特許第6585145号(P6585145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585145
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】水洗トイレ用洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/835 20060101AFI20190919BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20190919BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20190919BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   C11D1/835
   C11D1/72
   C11D1/62
   C11D3/37
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-222962(P2017-222962)
(22)【出願日】2017年11月20日
(65)【公開番号】特開2018-95849(P2018-95849A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2018年5月15日
(31)【優先権主張番号】特願2016-240875(P2016-240875)
(32)【優先日】2016年12月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100122954
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 善太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 理弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202430
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 千香子
(72)【発明者】
【氏名】延原 健二
(72)【発明者】
【氏名】木村 友香
(72)【発明者】
【氏名】龍前 以緒
【審査官】 山本 悦司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0215447(US,A1)
【文献】 特表2003−531246(JP,A)
【文献】 特開2008−303318(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0197786(US,A1)
【文献】 特開2004−162041(JP,A)
【文献】 特開2001−329294(JP,A)
【文献】 特表2001−506694(JP,A)
【文献】 特開平02−018499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)または(2)で表されるカチオン系界面活性剤、
【化1】
[式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル基または炭素数1〜10のアルキル鎖を有するアルキルフェニルジエトキシ基のいずれかであり、RとRは炭素数1〜4のアルキル基である。RとRは同一であっても異なっていてもよく、RとRは同一であっても異なっていてもよい。Xはハロゲン原子である。]
【化2】

[式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。]
(B)下記一般式(3)で表されるノニオン系界面活性剤、および
【化3】
[式中、Rは炭素数9〜11のアルキル基であり、nは任意の整数である。]
(C)ポリビニルピロリドン
を含有することを特徴とする水洗トイレ用洗浄組成物(ただし、リン酸を含有する水洗トイレ用洗浄組成物を除く)
【請求項2】
成分(B)のノニオン系界面活性剤のHLBが12〜14であることを特徴とする、請求項1に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
【請求項3】
成分(B)のノニオン系界面活性剤を、洗浄組成物全体に対して5重量%より多く含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
【請求項4】
成分(C)のポリビニルピロリドンを、洗浄組成物全体に対して0.1重量%以上20重量%以下の範囲で含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
【請求項5】
成分(A)が塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムよりなる群より選択される少なくとも1種以上であることを特徴する請求項1〜4のいずれか一項に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
【請求項6】
