【文献】
ZHOU,W. et al,CHEMISTRY AND BIOLOGY,2010年,17(3),285-295
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、第1の態様において、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(I)
【0012】
【化2】
(式中、
Vは、CH
2、O、CH(OH)から選択され、
Wは、CH
2、CH
2CH
2、結合から選択され、
Xは、C(R
X)またはNであり、
Yは、C(R
Y)またはNであり、
Zは、CHまたはNであり、
XがNであるとき、YおよびZはNではなく、
YがNであるとき、XおよびZはNではなく、
ZがNであるとき、XおよびYはNではなく、
R
Xは、水素、ハロゲン、ハロC
1〜C
3アルキル、シアノ、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキルから選択され、
R
Yは、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、ヒドロキシC
1〜C
3アルコキシ、NR
Y1R
Y2、シアノ、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3アルコキシ−ハロC
1〜C
3アルコキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルコキシ、O−(CH
2)
0〜1−R
Y3、CR
Y6R
Y7、S−C
1〜C
3アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC
1〜C
6アルコキシから選択され、または
R
XおよびR
Yは、それらが結合している環と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子をさらに含む二環式芳香族環系を形成しており、その環系は場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y1は、水素であり、
R
Y2は、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
4アルコキシC
1〜C
6アルキル、ハロC
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4、ヒドロキシで置換されているジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシC
1〜C
3アルキルで置換されているビシクロC
5〜C
8アルキル、S(O)
2−CH(CH
3)
2で置換されているフェニル、C
2〜C
3アルキルスルホン酸から選択され、または
R
Y1およびR
Y2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、R
Y5で1回または2回置換されていてもよく、
R
Y3は、キヌクリジニル、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環、または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC
1〜C
3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y5は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
Y5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C
1〜C
3アルキルで1回または2回以上置換されており、
R
Y6およびR
Y7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルキル、CH
2CO
2H、C(O)H、C
1〜C
3アルコキシ、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5または6員飽和複素環または芳香族複素環から選択され、その環は、場合により、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、オキセタニルまたはオキソから独立して選択される基で1回または2回以上置換されており、
R
2は、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、
R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)C
1〜C
3アルキル、C(O)−CH
2−OH、C(O)−CH
2−O−CH
3、C(O)−CH
2−N(CH
3)
2、S(O)
2CH
3から選択され、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノ、C(O)CH
3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成しており、
R
5は、水素またはC
1〜C
3アルキルから選択される)
の化合物または医薬として許容されるその塩を提供する。
【0013】
他に特定しない限り、「本発明の化合物(compounds of the present invention)」または「本発明の化合物(compounds of the invention)」または「本発明で使用される化合物」という用語は、本明細書で定義される式(I)、(Ia)、(Ia−1)の化合物およびその塩、ならびに全ての立体異性体(例えば、ジアステレオアイソマーおよびエナンチオマー)、回転異性体、互変異性体、異性体内部付加生成物(isomeric internal addition products)および同位体標識化合物(重水素置換体を含む)ならびに本質的に形成された部分を指す。
他に定義しない限り、本明細書において、式(I)の化合物は、
【0014】
【化3】
(式中、
Vは、CH
2、O、CH(OH)から選択され、
Wは、CH
2、CH
2CH
2、結合から選択され、
Xは、C(R
X)またはNであり、
Yは、C(R
Y)またはNであり、
Zは、CHまたはNであり、
XがNであるとき、YおよびZはNではなく、
YがNであるとき、XおよびZはNではなく、
ZがNであるとき、XおよびYはNではなく、
R
Xは、水素、ハロゲン、ハロC
1〜C
3アルキル、シアノ、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキルから選択され
R
Yは、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、ヒドロキシC
1〜C
3アルコキシ、NR
Y1R
Y2、シアノ、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3アルコキシ−ハロC
1〜C
3アルコキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルコキシ、O−(CH
2)
0〜1−R
Y3、CR
Y6R
Y7、S−C
1〜C
3アルキル、ヒドロキシで場合により置換されているハロC
1〜C
6アルコキシから選択され、または
R
XおよびR
Yは、それらが結合している環と一緒に、N、OもしくはSから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子を場合によりさらに含む二環式芳香族環系を形成しており、その環系はC
1〜C
3アルキルで場合により置換されており、
R
Y1は、水素であり、
R
Y2は、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキル、ヒドロキシで場合により置換されているハロC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
4アルコキシC
1〜C
6アルキル、ハロC
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4、ヒドロキシで置換されているジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキルで場合により置換されているビシクロC
5〜C
8アルキル、S(O)
2−CH(CH
3)
2で置換されているフェニル、C
2〜C
3アルキルスルホン酸から選択され、または
R
Y1およびR
Y2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、R
Y5で1回または2回置換されていてもよく、
R
Y3は、キヌクリジニル、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環、または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC
1〜C
3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y5は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
Y5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C
1〜C
3アルキルで1回または2回以上置換されており、
R
Y6およびR
Y7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルキル、CH
2CO
2H、C(O)H、C
1〜C
3アルコキシ、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5または6員飽和複素環または芳香族複素環から選択され、その環は、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、オキセタニルまたはオキソから独立して選択される基で場合により1回または2回以上置換されており、
R
2は、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、
R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)C
1〜C
3アルキル、C(O)−CH
2−OH、C(O)−CH
2−O−CH
3、C(O)−CH
2−N(CH
3)
2、S(O)
2CH
3から選択され、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、N、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノ、C(O)CH
3、ヒドロキシから選択され、または、
同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成しており、
R
5は、水素またはC
1〜C
3アルキルから選択される)
を指す。
【0015】
他に定義しない限り、本明細書において、式(Ia)の化合物は、
【0016】
【化4】
(式中、
R
Xは、水素、ハロゲン、ハロC
1〜C
3アルキル、シアノ、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキルから選択され、
R
Yは、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、ヒドロキシC
1〜C
3アルコキシ、NR
Y1R
Y2、シアノ、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3アルコキシ−ハロC
1〜C
3アルコキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルコキシ、O−(CH
2)
0〜1−R
Y3、CR
Y6R
Y7、S−C
1〜C
3アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC
1〜C
6アルコキシから選択され、または
R
XおよびR
Yは、それらが結合している環と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子をさらに含む二環式芳香族環系を形成しており、その環系は場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y1は、水素であり、
R
Y2は、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
4アルコキシC
1〜C
6アルキル、ハロC
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4、ヒドロキシで置換されているジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシC
1〜C
3アルキルで置換されているビシクロC
5〜C
8アルキル、S(O)
2−CH(CH
3)
2で置換されているフェニル、C
2〜C
3アルキルスルホン酸から選択され、または
R
Y1およびR
Y2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、R
Y5で1回または2回置換されていてもよく、
R
Y3は、キヌクリジニル、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環、または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC
1〜C
3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y5は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
Y5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y6およびR
Y7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルキル、CH
2CO
2H、C(O)Hから選択され、
R
2は、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、
R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)C
1〜C
3アルキル、C(O)−CH
2−OH、C(O)−CH
2−O−CH
3、C(O)−CH
2−N(CH
3)
2、S(O)
2CH
3から選択され、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノ、C(O)CH
3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成している)
を指す。
【0017】
他に定義しない限り、本明細書において、式(Ia−1)の化合物は、
【0018】
【化5】
(式中、
R
Yは、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、ヒドロキシC
1〜C
3アルコキシ、NR
Y1R
Y2、シアノ、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3アルコキシ−ハロC
1〜C
3アルコキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルコキシ、O−(CH
2)
0〜1−R
Y3、CR
Y6R
Y7、S−C
1〜C
3アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC
1〜C
6アルコキシから選択され、
R
Y1は、水素であり、
R
Y2は、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
4アルコキシC
1〜C
6アルキル、ハロC
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4、ヒドロキシで置換されているジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシC
1〜C
3アルキルで置換されているビシクロC
5〜C
8アルキル、S(O)
2−CH(CH
3)
2で置換されているフェニル、C
2〜C
3アルキルスルホン酸から選択され、または
R
Y1およびR
Y2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、R
Y5で1回もしくは2回置換されていてもよく、
R
Y3は、キヌクリジニル、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC
1〜C
3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y5は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
Y5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y6およびR
Y7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルキル、CH
2CO
2H、C(O)Hから選択され、
R
2は、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、
R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)C
1〜C
3アルキル、C(O)−CH
2−OH、C(O)−CH
2−O−CH
3、C(O)−CH
2−N(CH
3)
2、S(O)
2CH
3から選択され、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノ、C(O)CH
3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成している)
を指す。
【0019】
特に式(I)、(Ia)、(Ia−1)の化合物は、互変異性体および下記に示されるような異性体内部付加生成物を容易に形成しうる。
【0020】
例えば、R
1が、ヒドロキシメチル、CH
2CO
2H、4−ピペリジニルである本発明の化合物、例えば化合物(I−1)、(I−2)および(I−5)は、下記に示されるような形態(化合物(I−1a)、(I−2a)および(I−5a))でありうる。
【0022】
したがって、化合物(I−1)、(I−2)、(I−5)およびそれらの異性体(I−1a)、(I−2a)、(I−5a)(式中、V、W、X、YおよびZは、本明細書で定義される通りである)も、本発明の一部を形成する。
【0023】
互変異性体あるいは異性体内部付加生成物の存在は、NMRなどのツールを使用して、当業者が識別することができる。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「C
1〜C
6アルキル」は、炭素および水素原子のみで構成される直鎖状または分岐状の炭化水素鎖基であって、不飽和を含まず、1〜6個の炭素原子を有し、単結合により分子の残りに結合している基を指す。用語「C
1〜C
4アルキル」は、これに準じて解釈される。用語「C
1〜C
3アルキル」は、これに準じて解釈される。C
1〜C
6アルキルの例としては、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチルおよび1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)が挙げられる。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「ヒドロキシC
1〜C
6アルキル」は、式−R
a−OH(式中、R
aは、上記で定義したC
1−6アルキルである)の基を指す。ヒドロキシC
1〜C
6アルキルの例としては、限定されないが、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピルおよび5−ヒドロキシペンチルが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「C
3〜C
6シクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を有する飽和単環式炭化水素基を指す。C
3〜C
6シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「C
1〜C
6アルコキシ」は、式−OR
a(式中、R
aは、上記で一般的に定義したC
1〜C
6アルキル基である)の基を指す。用語「C
1〜C
3アルコキシ」は、これに準じて解釈される。C
1〜C
6アルコキシの例としては、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペントキシ、およびヘキソキシが挙げられる。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「C
1〜C
4アルコキシC
1〜C
6アルキル」は、式−R
b−O−R
a(式中、R
aは上記で定義したC
1〜C
4アルキル基であり、R
bは上記で定義したC
1〜C
6アルキル基である)の基を指す。用語「C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル」は、これに準じて解釈される。酸素原子は、いずれかのアルキル基における任意の炭素原子に結合することができる。C
1〜C
4アルコキシC
1〜C
6アルキルの例としては、限定されないが、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、1−エトキシプロピルおよび2−メトキシブチルが挙げられる。
【0029】
「ハロゲン」または「ハロ」は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。
【0030】
本明細書で使用するとき、用語「ハロゲンC
1〜C
6アルキル」または「ハロC
1〜C
6アルキル」は、上記で定義した1つまたは複数のハロ基で置換されている上記で定義したC
1〜C
6アルキル基を指す。ハロゲンC
1〜C
6アルキルの例としては、限定されないが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピルおよび1−ブロモメチル−2−ブロモエチルが挙げられる。
【0031】
本明細書で使用するとき、用語「ハロC
1〜C
3アルコキシ」は、上記で定義した1つまたは複数のハロ基で置換されている上記で定義したC
1〜C
3アルコキシを指す。ハロC
1〜C
3アルコキシの例としては、限定されないが、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシが挙げられる。
【0032】
本明細書で使用するとき、用語「ヒドロキシC
1〜C
3アルコキシ」は、上記で定義したC
1〜C
3アルコキシ基であって、C
1〜C
3アルコキシ基の水素原子の1つがOHで置き換えられている基を指す。ヒドロキシC
1〜C
3アルコキシの例としては、限定されないが、ヒドロキシメトキシ、ヒドロキシエトキシが挙げられる。
【0033】
本明細書で使用するとき、用語「C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシ」は、上記で定義したC
1〜C
3アルコキシ基であって、C
1−3アルコキシ基の水素原子の1つが−O−C
1〜C
3アルキルで置き換えられている基を指す。C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシの例としては、限定されないが、メトキシメトキシ、エトキシメトキシが挙げられる。
【0034】
本明細書で使用するとき、用語「C
1〜C
3アルコキシ−ハロC
1〜C
3アルコキシ」は、上記で定義されたハロC
1〜C
3アルコキシ基であって、ハロC
1−3アルコキシ基の水素原子の1つが−O−C
1〜C
3アルキルで置き換えられている基を指す。C
1〜C
3アルコキシ−ハロC
1〜C
3アルコキシの例としては、限定されないが、メトキシトリフルオロプロピルオキシが挙げられる。
【0035】
本明細書で使用するとき、用語「ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルキル」は、式−R
a1−N(R
a2)−R
a2(式中、R
a1は上記で定義したC
1〜C
6アルキル基であって、各R
a2は、同一または異なって、上記で定義したC
1〜C
3アルキル基である)の基を指す。窒素原子が、任意のアルキル基で任意の炭素原子に結合していてもよい。本明細書で記載するとき、「ジC
1〜C
3アルキルアミノC
1〜C
6アルキル」は、ヒドロキシで置換されていてもよい。
【0036】
本明細書で使用するとき、用語「ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルキコキシ」は、式−R
a1−N(R
a2)−R
a2(式中、R
a1は上記で定義したC
1〜C
6アルコキシ基であって、各R
a2は、同一または異なって、上記で定義したC
1〜C
3アルキル基である)の基を指す。
【0037】
本明細書で使用するとき、用語「N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員飽和複素環」は、ピペリジル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルを含む。
【0038】
本明細書で使用するとき、用語「N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員不飽和非芳香族複素環」は、限定されないが、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニルを含む。
【0039】
本明細書で使用するとき、用語「N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環」は、例として、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルを含む。
【0040】
本明細書で使用するとき、用語「5員飽和複素環」は、例として、限定されないが、ピロリジンを含む。
【0041】
本明細書で使用するとき、「N、OまたはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を場合により含む飽和5または6員環」という用語は、R
2およびR
3が、それらが結合しているN原子と一緒に前記環を形成している実施形態との関連において、例えば、限定されないが、ピロリジン、オキサゾリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン環を含む。
【0042】
本明細書で使用するとき、用語「N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員非芳香族複素環」は、本明細書で定義されるN、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環を含む。またその用語は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員不飽和複素環も含む。
【0043】
本明細書で使用するとき、用語「場合によりN、OまたはSから選択される1つまたは2つのヘテロ原子をさらに含む二環式芳香族環系」は、限定されないが、イミダゾピリジンおよびイソチアゾロピリジンを含む。
【0044】
本明細書で使用するとき、用語「ビシクロC
5〜C
8アルキル」は、5から8個の炭素原子を含む二環式炭化水素基を指し、限定されないが、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクチルを含む。
【0045】
本明細書で使用するとき、用語「場合により置換されている」は、R
Y、R
XおよびR
YがR
Y2、R
Y3、R
Y4と共に記述されているとき、置換されていないか、または1回もしくは2回置換されていることを含む。
【0046】
本明細書で使用するとき、用語「置換されている」は、例えば、R
Y2、2つのR
Y5の記述で使用されるとき、1回または2回置換されていること、好ましくは1回置換されていることを含む。
【0047】
本明細書で使用するとき、用語「2回以上」は、置換基R
4に関するとき、2、3、4、5または6回を含み、好ましくは、2または3回を含む。
【0048】
本明細書で使用するとき、用語「固形悪性腫瘍」は、非血液悪性腫瘍を指す。
【0049】
本明細書で使用するとき、用語「FGFR4」は、CD334、JTK2、TKFとしても知られる線維芽細胞成長因子受容体4を指す(遺伝子ID:2264)。
【0050】
本明細書で使用するとき、用語「FGF19」は、線維芽細胞成長因子19(遺伝子ID:9965)を指す。
【0051】
本明細書で使用するとき、用語「KLB」は、ベータ−クロトー(klotho)タンパク質(遺伝子ID:152831)を指す。
【0052】
本明細書で使用するとき、用語「本発明のバイオマーカー」は、FGFR4、KLBおよびFGF19のいずれかを指す。
【0053】
本明細書に記載のFGFR4、KLBおよび/またはFGF19における任意の正の発現は、当業者に公知の方法、例えば、RT−qPCR、ウェスタンブロッティング、ELISA、免疫組織化学によって評価することができる。例えば、FGFR4、KLBおよび/またはFGF19における任意の正の発現は、当業者に公知の方法によって、FGFR4、KLBおよび/もしくはFGF19のRNAレベルの発現を検出することにより、またはFGFR4、KLBおよび/もしくはFGF19タンパク質産物の発現を検出することにより、アッセイすることができる。FGFR4、FGF19および/またはKLBの正の発現を決定することは、当業者の到達の範囲内である。
【0054】
例えば、FGFR4、KLBおよび/またはFGF19における正の発現は、実施例に記載されるように評価することができる。
【0055】
用語「アッセイすること」は、同定、スクリーニング、プロービングまたは決定する行為を指し、その行為は、いずれの従来の手段によって実行されてもよい。例えば、試料は、試料中に特定のバイオマーカーが存在するかを検出するために、ELISAアッセイ、ノーザンブロット、画像化などを利用して、特定のバイオマーカーの存在についてアッセイしてもよい。用語「アッセイすること」および「決定すること」は、事柄の変換、例えば、血液試料または他の組織試料などの生体試料の、物理的試験にかけることによる1つの状態から別の状態への変換を企図している。さらに本明細書で使用するとき、用語「アッセイすること」および「決定すること」は、試験することおよび/または測定することを意味するために使用される。表現「FGF19、またはFGF19およびKLB、またはFGFR4、FGF19および/もしくはKLBの存在または正の発現について患者由来の生体試料をアッセイすること」および同様の表現は、試料が、所与のバイオマーカーの存在もしくは不在についてまたは特定のバイオマーカーのレベルについて(直接的にまたは間接的に)試験されうることを意味するために使用される。物質中のバイオマーカーFGFR4、KLBおよび/またはFGF19の正の発現は、ある確率を示し、物質の不存在は異なる確率を示し、したがって、そのような物質の存在または不在は、治療判断の指針を与えるために使用されうることが理解される。
【0056】
