【文献】
Biopolymers(Peptide Science),2003年,Vol. 71,pp. 686-695
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ペプチド分子が、各々2−メチルベンゾイル−(N−Me−Arg)−Ser−Asp−Thr−Leu−Pen−Phe(4−tBu)−(β−ホモ−Glu)−(D−Lys)−NH2(配列番号222)の配列からなる2つのペプチドを含むペプチドダイマーであり、
前記2つのペプチドの各々が、前記2−メチルベンゾイルと前記Penとの間にチオエーテル結合を含み、前記2つのペプチドが、前記2つのペプチドの前記D−Lysアミノ酸に結合したリンカー部分によって連結されており、前記リンカー部分がジグリコール酸(DIG)である、請求項5に記載の医薬組成物。
前記ペプチド分子が、各々2−メチルベンゾイル−(N−Me−Arg)−Ser−Asp−Thr−Leu−Pen−Phe(4−tBu)−(β−ホモ−Glu)−(D−Lys)−OH(配列番号223)の配列からなる2つのペプチドを含むペプチドダイマーであり、
前記2つのペプチドの各々が、前記2−メチルベンゾイルと前記Penとの間にチオエーテル結合を含み、前記2つのペプチドが、前記2つのペプチドの前記D−Lysアミノ酸に結合したリンカー部分によって連結されており、前記リンカー部分がジグリコール酸(DIG)である、請求項5に記載の医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0058】
配列識別子
米国特許法施行規則1.822に規定されるように、添付の配列表に掲載されるアミノ酸配列は、アミノ酸のための3文字コードを用いて示される。モノマーペプチド分子またはダイマー分子のモノマーサブユニットの配列を示す。
【0060】
配列番号1は、式(I)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0061】
配列番号2は、式(II)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0062】
配列番号1〜32は、二量体化されて本発明による様々なチオエーテルダイマー化合物を形成する例示的なチオエーテルモノマーペプチドまたはチオエーテルペプチドサブユニットのアミノ酸配列を示し、ここで、これらの配列は、N(アルファ)−Me−Argで置換されている。
【0063】
配列番号33は、式(I−1)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0064】
配列番号34は、式(I−2)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0065】
配列番号35は、式(I−3)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0066】
配列番号36は、式(I−A)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0067】
配列番号37は、式(I−B)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0068】
配列番号38は、式(I−C)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0069】
配列番号39は、式(I−D)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0070】
配列番号40は、式(I−E)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0071】
配列番号41は、式(I−F)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0072】
配列番号42は、式(I−G)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0073】
配列番号43は、式(I−H)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0074】
配列番号44は、式(I−I)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0075】
配列番号45は、式(II−A)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0076】
配列番号46は、式(III)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0077】
配列番号47は、式(IV)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0078】
配列番号48は、式(A)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0079】
配列番号49は、式(V)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0080】
配列番号50は、式(VI)の様々なチオエーテルペプチドまたはペプチドサブユニットを表すモノマーペプチド分子またはダイマー分子のペプチドサブユニットを示す。
【0081】
配列番号1、2、5、6、9〜21および25〜32は、限定されずに、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、シクロペンタンカルボン酸、3,3,3−トリフルオロプロペオン酸および3−フルオロメチル酪酸を含む、本明細書に開示されるアシル化有機化合物および方法の1つを用いてそれらのN末端でアシル化することができる、例示的なチオエーテルペプチドの様々なアミノ酸配列を示す。
【0082】
配列番号1〜21および25〜32は、それらのN末端またはC末端のいずれかで二量体化して本発明による様々なチオエーテルダイマー化合物を形成することができる、例示的なモノマーサブユニットのアミノ酸配列を示す。
【0083】
配列番号22〜24は、それらのC末端で二量体化して本発明による様々なチオエーテルダイマー化合物を形成することができる、モノマーサブユニットのアミノ酸配列を示す。
【0084】
(発明の詳細な説明)
上記のように、インテグリンは、細胞接着分子として機能するヘテロダイマーである。α4インテグリンのα4β1およびα4β7は、胃腸管全体でのリンパ球遊走で必須の役割を果たす。それらは、BおよびTリンパ球、単球ならびに樹状細胞を含むほとんどの白血球で発現され、そこでは、それらはそれらのそれぞれの一次リガンド、すなわち維管束細胞接着分子(VCAM)および粘膜アドレッシン細胞接着分子(MAdCAM)への結合を通して細胞接着を媒介する。VCAMはα4β1とα4β7の両方に結合し、MAdCAMはα4β7に高度に特異的であるという点で、VCAMおよびMAdCAMは結合特異性で異なる。
【0085】
本発明は、インテグリンアンタゴニスト活性を有することが示されたチオエーテルペプチド(例えば、ペプチドモノマーおよびダイマー)に一般に関する。特に、本発明は、チオエーテル結合を通して環化構造を形成する様々なペプチドに関する。ある特定の実施形態では、チオエーテル結合は、上流のアミノ酸または芳香族酸基と下流の含硫アミノ酸またはそのアイソスターの間で形成される共有結合を通して環化される。驚くべきことに、上流のアミノ酸または芳香族酸基が2−メチルベンゾイルであるときに形成されるチオエーテル結合は、優れた効力を示す。一部の実施形態では、2−メチルベンゾイルを含まないチオエーテルペプチドと比較して、2−メチルベンゾイルを含むチオエーテルペプチドは優れた効力を有する。本発明の一部の態様は、2−メチルベンゾイルを含むチオエーテルペプチドインテグリン阻害剤が、非環化インテグリンペプチド阻害剤と比較して優れた効力を示すことを企図する。一部の実施形態では、2−メチルベンゾイルを含むチオエーテルペプチドインテグリン阻害剤は、この部分を含まない他のインテグリンペプチド阻害剤と比較して優れた効力を示す。本明細書で用いるように、「優れた効力」は、より大きいか、より高いか、より優れているかまたは改善された効力を意味すると、当業者によって理解される。
【0086】
VCAMおよびMAdCAMの発現プロファイルの差は、炎症性疾患におけるそれらの役割の最も納得のいく証拠を提供する。両方とも、腸で構成的に発現されるが、VCAM発現は末梢器官に拡張し、MAdCAM発現は胃腸管器官に限られる。さらに、腸での上昇したMAdCAM発現は、クローン病、潰瘍性大腸炎およびC型肝炎を含むいくつかの腸関連炎症性疾患と今では関連付けられている。
【0087】
本発明のチオエーテルペプチドモノマーおよびダイマー分子は、疾患の治療のための他の組成物および手法と併用することができる。さらに、本発明のモノマーまたはダイマー分子は、薬学的に許容され得る賦形剤と、および任意選択に生分解性ポリマーなどの持続的放出マトリックスと組み合わせて治療組成物を形成することができる。
【0088】
定義
本明細書で用いるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明らかに別に指図しない限り、複数への言及を含む。
【0089】
用語「含む(comprising)」が本明細書で用いられるとき、「含む(comprising)」という用語が「から本質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」で置換されている同じ実施形態も本発明が含むものと理解される。
【0090】
本明細書で用いられるように、以下の用語は指示される意味を有する。
【0091】
用語「ペプチド」は、本明細書で用いるように、ペプチド結合によって一緒に接合されている2つまたはそれを超えるアミノ酸の配列を含む構造を広く指す。特定の実施形態では、それは、ペプチド結合によって一緒に接合されている2つまたはそれを超えるアミノ酸の配列を指す。この用語は、アミノ酸のポリマーの特定の長さを暗示しないことも、そのポリペプチドが組換え技術、化学的もしくは酵素的合成を用いて産生されるか、または天然に存在するかどうかを暗示または区別することをそれは目的としないことも理解すべきである。用語「ペプチド」は、本明細書で総称的に用いられるように、ペプチドモノマーとペプチドダイマーの両方を含む。
【0092】
本明細書で用いる用語「モノマー」は、「ペプチドモノマー」、「ペプチドモノマー分子」または「モノマーペプチド」と呼ぶこともできる。用語「モノマー」は、ペプチド結合によって一緒に接合されている2つまたはそれを超えるアミノ酸の単一の配列を表す。
【0093】
用語「ダイマー」は、本明細書で用いるように、それらのそれぞれのC末端またはN末端で連結する2つのモノマーペプチドサブユニット(例えば、チオエーテルモノマーペプチド)を含むペプチドを広く指す。本発明のダイマーは、インテグリンアンタゴニストとして機能するホモダイマーまたはヘテロダイマーを含むことができる。用語「ダイマー」は、本明細書で「ペプチドダイマー」、「ペプチドダイマー分子」、「ダイマーペプチド」または「ダイマー化合物」と呼ぶこともできる。用語「モノマーペプチドサブユニット」は、本明細書において、「モノマーサブユニット」、「ペプチドモノマーサブユニット」、「ペプチドサブユニット」、「ペプチドダイマーサブユニット」、「ダイマーサブユニット」、「モノマーサブユニット」または「ペプチドダイマーのサブユニット」と呼ぶこともできる。
【0094】
用語「チオエーテル」は、本明細書で用いるように、上流のアミノ酸または芳香族酸基と下流の含硫アミノ酸またはそのアイソスターの間で形成される環化共有結合、すなわちC−S結合を指す。
【0095】
用語「リンカー」は、本明細書で用いるように、2つのチオエーテルモノマーサブユニットを一緒に連結してダイマーを形成することが可能な化学構造を広く指す。
【0096】
用語「L−アミノ酸」は、本明細書で用いるように、ペプチドの「L」異性体形を指し、反対に、用語「D−アミノ酸」はペプチドの「D」異性体形を指す。本明細書に記載されるアミノ酸残基は「L」異性体形であることが好ましいが、所望の機能がペプチドによって保持される限り、「D」異性体形の残基が任意のL−アミノ酸残基のために置換されてもよい。
【0097】
特記しない限り、用語「NH
2」は、本明細書で用いるように、ポリペプチドのアミノ末端に存在する遊離アミノ基を指す。用語「OH」は、本明細書で用いるように、ペプチドのカルボキシ末端に存在する遊離カルボキシ基を指す。さらに、用語「Ac」は、本明細書で用いるように、ポリペプチドのN末端のアシル化を通したアセチル保護を指す。示される場合、「NH
2」はアミノ酸の遊離アミノ基側鎖を指す。示される場合、用語「Ac」は、本明細書で用いるように、NH
2基のあるアミノ酸のアシル化を指す。
【0098】
用語「カルボキシ」は、本明細書で用いるように、−CO
2Hを指す。
【0099】
用語「アイソ
スタ
ー」または「アイソスター代替物」は、本明細書で用いるように、特定されたアミノ酸に類似の化学的および/または構造的な特性を有する、任意のアミノ酸または他の類似部分を指す。特定の実施形態では、アミノ酸の「アイソスター」または「適するアイソスター」は、アミノ酸が水のような極性溶媒と接触する側鎖の傾向に基づいて以下のクラスに属する、同じクラスの別のアミノ酸である:疎水性(水と接触する傾向が低い)、極性または荷電(水との非常に良好な接触)。荷電アミノ酸残基には、リシン(+)、アルギニン(+)、アスパラギン酸(−)およびグルタミン酸(−)が含まれる。極性アミノ酸には、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジンおよびチロシンが含まれる。疎水性アミノ酸には、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、システインおよびメチオニンが含まれる。アミノ酸グリシンは側鎖を有さず、上記のクラスの1つに割り当てるのは難しい。しかし、グリシンはしばしばループの中のタンパク質の表面でしばしば見出され、これらの領域に高い柔軟性を提供しており、アイソスターは類似の特徴を有することができる。プロリンは反対の効果を有し、ポリペプチド鎖のセグメントにある特定のねじれ角を課すことによってタンパク質構造に剛性を提供する。
【0100】
用語「環化」は、本明細書で用いるように、ポリペプチド分子の一部分がポリペプチド分子の別の部分に連結して、例えばチオエーテル結合を形成することによって、閉鎖された環を形成する反応を指す。特定の実施形態では、本発明のペプチドダイマーのペプチドモノマーおよびモノマーサブユニットは、分子内チオエーテル結合を通して環化される。
【0101】
用語「受容体」は、本明細書で用いるように、特異的化学基または分子に親和性を有する、細胞表面または細胞内部の分子の化学基を指す。ペプチド分子と標的インテグリンの間の結合は、有用な診断ツールを提供することができる。
【0102】
用語「インテグリン関連疾患」は、本明細書で用いるように、インテグリン結合の結果として現れ、インテグリンアンタゴニストの投与を通して治療することができる適応症を指す。
【0103】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書で用いるように、本発明の化合物の塩または双性イオンの形を表し、それらは水または油に溶解性または分散性であり、不当な毒性、刺激およびアレルギー性応答なしで疾患の治療のために適し、理にかなった有益性/リスク比に相応し、それらの使用目的に有効である。塩は、化合物の最終単離および精製の間に、または適する酸とアミノ基を反応させることによって別々に調製することができる。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸、ヘミスルフェート、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロ
ピオネー
ト、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。同様に、本発明の化合物中のアミノ基は、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチル;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル;塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステリル;ならびに臭化ベンジルおよびフェネチルで四級化することができる。治療的に許容され得る付加塩を形成するために採用することができる酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸が含まれる。
【0104】
用語「N(アルファ)メチル化」は、本明細書で用いるように、一般にN−メチル化とも呼ばれる、アミノ酸のアルファアミンのメチル化を述べる。
【0105】
用語「symメチル化」または「Arg−Me−sym」は、本明細書で用いるように、アルギニンのグアニジン基の2つの窒素の対称的なメチル化を述べる。さらに、用語「asymメチル化」または「Arg−Me−asym」は、アルギニンのグアニジン基の単一の窒素のメチル化を述べる。
【0106】
用語「アシル化有機化合物」は、本明細書で用いるように、カルボン酸官能性を有する様々な化合物を指し、それらは、ペプチド分子のC末端および/またはN末端をアシル化するために用いることができる。アシル化有機化合物の非限定的な例には、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、シクロペンタンカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、3,3,3−トリフルオロプロペオン酸、3−フルオロメチル酪酸が含まれる。
【0107】
全てのペプチド配列は一般に容認された規則によって書かれ、それによるとα−N末端アミノ酸残基は左側にあり、α−C末端は右側にある。本明細書で用いるように、用語「α−N末端」は、ペプチド中のアミノ酸の遊離α−アミノ基を指し、用語「α−C末端」は、ペプチド中のアミノ酸の遊離α−カルボン酸末端を指す。
【0108】
ここで用いられる用語「アミノ酸」または「任意のアミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸(例えば、a−アミノ酸)、非天然アミノ酸、修飾されたアミノ酸および天然でないアミノ酸を含むありとあらゆるアミノ酸を指す。それは、D−およびL−アミノ酸の両方を含む。天然のアミノ酸には、天然に見出されるもの、例えば合わさってペプチド鎖になり、大群のタンパク質のビルディングブロックを形成する、23個のアミノ酸が含まれる。これらは主にL立体異性体であるが、いくつかのD−アミノ酸が細菌のエンベロープおよび一部の抗生物質で見られる。「非標準」の天然アミノ酸は、ピロリシン(メタン生成生物体および他の真核生物で見出される)、セレノシステイン(多くの非真核生物ならびにほとんどの真核生物に存在する)およびN−ホルミルメチオニン(細菌、ミトコンドリアおよび葉緑体で開始コドンAUGによってコードされる)である。「非天然」または「天然でない」アミノ酸は、天然に存在するかまたは化学的に合成された非タンパク原性のアミノ酸(すなわち、遺伝子コードに天然にコードされていないか見出されないもの)である。140個を超える天然アミノ酸が知られており、何千ものより多くの組合せが可能である。「非天然」アミノ酸の例には、β−アミノ酸(β
3およびβ
2)、ホモアミノ酸、プロリンおよびピルビン酸誘導体、3置換アラニン誘導体、グリシン誘導体、環置換フェニルアラニンおよびチロシン誘導体、線状コアアミノ酸、ジアミノ酸、D−アミノ酸、アルファ−メチルアミノ酸ならびにN−メチルアミノ酸が含まれる。非天然または天然でないアミノ酸には、修飾されたアミノ酸も含まれる。「修飾された」アミノ酸には、アミノ酸(例えば、天然アミノ酸)であって、そのアミノ酸に天然では存在しない基、複数の基または化学部分を含むように化学修飾されたものが含まれる。
【0109】
一般に、本明細書で用いられる天然に存在するおよび天然に存在しないアミノアシル残基の名称は、「Nomenclature of α-Amino Acids(Recommendations、1974年)」Biochemistry、14巻(2号)、(1975年)で示されている通り、IUPAC Commission on the Nomenclature of Organic ChemistryおよびIUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによって提案された命名規則に従う。この明細書および添付の請求項で採用されるアミノ酸およびアミノアシル残基の名称および略語がそれらの提案と異なる限り、それらは読者に明らかにされる。本発明の記載で有用な一部の略語を、以下の表1で下に規定する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0110】
チオエーテルペプチドモノマーおよびチオエーテルペプチドダイマー
本発明は、インテグリンアンタゴニスト活性を有することが示されたチオエーテルペプチドに一般に関する。特に、本発明は、チオエーテル結合、例えば分子内チオエーテル結合を通して環化構造を形成する様々なペプチドに関する。ある特定の実施形態は、インテグリンアンタゴニスト活性のあるチオエーテルペプチドモノマーに関する。一部の実施形態は、ヘテロまたはホモモノマーチオエーテルペプチドサブユニットを含む、インテグリンアンタゴニスト活性のあるチオエーテルペプチドダイマーであって、チオエーテルペプチドサブユニットは、例えば
図1に示すように、それらのC末端またはN末端のいずれかで連結する、チオエーテルペプチドダイマーに関する。ペプチドモノマーまたはペプチドサブユニットの環化構造は、下で議論されるようにペプチド分子の効力、選択性および安定性を増加させることが示された。式(I)の環化構造の非限定的な代表例を、
図3に示す。一部の実施形態では、ペプチドモノマーの二量体化は、二量体化されていないペプチドと比較して効力、選択性および/または安定性を増加させる。
【0111】
一部の場合には、モノマーペプチドは、遊離アミンを含むC末端および/またはN末端(または遊離アミンを含むC末端およびN末端の両方)をさらに含む。同様に、ペプチドダイマーは、遊離アミンを含む1つまたは複数のC末端またはN末端を含むことができる。したがって、使用者は、ペグ化、例えば小さいペグ化(例えば、PEG4〜PEG13)などの修飾基を含むように、いずれかの末端を修飾することができる。使用者は、アシル化を通していずれかの末端をさらに修飾することができる。例えば、一部の場合には、ペプチド分子のN末端およびC末端の少なくとも1つは、2−Me−トリフルオロブチル、トリフルオロペンチル、アセチル、オクトニル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、パルミチル、酪酸トリフルオロメチル、カルボン酸シクロペンタン、酢酸シクロプロピル、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸からなる群から選択されるアシル化有機化合物でアシル化される。一部の場合には、本発明のペプチド分子は、遊離カルボキシ末端および遊離アミノ末端の両方を含み、それによって使用者は、所望の修飾を達成するためにペプチドを選択的に修飾することができる。特記しない限り、本明細書に開示されるチオエーテルペプチド、例えばチオエーテルモノマーのC末端残基は、アミドまたは酸であることがさらに理解される。したがって、当業者は、所望により、本発明のチオエーテルペプチドを選択的に修飾することができることを理解する。
【0112】
ペプチドダイマーに関しては、本教示に従って、ならびに
図1および2で一般に示される通り、モノマーサブユニットは二量体化されてチオエーテルペプチドダイマー分子を形成することが理解される。本明細書に規定される通り、モノマーサブユニットは適するリンカー部分によって接合または二量体化される。遊離アミンを両方とも含むC末端およびN末端を有する、モノマーサブユニットのいくつかを示す。したがって、使用者は、C末端またはN末端の遊離アミンを排除し、それによって残りの遊離アミンで二量体化を許すために、モノマーサブユニットのいずれの末端も修飾することができる。したがって、モノマーサブユニットの一部は、C末端および遊離アミノ末端に遊離カルボキシまたはアミドの両方を含み、それによって使用者は、所望の末端で二量体化を達成するためにサブユニットを選択的に修飾することができる。したがって、当業者は、所望の二量体化のために単一の特異アミンを達成するために、本発明のモノマーサブユニットを選択的に修飾することができることを理解する。
【0113】
特記しない限り、本明細書に開示されるモノマーサブユニットのC末端残基はアミドであることがさらに理解される。さらに、当技術分野で一般に理解されているように、C末端の二量体化はアミン官能性を有する側鎖のある、適するアミノ酸を用いて促進されるものと理解される。特定の実施形態では、リンカーは、ペプチドモノマーサブユニットの各々のC末端アミノ酸の官能性アミン基に結合して、ダイマーを形成する。当技術分野で一般に理解される通り、N末端残基に関して、二量体化は、末端残基の遊離アミンを通して達成することができるか、または遊離アミンを有する、適するアミノ酸側鎖を用いて達成することができることが一般に理解される。
【0114】
特定の実施形態では、ダイマーはスルフヒドリル基を通して、例えばダイマーの各モノマーサブユニットのC末端を通して二量体化される。
図5は、そのサブユニットが、2つの含硫アミノ酸をつなぐリンカーによってそれらのそれぞれのC末端で整列、連結して、本発明のスルフヒドリル−スルフヒドリル架橋を連結するペプチドダイマーを形成する、インテグリンアンタゴニストモノマーサブユニットの対を示し、式中、X1およびX2はHまたはMeであり、リンカー(Y)は、示す通りに規定される。特定の実施形態では、リンカー(Y)は、ホモ二官能性マレイミド架橋剤、二ハロゲン化物、1,2−ビス(ブロ
モメチル)ベンゼ
ン、1,2−ビス(クロ
ロメチル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(ブロ
モメチル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(クロ
ロメチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(ブロ
モメチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(クロ
ロメチル)ベンゼン
、3,3’−ビス−ブロモメチル−ビフェニ
ル、または2,2’−ビス−ブロモメチル−ビフェニルを含むことができる。ある特定のハロアセチル架橋剤は、ヨードアセチルまたはブロモアセチル基を含有する。ある特定の実施形態では、これらのホモ二官能性のリンカーはスペーサーを含有することができ、例えば、PEGまたは脂肪族鎖を含む。
【0115】
一部の場合には、N末端二量体化は、限定されずに、アセチル、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、シクロペンタンカルボン酸、3,3,3−トリフルオロプロペオン酸および3−フルオロメチル酪酸を含む、本明細書に開示されるアシル化有機化合物および方法の1つを用いてC末端をアシル化することによって進められる。例えば、C末端の二量体化が所望の場合は、適する連結部分によってC末端が接合されてチオエーテルダイマー化合物を提供する前に、それぞれのモノマーサブユニットのN末端が一般にアシル化される。逆に、N末端の二量体化が所望の場合は、C末端が遊離アミンを含むときはそれぞれのモノマーサブユニットのC末端をアシル化することができ、N末端は、適する連結部分によって接合されてチオエーテルダイマー化合物を提供する。
【0116】
本発明のペプチドモノマーおよびダイマー、またはそのペプチドサブユニットは、1つまたは複数の末端修飾基をさらに含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、ペプチドの末端は、DIG、PEG4、PEG13、PEG25、PEG1K、PEG2K、PEG4K、PEG5K、400Daから40,000Daの分子量を有するポリエチレングリコール、40,000Daから80,000Daの分子量を有するPEG、IDA、ADA、グルタル酸、コハク酸、イソフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、AADA、ならびに適する脂肪族、芳香族およびヘテロ芳香族からなる非限定群から選択される末端修飾基を含むように修飾される。
【0117】
ある特定の実施形態では、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットのN末端またはC末端は、修飾基に連結される。ある特定の実施形態では、ペプチドのN末端は、例えば式(I)または(I−A)の、Xaa
1、Xaa
2およびXaa
3によって例えば表される、1つから3つの適する基によって修飾される。同様に、ある特定の実施形態では、ペプチドのC末端は、適する基によって修飾される。例えば、C末端はアシル化することができる。一部の場合には、C末端は、本明細書に開示される、適するリンカー部分をさらに含む。ある特定の実施形態では、C末端は、NH
2またはOHを含む。
【0118】
本明細書に記載されるペプチドダイマーまたはペプチドモノマーの一部の実施形態については、Xaa
1〜Xaa
5、Xaa
7〜Xaa
9およびXaa
11〜Xaa
12のいずれもN(アルファ)メチル化される。Xaa
5は、さらにArg−Me−symまたはArg−Me−asymであってもよく、Xaa
11は、O−Me−Tyr、N−Me−Lys(Ac)または4−Me−Pheであってもよい。N末端は、さらにアシル化されてもよい。一部の場合には、Xaa
1〜Xaa
4およびXaa
11〜Xaa
14のいずれもアシル化される。例えば、一部の場合には、Xaa
8〜Xaa
11の位置の1つまたは複数の残基は、2−Me−トリフルオロブチル、トリフルオロペンチル、アセチル、オクトニル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、パルミチル、トリフルオロメチル酪酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸および3−フェニルプロピオン酸からなる群から選択されるアシル化有機化合物でアシル化される。一部の場合には、Xaa
1〜Xaa
4およびXaa
11〜Xaa
14の位置の1つまたは複数の残基は、2−me−トリフルオロブチル、トリフルオロペンチル、アセチル、オクトニル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、パルミチル、ラウリル、オレオイルおよびラウリル、トリフルオロメチル酪酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、テトラヒドロ−2H−ピラン−4カルボン酸、コハク酸およびグルタル酸からなる群から選択されるアシル化有機化合物でアシル化される。一部の場合には、小さいPEG(例えば、PEG4〜PEG13)が、アシル化の前のスペーサーとして用いられる。
【0119】
本明細書に記載されるペプチドダイマー、ペプチドダイマーサブユニットまたはペプチドモノマーの一部の実施形態では、N末端は適するリンカー部分または他の修飾基をさらに含む。本明細書に記載されるペプチドモノマーの一部の実施形態では、N末端はさらにアシル化されてもよい。
【0120】
末端修飾基の非限定的な例を、表2に提供する。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0121】
本発明のリンカー部分は、本明細書の教示に適合する任意の構造、長さおよび/またはサイズを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、リンカー部分は、DIG、PEG4、PEG4−ビオチン、PEG13、PEG25、PEG1K、PEG2K、PEG3.4K、PEG4K、PEG5K、IDA、ADA、Boc−IDA、グルタル酸、イソフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、トリアジン、Boc−トリアジン、IDA−ビオチン、PEG4−ビオチン、AADA、適する脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、および概ね400Daから概ね40,000Daまたは概ね40,000Daから概ね80,000Daの分子量を有するポリエチレングリコールをベースとしたリンカーからなる非限定的な群から選択される。
【0122】
リンカーがIDA、ADA、または遊離アミンを有する任意のリンカーであるとき、それは、2−me−トリフルオロブチル、トリフルオロペンチル、アセチル、オクトニル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、パルミチル、ラウリル、オレオイル、ラウリル、トリフルオロメチル酪酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、テトラヒドロ−2H−ピラン−4カルボン酸、コハク酸およびグルタル酸、10から20の炭素単位を有する直鎖脂肪族酸、コール酸および他の胆汁酸からなる群から選択されるアシル化有機化合物でアシル化することができる。一部の場合には、小さいPEG(PEG4〜PEG13)、GluまたはAspが、アシル化の前のスペーサーとして用いられる。
【0123】