オンタンク用に用いられる請求項1〜5のいずれか一項に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カチオン系界面活性剤、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル型のノニオン系界面活性剤および、ポリビニルピロリドンを含有することにより、界面活性剤を高濃度に配合でき、かつ温度の高低差においても製剤安定性に優れた水洗トイレ用洗浄組成物に関する。詳しくは、本発明は夏場や冬場の温度の高低差によっても、分離やゲル化することなく、安定した溶液状態を保つことができる製剤安定性に優れた水洗トイレ用洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水洗トイレで使用される洗浄剤としては、水洗トイレの貯水タンクの手洗い部に載置して使用される、いわゆるオンタンク用のものや、水洗トイレの便器のリム部に取り付けて使用されるもの、さらに、水洗トイレの貯水タンク内に配設するもの等、種々の形態のものが知られている。中でも、オンタンク用のものは、取付け作業や交換作業が容易であることから広く利用されている。
このオンタンク用洗浄剤は、薬剤供給容器内に固形又は液状の洗浄組成物を装填した状態で使用される。水洗トイレの水を流す(フラッシュする)ことにより、手洗い部から流れ出た水がオンタンク用薬剤供給容器内に流入し、洗浄剤の溶出した水が貯水タンク内に貯えられ、または、貯水タンク内に洗浄組成物が自然滴下され、次にフラッシュすることにより、貯水タンクから便器内に排出され、その結果、水に溶出した洗浄剤が便器内部を洗浄、除菌するものである。最近は、従来の固形洗浄剤に代わり、液状洗浄剤が主流となっているが、トイレの室内空間は、一年を通じた寒暖による温度変化が大きいため、液体洗浄剤の分離やゲル化等といった性状変化により、安定した洗浄作用が得られないという問題があった。
一方、便器内には、便、尿石、水垢等の汚れのほかに、黒ずみ等の微生物由来の汚れが発生する。このような微生物由来の汚れを抑制するために、洗浄剤に殺菌剤を配合することが有効であり、殺菌剤として一般的なカチオン系界面活性剤が汎用されている。第4級アンモニウム塩等の特定のカチオン系界面活性剤は抗菌作用に優れており、これを水洗トイレの洗浄剤に適用すること(例えば、特許文献1)や、ノニオン系界面活性剤と併用して使用すること(例えば、特許文献2)が提案されている。しかしながら、特定のカチオン系界面活性剤は、イオン交換反応を誘引する物質、例えば、カルボン酸系の増粘剤と一緒に配合すると、相互作用により抗菌作用が損なわれるだけでなく、不溶物の生成を引き起こすなど、安定な組成物が得られないという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−074756号公報
【特許文献2】特開2001−329294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレの室内空間は外気温の影響を受けやすく、一年を通じて室内温度の高低差が大きな空間である。その空間に置かれるトイレ用洗浄剤は、分離やゲル化することがなく安定した洗浄作用が得られる、製剤安定性に優れた洗浄組成物であることが望まれている。分離やゲル化しやすいとされる濃縮タイプのオンタンク用洗浄剤についても、同様の要望に基づき、製剤安定性に優れた洗浄剤がいくつか提案されているものの、多くの使用者が満足する十分な製剤安定性や洗浄作用が得られるとまではいい難く、さらなる改善が求められていた。
そこで、本発明は、有効成分を高濃度に配合することができ、従来の洗浄剤に比べて製剤安定性に優れた水洗トイレ用洗浄組成物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カチオン系界面活性剤、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル型のノニオン系界面活性剤および、ポリビニルピロリドンを配合することにより、従来のカチオン系界面活性剤を含有する洗浄剤に比べて、製剤安定性が格段に向上した洗浄剤が得られることを、さらには、これら有効成分を高濃度に配合しても優れた製剤安定性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
従来の洗浄剤において、抗菌作用を有するカチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル、および増粘剤を併用することは知られていたが、その中でも特定の増粘剤としてポリビニルピロリドンを組み合わせることにより、製剤安定性に優れた洗浄組成物が得られ、高濃度配合処方においても、その製剤安定性が優れていることを初めて見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
【0006】
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.(A)下記一般式(1)または(2)で表されるカチオン系界面活性剤、
【化1】
[式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル基または炭素数1〜10のアルキル鎖を有するアルキルフェニルジエトキシ基のいずれかであり、RとRは炭素数1〜4のアルキル基である。RとRは同一であっても異なっていてもよく、RとRは同一であっても異なっていてもよい。Xはハロゲン原子である。]
【化2】
[式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。]
(B)下記一般式(3)で表されるノニオン系界面活性剤、および
【化3】
[式中、Rは炭素数9〜11のアルキル基であり、nは任意の整数である。]
(C)ポリビニルピロリドン