本明細書で使用するとき、患者に関して「選択すること」および「選択された」は、ある特定の患者が、その特定の患者が所定の基準を有することに基づいて(有するために)、患者のより大きい集団から特別に選択されることを意味するために使用される。同様に「選択的に処置すること」は、特定の疾患を有する患者が、所定の基準を有することに基づいて、患者のより大きい患者集団から特別に選択された患者である場合に、その患者に処置を提供することを指す。同様に「選択的に投与すること」は、特定の患者が所定の基準を有することに基づいて(有するために)、患者のより大きい集団から特別に選択された患者に、薬物を投与することを指す。選択すること、選択的に処置することおよび選択的に投与することは、患者に、患者が特定の疾患を有することのみに基づいた標準処置レジメンが送達されるのではなく、患者の特別の生物学に基づいた個別化治療が送達されることを意味する。本明細書で使用する処置方法に関して、選択することは、バイオマーカーを有する患者の偶然の処置を指すのではなく、患者がバイオマーカーの正の発現を有することに基づいて患者に処置が投与される計画的な選択を指す。したがって、選択的処置は、患者のバイオマーカーを考慮せずに全ての患者に特定の薬物を送達する標準的処置とは異なる。
【0057】
本明細書で使用するとき、「可能性」および「可能性のある」は、ある事象がどのような確率で起こるかについての測定である。これらは「確率」と交換可能に使用されうる。可能性とは、推測を上回るが、確定には至らない確率を指す。したがって、通常人が常識、訓練または経験を用いて、状況から事象が推測されうると結論する場合、事象は可能性がある。いくつかの実施形態において、可能性が確認されたら、患者に試験化合物を用いて処置してもよい(または処置を継続してもよい、または投与量を増加させた処置を進めてもよい)。一実施形態において、「可能性」および「可能性のある」は、ある事象がどのような確率で起こるかの割合(%)を示す。
【0058】
表現「増加した可能性」は、ある事象が起こる確率の増加を指す。例えば、本明細書のいくつかの方法により、患者が、試験分子を用いた処置に対する応答について増加した可能性を示すか、または試験分子を用いた処置に対するより良い応答について増加した可能性を示すかを予測することができる。一実施形態において、増加した可能性は、ある事象が起こる割合が50%超、60%超、70%超、または80%超あることを意味する。同じく、減少した可能性は、ある事象が起こる割合がそれぞれ50%未満、60%未満、70%未満、または80%未満であることを意味する。
【0059】
本発明の一実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(Ia)の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0060】
本発明の一実施形態において、正のFGFR4の発現、または正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(Ia)
【0061】
【化7】
(式中、
R
Xは、ハロゲン、ハロC
1〜C
3アルキル、シアノから選択され、
R
Yは、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、ハロC
1〜C
3アルコキシ、ヒドロキシC
1〜C
3アルコキシ、NR
Y1R
Y2、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3アルコキシ−ハロC
1〜C
3アルコキシ、O−(CH
2)
0〜1−R
Y3から選択され、
R
Y1は、水素であり、R
Y2は、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC
1〜C
6アルキルから選択され、
R
Y3は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3から選択され、
R
2は、C
1〜C
3アルキルであり、R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)−C
1〜C
3アルキルから選択されるか、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノから選択され、または同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成している)
の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0062】
本発明の一実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0063】
本発明の一実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(Ia−1)
【0064】
【化8】
(式中、
R
Yは、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、ハロC
1〜C
3アルコキシ、ヒドロキシC
1〜C
3アルコキシ、NR
Y1R
Y2、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
3アルコキシ−ハロC
1〜C
3アルコキシ、O−(CH
2)
0〜1−R
Y3から選択され、
R
Y1は、水素であり、R
Y2は、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
4アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC
1〜C
6アルキルであり、
R
Y3は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3から選択され、
R
2は、C
1〜C
3アルキルであり、R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)−C
1〜C
3アルキルから選択されるか、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノから選択され、または同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成している)
の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0065】
本発明の一実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(Ia−1)
【0066】
【化9】
(式中、
R
Yは、NR
Y1R
Y2、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシ、O−(CH
2)
0〜1−R
Y3から選択され、
R
Y1は、水素であり、
R
Y2は、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
4アルコキシC
1〜C
6アルキル、ハロC
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4、ヒドロキシで置換されているジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシC
1〜C
3アルキルで置換されているビシクロC
5〜C
8アルキル、S(O)
2−CH(CH
3)
2で置換されているフェニル、C
2〜C
3アルキルスルホン酸から選択され、または
R
Y1およびR
Y2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、R
Y5で1回もしくは2回置換されていてもよく、
R
Y3は、キヌクリジニル、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC
1〜C
3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y5は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
Y5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y6およびR
Y7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルキル、CH
2CO
2H、C(O)Hから選択され、
R
2は、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、
R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)C
1〜C
3アルキル、C(O)−CH
2−OH、C(O)−CH
2−O−CH
3、C(O)−CH
2−N(CH
3)
2、S(O)
2CH
3から選択され、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノ、C(O)CH
3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成している)
の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0067】
本発明の一実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(Ia−1)
【0068】
【化10】
(式中、
R
Yは、NR
Y1R
Y2、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシ、O−(CH
2)
0〜1−R
Y3から選択され、
R
Y3は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y1は、水素であり、R
Y2は、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4であり、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3から選択され、
R
2は、C
1〜C
3アルキルであり、R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)−C
1〜C
3アルキルから選択されるか、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を場合により含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノから選択され、または同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成している)
の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0069】
本発明の一実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(Ia−1)
【0070】
【化11】
(式中、
R
Yは、NR
Y1R
Y2、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシから選択され、
R
Y1は、水素であり、
R
Y2は、C
1〜C
6アルキル、ヒドロキシC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
4アルコキシC
1〜C
6アルキル、ハロC
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4、ヒドロキシで置換されているジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
6アルキル、場合によりヒドロキシC
1〜C
3アルキルで置換されているビシクロC
5〜C
8アルキル、S(O)
2−CH(CH
3)
2で置換されているフェニル、C
2〜C
3アルキルスルホン酸から選択され、または
R
Y1およびR
Y2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、R
Y5で1回もしくは2回置換されていてもよく、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
Y5は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
Y5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
1は、水素、ハロゲン、C
1〜C
3アルキル、ハロC
1〜C
3アルキル、ヒドロキシC
1〜C
3アルキル、C
3〜C
6シクロアルキル、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルキル、CH
2CO
2H、C(O)Hから選択され、
R
2は、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノC
1〜C
3アルキルから選択され、
R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)C
1〜C
3アルキル、C(O)−CH
2−OH、C(O)−CH
2−O−CH
3、C(O)−CH
2−N(CH
3)
2、S(O)
2CH
3から選択され、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノ、C(O)CH
3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成している)
の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0071】
本発明の一実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(Ia−1)
【0072】
【化12】
(式中、
R
Yは、NR
Y1R
Y2、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
3アルコキシから選択され、
R
Y1は、水素であり、R
Y2はC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
3アルコキシC
1〜C
6アルキル、(CH
2)
0〜1−R
Y4から選択され、
R
Y4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC
1〜C
3アルキルで置換されており、
R
1は、CH
2NR
2R
3、CH(CH
3)NR
2R
3から選択され、
R
2は、C
1〜C
3アルキルであり、R
3は、C
1〜C
3アルキル、C(O)−C
1〜C
3アルキルから選択されるか、または
R
2およびR
3は、それらが結合しているN原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を場合により含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R
4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R
4は、独立して、C
1〜C
3アルキル、ジ(C
1〜C
3アルキル)アミノから選択され、または同じ炭素原子に結合している2つのR
4は、オキソ基を形成している)
の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0073】
一実施形態において、本発明で使用される式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物は、
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
(R)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
(S)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド
または医薬として許容されるその塩
から選択される。
【0074】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のためのN−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0075】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0076】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0077】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0078】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0079】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0080】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のためのN−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0081】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0082】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0083】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0084】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる、肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0085】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0086】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のためのN−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0087】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0088】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0089】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0090】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のため、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0091】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0092】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0093】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0094】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0095】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0096】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0097】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0098】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、(S)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0099】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、(S)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0100】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、(S)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0101】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、(S)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0102】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、(S)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0103】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、(S)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0104】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0105】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0106】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0107】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0108】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0109】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0110】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のためのN−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0111】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0112】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0113】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0114】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0115】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0116】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0117】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0118】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0119】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0120】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0121】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0122】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0123】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0124】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0125】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0126】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0127】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0128】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0129】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0130】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0131】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0132】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0133】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0134】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0135】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0136】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0137】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0138】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0139】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0140】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0141】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0142】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0143】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0144】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0145】
本発明の別の実施形態において、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌または結腸癌の処置における使用のための、(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドまたは医薬として許容されるその塩が提供される。
【0146】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩が、患者が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて前記患者に投与されることで特徴づけられる、固形悪性腫瘍を有する患者の処置における使用のための、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0147】
本発明の一実施形態において、固形悪性腫瘍を有する患者の処置における使用のための、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩であって、
a.患者が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩を用いた処置について、患者が選択されること、ならびに
b.その後、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩が患者に投与されること
で特徴づけられる、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0148】
本発明の一実施形態において、固形悪性腫瘍を有する患者の処置における使用のための、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩
a.患者由来の生体試料が、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現についてアッセイされること、ならびに
b.患者由来の生体試料が、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩が患者に投与されること
で特徴づけられる、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0149】
本発明の一実施形態において、固形悪性腫瘍を有する患者の処置における使用のための、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩であって、
a.患者由来の生体試料をアッセイすること、
b.患者由来の生体試料が、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられるかを決定すること、ならびに
c.生体試料が、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる場合、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩を患者に投与すること
を含む、式(I)、(Ia)もしくは(Ia−1)の化合物または医薬として許容されるその塩が提供される。
【0150】
一実施形態において、本発明は、正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍を有する患者を処置する方法であって、前記患者に、治療有効量の本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を投与することを含む、方法に関する。
【0151】
一実施形態において、本発明は、正のFGFR4およびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍を有する患者を処置する方法であって、前記患者に、治療有効量の本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を投与することを含む、方法に関する。
【0152】
一実施形態において、本発明は、正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍を有する患者を処置する方法であって、前記患者に、治療有効量の本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を投与することを含む、方法に関する。
【0153】
一実施形態において、本発明は、固形悪性腫瘍を有する患者を選択的に処置する方法であって、患者が、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍を有することに基づいて、患者に、治療有効量の本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を選択的に投与することを含む、方法に関する。
【0154】
一実施形態において、本発明は、本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を用いて、固形悪性腫瘍を有する患者を選択的に処置する方法であって、
a)患者が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて、本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を用いた処置について、患者を選択すること、ならびに
b)その後、治療有効量の本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を、患者に投与すること
