(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
建築物に配設された感知手段が異状を感知すると異状情報を送出する自動警報設備と接続された支援装置と、自衛消防隊の各隊員が携帯する複数の端末とを具備し、前記端末は、表示部と、操作部と、通信回線を介して前記支援装置と送受信する通信部とを備え、前記支援装置は、前記自動警報設備と通信する第1の通信部と、前記通信回線を介して前記端末と通信する第2の通信部とを備え、前記自動警報設備からの異状情報を受信すると、前記端末に異状情報を伝達すると共に、前記異状に対応する活動を要請するメッセージを前記端末に表示させ、該メッセージに対する前記端末からの応答を締め切るまでの受付時間の計時を開始し、該受付時間が経過するまで前記端末からの応答を受信して活動状況を把握することを特徴とする支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施形態
1−1.自動火災報知設備の構成
まず、本実施の形態に係る支援システム100が接続される、建築物に設置された防災設備としての自動火災報知設備200(以下、自火報設備200)について、
図1に基づいて説明する。
【0010】
自火報設備200は公知の自動火災報知設備であり、火災やガス漏れ等の異状を感知する感知手段としての火災感知器5、ガス漏れ検知器6等を有し、これらの感知手段は防火対象物である建築物に配設される。これらの感知手段は、信号線10を介して、あるいは中継手段である中継器8と信号線10とを介して、受信機4へ接続され、異状を感知すると異状感知信号を受信機4へ送出する。
【0011】
これらの感知手段は、アドレス等の固有の識別子を有し、異状を感知したときはどの感知手段が異状を感知したか判別できるようになっているものがある。また、これらの感知手段が固有の識別子を有しない場合でも、これら感知手段が配設された区画を受信機4が特定できるような区画情報を有しており、感知手段が異状を感知したときはどの区画で異状が感知されたか判別できるようになっている。すなわち、自火報設備200は、感知手段に固有の識別子又は感知手段が配設された区画情報に基づいて異状を感知した場所を示す感知手段位置情報を有する。そして、これらの感知手段が異状を感知すると、自火報設備200は、異状を感知した感知手段からの異状感知信号を受信した受信機4が、異状を感知した感知手段の上記感知手段位置情報を含めた異状情報として異状信号を送出する。このとき異状情報に含まれる感知手段位置情報は、異状を感知した火災感知器5又はガス漏れ検知器6に固有の識別子又は区画番号等である。
【0012】
また、自火報設備200は、地区音響警報装置としての音声警報装置7を有し、音声警報装置7は防火対象物である建築物に配設される。この地区音響警報装置は、直接に信号線10を介して、又は、中継手段である中継器9と信号線10とを介して、受信機4へ接続される。そして、音声警報装置7は、受信機4からの信号に応じて、火災感知放送、火災放送、非火災放送を出力する。なお、上記の地区音響警報装置は、音声警報装置7に限るものでない。例えば、図示しない非常警報設備や、図示しない地区ベルに代えてもよい。
【0013】
1−2.支援システムの構成
次に、本実施の形態に係る支援システム100の構成について、
図1に基づいて説明する。支援システム100は、自衛消防隊の隊員が所持し携帯する1以上の端末2と、受信機4と接続された支援装置1と、で構成される。そして、支援装置1と端末2は、通信回線3を介して互いに通信する。通信回線3は、例えばIMT−2000に準拠した無線通信網などであるが、これに限るものではなく、例えばiEEE802.11に準拠する無線LANなどであってもよい。通信回線3は、少なくとも端末2と無線通信で接続され、無線又は有線で接続される支援装置1と端末2との間で通信を行う通信網である。
【0014】
1−3.支援装置の構成
次に、支援システム100を構成する支援装置1の構成について、
図2に基づいて説明する。支援装置1は、自衛消防隊員による活動を支援するための装置である。支援装置1は、第1の通信部13と、第2の通信部14と、記憶部12と、制御部11とを有する。
【0015】
[通信部]
第1の通信部13は、信号線C1を介して受信機4に接続されて制御情報等を通信するインターフェースである。信号線C1に代えて、インターネット等の通信回線を介して接続してもよく、通信回線3を共用してもよい。第2の通信部14は、信号線C2と通信回線3とを介して端末2と制御情報等を通信するインターフェースである。信号線C2に代えて無線通信で通信回線3と接続するようにしてもよい。なお、通信回線3を共用とする場合は、第1の通信部13と第2の通信部14とを共通化して1つの通信部としてもよい。
【0016】