を含有することを特徴とする水洗トイレ用洗浄組成物(ただし、リン酸を含有する水洗トイレ用洗浄組成物を除く)
2.成分(B)のノニオン系界面活性剤のHLBが12〜14であることを特徴とする、1.に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
3.成分(B)のノニオン系界面活性剤を、洗浄組成物全体に対して5重量%より多く含有することを特徴とする、1.または2.に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
4.成分(C)のポリビニルピロリドンを、洗浄組成物全体に対して0.1重量%以上20重量%以下の範囲で含有することを特徴とする、1.〜3.のいずれか一項に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
5.成分(A)が塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムよりなる群より選択される少なくとも1種以上であることを特徴する1.〜4.のいずれか一項に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
6.オンタンク用に用いられる1.〜5.のいずれか一項に記載の水洗トイレ用洗浄組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、カチオン系界面活性剤、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル型のノニオン系界面活性剤および、ポリビニルピロリドンを含有することにより、製剤安定性を向上させることができる。さらに、これら有効成分を高濃度に配合した高濃度配合処方においても、その製剤安定性が優れた水洗トイレ用洗浄組成物を得ることができる。しかも、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、抗菌作用を有する特定のカチオン系界面活性剤を含有しているため、優れた製剤安定性に加え良好な抗菌性を得ることもできる。
これにより、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、水洗トイレに付着する微生物由来の黒ずみ汚れや、その他様々な種類の汚れを、長期間安定した洗浄力により除去することができる。特に、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は製剤安定性に優れているので、室内温度の高低差が大きなトイレ室内に置かれても、その温度差に影響されることなく安定した洗浄力を得ることができ、便器表面に付着する無機性または有機性の汚れに対して優れた洗浄効果と抗菌性を併せ得ることができる。また、本発明の水洗トイレ用洗浄剤は、高濃度処方においても製剤安定性に優れているため、オンタンク用洗浄剤として好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、詳細に説明する。
<成分(A)>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、成分(A)として、下記一般式(1)または(2)で表されるカチオン系界面活性剤を含有するものである。
【化4】

[式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル基または炭素数1〜10のアルキル鎖を有するアルキルフェニルジエトキシ基のいずれかであり、RとRは炭素数1〜4のアルキル基である。RとRは同一であっても異なっていてもよく、RとRは同一であっても異なっていてもよい。Xはハロゲン原子である。]
【化5】

[式中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。]
【0009】
前記一般式(1)または(2)で表されるカチオン系界面活性剤は、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物において抗菌・殺菌作用を有する成分として機能するとともに、前記一般式(3)で表される本発明の成分(B)および、成分(C)のポリビニルピロリドンとを組み合わせることにより、高濃度処方においてもゲル化や不溶物を生じることのない製剤安定性に優れた組成物を得ることができる。
前記一般式(1)において、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、ベンジル基または炭素数1〜10のアルキル鎖を有するアルキルフェニルジエトキシ基のいずれかであって、Rと同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜4または炭素数8〜18のアルキル基、ベンジル基、炭素数8〜10のアルキル鎖を有するアルキルフェニルジエトキシ基が好ましく、炭素数8〜18のアルキル基、ベンジル基、炭素数8のアルキル鎖を有するアルキルフェニルジエトキシ基がより好ましい。また、RとRは炭素数1〜4のアルキル基であって、同一であっても異なっていてもよく、メチル基が好ましい。Xは対イオンであり、ハロゲンイオンである。ハロゲンイオンとしては、フッ素イオン、塩化物イオン、臭化物イオンが挙げられる。このようなカチオン系界面活性剤であれば、本発明の成分(B)のノニオン系界面活性剤との併用により、優れた洗浄力の向上効果を得ることができる。
