により回転を駆動される円板状の係合部材と、
レーザーを受光した時に前記係合部材の回転を停止させる受光部を備え、
前記結合部材は、上端部が前記駆動手段に結合された上側棒状部と、下端部が前記係合部材に固定された少なくとも2本の下側棒状部と、前記上側棒状部の下端部と前記下側棒状部の上端部の間に形成された分岐棒状部を有する
ことを特徴とする支持脚レベル設定器。
前記係合部材が、前記パネル支持台の支持面上に載置された時に、前記モーターの動作を開始させ、前記係合部材が、前記パネル支持台の支持面から離れた時に、前記モーターの動作を停止させる第2のスイッチを備える
ことを特徴とする請求項3に記載の支持脚レベル設定器。
【背景技術】
【0002】
フリーアクセスフロアに用いられる支持脚は、コンクリート材などにより形成された床面の上に立設されて、複数のフロアパネルを床面の上方に空間を隔てて支持するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図12から
図16は、フリーアクセスフロア6の支持脚2の従来の高さ調整方法を説明するために参照する図である。
【0004】
支持脚2は、
図12に示すように、複数のフロアパネル4のそれぞれの隅部を突き合わせてそれらを下側から支持するパネル支持台14と、床面3上に立設しパネル支持台14を支持する脚部16を備えて構成されていた。
【0005】
パネル支持台14は、
図13に示すように、高さ方向(図中上下方向)に伸びる支柱部17と、支柱部17の高さ方向の途中に配置された水平板状の支持部18を有していた。
【0006】
支柱部17は、
図13,14に示すように、略円筒状に形成され、その軸線方向に貫通する軸孔の内周面に全体に渡ってメネジ部17aが形成されていた。また、支柱部17は、支持部18より上方に形成された上方筒状部17bと、支持部18より下方に形成された下方筒状部17cとから構成されていた。
【0007】
そして、下方筒状部17cのメネジ部17aが、脚部16の外周部に形成されたオネジ部16aにネジ結合され、パネル支持台14を脚部16に対し相対回転させることにより、パネル支持台14の床面3からの高さ位置が調整されていた。
【0008】
支持部18は、
図13,14に示すように、支柱部17の外周面から水平方向外側に伸びるように形成され、その平面形状が略円環状(
図14参照)に形成されていた。そして、支持部18の上面(支持面18a)に、フロアパネル4の底面4a(
図12参照)の四隅部のいずれか1つが載置されていた。
【0009】
また、
図13,14に示すように、パネル支持台14には、支持部18の支持面18aと、支柱部17の上方筒状部17bの外周面との間の角を埋めるように、支持面18aから上方に突出する板状の突起19が4つ形成されていた。
【0010】
また、4つの突起19は、支柱部17の上方筒状部17bの外周面から略90度の間隔(
図14参照)を空けて、放射方向外側に伸びるようにそれぞれ形成されていた。そして、突起19が形成されることにより、フロアパネル4の横ずれが防止されていた。
【0011】
また、
図13に示すように、パネル支持台14の下方筒状部17cには、図中左右方向に伸びるメネジ孔17dが形成されていた。そして、メネジ孔17dにオネジ部材7をネジ結合させて締め付けることにより、パネル支持台14は床面3から所望の高さ位置に配置されて固定されていた。
【0012】
そして、
図12に示すように、皿ボルト20のオネジ部20bを、パネル支持台14の上方筒状部17bのメネジ部17aに締め付けることにより、フロアパネル4の四隅にそれぞれ形成された段差部4bが、皿ボルト20の頭部20aにより下方に押え付けられて固定されていた。
【0013】
フリーアクセスフロア6を平坦に設置するためには、支持脚2のパネル支持台14の支持面18a(
図13参照)の高さ位置を所定の高さに設定する必要があったが、床面3には、傾斜面や凹凸面が形成された部分があった。
【0014】
このため、フリーアクセスフロア6を施工する際には、
図15に示すように、水平にレーザー22を照射するレーザー発生装置21を配置し、そのレーザー発生装置21から照射されるレーザー22を利用して、支持脚2の支持面18aの高さ位置が調整されていた。
【0015】
具体的には、まず、
図15に示すように、壁面5に打たれたレベル基準墨の高さ位置から、レーザー22の高さ位置までの距離L1を測定していた。また、レベル基準墨の高さ位置から、設定したいパネル支持台14の支持面18a(
図13参照)の高さ位置までの距離L2を算出していた。
【0016】
そして、算出した距離L2と、測定した距離L1の差を計算することにより、レーザー22の高さ位置から、設定したいパネル支持台14の支持面18a(
図13参照)の高さ位置までの距離L3を算出していた。