を含む、方法に関する。
【0155】
一実施形態において、本発明は、固形悪性腫瘍を有する患者を選択的に処置する方法であって、
a)患者由来の生体試料を、FGFR4およびKLBの発現、またはFGFR4およびFGF19の発現、またはFGFR4、KLBおよびFGF19の発現についてアッセイすること、
b)その後、患者由来の生体試料が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて、治療有効量の本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を患者に選択的に投与すること
を含む、方法に関する。
【0156】
一実施形態において、本発明は、固形悪性腫瘍を有する患者を選択的に処置する方法であって、
1)患者由来の生体試料を、FGFR4およびKLBの発現、またはFGFR4およびFGF19の発現、またはFGFR4、KLBおよびFGF19の発現についてアッセイすること、
2)その後、患者由来の生体試料が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて、本発明の化合物を用いた処置について、患者を選択すること、
3)その後、治療有効量の本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を、患者に投与すること
を含む、方法に関する。
【0157】
本発明の一実施形態において、生体試料は、血液、血漿および組織試料から選択される。本発明の一実施形態において、FGF19の正の発現は、血液試料からアッセイされる。本発明の一実施形態において、FGF19の正の発現は、組織試料からアッセイされる。本発明の一実施形態において、FGFR4またはKLBの正の発現は、組織試料からアッセイされる。
【0158】
本発明の方法は、固形悪性腫瘍を有する患者から取得した試料におけるバイオマーカー遺伝子産物(つまり、FGFR4、KLB、FGF19遺伝子産物)の発現を検出することを含み、例えば、バイオマーカー遺伝子から転写されたmRNAなどのRNAまたはバイオマーカー遺伝子によってコードされたポリペプチドを検出することによって実行することができる。バイオマーカーの発現のレベルは、患者が本明細書に記載の化合物に応答する可能性があるかを予測するために使用することができる。対照と比較してバイオマーカーの発現レベルが増加している患者(本明細書において「バイオマーカーの正の発現」を有する患者とも参照される)は、そのような患者がそのような化合物に応答する可能性が増加していると予測されるので、本明細書に記載の化合物を用いた処置について選択される。
【0159】
固形悪性腫瘍を有する患者から取得した任意の適切な細胞試料を使用することができる。一般的に、細胞の試料または組織試料は、固形悪性腫瘍を有する対象から生検または外科的切除により得られる。いくつかの場合に、固形悪性腫瘍を有する患者から取得した試料は血液試料でありうる。例えば、組織の試料は、例えばRNAlater(Ambion、Austin Tex.)で保存してもよく、または急速凍結して、後の使用のために−80℃で保存してもよい。生検組織試料は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、または酢酸/エタノールなどの固定剤を用いて固定してもよい。固定組織試料は、ワックス(パラフィン)またはプラスチック樹脂中に包理してもよい。包埋組織試料(または凍結組織試料)は、切って薄片にしてもよい。RNAまたはタンパク質は、固定したもしくはワックス包理した組織試料または凍結組織試料から抽出してもよい。癌を有する対象から細胞試料または組織試料を取り出したら、当技術分野で周知の技術または下記に記載の技術を使用して、RNAまたはタンパク質の単離のための処理を行ってもよい。
【0160】
固形悪性腫瘍を有する患者から取得した生検由来のRNAの抽出の例には、例えば、チオシアン酸グアニジン溶解、その後のCsCl遠心分離を含めてもよい(Chirgwin, et al., Biochemistry 18:5294-5299, 1979)。単一細胞由来のRNAは、単一細胞からcDNAライブラリを調製する方法に記載されるように取得してもよい(例えば、Dulac, Curr. Top. Dev. Biol. 36:245, 1998、Jena, et al., J. Immunol. Methods 190:199, 1996参照)。一実施形態において、RNA集団は、目的の配列のために濃縮されてもよい。濃縮は、例えば、ランダムヘキサマーおよびプライマー特異的cDNA合成により、またはcDNA合成および鋳型指向性インビトロ転写に基づく複数回の線形増幅により達成してもよい(例えば、Wang, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:9717, 1989、Dulac, et al., supra、Jena, et al., supra参照)。
【0161】
一実施形態において、アッセイ方法は、ヌクレオチド配列、例えば、FGFR4、KLBおよびFGF19の核酸配列のコード配列の1部に相補的なコード配列の少なくとも10、15、25または40ヌクレオチドおよび全てまたはほぼ全てまでのヌクレオチド配列を含む核酸プローブを用意すること、癌性細胞を有する哺乳類から組織試料を得ること、核酸プローブと患者から取得した生検から得られたRNAとをストリンジェントな条件下で接触させること(例えば、ノーザンブロット、インサイチュハイブリダイゼーションアッセイ、PCRなどで)ならびにプローブとRNAとのハイブリダイゼーションの量を決定することを含む。核酸は、RNAの濃縮および/または増幅の間または後に標識されてもよい。
【0162】
本発明の方法において、アッセイするステップは、下記に記載の技術を含んでもよい。アッセイのさらなる例は、実施例に記載されている。
【0163】
バイオマーカーFGFR4、KLBおよびFGF19は、逆転写PCR(RT−PCR)などの当技術分野で公知の任意の方法を使用してアッセイすることができる。この方法には、当該分野で公知の任意の技術、例えばQiagenなどの一般製造業者製の精製キット、バッファーセットおよびプロテアーゼを使用して、mRNAを単離することが含まれる。逆転写ステップは、通常、特異的プライマー、ランダムヘキサマーまたはオリゴ−dTプライマーを使用して、周囲の環境に応じてプライミングされ、発現プロファイリングの着点および誘導されたcDNAは、その後のPCR反応において鋳型として使用してもよい。その後、TaqMan(登録商標)RT−PCRを、例えば市販の機器を使用して実施してもよい。
【0164】
より最近のRT−PCR技術の変形はリアルタイム定量PCRであり、リアルタイム定量PCRでは、PCR産物の蓄積を、二重標識蛍光発生プローブを通じて(例えば、TaqMan(登録商標)プローブを使用して)測定する。リアルタイムPCRは、各標的配列についての内部競合因子が正規化のために使用される定量的競合PCRと、試料内に含まれる正規化遺伝子またはRT−PCRのためのハウスキーピング遺伝子を使用する定量的比較PCRとの両方に適合する。さらなる詳細については、例えば、Held et al, Genome Research 6:986-994 (1996)参照。
【0165】
別の例において、遺伝子FGFR4、KLBおよびFGF19の1つまたは複数に対応する1つまたは複数のプローブを含むマイクロアレイが使用される。方法は、標識された標的核酸のハイブリダイゼーションパターンを、アレイ表面上に生成することを含む。得られた標識された核酸のハイブリダイゼーションパターンは、標的核酸の特定の標識に基づいて選択された特定の検出方法を用いて、様々な方法で視覚化または検出されてもよい。代表的な検出手段としては、シンチレーション測定、オートラジオグラフィー、蛍光測定、熱量測定、発光測定、光散乱などが挙げられる。
【0166】
別の例において、遺伝子FGFR4、KLBおよびFGF19の1つまたは複数に対応する1つまたは複数のプローブを含むことができるTaqMan(登録商標)低密度アレイ(TLDA)カードを使用してもよい。この方法は、同時リアルタイムPCR反応を実行するマイクロ流体カードを使用する。
【0167】
一例において、検出方法は、市販のアレイスキャナ(Affymetrix、Santa Clara、Calif.)を使用する。スキャナは、インターフェースおよび使い易いソフトウェアツールを備えたシステムコンピュータで制御される。出力は、様々なソフトウェアアプリケーションに直接移行してもよく、または様々なソフトウェアアプリケーションにより直接読み取ってもよい。スキャン装置は、例えば、米国特許第5,143,854号明細書および第5,424,186号明細書に記載されている。
【0168】
バイオマーカーの発現レベルがアッセイされたら、対照と比較してもよい。比較対照は、当業者が決定することができる。一例において、対照は、カットオフ値となる発現値を、その値によりバイオマーカー発現の増加、正の発現を有する試験試料と、バイオマーカー発現の増加、正の発現を有しない試料とが識別されるように選択することによって決定される。別の例において、対照は、健常なヒトから取得された試験試料、またはバイオマーカーが発現を示さないもしくは正常/基礎レベルを超える発現増加を有しない腫瘍試料などの試料でありうる。
【0169】
一例において、各バイオマーカーの発現が測定され、各バイオマーカーの発現は、ハウスキーピング遺伝子の発現レベルにより正規化された後の発現値に変換されてもよい。次いでこれらの発現値を使用してスコアを生成してもよく、その後、カットオフと比較して、正のバイオマーカー発現を有する対象、したがって本明細書に記載の化合物を用いた処置から利益を受ける可能性のある対象を選択することができる。
【0170】
代替的に、バイオマーカーによりコードされるタンパク質産物の存在を、当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用してアッセイしてもよく、タンパク質産物のレベルを対照と比較してもよい。本発明にしたがって実施することができる例示的なイムノアッセイとしては、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)
5、蛍光イムノアッセイ(FIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、ネフェロメトリー阻害イムノアッセイ(NIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)が挙げられる。指標部分または標識基を、対象抗体に付加してもよく、指標部分または標識基は、しばしばアッセイ機器の入手し易さおよび適合するイムノアッセイ手法によって決定づけられる方法の様々な使用上の必要性を満たすように選択される。上記の様々なイムノアッセイの実行において使用される一般的技術は、当業者にとって既知である。代替的に、ポリアクリルアミドゲル上でタンパク質を電気泳動的に分離し、分離したタンパク質を染色後、各タンパク質の相対量がその光学密度の評価により定量されうることを含むウェスタンブロット解析などの他の方法を使用してもよい。代替的に、ドット−ブロットアッセイ、FACSまたは免疫組織化学などの他の方法を使用してもよい。
【0171】
通常、本発明のバイオマーカーに対して生成される抗体は、目的のタンパク質の存在について視覚化するために使用することができ、例えば、フルオロフォア、酵素、ビオチン、化学発光分子、生物発光分子、ジゴキシゲニン、アビジン、ストレプトアビジンまたは放射性同位体などのリポーター分子を使用して標識することができる。
【0172】
バイオマーカータンパク質産物のレベルが対照と比較して増加していると決定された患者は、正のバイオマーカー発現を有するとして、本明細書で参照する。
【0173】
本発明の一実施形態において、固形悪性腫瘍は、肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌、結腸癌から選択される癌に由来する。
【0174】
一実施形態において、本発明は、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、本発明の化合物または医薬として許容されるその塩と、1種または複数の医薬として許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
【0175】
一実施形態において、本発明は、癌を処置する方法であって、患者が、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて、本発明の化合物または医薬として許容されるその塩を含む医薬組成物を、それを必要とする前記患者に選択的に投与することを含む、方法に関する。
【0176】
本発明の一実施形態において、癌は、肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌、結腸癌から選択される。
【0177】
さらなる実施形態において、組成物は、少なくとも2種の医薬として許容される担体、例えば本明細書に記載される担体を含む。本発明の目的において、他で指定されない限り、溶媒和物および水和物は、一般に、組成物と考えられる。好ましくは医薬として許容される担体は、無菌である。医薬組成物は、特定の投与経路、例えば、経口投与、非経口投与および直腸投与などのために製剤化することができる。さらに、本発明の医薬組成物は、固体形態(例えば、限定されないが、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒、粉末または坐剤)または液体形態(例えば、限定されないが、溶液、懸濁液または乳濁液)で形成することができる。医薬組成物には、従来の医薬的操作、例えば、滅菌処理を施すことができ、ならびに/または従来の不活性な希釈剤、滑沢剤もしくは緩衝剤、佐剤、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、およびバッファーなどを含有することができる。
【0178】
典型的には、医薬組成物は、有効成分と、
a)希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン、
b)滑沢剤、例えば、シリカ、滑石、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩、および/またはポリエチレングリコール、
c)結合剤、例えばケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン、
d)崩壊剤、例えばデンプン、寒天、アルギン酸、そのナトリウム塩、発泡性の混合物、ならびに
e)吸収剤、着色剤、香料および甘味剤
の1種または複数とを含む、錠剤またはゼラチンカプセルである。
【0179】
一実施形態において、医薬組成物は、有効成分のみを含むカプセルである。
【0180】
錠剤は、当技術分野で公知の方法にしたがって、フィルムコーティングまたは腸溶コーティングされていてもよい。
【0181】
経口投与のための適切な組成物は、有効量の本発明の化合物を、錠剤、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤、または溶剤もしくは固体分散体の形態で含む。経口使用のための組成物は、医薬組成物の製造のために当技術分野で公知の任意の方法で調製され、そのような組成物は、医薬として洗練された良好な風味の製剤を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種または複数の薬剤を含んでもよい。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒で医薬として許容される賦形剤と混合された形態で有効成分を含んでいてもよい。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム、顆粒化剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチまたはアルギン酸、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンもしくはアカシア、または滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルクである。錠剤は、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させるために、したがって長期間の持続的作用を提供するために、コーティングされていなくてもまたは公知の技術によりコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの遅延材料を用いることができる。経口使用のための製剤は、有効成分を不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンと混合させた硬ゼラチンカプセルとして、または有効成分を水または油性媒体、例えば落花生油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合させた軟ゼラチンカプセルとして、提供することができる。
【0182】
ある特定の注射可能組成物は、水溶性等張溶液または懸濁液であり、坐剤は有利には脂肪乳剤または懸濁剤から調製される。前記組成物は、滅菌化してもよく、および/または佐剤、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤もしくは乳化剤、溶解促進剤(solution promoter)、浸透圧を制御するための塩および/またはバッファーを含有してもよい。さらにそれらは治療的に価値のある他の物質を含有してもよい。前記組成物は、それぞれ従来の混合方法、顆粒化方法、またはコーティング方法で調製され、約0.1〜75%、または約1〜50%の有効成分を含有する。
【0183】
経皮適用のために適切な組成物は、有効量の本発明の化合物と、適切な担体とを含む。経皮送達に適切な担体としては、ホストの皮膚を介して通過することを支援する、吸収可能な薬理学的に許容される溶媒が挙げられる。例えば、経皮装置は、裏部材、化合物を場合により担体と共に含有するリザーバー、場合によりホストの皮膚の化合物を制御されたおよび既定の速度で長期間送達させるための速度制御バリア、ならびに皮膚に装置を固定するための手段を含む包帯の形態である。
【0184】
局所適用のために適切な組成物、例えば、皮膚および眼に適用するための組成物としては、水溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは噴霧可能な製剤、例えばエアロゾルなどによって送達する製剤が挙げられる。そのような局所送達系は、特に皮膚に対する適用に適しており、例えば皮膚癌の処置のため、例えば、日光用クリーム、ローション、スプレーなどの予防的使用のために適切である。したがって、局所適用のための組成物は、局所用、例えば、化粧品、当技術分野で周知の製剤で使用するために特に適している。そのような製剤は、溶解剤、安定剤、等張性増強剤、バッファーおよび保存剤を含んでいてもよい。
【0185】
本明細書で使用するとき、局所適用は、吸入または鼻腔内適用に関連するものであってもよい。それらは、便宜的には、適切な推進薬を使用してまたは使用せずに、乾燥パウダー吸入器または気圧調節された容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーからのエアゾールスプレー提供形態からの乾燥粉末の形態で(単独でまたは混合物として、例えば、ラクトースとの乾燥ブレンドで、または微粒子成分混合物で、例えばリン脂質と共に)送達されてもよい。
【0186】
本発明において使用される医薬組成物は、約50〜70kgの対象に対する単位投与量が、約1〜1000mgの有効成分、または約1〜500mg、または約1〜250mg、約1〜150mg、約0.5〜100mg、または約1〜50mgの有効成分でありうる。化合物、その医薬組成物、またはその組み合わせの治療有効投与量は、対象の種、体重、年齢、個々の処置される状態、障害もしくは疾患またはその重症度に依存する。通常の技術を有する内科医、臨床医または獣医であれば、障害または疾患を予防、処置、または進行を阻害するために必要となる各有効成分の有効量を、容易に決定することができる。
【0187】
以下の実施例は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。温度は摂氏度で示される。他に言及がない場合、全ての蒸発は、減圧下、通常、約15mmHg〜100mmHg(=20〜133mbar)で実施される。最終生成物、中間体および出発材料の構造は、標準的分析方法、例えば微量分析、分光学的特性、例えばMS、IR、NMRによって確認される。使用される略語は、当技術分野で従来使用されている略語である。
【0188】
本発明の化合物の合成で使用される全ての出発原料、構成要素、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶剤、および触媒は、市販されているか、または当業者に既知の有機的合成方法で製造することができる。さらに、本発明の化合物は、以下の実施例に示されるように、当業者に公知の有機合成方法によって製造することができる。
【0191】
分析の詳細
NMR:測定は、内部標準としてトリメチルシランを使用してまたは使用せずに、Bruker Ultrashield(商標)400(400MHz)、Bruker Ultrashield(商標)600(600MHz)、400MHz DRX Bruker CryoProbe(400MHz)または500MHz DRX Bruker CryoProbe(500MHz)分光計で行った。化学シフト(d−values)は、トリメチルシランからのダウンフィールドをppmで示し、分裂パターンスペクトルを、シングレット(s)、ダブレット(d)、トリプレット(t)、クアトレット(q)、マルチプレット、非特定またはさらなる重複シグナル(m)、ブロードシグナル(br)として設定した。溶媒を括弧内に示す。
【0192】
DSC:DSC測定は、DSC冷凍冷却システム(TA Instruments、New Castle、DE、USA)を備えたDSC Q2000(TA Instruments、New Castle、DE、USA)を使用して行った。データは、常駐のUniversal Analysis(登録商標)Softwareを使用して数学的に処理した。温度および融解熱の較正、参照材料としてインジウムを使用して実施した。試料は、開放されたアルミニウム鍋中で分析し、窒素パージ下、10℃/分の加熱速度で20〜300℃で走査した。
【0193】
UPLC−MS1:
システム:Waters SQ検出器を有するWaters Acquity UPLC。
カラム:Acquity HSS T3 1.8μm 2.1×50mm。
流速:1.2ml/分。カラム温度:50℃。
濃度勾配:1.4分でB2から98%、A=水+0.05%ギ酸+3.75mM酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル+0.04%ギ酸。
【0194】
UPLC−MS3:
システム:Waters SQ検出器を有するWaters Acquity UPLC。
カラム:Acquity HSS T3 1.8μm 2.1×50mm。
流速:1.0ml/分。カラム温度:60℃。
濃度勾配:1.4分でB5から98%、A=水+0.05%ギ酸+3.75mM酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル+0.04%ギ酸。
【0195】
UPLC−MS6:
システム:Waters SQ検出器を有するWaters Acquityウルトラパフォーマンス。
カラム:Acquity HSS T3 1.8μm 2.1×50mm。
流速:1.0ml/分。カラム温度:60℃。
濃度勾配:1.4分でB5から98%、A=水+0.05%ギ酸+3.75mM酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル+0.04%ギ酸。
【0196】
UPLC−MS7:
システム:Waters SQ検出器を有するWaters Acquityウルトラパフォーマンス。
カラム:Acquity HSS T3 1.8μm 2.1×50mm。
流速:1.0ml/分。カラム温度:60℃。
濃度勾配:1.4分でB5から98%、A=水+0.05%ギ酸+3.75mM酢酸アンモニウム、B=アセトニトリル+0.04%ギ酸。
【0197】
調製方法:
フラッシュクロマトグラフィーシステム:
システム:Teledyne ISCO、CombiFlash Rf。
カラム:予めパックしたRediSep(登録商標)Rfカートリッジ。
試料をIsolute上にもしくはシリカゲル上に吸着(absorb)させるか、または溶液として塗布した。
【0198】
超臨界流体クロマトグラフィー(SFC 1):
システム:Waters 2998フォトダイオードアレイ(PDA)検出器およびWaters 3100質量検出器を有するWaters SFC 100分取システム
カラム寸法:250×30mm。
カラム:
【0199】
【表2】
流速:100ml/分 背圧120bar
濃度勾配:超臨界CO
2/MeOHを用いる最適化された濃度勾配溶出。
【0200】
逆相HPLC(RP4):
システム:UV−誘発コレクションシステム(254nm)を有するGilson分取HPLCシステム。
カラム:Sunfire Prep C18 OBD 5μm 30×100cm、温度25℃
濃度勾配:20分かけて0.1%TFAを含む水中5〜40%アセトニトリルの濃度勾配、流速30ml/分。
【0201】
[実施例3]
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド
【0202】
【化13】
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体2、150mg、0.424mmol)のTHF(3ml)溶液を、水(2.25ml)および濃HCl(0.75ml)で処理した。反応混合物を、室温で、15分間撹拌した。反応物を、飽和NaHCO
3水溶液の添加(ガス発生)によりクエンチし、DCM(3×)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗製材料を、順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ12g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製し、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.86 (s, 1H), 9.96 (d, 1H), 8.80 (dd, 1H), 8.27 (dd, 1H), 8.22 (dd, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 4.30 - 3.96 (m, 2H), 2.95 (t, 2H), 2.03 - 1.90 (m, 2H).
(UPLC−MS1)t
R0.98分、ESI−MS 308.1[M+H]
+。
【0203】
中間体2:N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
フェニル7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート(中間体3、262mg、0.798mmol)および2−アミノ−5−シアノピリジン(190mg、1.60mmol)のTHF(7.5ml)中溶液を、アルゴン下−15℃にてLHMDS(THF中1M、1.60ml、1.60mmol)で滴下処理した。反応混合物を−15℃で25分間撹拌し、次いで飽和NH
4Cl水溶液を加えることによりクエンチし、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ12g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製して、標題化合物を白色固体として得た。(UPLC−MS1)t
R1.09分;ESI−MS 354.1[M+H]
+。
【0204】
中間体3:フェニル7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート。
7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(中間体4、2g、9.60mmol)およびジフェニルカルボネート(4.11g、19.21mmol)のTHF(40ml)中溶液を、−15℃にてLHMDS(THF中1M、13.3ml、13.3mmol)で0.5時間かけて処理した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗生成物を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ80g、ヘプタン/EtOAc 100:0から25:75)により精製して、標題化合物を淡黄色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.65 (d, 1 H), 7.46 - 7.38 (m, 2 H), 7.27 - 7.18 (m, 4H), 5.17 (s, 1 H), 3.87 - 3.80 (m, 2 H), 3.26 (s, 6 H), 2.83 (t, 2 H), 2.00 - 1.92 (m, 2 H).
【0205】
中間体4:7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン。
J. Org. Chem., 2004, 69(6), pp 1959-1966に記載されている手順を使用した。5リットルの圧力タンク反応器(5atm)中に、2−(ジメトキシメチル)−1,8−ナフチリジン(中間体5、200g、979mmol)、エタノール(3リットル)、PtO
2(12g)を入れた。反応器を排気し、窒素で3回フラッシュし、続いて水素でフラッシュした。混合物を水素雰囲気下23℃で終夜撹拌した。この反応を4回繰り返した。固体を濾別し、得られた混合物を真空下に濃縮して、標題化合物を黄色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.14 (d, 1H), 6.51 (d, 1H), 6.47 - 6.41 (m, 1H), 4.98 (s, 1H), 3.28 - 3.19 (m, 2H), 3.23 (s, 6H), 2.64 (t, 2H), 1.73 - 1.79 (m, 2H).
【0206】
中間体5:2−(ジメトキシメチル)−1,8−ナフチリジン。
J. Org. Chem., 2004, 69(6), pp 1959-1966に記載されている手順を使用した。20リットルの四つ口丸底フラスコ中に、2−アミノピリジン−3−カルバルデヒド(1000g、8.19mol)、1,1−ジメトキシプロパン−2−オン(1257g、10.64mol)、エタノール(10リットル)、および水(2リットル)を入れた。続いて0〜15℃で撹拌しながら水酸化ナトリウム(409.8g、10.24mol)の水(1000ml)中溶液を滴下添加した。溶液を0〜20℃で3時間撹拌し、次いで真空下に濃縮した。得られた溶液を酢酸エチル3×1200mlで抽出し、有機層を合わせた。混合物を硫酸ナトリウムで脱水し、真空下に濃縮した。残留物をヘキサン3×300mlで洗浄し、固体を濾取した。これにより標題化合物を黄色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.11 (dd, 1H), 8.53 (d, 1H), 8.50 (dd, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.67 (dd, 1H), 5.44 (s, 1H), 3.41 (s, 6H).