前記一般式(1)または(2)で表されるカチオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジミリスチルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等が挙げられる。これらの中でも、本発明の成分(B)のノニオン系界面活性剤との併用によって洗浄効果がより向上される点で、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムが好ましく、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムが特に好ましい。
【0010】
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物において、成分(A)のカチオン系界面活性剤の配合量は特に限定されないが、1.0〜50.0重量%の範囲が好ましく、3.0〜30.0重量%の範囲がより好ましく、5.0〜25.0重量%の範囲が特に好ましい。
また、成分(A)のカチオン系界面活性剤の使用時の濃度は、例えば、オンタンク用の液体洗浄剤として使用する場合、液体洗浄剤がタンク内に自然滴下したり、フラッシュした際に容器内の液体洗浄剤が溶出したりすることで、液体洗浄剤は水と一緒にタンク内に溜まるが、この時のタンク内の濃度を意味し、その濃度が0.1〜25.0ppmの範囲となるように設計することが好ましい。
【0011】
<成分(B)>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、成分(B)として、下記一般式(3)で表されるノニオン系界面活性剤を含有するものである。
【化6】

[式中、Rは炭素数9〜11のアルキル基であり、nは任意の整数である。]
【0012】
前記一般式(3)において、Rは直鎖又は分岐状(イソ型)の炭素数9〜11のアルキル基を示す。Rの炭素数が8以下および12以上であるアルキル基では、本発明の成分(B)のノニオン系界面活性剤との併用により、製剤安定性を向上させることができない。前記一般式(3)で表されるノニオン系界面活性剤は、Rの炭素数9〜11の範囲内のものであれば、単一化合物であっても、混合物であってもよい。
本発明の成分(B)のノニオン系界面活性剤は、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が、12〜14の範囲のものが好ましい。ここで、前記一般式(3)で表されるノニオン系界面活性剤において、エチレンオキシド(EO)の付加モル数とHLBは概ね相関することが知られており、HLBの調整のためにEOの付加モル数を変更することは、当該分野で周知の方法により行うことができる。また、HLB値は、当該分野で周知のいくつかの方法により算出することができるが、本発明においてはグリフィン法により算出した。
前記一般式(3)で表されるノニオン系界面活性剤において、nは任意の整数であるが、とくにRが直鎖状である場合、nは2〜11の整数であることが好ましく、5〜8の整数であることが特に好ましい。
【0013】
本発明の成分(B)のノニオン系界面活性剤は、市販されているものを使用することができる。市販されているものとして、例えば、ファインサーフD−1307(POE(7)デシルエーテル、HLB:13.2、青木油脂工業株式会社製)、セフティカットLI−3062(POE(7)アルキル(C9〜11)エーテル、HLB:12.8、青木油脂工業株式会社製)、セフティカットLI−3085(POE(8)アルキル(C9〜11)エーテル、HLB:13.9、青木油脂工業株式会社製)などが挙げられる。ここで、例えば、POE(7)アルキル(C9〜11)エーテルについて説明すると、「POE」はポリオキシエチレンを、(7)は前記一般式(3)中のnを、アルキル(C9〜11)は炭素数9〜11のアルキル混合物を意味する。これら成分(B)のノニオン系界面活性剤は、単独または2種以上併用することができる。
【0014】
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物において、成分(B)のノニオン系界面活性剤の含有量は、5.0重量%より多く配合することが洗浄力を高めるためにも好ましい。特に、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物をオンタンク用の洗浄剤として使用する場合に、高濃度処方とすることが可能となるために好ましい。
さらに、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、成分(B)のノニオン系界面活性剤を45重量%配合することができる。このように、成分(B)のノニオン系界面活性剤を高濃度に配合しても、製剤安定性に優れた洗浄組成物が得られることは、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物が増粘剤としてポリビニルピロリドンを選択したことにより得られる効果の1つである。
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物において、成分(B)のノニオン系界面活性剤は、5.0重量%より多く45重量%以下の範囲内で、目的に応じ適宜配合することが可能である。
【0015】
<成分(C)>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、成分(C)として、ポリビニルピロリドンを含有するものである。本発明の成分(C)は、市販されているものを使用することができ、例えば、PVP K−90(株式会社日本触媒製)などが好適に使用できる。