[記憶部]
記憶部12は、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性の記憶手段であり、自衛消防隊隊員の活動を支援するための処理を実行するプログラムを記憶する。また、記憶部12は、隊員データベース(図において「データベース」を「DB」と表記する)121を有する。隊員データベース121は、すべての自衛消防隊の隊員を、各隊員が所持する端末2の識別子(例えば、電話番号)と、各隊員の属性情報とを関連付けて記憶する。なお、前記属性情報とは、自衛消防隊の各役割に対する適性を示し、その優先順位を記憶するようにしてもよい。また、隊員が互いに識別可能とする程度の個人情報として、顔写真や氏名およびその読み仮名を記憶しておく。
【0017】
また、記憶部12は、役割データベース(図において「データベース」を「DB」と表記する)122を有する。役割データベース122は、役割毎の作業内容を予め記憶しておき、また、後述する編成部114が決定した隊員毎の役割を記憶し、さらに隊員データベース121を参照して、役割毎に隊員が互いに識別可能とする程度の個人情報(顔写真、氏名およびその読み仮名並びに電話番号)を取得してこれを記憶する。
【0018】
また、記憶部12は、設置場所データベース(図において「データベース」を「DB」と表記する)123を有する。設置場所データベース123は、火災感知器5やガス漏れ検知器6といった複数の感知手段について、感知手段に固有の識別子又は感知手段が配設された区画情報に基づく感知手段位置情報と建築物における位置を特定する建物位置情報とを関連付けて記憶する。
【0019】
設置場所データベース123は、受信機4を介して異状を感知した感知手段位置情報と
して与えられる火災感知器5又はガス漏れ検知器6に固有の識別子(又は感知手段が配設
された区画情報としての区画番号)と、例えば、棟、階、フロアにおける座標(又は区画
)で示される建築物における位置情報としての建物位置情報(又は区画)のデータとを関
連付けて記憶する。
【0020】
例えば、識別子「AL2」で表される感知器が配設された位置情報としての建物位置情報を、「1棟(建物)・20階(階層)・X1Y2(平面座標)」というように、感知器の設置座標情報として記憶部12に記憶する。また、例えば、感知器「AL2」の建物位置場所を「1棟(建物)・20階(階層)・第1区画(区画)」というように、感知器が配設された区画情報として記憶部12に記憶する。建物位置情報として記憶するデータは上記に限るものではなく、感知手段が配設された位置情報である感知手段位置情報と関連付けて記憶され、後述する複数の端末位置情報と比較し、互いの位置関係を把握できるようなデータであればよい。例えば、異状を感知した感知手段(例えば、火災感知器5)に最も近い端末2を、あるいは、異状を感知した感知手段から所定の範囲内に位置する1以上の端末2を、特定できるようなデータである。
【0021】
また、記憶部12は、IPアドレスデータベース(図において「データベース」を「DB」と表記する)124を有する。IPアドレスデータベース124は、各端末2について、電話番号とIPアドレスとを関連付けて記憶する。
【0022】
また、記憶部12は、通話履歴データベース(図において「データベース」を「DB」と表記する)125を有する。通話履歴データベース125は、通話日時と、発呼元の電話番号と、着呼先の電話番号と、通話内容を表す音声ファイルのファイル名とを関連付けて記憶する。
【0023】
[制御部]
制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムに基づいて支援装置1の各部の動作を制御する制御手段である。制御部11は、図示しないCPU等の演算処理装置を備え、その機能的構成として、特定部111、受付部112、要請部113、編成部114、通知部115、通話制御部116、音声認識部117を備える。
【0024】
特定部111は、第1の通信部13を介して受信した異状信号に含まれる感知手段位置情報に基づいて、後述する設置場所データベース123を参照して異状が感知された感知手段位置情報に対応する建物位置情報を異状位置として特定する異状位置特定手段である。
【0025】
受付部112は、第2の通信部14を介して端末2から受信する応答、要求、端末2の位置を表す端末位置情報(詳しくは後述する)を受け付ける受付手段である。
【0026】
要請部113は、後述する編成部114の決定に基づき、第2の通信部14を介して端末2に自衛消防隊への参加要請を行う要請画面を表示させる要請手段であり、さらには、参加要請する際に担当する役割も要請し得る要請手段である。要請部113が端末2に要請画面を表示させるとき、第2の通信部14より要請事項に基づいた要請画面を表示するように指令信号を送信する。