【0017】
その後、作業者が、パネル支持台14の支持面18a上に金尺26を垂直に立て(
図16参照)、レーザー22が照射される金尺26の目盛を目視で確認しながら、パネル支持台14を脚部16に対し相対回転させて、支持面18aの高さ位置を移動させていた。
【0018】
そして、
図16に示すように、レーザー22が照射された金尺26の目盛が、レーザー22の高さ位置から、設定したいパネル支持台14の支持面18aの高さ位置までの距離L3の値に一致した時に、パネル支持台14の脚部16に対する相対回転を停止させることにより、パネル支持台14の支持面18aの高さ位置を目的の高さに設定していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、上記のように、パネル支持台14の支持面18a上に金尺26を垂直に立て、レーザー22が照射される金尺26の目盛を目視で確認しながら、パネル支持台14を脚部16に対し相対回転させる作業を繰り返し行っていくことは、作業効率が悪く、屈んだり立ったりを繰り返す作業者の身体への負荷も大きいという問題があった。
【0021】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、支持脚のレベル設定の作業効率を良くすることができると共に、作業者に過大な負荷がかかることを防止することができる支持脚レベル設定器を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するために、本発明による支持脚レベル設定器は、
フリーアクセスフロアのフロアパネルを支持する支持脚のパネル支持台の円板状の支持部の上面側の上方筒状部及び板状の突起に係合して前記パネル支持台に回転を伝達することが可能で、結合部材を介して駆動手段により回転を駆動される円板状の係合部材と、
レーザーを受光した時に前記係合部材の回転を停止させる受光部を備
え、
前記結合部材は、上端部が前記駆動手段に結合された上側棒状部と、下端部が前記係合部材に固定された少なくとも2本の下側棒状部と、前記上側棒状部の下端部と前記下側棒状部の上端部の間に形成された分岐棒状部を有する
ことを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
前記係合部材が着脱自在に結合されていることを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
前記係合部材を回転させるモーターを備えることを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
前記モーターの動作の開始と停止を手で直接切り替える第1のスイッチを備えることを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
前記係合部材が、前記パネル支持台の支持面上に載置された時に、前記モーターの動作を開始させ、前記係合部材が、前記パネル支持台の支持面から離れた時に、前記モーターの動作を停止させる第2のスイッチを備えることを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
手で直接切り替える第3のスイッチと、
前記係合部材が、前記パネル支持台の支持面上に載置された時に、スイッチオン状態になり、前記係合部材が、前記パネル支持台の支持面から離れた時に、スイッチオフ状態になる第4のスイッチを備え、
前記第3のスイッチと、前記第4のスイッチが共にスイッチオン状態の時のみ、前記モーターが動作をすることを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
前記係合部材の下面から前記受光部までの距離を調節することができることを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
前記受光部が、前記支持脚レベル設定器の中心軸線上に配置されていることを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
前記支持脚レベル設定器の水平方向に対する傾きを検出する傾斜検出部を備えることを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
前記傾斜検出部が検出した前記傾きに応じた音を出力する音声出力部を備えることを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明による支持脚レベル設定器は、
前記支持脚レベル設定器が水平方向に対して垂直に立設されている場合のみ、前記係合部材を回転可能にすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0033】