従来、洗浄組成物に粘性を付与し、汚れと洗浄組成物との付着性を良くして洗浄力を向上させる試みがなされているが、増粘剤の種類によっては、安定な組成物が得られないという問題があった。
そこで、本発明において、成分(A)の特定のカチオン系界面活性剤と相互作用することなく、洗浄組成物として安定な製剤安定性を示し、しかも、温度変化に対しても分離やゲル化することのない製剤安定性を示す増粘剤を見出すべく、数多くの公知の増粘剤を種々検討した結果、ポリビニルピロリドンが、これら検討項目に加え、有効成分を高濃度に配合しても優れた製剤安定性が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。これは、後述する各種実験により、本発明者が初めて明らかにしたものであり、極めて優れた知見である。
また、本発明における、成分(C)のポリビニルピロリドンの配合量は、組成物中0.1重量%以上20重量%以下が好ましく、0.1重量%以上15重量%以下がより好ましく、1重量%以上10重量%以下が特に好ましい。
【0016】
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、公知の製剤助剤を使用して、公知の製造方法により得ることができる。
<その他の成分(製剤助剤)>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて成分(A)や成分(B)以外の界面活性剤、香料、色素、粘度調整剤、溶剤等を含有してもよい。
【0017】
<その他の界面活性剤>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、成分(A)や成分(B)以外の界面活性剤を含有してもよい。本発明の水洗トイレ用洗浄組成物において、含有し得る界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤は、脂肪酸ジ/モノエタノールアミド、アミンオキシド、アミドアミンオキシド、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、成分(B)以外のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド等が、陽イオン界面活性剤は、成分(A)以外の4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、ピグアニド化合物等が、両性界面活性剤は、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン等が挙げられる。また、水洗トイレ用洗浄組成物中の任意界面活性剤の配合量は、例えば、0.5〜10重量%が好ましい。
【0018】
<香料>
香料としては、例えば、レモン、オレンジ、ベルガモット、グレープフルーツ、ラベンダー、ローズマリー、ジャスミン、ローズ、ペパーミント、ユーカリ、樟脳等から抽出した精油;リモネン、リナロール、リナロールアセテート、ボルネオール、シトラール、シトロネラール、メントール、シネオール等の天然香料や合成香料が挙げられる。また、ヒノキ、チャ等の植物抽出物も、消臭香料として使用することができる。これら香料は水洗トイレ用洗浄組成物中、0.5〜25重量%配合することが好ましく、1〜20重量%配合することがより好ましい。
【0019】
<色素>
色素としては、水溶性の法定色素が好ましく、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号、赤色201号、赤色205号、赤色213号、赤色214号、赤色219号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、橙色207号、黄色202号の(2)、黄色203号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、赤色401号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色402号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号等が挙げられる。また、これら色素を2種以上組み合わせて様々な色にして使用してもよい。これら色素は洗浄組成物中、0.01〜5重量%配合することが好ましい。
【0020】
<溶剤>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、さらに水や溶剤を含有することができる。溶剤を加えることにより、汚れに対してより一層充分な洗浄効果を得ることができる。溶剤の配合量は特に限定されないが、水洗トイレ用洗浄組成物中に0.5〜15重量%配合することが好ましく、1〜10重量%配合することがより好ましい。水洗トイレ用洗浄組成物中に0.5重量%以上配合することにより、溶剤による洗浄効果を高めることができ、また、15重量%以下の配合とすることにより、プラスチック製の水洗トイレに対する悪影響を抑えることができる。
溶剤としては、アルコール系溶剤を用いることが可能であり、一価アルコール及びアルコキシアルコール類などが挙げられるが、上記一般式(3)で表されるアルコキシアルコール類は含まない。これらの具体的な例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、ベンジルアルコールなどの一価アルコールが挙げられる。また、アルコキシアルコールとして、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキシルカルビトール、エチレングリコールベンジルエーテルなどが挙げられる。これらのアルコール系溶剤は1種のみで使用しても構わないし、2種以上を使用しても構わない。