【0027】
編成部114は、隊員データベース121を参照して、第2の通信部14および受付部112を介して受信した端末2の識別子に対応する隊員の属性情報を取得し、自衛消防隊の各役割に対する各隊員の適性を把握し、参加要請に対して参加する旨の応答があった端末2を携帯する隊員の役割を決定する自衛消防隊の編成手段である。編成部114が自衛消防隊を編成する際には、特定部111が特定した異状位置情報と端末位置情報とに基づいて組織編成するようにしてもよい。編成部114が決定した隊員毎の役割は、役割データベース122に記憶しておく。そして、通知部115、第2の通信部14、通信回線3を介して、隊員毎の役割を該当する端末2毎に表示させる。
【0028】
通知部115は、第2の通信部14を介して、異状情報、編成部114で編成された自衛消防隊の隊員毎の役割、役割毎の作業内容、メンバー情報、等を送信し、端末2に通知画面を表示させる通知手段である。通知部115が端末2に通知画面を表示させるとき、第2の通信部14より通知内容に基づいた通知画面を表示するように指令信号を送信する。
【0029】
通話制御部116は、VoIP(Voice over Internet Protocol)を用いて端末2間において音声通話を実現させる手段である。より具体的には、端末2間において呼制御を行うとともに、音声信号の中継を行う手段である。呼制御には、例えばSIP(Session Initiation Protocol)やH.323が用いられる。また、通話制御部116は、端末2間において行われた通話内容を示す音声ファイルを通話履歴データベース125に登録する手段である。
音声認識部117については後述する。
【0030】
1−4.端末の構成
次に、支援システム100を構成する端末2の構成について、
図3に基づいて説明する。
図3は端末2の構成を示すブロック図である。
【0031】
端末2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、操作部24と、表示部25と、マイク26と、スピーカ28とを有する。端末2は、防火対象物である建築物の各所で任命された自衛消防隊の隊員が携帯する携帯型の端末装置であり、例えばスマートフォンやタブレット端末等である。表示部25が備える画面251に重ねて操作者の指等が触れたことを検出する、操作部24が有するタッチパネル241が設けられる。
【0032】
[制御部]
制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを有し、CPUがROM又は記憶部22に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより端末2の各部を制御する。
【0033】
[記憶部]
記憶部22は、フラッシュメモリやSSD(ソリッドステートドライブ)などの不揮発性の記憶手段であり、制御部21のCPUに読み込まれるプログラムを記憶する。また、記憶部22は、端末2の電話番号とIPアドレスとを記憶する。また、記憶部22は、電話帳データベース(図において「データベース」を「DB」と表記する)221を有する。電話帳データベース221は、端末2を携帯する他の自衛消防隊員について、氏名と、所属先の部隊名及び班名と、電話番号とを関連付けて記憶する。ここで部隊名とは、例えば「本部隊」、「1階・地区隊」、「2階・地区隊」、「3階・地区隊」等である。班名とは、例えば「隊長」、「通報連絡班」、「初期消火班」、「避難誘導班」、「安全防護班」、「応急救護班」、「安全確保班」等である。なお、他の端末2を識別するURIとして電話番号以外の情報(例えば文字列)が用いられてもよい。
【0034】
[通信部]
通信部23は、支援装置1と通信するために、無線通信によって通信回線3と接続するインターフェースである。通信部23は、SIPやH.323等の通話制御プロトコルを用いて他の端末2との間でセッションの確立及び終了を行うとともに、RTP(Real-time Transport Protocol)等の伝送プロトコルを用いて他の端末2との間で音声信号の送受信を行う。
【0035】
[操作部]
操作部24は、タッチパネル241を有する。タッチパネル241は、例えば操作者の指などの指示体によって操作され、表示部25の画面251に重なる領域における位置を指示する操作者の操作を検出する。タッチパネル241は例えば、画面251に重ねられた透明な静電容量方式のタッチパネルである。
【0036】
[表示部]
表示部25は、液晶などを利用した画面251を備え、制御部21からの指示に応じてこの画面251に画像が表示される。
【0037】
[マイク]
マイク26は、端末2を携帯する自衛消防隊員の音声を収集し、当該音声を示す音声信号を生成する収音手段である。A/D変換部27は、マイク26により生成されたアナログ形式の音声信号をデジタル形式に変換する。
