(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585196
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】格子構造並びに格子構造を作製する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
E04C 5/04 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
E04C5/04
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-565746(P2017-565746)
(86)(22)【出願日】2016年5月25日
(65)【公表番号】特表2018-519441(P2018-519441A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】EP2016061826
(87)【国際公開番号】WO2016202545
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2018年4月16日
(31)【優先権主張番号】00920/15
(32)【優先日】2015年6月19日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】510301231
【氏名又は名称】ジェオブルッグ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フォン アルメン、ハンス−ペーター
【審査官】
新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−057236(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0251688(US,A1)
【文献】
仏国特許発明第00413962(FR,B1)
【文献】
英国特許出願公開第00172476(GB,A)
【文献】
特開2009−039751(JP,A)
【文献】
実開昭56−023245(JP,U)
【文献】
特表2008−501878(JP,A)
【文献】
西独国特許第00636980(DE,B)
【文献】
特開平08−144432(JP,A)
【文献】
実開昭63−018506(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 5/01 − 5/07
E01F 7/04
B21F 27/00 − 27/22
D04G 1/00 − 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差する長手要素(2,2’,2”,12,22)及び横断要素(3,3’,3”,13,23)からなる格子構造であって、前記長手要素及び前記横断要素は、ワイヤ、ストランド、ロープ、ロッド、及びプロファイルのうちの1つ以上であり、前記長手要素(2,2’,2”,12,22)及び前記横断要素(3,3’,3”,13,23)に対して交点(6)が割り当てられており、
前記長手要素(2,2’,2”,12,22)及び前記横断要素(3,3’,3”,13,23)は1重で、多重で、又はその両方で延びており、少なくとも前記交点(6)において、互いの中へ通されること、または前記長手要素(2)のループ(4)と前記横断要素(3)のループ(4)とを互いに撚ることを介して、互いに連結されており、
前記長手要素(2)と前記横断要素(3)との一方または両方は、700N/mm2〜2800N/mm2の強度を有する高張力鋼から少なくとも部分的に形成されている、
格子構造。
【請求項2】
前記長手要素(2)は、前記長手要素(2)に沿って前記格子構造の平面に対して垂直にループ(4)を備えており、前記横断要素(3)は、前記横断要素(3)に沿って前記格子構造の平面に対して垂直にループ(5)を備えており、前記ループ(4,5)は開いているか又は閉じている、
請求項1に記載の格子構造。
【請求項3】
前記長手要素(2)の前記ループ(4)が前記長手要素の長手方向に配置されており、前記横断要素(3)の前記ループ(5)が前記横断要素の長手方向に対して横断するように配向されていることによって、前記ループ(4,5)は、撚られる前には前記長手要素と前記横断要素との前記交点(6)において平行に並んで位置している、
請求項2に記載の格子構造。
【請求項4】
前記格子構造は長手要素(2’,2”)及び横断要素(3’,3”)からなり、前記長手要素(2’,2”)及び前記横断要素(3’,3”)は、2重以上で延び、少なくとも前記交点(6)においてそれぞれ撚り合わされている、
請求項1に記載の格子構造。
【請求項5】
2重以上で延びている前記長手要素(2’)は、該長手要素(2’)を通過する横断要素(3’)を受け入れるために分散して配置された通過領域(11)を備える、