【0021】
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、更に、キレート剤、比重調整剤、紫外線防止剤、酸化防止剤等を含有してもよい。さらに必要に応じて、防虫成分、殺虫成分、忌避成分、殺菌成分(抗菌成分)等を含有してもよい。
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物中のその他の成分(製剤助剤)の含有量は、本発明を達成できるものであれば任意であり、特に制限されない。
【0022】
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、水洗トイレの洗浄に使用され、特に、オンタンク用の洗浄組成物として好適に用いられる。
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物を便器の汚れを洗浄し除去する場合の使用例について説明すると、例えば、水洗トイレのタンクの外側上部に配置され洗浄水をタンク内に流入させる流路(オンタンク)や、便器の便鉢外周の縁(リム)に、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物を設置して使用すればよい。これによって、オンタンクの場合にはトイレの洗浄後(フラッシュ後)にタンク内に洗浄水が再貯留される際に、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物の所定量が洗浄水に溶出又は放出され、または洗浄組成物が自然滴下され、便器の洗浄時(フラッシュ時)に、汚れが付着した便器に本発明の水洗トイレ用洗浄組成物を接触させることができる。ここで、水洗トイレとは、水が洗浄水としてタンクに貯留され、タンクに貯留された洗浄水が便器に流水(フラッシュ)されて便器の洗浄が行われるように構成されているトイレを意味する。
【実施例】
【0023】
以下、試験例等により、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、さらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。なお、実施例において、特に明記しない限り部は重量部を意味する。
【0024】
<製剤安定性の評価1>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、成分(A)のカチオン系界面活性剤の水溶液に、成分(C)のポリビニルピロリドンまたは成分(C)以外の増粘剤を添加した際の製剤安定性(1−a)および、成分(C)のポリビニルピロリドンまたは成分(C)以外の増粘剤を含有する洗浄組成物の製剤安定性(1−b)について、溶液状態を確認するため試験を行った。
(1)製剤安定性の評価1−aの評価方法
成分(A)の塩化ジデシルジメチルアンモニウムと水の溶液に、成分(C)のポリビニルピロリドンまたは成分(C)以外の増粘剤を、下記表1に示す配合量(表中の数字は重量%を意味する。)で配合して得た混合液について、20℃において目視にてその溶解性を外観から評価した。
(2)製剤安定性の評価1−bの評価方法
下記表1に示す配合量(表中の数字は重量%を意味する。)で配合して得た洗浄組成物(実施例1、2、比較例1〜8)について、20℃において目視にてその溶解性を外観から評価した。
(3)溶解性の評価基準
「〇」:均一に溶解しており、溶液は透明である。
「△」:未溶解物や沈殿物はないが、溶液は不透明である。
「×」:未溶解物または沈殿物があるか、層分離を起こしている。
この評価基準に基づき、製剤安定性の評価1−a、1−bの評価結果を表1に記載した。
【0025】
【表1】
【0026】
ポリビニルピロリドンを1重量%含有する実施例1の洗浄組成物はもとより、ポリビニルピロリドンを7重量%含有する実施例2の洗浄組成物も、均一な溶液が得られた。
均一な溶液が得られた「実施例1、2」の洗浄組成物および、ほぼ均一な溶液が得られた「比較例6、7」の洗浄組成物について、低温(5℃)と高温(50℃)で1週間保存し、その溶液の性状変化について目視にて確認した。
その結果を表2に記載する。評価は上述の「溶解性の評価基準」に従った。
【0027】
【表2】
【0028】
「製剤安定性の評価1−a、1−b」に使用した組成成分は、以下の材料を使用した。
塩化ジデシルジメチルアンモニウム:ロンザジャパン株式会社製「Bardac2280G」
POE(7)アルキル(C9-11)エーテル:青木油脂工業株式会社製「セフティカットLI-3062」HLB12.8
ポリビニルピロリドン:株式会社日本触媒製「PVP K-90」
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド:松本油脂製薬株式会社製「マーポン MC-550」
3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール:株式会社クラレ製「ソルフィットファイングレード」
タラガム:伊那食品工業株式会社製「イナゲルタラガムA」
タマリンドガム:DSP五協フード&ケミカル株式会社製「グリロイド S6」
ヒドロキシメチルプロピルセルロース:信越化学工業株式会社製「メトローズ60SH-4000」