ある特定の実施形態では、2つの含硫C末端またはN末端アミノ酸をつなぐことによって、リンカーは2つのモノマーサブユニットをつないでいる。一部の実施形態では、2つの含硫アミノ酸は、二ハロゲン化物、脂肪族鎖またはPEGを含むリンカーによってつながっている。ある特定の実施形態では、各モノマーサブユニットのC末端で含硫C末端アミノ酸をつなぐことによって、リンカーは2つのモノマーサブユニットをつないでいる。一部の実施形態では、2つの含硫アミノ酸は、ホモ二官能性マレイミド架橋剤、二ハロゲン化物、1,2−ビス(ブロ
モメチル)ベンゼ
ン、1,2−ビス(クロ
ロメチル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(ブロ
モメチル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(クロ
ロメチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(ブロ
モメチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(クロ
ロメチル)ベンゼ
ン、3,3’−ビス−ブロモメチル−ビフェニル、または2,2’−ビス−ブロモメチル−ビフェニルを含むリンカーによってつながっている。特定のハロアセチル架橋剤は、ヨードアセチルまたはブロモアセチル基を含有する。これらのホモ二官能性リンカーは、PEGまたは脂肪族鎖を含むスペーサーを含有することができる。
【0124】
適するリンカー部分の非限定的な例を、表3に提供する。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【0125】
本発明は、表1に示すか本明細書に記載されるそれらのいずれも非限定的に含む、様々な修飾されたアミノ酸で置換された様々なチオエーテルペプチドモノマーまたはチオエーテルペプチドダイマー(および、それらのサブユニット)をさらに含む。例えば、一部のペプチドは、Dab、Dap、Pen、Sar、Cit、Cav、HLeu、2−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、Bip、O−Me−Tyr、β−HTrp、β−HPhe、Phe(4−CF3)、2−2−インダン、1−1−インダン、シクロブチル、β−HPhe、HLeu、Gla、HPhe、1−Nal、Nle、ホモアミノ酸、D−アミノ酸、3−3−diPhe、シクロブチル−Ala、HCha、Phe(4−NH2)、Bip、β−HPhe、β−Glu、4−guanおよび様々なN−メチル化アミノ酸を含む。類似の所望の結果を達成するために追加の置換を加えることができること、およびそのような置換は本発明の教示および精神の範囲内であることを当業者は理解する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるかまたは配列表もしくは付随する図に示すペプチド、例えばペプチドダイマーおよびペプチドモノマーまたはそれらのサブユニットのいずれも、1つまたは複数のアミノ酸置換をさらに含む、例えば、ある特定の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸残基は、Dab、Dap、Pen、Sar、Cit、Cav、HLeu、2−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、Bip、O−Me−Tyr、β−HTrp、β−HPhe、Phe(4−CF3)、2−2−インダン、1−1−インダン、シクロブチル、β−HPhe、HLeu、Gla、HPhe、1−Nal、Nle、ホモアミノ酸、D−アミノ酸、3−3−diPhe、シクロブチル−Ala、HCha、Phe(4−NH2)、Bip、β−HPhe、β−Glu、4−guanまたはN−メチル化アミノ酸、例えばN−メチル−Argで置換される。
【0126】
本明細書で用いるように、「Xaa」は、D−およびL−アミノ酸、アミノアシル残基またはアミノ酸位置を置換することが可能な任意の化学部分を含む、任意の天然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸、修飾されたアミノ酸および/または天然に存在しないアミノ酸の1つまたは複数を表すことができる。一部の実施形態では、Xaaは、1つを超えるアミノ酸、アミノアシル残基または化学的在住物が、ペプチド中の所与の位置を占有することができることを表す。特定の実施形態では、Xaaは、単一の天然に存在しないか、非天然かまたは修飾されたアミノ酸、またはアミノアシル残基もしくは化学部分(例えば、2−メチルベンゾイル部分)が、ポリペプチド中の所与の位置を占有することを表す。
【0128】
Xaa
1−Xaa
2−Xaa
3−Xaa
4−Xaa
5−Xaa
6−Xaa
7−Xaa
8−Xaa
9−Xaa
10−Xaa
11−Xaa
12−Xaa
13−Xaa
14(式(I);配列番号
388;
図1)による構造を含むチオエーテルペプチドモノマー、チオエーテルペプチドダイマー、またはダイマー分子のチオエーテルサブユニット、または薬学的に許容され得るその塩に関し、ペプチドモノマーまたはチオエーテルペプチドダイマーの片方または両方のサブユニットはXaa
4とXaa
10との間にチオエーテル結合を含み、環化された構造を提供し、式中、
【0129】
Xaa
1は不在であるか、任意の天然に存在するアミノ酸、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0130】
Xaa
2は不在であるか、またはXaa
2は任意の天然に存在するアミノ酸、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0131】
Xaa
3は不在であるか、またはXaa
3は任意の天然に存在するアミノ酸、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0132】
Xaa
4は、1つまたは2つの炭素の側鎖を有しかつXaa
10とチオエーテル結合を形成する、アミノ酸残基であり;
【0133】
Xaa
5は、N(アルファ)−Me−Arg、Arg、HArg、Dap、Dab、Arg−Me−sym、Arg−Me−asym、4−Guan、Cit、Cavおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0134】
Xaa
6は、Ser、Glyおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0135】
Xaa
7は、Asp、N−Me−Asp、Asp(OMe)、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0136】
Xaa
8は、Thr、Gln、Ser、Asp、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Asn、Glu、Val、Tyr、Trp、Leu、Met、およびN−Me−Thrを含むN−メチルアミノ酸からなる群から選択され;
【0137】
Xaa
9は、Gln、Asn、Asp、Pro、Gly、Ala、Phe、Leu、Glu、Ile、Val、HLeu、n−ブチルAla、n−ペンチルAla、n−ヘキシルAla、Nle、シクロブチル−Ala、N−Me−Leuおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0138】
Xaa
10は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、PenおよびD−Penからなる群から選択され;
【0139】
Xaa
11は不在であるか、またはGly、Gln、Asn、Asp、Ala、Ile、Leu、Val、Met、Thr、Lys、Trp、Tyr、His、Glu、Ser、Arg、Pro、Phe、Sar、1−Nal、2−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、HPhe、D−Phe、D−Tyr、Phe(4−F)、O−Me−Tyr、ジヒドロ−Trp、Dap、Dab、Dab(Ac)、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、D−Dap、D−Dab、Bip、Ala(3,3
−ジフェニル)、ビフェニル−Ala、芳香環置換Phe、芳香環置換Trp、芳香環置換His、ヘテロ芳香族アミノ酸、N−Me−Lys、N−Me−Lys(Ac)、4−Me−Pheおよび対応するD−アミノ酸および適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0140】
Xaa
12は不在であるか、またはXaa
12はGlu、アミド、Lys、COOH、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Phe、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスター、および対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0141】
Xaa
13は不在であってもよいか、またはXaa
13は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH
2、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0142】
Xaa
14は不在であるか、またはXaa
14は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH
2、適するアイソスター、対応するD−アミノ酸および対応するN−メチルアミノ酸からなる群から選択される。
【0143】
式(I)の一部の実施形態では、Xaa
4は、修飾されたSer、修飾されたHSer、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され、Xaa
10とチオエーテル結合を形成することが可能である。他の場合には、Xaa
4は、1つから4つの炭素を有しかつXaa
10とチオエーテル結合を形成することが可能である、脂肪族酸である。一部の場合には、Xaa
4は、Xaa
10とチオエーテル結合を形成する修飾された2−メチル基を有する、5または6員環の脂環式酸である。一部の実施形態では、Xaa
4は、アセチル、プロピオニル、アルファ−ブロモイソブチリルまたは2−メチルベンゾイルである。特定の実施形態では、Xaa
4は、Xaa
10とチオエーテル結合を形成する2−メチルベンゾイル部分である。
【0144】
本発明は、式(I)または本明細書に記載の他の式もしくは表のいずれかに示すのと同じ構造を含むが、チオエーテル結合は逆の配向にあるペプチドも含む。本発明のそのような実施形態では、Xaa
4に示すアミノ酸残基または他の化学部分はXaa
10に代わりに存在し、Xaa
10に示すアミノ酸残基はXaa
4に代わりに存在する、すなわち、生じるチオエーテル結合の硫黄を含むアミノ酸残基はXaa
10の代わりにXaa
4に位置し、Xaa
4とチオエーテル結合を形成することが可能な炭素側鎖を有するアミノ酸残基または他の部分はXaa
10に位置すると一般に考えることができる。しかし、この逆の配向では、位置Xaa
10のアミノ酸または化学部分は、遊離アミンを含むものである。例えば、特定の実施形態では、Xaa
10のアミノ酸は、例えばホモセリン(OTBDMS)などの保護されたホモセリンである。したがって、式(I)の特定の逆配向実施形態では、Xaa
10は、1つまたは2つの炭素の側鎖を有しかつXaa
4とチオエーテル結合を形成する、アミノ酸残基であり、Xaa
4は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、PenおよびD−Penからなる群から選択される。他の式および表の対応する位置に存在するアミノ酸残基および他の化学部分の具体例は、本明細書に記載される。
【0145】
ある特定の実施形態では、チオエーテルペプチドダイマーは、式(I)の2つのペプチドモノマーサブユニットを含み、これらのサブユニットはそれらのC末端またはN末端を通してリンカー部分によって連結される。一実施形態では、それらはそれらの両方のC末端を通して連結される。
【0146】
別の態様では、本発明は、式(I−1)(配列番
389):
【0147】
Xaa
1−Xaa
2−Xaa
3−Xaa
4−Xaa
5−Xaa
6−Xaa
7−Xaa
8−Xaa
9−Xaa
10−Xaa
11−Xaa
12−Xaa
13−Xaa
14(式(I−1))による構造を含むチオエーテルペプチド分子(例えば、ペプチドモノマー、ペプチドダイマーまたはペプチドダイマーサブユニット)、または薬学的に許容され得るその塩を含み、ペプチドは、Xaa
4とXaa
10との間にチオエーテル結合を含み、式中:
【0148】
Xaa
1は不在であるか、またはXaa
1は任意のアミノ酸であり;
【0149】
Xaa
2は不在であるか、またはXaa
2は任意のアミノ酸であり;
【0150】
Xaa
3は不在であるか、またはXaa
3は任意のアミノ酸であり;
【0151】
Xaa
4は、1つまたは2つの炭素の側鎖を有しかつXaa
10とチオエーテル結合を形成することが可能である、アミノ酸、脂肪族酸、脂環式酸または修飾された2−メチル芳香族酸であり;
【0152】
Xaa
5は、N(アルファ)−Me−Arg、Arg、ホモArg、Dap、Dab、Arg−Me−sym、Arg−Me−asym、4−Guan、Cit、Cav、N−Me−Lys、Phe(4−
グアニジノ
))、Phe(4−カルバモイルアミノ)、Phe(4−NH
2)、N−Me−ホモArg、Tyr、Hisおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0153】
Xaa
6は、Ser、Gly、Thr、Ileおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;ここで、式(I−1)がダイマーペプチドサブユニットを対象とするならば、一部の実施形態では、Xaa
6はSer、Gly、Thrおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0154】
Xaa
7は、Asp、N−Me−Asp、Asp(OMe)、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0155】
Xaa
8は、Thr、Gln、Ser、Asp、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Asn、Glu、Val、Tyr、Trp、Leu、Met、ホモLeu、Nle、およびN−Me−Thrを含むN−メチルアミノ酸からなる群から選択され;
【0156】
Xaa
9は、Gln、Asn、Asp、Pro、Gly、Ala、Phe、Leu、Glu、Ile、Val、HLeu、n−ブチルAla、n−ペンチルAla、n−ヘキシルAla、Nle、シクロブチル−Ala、Cpa、Aoc、N−Me−Leuおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0157】
Xaa
10は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、Pen、D−PenおよびPen(=O)からなる群から選択され;
【0158】
Xaa
11は不在であるか、またはXaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、Phe(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Phe(2−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、SarおよびSer、芳香族アミノ酸、置換された芳香族アミノ酸、Gly、Gln、Asn、Asp、Ala、Ile、Leu、Val、Met、Thr、Lys、Trp、Tyr、His、Glu、Ser、Arg、Pro、Phe、Sar、1−Nal、2−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、HPhe、D−Phe、D−Tyr、Phe(4−F)、O−Me−Tyr、ジヒドロ−Trp、Dap、Dab、Dab(Ac)、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、D−Dap、D−Dab、Bip、Ala(3,3
−ジフェニル)、ビフェニル−Ala、芳香環置換Phe、芳香環置換Trp、芳香環置換His、ヘテロ芳香族アミノ酸、N−Me−Lys、N−Me−Lys(Ac)、4−Me−Phe、Phe(4tBu)、Phe(4−OMe)、Phe(4−COOH)、Phe(2−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Phe(CF3)、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、Aic、N−Me−Tyr、N−Me−Phe、Tic、Phe(4CF3)および対応するD−アミノ酸および適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0159】
Xaa
12は不在であるか、またはXaa
12は、芳香族アミノ酸、置換された芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、ベータ−ホモ−Glu、Asp、D−ホモGlu、アミド、Lys、COOH、CONH
2、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Phe、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−Dap、D−Dab、D−His、F(4−COOH)、Tic、D−Trp、D−Leu、D−Arg、D−Thr、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0160】
Xaa
13は不在であるか、またはXaa
13は任意のアミノ酸であり;
【0161】
Xaa
14は不在であるかまたは任意のアミノ酸であり、ここで、ある特定の実施形態では、式(I−1)がペプチドダイマーまたはそのサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は不在であるか、またはアミン側鎖を有する任意のアミノ酸、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、N−Me−Orn、Dab、N−Me−Dab、Dap、N−Me−Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、D−Orn、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Cys、ホモCys、COOH、CONH2、適するアイソスター、対応するD−アミノ酸および対応するN−メチルアミノ酸からなる群から選択される。
【0162】
一部の実施形態では、Xaa
4は、アセチル、プロピオニル、アルファ−ブロモイソブチリルまたは2−メチルベンゾイルである。特定の実施形態では、Xaa
4は2−メチルベンゾイルである。特定の実施形態では、Xaa
4は2−メチルベンゾイルである。
【0163】
ある特定の実施形態では、チオエーテルペプチドダイマーは、式(I−1)の2つのペプチドモノマーサブユニットを含み、これらのサブユニットはそれらのC末端またはN末端を通してリンカー部分によって連結される。一実施形態では、それらはそれらの両方のC末端を通して連結される。
【0164】
特定の実施形態では、式(I−1)はペプチドモノマーまたはペプチドダイマー(またはそのサブユニット)を対象とし、Xaa
7は、Asp、N−Me−AspおよびD−Aspからなる群から選択される。
【0165】
ある特定の実施形態では、Xaa
13は存在し、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH
2、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。
【0166】
ある特定の実施形態では、Xaa
14は存在する。ある特定の実施形態では、Xaa
14は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH
2、適するアイソスター、対応するD−アミノ酸および対応するN−メチルアミノ酸からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、Xaa
14は、D−Lys、N−Me−Lys、DapまたはDabである。特定の実施形態では、式(I−1)はダイマーペプチドまたはそのサブユニットを対象とし、Xaa
14は、Cys、ホモCysまたはPenである。ある特定の実施形態では、Xaa
12およびXaa
13は不在であり、Xaa
14は、D−Lys、N−Me−Lys、DapまたはDabである。ある特定の実施形態では、Xaa
13は不在であり、Xaa
14は、D−Lys、N−Me−Lys、DapまたはDabである。一部の実施形態では、Xaa
12、Xaa
13およびXaa
14は不在である。
【0167】
ある特定の実施形態では、Xaa
10のすぐカルボキシル側にあるアミノ酸は芳香族アミノ酸である。
【0168】
特定の実施形態では、式I−1はペプチドモノマー、ダイマーまたはそのサブユニットを対象とし、Xaa
1、Xaa
2またはXaa
3のいずれか1つまたは複数は、任意の天然に存在するアミノ酸、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。
【0169】
特定の実施形態では、Xaa
4は、1つまたは2つの炭素の側鎖を有するアミノ酸残基である。
【0170】
特定の場合、本明細書に記載される式およびペプチドのいずれのペプチドモノマー、ダイマーまたはそのサブユニットは、Xaa
4を含み、Xaa
4は、修飾されたSer、修飾されたホモSer(例えば、ホモ−Ser−Cl)、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。他の場合には、Xaa
4は、1つから4つの炭素を有しかつXaa
10とチオエーテル結合を形成する、脂肪族酸である。一部の場合には、Xaa
4は、Xaa
10とチオエーテル結合を形成する修飾された2−メチル基を有する、5または6員環の脂環式酸である。一部の実施形態では、Xaa
4は2−メチルベンゾイル部分である。
【0171】
一部の実施形態については、Xaa
1、Xaa
2、Xaa
3、Xaa
5、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、Xaa
11、Xaa
12、Xaa
13およびXaa
14の少なくとも1つは、N(アルファ)メチル化される。一部の場合には、Xaa
1、Xaa
2、Xaa
3、Xaa
4、Xaa
11、Xaa
12、Xaa
13およびXaa
14の少なくとも1つは、アシル化される。例えば、一部の場合には、Xaa
1〜Xaa
4およびXaa
11〜Xaa
14の位置の1つまたは複数の残基は、アシル化有機シスエスチル(cisestyl)、ヘキシル、パルミチル、ラウリル、オレオイルおよびラウリル、トリフルオロメチル酪酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、テトラヒドロ−2H−ピラン−4カルボン酸、コハク酸およびグルタル酸でアシル化される。一部の場合には、小さいPEG(例えば、PEG4〜PEG13)が、アシル化の前のスペーサーとして用いられる。本発明は、式(I−1)の逆順チオエーテル結合実施形態も含み、式中、Xaa
10は、1つまたは2つの炭素の側鎖を有し、Xaa
4とチオエーテル結合を形成することが可能である、アミノ酸、脂肪族酸、脂環式酸または修飾された2−メチル芳香族酸であり;Xaa
4は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、Pen、D−PenおよびPen(=O)からなる群から選択される。この逆の配向では、位置Xaa
10のアミノ酸または化学部分は、遊離アミンを含むものである。遊離アミンを提供するアミノ酸または化学部分の1つの例は、ホモセリンまたは保護されたホモセリン、例えばホモセリン(OTBDMS)である。
【0172】
一態様では、本発明は、式(I−2)(配列番34):
【0173】
Xaa
1−Xaa
2−Xaa
3−Xaa
4−Xaa
5−Xaa
6−Xaa
7−Xaa
8−Xaa
9−Xaa
10−Xaa
11−Xaa
12−Xaa
13−Xaa
14(式I−2)による構造を含むペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ペプチドダイマーまたはペプチドダイマーサブユニット)、または薬学的に許容され得るその塩を提供し、ペプチド分子は、Xaa
4とXaa
10との間にチオエーテル結合を含み、式中:
【0174】
Xaa
1は不在であるか、またはXaa
1は任意の天然に存在するアミノ酸、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0175】
Xaa
2は不在であるか、またはXaa
2は任意の天然に存在するアミノ酸、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0176】
Xaa
3は不在であるか、またはXaa
3は任意の天然に存在するアミノ酸、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0177】
Xaa
4は、1つまたは2つの炭素の側鎖を有しかつXaa
10とチオエーテル結合を形成することが可能である、アミノ酸、脂肪族酸、脂環式酸または修飾された2−メチル芳香族酸であり;
【0178】
Xaa
5は、N(アルファ)−Me−Arg、Arg、ホモArg、Dap、Dab、Arg−Me−sym、Arg−Me−asym、4−Guan、Cit、Cav、N−Me−Lys、Phe(4−
グアニジノ
)、Phe(4−カルボミルアミノ)、Phe(4−NH2)、N−Me−ホモ−Arg、TyrおよびHis、および適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0179】
Xaa
6は、Ser、Gly、Thr、Ileおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0180】
Xaa
7は、Asp、N−Me−Asp、Asp(OMe)、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;ある特定の実施形態では、式(I−2)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
7は、Asp、N−Me−Asp、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0181】
Xaa
8は、Thr、Gln、Ser、Asp、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Asn、Glu、Val、Tyr、Trp、Leu、Met、hLeu、Nle、およびN−Me−Thrを含むN−メチルアミノ酸からなる群から選択され;
【0182】
Xaa
9は、Gln、Asn、Asp、Pro、Gly、Ala、Phe、Leu、Glu、Ile、Val、ホモLeu、n−ブチルAla、n−ペンチルAla、n−ヘキシルAla、Nle、シクロブチル−Ala、N−Me−Leu、Cpa、Aocおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0183】
Xaa
10は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、ホモCys、Pen、D−Pen、修飾されたホモSerおよび修飾されたSerからなる群から選択され;ある特定の実施形態では、式(I−2)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
10は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、ホモCys、PenおよびD−Penからなる群から選択され;
【0184】
Xaa
11は不在であるか、またはXaa
11は、芳香族アミノ酸、置換された芳香族アミノ酸、Ticおよび対応するD−アミノ酸および適するアイソスター代替物からなる群から選択さ
れ;
【0185】
Xaa
12は不在であるか、またはXaa
12は、芳香族アミノ酸、置換された芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、Gla、ベータ−ホモ−Glu、Ticおよび対応するD−アミノ酸および適するアイソスターからなる群から選択され;
【0186】
Xaa
13は不在であるか、またはXaa
13は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH
2、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0187】
一部の実施形態では、式(I−2)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;
【0188】
他の実施形態では、式(I−2)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、アミン側鎖を有する任意のアミノ酸、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、N−Me−Orn、Dab、N−Me−Dab、Dap、N−Me−Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、D−Orn、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Cys、ホモCys、Pen、COOH、CONH2、適するアイソスター、対応するD−アミノ酸および対応するN−メチルアミノ酸からなる群から選択される。
【0189】
本発明は、式(I−2)の逆順チオエーテル結合実施形態も企図し、式中、Xaa
10は、遊離NH
2基を有しかつXaa
4とチオエーテル結合を形成することが可能である、アミノ酸、脂肪族酸、脂環式酸または修飾された2−メチルベンゾイル部分の酸であり;Xaa
4は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、ホモCys、Pen、D−Penからなる群から選択され;ある特定の実施形態では、Xaa
4は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、ホモCysおよびPenからなる群から選択される。
【0190】
一態様では、本発明は、式(I−3)(配列番35):
【0191】
Xaa
1−Xaa
2−Xaa
3−Xaa
4−Xaa
5−Xaa
6−Xaa
7−Xaa
8−Xaa
9−Xaa
10−Xaa
11−Xaa
12−Xaa
13−Xaa
14(式(I−3))による構造を含むペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ペプチドダイマーまたはペプチドダイマーサブユニット)、または薬学的に許容され得るその塩を提供し、式中、
【0192】
Xaa
1は不在であるか、Acまたは任意のアミノ酸であり;
【0193】
Xaa
2は不在であるか、Acまたは任意のアミノ酸であり;
【0194】
Xaa
3は不在であるか、Acまたは任意のアミノ酸であり;
【0195】
Xaa
4は、Cys、ホモCys、Pen、ホモ−Ser−Cl、ホモ−Serおよび2−メチルベンゾイル部分からなる群から選択され;
【0196】
Xaa
5は、N−Me−Arg、Arg、N−Me−Lys、Phe(4−
グアニジノ
)、Phe(4−カルボニルアミノ)、Cit、Phe(4−NH2)、N−Me−ホモ−Arg、ホモ−Arg、TyrおよびHisからなる群から選択され;
【0197】
Xaa
6は、Ser、Gly、IleまたはThrであり;一部の実施形態では、式I−3がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
6はSerであり;
【0198】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0199】
Xaa
8は、Thr、Val、Ile、Leu、hLeuおよびNleからなる群から選択され;
【0200】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0201】
Xaa
10は、Cys、D−Cys、ホモCys、Pen、修飾されたホモSerおよび修飾されたSerからなる群から選択され;一部の実施形態では、式I−3がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
10は、Cys、D−Cys、ホモCysおよびPenからなる群から選択され;
【0202】
Xaa
11は不在であるか、または、芳香族アミノ酸および置換された芳香族アミノ酸からなる群から選択され;
【0203】
Xaa
12は不在であるか、または、芳香族アミノ酸、置換された芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、Gla、ベータ−ホモ−Gluおよび対応するD−アミノ酸および適するアイソスターからなる群から選択され;
【0204】
Xaa
13は不在であるか、または任意のアミノ酸であり、特定の実施形態では、Xaa