請求項4に記載の格子構造。
【請求項6】
前記長手要素(2”)及び前記横断要素(3”)は、それらが互いの中を通過する前記交点(6)の領域においてのみ撚られている、
請求項4又は5に記載の格子構造。
【請求項7】
前記長手要素(12)、前記横断要素(13)、又はその両方はストランドであり、前記横断要素(13)又は前記長手要素(12)は、前記交点(6)において前記長手要素(12)又は前記横断要素(13)の通過領域(14)を通過することによって、互いの中を通過して互いに連結されている、
請求項1に記載の格子構造。
【請求項8】
前記横断要素(13)又は前記長手要素(12)は、前記長手要素(12)又は前記横断要素(13)に対してワイヤ(12’又は13’)の間に固定されるように連結されており、それによって前記ワイヤ(12’又は13’)に結節状の交点(6)が提供されている、
請求項7に記載の格子構造。
【請求項9】
前記長手要素(2)、前記横断要素(3)、又はその両方は、360°曲げられたループを備えており、前記横断要素又は前記長手要素は、撚られることを伴って、又は伴わずに、前記ループを通過するか、前記ループに対して連結されているか、又はその両方である、
請求項1に記載の格子構造。
【請求項10】
前記長手要素と前記横断要素とが互いに対して直角をなして平面に存在するように配向されている、
請求項1〜9の何れか一項に記載の格子構造。
【請求項11】
前記格子構造の前記交点(6)間の距離の大きさは、長手方向及び横断方向において規則的に決定されているか、端部領域における距離が中間領域における距離よりも短いように決定されている、
請求項1〜10の何れか一項に記載の格子構造。
【請求項12】
前記長手要素(2,2’,2”)、前記横断要素(3,3’,3”)、又はその両方は、その端部に閉じたアンカ・ループ(8)が設けられている、
請求項1〜11の何れか一項に記載の格子構造。
【請求項13】
前記長手要素(2,2’,2”)、前記横断要素(3,3’,3”)、又はその両方は、周りを包むこと、巻くこと、又は撚られることによって、それらの端部で、近接する横断要素(3,3’,3”)又は長手要素(2,2’,2”)に連結されている、
請求項1〜11の何れか一項に記載の格子構造。
【請求項14】
請求項1に記載の格子構造を製造するための方法であって、
ストランド状の前記長手要素(12)又は前記横断要素(13)の前記ワイヤ(12’又は13’)を弾性領域において機械的に互いに対し開き、前記横断要素(13)又は前記長手要素(12)を中を通してスライドさせ、次いで、開いた前記ワイヤ(12’又は13’)を解放して閉じ、その結果として、通過させられた前記横断要素又は前記長手要素が固定される、方法であって、前記ワイヤは、700N/mm2〜2800N/mm2の強度を有する高張力鋼から少なくとも部分的に形成されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる格子構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の格子構造は、平ら又は波状の支持グリッド若しくは保護格子として提供される構造要素として使用されており、結節点の押圧耐性によって、負荷が大きい場合においてさえわずかに変形するのみであることが保証されている。結節点においてワイヤを連結するべく、これまでに溶接連結部、クランプ、又は追加のワイヤ材料が使用されてきた。
【0003】
この形式の格子構造は、特許文献1に開示されている。これは、ロッド形状の上部ベルトと下部ベルトとからなり、それらの間に連結ロッドが溶接されている。結節点を提供するこれらの溶接点は、構造の変化を生じさせる一方で、複数のベルト・ロッドが一緒になるように溶接される際には、多大な製造努力を必要とする。後者は、機械的に加工された連結要素を使用する際にも適用され、多くの労働力及び費用の投入を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】オーストリア国特許発明第409506号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の点から、本発明の目的は、これらの欠点を回避することであり、その結節点が溶接点も追加の材料も備えず、効率的且つ経済的に都合の良いやり方で作製し得る前述の形式の格子構造を作ることにある。さらに、その格子構造の耐久性のある防食処理も確実にされるべきものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本目的は、本発明にしたがって請求項1又は請求項16の特徴によって実現される。
このように、外部の連結要素を伴わずに提供され得る移動不可能な連結部が長手要素と横断要素との間に実現されており、比較的少ない投入で済む。これに加えて、結節点に壊れやすい溶接点などが存在しないことから、この格子構造の寿命が延びる。