ヒドロキシエチルセルロース:株式会社ダイセルファインケム製「HEC SE 900」
ヒドロキシメチルセルロース:松本油脂製薬株式会社製「マーポローズM-4000」
疎水性フュームドシリカ:日本アエロジル株式会社製「アエロジルR972」
アクリル系水溶性樹脂:住友精化株式会社製「AQUPEC HU C2002 (PT3)」
ポリエチレンオキサイド:住友精化株式会社製「PEO-8」
【0029】
表1、2より明らかなように、本発明の成分(A)である塩化ジデシルジメチルアンモニウム、本発明の成分(B)であるポリオキシエチレンアルキルエーテル「POE(7)アルキル(C9-11)エーテル」および、本発明の成分(C)であるポリビニルピロリドンを含有する実施例1、2は、製剤安定性に加え、低温(5℃)と高温(50℃)保存後も溶液安定性に変化がなく、製剤安定性に優れた洗浄組成物であることが明らかとなった。これは、公知の増粘剤の中からポリビニルピロリドンを成分(C)として選抜し、成分(A)のカチオン系界面活性剤と成分(B)の特定のノニオン系界面活性剤と組み合わせ、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物としたことにより得られる優れた効果であり、本発明者が実験により初めて確認した、格別顕著な効果である。
【0030】
<製剤安定性の評価2>
成分(B)のノニオン系界面活性剤を高濃度に処方した本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、溶液状態を確認するため試験を行った。
(1)製剤安定性の評価2の評価方法
下記表3に示す配合量(表中の数字は重量%を意味する。)で配合して得た洗浄組成物(実施例3、4、比較例9〜19)について、20℃において目視にてその溶解性を外観から評価した。
(2)溶解性の評価基準
「〇」:均一に溶解しており、溶液は透明である。
「△」:未溶解物や沈殿物はないが、溶液は不透明である。
「×」:未溶解物または沈殿物があるか、層分離を起こしている。
この評価基準に基づき、製剤安定性の評価2の評価結果を表3に、溶液の様子を表4に記載した。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
ポリビニルピロリドンを1重量%含有する実施例3の洗浄組成物はもとより、ポリビニルピロリドンを4重量%含有する実施例4の洗浄組成物も、均一な溶液が得られた。
均一な透明溶液が得られた「実施例3、4」「比較例19」の洗浄組成物について、高温(60℃)で保存したところ、「比較例19」の洗浄組成物は、10日目にゲルの沈降が確認されたが、「実施例3、4」の洗浄組成物は、10日以降も溶液の性状に変化が無いことが確認された。
【0034】
「製剤安定性の評価2」に使用した組成成分について、「製剤安定性の評価1」で使用した材料以外は以下の材料を使用した。
ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド:花王株式会社製「アミノーンC-11S」
キサンタンガム:三晶株式会社製「KELZAN AP」
ダイユータンガム:三晶株式会社製「KELCO CRETE DG」
ネイティブジェランガム:三晶株式会社製「KELCOGEL CG-HG」
脱アシルジェランガム:三晶株式会社製「KELCOGEL AFT」
ヒドロキシメチルプロピルセルロース:信越化学工業株式会社製「メトローズ60SH-15000」
カルボキシメチルセルロースNa:ダイセルファインケム株式会社製「CMCダイセル1380」
アクリル酸共重合体:日本ルーブリゾール株式会社製「NovethixHC200Polymer」
(メタ)アクリル酸共重合体:日本ルーブリゾール株式会社製「NovethixL-10Polymer」
メチルビニルエーテル/無水マレイン酸クロスポリマー:三晶株式会社製「STABILEZE QM」
EO・PO共重合体:明成化学工業株式会社製「アルコックスEP-20」
【0035】
表3、4および、「実施例3、4」と「比較例19」の洗浄組成物の高温(60℃)保存安定試験の結果より明らかなように、本発明の成分(A)である塩化ジデシルジメチルアンモニウム、本発明の成分(B)であるポリオキシエチレンアルキルエーテル「POE(7)アルキル(C9-11)エーテル」および、本発明の成分(C)であるポリビニルピロリドンを含有する実施例3、4は、成分(B)を高濃度(22重量%)に配合する処方であるが、製剤安定性に加え、高温(60℃)保存後も溶液安定性に変化がなく、製剤安定性に優れた洗浄組成物であることが明らかとなった。これは、公知の増粘剤の中からポリビニルピロリドンを成分(C)として選抜し、成分(A)のカチオン系界面活性剤と成分(B)の特定のノニオン系界面活性剤と組み合わせ、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物としたことにより得られる優れた効果であり、本発明者が実験により初めて確認した、格別顕著な効果である。
【0036】
<製剤安定性の評価3>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、成分(A)のカチオン系界面活性剤を変更しても製剤安定性に優れる洗浄組成物が得られることを確認するため試験を行った。
(1)製剤安定性の評価3の評価方法
下記表5に示す配合量で配合して得た洗浄組成物(実施例5〜12)について、20℃において目視にてその溶解性を外観から評価した。
(2)溶解性の評価基準
「〇」:均一に溶解しており、溶液は透明である。
