(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記商品コード受付手段が受け付けた商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品が、販売を推奨したい販売推奨商品に該当するかを判断する推奨商品判断手段を備えていて、
前記特典付与決定手段は、前記推奨商品判断手段によって、前記商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品が販売推奨商品に該当すると判断されると、より高い確率で特典を付与すること、又は顧客により有利な特典内容を決定すること
を特徴とする請求項1記載の特典付与決定装置。
前記対戦結果出力手段は、前記顧客の獲得ポイントを顧客キャラクタのポイント、前記閾値を対戦相手キャラクタの保有ポイントとして対戦結果を示し、前記基礎ポイント算出手段が算出した基礎ポイントを顧客キャラクタの体力、前記追加ポイント算出手段が算出した追加ポイントを顧客キャラクタに与えられる武器として、前記画面に出力させること
を特徴とする請求項7記載の特典付与決定装置。
前記特典付与決定手段において、前記顧客の獲得ポイントと対比される閾値は、前記商品コード受付手段が受け付けた商品コードから特定される商品若しくは前記商品が属する商品カテゴリに基づいて設定されていること
を特徴とする請求項7又は8記載の特典付与決定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2−4に開示されているような方法により、顧客の属性や過去の商品の購入履歴等を解析して、顧客に推奨する商品を選択してクーポンを発行すると、顧客の嗜好に沿った商品の購入を促すことが可能になる一方で、顧客がその時に店舗に来店した目的や、実際に購入したい商品が何であるかに関わらず、顧客の嗜好を考慮して画一的に選択されたクーポンが常に発行されてしまいやすくなることが課題となる。
【0006】
こうした課題に対して、特許文献3記載の発明では、優先順位に基づいて選択されたクーポンを発行するタイミングに所定のインターバルを設けることによって、同じようなクーポンばかりが提示されて顧客に飽きられてしまうことを防ぐ工夫がされているが、顧客の来店目的等の各々の利用シーンを反映したクーポンの発行を可能にするものではない。
【0007】
また、顧客が購入したい商品という顧客側の視点のみでなく、店舗側の立場からは、顧客がこれまで購入したことがない商品等の各々の顧客に対して特に販売を促したい商品や、利益率が高いので販売促進を強化したい商品等が存在しており、こうした店舗側の意向も反映しながら好適なクーポンが選択される仕組みが求められるところである。
【0008】
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、商品を購入する際に適用されるクーポン等の特典付与の有無や、特典を付与する場合の特典内容の決定に用いられて、特に、顧客の来店目的等の利用シーンや店舗側の意向も反映して特典を決定することが可能な、特典付与決定装置及び特典付与の決定方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決する本発明は、顧客が操作する端末装置とネットワークを介して接続された特典付与決定装置であって、前記端末装置から、顧客を識別する顧客IDを受け付ける顧客ID受付手段と、前記端末装置から、商品を識別する商品コードを受け付ける商品コード受付手段と、前記顧客ID受付手段が受け付けた顧客IDから特定される顧客に関する、前記商品コード受付手段が受け付けた商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品の購入履歴、又はこれらの商品に関する情報へのアクセス履歴を用いて、前記商品コード受付手段が受け付けた商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品を購入する際に適用される、特典付与の有無、又は前記特典を付与する場合の特典内容の少なくともいずれかを決定する特典付与決定手段と、を備えることを特徴とする特典付与決定装置である。
【0010】