このような本発明の支持脚レベル設定器は、
フリーアクセスフロアのフロアパネルを支持する支持脚のパネル支持台の円板状の支持部の上面側の上方筒状部及び板状の突起に係合して前記パネル支持台に回転を伝達することが可能で、結合部材を介して駆動手段により回転を駆動される円板状の係合部材と、
レーザーを受光した時に前記係合部材の回転を停止させる受光部を備
え、
前記結合部材は、上端部が前記駆動手段に結合された上側棒状部と、下端部が前記係合部材に固定された少なくとも2本の下側棒状部と、前記上側棒状部の下端部と前記下側棒状部の上端部の間に形成された分岐棒状部を有することにより、
支持脚のレベル設定の作業効率を良くすることができると共に、作業者に過大な負荷がかかることを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係る支持脚レベル設定器を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
【0036】
図1から
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30について説明するために参照する図である。
【0037】
本実施の形態に係る支持脚レベル設定器30は、
図1に示すように、略箱状の本体部31と、略二股棒状の結合部材32と、略円板状の係合部材33と、略棒状のグリップ34と、スイッチ35等を備えている。
【0038】
本体部31は、
図1に示すように、レーザー22(
図15,16参照)を受光する受光部36と、結合部材32及び係合部材33を回転させるモーター37aを有する駆動部37等を備えている。
【0039】
本体部31の上面には、押しボタン式のスイッチ35(
図1参照)が設けられている。そして、スイッチ35を押して、スイッチオン状態にすると本体部31が起動し、再度スイッチ35を押して、スイッチ35を元のスイッチオフ状態に戻すと本体部31の動作が終了するようになっている。
【0040】
受光部36は、
図1に示すように、本体部31の図中正面側に設けられた細長い長方形状の受光窓36aと、受光窓36aを通過したレーザー22(
図15参照)を受光する受光素子(不図示)等から構成されている。
【0041】
結合部材32は、
図2に示すように、図中上下方向に伸びて、その上端部が本体部31の駆動部37に結合された上側棒状部32aと、図中左右方向に伸びて、上側棒状部32aの図中下端部から図中右方向と図中左方向に分岐するように形成された分岐棒状部32bを有している。
【0042】
また、結合部材32は、
図2に示すように、分岐棒状部32bの図中右端部から、図中下側方向に伸びる下側棒状部32cと、分岐棒状部32bの図中左端部から、図中下側方向に伸びる下側棒状部32dを有している。
【0043】
また、
図2に示すように、上側棒状部32aの中心軸線32eを延長した線と、係合部材33の中心軸線33aが一致するように、結合部材32の下側に係合部材33が配置されている。そして、下側棒状部32c,32dの下端部が、係合部材33の上面33bにそれぞれ固定されている。
【0044】
このように、結合部材32は、本体部31の駆動部37と、係合部材33の間を結合している。
【0045】
そして、駆動部37のモーター37a(
図1参照)が回転した際には、結合部材32が、上側棒状部32aの中心軸線32e(
図2参照)を中心として回転し、係合部材33も、結合部材32の回転に連動して、その中心軸線33a(
図2参照)を中心として回転するようになっている(
図5(b)参照)。
【0046】
略円板状の係合部材33は、
図2,3に示すように、略円形の上面33bと下面33cを有すると共に、その板厚方向に貫通する係合孔33dを有している。
【0047】
係合孔33dは、
図3に示すように、係合部材33の中心部分を貫通する開口形状が略円形の貫通孔33eと、貫通孔33eの内周面における、互いに略90度の間隔を空けた4箇所から、係合部材33の外周側にそれぞれ伸びる開口形状が略長方形の4つの貫通孔33fから形成されている。
【0048】
また、係合孔33dは、
図4(a),(b)に示すように、支持脚2の支持面18a上に係合部材33を載置した際に、支持脚2の上方筒状部17b(
図13参照)が、貫通孔33e(
図3参照)を挿通して、支持脚2の4つの突起19(
図13参照)が、4つの貫通孔33f(
図3参照)をそれぞれ挿通するように形成されている。
【0049】
このため、支持脚2の支持面18a上に係合部材33を載置した状態(
図5(b)参照)で、係合部材33が中心軸線33a(
図2参照)を中心として回転した際には、係合部材33の係合孔33dに、支持脚2の上方筒状部17bと突起19が係合して、支持脚2のパネル支持台14も、脚部16に対し相対回転するようになっている。