13は不在であるかまたはProであり;
【0205】
一部の実施形態では、式I−3がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;
【0206】
他の実施形態では、式I−3がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は不在であるかまたは、アミン側鎖を有する任意のアミノ酸、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、N−Me−Orn、Dab、N−Me−Dab、Dap、N−Me−Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、D−Orn、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Cys、ホモCys、Pen、COOH、CONH
2、適するアイソスター、対応するD−アミノ酸および対応するN−メチルアミノ酸からなる群から選択される。
【0207】
本発明は、式(I−3)の逆配向チオエーテル結合実施形態も含み、式中、Xaa
10は、ホモ−Ser−Cl、ホモ−Ser、修飾されたホモ−Ser(例えば、ホモSer(OTBDMS))および遊離NH
2基を有する2−メチルベンゾイル部分からなる群から選択され;Xaa
4は、Cys、D−Cys、ホモCys、Penからなる群から選択され;一部の実施形態では、Xaa
10は、ホモ−Ser、修飾されたホモ−Serおよび2−メチルベンゾイル部分からなる群から選択される。
【0208】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)および(I−3)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチドのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
4は、Cys、ホモCys、Penおよび2−メチルベンゾイル部分から選択される。ある特定の実施形態では、Xaa
4は、修飾されたSer、修飾されたホモSer、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。一実施形態では、Xaa
4は、ホモ−Ser−Cl(Xaa
10とチオエーテル結合が形成され、それによってClが除去される前)またはホモSer前駆体(例えば、ホモSer(O−TBDMS)である。他の場合には、Xaa
4は、1つから4つの炭素を有しかつXaa
10とチオエーテル結合を形成する、脂肪族酸である。一部の場合には、Xaa
4は、Xaa
10とチオエーテル結合を形成する修飾された2−メチル基を有する、5または6員環の脂環式酸である。一部の場合には、Xaa
4は2−メチルベンゾイル部分である。一部の実施形態では、Xaa
10の直接カルボキシル側にあるアミノ酸は芳香族アミノ酸である。一部の実施形態では、Xaa
7はAspである。
【0209】
別の分子に結合したとき、ある特定のアミノ酸および他の化学部分が修飾されることを、当業者は理解する。例えば、それが別のアミノ酸側鎖と分子内架橋を形成するとき、アミノ酸側鎖を修飾することができる。さらに、チオエーテル結合を通してホモ−Ser−ClがCysまたはPenなどのアミノ酸に結合するとき、Cl部分が放出される。したがって、本明細書で用いるように、本発明のペプチドダイマー(例えば、位置Xaa
4または位置Xaa
10)に存在する、ホモ−Ser−Clなどのアミノ酸または修飾されたアミノ酸への言及は、分子内結合の形成の前および後の両方のペプチドに存在するそのようなアミノ酸または修飾されたアミノ酸の形を含むことを意味する。
【0210】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)および(I−3)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチドのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
11は、Gly、Gln、Asn、Asp、Ala、Ile、Leu、Val、Met、Thr、Lys、Trp、Tyr、His、Glu、Ser、Arg、Pro、Phe、Sar、1−Nal、2−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、HPhe、D−Phe、D−Tyr、Phe(4−F)、O−Me−Tyr、ジヒドロ−Trp、Dap、Dab、Dab(Ac)、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、D−Dap、D−Dab、Bip、Ala(3,3−ジフェニル)、ビフェニル−Ala、芳香環置換Phe、芳香環置換Trp、芳香環置換His、ヘテロ芳香族アミノ酸、N−Me−Lys、N−Me−Lys(Ac)、4−Me−Pheおよび対応するD−アミノ酸および適するアイソスター代替物からなる群から選択される。本明細書に記載されるモノマーペプチドのいずれかの特定の実施形態では、Xaa
11は、芳香族アミノ酸または置換された芳香族アミノ酸である。ある特定の実施形態では、Xaa
11は、Phe(4tBu)、D−Lys、N−Me−LysまたはD−N−Me−Lysである。
【0211】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)および(I−3)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチドのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
12は、Glu、アミド、Lys、COOH、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Phe、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。
【0212】
本明細書に記載される化合物および属のいずれかの特定の実施形態では、Xaa
5は、Cit、Phe(4−カルボミルアミノ)およびN−Me−ホモ−Argからなる群から選択され;Xaa
8は、Leu、ホモLeu、NleおよびValからなる群から選択され;Xaa
9は、Cba、ホモLeuおよびCpaからなる群から選択され;Xaa
11は、Tic、Phe(2−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Phe(4−COOH)、Phe(4−OMe)およびPhe(4tBu)からなる群から選択され;Xaa
12は、Aic、Gln、Cit、Glu(OMe)、D−His、Tic、Phe(3−COOH)、D−Arg、Bip、D−Trp、Phe、D−Phe、D−Val、D−Thr、D−1−Nal、D−2−Nal、Thr、Valからなる群から選択され;または、Xaa
13はProである。
【0213】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)および(I−3)のものを含む、本明細書に記載されるペプチドのいずれかの特定の実施形態では、Xaa
8は、Proでない。式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)および(I−3)のものを含む、本明細書に記載されるペプチドのいずれかの特定の実施形態では、Xaa
9は、Proでない。
【0214】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)および(I−3)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ペプチドダイマーまたはペプチドダイマーサブユニット)のいずれかのある特定の実施形態では、Xaa
14は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH
2、適するアイソスター、対応するD−アミノ酸および対応するN−メチルアミノ酸からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、Xaa
14は、D−Lys、N−Me−Lys、DapまたはDabである。ペプチドダイマーサブユニットのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
14(またはC末端アミノ酸)は、Cys、ホモCysまたはPenである。
【0215】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)および(I−3)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ペプチドダイマーまたはペプチドダイマーサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、Xaa
14は、アミン側鎖を有する任意のアミノ酸、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH
2、適するアイソスター、対応するD−アミノ酸および対応するN−メチルアミノ酸からなる群から選択される。
【0216】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)および(I−3)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチドのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
14は、遊離アミン側鎖を有する任意のアミノ酸、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−DabまたはD−Ornからなる群から選択される。
【0217】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)および(I−3)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ペプチドダイマーまたはペプチドダイマーサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、Xaa
10の直接C末端側にあるアミノ酸残基は、芳香族アミノ酸である。ある特定の実施形態では、Xaa
10の直接C末端側にあるアミノ酸は、芳香族アミノ酸、置換された芳香族アミノ酸およびTicから選択される。ある特定の実施形態では、Xaa
10の直接C末端側にあるアミノ酸は、芳香族アミノ酸である。
【0218】
本明細書で式(I−A)(配列番号36)と呼ぶ式(I−1)の一実施形態では、
【0219】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0220】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0221】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0222】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0223】
Xaa
5は、N−Me−Arg、Arg、N−Me−Lys、Phe(4−
グアニジノ
)、Phe(4−カルボニルアミノ)、Cit、Phe(4−NH2)、N−Me−ホモ−Arg、ホモ−Arg、TyrおよびHisからなる群から選択され;
【0224】
Xaa
6は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;一部の実施形態では、式(I−A)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
6はSerであり;
【0225】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0226】
Xaa
8は、Thr、Val、Ile、Leu、hLeu、NleおよびValからなる群から選択され;
【0227】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;一部の実施形態では、式I−Aがモノマーペプチドを対象とするならば、Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0228】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0229】
Xaa
11は不在であるか、または、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、Phe(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Phe(2−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Arg、Thr、Sar、およびSerからなる群から選択され、一部の実施形態では、式(I−A)がダイマーペプチドサブユニットを対象とするならば、Xaa
11は不在であるかまたは、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、Phe(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Phe(2−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Arg、およびThrからなる群から選択され;
【0230】
Xaa
12は不在であるか、または、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、D−Asp、Gla、ベータ−ホモ−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;一部の実施形態では、式(I−A)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
12は不在であるかまたは、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、Gla、ベータ−ホモ−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0231】
一部の実施形態では、式(I−A)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
13は不在であるかまたは任意のアミノ酸であり;
【0232】
他の実施形態では、式(I−A)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
13は不在であり;
【0233】
一部の実施形態では、式(I−A)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;
【0234】
他の実施形態では、式(I−A)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、側鎖に遊離アミノ基を有する任意のアミノ酸、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモCys、PenまたはD−Ornからなる群から選択される。
【0235】
ある特定の実施形態では、式(I−A)はペプチドモノマーを対象とし、Xaa
13は不在である。
【0236】
本明細書で式(I−B)(配列番号37)と呼ぶ式(I−1)の一実施形態では、
【0237】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0238】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0239】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0240】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0241】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0242】
Xaa
6は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;一部の実施形態では、式(I−B)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
6はSerであり;
【0243】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0244】
Xaa
8は、Thr、Val、Ile、Leu、hLeuおよびNleからなる群から選択され;
【0245】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0246】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0247】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、Serおよび任意の置換された芳香族アミノ酸および対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;一部の実施形態では、式(I−B)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、およびSerからなる群から選択され;
【0248】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、Gla、ベータ−ホモ−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0250】
一部の実施形態では、式(I−B)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;
【0251】
他の実施形態では、式(I−B)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモCys、PenまたはD−Ornからなる群から選択される。
【0252】
本明細書で式(I−C)(配列番号38)と呼ぶ式(I−1)の一実施形態では、
【0253】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0254】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0255】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0256】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0257】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0258】
Xaa
6は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;一部の実施形態では、式(I−C)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
6はSerであり;
【0259】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0260】
Xaa
8は、Thr、Val、Ile、Leu、hLeuおよびNleからなる群から選択され;
【0261】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0262】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0263】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe (4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、およびSerからなる群から選択され;または
【0264】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、Gla、ベータ−ホモ−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0265】
Xaa
13は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;他の実施形態では、式(I−C)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
13は不在であり;
【0266】
一部の実施形態では、式(I−C)がペプチドモノマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;
【0267】
他の実施形態では、式(I−C)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモCys、PenまたはD−Ornからなる群から選択される。
【0268】
ある特定の実施形態では、式(I−C)はペプチドモノマーを対象とし、Xaa
13は不在である。
【0269】
本明細書で式(I−D)(配列番号39)と呼ぶ式(I−1)の一実施形態では、
【0270】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0271】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0272】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0273】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0274】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0276】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0277】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0278】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0279】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0280】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、およびSerからなる群から選択され;
【0281】
Xaa
12は不在であるか、または、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、Gla、ベータ−ホモ−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0283】
一部の実施形態では、式(I−D)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;他の実施形態では、式(I−D)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモCys、Pen、またはD−Ornからなる群から選択される。
【0284】
本明細書で式(I−E)(配列番号40)と呼ぶ式(I−1)の一実施形態では、
【0285】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0286】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0287】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0288】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0289】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0291】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0292】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0293】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0294】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0295】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、およびSerからなる群から選択され;
【0296】
Xaa
12は不在であるか、または、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Gluおよびベータ−ホモ−Gluからなる群から選択され;
【0298】
一部の実施形態では、式(I−E)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;他の実施形態では、式(I−E)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモCys、Pen、またはD−Ornからなる群から選択される。
【0299】
本明細書で式(I−F)(配列番号41)と呼ぶ式(I−1)の一実施形態では、
【0300】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0301】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0302】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0303】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0304】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0306】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0307】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0309】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0310】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、およびSerからなる群から選択され;
【0311】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ベータ−ホモ−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0313】
一部の実施形態では、式(I−F)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;一部の実施形態では、式(I−F)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモCys、Pen、またはD−Ornからなる群から選択される。
【0314】
ある特定の実施形態では、Xaa
14は、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lysからなる群から選択される。
【0315】
本明細書で式(I−G)(配列番号42)と呼ぶ式(I−1)の一実施形態では、
【0316】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0317】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0318】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0319】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0320】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0322】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0323】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0325】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0326】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、およびSerからなる群から選択され;
【0327】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Gluおよびベータ−ホモ−Gluからなる群から選択され;
【0329】
一部の実施形態では、式I−Gがペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;他の実施形態では、式I−Gがペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモCys、Pen、またはD−Ornからなる群から選択される。
【0330】
ある特定の実施形態では、Xaa
14は、D−Lys、N−Me−LysおよびD−N−Me−Lysからなる群から選択される。
【0331】
本明細書で式(I−H)(配列番号43)と呼ぶ式(I−1)の一実施形態では、
【0332】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0333】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0334】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0335】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0336】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0339】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0341】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0342】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、およびSerからなる群から選択され;
【0343】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Gluおよびベータ−ホモ−Gluからなる群から選択され;
【0345】
一部の実施形態では、式I−Hがペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;一部の実施形態では、式I−Hがペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、D−Lys、N−Me−LysおよびD−N−Me−Lysからなる群から選択される。
【0346】
本明細書で式(I−I)(配列番号44)と呼ぶ式(I−1)の一実施形態では、
【0347】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0348】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0349】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0350】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0351】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0353】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0354】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0356】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0357】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、およびホモPheからなる群から選択され;
【0358】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Gluおよびベータ−ホモ−Gluからなる群から選択され;
【0360】
一部の実施形態では、式I−Iがペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
14は任意のアミノ酸であり;他の実施形態では、式I−Iがペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
14は、D−Lys、N−Me−LysおよびD−N−Me−Lysからなる群から選択される。
【0361】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)、(I−3)、(V)、または(I−A)(I−B)、
(I−C)、(I−D)、(I−E)、(I−F)、(I−G)、(I−H)および(I−I)のいずれかのある特定の実施形態では、Xaa
