【実施例】
【0023】
以下、試験例等により、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、さらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。なお、実施例において、特に明記しない限り部は重量部を意味する。
【0024】
<製剤安定性の評価1>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、成分(A)のカチオン系界面活性剤の水溶液に、成分(C)のポリビニルピロリドンまたは成分(C)以外の増粘剤を添加した際の製剤安定性(1−a)および、成分(C)のポリビニルピロリドンまたは成分(C)以外の増粘剤を含有する洗浄組成物の製剤安定性(1−b)について、溶液状態を確認するため試験を行った。
(1)製剤安定性の評価1−aの評価方法
成分(A)の塩化ジデシルジメチルアンモニウムと水の溶液に、成分(C)のポリビニルピロリドンまたは成分(C)以外の増粘剤を、下記表1に示す配合量(表中の数字は重量%を意味する。)で配合して得た混合液について、20℃において目視にてその溶解性を外観から評価した。
(2)製剤安定性の評価1−bの評価方法
下記表1に示す配合量(表中の数字は重量%を意味する。)で配合して得た洗浄組成物(実施例1、2、比較例1〜8)について、20℃において目視にてその溶解性を外観から評価した。
(3)溶解性の評価基準
「〇」:均一に溶解しており、溶液は透明である。
「△」:未溶解物や沈殿物はないが、溶液は不透明である。
「×」:未溶解物または沈殿物があるか、層分離を起こしている。
この評価基準に基づき、製剤安定性の評価1−a、1−bの評価結果を表1に記載した。
【0025】
【表1】
【0026】
ポリビニルピロリドンを1重量%含有する実施例1の洗浄組成物はもとより、ポリビニルピロリドンを7重量%含有する実施例2の洗浄組成物も、均一な溶液が得られた。
均一な溶液が得られた「実施例1、2」の洗浄組成物および、ほぼ均一な溶液が得られた「比較例6、7」の洗浄組成物について、低温(5℃)と高温(50℃)で1週間保存し、その溶液の性状変化について目視にて確認した。
その結果を表2に記載する。評価は上述の「溶解性の評価基準」に従った。
【0027】
【表2】
【0028】
「製剤安定性の評価1−a、1−b」に使用した組成成分は、以下の材料を使用した。
塩化ジデシルジメチルアンモニウム:ロンザジャパン株式会社製「Bardac2280G」
POE(7)アルキル(C9-11)エーテル:青木油脂工業株式会社製「セフティカットLI-3062」HLB12.8
ポリビニルピロリドン:株式会社日本触媒製「PVP K-90」
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド:松本油脂製薬株式会社製「マーポン MC-550」
3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール:株式会社クラレ製「ソルフィットファイングレード」
タラガム:伊那食品工業株式会社製「イナゲルタラガムA」
タマリンドガム:DSP五協フード&ケミカル株式会社製「グリロイド S6」
ヒドロキシメチルプロピルセルロース:信越化学工業株式会社製「メトローズ60SH-4000」
ヒドロキシエチルセルロース:株式会社ダイセルファインケム製「HEC SE 900」
ヒドロキシメチルセルロース:松本油脂製薬株式会社製「マーポローズM-4000」
疎水性フュームドシリカ:日本アエロジル株式会社製「アエロジルR972」
アクリル系水溶性樹脂:住友精化株式会社製「AQUPEC HU C2002 (PT3)」
ポリエチレンオキサイド:住友精化株式会社製「PEO-8」
【0029】
表1、2より明らかなように、本発明の成分(A)である塩化ジデシルジメチルアンモニウム、本発明の成分(B)であるポリオキシエチレンアルキルエーテル「POE(7)アルキル(C9-11)エーテル」および、本発明の成分(C)であるポリビニルピロリドンを含有する実施例1、2は、製剤安定性に加え、低温(5℃)と高温(50℃)保存後も溶液安定性に変化がなく、製剤安定性に優れた洗浄組成物であることが明らかとなった。これは、公知の増粘剤の中からポリビニルピロリドンを成分(C)として選抜し、成分(A)のカチオン系界面活性剤と成分(B)の特定のノニオン系界面活性剤と組み合わせ、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物としたことにより得られる優れた効果であり、本発明者が実験により初めて確認した、格別顕著な効果である。