【0007】
本発明による格子は、様々な実施形態において提供され得る。最初の例示的な実施形態では、本発明により、格子の長手要素及び横断要素は、それらの要素に沿って好適には格子平面に対して垂直に、撚りのないループ又は部分的に予め撚られたループを備えることが教示される。それらのループは開放又は閉鎖されており、それらの要素の交点において互いに撚られることで、結節点を提供している。その連結を容易にするために、長手ワイヤのループはそのワイヤの長手方向に配置され、それと同時に、横断要素のループはそのワイヤの長手方向に対して横断するように配向される。しかし、その逆に、横断要素がワイヤの長手方向に配置されるループを備え、それと同時に、ワイヤの長手方向に対して横断するように配置されるループを有する長手ワイヤを提供することは容易に可能である。
【0008】
第2の実施形態では、本発明により、その格子が長手要素及び横断要素からなることが教示されており、その長手要素及び横断要素は、2重以上で延び、それら自体で撚られ、ワイヤの交点において互いの中へ入って通過している。
【0009】
ここでは、通過領域を有する長手のワイヤ、ストランド、ロープ、ロッド、又はプロファイルを好適に備えることは都合がよく、通過領域は、それらを通過する又は通過した横断要素を受け入れる。しかし、その逆に、横断要素中に通過領域を提供し、その横断要素を通るように長手要素を導くことも可能である。
【0010】
2重の様式で延びる長手要素及び横断要素が交点の一領域のみにおいて撚られるように提供されている本実施形態の形態において、追加の利点が実現される。
負荷状態にある格子の安定性に関しては、長手要素と横断要素とが互いに対して直角をなして平面に存在するように配向される場合に、より有利である。しかし、他の交角を有する格子にも、同様に本発明による結節点を容易に提供することが可能である。
【0011】
製造技術の点において、格子の結節点間の距離が長手方向及び/又は横断方向において規則的な場合に、有利である。
有利なことに、長手要素及び/又は横断要素は、少なくとも部分的に高張力鋼から形成され、好適には700N/mm
2〜2800N/mm
2の強度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】(a),(b)はワイヤ・ループを撚る前の
図1の格子の長手要素及び横断要素を示す側面図又は斜視図。
【
図3】(a),(b)は
図1又は
図2の格子構造の製造工程の2つの概略的に示された段階を示す図。
【
図4】本発明による格子構造の第2の実施形態の斜視図。
【
図5】(a),(b)は
図4の格子構造の長手ワイヤ又は横断ワイヤのそれぞれの側面図。
【
図6】(a),(b)は製造工程の2つの段階において示される、
図4の格子構造の結節点を示す図。
【
図7】本発明による格子構造のさらなる実施形態の斜視図。
【
図10】本発明による格子構造のさらなる形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明の例示的実施形態が図面によって詳細に説明される。
図1〜
図3による格子構造1は、好適には鋼から形成された長手要素2及び横断要素3からなり、これらの長手要素2及び横断要素3には、垂直に立ち上がったループ4又は5が設けられている。これらの長手要素及び横断要素は、特にワイヤ、ストランド、ロープ、ロッド、又はプロファイルである。しかし、これらは、鋼と合成物質とを含む複合製品及び/又は合成製品であってもよく、それらのサンドイッチ要素であってもよい。
【0014】
さらに、長手要素と比較して、横断要素は異なるように寸法を決定されてよく、異なる材料から及び/又は異なる特性(例えば、強度)を有する異なる材料からなってもよい。
このような格子構造1は、補強、保護及び/又は固定の分野において様々な用途に適している。この種の格子構造は、例えば、鉱業分野又は表面保護のための類似の分野において、補強用にコンクリート又はアスファルトの中にはめ込まれてよく、及び/又はコンクリート又はアスファルトの中で使用可能である。
【0015】
しかし、これらは他の目的(例えば、任意の種類の地表に対する斜面保護、又は雪崩、落石若しくは他の自然の脅威から保護するための構造における斜面保護)に適用されてもよい。
【0016】
これ以外に、このような格子構造は、例えば、高強度の実施形態において破壊行為からの安全性をさらに高める常設又は移動式の保護要素若しくは仕切要素として、建物の内装又は外装の用途に使用され得る。
【0017】
これらの格子は、連続的に又はパネルとして作製可能であり、一部の実施形態においては巻き上げられてもよく、その結果、用途の可能性を拡大し、特に輸送及び組み立ての簡略化を可能にする。
【0018】