11は、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)またはβ−Me−Pheであってもよい。
【0362】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)、(I−3)、(V)、または(I−A)(I−B)、
(I−C)、(I−D)、(I−E)、(I−F)、(I−G)、(I−H)および(I−I)のいずれかのある特定の実施形態では、Xaa
12は、N−Me−Glu、N−Me−Aspまたはアルファ−H−Gluであってもよい。
【0363】
式(I)、(V)、(I−1)、(I−2)、(I−3)、(V)、または(I−A)(I−B)、
(I−C)、(I−D)、(I−E)、(I−F)、(I−G)、(I−H)および(I−I)のいずれかの特定の実施形態では、例えばペプチドがダイマーである場合は、Xaa
14は、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモCys、PenまたはD−Ornからなる群から選択され、他の実施形態では、Xaa
14は、D−Lys、N−Me−LysおよびD−N−Me−Lysから選択される。
【0364】
式(I−1)の一実施形態では、Xaa
1は不在であるか、またはXaa
1は任意のアミノ酸であり;
【0365】
Xaa
2は不在であるか、またはXaa
2は任意のアミノ酸であり;
【0366】
Xaa
3は不在であるか、またはXaa
3は任意のアミノ酸であり;
【0367】
Xaa
4は、1つまたは2つの炭素の側鎖を有しかつXaa
10とチオエーテル結合を形成することが可能である、アミノ酸、脂肪族酸、脂環式酸または修飾された2−メチル芳香族酸であり;
【0368】
Xaa
5は、N(アルファ)−Me−Arg、Arg、ホモArg、Dap、Dab、Arg−Me−sym、Arg−Me−asym、4−Guan、Cit、Cav、N−Me−Lys、Phe(4−
グアニジノ
)、Phe(4−カルバモイルアミノ)、Phe(4−NH
2)、N−Me−ホモArg、Tyr、Hisおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0369】
Xaa
6は、Ser、Gly、Thr、Ileおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0370】
Xaa
7は、Asp、N−Me−Asp、Asp(OMe)、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0371】
Xaa
8は、Thr、Gln、Ser、Asp、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Asn、Glu、Val、Tyr、Trp、Leu、Met、ホモLeu、Nle、およびN−Me−Thrを含むN−メチルアミノ酸からなる群から選択され;
【0372】
Xaa
9は、Gln、Asn、Asp、Pro、Gly、Ala、Phe、Leu、Glu、Ile、Val、HLeu、n−ブチルAla、n−ペンチルAla、n−ヘキシルAla、Nle、シクロブチル−Ala、Cpa、Aoc、N−Me−Leuおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0373】
Xaa
10は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、Pen、D−PenおよびPen(=O)からなる群から選択され;
【0374】
Xaa
11は不在であるか、または、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、Phe(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Phe(2−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、およびSer、芳香族アミノ酸、置換された芳香族アミノ酸、Gly、Gln、Asn、Asp、Ala、Ile、Leu、Val、Met、Thr、Lys、Trp、Tyr、His、Glu、Ser、Arg、Pro、Phe、Sar、1−Nal、2−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、HPhe、D−Phe、D−Tyr、Phe(4−F)、O−Me−Tyr、ジヒドロ−Trp、Dap、Dab、Dab(Ac)、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、D−Dap、D−Dab、Bip、Ala(3,3
−ジフェニル)、ビフェニル−Ala、芳香環置換Phe、芳香環置換Trp、芳香環置換His、ヘテロ芳香族アミノ酸、N−Me−Lys、N−Me−Lys(Ac)、4−Me−Phe、Phe(4tBu)、Phe(4−OMe)、Phe(4−COOH)、Phe(2−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Phe(CF3)、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、Aic、N−Me−Tyr、N−Me−Phe、Tic、Phe(4CF3)、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Pheおよび対応するD−アミノ酸および適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0375】
Xaa
12は不在であるか、または芳香族アミノ酸、置換された芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、ベータ−ホモ−Glu、Asp、D−ホモGlu、アミド、Lys、COOH、CONH
2、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Phe、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−Dap、D−Dab、D−His、F(4−COOH)、Tic、D−Trp、D−Leu、D−Arg、D−Thr、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Glu、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0376】
Xaa
13は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0377】
Xaa
14は不在であるか、または任意のアミノ酸である。
【0378】
他の実施形態では、Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0379】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0380】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0381】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0382】
Xaa
5は、N−Me−Arg、Arg、N−Me−Lys、Phe(4−
グアニジノ
)、Phe(4−カルボニルアミノ)、Cit、Phe(4−NH2)、N−Me−ホモ−Arg、ホモ−Arg、TyrおよびHisからなる群から選択され;
【0383】
Xaa
6は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;
【0384】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0385】
Xaa
8は、Thr、Val、Ile、Leu、hLeu、NleおよびValからなる群から選択され;
【0386】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0387】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0388】
Xaa
11は不在であるか、または、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、Phe(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Phe(2−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Arg、Thr、Sar、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Phe、およびSerからなる群から選択され;
【0389】
Xaa
12は不在であるか、または、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、D−Asp、Gla、ベータ−ホモ−Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0390】
Xaa
13は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0391】
Xaa
14は、任意のアミノ酸である。
【0393】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0394】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0395】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0396】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0397】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0398】
Xaa
6は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;
【0399】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0400】
Xaa
8は、Thr、Val、Ile、Leu、hLeuおよびNleからなる群から選択され;
【0401】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0402】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0403】
Xaa
11は:Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Phe、Serおよび任意の置換された芳香族アミノ酸および対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0404】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、Gla、ベータ−ホモ−Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0406】
Xaa
14は、任意のアミノ酸である。
【0408】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0409】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0410】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0411】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0412】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0413】
Xaa
6は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;
【0414】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0415】
Xaa
8は、Thr、Val、Ile、Leu、hLeuおよびNleからなる群から選択され;
【0416】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0417】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0418】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Phe、およびSerからなる群から選択され;
【0419】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、Gla、ベータ−ホモ−Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0420】
Xaa
13は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0421】
Xaa
14は、任意のアミノ酸である。
【0423】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0424】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0425】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0426】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0427】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0429】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0430】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0431】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0432】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0433】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Phe、およびSerからなる群から選択され;
【0434】
Xaa
12は不在であるか、または、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ホモGlu、Asp、D−Asp、D−ホモGlu、Gla、ベータ−ホモ−Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0436】
Xaa
14は、任意のアミノ酸である。
【0438】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0439】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0440】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0441】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0442】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0444】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0445】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0446】
Xaa
9は、Leu、Nle、Cpa、Cba、ホモLeu、AocおよびN−Me−Leuからなる群から選択され;
【0447】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0448】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Phe、およびSerからなる群から選択され;
【0449】
Xaa
12は不在であるか、または、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ベータ−ホモ−Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Gluからなる群から選択され;
【0451】
Xaa
14は、任意のアミノ酸である。
【0453】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0454】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0455】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0456】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0457】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0459】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0460】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0462】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0463】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Phe、およびSerからなる群から選択され;
【0464】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、ベータ−ホモ−Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Glu、対応するD−アミノ酸およびアイソスターからなる群から選択され;
【0466】
Xaa
14は、任意のアミノ酸である。
【0468】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0469】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0470】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0471】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0472】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0474】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0475】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0477】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0478】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Phe、およびSerからなる群から選択され;
【0479】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Gluおよびベータ−ホモ−Gluからなる群から選択され;
【0481】
Xaa
14は、任意のアミノ酸である。
【0483】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0484】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0485】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0486】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0487】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0490】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0492】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0493】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、ホモPhe、N−Me−Phe、N−Me−Tyr、Ser、Sar、ジヒドロTrp、Ile、Leu、Ser、Arg、Thr、Sar、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Phe、およびSerからなる群から選択され;
【0494】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Gluおよびベータ−ホモ−Gluからなる群から選択され;
【0496】
Xaa
14は、任意のアミノ酸である。
【0498】
Xaa
1は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0499】
Xaa
2は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0500】
Xaa
3は不在であるか、または任意のアミノ酸であり;
【0501】
Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分または修飾されたホモSer、必要に応じてホモ−Ser−Clであり;
【0502】
Xaa
5は、N−Me−Argであり;
【0504】
Xaa
7は、AspまたはD−Aspであり;
【0505】
Xaa
8は、ThrまたはValであり;
【0507】
Xaa
10は、Pen、Cys、D−CysまたはホモCysであり;
【0508】
Xaa
11は、Trp、Phe、2−Nal、1−Nal、Tyr、His、Phe(4−F)、Phe(4−CF3)、Phe(4−CH3)、Phe(4−tBu)、Bip、Phe(4−COOH)、Gly、3,3−ジフェニルGly、3,3
−ジフェニルAla、Tic、b−ホモ−Trp、D−1−Nal、D−2−Nal、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、P
he(4−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Tyr(Me)、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)、β−Me−Phe、およびホモPheからなる群から選択され;
【0509】
Xaa
12は、任意の芳香族アミノ酸、Glu、D−Glu、N−Me−Glu、N−Me−Asp、アルファ−H−Gluおよびベータ−ホモ−Gluからなる群から選択され;
【0511】
Xaa
14は、任意のアミノ酸である。
【0512】
式(I)((I−A)〜(I−I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)を含む)または式(V)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、またはペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、Xaa
7はAspである。
【0513】
式(I)((I−A)〜(I−I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)
を含む)または式(V
)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、またはペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、ペプチドのN末端はアシル化される。
【0514】
式(I)((I−A)〜(I−I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)
を含む)または式(V
)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、またはペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、Xaa
14またはC末端アミノ酸は、遊離アミンを含まない。
【0515】
式(I)((I−A)〜(I−I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)
を含む)または式(V
)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、またはペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、Xaa
14またはC末端は、NH
2またはOHを含む。特定の実施形態では、Xaa
13はD−Lysであり、Xaa
14またはC末端はOHである。
【0516】
式(I)((I−A)〜(I−I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)
を含む)または式(V
)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、またはペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、ペプチドモノマーのC末端アミノ酸の遊離アミンは、例えばアセチル基でキャップされる。
【0517】
式(I)((I−A)、(I−I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)を含む)または式(V)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、またはペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、ペプチドモノマーまたはダイマーサブユニットは、Xaa
4とXaa
10との間に分子内チオエーテル結合を含む。ある特定の実施形態では、Xaa
4は2−メチルベンゾイル部分であり、Xaa
10はPenである。ある特定の実施形態では、Xaa
4はホモ−Ser−Clであり、Xaa
10は、Cys、D−CysまたはホモCysである。
【0518】
式(I)((I−A)〜(I−I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)を含む)または式(V)のものを非限定的に含む、本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、またはペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、Xaa
1、Xaa
2、Xaa
3、Xaa
5、Xaa
7、Xaa
8、Xaa
9、Xaa
11、Xaa
12、Xaa
13およびXaa
14の少なくとも1つは、N(アルファ)メチル化される。
【0519】
本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の場合には、Xaa
1〜Xaa
4およびXaa
11〜Xaa
14のいずれもアシル化される。例えば、一部の場合には、Xaa
1〜Xaa
4およびXaa
11〜Xaa
14の位置の1つまたは複数の残基は、2−me−トリフルオロブチル、トリフルオロペンチル、アセチル、オクトニル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、パルミチル、ラウリル、オレオイルおよびラウリル、トリフルオロメチル酪酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、テトラヒドロ−2H−ピラン−4カルボン酸、コハク酸およびグルタル酸からなる群から選択されるアシル化有機化合物でアシル化される。一部の場合には、小さいPEG(例えば、PEG4〜PEG13)が、アシル化の前のスペーサーとして用いられる。
【0520】
ある特定の実施形態では、式(I)((I−A)〜(I−I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)を含む)、もしくは式(II)もしくは式(V)もしくは式(VI)によって表されるペプチドモノマーもしくはペプチドダイマーサブユニット、または本明細書に記載される任意の他のペプチドのN末端は、式(I)、(I−A)、(I−B)および(I−C)または式(V)のXaa
1、Xaa
2およびXaa
3によって表されるように、1つから3つの適する基によって修飾されてもよい。N末端は、例えば、式(I)、式(V)、式(II)および式(VI)のペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットに関して本明細書に記載される通りに、さらにアシル化されてもよい。一部の場合には、N末端は、適するリンカー部分または他の修飾基をさらに含む。
【0521】
同様に、ある特定の実施形態では、式(I)((I−A)〜(I−I
)、(I−1)、(I−2)および(I−3)
を含む)、もしくは式(V)によって表されるペプチドモノマーもしくはダイマーサブユニット、または式(II)のペプチドモノマーもしくはペプチドダイマーサブユニット、または本明細書に記載される任意の他のペプチドのC末端は、適する基によって修飾されてもよい。例えば、C末端はアシル化されてもよい。一部の場合には、C末端は、本明細書に開示される、適するリンカー部分または修飾基をさらに含む。ある特定の実施形態では、C末端はNH
2またはOHを含む。
【0522】
一部の実施形態では、式(I)((I−1)〜(I−I
)、(I−1)、(I−2)および(I−3)
を含む)または式(V)のXaa
1、Xaa
2およびXaa
3は、不在である。特定の実施形態では、本明細書に記載されるいずれのペプチドダイマーサブユニットのXaa
1、Xaa
2およびXaa
3も、不在である。他の実施形態では、Xaa
1は不在であり、Xaa
2およびXaa
3は、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットのN末端を修飾するのに適する基を表す。さらに、一部の実施形態では、Xaa
1およびXaa
2は不在であり、Xaa
3は、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットのN末端を修飾するのに適する単一の基を表す。
【0523】
式(I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)または式(V)の一般式のペプチドモノマーおよびペプチドに引き続き関して、Xaa
1〜3は、任意の天然に存在するアミノ酸、適するアイソスターまたは対応するD−アミノ酸を含むことができる。一部の実施形態では、Xaa
1〜3の少なくとも1つは、不在である。例えば、一部の場合には、Xaa
1は不在であり、それによってXaa
2はN末端である。他の場合には、Xaa
1およびXaa
2は不在であり、それによってXaa
3はN末端である。さらに、一部の場合には、Xaa
1〜3は不在であり、それによってXaa
4はN末端である。一部の実施形態では、N末端残基はアシル化されるか、または遊離アミンを含む。一部の実施形態では、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットのN末端残基は、2−メチルベンゾイル部分(本明細書では2−ベンジルと略される)である。
【0524】
式(I)((I−A)〜(I−I
)、(I−1)、(I−2)および(I−3)
を含む)、もしくは式(V)のサブユニットを有するペプチドモノマーもしくはペプチドダイマー、または本明細書に記載される任意の他のペプチドのある特定の実施形態では、Xaa
10の直接C末端側にあるアミノ酸残基は、芳香族アミノ酸である。
【0525】
他の実施形態では、式(I)((I−A)〜(I−I)、(I−1)、(I−2)および(I−3)を含む)のペプチドモノマーもしくはペプチドダイマーサブユニット、または本明細書に記載される任意の他のペプチドのN末端残基は、適するリンカー部分、例えばリンカー部分、または、DIG、PEG4、PEG13、PEG25、PEG1K、PEG2K、PEG4K、PEG5K、400Daから40,000Daの分子量を有するポリエチレングリコール、40,000Daから80,000Daの分子量を有するPEG、IDA、Ac−IDA、ADA、グルタル酸、AADA、適する脂肪族酸、適する芳香族酸およびヘテロ芳香族酸からなる群から選択される修飾基をさらに含む。
【0526】
本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの様々な実施形態では、Xaa
1〜3によって表されるアミノ酸の1つまたは複数は、不在であっても、または任意の天然に存在するアミノ酸、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択されてもよい。Xaa
1およびXaa
2が不在であるとき、Xaa
3はN末端である。Xaa
1〜3が不在であるとき、Xaa
4はN末端である。
【0527】
一部の実施形態では、Xaa