「△」:未溶解物や沈殿物はないが、溶液は不透明である。
「×」:未溶解物または沈殿物があるか、層分離を起こしている。
この評価基準に基づき、製剤安定性の評価3の評価結果を表5に記載した。
【0037】
【表5】
【0038】
「製剤安定性の評価3」に使用した組成成分について、「製剤安定性の評価1」で使用した材料以外は以下の材料を使用した。
塩化セチルピリジニウム:メルク株式会社製
塩化ベンザルコニウム:日油株式会社製「ニッサンカチオンM2-100R」
塩化ベンゼトニウム:ロンザジャパン株式会社製「Lonzagard」
塩化ジオクチルジメチルアンモニウム:ロンザジャパン株式会社製「BardacLF80」
【0039】
表5の結果から明らかなように、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、成分(A)のカチオン系界面活性剤を種々変更しても、製剤安定性に優れる洗浄組成物が得られることが確認された。本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、様々な種類の成分(A)のカチオン系界面活性剤の中からいずれかを選択しても、増粘剤として成分(C)のポリビニルピロリドンと成分(B)の特定のノニオン系界面活性剤とを組み合わせることにより、製剤安定性に優れる洗浄組成物とし得ることが新たに明らかとなった。
【0040】
<製剤安定性の評価4>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、成分(B)の特定のノニオン系界面活性剤を変更しても製剤安定性に優れる洗浄組成物が得られることを確認するため試験を行った。また、成分(B)以外のノニオン系界面活性剤を含有する洗浄組成物についても、製剤安定性について確認を行った。
(1)製剤安定性の評価4の評価方法
下記表6に示す配合量で配合して得た洗浄組成物(実施例13〜17、比較例20〜21)について、低温(5℃)保存(10日間)と高温(50℃)保存(10日間)後の溶液の性状変化について、目視にて評価した。
(2)溶解性の評価基準
「〇」:均一に溶解しており、溶液は透明である。
「△」:未溶解物や沈殿物はないが、溶液は不透明である。
「×」:未溶解物または沈殿物があるか、層分離を起こしている。
この評価基準に基づき、製剤安定性の評価4の評価結果を表6に記載した。
【0041】
【表6】
【0042】
「製剤安定性の評価4」に使用した組成成分について、「製剤安定性の評価1」で使用した材料以外は以下の材料を使用した。
POE(5.5)アルキル(C9-11)エーテル:青木油脂工業株式会社製「セフティカットLI-3050」HLB12.3
POE(8)アルキル(C9-11)エーテル:青木油脂工業株式会社製「セフティカットLI-3085」HLB13.9
POE(7)アルキル(C18)エーテル:青木油脂工業株式会社製「ブラウノンSR-707」HLB10.4
POE(40)硬化ヒマシ油:青木油脂工業株式会社製「ブラウノンRCW-40」HLB13.1
【0043】
表6の結果から明らかなように、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、ノニオン系界面活性剤の中でも特定のアルキル鎖長を有する本発明の成分(B)を含有することにより、低温保存後、高温保存後ともに溶液の性状変化がなく、製剤安定性に優れる洗浄組成物であることが確認された。
さらに、実施例16は本発明の成分(B)を40重量%含有し、実施例17は本発明の成分(A)を20重量%、成分(B)を20重量%含有する、それぞれ高濃度配合処方であるが、特に問題となる低温保存後においても溶液性状に変化がなく、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、高濃度処方においても製剤安定性に優れていることが確認された。
これに対し、本発明の成分(B)とは異なるノニオン系界面活性剤を含有する比較例20、21の洗浄組成物は低温保存後に、比較例20の洗浄組成物は白濁固化し、比較例21の洗浄組成物は層分離を引き起こし、その製剤安定性に問題があることが確認された。
すなわち、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、成分(B)として特定のアルキル鎖長を有するノニオン系界面活性剤を含有することにより、高濃度処方においても、優れた製剤安定性を示すことが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によれば、カチオン系界面活性剤、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテル型のノニオン系界面活性剤および、ポリビニルピロリドンを組み合わせることにより、従来の洗浄剤に比べ、製剤安定性を格段に向上させることができる。さらに、これら有効成分を高濃度に配合した高濃度配合処方においても、製剤安定性に優れた水洗トイレ用洗浄組成物を得ることができる。しかも、抗菌作用を有する特定のカチオン系界面活性剤を含有しているため、優れた製剤安定性に加え、良好な抗菌性を得ることもできる。
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は製剤安定性に優れているので、室内温度の高低差が大きなトイレ室内に置かれても、その温度差に影響されることなく安定した洗浄力を得ることができる。また、高濃度処方においても製剤安定性に優れているため、オンタンク用の水洗トイレ用洗浄組成物として好適に使用することができる。