【0207】
[実施例27]
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
【0208】
【化14】
中間体25から、実施例18の調製と同様の方法で反応させた。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)は、13.93および13.48ppmでのシグナルの積分により決定される通り、標題化合物(少量)と対応する5員環ラクトール(多量)との約1:3.1比での部分的に重なった混合物であることを示した。多量:δ 13.48 (s, 1H), 8.77 - 8.74 (m, 1H), 8.31 - 8.20 (m, 2H), 7.73 (s, 1H), 7.05 (d, 1H), 6.19 (d, 1H), 5.09 - 5.01 (m, 1H), 4.95 - 4.87 (m, 1H), 4.06 - 3.88 (m, 2H), 2.88 (t, 2H), 2.02 - 1.86 (m, 2H);少量:13.93 (s, 1H), 10.09 (s, 1H), 8.82 - 8.78 (m, 1H), 8.31 - 8.20 (m, 2H), 8.06 - 8.01 (m, 1H), 5.51 (t, 1H), 4.95 - 4.87 (m, 2H), 4.06 - 3.88 (m, 2H), 2.98 (t, 2H), 2.02 - 1.86 (m, 2H).(UPLC−MS3)t
R0.81、0.86;ESI−MS 338.1、338.1[M+H]
+。
【0209】
中間体25:N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
6−ブロモ−N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体2H、171mg、0.396mmol)のTHF(5ml)中溶液に、−78℃でMeLi(Et
2O中1.6M、0.247ml、0.396mmol)を加え、溶液を5分間撹拌した。次いで、n−BuLi(ヘキサン中1.6M、0.272ml、0.435mmol)を加え、溶液を20分間撹拌した。次いで、DMF(0.184ml、2.37mmol)を加えた。反応混合物を−78℃で1.5時間撹拌し、次いで室温に加温した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液中に注ぎ入れ、DCMで2回抽出した。次いで有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。残留物を順相クロマトグラフィー(ゴールドシリカゲルカートリッジ12g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製した。N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド含有フラクションを濃縮した。残留物をMeOH(1.5ml)およびDCM(1.5ml)に溶解し、NaBH
4(5.32mg、0.141mmol)で処理した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで飽和NH
4Cl水溶液中に注ぎ入れ、DCM(3回)で抽出した。次いで合わせた有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ4g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により、続いて逆相クロマトグラフィー(C18カートリッジ13g、水/アセトニトリル80:20から0:100中0.1%TFA)により精製した。生成物含有フラクションを飽和Na
2CO
3水溶液で処理し、有機溶媒が除去されるまで濃縮し、DCM(3回)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させて、標題化合物を無色樹脂として得た。(UPLC−MS3)t
R0.92分;ESI−MS 384.1[M+H]
+。
【0210】
参考実施例18:7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
【0211】
【化15】
7−(ジメトキシメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体14、18mg、0.042mmol)のTHF(0.8ml)中溶液を、水(0.6ml)および濃HCl(0.2ml)で処理し、15分間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液(ガス発生)を加えることによりクエンチし、DCM(3回)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗製材料をEtOAc/ヘプタン10:1で摩砕し、濾過し、真空下で乾燥して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)は、13.87および13.38ppmでのシグナルの積分により決定される通り、標題化合物(少量)と対応する5員環ラクトール(多量)との約1:2.1比での部分的に重なった混合物であることを示した。δ多量:13.38 (s, 1H), 8.69 - 8.66 (m, 1H), 8.28 (d, 1H), 8.19 (td, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.02 (d, 1H), 6.19 (dd, 1H), 5.09 - 5.01 (m, 1H), 4.94 - 4.87 (m, 1H), 4.06 - 3.89 (m, 2H), 2.89 (t, 2H), 2.00 - 1.88 (m, 2H);少量:13.87 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.75 - 8.72 (m, 1H), 8.28 (d, 1H), 8.19 (td, 1H), 8.03 (s, 1H), 5.50 (t, 1H), 4.94 - 4.87 (m, 2H), 4.06 - 3.89 (m, 2H), 2.98 (t, 2H), 2.00 - 1.88 (m, 2H).(UPLC−MS1)t
R0.97、1.05;ESI−MS 381.1、381.1[M+H]
+。
【0212】
参考中間体14:7−(ジメトキシメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
6−ブロモ−7−(ジメトキシメチル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体2D、100mg、0.210mmol)のTHF(2ml)中溶液を、アルゴン下−78℃にてn−BuLi(ヘキサン中1.5M、0.309ml、0.463mmol)で滴下処理した。得られた茶褐色溶液を2分間撹拌し、次いでDMF(0.1ml、1.29mmol)を加えた。得られた黄色溶液を−78℃で15分間撹拌した。反応混合物を、飽和NH
4Cl水溶液を加えることによりクエンチし、室温に加温し、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ12g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製し、7−(ジメトキシメチル)−6−ホルミル−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドを含有するフラクションを濃縮して、白色固体を得た。この物質をMeOH(2ml)およびDCM(1ml)に溶解し、室温にてNaBH
4(6.36mg、0.168mmol)で処理し、0.5時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、DCM(3回)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ12g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製し、生成物含有フラクションを濃縮して、標題化合物を白色固体として得た。(UPLC−MS1)t
R1.10分;ESI−MS 421.0[M+H]
+。
【0213】
参考中間体2D:6−ブロモ−7−(ジメトキシメチル)−N−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
中間体11および5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミンから、中間体2の調製と同様の方法で反応させた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 13.56 (s, 1H) 8.70 - 8.75 (m, 1H) 8.26 (d, 1H) 8.16 (dd, 1H) 7.99 (s, 1H) 5.59 (s, 1H) 3.91 - 3.98 (m, 2H) 3.39 (s, 6H) 2.85 (t, 2H) 1.86 - 1.96 (m, 2H).
【0214】
中間体11:フェニル6−ブロモ−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート。
6−ブロモ−7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(中間体12、2.28g、7.94mmol)およびジフェニルカルボネート(2.13g、9.93mmol)のTHF(40ml)中溶液を、−17℃にて5分かけてLHMDS(THF中1M、8.34ml、8.34mmol)で滴下処理した。黄色反応混合物を30分間撹拌し、飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAc(2回)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗製物を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ80g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.94 (s, 1H) 7.37 - 7.45 (m, 2H) 7.19 - 7.28 (m, 3H) 5.46 (s, 1H) 3.80 - 3.87 (m, 2H) 3.29 (s, 6H) 2.84 (t, 2H) 1.90 - 2.00 (m, 2H).
【0215】
参考中間体12:6−ブロモ−7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン。
3リットルの四つ口丸底フラスコ中に、アセトニトリル(2リットル)中の7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(中間体4、114.6g、550.3mmol)を入れた。これに続いて25℃で撹拌しながらNBS(103g、578mol)を少しずつ加えた。得られた溶液を25℃で30分間撹拌した。得られた混合物を真空下に濃縮し、残留物をジエチルエーテル1000mlで希釈した。混合物を氷/水3×100mlで洗浄した。水相をジエチルエーテル2×100mlで抽出し、有機層を合わせた。得られた混合物をブライン1×100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、真空下に濃縮して、標題化合物を薄黄色固体として得た。LC−MS:(ES、m/z):286.03[M+H]
+。
1H-NMR: (300MHz, CDCl
3) δ 1.86 - 1.94 (2H, m), 2.70 - 2.74 (2H, m), 3.9 - 3.43 (2H, m), 3.47 (6H, s), 5.23 (1H, s), 5.58 (1H, s), 7.29 (1H, s).
【0216】
[実施例39]
N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
【0217】
【化16】
6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体37、98mg、0.171mmol)のTHF(1ml)およびH
2O(1ml)中溶液に濃HCl(0.5ml)を加え、反応混合物を室温で6時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液中に注ぎ入れ、DCM(2回)で抽出した。次いで有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製材料をEtOAc/ヘプタン中で摩砕し、続いて真空下で乾燥して、標題化合物を無色粉体として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)は、13.90および13.42ppmでのシグナルの積分により決定される通り、標題化合物(少量)と対応する5員環ラクトール(多量)との約1:2.8比での部分的に重なった混合物であることを示した。δ多量:13.42 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.02 - 7.10 (m, 1 H), 6.14 - 6.23 (m, 1H), 5.05 (dd, 1H), 4.86 - 4.94 (m, 1H) 4.29 - 4.38 (m, 2H), 3.88 - 4.03 (m, 2H), 3.71 - 3.77 (m, 2H), 2.88 (t, 2H), 1.86 - 2.00 (m, 2H).少量:13.90 (s, 1H), 10.07 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 5.51 (t, 1 H), 4.86 - 4.94 (m, 2H), 4.29 - 4.38 (m, 2H), 3.88 - 4.03 (m, 2H), 3.71 - 3.77 (m, 2H), 2.98 (t, 2H), 1.86 - 2.00 (m, 2H).(UPLC−MS3)t
R0.87、0.91;ESI−MS 412.2、412.2[M+H]
+。
【0218】
中間体37:6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
フェニル6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート(中間体38、206mg、0.436mmol)および6−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)ニコチノニトリル(中間体20、93mg、0.479mmol)のTHF(3ml)中溶液に、−78℃でLHMDS(THF中1M、0.959ml、0.959mmol)をゆっくり加えた。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで室温に加温した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液中に注ぎ入れ、DCMで2回抽出した。次いで有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ12g、ヘプタン/EtOAc 100:0から50:50)により、続いて逆相クロマトグラフィー(C18カートリッジ43g、水/アセトニトリル90:10から0:100中0.1%TFA)により精製して、標題化合物を灰白色固体として得た。(UPLC−MS3)t
R1.59分;ESI−MS 572.3[M+H]
+。
【0219】
中間体38:フェニル6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート。
6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(中間体39、8.49g、24.1mmol)およびジフェニルカルボネート(5.42g、25.3mmol)のTHF(130ml)中溶液に、−78℃でLHMDS(THF中1M、25.3ml、25.3mmol)をゆっくり加えた。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで室温に加温した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液中に注ぎ入れ、DCMで2回抽出した。次いで合わせた有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ330g、ヘプタン/EtOA c100:0から50:50)により精製して、標題化合物を薄黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.68 (s, 1H), 7.37 - 7.45 (m, 2H), 7.19 - 7.27 (m, 3H), 5.17 (s, 1H), 4.84 (s, 2H), 3.80 - 3.86 (m, 2H), 3.27 (s, 6H), 2.84 (t, 2H), 1.91 - 2.02 (m, 2H), 0.91 (s, 9 H), 0.08 (s, 6H).
【0220】
中間体39:6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン。
(2−(ジメトキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−イル)メタノール(中間体40、6.5g、27.3mmol)のDCM(100ml)およびDMF(25ml)中溶液に、0℃でDIPEA(7.15ml、40.9mmol)、tert−ブチルクロロジメチルシラン(4.93g、32.7mmol)およびDMAP(0.067g、0.546mmol)を加えた。次いで反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで飽和NaHCO
3水溶液中に注ぎ入れ、DCMで2回抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ120g、ヘプタン/EtOAc 95:5から0:100)により精製して、標題化合物を薄黄色油状物として得、これは静置すると固化して、灰白色粉体を得た。(UPLC−MS3)t
R1.10分;ESI−MS 353.3[M+H]
+。
【0221】
中間体40:(2−(ジメトキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−イル)メタノール。
2−(ジメトキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルバルデヒド(中間体41、10g、38.2mmol)のMeOH(120ml)およびDCM(60ml)中溶液に、NaBH
4(1.16g、30.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで飽和NH
4Cl水溶液でゆっくりクエンチし、有機溶媒がほとんど除去されるまで濃縮した。得られた混合物をDCM(4回)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ330g、DCM/(DCM/MeOH 9/1) 100:0から45:55)により精製して、標題化合物を黄色油状物として得た。(UPLC−MS3)t
R0.38分;ESI−MS 239.2[M+H]
+。
【0222】
中間体41:2−(ジメトキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルバルデヒド。
6−ブロモ−7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(中間体12、15.0g、52.2mmol)のTHF(400ml)中溶液に、アルゴン下−78℃でMeLi(Et
2O中1.6M、32.6ml、52.2mmol)を加え、溶液を5分間撹拌し、次いでn−BuLi(ヘキサン中1.6M、35.9ml、57.5mmol)をゆっくり加え、溶液を20分間撹拌した。THF(100ml)を−78℃で反応物に加えた。その後、n−BuLi(ヘキサン中1.6M、49.0ml、78mmol)を加え、反応混合物を20分間撹拌し、次いでn−BuLi(ヘキサン中1.6M、6.53ml、10.45mmol)を再度加え、混合物を−78℃で10分間撹拌した。DMF(2.10ml、27.2mmol)を加え、反応混合物を−78℃で45分間撹拌し、次いでこれを室温に加温し、飽和NH
4Cl水溶液中に注ぎ入れ、DCMで2回抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させて、標題化合物をオレンジ色油状物として得た。(UPLC−MS3)t
R0.63分;ESI−MS 237.2[M+H]
+。
【0223】
中間体12:6−ブロモ−7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン。
3リットルの四つ口丸底フラスコ中に、アセトニトリル(2リットル)中の7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(中間体4、114.6g、550.3mmol)を入れた。これに続いて25℃で撹拌しながらNBS(103g、578mol)を少しずつ加えた。得られた溶液を25℃で30分間撹拌した。得られた混合物を真空下に濃縮し、残留物をジエチルエーテル1000mlで希釈した。混合物を氷/水3×100mlで洗浄した。水相をジエチルエーテル2×100mlで抽出し、有機層を合わせた。得られた混合物をブライン1×100mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、真空下に濃縮して、標題化合物を薄黄色固体として得た。LC−MS:(ES、m/z):286.03[M+H]
+。
1H-NMR: (300MHz, CDCl
3) δ 1.86 - 1.94 (2H, m), 2.70 - 2.74 (2H, m), 3.9 - 3.43 (2H, m), 3.47 (6H, s), 5.23 (1H, s), 5.58 (1H, s), 7.29 (1H, s).
【0224】
中間体20:6−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)ニコチノニトリル。
KHMDSのTHF中溶液(1M、48.1ml、48.1mmol)を、室温で2−メトキシエタノール(1.68g、21.88mmol)のTHF(90ml)中溶液に加えた。2分後、6−アミノ−4−フルオロニコチノニトリル(中間体21、3.00g、21.9mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液とEtOAcとの間で分配し、EtOAc(2回)で抽出し、合わせたEtOAc層をブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をEtOAcで摩砕し、濾過により、標題化合物をベージュ色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.14 (s, 1H), 6.91 (s, br, 2H), 6.03 (s, 1H), 4.19 - 4.13 (m, 2H), 3.34 - 3.28 (m, 2H), 2.51 (s, 3H).
【0225】
中間体21:6−アミノ−4−フルオロニコチノニトリル。
DMA(800ml)中の4−フルオロ−5−ヨードピリジン−2−アミン(中間体22、240g、1mol)、シアン化亜鉛(125g、1.05mol)、亜鉛(13g、0.2mol)、Pd
2(dba)
3(25g、25mmol)およびdppf(55g、0.1mol)を脱気し、窒素下丸底フラスコ中に仕込んだ。混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物を5%NaHCO
3(2リットル)で希釈し、EtOAc(4×600ml)で抽出した。合わせた有機層を5%NaOH(1リットル)で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、700mlに濃縮した。得られた有機相を、EtOAc(1.7リットル)を用いてシリカゲルカラムに通して溶出した。合わせた有機濾液を2M HCl(3×800ml)で洗浄した。水相のpHを飽和NaHCO
3で10に調節した。水相をDCM(3×500ml)で抽出した。合わせたDCMをNa
2SO
4で脱水し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ペンタン:EtOAc 10:1から3:2で溶出)により更に精製し、続いてペンタン/EtOAc 3/1から再結晶化して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.40 (d, 1H), 7.40 (s, 2H), 6.34 (d, 1H).
【0226】
中間体22:4−フルオロ−5−ヨードピリジン−2−アミン。
4−フルオロピリジン−2−アミン(336g、2.5mol)およびNIS(745g、2.75mol)のMeCN(9リットル)中懸濁液を、TFA(114g、1mol)で処理した。次いで反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(10リットル)で希釈し、飽和Na
2S
2O
3水溶液(2×5リットル)、ブライン(4×5リットル)で洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をEtOAc/ペンタン(1/10)から再結晶化することにより精製して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.14 (d, 1H), 6.45 (s, 2H), 6.33 (d, 1H).
【0227】
[実施例49]
(R)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド
【0228】
【化17】
中間体37Hから、実施例39の調製と同様の方法で反応させた。
(UPLC−MS3)t
R0.85、0.90;ESI−MS 424.2、424.2[M+H]
+。
【0229】
中間体37H:(R)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
中間体38および47から、中間体37の調製と同様の方法で反応させた。(UPLC−MS3)t
R1.59分;ESI−MS 584.3[M+H]
+。
【0230】
中間体47:(R)−6−アミノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ニコチノニトリル。
(R)−テトラヒドロフラン−3−オール(161mg、1.82mmol)を、室温にてKHMDS(THF中1M、1.09ml、1.09mmol)で処理した。反応混合物を2分間撹拌した。次いで、混合物を6−アミノ−4−フルオロニコチノニトリル(中間体21、50mg、0.365mmol)のNMP(0.5ml)中溶液に加えた。得られた暗茶褐色溶液を室温で1時間50分撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ4g、DCM/(DCM/(MeOH中1M NH
3) 9/1) 100:0から0:100)により精製して、標題化合物を茶褐色固体として得た。(UPLC−MS3)t
R0.48分;ESI−MS 206.1[M+H]
+。
【0231】
[実施例50]
(S)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド
【0232】
【化18】
中間体37Iから、実施例39の調製と同様の方法で反応させた。
(UPLC−MS3)t
R0.85、0.89;ESI−MS 424.2、424.2[M+H]
+。
【0233】
中間体37I:(S)−6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
中間体38および47から、中間体37の調製と同様の方法で反応させた。(UPLC−MS3)t
R1.59分;ESI−MS 584.3[M+H]
+。
【0234】
[実施例63]
N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド
【0235】
【化19】
中間体37Lから、実施例3の調製と同様の方法で反応させた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.66 (s, 1H), 10.01 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.57 (t, 1H), 4.33 - 4.39 (m, 2H), 3.97 - 4.05 (m, 2H), 3.72 - 3.78 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 3.01 (t, 2H), 1.93 - 2.03 (m, 2H).