【0038】
[スピーカ]
スピーカ28は、他の端末2を携帯する自衛消防隊員の音声を示す音声信号に基づいて当該音声を放音する放音手段である。D/A変換部29は、制御部21から供給されたデジタル形式の音声信号をアナログ形式に変換してスピーカ28に供給する。
【0039】
1−5.支援システムの動作
1−5−1.自衛消防隊編成時の動作
支援システム100の動作について説明する。具体的には、自衛消防隊編成時の支援システム100の動作について、
図4〜7を参照し、
図10〜12の動作フロー図に基づいて説明する。
【0040】
支援装置1は、第1の通信部13が異状信号を受信するまで待ち受けている(S101のNo)。そして、受信機4から送出された異状信号を受信すると(S101のYes)、支援装置1は、異状位置を特定し、特定した異状位置の情報を異状位置情報として付して端末2へ自衛消防隊への参加要請を行う。すなわち、支援装置1の制御部11の特定部111は、受信した異状信号に含まれる感知器固有の識別子又は区画番号等で与えられる感知手段位置情報に基づいて異状位置情報を取得する。詳しくは、記憶部12が有する設置場所データベース123を参照し、該当する感知手段の設置場所又は異状区画である建物位置情報を特定し、異状位置情報として取得する。そして、制御部11の要請部113は、すべての端末2に向けて、上記異状位置情報を付して要請画面を表示するように第2の通信部14を介して、指令信号を送信する。つまり、自衛消防隊への参加を要請する。このとき同時に、上記要請に対する端末2からの応答を受付部112が締め切るまでの所定の受付時間の計時を開始する(S102)。
【0041】
他方、端末2は、通信部23が支援装置1からの上記参加要請である指令信号を受信するまで待ち受けており(S201のNo)、支援装置1から上記参加要請の指令信号があれば(S201のYes)、自衛消防隊への参加を要請する要請画面(
図4参照)を表示部25の画面251に表示する(S202)。
【0042】
この要請画面には、要請事項表示2511、地図表示2512、了解ボタン2513、参加不可ボタン2514、メッセージ表示2515が表示される。要請事項表示2511には、例えば、「自衛消防隊招集」といった要請事項が表示される。地図表示2512には、防火対象物である建築物における上記異状位置情報に基づいた異状位置付近の平面地図が表示され、この地図上に「○」で異状感知信号を送出した感知手段の設置場所が、「×」で当該端末2の位置が、それぞれ表示される。なお、異状位置が異状区画で与えられるような場合は、地図表示2512上の「○」に代えて、当該異状区画に相当する範囲の色を変えるなどして表示する。
【0043】
了解ボタン2513は自衛消防隊への参加要請に対して参加する旨を応答する場合に、参加不可ボタン2514は自衛消防隊への参加要請に対して参加できない旨を応答する場合に、それぞれ操作されるべき位置を操作ボタンの形状で映出する。これらのボタンは、表示された座標に対応する位置に指示体が触れたときに、操作者に操作されたことがタッチパネル241によって検出される。メッセージ表示2515には、支援装置1からの要請の内容として、自衛消防隊への参加を要請する旨のメッセージが表示される。メッセージ表示2515の内容は、例えば、「△△階廊下の火災感知器が作動しました。自衛消防隊への参加を要請します。」といったメッセージである。当該端末2を携帯する自衛消防隊の隊員は、地図表示2512とメッセージ表示2515とによって異状事態を把握する。
【0044】
当該隊員は、参加要請に対して参加する旨の応答をする場合は(S203のYes)、了解ボタン2513を操作する(S204)。また、自衛すべき建物から離れているような参加できない事情がある場合は(S203のNo)、参加不可ボタン2514を操作する(S205)。すると、端末2の通信部23は、操作された各ボタンに割り当てられた内容の応答信号を支援装置1に向けて送信する(S206)。このとき、地図表示2512には当該端末2の位置は表示されない。また、自衛すべき建物から離れて端末2に通信回線3の電波が届かないような場合は、当該端末2には要請画面自体が表示されないので、当然のこととして当該端末2からの応答は無い。
【0045】