【0050】
したがって、支持脚2の支持面18a上に係合部材33を載置した状態(
図5(b)参照)で、駆動部37のモーター37aが回転した際には、その回転力が結合部材32及び係合部材33を介してパネル支持台14に伝達され、パネル支持台14が脚部16に対し相対回転するようになっている。
【0051】
また、
図2,3に示すように、係合部材33の下面33cには押しボタン式のスイッチ33gが設けられている。スイッチ33gは、本体部31の上面に設けられたスイッチ35(
図1参照)とは異なり、押されている間だけスイッチオン状態になるように形成されている。
【0052】
このため、スイッチ33gは、支持脚2の支持面18a上に係合部材33が載置された時(
図5(b)の状態)に、スイッチ33gが押されて係合部材33の内部に入り込み、スイッチオン状態になっている。
【0053】
そして、本体部31の上面のスイッチ35(
図1参照)がスイッチオン状態で、且つ、スイッチ33gもスイッチオン状態になると、駆動部37のモーター37aが回転を開始するようになっている。
【0054】
また、支持脚2の支持面18aから、係合部材33の下面33cが離れた時には、スイッチ33gがスイッチオフ状態に戻り、駆動部37のモーター37aの回転が停止するようになっている。
【0055】
このように、スイッチ33gを設けることにより、支持脚2の支持面18a上に係合部材33が載置された状態(
図5(b)参照)の時だけ、係合部材33が回転するようになっているため、作業者が支持脚2のレベル調整を安全に行うことができるようになっている。
【0056】
支持脚レベル設定器30を用いて、パネル支持台14の支持面18aの高さを目的の高さに設定するためには、まず、
図6に示すように、受光部36の受光窓36a(
図1参照)が、レーザー発生装置21の方向(
図6(a)中右側)を向くように、支持脚レベル設定器30の向きを設定する。
【0057】
そして、支持脚2の支持面18a上に係合部材33を載置(
図5(b)参照)した状態で、本体部31のスイッチ35(
図1参照)をスイッチオン状態にすると、駆動部37のモーター37aの回転が開始する。
【0058】
そして、駆動部37のモーター37aの回転が開始すると、
図6(a)に示すように、レーザー発生装置21のレーザー22が、受光部36の受光窓36aに照射されるまでは、パネル支持台14が脚部16に対し相対回転し続ける。
【0059】
また、パネル支持台14が脚部16に対し相対回転して、パネル支持台14の支持面18a(
図13参照)の高さ位置が上昇すると、その上昇に伴って支持脚レベル設定器30の高さ位置も上昇する。
【0060】
そして、
図6(b)に示すように、レーザー発生装置21のレーザー22が、受光部36の受光窓36aに照射され、受光素子(不図示)がレーザー22を受光した際には、受光部36が、モーター37aの回転を停止させる停止信号31aを駆動部37に対して出力し、パネル支持台14の脚部16に対する相対回転が停止する。
【0061】
このように、レーザー発生装置21のレーザー22が、受光部36の受光窓36aに照射される前は、パネル支持台14は脚部16に対して相対回転し続けて、レーザー22が受光部36の受光窓36aに照射されると、パネル支持台14の脚部16に対する相対回転が停止するようになっている。
【0062】
また、
図7に示すように、係合部材33の下面33cから、受光部36の受光窓36aまでの高さは、レーザー22の高さ位置から、設定したいパネル支持台14の支持面18aの高さ位置までの距離L3(
図15参照)に設定されている。
【0063】
このため、受光部36の受光窓36aにレーザー22が照射され、パネル支持台14の脚部16に対する相対回転が停止すると、支持面18aの高さ位置が目的の高さに自動的に設定されるようになっている。
【0064】
前述のように、支持脚2の従来のレベル設定方法は、作業者が、レーザー22が照射される金尺26の目盛を目視で確認しながら、パネル支持台14を脚部16に対し相対回転させる作業を繰り返し行っていた。
【0065】
したがって、本実施の形態に係る支持脚レベル設定器30を用いることにより、支持脚2の従来のレベル設定方法に比べて、支持脚2のレベル設定の作業効率を良くすることができると共に、作業者に過大な負荷がかかることを防止することができる。
【0066】
また、作業者が支持脚レベル設定器30を持ち運び易くするために、
図1に示すように、本体部31の上面には、略棒状のグリップ34が設けられている。
【0067】
以上のことから、本実施の形態に係る支持脚レベル設定器30は、支持脚のレベル設定の作業効率を良くすることができると共に、作業者に過大な負荷がかかることを防止することができる。