(UPLC−MS3)t
R1.16、ESI−MS 432.2[M+H]
+。
【0236】
中間体37L:N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
中間体54および20から、中間体37の調製と同様の方法で反応させた。(UPLC−MS3)t
R1.25分;ESI−MS 478.2[M+H]
+。
【0237】
中間体54:フェニル6−(ジフルオロメチル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート。
フェニル7−(ジメトキシメチル)−6−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート(中間体51B、100mg、0.281mmol)のDCM(2.5ml)中溶液に、DAST(0.185ml、1.40mmol)を加え、溶液を室温で2時間撹拌し、次いでDAST(0.037ml、0.281mmol)を加え、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液中に注ぎ入れ、DCMで2回抽出した。次いで有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ4g、ヘプタン/EtOAc 95:5から50:50)により精製して、標題化合物を黄色樹脂として得た。(UPLC−MS3)t
R1.19分;ESI−MS 379.5[M+H]
+。
【0238】
フェニル6−(ジフルオロメチル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレートの代替合成を以下に概説する:
LHMDSのTHF中溶液(1.6M、6.64ml、10.63mmol)を、−78℃で6−(ジフルオロメチル)−7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(中間体101、1.7g、6.25mmol)およびジフェニルカルボネート(1.41g、6.57mmol)のTHF(20ml)中溶液に滴下添加した。反応混合物を−78℃で30分間、次いで室温で18時間撹拌し、飽和NH
4Cl水溶液とDCMとの間で分配し、DCM(2回)で抽出し、Na
2SO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をIsolute上に予め吸着させ、ヘプタンからヘプタン中50%EtOAcの濃度勾配で溶出するRediSep(登録商標)シリカカラム40gを用いる順相クロマトグラフィーにより精製した。生成物含有フラクションを合わせ、蒸発させて、標題化合物を白色固体として得た。(UPLC−MS7)t
R1.19分;ESI−MS 379.4[M+H]
+。
【0239】
中間体51B:フェニル7−(ジメトキシメチル)−6−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート。
中間体41から、中間体51の調製と同様の方法で反応させた。(UPLC−MS3)t
R1.08分;ESI−MS 357.2[M+H]
+。
【0240】
参考中間体51:フェニル7−(ジメトキシメチル)−6−ヨード−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート。
7−(ジメトキシメチル)−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(中間体52、97mg、0.290mmol)およびジフェニルカルボネート(74.6mg、0.348mmol)のTHF(2.5ml)中溶液を、−78℃にてLHMDS(THF中1M、0.334ml、0.334mmol)で処理し、2時間撹拌した。次いで反応物を20分かけて室温に加温し、飽和NH
4Cl水溶液を加えることによりクエンチし、DCM(2回)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ12g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製して、標題化合物を白色固体として得た。(UPLC−MS3)t
R1.19分;ESI−MS 455.1[M+H]
+。
【0241】
参考中間体52:7−(ジメトキシメチル)−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン。
7−(ジメトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン(中間体4、1g、4.8mmol)のMeCN(15ml)中溶液を、NIS(1.13g、5.04mmol)で処理し、アルミ箔で覆われたフラスコ中で4時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮した。残留物をEt
2OおよびDCMで処理し、水(2回)およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ80g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製して、標題化合物を黄色油状物として得た。(UPLC−MS3)t
R0.73分;ESI−MS 335.3[M+H]
+。
【0242】
[実施例68]
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
【0243】
【化20】
中間体59から、実施例3の調製と同様の方法で反応させた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.91 (s, 0.75H), 13.89 (s, 0.25H), 10.12 (s, 0.75H), 10.09 (s, 0.25H), 8.85 - 8.78 (m, 1H), 8.31 - 8.19 (m, 2H), 7.58 (s, 0.75H), 7.55 (s, 0.25H), 4.95 (s, 0.5H), 4.87 (s, 1.5H), 4.04 - 3.94 (m, 2H), 3.02 - 2.91 (m, 4.25H), 2.83 (s, 0.75H), 2.12 (s, 2.25H), 2.00 - 1.89 (m, 2.75H).回転異性体の3:1混合物。
(UPLC−MS3)t
R0.91;ESI−MS 393.2[M+H]
+。
【0244】
中間体59:N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−((メチルアミノ)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体60、14.5mg、0.037mmol)のDCM(0.5ml)中溶液に、Et
3N(10.2μl、0.073mmol)および無水酢酸(6.9μl、0.073mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、飽和NaHCO
3水溶液中に注ぎ入れ、DCM(2回)で抽出した。次いで有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ4g、DCM/(DCM/MeOH 9/1) 100:0から0:100)により精製して、標題化合物を灰白色固体として得た。(UPLC−MS3)t
R0.98分;ESI−MS 439.3[M+H]
+。
【0245】
中間体60:N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−((メチルアミノ)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
管にメチルアミン塩酸塩(7.79mg、0.115mmol)を、続いてメチルアミン(MeOH中2M、0.058ml、0.115mmol)およびNaCNBH
3(14.5mg、0.231mmol)を仕込んだ。次いで、N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体36、22mg、0.058mmol)のMeOH(1ml)中懸濁液を加え、管を密封し、反応混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、有機溶媒がほとんど除去されるまで濃縮した。水を加え、混合物をDCM(3回)で抽出した。次いで有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ4g、DCM/(DCM/(MeOH中7M NH
3) 9/1) 100:0から50:50)により精製して、標題化合物を黄色樹脂として得た。(UPLC−MS3)t
R0.72分;ESI−MS 397.3[M+H]
+。
【0246】
中間体36:N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
6−ブロモ−N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体2H、300mg、0.694mmol)のTHF(10ml)中溶液に、−78℃でMeLi(Et
2O中1.6M、0.434ml、0.694mmol)を加え、溶液を5分間撹拌し、次いでn−BuLi(ヘキサン中1.6M、0.477ml、0.763mmol)を加え、溶液を20分間撹拌した。次いで、DMF(0.322ml、4.16mmol)を加え、反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温に加温した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液中に注ぎ入れ、DCMで2回抽出した。次いで合わせた有機相をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製材料を順相クロマトグラフィー(ゴールドシリカゲルカートリッジ40g、ヘプタン/EtOAc 95:5から0:100)により精製して、標題化合物を無色粉体として得た。(UPLC−MS3)t
R1.10分;ESI−MS 382.2[M+H]
+。
【0247】
中間体2H:6−ブロモ−N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
中間体11および2−アミノ−5−シアノピリジンから、中間体2の調製と同様の方法で反応させた。(UPLC−MS1)t
R1.18分、ESI−MS 432.0、434.0[M+H]
+。
【0248】
[実施例80]
N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
【0249】
【化21】
6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体74、3.10g、5.43mmol)のTHF(40ml)中溶液を、H
2O(30ml)で処理し、続いて濃HCl(10ml)を滴下添加し、40分間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液(ガス発生)を加えることによりクエンチし、次いでDCM(3回)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をEtOAc(25ml)で処理し、白色懸濁液が得られるまで超音波処理した。次いで、ヘプタン(25ml)を加え、得られた懸濁液を濾過した。固体をヘプタンで洗浄し、真空下で乾燥して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)は、13.52および13.01ppmでのシグナルの積分により決定される通り、標題化合物(少量)と対応する5員環ラクトール(多量)との約1:2.5比での部分的に重なった混合物であることを示した。δ多量:13.01 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.01 (d, 1H), 6.91 (t, 1H), 6.16 (dd, 1H), 5.04 (dd, 1H), 4.92 - 4.85 (m, 1H), 4.01 - 3.87 (m, 2H), 3.56 - 3.50 (m, 2H), 3.43 - 3.35 (m, 2H), 3.30 - 3.28 (m, 3H), 2.87 (t, 2H), 2.00 - 1.83 (m, 2H);少量:13.52 (s, 1H), 10.05 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 6.96 (t, 1H), 5.47 (t, 1H), 4.92 - 4.85 (m, 2H), 4.01 - 3.87 (m, 2H), 3.56 - 3.50 (m, 2H), 3.43 - 3.35 (m, 2H), 3.30 - 3.28 (m, 3H), 2.96 (t, 2H), 2.00 - 1.83 (m, 2H).
(UPLC−MS3)t
R0.82、ESI−MS 411.2、[M+H]
+。
【0250】
中間体74:6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
フェニル6−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−7−(ジメトキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート(中間体38、2.98g、6.29mmol)および6−アミノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ニコチノニトリル(中間体75、1.10g、5.72mmol)のTHF(45ml)中溶液を、−70℃(ドライアイス/2−PrOH浴、内温)にてアルゴン下LHMDS(THF中1M,12.6ml、12.6mmol)で処理した。得られた溶液を冷却しながら35分間撹拌した。次いで冷却浴を除去し、反応混合物を−25℃に加温した後、−70℃に再度冷却した。得られた溶液を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、室温に加温し、EtOAc/ヘプタン 1:1で2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ80g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製した。生成物含有フラクションを濃縮し、真空乾燥して、標題化合物を白色固体として得た。(UPLC−MS3)t
R1.60;ESI−MS 571.4[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3-d) δ 13.81 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 5.45 (s, 1H), 5.26 (br s, 1H), 4.87 (s, 2H), 4.07 - 3.99 (m, 2H), 3.63 (t, 2H), 3.52 - 3.38 (m, 11H), 2.86 (t, 2H), 2.05 - 1.94 (m, 2H), 0.95 (s, 9H), 0.12 (s, 6H).
【0251】
中間体75:6−アミノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ニコチノニトリル。
6−アミノ−4−フルオロニコチノニトリル(中間体21、1.10g、8.02mmol)のDMA(20ml)中溶液を、2−メトキシエチルアミン(2.07ml、24.1mmol)およびDIPEA(4.20mL、24.1mmol)で処理し、50℃に加熱し、15時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。粗製材料を順相クロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ24g、ヘプタン/EtOAc 100:0から0:100)により精製した。生成物含有フラクションを濃縮し、真空乾燥して、標題化合物を灰白色固体として得た。
【0252】
6−アミノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ニコチノニトリルの代替合成を以下に概説する:
【0253】
tert−ブチルN−{5−シアノ−4−[(2−メトキシエチル)アミノ]ピリジン−2−イル}カルバメート(中間体287、7g)に30〜36%HCl水溶液(40ml)を加え、混合物を室温で30分間撹拌し、完全に転化するまでクロマトグラフィーにより監視した。次いで溶液を20〜30%NaOH溶液でpH=9〜10に塩基性化し、濾過して、白色固体を得た。固体を酢酸エチル(15ml)に加え、50〜55℃に加熱して、透明溶液を得た。次いで溶液を3〜6℃に冷却し、2〜3時間撹拌し、濾過した。次いで含水ケーキを乾燥して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.92 (s, 1H), 6.39 (s, 2H), 6.15 (t, 1H), 5.61 (s, 1H), 3.46 (t, 2H), 3.27 (s, 3H), 3.24 (q, 2H). (UPLC-MS 3) t
R 0.62; ESI-MS 193.1 [M+H]
+.
【0254】
[実施例83]
N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
【0255】
【化22】
濃塩酸(0.40ml)を、室温でN−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体80、470mg、0.808mmol)のTHF(3ml)および水(1ml)中溶液に加えた。室温で3時間撹拌した後、飽和NaHCO
3水溶液を加え、混合物をDCM(3回)で抽出し、有機層をNa
2SO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をEtOAc(6ml)およびペンタン(6ml)と共に超音波処理し、次いで濾過した。次いで得られた白色固体をDCM(6ml)に溶解し、EtOAc(3ml)を加え、溶液を加温し、密封し、室温で2時間静置した。濾過し、乾燥して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.43 (s, 1H), 10.06 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 6.96 (t, br, 1H), 4.86 (s, 2H), 3.96 - 3.90 (m, 2H), 3.52 - 3.46 (m, 2H), 3.39 - 3.33 (m, 2H), 3.30 - 3.21 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.02 (s, 2H), 2.93 - 2.86 (m, 2H), 2.61 - 2.56 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.95 - 1.85 (m, 2H).
(UPLC−MS6)t
R0.70、ESI−MS 507.2、[M+H]
+。
【0256】
以下の塩を、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドの上記遊離塩基型から、適切な対イオンを用いて沈殿させることにより調製した。
【0257】
化学量論比1:1のリンゴ酸塩(mw640.66)、mp(DSC)181.1℃(開始時):アセトン(2ml)を、リンゴ酸(26.4mg、0.197mmol)およびN−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg、0.197mmol)の混合物に加え、混合物をミニブロック上で55から5℃の加熱−冷却サイクル(加熱速度:1.5℃/分、冷却速度:0.25℃/分)を7回繰り返して加熱した。白色固体を遠心分離により集め、40℃で18時間乾燥して、標題塩を得た。
【0258】
化学量論比1:0.5の酒石酸塩(mw581.72)、mp(DSC)176.7℃(開始時)。酒石酸(75.7mg)のメタノール(5ml)中溶液を室温で調製した(0.1M)。次いで0.1M酒石酸のアセトン中溶液の一部(2ml)を、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg)のメタノール(4ml)中懸濁液に加え、混合物を1分間超音波処理し、次いで撹拌しながら55℃で2時間加熱した。次いで白色固体を濾取し、メタノール(2ml)で2回洗浄し、真空下40℃で18時間乾燥して、標題塩を得た。
【0259】
化学量論比1:1の酒石酸塩(mw656.66)、mp(DSC)169.9℃(開始時):酒石酸(75.7mg)のアセトン(5ml)中溶液を室温で調製した(0.1M)。次いで0.1M酒石酸のアセトン中溶液の一部(2ml)を、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg)のメタノール(4ml)中懸濁液に加え、混合物を1分間超音波処理し、次いで撹拌しながら55℃で2時間加熱した。次いで白色固体を濾取し、アセトン(2ml)で2回洗浄し、真空下40℃で18時間乾燥して、標題塩を得た。
【0260】
化学量論比1:0.5のクエン酸塩(mw602.73)、mp(DSC)168.4℃(開始時):クエン酸(96.9mg)のアセトン(5ml)中溶液を室温で調製した(0.1M)。次いで0.1Mクエン酸のアセトン中溶液の一部(2ml)を、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg)のメタノール(4ml)中懸濁液に加え、混合物を1分間超音波処理し、次いで撹拌しながら55℃で2時間加熱した。次いで白色固体を濾取し、アセトン(2ml)で2回洗浄し、真空下40℃で18時間乾燥して、標題塩を得た。
【0261】
化学量論比1:1のクエン酸塩(mw698.70)、mp(DSC)168.8℃(開始時):クエン酸(96.9mg)のアセトン(5ml)中溶液を室温で調製した(0.1M)。次いで0.1Mクエン酸のアセトン中溶液の一部(2ml)を、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg)のアセトン(4ml)中懸濁液に加え、混合物を1分間超音波処理し、次いで撹拌しながら55℃で2時間加熱した後、室温にゆっくり冷却した。次いで白色固体を濾取し、アセトン(2ml)で2回洗浄し、真空下40℃で18時間乾燥して、標題塩を得た。
【0262】
代替として、N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(6.5g、12.83mmol)を500mlの4−フラスコ反応器に入れた。氷酢酸49mlを加え、透明混合物が得られるまで得られた懸濁液を23℃で撹拌した。分離フラスコ中、無水2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸(2.59g、13.47mmol、1.05当量)を、透明な溶液が得られるまで50℃で氷酢酸49mlに溶解した。次いでこの溶液を、予め調製したN−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド溶液に23℃で加えた。この混合物を23℃で30分間撹拌し、次いで75℃に加温した酢酸エチル192mlに1時間かけて滴下添加した。添加の間温度を維持した。添加終了時点で、混合物の温度を23℃にゆっくり冷却し、穏やかに撹拌しながらこの温度で16時間置いた。懸濁液を5〜10℃に冷却し、濾過した。ケーキを酢酸エチル15mlおよびアセトン15mlで洗浄した。含水ケーキ(約8.5g)を、乾燥アセトン192mlを含む500mlフラスコ中に移した。得られた懸濁液を24時間還流させた。懸濁液を濾過し、ケーキを乾燥アセトン15mlで2回洗浄し、次いで50℃で数時間真空下で乾燥して、標題塩を得た。
【0263】
中間体80:N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
6−アミノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ニコチノニトリル(中間体75、481mg、2.50mmol)の無水DMF(1.5ml)中溶液を、0℃で冷却したジ(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メタノン(410mg、2.50mmol)とDMF(1.5ml)との混合物に10分かけて滴下添加した。0℃で45分間撹拌した後、反応混合物を室温に加温し、更に室温で90分後、1−((2−(ジメトキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−イル)メチル)−4−メチルピペラジン−2−オン(中間体81、418mg、1.00mmol)のDMF(2ml)中溶液を加えた。反応混合物を室温で17.5時間撹拌し、MeOHを加えることによりクエンチし、蒸発させた。残留物をRediSep(登録商標)シリカカラム80gにDCM溶液として塗布し、DCMからDCM中2%MeOHの濃度勾配で溶出する順相クロマトグラフィーにより精製した。生成物含有フラクションを合わせ、蒸発させて、標題化合物をオレンジ色泡状物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.50 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 6.93 (t, 1H), 5.45 (s, 1H), 4.65 (s, 2H), 3.94 - 3.89 (m, 2H), 3.54 - 3.50 (m, 2H), 3.40 - 3.35 (m, 2H), 3.38 (s, 6H), 3.29 (s, 3H), 3.20 - 3.16 (m, 2H), 3.05 (s, 2H), 2.86 - 2.80 (m, 2H), 2.61 - 2.55 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 1.94 - 1.88 (m, 2H).(UPLC−MS6)t
R0.72;ESI−MS 553.3[M+H]
+。
【0264】
[実施例92]
N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
【0265】
【化23】
濃塩酸(0.15ml)を、室温でN−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体95、188mg、0.301mmol)のTHF(1.1ml)および水(0.4ml)中溶液に加えた。室温で4時間撹拌した後、反応はHPLC/MSにより完結していると評価され、飽和NaHCO
3水溶液を加え、混合物をDCM(3回)で抽出し、有機層をNa
2SO
4で脱水し、蒸発させた。粗製の残留物をEtOAc(6ml)およびペンタン(6ml)と共に超音波処理し、次いで濾過した。次いで得られた白色固体を加熱し、加えたEtOAc(3ml)と共に超音波処理した。冷却懸濁液を濾過し、乾燥して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.78 (s, 1H), 10.09 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 4.86 (s, 2H), 4.83 (七重線, 1H), 3.99 - 3.95 (m, 2H), 3.30 - 3.25 (m, 2H), 3.04 (s, 2H), 2.94 - 2.90 (m, 2H), 2.61 - 2.56 (m, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.96 - 1.88 (m, 2H), 1.36 (d, 6H).
MeOH中で記録された(UPLC−MS6)、t
R0.83および0.88、ESI−MS 492.3および534.3、[M+H]
+および[M+MeOH+H]
+。
【0266】
以下の塩を、上記したN−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドの遊離塩基型から、適切な対イオンを用いて沈殿させることにより調製した。
【0267】
化学量論比1:1の酒石酸塩(mw641.63):L−(+)−酒石酸のアセトン中溶液(0.1M、2.03ml、0.203mmol)を、室温でN−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg、0.203mmol)のアセトン(5ml)中懸濁液に加えた。混合物を55℃に加温し、この温度で3時間維持し、室温にゆっくり冷却した。生成した白色沈殿物をアセトンで洗浄し、乾燥して、標題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 13.80 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.86 (七重線, 1H), 4.30 (s, 2H), 4.00 - 3.95 (m, 2H), 3.31 - 3.26 (m, 2H), 3.08 (s, 2H), 2.96 - 2.91 (m, 2H), 2.67 - 2.62 (m, 2H), 2.26 (s, 3H), 1.97 - 1.89 (m, 2H), 1.40 (d, 6H).