このとき、支援装置1の受付部112は、所定の受付時間が経過するまで(S104のNo)端末2からの応答を待ち受けており、この間に端末2からの応答を受信すると、これを受け付けて記憶部12に記憶する(S103)。そして、所定の受付時間が経過すると受け付けを締め切る(S104のYes)。その後、制御部11の編成部114は、端末2の識別子と対応する隊員の属性情報とを関連付けて記憶した隊員データベース121を参照して、参加する旨の応答があった端末2に対応する隊員の属性情報を取得する。そして、編成部114は、参加する旨の応答があった隊員の属性情報に応じてその役割を決定し、自衛消防隊を編成する(S105)。このとき、編成部114が決定した隊員の役割は、隊員データベース121を参照して読み出した同一の役割に決定された隊員が互いに識別可能な程度の隊員識別情報としてのメンバー情報と共に役割データベース122に記憶される。通知部115は、編成部114が決定した隊員毎の役割とメンバー情報と役割毎の作業内容情報とを役割データベース122から読み出し、当該隊員が携帯する端末2毎に通知して役割を示す通知画面を表示させる。このとき同時に、メンバー情報と作業内容情報とを端末2の記憶部22に記憶させる(S106)。
【0046】
支援装置1からの自衛消防隊への参加要請に対して応答した端末2は、支援装置1からの通知である通知画面を表示させる指令信号を待ち受けており(S207のNo)、支援装置1からの通知を受信すると(S207のYes)、表示部25の画面251に通知情報を表示する通知画面(
図5、6参照)を表示する(S208)。
【0047】
例えば、現地対応要員、特に初期消火の役割を通知する通知画面(
図5参照)には、通知事項表示2516、地図表示2512、地図表示ボタン2517、メンバー表示ボタン2518、作業内容表示ボタン2519、メッセージ表示2515、通話ボタン2520が表示される。通知事項表示2516には、例えば、「消火班を担当願います」といった通知事項が表示される。地図表示2512には異状を感知した位置と屋内消火栓や消火器などの消火装置が配置された位置とが把握できるような平面地図が表示される。メンバー表示ボタン2518は後述するメンバー表示2521を表示する場合に、地図表示ボタン2517はメンバー表示2521から再び地図表示2512を映出する場合に、作業内容表示ボタン2519は通知された役割が行うべき作業内容を表示する作業内容表示(図示せず)を表示する場合に、それぞれ操作されるべき位置を操作ボタンの形状で映出する。
【0048】
メッセージ表示2515には、支援装置1からの通知の内容として、初期消火を担う消火班の役割を通知するメッセージが表示される。メッセージ表示2515の内容は、例えば、「△△階の現場へ向かい、消火班のメンバーと共に消火栓を使って初期消火を行ってください。」といったメッセージである。通話ボタン2520は、他の端末2との通話を開始するためのボタンである。通話時の動作については後述する。
【0049】
また、例えば、防災センタにおいて所轄消防署への通報等の役割を通知する通知画面(
図6参照)には、上記と同様に、通知事項表示2516、地図表示2512、地図表示ボタン2517、メンバー表示ボタン2518、作業内容表示ボタン2519、メッセージ表示2515、通話ボタン2520が表示される。通知事項表示2516には、例えば、「通報班を担当願います」といった通知事項が表示される。地図表示2512には防災センタの位置が把握できるような平面地図が表示される。メンバー表示ボタン2518は後述するメンバー表示2521を表示する場合に、地図表示ボタン2517はメンバー表示2521から再び地図表示2512を映出する場合に、作業内容表示ボタン2519は通知された役割が行うべき作業内容を表示する作業内容表示(図示せず)を表示する場合に、それぞれ操作されるべき位置を操作ボタンの形状で映出する。
【0050】
メッセージ表示2515には、支援装置1からの通知の内容として、所轄消防署への通報等を担う通報班の役割を通知するメッセージが表示される。メッセージ表示2515の内容は、例えば、「1階防災センタへ向かい、通報班のメンバーと共に、所轄消防署へ火災の通報を行ってください。」といったメッセージである。通話ボタン2520は、上述の通り、他の端末2との通話を開始するためのボタンである。通話時の動作については後述する。
【0051】
端末2は、支援装置1からの通知が決定された役割を通知するものであったときには(S209のYes)、同時に受信した支援装置1からのメンバー情報と作業内容情報とを記憶部22に記憶する。そして、隊員は通知内容に従って初期対応を行う(S216)。支援装置1からの通知が決定された役割を通知するものではないときは(S209のNo)、通知内容に応じた通知情報を表示する通知画面(図示せず)を表示して、次の通知に備える(S207)。例えば、自衛消防隊に参加しない隊員に対しては、情報提供のみとなる。
【0052】
役割の通知を受け取った端末2では、その役割での作業内容を端末2に表示するときは(S210のYes)、作業内容表示ボタン2519を操作して(S211)、記憶部22を参照して作業内容表示を表示させる(S212)。このようにすることにより、平常時は通常の業務を行っている自衛消防隊の隊員であっても、異状が発生したような非常時に作業内容を随時確認することができ、消防訓練で学んだことを思い出したりできるので適切な行動をとることができる。