【0030】
<製剤安定性の評価2>
成分(B)のノニオン系界面活性剤を高濃度に処方した本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、溶液状態を確認するため試験を行った。
(1)製剤安定性の評価2の評価方法
下記表3に示す配合量(表中の数字は重量%を意味する。)で配合して得た洗浄組成物(実施例3、4、比較例9〜19)について、20℃において目視にてその溶解性を外観から評価した。
(2)溶解性の評価基準
「〇」:均一に溶解しており、溶液は透明である。
「△」:未溶解物や沈殿物はないが、溶液は不透明である。
「×」:未溶解物または沈殿物があるか、層分離を起こしている。
この評価基準に基づき、製剤安定性の評価2の評価結果を表3に、溶液の様子を表4に記載した。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
ポリビニルピロリドンを1重量%含有する実施例3の洗浄組成物はもとより、ポリビニルピロリドンを4重量%含有する実施例4の洗浄組成物も、均一な溶液が得られた。
均一な透明溶液が得られた「実施例3、4」「比較例19」の洗浄組成物について、高温(60℃)で保存したところ、「比較例19」の洗浄組成物は、10日目にゲルの沈降が確認されたが、「実施例3、4」の洗浄組成物は、10日以降も溶液の性状に変化が無いことが確認された。
【0034】
「製剤安定性の評価2」に使用した組成成分について、「製剤安定性の評価1」で使用した材料以外は以下の材料を使用した。
ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド:花王株式会社製「アミノーンC-11S」
キサンタンガム:三晶株式会社製「KELZAN AP」
ダイユータンガム:三晶株式会社製「KELCO CRETE DG」
ネイティブジェランガム:三晶株式会社製「KELCOGEL CG-HG」
脱アシルジェランガム:三晶株式会社製「KELCOGEL AFT」
ヒドロキシメチルプロピルセルロース:信越化学工業株式会社製「メトローズ60SH-15000」
カルボキシメチルセルロースNa:ダイセルファインケム株式会社製「CMCダイセル1380」
アクリル酸共重合体:日本ルーブリゾール株式会社製「NovethixHC200Polymer」
(メタ)アクリル酸共重合体:日本ルーブリゾール株式会社製「NovethixL-10Polymer」
メチルビニルエーテル/無水マレイン酸クロスポリマー:三晶株式会社製「STABILEZE QM」
EO・PO共重合体:明成化学工業株式会社製「アルコックスEP-20」
【0035】
表3、4および、「実施例3、4」と「比較例19」の洗浄組成物の高温(60℃)保存安定試験の結果より明らかなように、本発明の成分(A)である塩化ジデシルジメチルアンモニウム、本発明の成分(B)であるポリオキシエチレンアルキルエーテル「POE(7)アルキル(C9-11)エーテル」および、本発明の成分(C)であるポリビニルピロリドンを含有する実施例3、4は、成分(B)を高濃度(22重量%)に配合する処方であるが、製剤安定性に加え、高温(60℃)保存後も溶液安定性に変化がなく、製剤安定性に優れた洗浄組成物であることが明らかとなった。これは、公知の増粘剤の中からポリビニルピロリドンを成分(C)として選抜し、成分(A)のカチオン系界面活性剤と成分(B)の特定のノニオン系界面活性剤と組み合わせ、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物としたことにより得られる優れた効果であり、本発明者が実験により初めて確認した、格別顕著な効果である。
【0036】
<製剤安定性の評価3>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、成分(A)のカチオン系界面活性剤を変更しても製剤安定性に優れる洗浄組成物が得られることを確認するため試験を行った。
(1)製剤安定性の評価3の評価方法
下記表5に示す配合量で配合して得た洗浄組成物(実施例5〜12)について、20℃において目視にてその溶解性を外観から評価した。