【0068】
図8,9は、本発明の第2の実施の形態に係る支持脚レベル設定器50について説明するために参照する図である。
【0069】
本実施の形態に係る支持脚レベル設定器50は、
図8に示すように、ソケット55と結合部材52を備えている点において、前記第1の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30とは異なるものである。その他の構成は、前記第1の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30と同様である。
【0070】
すなわち、前記第1の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30においては、
図1に示すように、結合部材32の上端部が本体部31に固定され、本体部31から結合部材32と係合部材33を取り外すことができないようになっていた。
【0071】
一方、本実施の形態に係る支持脚レベル設定器50においては、
図8,9に示すように、本体部31の下面にソケット55が設けられ、ソケット55に結合部材52の
図9中上端部を差込んだり、ソケット55から結合部材52の
図9中上端部を抜き出したりすることができるようになっている。
【0072】
なお、
図9に示すように、結合部材52の図中上端部の径は、ソケット55に差し込むことができるように、結合部材52の他の部分の径よりも少し細くなっている。
【0073】
このように、本実施の形態に係る支持脚レベル設定器50においては、結合部材52が本体部31に着脱自在に結合されているため、レベル設定を行う支持脚の形状に応じて、その支持脚に係合可能な係合部材33に取り換えることができるようになっている。
【0074】
このような本実施の形態に係る支持脚レベル設定器50によっても、前記第1の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30と同様の効果を得ることができる。
【0075】
図10,11は、本発明の第3の実施の形態に係る支持脚レベル設定器60について説明するために参照する図である。
【0076】
本実施の形態に係る支持脚レベル設定器60は、
図10に示すように、本体部31が傾斜検出部61と音声出力部62を備えている点において、前記第1の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30とは異なるものである。その他の構成は、前記第1の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30と同様である。
【0077】
図11に示すように、傾斜センサー61aを有する傾斜検出部61は、支持脚レベル設定器60の水平方向に対する傾きを検出し、その傾きを示す傾斜信号61bを音声出力部62に対して出力している。そして、音声出力部62は、入力された傾斜信号61bに基づいて、支持脚レベル設定器60の水平方向に対する傾きに応じた音を出力している。
【0078】
例えば、支持脚レベル設定器60が水平方向に対して垂直に近い状態から、水平方向に対して垂直な状態になった場合には、そのことが作業者に分かるように音を変化させている。
【0079】
このように、本実施の形態に係る支持脚レベル設定器60においては、傾斜検出部61と音声出力部62を備えているため、音声出力部62が出力する音により、支持脚レベル設定器60が水平方向に対して垂直な状態で立設されているか否かを作業者が判断できるようになっている。
【0080】
このような本実施の形態に係る支持脚レベル設定器60によっても、前記第1の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30と同様の効果を得ることができる。
【0081】
なお、本発明は、前記実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、支持脚レベル設定器について種々の変更が可能である。
【0082】
例えば、前記第1〜第3の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30,50,60は、
図3に示すように、係合部材33の下面33cに、スイッチ33gが設けられていたが、スイッチ33gが設けられていなくてもよい。
【0083】
そして、本体部31の上面に設けられたスイッチ35が、スイッチオン状態になれば駆動部37のモーター37aの回転が開始し、スイッチオフ状態になれば駆動部37のモーター37aの回転が停止するようになっていてもよい。
【0084】
また、前記第1〜第3の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30,50,60は、