【0053】
また、同じ役割を担うメンバーを端末2に表示するときは(S213のYes)、メンバー表示ボタン2518を操作し(S214)、記憶部22を参照してメンバー情報を読み出し、メンバーを互いに識別可能な程度の個人情報を表示する。例えば、メンバーの顔写真、氏名、氏名の読み仮名等のメンバー情報に基づいてメンバー表示2521(
図7参照)を表示させる(S215)。メンバー表示2521には、当該端末2を携帯している隊員と同じ役割に決定された隊員を識別できる程度の個人情報が表示される。例えば、顔写真、氏名およびその読み仮名、班の責任者等が表示される。これにより同じ役割の隊員同士を互いに認識できるので、初対面であっても、班長の指示に従って連携して作業に当たることができる。なお、
図12には図示していないが、元の地図表示2512に戻すときは、地図表示ボタン2517を操作するようにする。
【0054】
以上説明したようにして、携帯する端末2を通じて役割を通知された自衛消防隊の隊員は、各々通知された役割で初期対応を行い(S107)、火災復旧するまで継続する(S108)。なお、図示しないが、火災が拡大して初期消火できる段階を超えてしまうような場合は、装備も無く消防活動の素人である自衛消防隊の隊員を避難させ、十分な装備を有し訓練も受けている公設消防隊に託すべきである。このような場合は、自衛消防隊の指揮者が判断して、隊員が携帯する端末2に避難指示を表示させるように通知部115から避難指示を通知するようにする。この場合、支援装置1に手動操作可能な操作手段を設ける、支援装置1と通信可能で手動操作可能な操作手段を有し支援装置1を遠隔操作可能な図示しない端末装置を設ける、あるいは、避難指示を行えるように支援装置1を遠隔操作可能とした指揮者用の端末2を設ける、等すればよい。
【0055】
1−5−2.通話時の動作
次に、通話時の支援システム100の動作について、
図8及び9を参照し、
図13のシーケンス図に基づいて説明する。
【0056】
上記の自衛消防隊編成時の動作において通知画面(
図5、6又は7参照)に表示される通話ボタン2520が操作されると、第1の通話先選択画面(
図8参照)が表示部25の画面251に表示される。この第1の通話先選択画面には、複数の選択ボタン2522a〜2522e(以下、特に区別する必要がない場合には「選択ボタン2522」と総称する)と、キャンセルボタン2523とが表示される。選択ボタン2522a〜2522eは、それぞれ通話先を選択するためのボタンである。例えば、選択ボタン2522a〜2522eは、それぞれ通話先として「隊全体」、「本部隊」、「1階・地区隊」、「2階・地区隊」、「3階・地区隊」を選択するためのボタンである。これらの選択ボタン2522のうち、選択ボタン2522aが操作されると、部隊全体に対して通話の呼び出しが行われる。一方、選択ボタン2522b〜2522eのいずれかが操作されると、後述する第2の通話先選択画面(
図9参照)が表示部25の画面251に表示される。キャンセルボタン2523は、通話先の選択を中止するためのボタンである。
【0057】
第2の通話先選択画面には、複数の選択ボタン2524a〜2524g(以下、特に区別する必要がない場合には「選択ボタン2524」と総称する)と、戻るボタン2525と、キャンセルボタン2523とが表示される。選択ボタン2524a〜2524gは、それぞれ通話先を選択するためのボタンである。例えば、選択ボタン2524a〜2524gは、それぞれ「隊長」、「通報連絡班」、「初期消火班」、「避難誘導班」、「安全防護班」、「応急救護班」、「安全確保班」を選択するためのボタンである。これらの選択ボタン2524のうちいずれかが操作されると、選択された班に対して通話の呼び出しが行われる。戻るボタン2525は、直前の画面(
図8参照)への遷移を指示するためのボタンである。キャンセルボタン2523は、上述の通り、通話先の選択を中止するためのボタンである。
【0058】
上記の第1又は第2の通話先選択画面において通話先が選択されると、端末2の通信部23は、電話帳データベース221を参照して、選択された通話先(すなわち、部隊及び班)に対応する電話番号を特定する。そして、特定した電話番号を着呼先として指定した呼び出し要求を支援装置1に対して送信する(S301)。この際、当該呼び出し要求には、発呼元である端末2の電話番号とIPアドレスとが記述される。
【0059】
なお、以下の説明では、発呼元の端末2を「端末2A」と呼称し、着呼先の端末2を「端末2B」と呼称して通話時の支援システム100の動作について説明する。各端末の構成要素について言及する際には、それぞれ符号「A」又は「B」を付して説明する。