(2)溶解性の評価基準
「〇」:均一に溶解しており、溶液は透明である。
「△」:未溶解物や沈殿物はないが、溶液は不透明である。
「×」:未溶解物または沈殿物があるか、層分離を起こしている。
この評価基準に基づき、製剤安定性の評価3の評価結果を表5に記載した。
【0037】
【表5】
【0038】
「製剤安定性の評価3」に使用した組成成分について、「製剤安定性の評価1」で使用した材料以外は以下の材料を使用した。
塩化セチルピリジニウム:メルク株式会社製
塩化ベンザルコニウム:日油株式会社製「ニッサンカチオンM2-100R」
塩化ベンゼトニウム:ロンザジャパン株式会社製「Lonzagard」
塩化ジオクチルジメチルアンモニウム:ロンザジャパン株式会社製「BardacLF80」
【0039】
表5の結果から明らかなように、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、成分(A)のカチオン系界面活性剤を種々変更しても、製剤安定性に優れる洗浄組成物が得られることが確認された。本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、様々な種類の成分(A)のカチオン系界面活性剤の中からいずれかを選択しても、増粘剤として成分(C)のポリビニルピロリドンと成分(B)の特定のノニオン系界面活性剤とを組み合わせることにより、製剤安定性に優れる洗浄組成物とし得ることが新たに明らかとなった。
【0040】
<製剤安定性の評価4>
本発明の水洗トイレ用洗浄組成物について、成分(B)の特定のノニオン系界面活性剤を変更しても製剤安定性に優れる洗浄組成物が得られることを確認するため試験を行った。また、成分(B)以外のノニオン系界面活性剤を含有する洗浄組成物についても、製剤安定性について確認を行った。
(1)製剤安定性の評価4の評価方法
下記表6に示す配合量で配合して得た洗浄組成物(実施例13〜17、比較例20〜21)について、低温(5℃)保存(10日間)と高温(50℃)保存(10日間)後の溶液の性状変化について、目視にて評価した。
(2)溶解性の評価基準
「〇」:均一に溶解しており、溶液は透明である。
「△」:未溶解物や沈殿物はないが、溶液は不透明である。
「×」:未溶解物または沈殿物があるか、層分離を起こしている。
この評価基準に基づき、製剤安定性の評価4の評価結果を表6に記載した。
【0041】
【表6】
【0042】
「製剤安定性の評価4」に使用した組成成分について、「製剤安定性の評価1」で使用した材料以外は以下の材料を使用した。
POE(5.5)アルキル(C9-11)エーテル:青木油脂工業株式会社製「セフティカットLI-3050」HLB12.3
POE(8)アルキル(C9-11)エーテル:青木油脂工業株式会社製「セフティカットLI-3085」HLB13.9
POE(7)アルキル(C18)エーテル:青木油脂工業株式会社製「ブラウノンSR-707」HLB10.4
POE(40)硬化ヒマシ油:青木油脂工業株式会社製「ブラウノンRCW-40」HLB13.1
【0043】
表6の結果から明らかなように、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、ノニオン系界面活性剤の中でも特定のアルキル鎖長を有する本発明の成分(B)を含有することにより、低温保存後、高温保存後ともに溶液の性状変化がなく、製剤安定性に優れる洗浄組成物であることが確認された。
さらに、実施例16は本発明の成分(B)を40重量%含有し、実施例17は本発明の成分(A)を20重量%、成分(B)を20重量%含有する、それぞれ高濃度配合処方であるが、特に問題となる低温保存後においても溶液性状に変化がなく、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、高濃度処方においても製剤安定性に優れていることが確認された。
これに対し、本発明の成分(B)とは異なるノニオン系界面活性剤を含有する比較例20、21の洗浄組成物は低温保存後に、比較例20の洗浄組成物は白濁固化し、比較例21の洗浄組成物は層分離を引き起こし、その製剤安定性に問題があることが確認された。
すなわち、本発明の水洗トイレ用洗浄組成物は、成分(B)として特定のアルキル鎖長を有するノニオン系界面活性剤を含有することにより、高濃度処方においても、優れた製剤安定性を示すことが明らかとなった。