本発明では、特典を付与する顧客を識別する顧客IDと合わせて、商品を識別する商品コードを受け付け、顧客がその商品を購入した履歴やその商品に関する情報にアクセスした履歴を反映して、特典付与の有無や特典内容を決定する。顧客は店内に設置されたKIOSK端末等で、ポイントカードやスマートフォンのアプリ等から読み取った顧客IDと合わせて、購入を検討している商品のパッケージに表示されたバーコードを読み取って、本発明に係る特典付与決定装置送信することによって、その商品の購入に使用できるクーポン等の特典付与を受けられるとともに、店舗側では顧客のその商品の購入履歴等に応じて特典内容を調整することが可能になる。
【0011】
また、本発明は、前記特典付与決定手段は、前記購入履歴から、前記商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品の購入がより少ないと判断される顧客に対して、より高い確率で特典を付与すること、又は顧客により有利な特典内容を決定することを特徴とすることもできる。
【0012】
このように構成すると、その商品を未購入実績の、あるいは購入実績が少ない顧客に対し、より高い確率で、あるいはより有利な条件のクーポン等の特典を付与することが可能になるので、各々の顧客に対してこれまであまり購入していない商品の購入を促し、顧客一人あたりの売上の拡大に資するものとなる。
【0013】
また、本発明は、前記商品コード受付手段が受け付けた商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品が、販売を推奨したい販売推奨商品に該当するかを判断する推奨商品判断手段を備えていて、前記特典付与決定手段は、前記推奨商品判断手段によって、前記商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品が販売推奨商品に該当すると判断されると、より高い確率で特典を付与すること、又は顧客により有利な特典内容を決定することを特徴とすることもできる。
【0014】
このように構成すると、店舗側が販売を推奨したい商品については、より高い確率で、あるいはより有利な条件のクーポン等の特典を付与することが可能になるので、店舗側の意向も反映しながら売上の拡大に資するものとなる。
【0015】
また、本発明は、前記顧客ID受付手段が受け付けた顧客IDから特定される顧客に関する情報を用いて、特典付与の有無又は特典内容の決定に用いられる基礎ポイントを算出する基礎ポイント算出手段と、前記顧客ID受付手段が受け付けた顧客IDから特定される顧客に関する、前記商品コード受付手段が受け付けた商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品の購入履歴、又はこれらの商品に関する情報へのアクセス履歴を用いて、特典付与の有無又は特典内容の決定に用いられる追加ポイントを算出する追加ポイント算出手段と、を備えていて、前記特典付与決定手段は、前記基礎ポイント及び前記追加ポイントを用いて算出された顧客の獲得ポイントを用いて、前記特典付与の有無、又は前記特典内容の少なくともいずれかを決定することを特徴とすることもできる。
【0016】
前記特典付与決定手段は、前記顧客の獲得ポイントを所定の閾値と対比して、前記特典付与の有無を決定し、前記顧客の獲得ポイントと前記閾値の対比を、対戦型ゲームの対戦結果として顧客が操作する端末の画面に出力させる対戦結果出力手段を備えることを特徴としてもよい。
【0017】
前記対戦結果出力手段は、前記顧客の獲得ポイントを顧客キャラクタのポイント、前記閾値を対戦相手キャラクタの保有ポイントとして対戦結果を示し、前記基礎ポイント算出手段が算出した基礎ポイントを顧客キャラクタの体力、前記追加ポイント算出手段が算出した追加ポイントを顧客キャラクタに与えられる武器として、前記画面に出力させることを特徴としてもよい。
【0018】
前記特典付与決定手段において、前記顧客の獲得ポイントと対比される閾値は、前記商品コード受付手段が受け付けた商品コードから特定される商品若しくは前記商品が属する商品カテゴリに基づいて設定されていることを特徴としてもよい。
【0019】
以上のように構成すると、トータルな取引実績を反映した顧客のステイタス等も特典付与の有無や特典内容の決定に反映することが可能になることに加えて、顧客に対して、単に値引き用のクーポンやポイント加算等の特典を付与するというメリットだけでなく、選んだ商品によって結果が変動する対戦型ゲームとしての娯楽性も生じるので、来店の促進やクーポンを発行するKIOSK端末等の利用促進にも好適な構成となる。
【0020】
また、本発明は、前記顧客ID及び前記商品コードを送信した端末の位置情報を受け付ける位置情報受付手段を備えていて、前記特典付与決定手段は、前記位置情報受付手段が受け付けた位置情報を用いて、前記特典付与の有無、又は前記特典内容の少なくともいずれかを決定することを特徴とすることもできる。