本発明によると、その格子構造1のワイヤは、ループ4及び5により、交点6において互いに堅牢に撚られることによって結節点7が提供されており、結節点7は、その格子に対して負荷がある場合にも押圧耐性を有し、その格子に対する変形の場合にはそれに耐える。その結果、これらの結節点7における一種のポジティブ・フィットがもたらされる。
【0019】
その格子構造1において、長手要素2及び横断要素3はワイヤとして具体化されて、互いに対して垂直に平面にあるように配置されており、その結節点7は、長手方向と横断方向との両方において互いから等距離に離間されている。
【0020】
2つの方向に対して異なる距離を設けることも、当然可能である。どちらの場合においても、その格子の幾何形状は、例えば異形鉄筋メッシュの幾何形状に匹敵する。
さらなる形態として、結節点7は、およそ長方形であるのに代えて、ジグザグ形状で具体化されてよい。しかし、実際には、作製技術及びそれらの機械特性の両方において長方形配置は有利であるとみなされる。
【0021】
格子構造1を例えば格子構造1を包含するフレームに対して固定する目的のため、長手要素2及び横断要素3の端部に閉アンカ・ループ8が設けられ、追加の手段を用いることなくその格子の周囲全体を規則的に固定することが可能となる。
【0022】
図2(a)及び
図2(b)には、組立用にループ4を伴って用意された長手ワイヤ2と、90°で横断するように配置されたループ5を伴って組立用に同様に用意された横断ワイヤとを示す。このように、ループ4及び5は、撚りをかける前に交点6において平行に隣接して位置しており、簡単な方法で撚ることができる。
【0023】
それらのループは、当然、示したものとは異なる形状に予め形成されてもよい。ストランドを形成するべく、横断するように配置されたループを有するそれぞれのワイヤに対して、ループを備える又は備えない1つ以上のさらなるワイヤが巻かれてよい。
【0024】
図3(a)には、ループ4及び5を撚るために用意された交点6を示しており、本発明の範囲において、ワイヤ2及び3を撚る目的のために配置して堅牢に保持することを可能にするべく、組立板9の明確に離間された溝9’又は類似のものに該ワイヤ2及び3が挿入されている。ここでは、溝9’は、それらが格子構造1のメッシュサイズに対応するような距離で互いに離間されて、組立板9に配置されている。
【0025】
図3(b)には、ループ4及び5が互いに撚られている点を示す。この点において、これらのループ4及び5は移動不可能な押圧耐性結節点7を形成する。
図4、
図5(a)、及び
図5(b)の格子構造10は、
図1の格子とは異なり、ここでは主に長手要素2’及び横断要素3’が2重で延びており、作ったループではなく、長手要素2’及び横断要素3’のそれぞれがそれ自体と撚られており、長手要素2’は長手方向に分布するように配置されている通過領域11を備えており、その通過領域11を横断要素3’が通過する。
【0026】
図5(a)には、横断要素を受け入れるために規則的に分布する通過領域11を有する、組立用に用意された長手ワイヤ2を示す。
また、
図5(b)には、依然として格子構造10の第1の交点6までのみ撚られた、組立用に用意された横断ワイヤ3’を示す。
【0027】
図6(a)及び
図6(b)には、格子構造10の組み立てにおいて、横断ワイヤ3’が長手ワイヤ2’の第1の通過領域11を通されており、次いで、続く通過領域までさらに撚られていることを示しており、その続く通過領域では、横断ワイヤ3’は同様に交点6の一領域において長手ワイヤ2’と堅牢に撚られている。この手順は、横断ワイヤ3’が長手ワイヤ2’の全ての通過領域11を完全に通過するまで繰り返される。通過領域11の好適なサイズの寸法によって、所定の角度で組み合うことが可能な構造がもたらされ、したがって巻き上げ可能になる。
【0028】
図7の格子構造は、長手要素2”及び横断要素3”が、互いの中を通過する該長手要素2”及び横断要素3”の交点6の一領域においてのみ撚られている点においてのみ、
図4の格子構造とは異なる。これらの点の外側では、長手要素2”及び横断要素3”は撚りがない平行に延びる2重又は多重のワイヤのままであり、それらのワイヤもまた、その端部に、その格子を包含するフレームに対してその格子を固定するための閉アンカ・ループ8が備えられてよい。安定性の増加を達成するために、撚りがないことに代えて、長手要素及び横断要素はいくらかの回数の巻きによって一緒に巻かれることができ、複数の交点6の間にストランドを形成する。
【0029】
また、
図1、
図4、及び
図7の例示的な実施形態は当然、記載された配置とは逆の配置で提供することもできる。
図1による実施形態では、このような場合、長手ワイヤ2は長手方向に対して横断するように配置されるループを備え、それと同時に、横断要素3には長手方向に配置されるループが備えられる。
【0030】
図4及び
図7の例示的な実施形態では、通過領域11が横断要素3’又は3”に配置され、長手ワイヤ2’又は2”がその横断要素3’又は3”を通過する。