4は、1つまたは2つの炭素の側鎖を有しかつXaa
10とチオエーテル結合を形成する、アミノ酸残基である。一部の場合には、Xaa
4は、修飾されたSer、修飾されたHSer、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。他の場合には、Xaa
4は、1つから4つの炭素を有しかつXaa
10とチオエーテル結合を形成する、脂肪族酸である。一部の場合には、Xaa
4は、Xaa
10とチオエーテル結合を形成する修飾された2−メチル基を有する、5または6員環の脂環式酸である。一部の実施形態では、Xaa
4は、2−メチルベンゾイル部分またはその修飾形である。ある特定の実施形態では、Xaa
4は、Cys、Pen、ホモCys、D−Pen、D−CysまたはD−ホモCysである。ある特定の実施形態では、Xaa
4は、2−クロロメチル安息香酸、2−クロロ酢酸、3−クロロ−プロパン酸、4−クロロ酪酸、3−クロロイソ酪酸、Ser(Cl)であり、Xaa
10は、Cys、Pen、D−Cys、ホモCysであり、分子内結合は、チオエーテル結合である。別のアミノ酸、例えばXaa
10との結合の結果、hSer(Cl)のClは除去されることを当業者は理解する。
【0528】
式(I)および(I−A)または式(V)のペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニット、ならびに本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーのいずれかの各実施形態について、モノマーペプチドまたはペプチドダイマーサブユニットの片方か両方のXaa
4とXaa
10との間に、チオエーテル結合が存在する。したがって、本発明のチオエーテルペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットは、チオエーテル結合を通して環化される。
【0529】
本明細書に記載されるペプチドのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
5は、N(アルファ)−Me−Arg、Arg、HArg、Dap、Dab、Arg−Me−sym、Arg−Me−asym、4−Guan、Cit、Cavおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
5は、N(アルファ)メチル化される。好ましくは、Xaa
5はN−Me−Argである。他の実施形態では、好ましくは、Xaa
5はArgである。
【0530】
本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、Xaa
6は、Ser、Gly、Thr、Ileおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。好ましくは、Xaa
6はSerである。本明細書に記載されるペプチドダイマーサブユニットのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
6は、Ser、Gly、Thr、Ileおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。本明細書に記載されるペプチドモノマーのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
6は、Ser、Glyおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。
【0531】
本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはダイマーのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
7は、Asp、N−Me−Asp、D−Asp、Asp(OMe)および適するアイソスター代替物からなる群から選択される。本明細書に記載されるペプチドダイマーのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
7は、Asp、N−Me−Asp、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
7は、N(アルファ)メチル化される。好ましくは、Xaa
7はAspである。
【0532】
本明細書に記載されるペプチドのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
8は、Thr、Gln、Ser、Asp、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Asn、Glu、Val、Tyr、Trp、Leu、Met、およびN−Me−Thrを含むN−メチルアミノ酸、および適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
8は、N(アルファ)メチル化される。好ましくは、Xaa
8はThrである。
【0533】
本明細書に記載されるペプチドのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
9は、Gln、Asn、Asp、Pro、Gly、Ala、Phe、Leu、Glu、Ile、Val、HLeu、n−ブチルAla、n−ペンチルAla、n−ヘキシルAla、Nle、シクロブチル−Ala、N−Me−Leuおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
9は、N(アルファ)メチル化される。ある特定の実施形態では、Xaa
9はLeuである。
【0534】
本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
10は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、PenおよびD−Penからなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
10は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCysおよびPenからなる群から選択される。一実施形態では、Xaa
10はPenである。別の実施形態では、Xaa
10は好ましくはCysである。
【0535】
本明細書に記載されるペプチドのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
11は不在であるか、またはXaa
11は、Gly、Gln、Asn、Asp、Ala、Ile、Leu、Val、Met、Thr、Lys、Trp、Tyr、His、Glu、Ser、Arg、Pro、Phe、Sar、1−Nal、2−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、HPhe、Phe(4−F)、O−Me−Tyr、ジヒドロ−Trp、D−Phe、D−Tyr、Dap、Dab、Dab(Ac)、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、D−Dap、D−Dab、Bip、Ala(3,3
−ジフェニル)、ビフェニル−Ala、芳香環置換Phe、芳香環置換Trp、芳香環置換His、ヘテロ芳香族アミノ酸、N−Me−Lys、N−Me−Lys(Ac)、4−Me−Pheおよび対応するD−アミノ酸および適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
11は好ましくはTrpである。一部の他の実施形態では、Xaa
11はPheである。一部の実施形態では、Xaa
11は、F(4tBu)、F(4−COOH)、Bip、1−Nalまたは2−Nalである。本明細書に記載されるペプチドモノマーの特定の実施形態では、Xaa
11は、N(アルファ)メチル化される。本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットのある特定の実施形態では、Xaa
11はPheである。一部の実施形態では、Xaa
11は、N(アルファ)メチル化される。さらに、一部の実施形態では、Xaa
11はアシル化される。
【0536】
本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットの少なくとも1つの実施形態では、Xaa
11は不在であり、Xaa
10はC末端である。Xaa
12〜14が不在であるとき、Xaa
11はサブユニットのC末端である。Xaa
11がサブユニットのC末端であるとき、Xaa
11は、本発明による適するリンカー部分を含むように修飾することができる。
【0537】
本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーの一部の実施形態では、Xaa
12は不在であるか、またはXaa
12は、Glu、Lys、COOH、CONH
2、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Phe、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。本明細書に記載されるペプチドダイマーの一部の実施形態では、Xaa
12は不在であるか、またはXaa
12は、Glu、Lys、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Phe、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、Xaa
12は、Glu、D−Glu、β−HGluまたはAspである。一部の実施形態では、Xaa
12はβ−Hgluである。
【0538】
本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーの一部の実施形態では、Xaa
13およびXaa
14は不在であり、Xaa
12はサブユニットのC末端である。本明細書に記載されるペプチドダイマーの一部の実施形態では、Xaa
12がサブユニットのC末端であるとき、Xaa
12は、本発明による適するリンカー部分を含むように修飾することができる。
【0539】
本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ペプチドダイマーまたはそのサブユニット)のいずれかの一部の実施形態では、Xaa
13は不在であるか、またはXaa
13は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。本明細書に記載されるペプチドモノマーの一部の実施形態では、Xaa
13は不在であるか、またはXaa
13は、COOHおよびCONH
2から選択される。少なくとも1つの実施形態では、Xaa
13はLysである。さらになお一部の実施形態では、Xaa
13はD−Lysである。本明細書に記載されるペプチドダイマーサブユニットの一部の実施形態では、Xaa
14が不在であるとき、Xaa
13はC末端であり、Xaa
13がサブユニットのC末端であるとき、Xaa
13は、本発明による適するリンカー部分を含むように修飾することができる。
【0540】
さらに、本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはダイマーサブユニットの一部の実施形態では、Xaa
14は不在であるか、またはXaa
14は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、COOH、CONH
2、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスター、対応するD−アミノ酸および対応するN−メチルアミノ酸からなる群から選択される。さらに、本明細書に記載されるペプチドダイマーサブユニットの一部の実施形態では、Xaa
14は不在であるか、またはXaa
14は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスター、対応するD−アミノ酸および対応するN−メチルアミノ酸からなる群から選択される。本明細書に記載されるペプチドモノマーおよびダイマーサブユニットの少なくとも1つの実施形態では、Xaa
14は、Lys、D−LysまたはN−Me−Lysである。本発明のペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットの一部の実施形態では、Xaa
14は、Cys、ホモCysまた
はPenである。本発明のペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットの一部の実施形態では、Xaa
14は、Cys、D−Cys、ホモCys、PenまたはD−Penである。
【0541】
本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはダイマーサブユニットのいずれかの一部の実施形態では、Xaa
12は存在し、Xaa
13は不在であり、Xaa
14は存在する。特定の実施形態では、Xaa
11は、Phe(4tBu)、Phe(4−COOH)、Bip、2−Nalまたは1−Nalであり、Xaa
12はGluまたはβ−ホモGluであり、Xaa
13は不在であり、Xaa
14はD−LysまたはN−Me−Lysである。
【0542】
本明細書に記載されるダイマーサブユニットの少なくとも1つの実施形態では、Xaa
14はC末端であり、Xaa
14がサブユニットのC末端であるとき、Xaa
14は、本発明によるリンカー部分を含むように修飾することができる。
【0543】
本明細書に記載される、式(I)のペプチドモノマーおよびダイマーを含む、ペプチドモノマーおよびペプチドダイマーサブユニットの少なくとも1つの実施形態では、Xaa
11〜14は不在であり、それによってXaa
10はC末端である。Xaa
12〜14が不在であるとき、Xaa
11はC末端である。同様に、Xaa
13およびXaa
14が不在であるとき、Xaa
12はC末端である。さらに、Xaa
14が不在であるとき、Xaa
13はC末端である。一部の実施形態では、チオエーテルペプチドモノマーまたはダイマーサブユニットのC末端は、本発明による適するリンカー部分(例えばリンカー部分)または修飾基を含むように修飾される。
【0544】
本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはダイマーサブユニット(例えば、式(I)のペプチドモノマーおよびダイマー)のいずれかのある特定の実施形態では、Xaa
1、Xaa
2およびXaa
3は不在であり、ペプチドのN末端は、Xaa
10とチオエーテル結合を形成することが可能である芳香族基を含む。一部の実施形態では、Xaa
4は、Xaa
5とアミド結合を形成する2−メチルベンゾイル部分を含み、Xaa
10とチオエーテル結合を形成するメチル基をさらに含む。2−メチルベンゾイル部分は、例えば
図4に示すように、R1〜R4によって表される置換基R基をさらに含む。
【0545】
本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはダイマーの一部の場合には、Xaa
1の少なくとも1つの置換基R基は遊離アミンであり、それによって、例えば式(I)または式(I−1)のチオエーテルモノマーまたはダイマーペプチドのN末端は、延長することができる。他の場合には、R1〜R4によって表される1つまたは複数の置換基は、水素、メチル基、フルオロカーボン基、炭化水素、Cl、CF3、OMe、OEt、CONH
2、芳香族基、小さいペグ化基、末端修飾基、アシル化、遊離アミンおよび酸からなる群から選択される。一部の実施形態では、R1〜R4によって表される1つまたは複数の置換基は、水素、メチル基、フルオロカーボン基、炭化水素、Cl、CF3、OMe、OEt、CONH
2、CH3、CH2CH3、芳香族基、小さいペグ化基、末端修飾基、アシル化、遊離アミンおよび酸からなる群から選択される。
【0546】
式(I)、(I−1)、(I−2)、(I−3)、(V)または(I−A)〜(I−I)または式(V)のいずれか1つの構造を含むそれらを含む、本明細書のペプチドのいずれかの特定の実施形態では、チオエーテル結合は逆順であり、したがって、Xaa
4に示すアミノ酸残基および化学部分はXaa
10に代わりに存在し、Xaa
10に示すアミノ酸残基はXaa
4に代わりに存在する。この逆の配向では、位置Xaa
10のアミノ酸または化学部分は、遊離アミンを含むものである。
【0547】
本明細書に記載されるペプチドモノマーおよびダイマーサブユニットの一部の実施形態では、本明細書に記載される式(I)または式(V)または任意のペプチドモノマーまたはペプチドダイマーのC末端残基は、修飾基または適するリンカー部分、例えば、DIG、PEG4、PEG13、PEG25、PEG1K、PEG2K、PEG4K、PEG5K、400Daから40,000Daの分子量を有するポリエチレングリコール、40,000Daから80,000Daの分子量を有するPEG、IDA、Ac−IDA、ADA、グルタル酸、コハク酸、イソフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、AADA、適する脂肪族酸、適する芳香族酸、ヘテロ芳香族酸からなる群から選択される修飾基またはリンカーをさらに含む。他のリンカーの例が本明細書に記載され、表2に示すリンカーが限定されずに含まれる。
【0548】
ここで
図4に関して、本発明の1つの態様は、式(II):
Xaa
1−Xaa
2−Xaa
3−Xaa
4−Xaa
5−Xaa
6−Xaa
7−Xaa
8−Xaa
9−Xaa
10−Xaa
11(配列番号2)による構造を含むチオエーテルペプチドモノマーまたはダイマー(またはペプチドダイマー分子のサブユニット)、または薬学的に許容され得るその塩に関し、ここで、ペプチドモノマーまたはチオエーテルペプチドダイマーの各サブユニットはXaa
1とXaa
7との間にチオエーテル結合を含む。
【0549】
式(II)によって表されるペプチドモノマーまたはダイマーサブユニットのN末端は、Xaa
7とチオエーテル結合を形成することが可能である芳香族基を含む。一部の実施形態では、Xaa
1は、Xaa
2とアミド結合を形成する2−メチルベンゾイル部分を含み、Xaa
7とチオエーテル結合を形成するメチル基をさらに含む。2−メチルベンゾイル部分は、例えば
図4に示すように、本明細書に記載されるものを含む、R1〜R4によって表される置換基R基をさらに含むことができる。
【0550】
一部の場合には、Xaa
1の少なくとも1つの置換基R基は遊離アミンであり、それによって、式(II)のチオエーテルペプチドのN末端は、延長することができる。他の場合には、R1〜R4によって表される1つまたは複数の置換基は、水素、メチル基、フルオロカーボン基、炭化水素、Cl、CF3、OMe、OEt、CONH
2、芳香族基、小さいペグ化基、末端修飾基、アシル化、遊離アミンおよび酸からなる群から選択される。
【0551】
式(II)または式(VI)の各実施形態については、Xaa
1とXaa
7との間にチオエーテル結合が存在する。したがって、本発明のチオエーテルペプチドモノマーおよびダイマーサブユニットは、チオエーテル結合を通して環化される。一実施形態では、Xaa
7はCysである。別の実施形態では、好ましくは、Xaa
7はPenである。他の実施形態では、Xaa
7は、D−CysまたはホモCysである。
【0552】
本明細書に記載されるペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ダイマーまたはダイマーサブユニット)の一部の実施形態では、Xaa
1は、アシル化有機化合物を通してアシル化することが可能であるR基を含む。他の場合には、ペプチドダイマーサブユニットのXaa
1は、適するリンカー部分で修飾することが可能であるR基を含み、それによって、式(I)による2つのペプチドダイマーサブユニットのN末端は二量体化することができる。ある特定の実施形態では、Xaa
1は2−メチルベンゾイル部分である。
【0553】
本発明の式(II)または式(VI)ペプチド(例えば、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーまたはそのサブユニット)の特定の実施形態では、Xaa
1は、Xaa
7とチオエーテル結合を形成することが可能である修飾されたホモSerまたは修飾されたSer基であり、Xaa
7は、Cys、Pen、D−Cys、ホモCysである。N末端残基は、修飾基または適するリンカー部分、例えば、DIG、PEG4、PEG13、PEG25、PEG1K、PEG2K、PEG4K、PEG5K、400Daから40,000Daの分子量を有するポリエチレングリコール、40,000Daから80,000Daの分子量を有するPEG、IDA、Ac−IDA、ADA、グルタル酸、コハク酸、イソフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、AADA、適する脂肪族酸、適する芳香族酸、ヘテロ芳香族酸からなる群から選択される修飾基またはリンカーをさらに含む。他のリンカーの例が本明細書に記載され、表3に示すリンカーが限定されずに含まれる。
【0554】
式(II)の各実施形態については、Xaa
2は、N(アルファ)−Me−Arg、Arg、HArg、Dap、Dab、Arg−Me−sym、Arg−Me−asym、4−Guan、Cit、Cavおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
2は、N(アルファ)メチル化される。好ましくは、Xaa
2はN−Me−Argである。他の実施形態では、好ましくは、Xaa
2はArgである。
【0555】
式(II)の各実施形態については、Xaa
3は、Ser、Glyおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。好ましくは、Xaa
3はSerである。
【0556】
式(II)の各実施形態については、Xaa
4は、Asp、N−Me−Asp、Asp(OMe)、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
4は、N(アルファ)メチル化される。一部の実施形態では、Xaa
4は、AspまたはN−Me−Aspである。一部の実施形態では、Xaa
4はAspである。
【0557】
式(II)の各実施形態については、Xaa
5は、Thr、Gln、Ser、Asp、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Asn、Glu、Val、Tyr、Trp、Leu、Met、およびN−Me−Thrを含むN−メチルアミノ酸、および適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
5は、N(アルファ)メチル化される。一部の実施形態では、Xaa
5は、Thr、Gln、Ser、Asp、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Asn、Glu、Val、Tyr、Trp、Leu、Met、およびN−Me−Thrを含むN−メチルアミノ酸、および適するアイソスター代替物からなる群から選択される。好ましくは、Xaa
5はThrである。
【0558】
式(II)の各実施形態については、Xaa
6は、Gln、Asn、Asp、Pro、Gly、Ala、Phe、Leu、Glu、Ile、Val、HLeu、n−ブチルAla、n−ペンチルAla、n−ヘキシルAla、Nle、シクロブチル−Ala、N−Me−Leuおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
6は、Gln、Asn、Asp、Pro、Gly、Ala、Phe、Leu、Glu、Ile、Val、HLeu、n−ブチルAla、n−ペンチルAla、n−ヘキシルAla、Nle、シクロブチル−Ala、N−Me−Leuおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
6は、N(アルファ)メチル化される。好ましくは、Xaa
6はLeuである。
【0559】
式(II)の各実施形態については、Xaa
7は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、PenおよびD−Penからなる群から選択される。好ましくは、一実施形態では、Xaa
7はPenである。別の実施形態では、Xaa
7は好ましくはCysである。
【0560】
式(II)の各実施形態については、Xaa
8は、Gly、Gln、Asn、Asp、Ala、Ile、Leu、Val、Met、Thr、Lys、Trp、Tyr、His、Glu、Ser、Arg、Pro、Phe、Sar、1−Nal、2−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、D−Phe、D−Tyr、HPhe、Phe(4−F)、O−Me−Tyr、ジヒドロ−Trp、Dap、Dab、Dab(Ac)、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、Bip、Ala(3,3
−ジフェニル)、ビフェニル−Ala、芳香環置換Phe、芳香環置換Trp、芳香環置換His、ヘテロ芳香族アミノ酸、N−Me−Lys、N−Me−Lys(Ac)、4−Me−Phe、および対応するD−アミノ酸および適するアイソスター代替物からなる群から選択される。他の実施形態では、Xaa
8は、N(アルファ)メチル化される。さらに、一部の実施形態では、Xaa
8は、アシル化される。本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーの一部の実施形態では、Xaa
8は不在である。
【0561】
式(II)または式(VI)のペプチドダイマーサブユニットの特定の実施形態では、Xaa
9〜11は不在であり、Xaa
8はサブユニットのC末端である。Xaa
8がサブユニットのC末端であるとき、Xaa
8は、本発明による適するリンカー部分を含むように修飾することができる。
【0562】
式(II)または式(VI)のペプチドモノマーおよびダイマーサブユニットの一部の実施形態では、Xaa
9は不在であるか、またはXaa
9は、Glu、アミド、Lys、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、COOH、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、D−Phe、D−Tyr、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−N−Me−Lys
、D−Dap、D−Dab、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはダイマーサブユニットの特定の実施形態では、Xaa
9は不在であるか、またはCOOHである。ある特定の実施形態では、Xaa
9は、Glu、D−Glu、β−HGluまたはAspである。
【0563】
ペプチドダイマーサブユニットの一部の実施形態では、Xaa
10およびXaa
11が不在であるとき、Xaa
9はサブユニットのC末端である。Xaa
9がサブユニットのC末端であるとき、Xaa
9は、本発明による適するリンカー部分を含むように修飾することができる。
【0564】
式(II)または式(VI)の各実施形態については、Xaa
10は不在であってもよく、またはXaa
10は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、D−N−Me−Lys
、N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、Xaa
10はLysである。さらになお一部の実施形態では、Xaa
10はD−Lysである。本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーの特定の実施形態では、Xaa
10は、COOHまたはCONH
2である。
【0565】
式(II)または式(VI)を含むペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットのある特定の実施形態では、Xaa
11が不在であるとき、Xaa
10はC末端である。Xaa
10がサブユニットのC末端であるとき、Xaa
10は、本発明による適するリンカー部分を含むように修飾することができる。さらに一部の実施形態では、Xaa
11は不在であるか、またはGln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、D−N−Me−Lys、N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、Xaa
10はLysである。さらになお一部の実施形態では、Xaa
10はD−Lysである。ペプチドモノマーの一部の実施形態では、Xaa
10は、COOHまたはCONH
2である。
【0566】
ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットのある特定の実施形態では、Xaa
11はC末端である。Xaa
11がサブユニットのC末端であるとき、Xaa
11は、本発明によるリンカー部分を含むように修飾することができる。
【0567】
本発明のペプチドモノマーの少なくとも1つの実施形態では、Xaa
8〜11は不在であり、それによってXaa
7はC末端である。
【0568】
式(II)を含むペプチドモノマーおよびダイマーサブユニットの特定の実施形態では、Xaa
9〜11が不在であるとき、Xaa
8は、C末端である。同様に、ある特定の実施形態では、Xaa
10およびXaa
11が不在であるとき、Xaa
9はC末端である。さらに、Xaa
11が不在であるとき、Xaa
10はC末端である。一部の実施形態では、チオエーテルペプチドのC末端は、本発明による修飾基を含むように修飾される。一部の実施形態では、チオエーテルペプチドモノマーまたはダイマーサブユニットのC末端は、NH
2またはOHを含む。
【0569】
式(II)、(II−A)、(A)、(III)、または(IV)または式(VI)のいずれか1つの構造を含むそれらを含む、本明細書のペプチドのいずれかの特定の実施形態では、チオエーテル結合は逆順であり、したがって、Xaa
1に示すアミノ酸残基および化学部分はXaa
7に代わりに存在し、Xaa
7に示すアミノ酸残基はXaa
1に代わりに存在する。この逆の配向では、位置Xaa
7のアミノ酸または化学部分は、遊離アミンを含むものである。
【0570】
式(II)または式(VI)を含むペプチドのある特定の実施形態では、
【0571】
Xaa
1は、Xaa
7とチオエーテル結合を形成することが可能な2−Me−ベンゾイル基であり;
【0572】
Xaa
2は、N(アルファ)−Me−Arg、Arg、HArg、Dap、Dab、Arg−Me−sym、Arg−Me−asym、4−Guan、Cit、Cavおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0573】
Xaa
3は、Ser、Glyおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0574】
Xaa
4は、Asp、N−Me−Asp、Asp(OMe)、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0575】
Xaa
5は、Thr、Gln、Ser、Asp、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Asn、Glu、Val、Tyr、Trp、Leu、Met、およびN−Me−Thrを含むN−メチルアミノ酸、および適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0576】
Xaa
6は、Gln、Asn、Asp、Pro、Gly、Ala、Phe、Leu、Glu、Ile、Val、HLeu、n−ブチルAla、n−ペンチルAla、n−ヘキシルAla、Nle、シクロブチル−Ala、N−Me−Leuおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0577】
Xaa
7は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、PenおよびD−Penからなる群から選択され;
【0578】
Xaa
8は、不在、Gly、Gln、Asn、Asp、Ala、Ile、Leu、Val、Met、Thr、Lys、Trp、Tyr、His、Glu、Ser、Arg、Pro、Phe、Sar、1−Nal、2−Nal、HPhe、Phe(4−F)、O−Me−Tyr、ジヒドロ−Trp、Dap、Dab、Dab(Ac)、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、D−Dap、D−Dab、Bip、Ala(3,3
−ジフェニル)、ビフェニル−Ala、芳香環置換Phe、芳香環置換Trp、芳香環置換His、ヘテロ芳香族アミノ酸、N−Me−Lys、N−Me−Lys(Ac)、4−Me−Phe、および対応するD−アミノ酸および適するアイソスター代替物からなる群から選択され;
【0579】
Xaa
9は、不在、Glu、アミド、Lys、COOH、CONH
2、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−Dap、D−Dab、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0580】
Xaa
10は、不在、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH
2、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され;