図1,
図8,
図10に示すように、本体部31の上面にスイッチ35が設けられていたが、スイッチ35が設けられていなくてもよい。
【0085】
そして、係合部材33の下面33cに設けられたスイッチ33gが、スイッチオン状態になれば駆動部37のモーター37aの回転が開始し、スイッチオフ状態になれば駆動部37のモーター37aの回転が停止するようになっていてもよい。
【0086】
また、前記第1〜第3の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30,50,60においては、本体部31の受光部36の高さ位置が固定されていたが、受光部36を上下方向にスライド移動できて、所定の高さ位置でネジ固定できるように構成されていてもよい。
【0087】
受光部36の高さ位置をスライド移動させることにより、レーザー22の高さ位置から、設定したいパネル支持台14の支持面18aの高さ位置までの距離L3(
図7参照)になるように、係合部材33の下面33cから、受光部36の受光窓36aまでの高さを調節することができる。
【0088】
また、前記第1〜第3の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30,50,60においては、
図2,
図8,
図10に示す結合部32,52が図中上下方向に伸縮可能に構成されていなかったが、結合部32,52が図中上下方向に伸縮可能に構成されていてもよい。
【0089】
例えば、結合部32の上側棒状部32a(
図2参照)が、
図2中上下方向に伸縮できるように構成されていてもよいし、下側棒状部32c,32dが
図2中上下方向に伸縮できるように構成されていてもよい。
【0090】
結合部32,52を
図2,
図8,
図10中上下方向に伸縮させることにより、レーザー22の高さ位置から、設定したいパネル支持台14の支持面18aの高さ位置までの距離L3(
図7参照)になるように、係合部材33の下面33cから、受光部36の受光窓36aまでの高さを調節することができる。
【0091】
また、前記第1〜第3の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30,50,60においては、本体部31の外周側面に、受光部36の受光窓36aが設けられていたため、本体部31の上下方向に伸びる中心軸線から離れた位置に受光窓36aが設けられていたが、このような構成に限定される必要はない。
【0092】
例えば、本体部31の上下方向に伸びる中心軸上、又は中心軸に近い位置に受光部の受光窓36aが設けられるように、本体部31の外周側面に内側に凹んだ凹部が形成され、その凹部に受光窓36aが設置されるように構成されていてもよい。
【0093】
床面3には、傾斜面や凹凸面が形成された部分があるため、本体部31の中心軸上、又は中心軸に近い位置に受光窓36aが設けられることにより、支持脚レベル設定器30,50,60が傾いた時の受光窓36aの高さ位置の誤差を少なくすることができる。
【0094】
そして、支持脚レベル設定器30,50,60が傾いた場合でも、レーザー22が受光窓36aを通過し、受光素子がレーザー22を受光できるようにすることができる。
【0095】
また、前記第1〜第3の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30,50,60においては、係合部材33に、支持脚2の上方筒状部17bと突起19が係合するように係合孔33d(
図4参照)が形成されていたが、支持脚2のパネル支持台14に係合できるように形成されていれば、係合部材33はこのような形状に限定される必要はない。
【0096】
また、前記第1〜第3の実施の形態に係る支持脚レベル設定器30,50,60においては、駆動部37のモーター37aが係合部材33を回転させていたが、このような構成に限定される必要はない。
【0097】
例えば、本体部31の上側部分にハンドルが設けられ、そのハンドルを作業者が回すと係合部材33が回転して、レーザー22が受光部36の受光窓36aに照射された際に、作業者にハンドルの回転停止を命じる音,光等の信号が発信されるように構成されていてもよい。
【0098】
また、前記第3の実施の形態に係る支持脚レベル設定器60においては、支持脚レベル設定器60が水平方向に対して垂直な状態で立設されているか否かを作業者が判断できるように、支持脚レベル設定器60の水平方向に対する傾斜角度に応じた音を出力するように構成されていたが、このような構成に限定される必要はない。
【0099】
例えば、支持脚レベル設定器60が水平方向に対して垂直な状態で立設されている場合にだけ、係合部材33が回転可能なように構成されていてもよい。