図8には、長手要素12及び横断要素13を有する格子構造20の一部を示し、長手要素12及び横断要素13はストランドとして構成されており、それぞれは2つの巻かれたワイヤ12’から提供される。しかし、これらは2つ以上のワイヤであってもよい。
【0031】
本発明によると、横断要素13は、交点6において長手要素12の通過領域14を通過することによって、横断要素13及び長手要素12は、このように互いの中を通過して互いに連結されている。該通過領域14は、ここでは、メッシュの長さに対応する巻かれたワイヤ12’の開口によって提供される。
【0032】
図9は、
図8の格子構造20の特に有利な製造工程を示し、その製造工程では、長手要素12を形成する目的のため、隣接してペアとして配置された複数のワイヤ12’が装置によってメッシュ長さを隔てて同時に巻かれる。複数回の巻きを生じさせた後に、既に巻かれた各横断要素13が、未だ巻かれていない長手要素12のそれぞれ2つのワイヤ12’の間を通過する。次いで、長手要素12の巻き工程が継続され、続く横断要素13が、所定の回数の巻きの後に、同様にワイヤ12’を通ってスライドする。横断要素が長手要素の代わりに配置されてもよく、その逆でもよい。
【0033】
好適には、その中へのスライドと長手要素12のさらなる巻き工程とに続いて、その横断要素13が、複数のワイヤ12’の間にクランプ固定されるように、後者に対して連結され、その交点6はそれらのワイヤ12’において結節状に提供される。その結果、その交点において圧力嵌め連結がもたらされる。
【0034】
この装置について、ワイヤ12’を巻くこと及び横断要素13を通過させることのために、長手要素12の始めのストレートホルダ15及び回転手段16のみが模式的に示されている。
【0035】
格子構造20は、当然上述の方法とは異なる方法で製造することもできる。例えば、完成されたストランドは、長手要素12及び横断要素13の両方において、対応するメッシュ長さをもって配置することができ、ここで長手要素は巻かれた横断要素の複数のワイヤを通ってスライドすることができ、それらのワイヤは弾性領域において機械的に互いについて開かれるか、又はその逆であり、次いでそれらの開いたワイヤが再び解放されることによって、通過させられた横断要素のクランプ固定を有効化することができる。
【0036】
図10には、
図9の格子構造に類似する格子構造の一部を示す。ストランドの代わりに、1本のワイヤが横断要素23として使用され、ワイヤ22’を通過し、したがって(また、有利なことに)、ワイヤ22’によるこれらの横断要素23のクランプ固定を介して、交点6において本発明による連結が生じる。
【0037】
図11には、例えば
図4又は
図8において示される格子構造のような格子構造の一部を模式的に示し、
図11においては、長手要素12又は横断要素13の複数のワイヤ12’が撚られている、又は撚られてストランドを形成している。
【0038】
本発明の範囲において、それらの長手要素12又は横断要素13は、それらの端部で、近接する横断要素13又は長手要素12に連結される。本例示的実施形態において、ワイヤ12”及び13”は、長手要素12又は横断要素13の端部で角度を付けられており、それらのワイヤ12”及び13”に対して直角に配置されている最も外側の横断要素13又は長手要素12の場合、互いの周りを包むことによって、又は互いで巻くことによってワイヤ12”及び13”が保持されている。
【0039】
長手要素及び/又は横断要素は、有利なことに高張力鋼から形成され、好適には700N/mm
2〜2800N/mm
2の強度を有する。したがって、撚りをかけた後に、その結節点はより一層高い剛性で一緒に保持される。また、強度がより低い長手要素又は横断要素を提供することも可能である。
【0040】
本発明による格子構造によって、任意の所望の形状及び/又はサイズのメッシュを生じさせることが可能である。主に、それらの長手要素及び横断要素は互いに対して、示されているような直角ばかりでなく、例えば、菱形又は偏菱形のメッシュが提供されているワイヤネットにおけるように配置されてもよい。
【0041】
また、長手要素及び/又は横断要素は、およそ360°曲げられたループを備えることができ、それらの横断要素又は長手要素は、残りの図に示され得るように、撚られて、又は撚られることなくそれらのループを通過する。結節には、有利なことには、360°の円形ループの1回以上の巻きが提供されており、それらのループは、設けられた交点に予め形成されており、横断ワイヤに長手ワイヤのループを通過させて後ろ向きに導き、再び通過させることによって、組み立て形成される。ここで、それらのループは、格子平面について、長手ワイヤのループに対して鏡面対称に配置されるように中を通される。
【0042】
また、交点の全てが連結又は撚りを伴って提供されなくすることも可能である。例えば、複数の要素の後の2つ目の交点ごと又は複数の交点ごとにのみ、特徴のある連結を設け、それと同時に他の交点は互いに隣接するように配置されていてもよい。