【0581】
Xaa
11は、不在、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH
2、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択され、ペプチドは、Xaa
1とXaa
7との間にチオエーテル結合をさらに含む。
【0582】
本発明の別の態様は、式(II−A)(配列番号45)、
Xaa
1−Xaa
2−Xaa
3−Xaa
4−Xaa
5−Xaa
6−Xaa
7−Xaa
8−Xaa
9−Xaa
10−Xaa
11(式II−A))による構造を含むチオエーテルペプチドモノマーまたはダイマー化合物の各サブユニット、または薬学的に許容され得るその塩に関し、ここで、ペプチドは、Xaa
1とXaa
7との間にチオエーテル結合を含み、式中:
【0583】
式(II−A)によって表されるペプチドのXaa
1(または、N末端)は、Xaa
7とチオエーテル結合を形成することが可能である基、例えば必要に応じて芳香族基を含む。一部の実施形態では、Xaa
1は、Xaa
2とアミド結合を形成する2−メチルベンゾイル部分を含み、Xaa
7とチオエーテル結合を形成するメチル基をさらに含む。2−メチルベンゾイル部分は、R1〜R4によって表される置換基R基をさらに含み、一部の場合には、Xaa
1の少なくとも1つの置換基R基は遊離アミンであり、それによって、式(II−A)のチオエーテルペプチドのN末端は、延長することができ、他の場合には、R1〜R4によって表される1つまたは複数の置換基は、水素、メチル基、フルオロカーボン基、炭化水素、Cl、CF3、OMe、OEt、CONH
2、芳香族基、小さいペグ化基、末端修飾基、アシル化、遊離アミンおよび酸からなる群から選択される。特定の実施形態では、式(II−A)はペプチドモノマーまたはペプチドダイマーサブユニットを対象とし、Xaa
1は、修飾されたSerまたは修飾されたホモSer、例えばホモ−Ser−Clである。一部の実施形態では、式(II−A)はペプチドダイマーサブユニットを対象とし、Xaa
4は修飾されたホモ−Serであり、Xaa
10は、Cys、D−CysまたはホモCysである。
【0584】
式(II−A)の各実施形態については、Xaa
2は、N(アルファ)−Me−Arg、Arg、HArg、Dap、Dab、Arg−Me−sym、Arg−Me−asym、4−Guan、Cit、Cavおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
2は、N(アルファ)メチル化される。好ましくは、Xaa
2はN−Me−Argである。他の実施形態では、好ましくは、Xaa
2はArgである。
【0585】
式(II−A)の各実施形態については、Xaa
3は、Ser、Gly、Thr、Ileおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。好ましくは、Xaa
3はSerである。
【0586】
ペプチドモノマーを対象とする式(II−A)の実施形態については、Xaa
4は、Asp、N−Me−Asp、Asp(OMe)、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。式(II−A)の実施形態については、Xaa
4は、Asp、N−Me−Asp、D−Aspおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。ペプチドモノマーおよびダイマーサブユニットの一部の実施形態では、Xaa
4は、N(アルファ)メチル化される。好ましくは、Xaa
4はAspである。
【0587】
式(II−A)の各実施形態については、Xaa
5は、Thr、Gln、Ser、Asp、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Asn、Glu、Val、Tyr、Trp、Leu、Met、およびN−Me−Thrを含むN−メチルアミノ酸、および適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
5は、N(アルファ)メチル化される。好ましくは、Xaa
5はThrである。
【0588】
式(II−A)の各実施形態については、Xaa
6は、Gln、Asn、Asp、Pro、Gly、Ala、Phe、Leu、Glu、Ile、Val、HLeu、n−ブチルAla、n−ペンチルAla、n−ヘキシルAla、Nle、シクロブチル−Ala、N−Me−Leuおよび適するアイソスター代替物からなる群から選択される。一部の実施形態では、Xaa
6は、N(アルファ)メチル化される。一部の実施形態では、Xaa
6はLeuである。
【0589】
式(II−A)の各実施形態については、Xaa
7は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、Pen、D−PenおよびPen(=O)からなる群から選択される。好ましくは、一実施形態では、Xaa
7はPenである。別の実施形態では、Xaa
7は好ましくはCysである。式(II−A)のペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ダイマーまたはそのサブユニット)の特定の実施形態では、Xaa
7は、Xaa
1とチオエーテル結合を形成することが可能である。式(II−A)のペプチド(例えば、ペプチドモノマー、ダイマーまたはそのサブユニット)の一部の実施形態では、Xaa
7は、Cys、D−CysまたはホモCysである。
【0590】
式(II−A)の各実施形態については、Xaa
8は不在であるか、またはXaa
8は、Gly、Gln、Asn、Asp、Ala、Ile、Leu、Val、Met、Thr、Lys、Trp、Tyr、His、Glu、Ser、Arg、Pro、Phe、Sar、1−Nal、2−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、D−Phe、D−Tyr、HPhe、Phe(4−F)、O−Me−Tyr、ジヒドロ−Trp、Dap、Dab、Dab(Ac)、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、D−N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、Bip、Ala(3,3−ジフェニル)、ビフェニル−Ala、Phe(4tBu)、Phe(4−OMe)、Phe(4−COOH)、Phe(2−カルボミル)、Phe(3−カルボミル)、Phe(CF3)、Phe(2,4−ジCl)、Phe(3,4−ジCl)、Aic、N−Me−Tyr、N−Me−Phe、Tic、Phe(4CF3)、芳香環置換Phe、芳香環置換Trp、芳香環置換His、ヘテロ芳香族アミノ酸、N−Me−Lys、N−Me−Lys(Ac)、4−Me−Pheおよび対応するD−アミノ酸および適するアイソスター代替物からなる群から選択される。他の実施形態では、Xaa
8はN(アルファ)メチル化される。さらに、一部の実施形態では、Xaa
8はアシル化される。
【0591】
式(II−A)の一部の実施形態では、Xaa
9は不在であるか、またはXaa
9は、Glu、アミド、Lys、COOH、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、D−Phe、D−Tyr、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−N−Me−Lys
、D−Dap、D−Dab、O−Me−Glu、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。好ましくは、Xaa
9は、Glu、D−Glu、β−HGlu、Asp、D−His、F(4−COOH)、Tic、D−Trp、D−Leu、D−Arg、D−Thrである。
【0592】
式(II−A)の特定の実施形態については、Xaa
10は不在であるか、または任意のアミノ酸であってもよい。ある特定の実施形態については、Xaa
10は不在であってもよく、またはXaa
10は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、D−N−Me−Lys、N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH2、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、Xaa
10はLysである。さらになお一部の実施形態では、Xaa
10はD−Lysである。
【0593】
さらに、ペプチドモノマーを対象とする式(II−A)の特定の実施形態では、Xaa
11は不在であるか、または任意のアミノ酸である。ペプチドモノマーを対象とするある特定の実施形態では、Xaa
11は、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、D−N−Me−Lys、N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、COOH、CONH2、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、Xaa
11はLysである。さらになお一部の実施形態では、Xaa
11はD−Lysである。
【0594】
ペプチドダイマーサブユニットを対象とする式(II−A)の特定の実施形態では、Xaa
11は不在であるか、またはGln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Glu、Ser、Asn、Gla、Dap、Dab、Orn、D−Orn、D−Lys、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、D−N−Me−Lys、N−Me−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモSys、Pen、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸、および遊離アミン基を含むアミノ酸からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、Xaa
11はLysである。さらになお一部の実施形態では、Xaa
11はD−Lysである。少なくとも1つの実施形態では、Xaa
11はC末端である。Xaa
11がサブユニットのC末端であるとき、Xaa
11は、本発明によるリンカー部分を含むように修飾することができる。
【0595】
式(II−A)の特定の実施形態については、Xaa
9はO−Me−Gluではなく、不在であるか、またはGlu、アミド、Lys、COOH、Gln、Pro、Gly、His、Ala、Ile、Phe、Lys、Arg、Leu、Val、Tyr、Trp、Met、Gla、Ser、Asn、D−Glu、β−HGlu、2−Nal、1−Nal、D−1−Nal、D−2−Nal、D−Phe、D−Tyr、D−Asp、Bip、β−HPhe、β−Glu、D−Tyr、D−Lys、Dap、Dab、Orn、D−Orn、N−Me−Orn、N−Me−Dap、N−Me−Dab、N−Me
−Lys、D−N−Me−Lys
、D−Dap、D−Dab、O−Me−Glu、適するアイソスターおよび対応するD−アミノ酸からなる群から選択される。
【0596】
ペプチドモノマーおよびダイマーサブユニット、例えば式(II)または(VI)のそれらの特定の実施形態では、Xaa
8〜11は不在であり、それによってXaa
7はC末端である。Xaa
9〜11が不在であるとき、Xaa
8はC末端である。同様に、Xaa
10およびXaa
11が不在であるとき、Xaa
9はC末端である。さらに、Xaa
11が不在であるとき、Xaa
10はC末端である。ある特定の実施形態では、Xaa
8〜10は不在であり、Xaa
11はC末端である。ある特定の実施形態では、Xaa
8は存在し、Xaa
9〜10は不在であり、Xaa
11はC末端である。ある特定の実施形態では、Xaa
8およびXaa
9は存在し、Xaa
10は不在であり、Xaa
11はC末端である。ペプチドモノマーまたはダイマーの一部の実施形態では、チオエーテルペプチドのC末端は、本発明による修飾基またはリンカーを含むように修飾される。
【0597】
式(II−A)のある特定の実施形態については、Xaa
1とXaa
7との間にチオエーテル結合が存在する。したがって、本発明のチオエーテルペプチドは、チオエーテル結合を通して環化され得る。一実施形態では、Xaa
7はCysである。別の実施形態では、好ましくは、Xaa
7はPenである。他の実施形態では、Xaa
7は、D−Cysまたはホモ−Cysである。ある特定の実施形態では、Xaa
1はホモ−Ser−Clであり、Xaa
7は、Cys、D−CysまたはホモCysである。
【0598】
ペプチドモノマーの一部の実施形態では、式(II)または(II−A)のC末端残基は、DIG、PEG4、PEG13、PEG25、PEG1K、PEG2K、PEG4K、PEG5K、400Daから40,000Daの分子量を有するポリエチレングリコール、40,000Daから80,000Daの分子量を有するPEG、IDA、Ac−IDA、ADA、グルタル酸、イソフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、AADA、適する脂肪族酸、適する芳香族酸、ヘテロ芳香族酸からなる群から選択される修飾基をさらに含む。一部の実施形態では、チオエーテルペプチドのC末端は、NH
2またはOHを含む。
【0599】
本発明のペプチドモノマーの一部の実施形態は、配列番号1〜32の少なくとも1つによって表される、N(アルファ)−Me−Arg残基を含むペプチド分子を含む。
【0600】
一実施形態では、本発明のチオエーテルペプチドは、式(A)(配列番号48):
Xaa
1−Xaa
2−Xaa
3−Xaa
4−Xaa
5−Xaa
6−Xaa
7−Xaa
8−Xaa
9−Xaa
10(式(A))の1つまたは2つのペプチドダイマーサブユニットもしくはペプチドモノマー、または薬学的に許容され得るその塩を含み、
【0601】
Xaa
1は、2−メチルベンゾイル部分などの、Xaa
7とチオエーテル結合を形成することが可能な芳香族基を含み;
【0602】
Xaa
2は、N−メチル−Argであり;
【0603】
Xaa
3は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;
【0604】
一部の実施形態では、式(A)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
3は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;
【0605】
他の実施形態では、式(A)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
3はSerであり;
【0608】
Xaa
6は、LeuまたはNleであり;
【0609】
Xaa
7は、Cys、D−Cys、HcysまたはPenであり;
【0610】
Xaa
8は、Trp、Tic、Bip、1−Nal、2−Nal、Phe(4tBu)またはPhe(4−COOH)であり;
【0611】
Xaa
9は、Glu、β−ホモ−GluまたはD−Gluであり;
【0612】
式(A)はペプチドモノマーを対象とし、Xaa
10は任意のアミノ酸であり;または、式(A)はペプチドダイマーサブユニットを対象とし、Xaa
10は、Lys、D−Lys、N−Me−LysまたはD−N−Me−Lysであり;
【0613】
ペプチド分子は、Xaa
1とXaa
7との間にチオエーテル結合を含む。
【0614】
式(A)の特定の実施形態では、Xaa
10は、D−LysまたはN−Me−Lysである。
【0615】
ある特定の実施形態では、Xaa
10またはペプチドのC末端は、NH
2またはOHを含む。
【0616】
ペプチドモノマーのある特定の実施形態では、C末端アミノ酸の遊離アミンは、例えばアセチル基でキャップされる。
【0617】
本発明の例示的なチオエーテルペプチドダイマー(およびそのサブユニット)およびペプチドモノマーは、付随する図および配列表に示す。
【0618】
ある特定の実施形態では、本発明のチオエーテルペプチドモノマー、ダイマーまたはダイマー、必要に応じてホモダイマーのペプチドサブユニットは、式(III)(配列番号46):
Xaa
1−Xaa
2−Xaa
3−Xaa
4−Xaa
5−Xaa
6−Xaa
7−Xaa
8−Xaa
9−Xaa
10(式(III)、
【0619】
または薬学的に許容され得るその塩を含み、チオエーテルペプチドは、ペプチドモノマーまたは片方もしくは両方のペプチドモノマーサブユニットのXaa
1とXaa
7との間にチオエーテル結合を含み、ペプチドダイマーの式(III)の2つのサブユニットは、リンカー、例えばDIGを通してそれらのC末端で二量体化され、式中、
【0620】
Xaa
1は、2−メチルベンゾイルであり;
【0621】
Xaa
2は、N−Me−Argであり;
【0622】
Xaa
3は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;または
【0625】
Xaa
6は、LeuまたはNleであり;または
【0626】
Xaa
7は、Pen、Cysまたはd−Cysであり;または
【0627】
Xaa
8は、Phe、D−Phe、Tyr、Bip、Tic、1−Nal、2−NalまたはTrpであり;
【0628】
Xaa
9は、D−Glu、Glu、Tyr、b−ホモ−Gluまたは2−Nalであり;
【0629】
Xaa
10は、D−Lys、N−Me−D−Lys、Dap、Phe、D−Pheまたは不在である。
【0630】
ある特定の実施形態では、式(III)はペプチドモノマーを対象とし、式中:
【0631】
Xaa
1は、2−メチルベンゾイルであり;
【0632】
Xaa
2は、N−Me−Argであり;
【0633】
Xaa
3は、Ser、Gly、ThrまたはIleであり;
【0636】
Xaa
6は、LeuまたはNleであり;
【0637】
Xaa
7は、Pen、Cysまたはd−Cysであり;
【0638】
Xaa
8は、Phe、D−Phe、Tyr、1−Nal、2−NalまたはTrpであり;
【0639】
Xaa
9は、D−Glu、Glu、Tyr、b−ホモ−Gluまたは2−Nalであり;
【0640】
Xaa
10は、D−Lys、N−Me−D−Lys、Dap、Phe、D−Pheまたは不在である。
【0641】
ある特定の実施形態では、式(III)はペプチドダイマーサブユニットを対象とし、式中:
【0642】
Xaa
1は、2−メチルベンゾイルであり;
【0643】
Xaa
2は、N−Me−Argであり;
【0648】
Xaa
7は、PenまたはCysであり;
【0649】
Xaa
8は、Phe、Tyr、Bip、Tic、2−NalまたはTrpであり;
【0652】
ペプチドモノマーのある特定の実施形態では、Xaa
10はアセチル化されるか、または修飾基、例えばPEG8を含む。
【0653】
ある特定の実施形態では、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーのサブユニットのC末端は、NH
2またはOHを含む。特定の実施形態では、ペプチドダイマーサブユニットのC末端は、二量体化の前か後にNH
2またはOHを含む。
【0654】
ある特定の実施形態では、本発明のチオエーテルペプチド、例えばペプチドモノマーまたはペプチドダイマー、必要に応じてホモダイマーは、式(IV)(配列番号47):
【0655】
Xaa
1−Xaa
2−Xaa
3−Xaa
4−Xaa
5−Xaa
6−Xaa
7−Xaa
8−Xaa
9−Xaa
10(式(IV))、または薬学的に許容され得るその塩を含み、チオエーテルペプチドは、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーの片方もしくは両方のペプチドサブユニットのXaa
1とXaa
7との間にチオエーテル結合を含み、式(IV)の2つのサブユニットは、リンカー、例えばDIGを通してそれらのC末端で二量体化され、式中、
【0656】
Xaa
1は、2−メチルベンゾイルであり;
【0657】
Xaa
2は、N−Me−Argであり;
【0661】
Xaa
6は、LeuまたはNleであり;
【0662】
Xaa
7は、Pen、Cys、ホモCys、Pen(=O)またはD−Cysであり;ある特定の実施形態では、式(IV)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
7は、Pen、Cys、ホモCysまたはD−Cysであり;
【0663】
Xaa
8は、Phe、D−Phe、Tyr、D−Tyr、His、Bip、Tic、1−Nal、2−Nal、F(CH3)、F(2,4−ジCl)、F(3,4−ジCl)、Aic、N−Me−Tyr、N−Me−Phe、F(2−カルボミル)、F(3−カルボミル)、F(4−COOH)、F(4OMe)、F(4tBu)、F−(4−F)、F(4CF3)またはTrpであり;
【0664】
Xaa
9は、不在であるか、Glu、β−ホモ−Glu、Bip、O−Me−Glu、D−Lys、D−Phe、Tyr、2−Nal、D−Tyr、Pro、Tic、D−Glu、D−Thr、D−Arg、D−Leu、D−Trp、F(4−COOH)、D−His、Pro、D−ProまたはE(OMe)であり;一部の実施形態では、式(IV)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
9は、Glu、β−ホモ−Glu、Bip、O−Me−Glu、D−Lys、D−Phe、Tyr、2−Nal、D−Tyr、Pro、Tic、D−Glu、D−Thr、D−Arg、D−Leu、D−Trp、F(4−COOH)、D−His、Pro、D−ProまたはE(OMe)であり;
【0665】
一部の実施形態では、式(IV)がペプチドモノマーを対象とするならば、Xaa
10は不在であるかまたは任意のアミノ酸残基であり;
【0666】
他の実施形態では、式(IV)がペプチドダイマーサブユニットを対象とするならば、Xaa
10は、D−Lys、N−Me−Lys、N−Me−D−Lys、Lys、Dap、Dab、D−Dab、D−Dap、Orn、N−Me−Orn、D−Ornである。
【0667】
ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーのある特定の実施形態では、Xaa
10またはC末端アミノ酸は、遊離アミンを含まない。ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーの特定の実施形態では、Xaa
10は、D−Lys、N−Me−Lys、N−Me−D−Lys、Dap、Phe、Ser、Gluまたは不在である。
【0668】
式(II)、(II−A)、(A)、(III)、(IV)、(VI)または式(VI)のある特定の実施形態では、Xaa
8は、Bpa、Phe(3−Me)、Phe(2−Me)、Phe(2−CF3)またはβ−Me−Pheであってもよい。
【0669】
式(II)、(II−A)、(A)、(III)、(IV)、(VI)または式(VI)のある特定の実施形態では、Xaa
9は、N−Me−Glu、N−Me−Aspまたはアルファ−H−Gluであってもよい。
【0670】
式(II)、(II−A)、(A)、(III)、(IV)、(VI)または式(VI)のある特定の実施形態では、例えば、ペプチドがダイマーであるとき、Xaa
10は、Lys、D−Lys、N−Me−Lys、D−N−Me−Lys、Orn、Dab、Dap、ホモ−Lys、D−Dap、D−Dab、Cys、ホモCys、PenまたはD−Ornからなる群から選択され、他の実施形態では、Xaa
10は、D−Lys、N−Me−LysおよびD−N−Me−Lysから選択される。
【0671】
本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーのある特定の実施形態では、ペプチドのN末端はアシル化される。
【0672】
ペプチドモノマーおよびダイマーサブユニットのある特定の実施形態では、Xaa
10または各ペプチドもしくはペプチドサブユニットのC末端は、NH
2またはOHを含む。ペプチドダイマーサブユニットのある特定の実施形態では、C末端は、二量体化の前か後にNH
2またはOHを含む。
【0673】
本明細書に記載されるペプチドモノマーのある特定の実施形態では、C末端アミノ酸の遊離アミンは、例えばアセチル基でキャップされる。
【0674】
本発明の特定の態様は、以下のコアコンセンサス配列(左から右にN項からC項を示す):
【0675】
Y−(N−Me−Arg)−Ser−Glu−Thr−Leu−X
(配列番号390)
【0676】
を含む、α4β7のペプチド阻害剤であって、式中、YはXとチオエーテル結合を形成することが可能な2−メチルベンゾイル部分であり、Xは、Pen、Cys、D−CysおよびホモCysから選択されるアミノ酸残基である、ペプチド阻害剤に関する。特定の実施形態では、XはPenである。特定の実施形態では、コア配列は、XとYの間の分子内チオエーテル結合を含む。特定の実施形態では、ペプチド阻害剤は、モノマーである。特定の実施形態では、ペプチド阻害剤は、各々このコア配列を含む2つのペプチドモノマーサブユニットを含むダイマーである。特定の実施形態では、モノマーペプチド阻害剤は、7〜15アミノ酸残基を含む。特定の実施形態では、ダイマーペプチド阻害剤の各モノマーサブユニットは、7〜15アミノ酸残基を含む。ある特定の実施形態では、2つのモノマーサブユニットは、それらのそれぞれのN末端またはC末端を通して連結される。特定の実施形態では、それらはそれらのC末端の各々
を通して連結される。ある特定の実施形態では、ペプチド阻害剤は、Xの直ぐ下流に芳香族アミノ酸をさらに含む。特定の実施形態では、本明細書に記載されるペプチドのいずれも、このコア配列を含むことができる。
【0677】
一部の実施形態では、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、式(VI)、式(I−A)、式(II−A)、式(A)、または本明細書に記載される他のペプチドモノマーまたはダイマー分子のペプチドサブユニットのいずれかのN末端またはC末端の残基は、DIG、PEG4、PEG13、PEG25、PEG1K、PEG2K、PEG4K、PEG5K、400Daから40,000Daの分子量を有するポリエチレングリコール、40,000Daから80,000Daの分子量を有するPEG、IDA、Ac−IDA、ADA、グルタル酸、イソフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、AADA、適する脂肪族酸、適する芳香族酸、ヘテロ芳香族酸からなる群から選択される修飾基または適するリンカー部分をさらに含む。
【0678】
本発明の特定の実施形態は、リンカーを含むペプチドダイマーに関する。リンカーがIDA、ADAまたは遊離アミンを有する任意のリンカーであるとき、それは、2−me−トリフルオロブチル、トリフルオロペンチル、アセチル、オクトニル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、パルミチル、ラウリル、オレオイル、ラウリル、トリフルオロメチル酪酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、テトラヒドロ−2H−ピラン−4カルボン酸、コハク酸およびグルタル酸、10から20の炭素単位を有する直鎖脂肪族酸、コール酸および他の胆汁酸からなる群から選択されるアシル化有機化合物でアシル化することができる。一部の場合には、小さいPEG(PEG4〜PEG13)、Glu、Aspが、アシル化の前のスペーサーとして用いられる。
【0679】
本発明の一部の実施形態は、配列番号1〜23の少なくとも1つによって表される、N(アルファ)−Me−Arg残基を含むペプチドモノマーまたはダイマー分子を含む。
【0680】
ある特定の実施形態では、本発明のペプチドモノマーまたはペプチドダイマー分子の少なくとも1つのサブユニットは、任意の指示されたN末端またはC末端の修飾、リンカーまたは修飾基の有無にかかわらず、付随する配列表または図に示されるアミノ酸配列のいずれかを含む、本明細書に記載されるアミノ酸配列または構造を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。ある特定の実施形態では、本発明のペプチドダイマー分子は、任意の指示されたN末端またはC末端の修飾、リンカーまたは修飾基の有無にかかわらず、付随する配列表または図に示されるアミノ酸配列のいずれかを含む、本明細書に記載されるアミノ酸配列または構造を各々有する、2つのペプチドモノマーサブユニットを含む。特定の実施形態では、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマー分子に存在するペプチドモノマーサブユニットの片方もしくは両方は、チオエーテル分子内結合、例えば、ペプチドまたはサブユニットの中の2つのアミノ酸の間のチオエーテル結合を含む。特定の実施形態では、ペプチドダイマー分子のペプチドサブユニットは、それらのN末端またはC末端を通して、例えば、DIGなどの適するリンカーを用いて二量体化される。
【0681】
ペプチドダイマー分子のある特定の実施形態では、本発明は、任意の指示されたN末端またはC末端の修飾、リンカーまたは修飾基の有無にかかわらず、付随する配列表または図に示されるアミノ酸配列のいずれかを含む、本明細書に記載されるアミノ酸配列または構造を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる、ペプチドサブユニットを含む。ある特定の実施形態では、ペプチドサブユニットは、チオエーテル分子内結合、例えば、ペプチドサブユニットの中の2つのアミノ酸の間のチオエーテル結合を含む。特定の実施形態では、ペプチドモノマーサブユニットは、そのN末端またはC末端にリンカー部分、例えばDIGを含む。
【0682】
本明細書の式(I)〜(VI)ならびに表4および5、または図のそれらを含む、本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはダイマーペプチドサブユニットのいずれかのある特定の実施形態では、ペプチドモノマーまたはサブユニットは、チオエーテル結合を含む。ある特定の実施形態では、式(I)または(V)に関しては、チオエーテル結合はXaa
4とXaa
10との間に存在し、式(II)〜(IV)および(VI)に関しては、チオエーテル結合はXaa
1とXaa
7との間に存在する。ある特定の実施形態では、チオエーテルは、2−メチルベンゾイル部分(例えば、式(I)のXaa
4または式(II)のXaa
1)と、PenまたはCys(例えば、式(I)のXaa
10または式(II)のXaa
7)の間で形成される。特定の実施形態では、2−メチルベンゾイル部分は、隣接したアミノ酸残基とアミド結合を形成し、PenまたはCys残基とチオエーテル結合を形成するメチル基を含む。
【0683】
本明細書に記載される様々な式のいずれかの特定の実施形態では、PCT/US2013/064439、PCT/US2014/032391またはPCT/US2014/032392のいずれか1つまたは複数に開示されるのと同じ構造または配列を有するペプチドは、除外される。本発明の他の実施形態では、ペプチドは、PCT/US2013/064439、PCT/US2014/032391またはPCT/US2014/032392のいずれかに示される配列または構造を含む。
【0684】
ペプチド分子の構造および生物学的活性
本発明は、チオエーテル結合を通して環化されるペプチドモノマーおよびダイマー分子サブユニットを含む、様々な新規アンタゴニストペプチドモノマーおよびペプチドダイマーを提供する。これらのペプチド分子は、α4β7結合の親和性の増加、α4β1に対する選択性の増加および擬似腸管液(SIF)ならびに還元条件下の胃環境の中での安定性の増加をより明確に特徴付けるために試験された。これらの新規アンタゴニスト分子はα4β7との高い結合親和性を実証し、それによってα4β7とMAdCAMリガンドの間の結合を阻止する。したがって、これらのペプチド分子は、様々な実験で炎症過程を除去および/または低減することにおいて有効であることを示した。
【0685】
したがって、本発明は、α4β7インテグリン、例えば、血清ではSIFまたはSGFと結合または会合して、α4β7とMAdCAMリガンドの間の結合を破壊またはブロックする、様々なチオエーテルペプチドモノマーおよびダイマー分子を提供する。本発明の一部のペプチドモノマーまたはペプチドサブユニットは、天然のアミノ酸だけで構築することができる。あるいは、ペプチドモノマーおよびダイマー分子は、修飾されたアミノ酸および適する芳香族酸基、すなわち2−メチルベンゾイル部分を限定されずに含む、天然でないアミノ酸を含むことができる。修飾されたアミノ酸には、アミノ酸に天然に存在しない基、複数の基または化学部分を含むように化学修飾された天然アミノ酸が含まれる。本発明のチオエーテルペプチドモノマーおよびダイマー分子は、D−アミノ酸をさらに含むことができる。
【0686】
ある特定の実施形態では、本発明のペプチドダイマーおよびモノマー分子は、α4β7とMAdCAMリガンドの間の結合を阻害または低減する。ある特定の実施形態では、本発明のペプチドは、α4β7およびMAdCAMリガンドの結合を、陰性対照ペプチドと比較して少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%低減する。結合を判定する方法は当技術分野で公知であり、本明細書に記載されており、例にはELISAアッセイが含まれる。
【0687】