【0268】
化学量論比1:1のトシル酸塩(mw663.75):トシル酸のアセトン中溶液(0.1M、2.03ml、0.203mmol)を、室温でN−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg、0.203mmol)のアセトン(5ml)中懸濁液に加えた。混合物を55℃に加温し、この温度で3時間維持し、室温にゆっくり冷却した。溶液を18時間空気に曝して静置し、生成した沈殿物をアセトンで洗浄し、乾燥して、標題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 13.81 (s, 1H), 10.10 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.48 (d, 2H), 7.12 (d, 2H), 4.97 (s, 2H), 4.86 (七重線, 1H), 4.02 - 3.98 (m, 2H), 3.58 - 3.53 (br, m, 2H), 3.41 (br, s, 2H), 2.96 - 2.92 (m, 2H), 2.91 (br, s, 2H), 2.51 (s, 3H), 2.29 (s, 3H), 1.98 - 1.90 (m, 2H), 1.41 (d, 6H).
【0269】
化学量論比1:1のクエン酸塩(mw683.68):クエン酸のアセトン中溶液(0.1M、2.03ml、0.203mmol)を、室温でN−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg、0.203mmol)のDCM(2ml)中懸濁液に加えた。混合物を浴を用いて65℃で加温し、この温度で10分間維持し、5℃にゆっくり冷却した。生成した白色沈殿物を集め、アセトン(5ml)およびEtOH(1ml)を加え、混合物を50℃で3時間加熱した。混合物を5℃に冷却し、濾過し、乾燥して、標題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 13.82 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.86 (七重線, 1H), 4.01 - 3.97 (m, 2H), 3.33 - 3.28 (m, 2H), 3.14 (s, 2H), 2.97 - 2.93 (m, 2H), 2.74 (d, 2H), 2.72 - 2.67 (m, 2H), 2.65 (d, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.99 - 1.91 (m, 2H), 1.40 (d, 6H).
【0270】
中間体95:N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
1−((2−(ジメトキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−イル)メチル)−4−メチルピペラジン−2−オン(中間体81、268mg、0.641mmol)、フェニル(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)カルバメート(中間体96、834mg、1.122mmol)およびDMAP(7.83mg、0.064mmol)のアセトニトリル(2.6ml)中混合物を、3.5時間加熱還流した。反応混合物を蒸発させ、RediSepシリカカラム24gにDCM溶液として塗布し、DCMからDCM中10%MeOHの濃度勾配で溶出する順相クロマトグラフィーにより精製した。生成物含有フラクションを合わせ、蒸発させて、標題化合物を灰白色固体として得た。(UPLC−MS6)t
R0.92;ESI−MS 538.7[M+H]
+。
【0271】
中間体96:フェニル(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)カルバメート。
フェニルクロロホルメート(3.89ml、31.0mmol)を、室温で6−アミノ−4−イソプロポキシニコチノニトリル(中間体97、2.5g、14.11mmol)およびピリジン(2.51ml、31.0mmol)のTHF(100ml)中混合物に滴下添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、更にピリジン(2.51ml、31.0mmol)を加えた後、更に12時間撹拌し、次いでEtOAcと飽和NaHCO
3水溶液との間で分配した。有機層を飽和ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をEt
2Oで摩砕し、濾過により生成物をベージュ色固体として得た。(UPLC−MS7)t
R1.09;ESI−MS 298.2[M+H]
+。
【0272】
中間体97:6−アミノ−4−イソプロポキシニコチノニトリル。
KHMDSの溶液(87g、438mmol)を、室温でプロパン−2−オール(26.3g、438mmol)のTHF(250ml)中溶液に少しずつ加えた。15分後、6−アミノ−4−フルオロニコチノニトリル(中間体21、30g、219mmol)のTHF(200ml)中溶液を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液とEtOAcとの間で分配し、EtOAc(2回)で抽出し、合わせたEtOAc層をNa
2SO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をEt
2Oで摩砕し、濾過により生成物を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.12 (s, 1H), 6.82 (s, 2H), 6.07 (s, 1H), 4.64 (七重線, 1H), 1.31 (d, 6H).(UPLC−MS7)t
R0.61;ESI−MS 178.1[M+H]
+。
【0273】
中間体81:1−((2−(ジメトキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−イル)メチル)−4−メチルピペラジン−2−オン。
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.10g、14.61mmol)を、室温で2−(ジメトキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−カルバルデヒド(中間体41、2.30g、9.74mmol)、エチル2−((2−アミノエチル)(メチル)アミノ)アセテート二塩酸塩(中間体82、2.6g、14.61mmol)およびトリエチルアミン(6.75ml、48.7mmol)の1,2−ジクロロエタン(20ml)中混合物に加えた。反応混合物を室温で21時間撹拌し、更にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.6g、9.74mmol)を加えた。室温で更に4時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.3g、4.87mmol)を再度加え、反応物を4℃で2.5日間維持した。次いで反応混合物を室温に加温し、飽和NaHCO
3水溶液を加え、混合物をDCM(3回)で抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をRediSep(登録商標)シリカカラム120gにDCM溶液として塗布し、DCMからDCM中10%MeOHの濃度勾配で溶出する順相クロマトグラフィーにより精製した。生成物含有フラクションを合わせ、蒸発させて、標題化合物をオレンジ色泡状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.08 (s, 1H), 5.30 (s, br, 1H), 5.20 (s, 1H), 4.69 (s, 2H), 3.44 - 3.34 (m, 2H), 3.40 (s, 6H), 3.22 - 3.15 (m, 2H), 3.24 (s, 2H), 2.71 - 2.64 (m, 2H), 2.58 - 2.50 (m, 2H), 2.31 (s, 3H), 1.98 - 1.82 (m, 2H).(UPLC−MS6)t
R0.33;ESI−MS 335.3[M+H]
+。
【0274】
中間体82:エチル2−((2−アミノエチル)(メチル)アミノ)アセテート二塩酸塩。
濃塩酸(10ml)を、室温でエチル2−((2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)(メチル)アミノ)アセテート(中間体83、3.05g、11.13mmol)のTHF(20ml)およびEtOH(100ml)中溶液に加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を蒸発させ、エタノール(20ml)を加え、蒸発させ、更にエタノール(50ml)を加え、次いで60℃で70分間撹拌した。次いで冷却した反応混合物を蒸発させて、標題化合物を淡黄色ガラス状物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.58 (s, br, 3H), 4.19 (q, 2H), 4.26 - 4.15 (m, 2H), 3.44 (s, br, 2H), 3.21 (s, br, 2H), 2.88 (s, 3H), 1.21 (t, 3H).
【0275】
中間体83:エチル2−((2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)(メチル)アミノ)アセテート。
エチルブロモアセテート(1.27ml、11.48mmol)を、0℃でtert−ブチル(2−(メチルアミノ)エチル)カルバメート(2.0g、11.48mmol)、トリエチルアミン(4.81ml)およびTHF(24ml)の混合物に加えた。室温で24時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液とDCMとの間で分配し、DCMで2回抽出し、有機層をNa
2SO
4で脱水し、蒸発させて、標題化合物を透明淡黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.20 (s, br, 1H), 4.18 (q, 2H), 3.24 (s, 2H), 3.22 - 3.16 (m, 2H), 2.65 - 2.61 (m, 2H), 2.38 (s, 3H), 1.42 (s, 9H), 1.24 (t, 3H).
【0276】
[実施例101]
N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
【0277】
【化24】
塩酸(4M、8.6ml)を、室温でN−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(中間体107、950mg、1.72mmol)のTHF(15ml)中溶液に加えた。室温で4時間撹拌した後、飽和NaHCO
3水溶液を加え、混合物をDCM(3回)で抽出し、有機層をMgSO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をEtOAcと共に20分間撹拌し、次いでヘプタンで希釈し、次いで濾過して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.83 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 4.90 (s, 2H), 4.38 - 4.32 (m, 2H), 4.01 - 3.95 (m, 2H), 3.79 - 3.73 (m, 2H), 3.35 (s, 3H), 3.29 - 3.23 (m, 2H), 3.06 (s, 2H), 2.97 - 2.91 (m, 2H), 2.65 - 2.59 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 1.98 - 1.92 (m, 2H).
(UPLC−MS6)t
R0.81分、ESI−MS 508.2、[M+H]
+。
【0278】
以下の塩を、上記したN−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドの遊離塩基型から、適切な対イオンを用いて沈殿させることにより調製した。
【0279】
化学量論比1:1のリンゴ酸塩(mw641.63):L−リンゴ酸(39.6mg、0.296mmol)のアセトン(3ml)中溶液を、室温でN−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(150mg、0.296mmol)のアセトン(2ml)中溶液に滴下添加し、次いで混合物を30分間加熱還流した。容量が3mlに減少するまで、冷却した混合物を大気に開放し、次いで密封し、4℃で18時間静置した。次いで固体を濾取し、Et
2Oで洗浄し、真空下40℃で18時間乾燥して、標題塩をベージュ色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.78 (s, 1H), 10.06 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 4.84 (s, 2H), 4.33 - 4.26 (m, 2H), 4.20 (t, 1H). 3.98 - 3.92 (m, 2H), 3.75 - 3.66 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.26 - 3.22 (m, 2H), 3.08 (s, 2H), 2.92 - 2.85 (m, 2H), 2.63 - 2.51 (m, 3H), 2.42 - 2.36 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 2.03 (s, 1H), 1.96 - 1.88 (m, 2H).
【0280】
化学量論比1:1のトシル酸塩(mw679.75):パラ−トルエンスルホン酸(49.1mg、0.258mmol)のアセトン(3ml)中溶液を、室温でN−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(131mg、0.258mmol)のジクロロメタン(5ml)中溶液に滴下添加した。添加完了後、更にジクロロメタン(3ml)を加え、混合物を室温で5時間撹拌した。次いで白色固体を濾取し、アセトンで洗浄し、真空下40℃で18時間乾燥して、標題塩を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.78 (s, 1H), 10.06 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.45 (d, 2H), 7.07 (d, 2H), 4.92 (s, 2H), 4.36 - 4.30 (m, 2H), 4.00 - 3.95 (m, 3H), 3.76 - 3.67 (m, 2H), 3.53 - 3.48 (s, br, 2H), 3.34 - 3.23 (m, 8H), 2.92 - 2.85 (m, 4H), 2.23 (s, 3H), 1.97 - 1.90 (m, 2H).
【0281】
化学量論比1:1の酒石酸塩(mw657.63):L−(+)−酒石酸(44mg、0.296mmol)のアセトン(5ml)中溶液を、室温でN−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(150mg、0.296mmol)のアセトン(5ml)中懸濁液に加えた。混合物を50℃で30分間撹拌し、デカントして少量の不溶物を除去し、室温にゆっくり冷却した。沈殿物を濾取し、50℃で真空下で乾燥して、標題化合物をベージュ色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.78 (s, 1H), 10.09 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 4.85 (s, 2H), 4.33 - 4.26 (m, 2H), 4.25 (s, 2H), 3.98 - 3.92 (m, 2H), 3.75 - 3.66 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.27 - 3.23 (m, 2H), 3.08 (s, 2H), 2.92 - 2.85 (m, 2H), 2.63 - 2.59 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 1.96 - 1.88 (m, 2H).
【0282】
化学量論比1:1のクエン酸塩(mw699.68):クエン酸の溶液(0.1M、1.97ml、0.197mmol)を、室温でN−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg、0.197mmol)のアセトン(5ml)中懸濁液に加えた。混合物を55℃で3時間撹拌し、室温にゆっくり冷却し、白色沈殿物を濾取し、真空下で乾燥して、標題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 13.84 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.38 - 4.32 (m, 2H), 4.02 - 3.96 (m, 2H), 3.79 - 3.73 (m, 2H), 3.36 (s, 3H), 3.31 - 3.25 (m, 2H), 3.14 (s, 2H), 2.98 - 2.92 (m, 2H), 2.74 (d, 2H), 2.73 - 2.68 (m, 2H), 2.65 (d, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.99 - 1.93 (m, 2H).
【0283】
中間体107:N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−(ジメトキシメチル)−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
1−((2−(ジメトキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,8−ナフチリジン−3−イル)メチル)−4−メチルピペラジン−2−オン(中間体81、1.03g、3.08mmol)、フェニル(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)カルバメート(中間体108、2.19g、6.16mmol)およびDMAP(753mg、6.16mmol)のDMA(15ml)中混合物を、90℃で3.5時間加熱した。冷却した反応混合物をEtOAcとの間で分配し、有機層をMgSO
4で脱水し、蒸発させた。残留物を逆相クロマトグラフィー(RP4)により精製し、生成物含有フラクションを飽和NaHCO
3水溶液とEtOAcとの間で分配し、有機層をMgSO
4で脱水し、蒸発させた。次いで残留物をDCM、Et
2Oおよびヘプタンの混合物で摩砕して、標題化合物を白色固体として得た。(UPLC−MS7)t
R0.80;ESI−MS 554.4[M+H]
+。
【0284】
中間体108:フェニル(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)カルバメート。
フェニルクロロホルメート(4.93ml、39.3mmol)を、室温で6−アミノ−4−(2−メトキシエトキシ)ニコチノニトリル(中間体20、3.45g、17.86mmol)およびピリジン(6.35ml、79mmol)のTHF(100ml)中混合物に滴下添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いでEtOAcと飽和NaHCO
3水溶液との間で分配し、有機層を飽和ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をEtOAcで摩砕し、濾過により、生成物を白色固体として得た。(UPLC−MS7)t
R0.97;ESI−MS 314.3[M+H]
+。
【0285】
[実施例205]
(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド。
【0286】
【化25】
中間体145および81から、THFの代わりにDMFを用いた以外は、中間体236と同様の方法で結合し、実施例201と同様の方法で脱保護化した。標題化合物を灰白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 13.84 (s, 1H), 10.12 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.87 (m, 1H), 4.00 (m, 2H), 3.59 (m, 2H), 3.33 (s, 3H), 3.29 (m, 2H), 3.07 (s, 2H), 2.95 (m, 2H), 2.63 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 1.95 (m, 2H), 1.34 (d, 3H).
(UPLC−MS6)t
R0.82分、ESI−MS 522.2[M+H]
+。
【0287】
以下の塩を、上記した(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミドの遊離塩基型から、適切な対イオンを用いて沈殿させることにより調製した。
【0288】
化学量論比1:1の酒石酸塩(mw671.66):L−(+)−酒石酸のアセトン中溶液(0.1M、2.0ml、0.200mmol)を、室温で(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(103mg、0.197mmol)のアセトン(4ml)中懸濁液に加えた。混合物を55℃に加温し、超音波処理しながらこの温度で2.5時間維持し、次いで5℃にゆっくり冷却した。生成した沈殿物を濾取し、40℃で真空下に乾燥して、標題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 13.83 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.87 (m, 1H), 4.46 (s, 2H), 4.00 (m, 2H), 3.59 (m, 2H), 3.33 (s, 3H), 3.29 (m, 2H), 3.09 (s, 2H), 2.95 (m, 2H), 2.66 (m, 2H), 2.26 (s, 3H), 1.95 (m, 2H), 1.34 (d, 3H).
【0289】
化学量論比1:1のトシル酸塩(mw693.78):トシル酸のアセトン中溶液(0.1M、2.0ml、0.200mmol)を、室温で(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg、0.192mmol)のアセトン(4ml)中懸濁液に加えた。混合物を55℃に加温し、超音波処理しながらこの温度で2.5時間維持し、次いで室温にゆっくり冷却した。5℃で18時間静置した後、n−ヘキサン(6ml)を加え、固体を濾取し、次いで真空下で乾燥して、標題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 13.80 (s, 1H), 10.09 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.41 (d, 2H), 7.07 (d, 2H), 4.96 (s, 2H), 4.86 (m, 1H), 4.00 (m, 2H), 3.58 (m, 2H), 3.53 (m, 2H), 3.36 (br, m, 5H), 3.32 (s, 3H), 2.94 (s, 2H), 2.90 (m, 2H), 2.28 (s, 3H), 1.95 (m, 2H), 1.34 (d, 3H).
【0290】
化学量論比1:1のクエン酸塩(mw713.71):クエン酸のアセトン中溶液(0.1M、2.0ml、0.200mmol)を、室温で(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg、0.192mmol)のアセトン(4ml)中懸濁液に加えた。混合物を55℃に加温し、超音波処理しながらこの温度で2.5時間維持し、次いで室温にゆっくり冷却した。5℃で18時間静置した後、固体を濾取し、アセトンで洗浄し、次いで真空下で乾燥して、標題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 13.81 (s, 1H), 10.10 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 4.90 (s, 2H), 4.85 (m, 1H), 3.98 (m, 2H), 3.58 (m, 2H), 3.32 (s, 3H), 3.30 (m, 2H), 3.13 (s, 2H), 2.94 (m, 2H), 2.73 (d, 2H), 2.70 (m, 2H), 2.64 (d, 2H), 2.29 (s, 3H), 1.95 (m, 2H), 1.34 (d, 3H).
【0291】
化学量論比1:1のリンゴ酸塩(mw655.58):L−リンゴ酸のアセトン中溶液(0.1M、2.0ml、0.200mmol)を、室温で(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド(100mg、0.192mmol)のアセトン(4ml)中懸濁液に加えた。混合物を55℃に加温し、超音波処理しながらこの温度で2.25時間維持し、次いで室温に冷却した。n−ヘキサン(6ml)を加え、固体を濾取し、次いで真空下で乾燥して、標題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 13.84 (s, 1H), 10.11 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.87 (m, 1H), 4.22 (m, 1H), 3.99 (m, 2H), 3.59 (m, 2H), 3.33 (s, 3H), 3.29 (m, 2H), 3.09 (s, 2H), 2.95 (m, 2H), 2.66 (m, 2H), 2.61 (m, 1H), 2.44 (m, 1H), 2.26 (s, 3H), 1.95 (m, 2H), 1.34 (d, 3H).