【0060】
端末2Aにより送信された呼び出し要求が第2の通信部14を介して受付部112により受信されると、支援装置1の通話制御部116は、IPアドレスデータベース124を参照して、当該呼び出し要求において着呼先として指定されている電話番号に対応するIPアドレスを特定する。そして、特定したIPアドレスに基づいて端末2Bに対して上記の呼び出し要求を転送する(S302)。
【0061】
この転送された呼び出し要求が通信部23Bにより受信されると、端末2Bの表示部25Bは、着呼を通知する画面(図示せず)を画面251Bに表示する。また、スピーカ28Bは、着呼を通知する呼び出し音を出力する。この着呼を受けて、端末2Bを携帯する自衛消防隊員が、着呼に対して応答する操作をタッチパネル241Bに対して行うと、端末2Bの通信部23Bは、呼び出しに成功したことを通知する呼び出し応答を支援装置1に対して送信する(S303)。この際、当該呼び出し応答には、端末2BのIPアドレスが記述される。
【0062】
この呼び出し応答が第2の通信部14を介して受付部112により受信されると、支援装置1の通話制御部116は、当該呼び出し応答を端末2Aに対して転送する(S304)。この転送された呼び出し応答が受信されると、端末2Aの通信部23Aは、呼び出し手続きが完了したことを通知する確認応答を支援装置1に送信する(S305)。この確認応答が第2の通信部14を介して受付部112により受信されると、支援装置1の通話制御部116は、当該確認応答を端末2Bに転送する(S306)。この結果、端末2Aと端末2Bとの間でセッションが確立され、音声通話が開始される(S307)。
【0063】
セッションが確立されると、端末2Aの制御部21Aは、マイク26Aにより生成され、A/D変換部27Aによりデジタル形式に変換された音声信号を符号化して通信部23Aに供給する。通信部23Aは、供給された音声信号をパケット化して支援装置1を介して端末2Bに送信する。送信されたパケット群を受信した端末2Bの通信部23Bは、当該パケット群を再構成して音声信号を復元する。端末2Bの制御部21Bは、復元された音声信号を復号してD/A変換部29Bに供給する。D/A変換部29Bは、供給された音声信号をアナログ形式に変換してスピーカ28Bに供給し、スピーカ28Bは、供給された音声信号に基づいて音声を放音する。これら一連の通話処理は、端末2Bから端末2Aに対しても行われる。すなわち、端末2Bのマイク26Bにより収集された音声は端末2Aのスピーカ28Aにより放音される。
【0064】
端末2Aと端末2Bとの間で音声通話が行われる際、音声信号を中継する支援装置1の通話制御部116は、第2の通信部14を介して受信された音声信号を復号して、時系列で蓄積してゆく。そして、蓄積した音声信号に基づいてセッション単位で音声ファイルを生成し、記憶部12に記憶する。その際、通話制御部116は、生成した音声ファイルのファイル名を、発呼元である端末2Aの電話番号と、着呼先である端末2Bの電話番号と、通話日時とに関連付けて通話履歴データベース125に記憶する。この結果、支援装置1の管理者は、当該装置に蓄積された音声ファイルを再生することにより、事後的に各隊員による活動の推移を知ることができる。
【0065】
次に、セッションを終了する際には、例えば、端末2Aの通信部23Aは、通話の終了を通知する通話終了通知を支援装置1に送信する(S308)。この通話終了通知が第2の通信部14を介して受付部112により受信されると、支援装置1の通話制御部116は、当該通話終了通知を端末2Bに転送する(S309)。この転送された通話終了通知が受信されると、端末2Bの通信部23Bは、通話の終了を了解したことを通知する通話終了応答を支援装置1に送信する(S310)。この通話終了応答が第2の通信部14を介して受付部112により受信されると、支援装置1の通話制御部116は、当該通話終了応答を端末2Aに対して転送する(S311)。この結果、端末2Aと端末2Bとの間のセッションが終了する。なお、これら一連のセッションを終了するための処理は、端末2Bにより開始されてもよい。
【0066】
以上説明した通話動作によれば、例えば、自衛消防隊の活動において防災センタに設置された本部と火災発生場所等の現場の地区隊との間で指示や報告等の連絡が必要な場合に、端末2に対する入力操作に頼らずに、音声により詳細な情報を伝達することが可能になる。より具体的には、例えば、初期消火活動において地区隊の初期消火班が屋内消火栓設備を利用する消火活動に移行した場合に本部隊にその旨を報告する際、音声により詳細な情報を連絡することが可能になる。
【0067】
2.変形例
上記の実施形態は下記のように変形してもよい。また、下記の変形例は他の1以上の変形例と組み合わせてもよい。
【0068】
2−1.変形例1