ある特定の実施形態では、本発明のペプチドモノマーまたはダイマー分子は、<500nM、<250nM、<100nM、<50nM、<25nMまたは<10nMのIC50を有する。活性を判定する方法は当技術分野で公知であり、例には、付随する実施例に記載されるそれらのいずれも含まれる。
【0688】
一部のアンタゴニストチオエーテル環化ペプチドモノマーおよびダイマー分子は、胃腸管内で安定し、α4β7インテグリンへの高レベルの特異性および親和性を提供することが示された。本発明の一部の実行例は、擬似腸管液(SIF)へ曝露させたときに180分を超える半減期を含む、ペプチドモノマーまたはダイマー分子を提供する。一部の実行例は、概ね1分から概ね180分の半減期を含むチオエーテルペプチドモノマーまたはダイマー分子をさらに提供する。同様に、DTT(ジチオスレイトール)アッセイで試験したとき、これらのペプチドは還元条件下の胃環境に対して安定であり、半減期は>120分であった。
【0689】
ある特定の実施形態では、本発明のペプチドモノマーまたはダイマー分子は、対照ペプチドと比較して、安定性の増加、胃腸安定性の増加、または擬似腸管液(SIF)での安定性の増加を有する。特定の実施形態では、対照ペプチドは、ペプチドモノマーまたはダイマー分子と同一のまたは高度に関係する(例えば、>90%配列同一性)アミノ酸配列を有するが、チオエーテル結合を通して環化された構造を形成しないペプチドである。ダイマー分子に関する一部の実施形態では、対照ペプチドは、二量体化されない。特定の実施形態では、ペプチドモノマーまたはダイマー分子と対照ペプチドの間の唯一の差は、ペプチドに1つまたは複数のアミノ酸残基を導入する1つまたは複数のアミノ酸置換をペプチドが含むことであり、導入される残基(複数可)はペプチドの別の残基とチオエーテル結合を形成する。
【0690】
ペプチドの安定性を判定する方法は、当技術分野で公知である。ある特定の実施形態では、ペプチド(例えば、本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはダイマー)の安定性は、例えば付随する実施例に記載されるようなSIFアッセイを用いて判定される。特定の実施形態では、本発明のペプチドモノマーまたはダイマー分子は、SIFへ曝露させたときに、所与のセットの条件(例えば、温度)の下で、1分を超える、10分を超える、20分を超える、30分を超える、60分を超える、90分を超える、120分を超える、3時間を超えるまたは4時間を超える半減期を有する。ある特定の実施形態では、温度は、約25℃、約4℃または約37℃であり、pHは生理的pH、すなわち約7.4のpHである。
【0691】
一部の実施形態では、半減期は、当技術分野で公知である任意の適する方法を用いてin vitroで測定され、例えば、一部の実施形態では、本発明のペプチドモノマーまたはダイマー分子の安定性は、37℃の予熱したヒト血清(Sigma)とペプチドをインキュベートすることによって判定される。一般的に24時間までの様々な時点で試料が採取され、試料の安定性は、血清タンパク質からペプチドモノマーまたはダイマーを分離し、その後LC−MSを用いて目的のペプチドモノマーまたはダイマーの存在について分析することによって分析される。
【0692】
一部の実施形態では、本発明のペプチドモノマーまたはダイマー分子は、対照ペプチドと比較して改善された溶解性または改善された凝集特性を示す。溶解性は、当技術分野で公知の任意の適する方法によって判定することができる。一部の実施形態では、溶解性を判定するための当技術分野で公知の適する方法には、様々な緩衝液(酢酸pH4.0、酢酸pH5.0、リン酸/クエン酸pH5.0、リン酸クエン酸pH6.0、リン酸pH6.0、リン酸pH7.0、リン酸pH7.5、強力なPBS pH7.5、トリスpH7.5、トリスpH8.0、グリシンpH9.0、水、酢酸(pH5.0および当技術分野で公知の他のもの)にペプチドをインキュベートし、標準の技術を用いて凝集または溶解性について試験することが含まれる。これらには、表面疎水性を測定するための、および例えば、凝集またはフィブリル化を検出するための、視覚的沈殿、動的光散乱、円二色性および蛍光色素が限定されずに含まれる。一部の実施形態では、改善された溶解性は、ペプチドモノマーまたはダイマーが、所与の液体に対照ペプチドよりも可溶性であることを意味する。
【0693】
一部の実施形態では、本発明のペプチドモノマーおよびダイマー分子は、より少ない分解(すなわち、より多くの分解安定性)、例えば、対照ペプチドより約10%かもしくはそれを超えてより少ない、約20%かもしくはそれを超えてより少ない、約30%かもしくはそれを超えてより少ない、約40%かもしくはそれを超えてより少ない、または約50%かもしくはそれを超えてより少ない分解を有する。一部の実施形態では、分解安定性は、当技術分野で公知の任意の適する方法によって判定することができる。一部の実施形態では、分解安定性を判定するための当技術分野で公知の適する方法には、その全体が本明細書組み込まれる、Haweら、J Pharm Sci、101巻、3号、2012年、895〜913頁に記載される方法が含まれる。一部の実施形態では、そのような方法は、貯蔵寿命が向上した強力なペプチドモノマーまたはダイマー分子を選択するために用いられる。
【0694】
一部の実施形態では、本発明のペプチドダイマーまたはモノマー分子は、対照ペプチドと比較して増加した酸化還元安定性を有する。酸化還元安定性を判定する方法は、本明細書に記載される。
【0695】
ある特定の実施形態では、本発明のペプチドダイマーまたはモノマー分子は、α4β7媒介炎症を阻害または低減する。関係する実施形態では、本発明のペプチドモノマーまたはダイマーは、1つまたは複数のサイトカインのα4β7媒介性の分泌を阻害または低減する。サイトカイン分泌の阻害およびシグナル伝達分子の阻害を判定する方法は、当技術分野で公知である。
【0696】
ある特定の実施形態では、本発明のペプチドモノマーまたはダイマー分子は、増加した結合選択性を実証する。ある特定の場合には、本発明のペプチドモノマーまたはダイマーは、モノマーまたはダイマーがα4β1に結合するよりも少なくとも2倍、3倍、5倍または10倍大きな親和性でα4β7に結合する。
【0697】
本発明のペプチドモノマーまたはダイマー分子は、様々な天然のアミノアシル残基をNメチル化類似体残基で置換する結果として、効力の増加を実証する。特定の実施形態では、効力は、α4β7への結合のIC50で測定され、例えば本明細書に記載されるように判定され、一部の実施形態では、効力は、例えば本明細書に記載される細胞接着アッセイまたは本明細書に記載されるPBMCアッセイによる、官能性活性を示す。例えば、配列番号1〜32は、N(アルファ)メチル化アルギニンで置換されるペプチドモノマーまたはサブユニット配列を表す。
【0698】
特定の実施形態では、本発明のペプチドのこれらの優れた特性のいずれも、対照ペプチド、例えば表8に示すペプチドと比較して測定される。
【0699】
ここで
図6と表5および7に関して、本発明による様々な非限定的チオエーテルペプチドダイマー分子のサンプルの増加した効力および/または安定性を例示する様々なデータを含むチャートが、提供される。擬似腸管液(SIF)安定性アッセイを、大部分のダイマー分子について実施した。これらの結果の選択的サンプリングを、
図6に提供する。
図6に示したチオエーテルペプチドは、SIFで180分を超える(半減期)安定性を有するダイマーペプチドの非限定的な代表群を表す。これらのチオエーテルダイマー化合物は、ELISAならびに細胞接着アッセイで25nM未満のIC50値をさらに表し、α4β7へのそれらの高い選択性をさらに実証する。
図6の他のペプチドについては、α4β7のELISAまたは細胞接着アッセイでそれらが<50nMのIC50を有すると予想される。
【0700】
ここで
図7および8と表4および6に関して、本発明による様々な非限定的な例示的チオエーテルペプチドモノマーの増加した効力を例示する様々なデータを含むチャートが、提供される。配列番号22および23によって表される全てのペプチド分子ならびに示されている追加のペプチドについて、効力アッセイを実施した。ある特定のチオエーテルペプチドのために、選択性アッセイ(α4β1についての)を実施した。これらの結果の選択的サンプリングを、
図7および8に提供する。α4β7についての効力の改善は、ELISAおよび細胞接着アッセイの両方で試験した。
【0701】
本明細書で議論されるプロトコールに従って、出願人は、配列番号22〜24によって表されるインテグリンアンタゴニストチオエーテルペプチド(例えば、ペプチドモノマーおよびペプチドダイマー)の全て、ならびに表4〜7および
図6〜8に示される追加のペプチドの合成および精製に成功した。大部分のこれらの分子を、α4β7−MAdCAM競合ELISAアッセイ、α4β1−VCAM競合ELISAアッセイおよびα4β7−MadCAM細胞接着アッセイにかけた。結果を、表6〜7および
図6〜8に提供する。
図7に示すチオエーテルペプチドは、ELISAアッセイで50nM未満のIC50値を有するペプチドの非限定的な代表群を表す。ペプチドは、細胞接着アッセイで300nM未満のIC50値をさらに表す。データを示さない他のペプチドについては、α4β7のELISAまたは細胞接着アッセイでそれらが<50nMのIC50を有すると予想される。
【0702】
ArgがN−Me−Argで置き換えられるとき、α4β7への効力の有意な改善がELISAおよび細胞接着アッセイの両方で示された。N(アルファ)メチル化は、分子安定性の増加をさらに実証した。アルギニンのメチル化アイソスターが効力および/または安定性の類似の増加をさらに実証することができることを、当業者は理解する。
【0703】
ここで
図6および8に関して、本発明による様々な非限定的チオエーテルペプチド分子のサンプルの増加した安定性を例示するデータを含むチャートが、提供される。擬似腸管液(SIF)安定性アッセイを、大部分のペプチド分子について実施した。これらの結果の選択的サンプリングを、
図6および8に提供する。
図6および8のチオエーテルペプチドは、SIFで180分を超える(半減期)安定性を有するペプチドの非限定的な代表群を表す。
【0704】
製造およびペプチド安定性増強の方法
本発明のペプチド(例えばペプチドモノマーまたはペプチドダイマー)は、当業者に公知の技術によって合成することができる。そのような技術には、市販されているロボットタンパク質合成装置(例えば、Protein TechnologiesからのSymphony多重ペプチドシンセサイザ)の使用が含まれる。一部の実施形態では、本明細書に記載される技術を用いて、新規のペプチドモノマーまたはダイマーサブユニットが合成、精製される。
【0705】
本発明のある特定の態様は、チオエーテル結合を含むペプチドを企図する。チオエーテル結合は、上流アミノ酸または芳香族酸基と下流の含硫アミノ酸またはそのアイソ
スタ
ーの間で形成される、環化された共有結合である。本発明のチオエーテル結合は、本明細書に記載されるそれらを含む、当技術分野で標準の技術を用いて生成することができる。特定の態様は、チオエーテル結合の生成がペプチド分子の胃腸安定性を増加させることを企図する。したがって、特定の実施形態では、チオエーテル結合を通してペプチドを環化することによって、ペプチドの胃腸安定性を増加することができる。
【0706】
一部の実施形態では、当技術分野で公知の技術によってホモマーまたはヘテロマーのダイマーペプチドを形成するために、本発明のモノマーサブユニットを二量体化することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるペプチドサブユニットは、NまたはC末端でコンジュゲートされるリンカー部分(例えば、表3に示すリンカー)によって接合される。本明細書に記載される技術を非限定的に含む当技術分野で公知の技術によって、C末端またはN末端の遊離アミンの位置でリンカーをペプチドサブユニットにコンジュゲートすることができる。一部の実施形態は、ペプチド分子の二量体化が、ペプチドの二量体化されていないモノマーサブユニットと比較して、安定性、効力および/または特異性を増加することを企図する。
【0707】
本発明のある特定の態様は、異なる状況でペプチドモノマーまたはペプチドダイマーの安定性を増加するアミノ酸置換を企図する。したがって、ある特定の実施形態では、本発明は、ペプチド分子、例えば本明細書に記載されるペプチド分子を修飾することを含み、または、当業者に公知である標準の技術によって置換を実行することができる。一部の実施形態では、擬似腸管液(SIF)でのペプチド(例えば、本明細書、またはDubreeら、Selective α4β7 Integrin Antagonist and Their Potential as Anti-inflammatory Agents、J. Med. Chem.、2002年、45巻、3451〜3457頁に記載されるペプチドモノマーまたはダイマー)の安定性は、1つまたは複数のメチル化されていないアルギニン残基をN−Me−Argで置換することによって増加する。特定の実施形態では、ペプチドのSIFまたは胃腸安定性は、1つまたは複数のシステイン残基をPenで置換することによって増加する。本発明のある特定の態様は、本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはペプチドダイマーの酸化還元安定性を増加させる(すなわち、その酸化状態の変化へのペプチドの抵抗性を増加させること)アミノ酸置換を企図する。特定の実施形態では、酸化還元安定性は、本明細書に記載されるアッセイによって判定される。特定の実施形態では、酸化還元安定性は、対照ペプチドと比較して少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍または少なくとも10倍増加する。置換は、当業者に公知である標準の技術によって実行することができる。一部の実施形態では、ペプチド(例えば、本明細書に記載されるペプチドモノマーまたはダイマー)の酸化還元または胃腸安定性は、1つまたは複数のメチル化されていないアルギニン残基をN−Me−Argで置換することによって増加する。
【0708】
特定の実施形態では、本発明は、Xaa
4とXaa
10の間でチオエーテル結合を形成することによってペプチド分子を環化することを含む、ペプチド分子、例えば本明細書に記載されるペプチド分子を安定させるための方法を提供する。
【0709】
ある特定の実施形態では、本発明は、例えば式(II)のペプチド分子を安定させるための方法であって:Xaa
1を、Xaa
7とチオエーテル結合を形成することが可能な芳香族酸基で置換すること;Xaa
7を、Xaa
1とチオエーテル結合を形成することが可能なアミノ酸残基で置換すること;およびXaa
1とXaa
7の間でチオエーテル結合を形成して環化されたペプチドを提供することを含む方法を含む。ある特定の実施形態では、Xaa
7は、Cys、N−Me−Cys、D−Cys、HCys、PenおよびD−Penからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、Xaa
1は2−メチルベンゾイル部分である。同じ方法は、例えば式(I)のペプチド分子に適用され、ここでは、それぞれXaa
1およびXaa
7の代わりにXaa
4およびXaa
10が置換され、環化される。
【0710】
治療方法および医薬組成物
一部の実施形態では、本発明は、インテグリン結合によって特徴付けられる状態または徴候に侵された個体または被験体を処置するための方法であって、個体または被験体に、例えば配列番号1〜384によって表されるかまたは表5〜7に示されるように、本明細書に記載されるインテグリンアンタゴニストチオエーテルペプチド分子を提供または投与することを含む、方法を提供する。特定の実施形態では、個体または被験体は、本発明のペプチドモノマーまたはペプチドダイマーを含む医薬組成物が提供されるかまたは投与される。特定の実施形態では、被験体または個体は、哺乳動物、例えばヒトまたは非ヒト哺乳動物、例えばイヌ、ネコもしくはウマである。
【0711】
一実施形態では、MAdCAM発現細胞を含む組織へのα4β7発現細胞の不適当な輸送によって特徴付けられる状態または徴候に侵された個体または被験体を処置するための方法であって、個体または被験体に、本明細書に記載されるα4β7−アンタゴニストペプチド分子、例えば配列番号1〜384または表4および5を、MAdCAM発現細胞を含む組織へのα4β7発現細胞の輸送を(部分的または完全に)阻害するのに十分な量で投与することを含む方法が提供される。
【0712】
さらなる関係する実施形態では、本発明は、それを必要とする被験体または個体において、被験体においてα4β7の活性を(部分的または完全に)低減することによって治療できる状態を処置する方法であって、本明細書に記載されるα4β7−アンタゴニストペプチド分子を被験体に提供または投与することを含む方法を含む。特定の実施形態では、状態は胃腸系の炎症性の状態である。
【0713】
さらなる関係する実施形態では、本発明は、生物学的機能α4β7に関連した状態に侵された被験体、例えば哺乳動物またはヒトを処置する方法であって、本明細書に記載されるチオエーテルペプチド分子、例えば式(I)または(II)の構造を有するペプチドモノマーまたはペプチドダイマーを、MAdCAM発現組織へのα4β7の生物学的機能を(部分的または完全に)阻害するのに十分な量で被験体に提供または投与することを含む方法を含む。特定の実施形態では、被験体は、MAdCAM発現組織へのα4β7の生物学的機能を少なくとも部分的に阻害するのに十分である、ペプチドモノマーまたはペプチドダイマーの有効量が提供される。ある特定の実施形態では、状態は炎症性腸疾患である。追加の実施形態では、本発明は、それを必要とする被験体において疾患または状態を治療または予防する方法であって、被験体、例えば哺乳動物に、本明細書に記載されるペプチドダイマーまたはペプチドモノマーの有効量を提供または投与することを含み、疾患または状態は、炎症性腸疾患(IBD)(成人IBD、小児IBDおよび青年期IBDを含む)、潰瘍性大腸炎、クローン病、セリアック病(非熱帯性スプルー)、血清陰性関節症と関連した腸疾患、顕微鏡的大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、好酸球性胃腸炎、放射線療法、化学療法、直腸結腸切除および回腸吻合の後に生じる回腸嚢炎、胃腸がん、膵臓炎、インスリン依存性真性糖尿病、乳腺炎、胆嚢炎、胆管炎、胆管周囲炎、慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎、喘息、原発性硬化性胆管炎、GI管でのヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、好酸球性喘息、好酸球性食道炎、胃炎、大腸炎、顕微鏡的大腸炎および移植片対宿主病(GVDH)(腸管GVDHを含む)からなる群から選択される、方法を含む。本明細書に記載される治療方法のいずれかの特定の実施形態では、被験体は、これらの疾患または状態の1つを診断されたかまたはそれを発症する危険があると考えられている。
【0714】
本明細書に記載される治療方法のいずれかの特定の実施形態では、ペプチド分子(またはペプチド分子を含む医薬組成物)は、経口、静脈内、腹膜、皮内、皮下、筋肉内、クモ膜下、吸入、蒸気、噴霧、舌下、口内、非経口、直腸、膣および局所からなる群から選択される投与形態によって個体に投与される。
【0715】
ある特定の実施形態では、α4β7インテグリンアンタゴニストペプチド分子は、他のペプチドと比較して増加した半減期を含む。特定の実施形態では、増加した半減期は、in vitroまたはin vivoで少なくとも1日である。増加した半減期が、in vivoで1日2回以下の頻度の投薬と一致した期間と等しいかまたはそれより長いある特定の実施形態では、α4β7インテグリンアンタゴニストペプチド分子は、経口投与される医薬製剤で提供される。増加した半減期がin vivoで概ね12時間から24を超えるある特定の実施形態では、α4β7インテグリンアンタゴニストペプチド分子は、非経口的に投与される医薬製剤で提供される。ある特定の実施形態では、増加した半減期がin vivoで概ね12時間から24時間を超えるとき、α4β7インテグリンアンタゴニストペプチド分子は、局所的に投与される医薬製剤で提供される。
【0716】
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるインテグリンアンタゴニストチオエーテルペプチド分子、例えば配列番号1〜384または表4もしくは5を含む医薬組成物が、第1の治療として被験体または患者に投与される方法を提供する。別の実施形態では、この方法は、被験体に第2の治療、すなわち第2の活性薬剤を投与することをさらに含む。別の実施形態では、第2の治療または活性薬剤は、医薬組成物が被験体に投与される前および/または同時におよび/またはその後に被験体に投与される。他の実施形態では、第2の治療または活性薬剤は、抗炎症剤を含む。別の実施形態では、第2の治療または活性薬剤(それは、医薬組成物中に存在してもよい)は、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイドおよび免疫調整剤からなる群から選択される薬剤を含む。別の実施形態では、この方法は、被験体に第3の治療を投与することを含む。
【0717】
実施例に明記されるそれらを限定されずに含む、本発明のチオエーテルペプチドモノマーおよびダイマー分子は、インテグリンアンタゴニスト活性を有する。ある特定の実施形態では、ペプチドインテグリン阻害剤(例えば、本明細書に記載されるチオエーテルペプチドモノマーおよびダイマー)は、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病、セリアック病(非熱帯性スプルー)、血清陰性関節症と関連した腸疾患、顕微鏡的またはコラーゲン蓄積大腸炎、好酸球性胃腸炎、放射線および化学療法、または直腸結腸切除および回腸吻合の後に生じる回腸嚢炎、ならびに様々な形の胃腸がん、骨粗しょう症、関節炎、多発性硬化症、慢性疼痛、体重増加および/またはうつ病の治療を必要とする被験体に投与される。
【0718】
別の実施形態では、本発明のペプチドインテグリン阻害剤は、膵臓炎、インスリン依存性真性糖尿病、乳腺炎、胆嚢炎、胆管炎、胆管周囲炎、慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎、喘息および/または移植片対宿主病のための治療を必要とする被験体に投与される。さらに、これらのペプチドモノマーおよびダイマー分子は、今日利用できる療法、医療処置および治療剤と併用するとき、これらの疾患の予防または反転で有用であろう。
【0719】
一実施形態では、α4β7インテグリン結合によって特徴付けられる状態または徴候に侵された個体または被験体を処置するための方法が提供され、この方法は、個体または被験体に、本明細書に記載されるα4β7インテグリンアンタゴニストペプチド分子、例えば配列番号1〜384または表4もしくは5の有効量を投与することを含む。一部の場合には、本明細書に記載され、例えば配列番号1〜384または表4もしくは5に対応し、α4β7に高い特異性を有するα4β7インテグリンアンタゴニストペプチド分子が、α4β7インテグリン結合によって特徴付けられる状態または徴候のための治療処置の一部として個体に投与される。
【0720】
特定の実施形態では、本発明のペプチド分子は、1つまたは複数の薬学的に許容され得る希釈剤、担体または賦形剤をさらに含む医薬組成物の中に存在する。特定の実施形態では、それらは液体または固体として製剤化される。特定の実施形態では、それらは、錠剤またはカプセル剤として、または液体懸濁液として製剤化される。本発明の一部の実施形態は、持続的放出マトリックスに懸濁されている本発明のα4β7インテグリンアンタゴニストペプチド分子で個体を処置するための方法をさらに提供する。持続的放出マトリックスは、本明細書で用いるように、酵素的もしくは酸塩基加水分解によって、または溶解によって分解可能である材料、通常ポリマーでできているマトリックスである。体に入ると、マトリックスは酵素および体液の作用を受ける。持続的放出マトリックスは、望ましくは生体適合材料、例えばリポソーム、ポリラクチド(ポリ乳酸)、ポリグリコリド(グリコール酸のポリマー)、ポリラクチド−co−グリコリド(乳酸とグリコール酸のコポリマー)ポリアンヒドリド、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン酸、脂肪酸、リン脂質、多糖、核酸、ポリアミノ酸、アミノ酸、例えばフェニルアラニン、チロシン、イソロイシン、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドンおよびシリコーンから選択される。1つの特定の生分解性マトリックスは、ポリラクチド、ポリグリコリドまたはポリラクチド−co−グリコリド(乳酸とグリコール酸のコポリマー)のうちの1つのマトリックスである。
【0721】
一部の態様では、本発明は、経口送達のための医薬組成物を提供する。本発明の様々な実施形態およびチオエーテルペプチド分子組成物は、本明細書に記載される方法、技術および/または送達ビヒクルのいずれかにより、経口投与のために調製することができる。さらに、当業者は、本発明のペプチド分子組成物を修飾すること、または本明細書に開示されていないが当技術分野で周知であり、小ペプチド分子の経口送達での使用に適合する系もしくは送達ビヒクルに組み入れることができることを理解する。
【0722】
本発明のペプチドの使用に適合する経口剤形または単位用量は、ペプチド活性薬物構成成分および非薬物構成成分または賦形剤、ならびに成分またはパッケージングと考えることができる他の再使用不能な材料の混合物を含むことができる。経口組成物は、液体、固体および半固体剤形の少なくとも1つを含むことができる。一部の実施形態では、例えば配列番号1〜384または表4もしくは5のいずれかに対応する、本明細書に記載されるチオエーテルペプチド分子の有効量を含む経口剤形が提供され、剤形は、丸剤、錠剤、カプセル剤、ゲル剤、ペースト剤、ドリンク剤およびシロップ剤の少なくとも1つを含む。一部の場合には、被験体の小腸でのチオエーテルペプチド分子の遅延放出を達成するように設計、構成される経口剤形が提供される。
【0723】
一実施形態では、本発明のチオエーテルペプチドを含む経口医薬組成物は、小腸でのペプチド分子の放出を遅延させるように設計される腸溶コーティングを含む。少なくとも一部の実施形態では、遅延放出医薬製剤中に、例えば配列番号1〜384または表4もしくは5のいずれかに対応する、本明細書に記載されるペプチド分子、およびプロテアーゼ阻害剤、例えばアプロチニンを含む医薬組成物が提供される。一部の場合には、本発明の医薬組成物が約5.0またはそれより高いpHの胃液で可溶性である腸溶コーティングを含むことが好ましい。少なくとも1つの実施形態では、解離可能なカルボキシル基、例えばセルロースの誘導体、例えば、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースおよび酢酸トリメリット酸セルロース、およびセルロースの類似の誘導体を有するポリマー、ならびに他の炭水化物ポリマーを含む腸溶コーティングを含む医薬組成物が提供される。
【0724】
一実施形態では、例えば配列番号1〜384または表4もしくは5のいずれかに対応する、本明細書に記載されるチオエーテルペプチド分子を含む医薬組成物が腸溶コーティングの形で提供され、腸溶コーティングは、被験体の下部胃腸系の中で制御された方法で医薬組成物を保護および放出し、全身性副作用を回避するように設計される。腸溶コーティングに加えて、本発明のペプチド分子は、任意の適合する経口薬物送達系または構成成分の中に封入、コーティング、束縛またはそうでなければ関連付けることができる。例えば、一部の実施形態では、本発明のペプチド分子は、ポリマーヒドロゲル、ナノ粒子、マイクロスフェア、ミセルおよび他の脂質系の少なくとも1つを含む脂質担体系で提供される。
【0725】
小腸でのペプチド分解を克服するために、本発明の一部の実行例は、本発明によるペプチド分子を含有するヒドロゲルポリマー担体系を含み、それによって、ヒドロゲルポリマーは小腸でペプチドをタンパク質分解から保護する。本発明のペプチド分子は、溶解カイネティクスを増加させてペプチドの腸管吸収を増強するように設計されている担体系と適合する使用のために、さらに製剤化することができる。これらの方法には、ペプチドのGI管透過を増加させる、リポソーム、ミセルおよびナノ粒子の使用が含まれる。
【0726】
経口送達のために医薬用薬剤を提供するために、様々な生体応答系を本発明の1つまたは複数のチオエーテルペプチド分子と組み合わせることもできる。一部の実施形態では、本発明のペプチド分子は、経口投与のための治療剤を提供するために、生体応答系、例えばヒドロゲルおよび水素結合基を有する粘膜付着性ポリマー(例えば、PEG、ポリ(メタクリル)酸[PMAA]、セルロース、Eudragit(登録商標)、キトサンおよびアルギン酸塩)と併用される。他の実施形態は、本明細書に開示されるペプチド分子の薬物滞留時間を最適化するまたは延ばす方法であって、ペプチド分子の表面は、水素結合、連結したムチンを有するポリマーまたは/および疎水性相互作用を通して粘膜付着特性を含むように修飾される、方法を含む。これらの修飾されたペプチド分子は、本発明の所望の特徴により、被験体の中で増加した薬物滞留時間を実証することができる。さらに、標的粘膜付着系は腸細胞およびM細胞表面で受容体に特異的に結合することができ、それによってペプチド分子を含有する粒子の取り込みをさらに増加させる。
【0727】
他の実施形態は、例えば配列番号1〜384または表4もしくは5のいずれかに対応する、本明細書に記載されるチオエーテルペプチド分子の経口送達の方法であって、ペプチド分子は、傍細胞または経細胞透過を増加させることによって腸管粘膜を越えるペプチド輸送を促進する透過エンハンサーと併用される、方法を含む。例えば、一実施形態では、例えば配列番号1〜384または表4もしくは5のいずれかに対応する、本明細書に記載されるチオエーテルペプチド分子と透過エンハンサーが併用され、透過エンハンサーは、長鎖脂肪酸、胆汁酸塩、両親媒性界面活性剤およびキレート化剤の少なくとも1つを含む。一実施形態では、本発明のペプチド分子との弱い非共有結合を形成するために、ナトリウムN−[(ヒドロキシベンゾイル)アミノ]カプリル酸塩を含む透過エンハンサーが用いられ、透過エンハンサーは、血液循環に到達すると膜輸送およびさらなる解離を有利にする。別の実施形態では、本発明のペプチド分子はオリゴアルギニンにコンジュゲートされ、それによって様々な細胞型へのペプチドの細胞透過を増加させる。さらに、少なくとも1つの実施形態では、本明細書に記載されるチオエーテルペプチド分子、例えば配列番号1〜384または表4もしくは5に記載のものと、シクロデキストリン(CD)およびデンドリマーからなる群から選択される透過エンハンサーの間で非共有結合が提供され、透過エンハンサーは、ペプチド凝集を低減し、ペプチド分子の安定性および溶解性を増加させる。
【0728】
本発明の他の実施形態は、増加した半減期を有するα4β7インテグリンアンタゴニストチオエーテルペプチド分子で個体を処置するための方法を提供する。一態様では、本発明は、治療有効量の日ごと(q.d.)または1日2回(b.i.d.)の投薬に十分である、in vitroまたはin vivoで(例えば、ヒト被験体に投与されたとき)少なくとも数時間から1日の半減期を有するインテグリンアンタゴニストチオエーテルペプチド分子を提供する。別の実施形態では、ペプチド分子は、治療有効量の週ごと(q.w.)の投薬に十分である、3日またはそれより長い半減期を有する。さらに、別の実施形態では、ペプチド分子は、治療有効量の隔週(b.i.w.)または月ごとの投薬に十分である、8日またはそれより長い半減期を有する。別の実施形態では、チオエーテルペプチド分子は、誘導体化されていないかまたは未修飾のペプチド分子と比較してそれがより長い半減期を有するように誘導体化または修飾される。別の実施形態では、ペプチド分子は、血清半減期を増加させる、1つまたは複数の化学的修飾を有する。
【0729】
本明細書に記載される治療または送達系の少なくとも1つで用いるとき、本発明のチオエーテルペプチド分子の1つの治療有効量は、純粋な形で、またはそのような形が存在する場合は、薬学的に許容され得る塩の形で採用することができる。本明細書で用いるように、本発明の化合物の「治療有効量」は、インテグリンに関係する疾患を、任意の医療処置に適用可能な所望の利益/リスク比で治療するための(例えば、IBDに関連する炎症を低減するための)、チオエーテルペプチド分子の十分な量を意味するものである。しかし、本発明の化合物および組成物の総日使用量は、主治医によって健全な医学判断の範囲内で決定されると理解される。任意の特定の患者のための具体的な治療有効用量レベルは、以下を含む様々な因子に依存する:a)治療される障害および障害の重症度;b)採用される具体的な化合物の活性;c)採用される具体的な組成物、患者の年齢、体重、一般健康状態、性別および食事;d)採用される具体的な化合物の投与の時間、投与経路および排泄速度;e)治療期間;f)採用される具体的な化合物と一緒にまたは同時に用いられる薬物、および医学分野で周知の類似の因子。例えば、化合物の用量を、所望の治療効果を達成するのに必要とされるものより低いレベルから出発し、所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加させることは、当分野の技術の範囲内である。
【0730】
あるいは、本発明の化合物は、目的のチオエーテルペプチド分子を1つまたは複数の薬学的に許容され得る賦形剤と一緒に含有する医薬組成物として、投与することができる。薬学的に許容され得る担体または賦形剤は、任意の型の無毒の固体、半固体または液体のフィラー、希釈剤、カプセル化材または製剤助剤を指す。組成物は、非経口的、大槽内、膣内、腹腔内、直腸内、局所(散剤、軟膏、滴剤、坐薬または経皮パッチによる)、直腸または口腔内に投与することができる。本明細書で用いる用語「非経口」は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下、皮内および関節内の注射および注入を含む投与様式を指す。