【0292】
中間体145:(R)−フェニル(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)カルバメート。
フェニルクロロホルメート(1.53ml、12.2mmol)を、0℃で(R)−6−アミノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ニコチノニトリル(中間体146、1.37g、5.55mmol)およびピリジン(0.99ml、12.2mmol)のTHF(60ml)中混合物に滴下添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、更にピリジン(0.98ml、12.2mmol)およびフェニルクロロホルメート(1.53ml、12.2mmol)を加えた。室温で更に36時間撹拌した後、反応混合物をEtOAcと飽和NaHCO
3水溶液との間で分配し、有機層を飽和ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をEt
2Oで摩砕し、濾過により生成物を白色固体として得た。(UPLC−MS6)t
R1.04;ESI−MS 328.4[M+H]
+。
【0293】
中間体146:(R)−6−アミノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ニコチノニトリル。
KHMDSのTHF中溶液(1M、43.8ml、43.8mmol)を、正のアルゴン圧下室温で(R)−1−メトキシプロパノール(4.3ml、43.8mmol)のTHF(50ml)中溶液に加えた。室温で15分間撹拌した後、6−アミノ−4−フルオロニコチノニトリル(中間体21、3.0g、21.88mmol)のTHF(30ml)中溶液を滴下添加した。反応混合物を室温で65時間撹拌し、NH
4Cl水溶液とEtOAcとの間で分配し、EtOAcで2回抽出し、Na
2SO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をEt
2Oで摩砕して、標題化合物をベージュ色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.14 (s, 1H), 6.82 (s, br, 2H), 6.09 (s, 1H), 4.64 - 4.56 (m, 1H), 3.19 (s, 3H), 3.48 (d, 2H), 1.24 (d, 3H).
【0294】
参考中間体236:N−(5−シアノピリジン−2−イル)−2−(ジメトキシメチル)−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン−9(6H)−カルボキサミド。
2−(ジメトキシメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン(中間体237、35mg、0.154mmol)、フェニル(5−シアノピリジン−2−イル)カルバメート(中間体240、122mg、0.509mmol)およびDMAP(28.3mg、0.231mmol)のTHF(1.7ml)中混合物を、23時間加熱還流した。反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液で希釈し、DCM(3回)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、蒸発させた。粗製材料をRediSep(登録商標)シリカカラム40gに塗布し、DCM/MeOH 99:1で溶出する順相クロマトグラフィーにより精製した。生成物含有フラクションを合わせ、蒸発させた。残留物をEt
2Oで摩砕し、固体を濾別した。濾液を濃縮し、残留物をMeOHで摩砕して、標題化合物を白色固体として得た。(UPLC−MS6)t
R1.06;ESI−MS 368.1[M+H]
+。
【0295】
参考中間体237:2−(ジメトキシメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン。
マイクロ波バイアルにtert−ブチル2−ホルミル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン−9(6H)−カルボキシレート(中間体238、415mg、1.277mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(110mg、0.573mmol)のMeOH(64ml)中混合物を仕込み、密封し、次いで135℃で3.5時間加熱した。反応混合物を濃縮し、残留物を飽和NaHCO
3水溶液とEtOAcとの間で分配した。水相をEtOAc(2回)で抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、蒸発させた。粗製材料をRediSep(登録商標)シリカカラム120gに塗布し、EtOAcで溶出する順相クロマトグラフィーにより精製した。生成物含有フラクションを合わせ、蒸発させて、標題化合物を薄黄色油状物として得た。(UPLC−MS6)t
R0.60;ESI−MS 223.1[M+H]
+。
【0296】
参考中間体238:tert−ブチル2−ホルミル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン−9(6H)−カルボキシレート。
オゾンを、−78℃でtert−ブチル2−ビニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン−9(6H)−カルボキシレート(中間体239、470mg、1.66mmol)のDCM(6.5ml)中混合物に通して吹き込んだ。15分後、中間体オゾニドをジメチルスルフィド(0.86ml、11.62mmol)で処理し、次いで反応混合物を室温にゆっくり加温した。1.5時間後、混合物をH
2Oで希釈し、DCM(3回)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、蒸発させて、粗製の標題化合物を薄茶褐色固体として得た。(UPLC−MS6)t
R1.04;ESI−MS 277.1[M+H]
+。
【0297】
参考中間体239:tert−ブチル2−ビニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン−9(6H)−カルボキシレート。
tert−ブチル2−クロロ−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン−9(6H)−カルボキシレート(690mg、2.44mmol)、カリウムトリフルオロ(ビニル)ボレート(344mg、2.44mmol)、PdCl
2(dppf)・CH
2Cl
2(199mg、0.244mmol)およびCs
2CO
3(2.00g、6.1mmol)のTHF(50ml)およびH
2O(10ml)中脱気混合物を80℃で3.5時間加熱した。反応混合物をH
2Oで希釈し、DCM(2回)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、蒸発させた。粗製材料をRediSep(登録商標)シリカカラム120gに塗布し、EtOAc/ヘプタン1:3で溶出する順相クロマトグラフィーにより精製した。生成物含有フラクションを合わせ、蒸発させて、標題化合物を灰白色固体として得た。(UPLC−MS6)t
R1.18;ESI−MS 275.2[M+H]
+。
【0298】
参考中間体240:フェニル(5−シアノピリジン−2−イル)カルバメート。
2−アミノ−5−シアノピリジンから、中間体108の調製と同様の方法で反応させた。(UPLC−MS6)t
R0.92;ESI−MS 240.1[M+H]
+。
【0299】
参考実施例201:N−(5−シアノピリジン−2−イル)−2−ホルミル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン−9(6H)−カルボキサミド
【0300】
【化26】
濃塩酸(0.65ml)を、室温でN−(5−シアノピリジン−2−イル)−2−(ジメトキシメチル)−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[2,3−b]アゼピン−9(6H)−カルボキサミド(参考中間体236、29mg、0.079mmol)のTHF(0.9ml)中溶液に加えた。室温で1時間撹拌した後、飽和NaHCO
3水溶液を加え、混合物をDCM(3回)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、蒸発させた。残留物をEt
2Oで摩砕して、標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.00 (br s, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.67 (m, 1H), 8.20 (m, 1H), 8.11 (d, 1H), 8.04 (d, 1H), 7.84 (s, 1H), 3.73 (m, 2H), 2.91 (m, 2H), 1.82 (m, 2H), 1.72 (m, 2H).
(UPLC−MS6)t
R0.93分、ESI−MS 322.1[M+H]
+。
【0301】
細胞増殖アッセイ
メチレンブルー染色増殖アッセイ(MBS):化合物の細胞増殖に対する効果は、医薬基盤研究所生物資源細胞バンク(Japanese Collection of Research Bioresources Cell Bank、Cat# JCRB0403)から取得し、事業者が推奨する培地(DMEM高グルコース(Amimed Cat# 1−26F01−I)、10%ウシ胎仔血清(Invitrogen Cat# 16140−071)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Amimed Cat# 5−60F00−H)、1×ペニシリン/ストレプトマイシン(Amimed Cat# 4−01F00−H))中で、37℃、湿潤5%CO2インキュベータ下で培養したHuH−7肝細胞癌細胞を使用して評価した。詳細には、三重反復で、5000細胞/ウェルを、96ウェル組織培養プレート(TPP Cat# 92696)に、全培地体積100μl/ウェルで播種し、化合物の漸増希釈物またはDMSOを24時間後に添加した。化合物の添加から72時間後、細胞を25μL/ウェルの20%グルタルアルデヒド(Sigma Aldrich Cat# G400−4)を添加して固定し、室温で10分間インキュベートした。細胞を、H
2O、200μL/ウェルで3回洗浄し、100μL/ウェルの0.05%メチレンブルー(ABCR GmbH Cat# AB117904)を用いて室温で10分間染色した。細胞を、H2O、200μL/ウェルで3回洗浄し、次いで200μL/ウェルの3%HCl(Fluka Cat# 84422)を添加し、振盪させながら室温で30分間溶解させた。光学濃度は、A650nmで測定した。DMSO処理細胞に対して50%増殖阻害を示す化合物の濃度を、XLFitソフトウェアを使用して測定した(IC
50)。
【0302】
化合物の細胞増殖に対する効果を、Hep 3B2.1−7肝細胞性癌細胞、FU97胃癌細胞、JHH7肝細胞性癌細胞またはJHH6肝細胞性癌細胞を使用して、上記のように評価する。Hep 3B2.1−7、FU97、JHH7またはJHH6は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所JCRB細胞バンク(Japanese Collection of Research Bioresources Cell Bank)から得る。Hep 3B2.1−7細胞は、EMEM+10%FCS+1mMのピルビン酸Na+2mMのL−グルタミン中で培養し、2000細胞/ウェルを、増殖アッセイのために播種する。FU97細胞は、DMEM高グルコース+10%FCS+1mMのピルビン酸Na+4mMのL−グルタミン+1xITS中で培養し、2000細胞/ウェルを、増殖アッセイのために播種する。JHH6およびJHH7細胞は、William’s E+10%FCS+2mMのL−グルタミン中で培養し、3000細胞を、増殖アッセイのために播種する。
【0303】
CellTiter Glo(CTG)アッセイ:化合物の細胞増殖に対する機能効果は、医薬基盤研究所生物資源細胞バンク(Cat# JCRB0403)から取得し、事業者が推奨する培地(DMEM高グルコース(Amimed Cat# 1−26F01−I)、10%ウシ胎仔血清(Invitrogen Cat# 16140−071)、1mMのピルビン酸ナトリウム(Amimed Cat# 5−60F00−H)、1×ペニシリン/ストレプトマイシン(Amimed Cat# 4−01F00−H))中で、37℃、湿潤5%CO2インキュベータ下で培養したHuH−7肝細胞癌細胞を使用して評価した。化合物で媒介された、細胞増殖/生存能の抑制は、CellTiter−Glo(CTG)試薬(Promega、Cat# G7573)を使用して、細胞のATPレベルを定量することによって評価する。簡潔には、細胞を、3’000細胞/ウェル/80μL新鮮培地で組織培養処理96ウェルプレート(Costar Cat#3904)に播種し、その最終目的濃度の5倍で化合物希釈物を含有する20μLの培地を添加する。用量応答効果は、試験化合物の3倍連続希釈で、10μMから開始して、評価する。細胞を37℃、5%CO2下で3日間インキュベートした後、細胞の生存能に対する阻害剤の効果を、ベンダーマニュアルにしたがって、50μLのCTGを添加して、蛍光測定(積分時間:500ms)により、対応する備え付けのマルチモードプレートリーダー(M200Pro、TECAN、Switzerland)を使用して定量する。データ分析においては、培地を含むが細胞を含まないウェルで測定されたアッセイバックグラウンド値を、全てのデータ点から差し引いている。細胞抑制性化合物と細胞毒性性化合物の区別を可能にするために、生存細胞数を、別個の細胞プレートを使用して、化合物の添加時に観察される生存細胞数(0日目)と比較して評価する。細胞増殖/生存能に対する特定の試験化合物の濃度の効果は、ビヒクルのみ(DMSO、0.1% f.c.)で処置した細胞について得られた値を100%、一方、培地のみを含み細胞は含まないウェルの値を−100%に設定したバックグラウンドおよび0日目補正を行った蛍光読取値に対する割合(%)として示す。半数最大成長阻害(GI50)を導く化合物濃度は、標準4パラメータ曲線あてはめ(XLfit 5.2.、IDBS、UK)を使用して決定する。
【0304】
【表3】
それらの有効性を確認するために、化合物を、以下のインビボアッセイで試験してもよい。
【0305】
インビボアッセイ
ヌードマウスの皮下腫瘍を、ヌードマウスの側腹に、50%のMatrigelを含有する100μlのHBSS中の合計5×10
6個の細胞を注射することによって導入した。化合物を用いた処置を、平均腫瘍サイズが約150〜200mm
3の細胞注射のおよそ3週間後に開始する。動物を、ビヒクル対照についてn=6のグループにランダムに分け、それぞれを用量の化合物で試験する。動物は、少なくとも14日間処置して、抗腫瘍効果および忍容性を評価した。腫瘍の大きさの測定は、カリパスを用いて1週間に2回行った。腫瘍体積(TVol)は、式(長さ×幅)×π/6を使用して、単位mm
3で計算した。腫瘍応答は、腫瘍体積の変化(エンドポイントから開始値を引いたもの)を、T/C、つまり(ΔTVol薬物/ΔTVolビヒクル×100)として計算することによって定量した。腫瘍退縮の場合、腫瘍応答は、開始腫瘍体積に対する退縮パーセンテージ、つまり(ΔTVol薬物/ΔTVol0日目×100)によって定量した。統計解析は、Kruskal−Wallis、次いでDunnの事後検定を使用して、エンドポイントでビヒクル対照群に対して処置群を比較することによって実施した。本発明の少なくとも1つの化合物は、70%の腫瘍退縮を示した。
【0306】
バイオマーカー(FGFR4、FGF19およびKLB)についてのアッセイ
FGF19タンパク質レベルは、R&D Systems製のヒトFGF−19 DuoSet DY969を製造業者の指示書にしたがって使用して測定する。
【0307】
簡単に述べると、捕捉抗体をPBS中で希釈して4μg/mLの作業希釈液とし、この希釈液を100μl/ウェルで使用して、96ウェルプレート(Costar#2592)を室温で一晩コーティングした。プレートは、400μl/ウェルのPBS/0.05%のTween20を用いて6回洗浄し、300μl/ウェルのアッセイ希釈液(PBS中1%BSA)を室温で2時間添加することによってブロッキングした。プレートは、400μl/ウェルのPBS/0.05%Tween20を用いて6回洗浄した。
【0308】
細胞株を、Completeプロテアーゼ阻害剤タブレット(Roche#11836145001)およびPhosStopホスファターゼ阻害剤タブレット(Roche#04906837001)を補充したMPER溶解バッファー(Pierce#78501)を使用して氷上で30分間溶解させた。溶解物を12000×gで15分間遠心分離して清澄化し、タンパク質濃度をDCタンパク質アッセイ試薬(Bio Rad#500−0116)およびBSA標準を使用して決定した。細胞溶解物を、PBS/1%BSA中で希釈し、100μL中100μg/ウェルおよび10μg/ウェルで加えた。1000pg/mLから15.625pg/mLの範囲の7点の標準物を調製した。試料および標準物を、コーティングされたプレート上に添加し、プレートシーラーで覆い、プレートミキサーで2時間インキュベートした後、400μl/ウェルのPBS/0.05%Tween20で4回洗浄した。
【0309】
検出抗体を、PBS/1%BSA中で100ng/mLの作業濃度に希釈して、100μl/ウェルで添加し、プレートミキサーで2時間、室温でインキュベートした後、400μl/ウェルのPBS/0.05%Tween20で4回洗浄した。
【0310】
PBS/1%BSAで希釈したストレプトアビジン溶液を、プレートに添加し、室温でインキュベートし、光から20分間保護した後、400μl/ウェルのPBS/0.05%Tween20で3回洗浄した。
【0311】
100μl/ウェルの基質溶液を添加し、室温でインキュベートし、光から20分保護した後、50μl/ウェルのストップ溶液を加えた。
【0312】
プレートの光学密度は、450nmに設定したマイクロプレートリーダーを使用して決定した。
【0313】
FGFR4タンパク質レベルは、細胞溶解物に、サンドイッチ型捕捉ELISAを実施して定量した。細胞を上記のように溶解した。
【0314】
96ウェルのELISAプレート(NUNC#437111)を、マウスの抗FGFR4 mAb(R&D Systems #MAB685)でプレコーティングし、100μlを、それぞれCa
2+/Mg
2+を含まないPBS中で1:100希釈した。オービタルシェーカーで1時間、室温でインキュベートした後、0.05%のTween−20(TBST−T)を補完したTBS中の150μlの3%MSDブロッカーA(MesoScale Discovery#R93BA−4)を室温で1時間加えた。ウェルを、200μlのTBST−Tで3回交換して洗浄した。
【0315】
タンパク質溶解物の等量のアリコートを、2つのプレコーティングされた96ウェルのELISAプレートに加えた。アッセイバックグラウンドを評価するための追加のウェルを、100μlの溶解バッファー/MSDブロッカーA 1%(3:1)バッファーミックスと共にインキュベートした。4℃で一晩インキュベートした後、ウェルを、200μlのTBS−Tで3回交換して洗浄した。捕捉抗体でプレコーティングしたELISAプレートを、次いで、1%のMSDブロッキングバッファー中で1:1000希釈した100μlのウサギ抗FGFR4 mAb(Cell Signaling Technology#8562)と、オービタルシェーカーで、1.5時間室温でインキュベートした。200μlのTBS−Tで3回洗浄した後、ウェルを、1%のMSDブロッキングバッファー中で1:20000希釈した100μlのヤギ抗ウサギIgGのアルカリホスファターゼコンジュゲートF(ab’)
2断片(Invitrogen #F−21456)と、オービタルシェーカーで、1.5時間室温でインキュベートした。200μlのTBS−Tで3回交換して洗浄し、200μlの蒸留水で最終洗浄した後、ウェルを、90μlのTropix CDP−Star Ready to use with Emerald II(Applied Biosystems #T2216)と暗所で40分間インキュベートした。発光は、InfiniteM1000プレートリーダー(TECAN)で記録した。溶解/BSA−バッファーのみを含有するウェルで得られた値を平均して、溶解物試料を含有するウェルから差し引いた。
【0316】
KLBタンパク質レベルは、ウェスタンブロットにより定量する。細胞を、上記のように溶解した。50μgの細胞溶解物を、4〜12%勾配NuPAGE Bis−Trisゲル(Invitrogen#WG1402BX10)に負荷し、PVDF膜上へブロットした。フィルターは、5%ミルク中、1時間室温でブロッキングした。一次抗ヒトクロトーβ抗体(R&D Systems #AF5889)を2μg/mLで使用した。シグナル検出は、二次抗ヤギHRP抗体(Sigma #A5420)を用いて行った。β−チューブリンを内部対照として使用し、検出は、抗β−チューブリン抗体(Sigma clone 2.1)、次いで二次抗マウスHRP抗体(Amersham NA931)を使用して行った。膜を、Fusion FX7画像化システムで画像化し、KLBレベルを、β−チューブリンレベルに対する%として示した。検出は、super−signal west dura基質(Thermo Signal、#34076)を使用して行った。
【0318】
陰性対照
本発明の化合物は、JHH6細胞増殖アッセイ(上記で説明)で測定することができる。このアッセイで測定された本発明の化合物は、IC
50>10000nMを示した。
本発明は次の実施態様を含む。
[1]
正のFGFR4およびFGF19の発現または正のFGFR4およびKLBの発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(I)
【化1】
(式中
Vは、CH2、O、CH(OH)から選択され、
Wは、CH2、CH2CH2、結合から選択され、
Xは、C(RX)またはNであり、
Yは、C(RY)またはNであり、
Zは、CHまたはNであり、
XがNであるとき、YおよびZはNではなく、
YがNであるとき、XおよびZはNではなく、
ZがNであるとき、XおよびYはNではなく、
RXは、水素、ハロゲン、ハロC1〜C3アルキル、シアノ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキルから選択され、
RYは、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシC1〜C3アルコキシ、NRY1RY2、シアノ、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルコキシ−ハロC1〜C3アルコキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルコキシ、O−(CH2)0〜1−RY3、CRY6RY7、S−C1〜C3アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC1〜C6アルコキシから選択され、または
RXおよびRYは、それらが結合している環と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子をさらに含む二環式芳香族環系を形成しており、その環系は場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY1は、水素であり、
RY2は、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシC1〜C6アルキル、ハロC1〜C3アルコキシC1〜C6アルキル、(CH2)0〜1−RY4、ヒドロキシで置換されているジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキルで置換されているビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、S(O)2−CH(CH3)2で置換されているフェニル、ビシクロC5〜C8アルキル、C2〜C3アルキルスルホン酸であり、または
RY1およびRY2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、RY5で1回もしくは2回置換されていてもよく、
RY3は、キヌクリジニル、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環、または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC1〜C3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
RY4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY5は、独立して、C1〜C3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのRY5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C1〜C3アルキルで1回もしくは2回以上置換されており、
RY6およびRY7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R1は、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキル、C3〜C6シクロアルキル、CH2NR2R3、CH(CH3)NR2R3、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルキル、CH2CO2H、C(O)H、C1〜C3アルコキシ、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5または6員飽和複素環または芳香族複素環から選択され、その環は、場合により、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、オキセタニル、またはオキソから独立して選択される基で1回または2回以上置換されており、
R2は、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、
R3は、C1〜C3アルキル、C(O)C1〜C3アルキル、C(O)−CH2−OH、C(O)−CH2−O−CH3、C(O)−CH2−N(CH3)2、S(O)2CH3から選択され、または
R2およびR3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R4は、独立して、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノ、C(O)CH3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR4は、オキソ基を形成しており、
R5は、水素またはC1〜C3アルキルから選択される)
の化合物または医薬として許容されるその塩。
[2]
固形悪性腫瘍が、正のFGFR4、FGF19およびKLBの発現によって特徴づけられる、[1]に記載の使用のための式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩。
[3]
固形悪性腫瘍が、肝臓癌、乳癌、膠芽腫、前立腺癌、横紋筋肉腫、胃癌、卵巣癌、肺癌、結腸癌から選択されるがん由来である、[1]または[2]に記載の使用のための式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩。
[4]
固形悪性腫瘍を有する患者の処置における使用のための、式(I)
【化2】
(式中
Vは、CH2、O、CH(OH)から選択され、
Wは、CH2、CH2CH2、結合から選択され、
Xは、C(RX)またはNであり、
Yは、C(RY)またはNであり、
Zは、CHまたはNであり、
XがNであるとき、YおよびZはNではなく、
YがNであるとき、XおよびZはNではなく、
ZがNであるとき、XおよびYはNではなく、
RXは、水素、ハロゲン、ハロC1〜C3アルキル、シアノ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキルから選択され、
RYは、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシC1〜C3アルコキシ、NRY1RY2、シアノ、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルコキシ−ハロC1〜C3アルコキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルコキシ、O−(CH2)0〜1−RY3、CRY6RY7、S−C1〜C3アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC1〜C6アルコキシから選択され、または
RXおよびRYは、それらが結合している環と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子をさらに含む二環式芳香族環系を形成しており、その環系は場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY1は、水素であり、