上述した実施形態に係る通話動作において、端末2A及び2B間の通話内容は文字情報として時系列で支援装置1に蓄積されてもよい。具体的には、支援装置1の音声認識部117は、通話制御部116により生成された音声ファイルの音声を文字情報に変換し、通話制御部116は、この変換された文字情報を通話履歴データベース125に記憶するようにしてもよい。この構成によれば、支援装置1の管理者は、時系列で記憶された文字情報を参照することにより、事後的に各隊員による活動の推移を知ることができる。また、必要な情報をキーワードで検索することにより、容易に検索することができる。
【0069】
2−2.変形例2
上述した実施形態に係る、
図13に示した通話動作では2つの端末2間で音声通話が行われる場合が想定されているが、3つ以上の端末2間で同時に音声通話が行われてもよい。すなわち、グループ通話が行われてもよい。この場合には、発呼元である端末2から、複数の端末2を着呼先として指定する呼び出し要求が支援装置1に送信されることになるが、この際、支援装置1は、呼び出し要求において指定される複数の端末2のうち、現在稼動中である自衛消防隊員が携帯する端末2に対してのみ当該呼び出し要求を転送するようにしてもよい。具体的には、支援装置1の通話制御部116は、役割データベース122を参照して、呼び出し要求において指定される複数の端末2のうち、当該端末を携帯する隊員に対して役割が割り当てられている端末2に対してのみ呼び出し要求を転送するようにしてもよい。この構成によれば、自衛消防隊を構成する各隊員のうち稼働中の隊員が携帯する端末に対してのみ呼び出しを行うことができる。
【0070】
なお、別の構成として、役割データベース122の内容を予め端末2に提供しておき、端末2側でこの内容に基づいて、呼び出し要求において着呼先として指定する端末2を、稼動中の自衛隊消防隊員が携帯する端末2に予め絞り込むといった構成を採用してもよい。
【0071】
2−3.変形例3
上述した実施形態に係る通話動作ではセッション確立後も支援装置1を介して端末2A及び2B間で音声信号の送受信が行われているが、セッション確立後は支援装置1を介さずに端末2A及び2B間で直接、音声信号の送受信が行われてもよい。この場合、両端末間の通話内容を示す音声ファイルは、音声通話の当事者である端末2A又は2Bにおいて生成され、セッション終了後に通話日時と両端末の電話番号とを示す情報とともに支援装置1に送信されてもよい。
【0072】
また、別の構成として、音声信号の送受信に限らず、セッションの確立及び終了を行うための呼制御についても支援装置1以外の他のサーバにより実行されてもよい。すなわち、支援装置1は音声通話のための中継機能を有しない構成としてもよい。また、さらに別の構成として、音声信号の送受信と呼制御のいずれについてもサーバを介さずに端末2間で実行されてもよい。すなわち、P2P(Peer to Peer)技術を用いて実行されてもよい。
【0073】
2−4.変形例4
上述した実施形態では、感知手段自体が固有の識別子を有し、異状を感知した感知手段を特定できるような多重伝送を行うようなR型システムを例として説明しているが、本発明に係る支援システム100が対象とする自火報設備200はこれに限るものではない。例えば、P型システムであっても、感知手段自体が固有の識別子を有し、スイッチング式の異状感知信号を送出する際に固有の識別子のデータを重畳させて伝送し、異状を感知した感知手段を特定できるような公知のシステムであればよい(例えば、特許第4058100号を参照)。このように、自火報設備200は、迅速な確認を期待できる点で、異状位置情報は、上記のように異状を感知した感知手段を特定でき、異状を確認すべき範囲が限定されるようなシステムであることが望ましい。なお、本発明に係る支援システム100が対象とする自火報設備200は、異状を感知した感知手段自体を特定できなくても、異状が感知された区画(以下、異状区画と称する)を特定できるようなシステムを排除するものではない。
【0074】
2−5.変形例5
上述した実施形態では、感知手段が感知する異状とは火災やガス漏れであったが、他の異状を感知するようにしてもよい。例えば、漏電や水漏れや地震などを感知する感知手段であってもよい。要するに、感知手段は、それが作動した場合に人が現場で状況を確認したり現地対応をしたりする意味がある種類の異状を感知するものであればよい。また、地震等の災害発生時に、手動操作により支援システム100を使えるようにしてもよい。この場合、支援装置1に手動操作可能な操作手段を設ける、支援装置1と通信可能で手動操作可能な操作手段を有し支援装置1を遠隔操作可能な図示しない端末装置を設ける、あるいは、感知手段が送出する異状信号相当の信号を入力できるように支援装置1を遠隔操作可能とした指揮者用の端末2を設ける、等すればよい。