【0731】
特定の実施形態では、非経口注射のための医薬組成物は、薬学的に許容され得る無菌の水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳剤、ならびに使用直前の無菌の注射可能な溶液または分散液への再構成のための無菌粉末を含む。適する水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよび適するそれらの混合物、植物油(例えばオリーブ油)、ならびに注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが含まれる。例えばレシチンなどのコーティング材の使用によって、分散液の場合は所望の粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって、適切な流動性を維持することができる。
【0732】
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含有することもできる。微生物活動の防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含有させることによって確保することができる。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含ませることも望ましいかもしれない。吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含むことによって、注射用の医薬剤形の長期吸収をもたらすことができる。
【0733】
注射用デポー剤形は、生分解性ポリマー、例えばポリラクチド−ポリグリコリド、ポリ(オルソエステル)、ポリ(無水物)および(ポリ)グリコール、例えばPEGで薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。薬物対ポリマーの比および採用される特定のポリマーの性質によって、薬物放出速度を制御することができる。デポー注射製剤は、体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬物を捉えることによっても調製される。
【0734】
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、または使用直前に無菌水または他の無菌注射用媒体に溶解または分散させることができる無菌固体組成物の形で滅菌剤を組み入れることによって、滅菌することができる。
【0735】
局所投与には、肺および目の表面を含む皮膚または粘膜への投与が含まれる。吸入および鼻腔内のためのものを含む局所肺投与のための組成物は、水性および非水性製剤の溶液および懸濁液を含むことができ、加圧用または非加圧用の乾燥粉末として調製することができる。非加圧用粉末組成物では、微分割形の有効成分を、例えば直径が100マイクロメートルまでのサイズを有する粒子を含む、より大きなサイズの薬学的に許容され得る不活性担体と混用することができる。適する不活性担体には、ラクトースなどの糖が含まれる。
【0736】
あるいは、組成物は加圧することができ、圧縮ガス、例えば窒素または液化ガス噴射剤を含有することができる。液化噴射媒体および実際に全組成物は、好ましくは、有効成分が実質的にその中で溶解しないようなものである。加圧組成物は、界面活性剤、例えば液体もしくは固体の非イオン界面活性剤を含有することもでき、または固体アニオン界面活性剤であってもよい。固体アニオン界面活性剤をナトリウム塩の形で用いるのが好ましい。
【0737】
局所投与のさらなる形は、目に対してである。本発明の化合物は、薬学的に許容され得る眼科のビヒクルで送達され、そのため、化合物が、例えば前眼房、後眼房、ガラス体、眼房液、ガラス体液、角膜、虹彩/毛様体、レンズ、脈絡膜/網膜および強膜のような目の角膜および内部領域に浸透することを可能にするのに十分な時間目の表面と接触するように、化合物は維持される。薬学的に許容され得る眼科のビヒクルは、例えば、軟膏、植物油またはカプセル化材であってもよい。あるいは、本発明の化合物は、ガラス体液および眼房液に直接的に注射されてもよい。
【0738】
直腸または膣投与のための組成物は、好ましくは坐薬であり、それは、本発明の化合物を、室温で固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸または膣腔で融解して活性化合物を放出する、適する非刺激性の賦形剤または担体、例えばカカオバター、ポリエチレングリコール、または坐薬ワックスと混合することによって調製することができる。
【0739】
本発明の化合物は、リポソームの形で投与することもできる。当技術分野で公知であるように、リポソームはリン脂質または他の脂質物質に一般に由来する。リポソームは、水性媒体に分散させた単層または多層の水和液体結晶によって形成される。リポソームを形成することが可能である、任意の無毒で生理的に許容され得る、代謝可能な脂質を用いることができる。リポソーム形の本組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤などを含有することができる。好ましい脂質は、天然および合成の両方のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する方法は、当技術分野で公知である。
【0740】
単一または分割用量でヒトまたは他の哺乳動物宿主に投与される本発明の組成物の総日用量は、例えば体重1kgにつき1日に0.0001から300mgの量、より普通には体重1kgにつき1から300mgであってもよい。
【0741】
腸炎症の非侵襲的検出
本発明のチオエーテルペプチドは、配列番号1〜32から選択されるかそれに対応する、または本明細書もしくは添付の図に記載されている、非侵襲的診断薬手法の一部としてキレート基および検出可能な標識の少なくとも1つでさらに標識されている、経口的に安定したチオエーテルペプチドモノマーまたはダイマー分子を用いる、マイクロPET画像化による腸炎症の検出、調査および診断のために用いることができる。一実施形態では、経口的に安定したペプチド分子を提供するために、インテグリンアンタゴニストチオエーテルペプチドモノマーまたはダイマー分子は、二官能性のキレーターにコンジュゲートされる。別の実施形態では、経口的に安定したペプチド分子を提供するために、インテグリンアンタゴニストペプチドモノマーまたはダイマー分子は、放射性標識される。経口的に安定した、キレート化または放射標識されたペプチド分子は、被験体に次に経口的または直腸に投与される。一実施形態では、経口的に安定したペプチドモノマーまたはダイマー分子は、飲料水に含まれる。ペプチド分子の取り込みの後、被験体の腸および消化路全体で炎症を可視化するためにマイクロPET画像化を用いることができる。
【実施例】
【0742】
(実施例1)
チオエーテルペプチドモノマーおよびダイマー分子の合成
本発明のペプチドモノマーまたはペプチドサブユニットは、当業者に公知の多くの技術によって合成することができる。本明細書で提供される技術を用いて、新規の固有なチオエーテルペプチド分子を合成、精製し、ペプチドダイマー分子の場合は二量体化した。
【0743】
合成
【0744】
本発明のペプチドは、Protein TechnologyのSymphony多重チャネル合成装置でメリフィールド固相合成技術を用いて合成した。ペプチドは、HBTU(O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−リン酸)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)カップリング条件を用いて組み立てた。C末端アミドを有するペプチドのためにリンクアミドMBHA樹脂(100〜200メッシュ、0.57mmol/g)を用い、C末端の酸を有するペプチドのためにN−a−Fmoc保護アミノ酸を有するプレロードWang樹脂を用いた。カップリング試薬(プレミックスしたHBTUおよびDIEA)を、100mmol濃度で調製した。同じように、アミノ酸溶液を100mmol濃度で調製した。標準のSymphonyプロトコールを用いて、ペプチドを組み立てた。
【0745】
アセンブリー
【0746】
ペプチド配列は、以下の通りに組み立てた:各反応バイアル中の樹脂(250mg、0.14mmol)を4mlのDMFで2回洗浄し、続いて2.5mlの20%4−メチルピペリジン(Fmoc脱保護)で10分間処理した。次に樹脂を濾過し、DMF(4ml)で2回洗浄し、N−メチルピペリジンでさらなる30分間再処理した。樹脂をDMF(4ml)で3回再洗浄し、続いて2.5mlのアミノ酸および2.5mlのHBTU−DIEA混合物を添加した。45分間頻繁に掻き混ぜた後、樹脂を濾過し、DMF(それぞれ4ml)で3回洗浄した。本発明の一般的なペプチドのために、二重カップリングを実行した。N−Me−Argおよび2−(クロロメチル)安息香酸カップリングのために、DMF中の2.0当量の2−(クロロメチル)安息香酸、2.0当量のPyAOPおよび4当量のDIEAの二重カップリングを1時間。反応完了は、クロラニル試験を用いて監視した。カップリング反応の完成後に、樹脂をDMF(それぞれ4ml)で3回洗浄してから、次のアミノ酸カップリングに進めた。
【0747】
切断
【0748】
ペプチドアセンブリーの完了に続いて、切断試薬TFA:水:TIPS(92.5v:5v:2.5v)で処理してペプチドを樹脂から切断した。切断試薬は、樹脂からのペプチドの切断ならびに全ての残りの側鎖保護基の切断に成功した。
【0749】
切断反応混合液を、室温で2時間撹拌した。使用済み樹脂は、濾過で除去した。濾液を次に冷エチルエーテルに沈殿させ、遠心分離によりペプチドを収集した。エチルエーテルをデカントし、固体沈殿物を冷エチルエーテルで2回洗浄した。粗製のペプチドをアセトニトリル:水(1%TFAで7:3)の溶液に溶解し、濾過した。精製前に、エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)(Micromass/Waters ZQ)を用いて、線状ペプチドの品質を次に検証した。
【0750】
チオエーテル結合形成
未精製の線状モノマー(50mg)を50:50のACN:水(2.5mg/ml)に溶解し、次に0.1Mトリス−HCl pH8.5緩衝液に約1mg/mLまで希釈した。反応は、LCMSを用いて監視した。反応が完了したとき(通常一晩)、反応混合液を水で希釈し、RP−HPLCによって精製する。
【0751】
精製
【0752】
Gemini C18カラム(4.6mm×250mm)(Phenomenex)で、分析逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を実行した。Gemini 10μm C18カラム(22mm×250mm)(Phenomenex)またはJupiter 10μm、300Å C18カラム(21.2mm×250mm)(Phenomenex)で、半分取逆相HPLCを実行した。Aの中の緩衝液Bの直線濃度勾配(移動相A:0.15%TFA含有水、移動相B:0.1%TFA含有アセトニトリル(ACN))を1mL/分(分析)および15mL/分(分取)の流速で用いて、分離を達成した。Aの中の緩衝液Bの直線濃度勾配(移動相A:0.15%TFA含有水、移動相B:0.1%TFA含有アセトニトリル(ACN))を1mL/分(分析)および15mL/分(分取)の流速で用いて、分離を達成した。
【0753】
リンカー活性化および二量体化
【0754】
小規模DIGリンカー活性化手順:IDA二酸(304.2mg、1mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS、253.2mg、2.2当量、2.2mmol)および撹拌棒を含有するガラスバイアルに、5mLのNMPを加えた。混合液を室温で撹拌して、固体出発材料を完全に溶解した。次に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、453.9mg、2.2当量、2.2mmol)を混合液に加えた。沈殿が10分以内に出現し、反応混合液を室温でさらに一晩撹拌した。沈殿したジシクロヘキシル尿素(DCU)を除去するために、反応混合液を次に濾過した。二量体化のために用いる前に、活性化リンカーを密閉バイアルに保った。活性化リンカーの公称濃度は、概ね0.20Mであった。
【0755】
PEGリンカーを用いる二量体化のために、前活性化ステップは含まれなかった。市販されている前活性化二官能性PEGリンカーを用いた。
【0756】
二量体化手順:2mLの無水DMFを、ペプチドモノマー(0.1mmol)含有バイアルに加えた。次に、ペプチドのpHを、DIEAで8〜9に調整した。次に、活性化リンカー(IDAまたはPEG13、PEG25)(モノマーに対して0.48当量、0.048mmol)をモノマー溶液に加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。二量体化反応の完了は、分析HPLCを用いて監視した。二量体化反応の完了時間は、リンカーによって異なった。反応の完了後、ペプチドを冷エーテルに沈殿させ、遠心分離した。上清のエーテル層は捨てた。沈殿ステップは、2回繰り返した。次に、逆相HPLC(Luna C18支持体、10μ、100A、移動相A:0.1%TFA含有水、移動相B:0.1%TFA含有アセトニトリル(ACN)、15%Bの勾配および60分にわたって45%Bに変化、流速15ml/分)を用いて、粗製のダイマーを精製した。純粋な生成物を含有する分画を、次に凍結乾燥器で凍結乾燥させた。
【0757】
表4および5に示すペプチドモノマーおよびペプチドダイマーを合成し、さらに特徴付けた。表4は、本発明の様々な非限定的な代表的実施形態による、様々なモノマーペプチド化合物を示す。式(II)により、アミノ酸残基は番号Xaa
1〜10である。しかし、これらの残基は、式(I)のXaa
4〜13にも対応することを理解するべきである。ペプチドのアミノ酸配列が示され、ここで、「2−ベンジル」は2−メチルベンゾイルを示し、小文字はD−アミノ酸を示す。各ペプチドは、1位に示すアミノ酸残基または部分と7位に示すアミノ酸残基の間の分子内チオエーテル結合を通して環化される。表5は、本発明の様々な非限定的な代表的実施形態による、様々なペプチドダイマー化合物を示す。ペプチドのアミノ酸配列が示され、ここで、「2−ベンジル」は2−メチルベンゾイルを示し、小文字はD−アミノ酸を示す。式(II)により、アミノ酸残基は番号Xaa
1〜10である。しかし、これらの残基は、式(I)のXaa
4〜13にも対応することを理解するべきである。ペプチドダイマーの各モノマーサブユニットは、1位に示すアミノ酸残基または部分と7位に示すアミノ酸残基の間の分子内チオエーテル結合を通して環化される。ペプチドダイマーのペプチドモノマーサブユニットは、示したDIG、ADA、IDA、IDA−パーム、IDA−ラウリル、IDA−オレオイルまたはIDA−PEGリンカーによってそれらのC末端で二量体化される。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【表4-9】
【表4-10】
【表4-11】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【表5-5】
【表5-6】
【表5-7】
【表5-8】
【表5-9】
【表5-10】
【表5-11】
【表5-12】
【0758】
(実施例2)
チオエーテルペプチドモノマーおよびダイマー分子の特徴付け
ある特定のチオエーテルペプチドモノマーおよびダイマーの安定性、効力および選択性を、本明細書に記載される様々なアッセイを用いて判定した。表8に掲載されるペプチドは、本明細書に記載されるアッセイの全てのための対照ペプチドとして用いることができる。
【0759】
擬似腸管液(SIF)安定性アッセイ
【0760】
本発明のペプチド分子の腸管安定性を評価するために、擬似腸管液(SIF)で研究を実施した。SIF試薬を調製するために、水1リットル(最終pH=6.5)の最終容量に0.348gのNaOH、3.954gの塩基性リン酸ナトリウム一水和物および6.186gのNaClを溶解することによって、ブランクFASSIFを調製した。この溶液に、24gのブタパンクレアチン(SigmaカタログP7545)を加え、30分間撹拌した(最終パンクレアチン濃度は2.4%である)。溶液をチーズクロスおよびNo.1ワットマンフィルターによって濾過し、10mlのアリコートを−70℃で保存した。反応を実行するために、10mlのアリコートを37℃で解凍し、125μlのアリコートを取り出してブランクFASSIFの等量と混合した。ペプチド保存溶液(100%DMSO中に10mM)を、ブランクFASSIFで75倍に希釈した。希釈したペプチドの50μlのアリコートを125μlのパンクレアチン(2.4%)および125μlのブランクFASSIFと合わせて、1%パンクレアチンおよび22μMペプチドの最終濃度を与えた。反応を37℃でインキュベートし、様々な時点で50μlのアリコートを取り出して、50%アセトニトリル、50%メタノール、5%ギ酸および1μg/ml内部標準を含有するクエンチ溶液の200μlに加えた。クエンチした試料を10,000rpmで10分間遠心分離し、上清をLCMS/MSによって分析した。各時点での残留パーセントを、試験化合物対内部標準のピーク面積応答比に基づいて計算した。GraphPadを用いて一次指数関数減衰式にあてはめることによって、半減期を計算した。これらの研究の結果の小さいサンプリングが、本明細書および付随する図で提供され、議論される。
【0761】
擬似胃液(SGF)安定性アッセイ
【0762】
本発明のペプチド分子の腸管安定性を評価するために、擬似胃液(SGF)で研究を実施した。20mgのNaCl、32mgのブタペプシン(MP Biochemicals、カタログ02102599)および70μlのHClを10mlの水(最終pH=2)に加えることによって、SGFを調製した。SGFのアリコート(各0.5ml)を、37℃で予熱した。反応を開始するために、最終ペプチド濃度が20μMであるように、1μlのペプチド保存溶液(DMSO中に10mM)を0.5mlのSGFに加え、完全に混合した。弱い振盪の下で、反応を37℃でインキュベートした。各時点で(0、15、30、60分)、50μlのアリコートを取り出して、0.1%ギ酸を含有する200μlのアセトニトリルに加え、反応をクエンチした。実験の終了まで試料を4℃で保存し、10,000rpmで5分間遠心分離する。上清のアリコートを取り出し、内部標準を含有する蒸留水に1:1に希釈し、LCMS/MSによって分析した。各時点での残留パーセントを、試験化合物対内部標準のピーク面積応答比に基づいて計算した。時間0を100%に設定し、後の全ての時点を時間0に対して計算した。GraphPadを用いて一次指数関数減衰式にあてはめることによって、半減期を計算した。
【0763】
酸化還元安定性アッセイ
【0764】
本発明のペプチド分子の腸管安定性を評価するために、酸化還元条件下で研究を実施した。
【0765】
ジチオスレイトール(DTT)酸化還元安定性アッセイ
【0766】
DMSO中の10mMのペプチド保存溶液の5μlを1mlの100mMトリス−Cl、pH7.5に加えることによって、DTT安定性アッセイを調製した(最終ペプチド濃度は50μMである)。0分時に、最終DTT濃度が0.5mMであるように、新たに解凍した100mMのDTT溶液の5μlを加えた。反応を、室温でインキュベートした。120分までの異なる時点で、50μlのアリコートを取り出し、10μlの5M酢酸を加えることによって反応をクエンチした。親ペプチドの消失を測定するために、クエンチした試料(30μl)を220nmでの逆相HPLCおよびUV吸光度によって分析した。Excelを用いて一次指数関数減衰式にあてはめることによって、半減期を計算した。
【0767】
システイン/シスチン酸化還元安定性アッセイ
【0768】
100mMのトリス−Cl(pH7.5)の495.45μlに10mMペプチドDMSO保存液の4.545μlを加えることによって、ペプチドを90μMに希釈した。55μlのアリコートを取り出して、pH7.5の100mMトリス−Clの中の2.5mMシスチンの20μlに加えた。pH7.5の100mMトリス−Cl中のシステイン保存溶液は、以下の濃度で新たに調製した:400mM、200mM、80mM、44mM、22mM、11mM、5.5mMおよびブランク。時間0時に、各システイン保存溶液の0.25μlをシスチン/ペプチド溶液の55μlに加え、混合液を室温で40分間インキュベートした。20μlの5M酢酸を加えることによって試料をクエンチし、逆相HPLCによって分析した。酸化したペプチドの分画を計算し、ネルンストの式によって規定される、酸化還元電位(OEP)計算値に対してプロットした。
【0769】
α4β7−MAdCAM競合ELISA
【0770】
ニッケルコートプレート(Pierce #15442)を800ng/ウェルのrhインテグリンα4β7(R&D Systems#5397−A30)でコーティングし、振盪下の室温で1時間インキュベートした。次に振盪によって溶液を除去し、250μl/ウェルのアッセイ緩衝液(50mMトリス−HCl pH7.6、150mM NaCl、1mM MnCl
2またはMgCl
2、0.05%Tween−20および0.5%BSA)でブロックした。次に、室温で1時間プレートをインキュベートした。各ウェルを洗浄緩衝液(50mMトリス−HCl pH7.6、100mM NaCl、1mM MnCl
2またはMgCl
2、0.05%Tween−20)で3回洗浄した。各ウェルに、20μMから開始したペプチドの系列希釈(アッセイ緩衝液で3倍希釈)の25μlを加えた。次に、25μlの組換えヒトMAdCAM−1(R&D Systems #6056−MC)を、固定濃度20nMで各ウェルに加えた。最終開始ペプチド濃度は10μM、最終MAdCAM−1濃度は10nMであった。次にプレートを室温で1時間インキュベートして、結合平衡に到達した。次に、ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄した。次に、アッセイ緩衝液で1:2000に希釈した50μlのマウス抗ヒトIgG1−HRP(Invitrogen #A10648)を、各ウェルに加えた。振盪下の室温で45分間、ウェルをインキュベートした。次に、ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄した。100μlのTMBを次に各ウェルに加え、発色時間の間、緊密に観察した。反応を2N H
2SO
4で停止し、吸光度を450nmで読み取った。
【0771】
α4β1−VCAM競合ELISA
【0772】
Nunc MaxiSorpプレートを、1×PBS中の1ウェルにつき50μlの400ng/ウェルのrh VCAM−1/CD106Fcキメラ(R&D #862−VC)でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。溶液を振盪によって除去し、1ウェルにつき1×PBS中の250μlの1%BSAで次にブロックした。次に、振盪下の室温で1時間、ウェルをインキュベートした。各ウェルを次に洗浄緩衝液(50mMトリス−HCl pH7.6、100mM NaCl、1mM MnCl
2またはMgCl
2、0.05%Tween−20)で1回洗浄した。アッセイ緩衝液(アッセイ緩衝液:50mMトリス−HCl pH7.6、100mM NaCl、1mM MnCl
2またはMgCl
2、0.05%Tween−20)の中の200μMから開始したペプチドの系列希釈の25μlを、各ウェルに加えた。さらに、25μlのα4β1(R&D Systems #5668−A4)を、120nMの固定濃度で各ウェルに加えた。最終のペプチドおよびα4β1の濃度は、それぞれ100μMおよび60nMであった。次に、プレートを37℃で2時間インキュベートした。溶液を次に振盪によって除去し、各ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄した。4μg/mlの9F10抗体(精製されたマウス抗ヒトCD49d、BD Bioscience Cat#555502)の50μlを各ウェルに次に加え、振盪下の室温で1時間、プレートをインキュベートした。溶液を再び振盪によって除去し、各ウェルを洗浄緩衝液で3回洗浄した。アッセイ緩衝液で1:5000に希釈した50μlのペルオキシダーゼコンジュゲートAffiniPureヤギ抗マウスIgG(Jackson immune research cat#115−035−003)を、各ウェルに加えた。振盪下の室温で30分間、プレートをインキュベートした。各ウェルを次に洗浄緩衝液で3回洗浄した。100μlのTMBを次に各ウェルに加え、発色時間の間、緊密に観察した。反応を2N H
2SO
4で
停止し、吸光度を450nmで読み取った。
【0773】
PBMCメモリーT細胞接着アッセイ
【0774】
Aragen Bioscience Inc.(Morgan Hill、CA)によって、新鮮なCD4+/CD45RO+メモリーT細胞がヒト末梢血単核細胞(PBMC)ドナーから単離された。Greiner Fluotracプレート(1ウェルにつき100μl)の上に、50mM重炭酸ナトリウム緩衝液、pH9.5、ON、4℃、の中の500ng/ウェルで固定化したIgG Fc捕捉抗体(ロバ抗ヒト)を用いて、アッセイプレートを調製した。ブロッキング緩衝液(25mMトリスHCl、pH7.5、150mM NaCl、1.5% BSA、.05% Tween)によってプレートを2回すすぎ、1ウェルにつき200μlを用いて37℃で2時間または室温で5時間、ブロッキング緩衝液でブロックした。ブロッキング緩衝液を除去し、ブロッキング緩衝液中の400ng/ウェルのMAdCAM−1またはVCAM−1を加え、プレートを4℃で一晩インキュベートした(1ウェルにつき100μl)。ブロッキング緩衝液でプレートを2回洗浄し、200μl結合培地(DMEMフェノールレッドフリー、10mM HEPES、1×ピルビン酸Na、1×グルタミン、および使用前に1mM MnCl2を補充)で1回すすいだ。細胞を調製するために、生存率および細胞数を判定するために、血球計算器を用いるトリパンブルー排除によって概ね25,000,000個のCD4+/CD45RO+メモリーT細胞を数えた。細胞を50ml円錐チューブに移し、1200rpmで10分間遠心分離した。培地を吸引し、細胞ペレットを15mlの結合培地に再懸濁した。細胞を再び遠心分離し、アッセイで用いるために、結合培地の適当な量に再懸濁した(最終密度の2倍で1ウェルにつき50μlの細胞)。各ウェルに、等量(50μl)の試験化合物を加え、プレートを37℃、5%CO2で1.5時間インキュベートした。各ウェルを、1ウェルにつき150μlの結合培地で3回すすいだ。製造業
者による提案通りにCyQuant NF試薬を調製し、1ウェルにつき100μlのCyQuant NF試薬を加えた。プレートを、37℃、5%CO2で45分間インキュベートした。黒色の接着シールを用いることにより、プレートを光から保護した。蛍光強度は、Molecular Devices Gemini EM Fluorescent Plate Reader(Ex485/Em530、底から読み出し、読取感度=20)を用いて測定した。Graph Pad Prismを用いてIC50曲線を生成し、曲線は非線形回帰(4つのパラメータ)アルゴリズムを用いて分析し
た。IC50値を判定するために、log(濃度)対RFU(Ex485/Em530)をプロットした。
【0775】
α4β7−MAdCAM細胞接着アッセイ
【0776】
10%血清(ウシ胎児血清、Invitrogen #16140−071)、1mMピルビン酸ナトリウム(Invitrogen #11360−070)、2mM L−グルタミン(Invitrogen #25030−081)、およびペニシリン−ストレプトマイシン(Invitrogen #15140−122)を1mlにつきペニシリン100単位およびストレプトマイシン100μgで補充したRPMI 1640 HEPES培地(Invitrogen #22400−089)で、RPMI 8866細胞(Sigma #95041316)を培養した。0.1%BSA、10mM HEPES pH7および1mM MnCl
2を補充したDMEM培地(ATCC #30−2002)で、細胞を2回洗浄した。補充したDMEM培地に、細胞数4×10
6/mlの密度で細胞を再懸濁した。
【0777】
Nunc MaxiSorpプレートを、1×PBS中の1ウェルにつき50μlの200ng/ウェルのrh MAdCAM−1/Fcキメラ(R&D #6065−MC)でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。次に溶液を振盪によって除去し、1ウェルにつき250μlの1%BSA含有PBSでブロックし、37℃で1時間インキュベートした。溶液を、振盪によって除去した。1ウェルにつき50μl(2倍濃度)の最終容量の系列希釈によって、ペプチドを希釈した。各ウェルに、50μlの細胞(細胞数200,000)を加え、プレートを37℃、5%CO
2で30〜45分間インキュベートして細胞接着を起こさせた。補充したDMEMでウェルを3回(1洗浄につき100μl)、手動で洗浄した。最終洗浄の後、補充したDMEMの100μl/ウェルおよびMTT試薬(ATTC cat#30−1010K)の10μl/ウェルを加えた。紫色の沈殿が見えるまで、プレートを、37℃、5%CO2で2〜3時間インキュベートした。100μlの洗浄試薬(ATTC cat#30−1010K)を、各ウェルに加えた。蒸発を予防するためにプレートを光から守り、パラフィルムに包み、室温の暗所に一晩放置した。プレートを5分間振盪させ、570nmの吸光度を測定した。用量応答を計算するために、細胞を含有していない対照ウェルの吸光度値を、各試験ウェルから差し引いた。
【0778】
α4β1−VCAM細胞接着アッセイ
【0779】
10%血清(ウシ胎児血清、Invitrogen #16140−071)、1mMピルビン酸ナトリウム(Invitrogen #11360−070)、2mM L−グルタミン(Invitrogen #25030−081)、およびペニシリン−ストレプトマイシン(Invitrogen #15140−122)を1mlにつきペニシリン100単位およびストレプトマイシン100μgで補充したRPMI 1640 HEPES培地(Invitrogen #22400−089)で、Jurkat E6.1細胞(Sigma #88042803)を培養した。0.1%BSA、10mM HEPES pH7および1mM MnCl
2を補充したDMEM培地(ATCC #30−2002)で、細胞を2回洗浄した。補充したDMEM培地に、細胞数4×10
6/mlの密度で細胞を再懸濁した。
【0780】
Nunc MaxiSorpプレートを、1×PBS中の1ウェルにつき50μlの400ng/ウェルのrh VCAM−1/CD106Fcキメラ(R&D #862−VC)でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。次に溶液を振盪によって除去し、1ウェルにつき250μlの1%BSA含有PBSでブロックし、37℃で1時間インキュベートした。溶液を、振盪によって除去した。1ウェルにつき50μl(2倍濃度)の最終容量の系列希釈によって、ペプチドを希釈した。各ウェルに、50μlの細胞(細胞数200,000)を加え、プレートを37℃、5%CO
2で30〜45分間インキュベートして細胞接着を起こさせた。補充したDMEMでウェルを3回(1洗浄につき100μl)、手動で洗浄した。最終洗浄の後、補充したDMEMの100μl/ウェルおよびMTT試薬(ATTC cat#30−1010K)の10μl/ウェルを加えた。紫色の沈殿が見えるまで、プレートを、37℃、5%CO2で2〜3時間インキュベートした。100μlの洗浄試薬(ATTC cat#30−1010K)を、各ウェルに加えた。蒸発を予防するためにプレートを光から守り、パラフィルムに包み、室温の暗所に一晩放置した。プレートを5分間振盪させ、570nmの吸光度を測定した。用量応答を計算するために、細胞を含有していない対照ウェルの吸光度値を、各試験ウェルから差し引いた。
【0781】
本発明のある特定の例示的なペプチドモノマーおよびダイマーの効力、選択性および安定性データを、表6および7に提供する。これらのペプチドは表4および5に示す構造を有し、それらはそれらの配列番号によって識別することができる。表6は、代表的なペプチドモノマーの効力、選択性および安定性データを提供する。表7は、代表的なペプチドダイマーの効力、選択性および安定性データを提供する。効力については、IC50値は、
*<25nM、
**=25〜100nM、
***=100〜1000nMで示される。データが示されない場合は、データが判定されなかったが、これらのペプチドは、α4β7 ELISAおよび/または細胞アッセイでIC50<100nMを有すると予想される。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【表7-5】
【表8】
【0782】
この明細書で言及するおよび/または出願データシートに掲載される上記の米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0783】
本発明は、本明細書で大まかに記載され、以降請求される、その構造、方法または他の本質的特徴を逸脱しない範囲で他の具体的な形で具体化することができる。記載される実施形態は、あらゆる点で例示的なだけであり、制限的でないと考えるべきである。本発明の範囲は、したがって、前出の記載によるのではなく、添付の請求項によって示される。請求項の同等の意味および範囲に入る全ての変更は、それらの範囲に包括されるべきである。