RY2は、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシC1〜C6アルキル、ハロC1〜C3アルコキシC1〜C6アルキル、(CH2)0〜1−RY4、ヒドロキシで置換されているジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキルで置換されているビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、S(O)2−CH(CH3)2で置換されているフェニル、ビシクロC5〜C8アルキル、C2〜C3アルキルスルホン酸であり、または
RY1およびRY2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、RY5で1回もしくは2回置換されていてもよく、
RY3は、キヌクリジニル、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環、または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC1〜C3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
RY4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY5は、独立して、C1〜C3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのRY5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C1〜C3アルキルで1回もしくは2回以上置換されており、
RY6およびRY7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R1は、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキル、C3〜C6シクロアルキル、CH2NR2R3、CH(CH3)NR2R3、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルキル、CH2CO2H、C(O)H、C1〜C3アルコキシ、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5または6員飽和複素環または芳香族複素環から選択され、その環は、場合により、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、オキセタニル、またはオキソから独立して選択される基で1回または2回以上置換されており、
R2は、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、
R3は、C1〜C3アルキル、C(O)C1〜C3アルキル、C(O)−CH2−OH、C(O)−CH2−O−CH3、C(O)−CH2−N(CH3)2、S(O)2CH3から選択され、または
R2およびR3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R4は、独立して、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノ、C(O)CH3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR4は、オキソ基を形成しており、
R5は、水素またはC1〜C3アルキルから選択される)
の化合物または医薬として許容されるその塩であって、
前記式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩が、患者が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて前記患者に投与されることで特徴づけられる、
式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩。
[5]
固形悪性腫瘍を有する患者の処置における使用のための、式(I)
【化3】
(式中
Vは、CH2、O、CH(OH)から選択され、
Wは、CH2、CH2CH2、結合から選択され、
Xは、C(RX)またはNであり、
Yは、C(RY)またはNであり、
Zは、CHまたはNであり、
XがNであるとき、YおよびZはNではなく、
YがNであるとき、XおよびZはNではなく、
ZがNであるとき、XおよびYはNではなく、
RXは、水素、ハロゲン、ハロC1〜C3アルキル、シアノ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキルから選択され、
RYは、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシC1〜C3アルコキシ、NRY1RY2、シアノ、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルコキシ−ハロC1〜C3アルコキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルコキシ、O−(CH2)0〜1−RY3、CRY6RY7、S−C1〜C3アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC1〜C6アルコキシから選択され、または
RXおよびRYは、それらが結合している環と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子をさらに含む二環式芳香族環系を形成しており、その環系は場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY1は、水素であり、
RY2は、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシC1〜C6アルキル、ハロC1〜C3アルコキシC1〜C6アルキル、(CH2)0〜1−RY4、ヒドロキシで置換されているジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキルで置換されているビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、S(O)2−CH(CH3)2で置換されているフェニル、ビシクロC5〜C8アルキル、C2〜C3アルキルスルホン酸であり、または
RY1およびRY2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、RY5で1回もしくは2回置換されていてもよく、
RY3は、キヌクリジニル、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環、または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC1〜C3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
RY4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY5は、独立して、C1〜C3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのRY5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C1〜C3アルキルで1回もしくは2回以上置換されており、
RY6およびRY7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R1は、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキル、C3〜C6シクロアルキル、CH2NR2R3、CH(CH3)NR2R3、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルキル、CH2CO2H、C(O)H、C1〜C3アルコキシ、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5または6員飽和複素環または芳香族複素環から選択され、その環は、場合により、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、オキセタニル、またはオキソから独立して選択される基で1回または2回以上置換されており、
R2は、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、
R3は、C1〜C3アルキル、C(O)C1〜C3アルキル、C(O)−CH2−OH、C(O)−CH2−O−CH3、C(O)−CH2−N(CH3)2、S(O)2CH3から選択され、または
R2およびR3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R4は、独立して、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノ、C(O)CH3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR4は、オキソ基を形成しており、
R5は、水素またはC1〜C3アルキルから選択される)
の化合物または医薬として許容されるその塩であって、
a.患者が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩を用いた処置について、前記患者が選択されること、ならびに
b.その後、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩が前記患者に投与されること
で特徴づけられる、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩。
[6]
固形悪性腫瘍を有する患者の処置における使用のための、式(I)
【化4】
(式中
Vは、CH2、O、CH(OH)から選択され、
Wは、CH2、CH2CH2、結合から選択され、
Xは、C(RX)またはNであり、
Yは、C(RY)またはNであり、
Zは、CHまたはNであり、
XがNであるとき、YおよびZはNではなく、
YがNであるとき、XおよびZはNではなく、
ZがNであるとき、XおよびYはNではなく、
RXは、水素、ハロゲン、ハロC1〜C3アルキル、シアノ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキルから選択され、
RYは、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシC1〜C3アルコキシ、NRY1RY2、シアノ、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルコキシ−ハロC1〜C3アルコキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルコキシ、O−(CH2)0〜1−RY3、CRY6RY7、S−C1〜C3アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC1〜C6アルコキシから選択され、または
RXおよびRYは、それらが結合している環と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子をさらに含む二環式芳香族環系を形成しており、その環系は場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY1は、水素であり、
RY2は、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシC1〜C6アルキル、ハロC1〜C3アルコキシC1〜C6アルキル、(CH2)0〜1−RY4、ヒドロキシで置換されているジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキルで置換されているビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、S(O)2−CH(CH3)2で置換されているフェニル、ビシクロC5〜C8アルキル、C2〜C3アルキルスルホン酸であり、または
RY1およびRY2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、RY5で1回もしくは2回置換されていてもよく、
RY3は、キヌクリジニル、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環、または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC1〜C3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
RY4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY5は、独立して、C1〜C3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのRY5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C1〜C3アルキルで1回もしくは2回以上置換されており、
RY6およびRY7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R1は、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキル、C3〜C6シクロアルキル、CH2NR2R3、CH(CH3)NR2R3、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルキル、CH2CO2H、C(O)H、C1〜C3アルコキシ、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5または6員飽和複素環または芳香族複素環から選択され、その環は、場合により、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、オキセタニル、またはオキソから独立して選択される基で1回または2回以上置換されており、
R2は、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、
R3は、C1〜C3アルキル、C(O)C1〜C3アルキル、C(O)−CH2−OH、C(O)−CH2−O−CH3、C(O)−CH2−N(CH3)2、S(O)2CH3から選択され、または
R2およびR3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R4は、独立して、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノ、C(O)CH3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR4は、オキソ基を形成しており、
R5は、水素またはC1〜C3アルキルから選択される)
の化合物または医薬として許容されるその塩であって、
a.患者由来の生体試料が、正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現についてアッセイされること、ならびに
b.患者由来の生体試料が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現を有することに基づいて、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩が前記患者に投与されること
で特徴づけられる、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩。
[7]
固形悪性腫瘍を有する患者の処置における使用のための、式(I)
【化5】
(式中
Vは、CH2、O、CH(OH)から選択され、
Wは、CH2、CH2CH2、結合から選択され、
Xは、C(RX)またはNであり、
Yは、C(RY)またはNであり、
Zは、CHまたはNであり、
XがNであるとき、YおよびZはNではなく、
YがNであるとき、XおよびZはNではなく、
ZがNであるとき、XおよびYはNではなく、
RXは、水素、ハロゲン、ハロC1〜C3アルキル、シアノ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキルから選択され、
RYは、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシC1〜C3アルコキシ、NRY1RY2、シアノ、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルコキシ−ハロC1〜C3アルコキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルコキシ、O−(CH2)0〜1−RY3、CRY6RY7、S−C1〜C3アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC1〜C6アルコキシから選択され、または
RXおよびRYは、それらが結合している環と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子をさらに含む二環式芳香族環系を形成しており、その環系は場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY1は、水素であり、
RY2は、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシC1〜C6アルキル、ハロC1〜C3アルコキシC1〜C6アルキル、(CH2)0〜1−RY4、ヒドロキシで置換されているジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキルで置換されているビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、S(O)2−CH(CH3)2で置換されているフェニル、ビシクロC5〜C8アルキル、C2〜C3アルキルスルホン酸であり、または
RY1およびRY2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、RY5で1回もしくは2回置換されていてもよく、
RY3は、キヌクリジニル、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環、または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC1〜C3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
RY4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY5は、独立して、C1〜C3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのRY5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C1〜C3アルキルで1回もしくは2回以上置換されており、
RY6およびRY7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R1は、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキル、C3〜C6シクロアルキル、CH2NR2R3、CH(CH3)NR2R3、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルキル、CH2CO2H、C(O)H、C1〜C3アルコキシ、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5または6員飽和複素環または芳香族複素環から選択され、その環は、場合により、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、オキセタニル、またはオキソから独立して選択される基で1回または2回以上置換されており、
R2は、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、
R3は、C1〜C3アルキル、C(O)C1〜C3アルキル、C(O)−CH2−OH、C(O)−CH2−O−CH3、C(O)−CH2−N(CH3)2、S(O)2CH3から選択され、または
R2およびR3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R4は、独立して、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノ、C(O)CH3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR4は、オキソ基を形成しており、
R5は、水素またはC1〜C3アルキルから選択される)
の化合物または医薬として許容されるその塩であって、
a.患者由来の生体試料をアッセイすること、
b.前記患者由来の前記生体試料が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられるかを決定すること、ならびに
c.前記生体試料が正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる場合、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩を前記患者に投与すること
を含む、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩。
[8]
化合物が、式(Ia−1)
【化6】
の化合物または医薬として許容されるその塩である、[1]〜[7]のいずれかに記載の使用のための化合物。
[9]
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
(R)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
(S)−N−(5−シアノ−4−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−6−(ジフルオロメチル)−7−ホルミル−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((N−メチルアセトアミド)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−((2−メトキシエチル)アミノ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−イソプロポキシピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N−(5−シアノ−4−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド;
(R)−N−(5−シアノ−4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)ピリジン−2−イル)−7−ホルミル−6−((4−メチル−2−オキソピペラジン−1−イル)メチル)−3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1(2H)−カルボキサミド
から選択される、[1]〜[8]のいずれかに記載の使用のための化合物。
[10]
正のFGFR4およびKLBの発現、または正のFGFR4およびFGF19の発現、または正のFGFR4、KLBおよびFGF19の発現によって特徴づけられる固形悪性腫瘍の処置における使用のための、式(I)
【化7】
(式中
Vは、CH2、O、CH(OH)から選択され、
Wは、CH2、CH2CH2、結合から選択され、
Xは、C(RX)またはNであり、
Yは、C(RY)またはNであり、
Zは、CHまたはNであり、
XがNであるとき、YおよびZはNではなく、
YがNであるとき、XおよびZはNではなく、
ZがNであるとき、XおよびYはNではなく、
RXは、水素、ハロゲン、ハロC1〜C3アルキル、シアノ、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキルから選択され、
RYは、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシC1〜C3アルコキシ、NRY1RY2、シアノ、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルコキシ−ハロC1〜C3アルコキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルコキシ、O−(CH2)0〜1−RY3、CRY6RY7、S−C1〜C3アルキル、場合によりヒドロキシで置換されているハロC1〜C6アルコキシから選択され、または
RXおよびRYは、それらが結合している環と一緒に、場合によりN、OもしくはSから選択される1つもしくは2つのヘテロ原子をさらに含む二環式芳香族環系を形成しており、その環系は場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY1は、水素であり、
RY2は、C1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C6アルキル、場合によりヒドロキシルで置換されているハロC1〜C6アルキル、C1〜C4アルコキシC1〜C6アルキル、ハロC1〜C3アルコキシC1〜C6アルキル、(CH2)0〜1−RY4、ヒドロキシで置換されているジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C6アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキルで置換されているビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、S(O)2−CH(CH3)2で置換されているフェニル、ビシクロC5〜C8アルキル、C2〜C3アルキルスルホン酸であり、または
RY1およびRY2は、それらが結合しているN原子と一緒に、O原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の非芳香族6員複素環を形成しており、その環は、RY5で1回もしくは2回置換されていてもよく、
RY3は、キヌクリジニル、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員飽和複素環、または5もしくは6員芳香族複素環から選択され、その飽和複素環または芳香族複素環は場合によりC1〜C3アルキルおよび/またはオキソで置換されており、
RY4は、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5または6員飽和複素環であり、その環は、場合によりC1〜C3アルキルで置換されており、
RY5は、独立して、C1〜C3アルキル、ヒドロキシ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのRY5は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5員飽和複素環を形成しており、その環は、C1〜C3アルキルで1回もしくは2回以上置換されており、
RY6およびRY7は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OまたはSから選択される1つのヘテロ原子を含む6員の飽和または不飽和非芳香族複素環を形成しており、
R1は、水素、ハロゲン、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、ヒドロキシC1〜C3アルキル、C3〜C6シクロアルキル、CH2NR2R3、CH(CH3)NR2R3、C1〜C3アルコキシC1〜C3アルキル、CH2CO2H、C(O)H、C1〜C3アルコキシ、N、OまたはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む5または6員飽和複素環または芳香族複素環から選択され、その環は、場合により、C1〜C3アルキル、ハロC1〜C3アルキル、オキセタニル、またはオキソから独立して選択される基で1回または2回以上置換されており、
R2は、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノC1〜C3アルキルから選択され、
R3は、C1〜C3アルキル、C(O)C1〜C3アルキル、C(O)−CH2−OH、C(O)−CH2−O−CH3、C(O)−CH2−N(CH3)2、S(O)2CH3から選択され、または
R2およびR3は、それらが結合しているN原子と一緒に、場合によりN、N−オキシド、OもしくはSから選択される1つのさらなるヘテロ原子を含む飽和5もしくは6員環を形成しており、その環は、R4で1回もしくは2回以上置換されていてもよく、
R4は、独立して、C1〜C3アルキル、ジ(C1〜C3アルキル)アミノ、C(O)CH3、ヒドロキシから選択され、または
同じ炭素原子に結合している2つのR4は、それらが結合している炭素原子と一緒に、N、OもしくはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む4、5もしくは6員非芳香族複素環を形成しており、または
同じ環原子に結合している2つのR4は、オキソ基を形成しており、
R5は、水素またはC1〜C3アルキルから選択される)
の化合物または医薬として許容されるその塩と、1種または複数の医薬として許容される担体とを含む医薬組成物。