【0021】
このように構成すると、位置情報から特定される店舗毎に特典付与の確率や特典内容を変動させることができるので、例えば、クーポン発行の確率を上げたり、より有利な条件のクーポンを発行したりすることによって、新店や不振店へのテコ入れを行うことや、店舗毎に特に販売を促進したい商品のクーポン発行の確率を上げたり、より有利な条件のクーポンを発行したりすることによって、各々の店舗の事情に応じた柔軟な対応が可能になる。
【0022】
本発明は、本発明に係る特典付与決定装置によって実行される、特典付与の決定方法として特定することもできる。
【0023】
つまり、本発明に係る特典付与の決定方法は、顧客が操作する端末装置とネットワークを介して接続された特典付与決定装置によって実行される特典付与の決定方法であって、前記特典付与決定装置が、前記端末装置から顧客を識別する顧客IDを受け付ける顧客ID受付ステップと、前記特典付与決定装置が、前記端末装置から商品を識別する商品コードを受け付ける商品コード受付ステップと、前記特典付与決定装置が、前記顧客ID受付ステップで受け付けた顧客IDから特定される顧客に関する、前記商品コード受付ステップで受け付けた商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品の購入履歴、又はこれらの商品に関する情報へのアクセス履歴を用いて、前記商品コード受付ステップで受け付けた商品コードから特定される商品又は前記商品が属する商品カテゴリに含まれる商品を購入する際に適用される、特典付与の有無、又は前記特典を付与する場合の特典内容の少なくともいずれかを決定する特典付与決定ステップと、を有することを特徴とする特典付与の決定方法である。
【0024】
また、本発明に係る特典付与の決定方法は、先に説明した特典付与決定装置の各々の構成によって実行される、特典付与の決定方法として特定することもできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、顧客が店舗でどの商品の購入を検討しているかといった顧客の来店目的等の利用シーンに応じて、かつ、販売を推奨したい商品等の店舗側の意向も反映しながら、商品を購入する際に適用されるクーポン等の特典付与の有無や、特典を付与する場合の特典内容を決定することが可能になる。顧客は購入を検討している商品について値引き等の利益を享受することができることに加えて、小売店にとっても推奨したい商品等の販売促進を強化することができるので、顧客と小売店の双方にメリットのある仕組みにより、小売市場の活性化に寄与するものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明では、本発明の実施形態の一例として、小売店の店内に設置されたKIOSK端末(店内端末)から顧客IDと商品コードが送信され、KIOSK端末にクーポンが出力される例について説明するが、例えば本発明は、スマートフォン等の携帯型の通信端末から顧客IDと商品コードが送信され、携帯端末にクーポンが出力される形態で実施することも可能である。また、本発明に係る特典付与決定装置によって顧客に付与される特典を、商品の購入時に値引きを受けられるクーポンとする例について説明するが、付与される特典は、商品の購入に用いることができるポイントの加算等の他の方法とすることも可能であり、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0028】
図1は、本発明の実施形態の一例として、小売店の店内に設置されたKIOSK端末(店内端末)を用いる実施形態の概要を示したものである。
図1において、本発明に係る特典付与決定装置は、顧客が操作する店内端末とネットワークを介して接続されたクーポン発行サーバの機能の一部に対応するものである。店内端末とクーポン発行サーバを接続するネットワークは、インターネットのようなオープンネットワークであってもよいし、社内LAN等のクローズドなネットワークであってもよい。クーポン発行サーバには、顧客情報を管理する顧客データベースと、クーポン情報を含めた商品情報を管理する商品データベースが備えられている。
【0029】
尚、図面には示していないが、本発明の他の実施形態として、クーポン発行サーバと交信する顧客側のネットワーク端末を、小売店の店内に設置されたKIOSK端末のような固定型の店内端末ではなく、顧客が所持するスマートフォン等の携帯型の通信端末とすることも可能である。その場合は、以下に説明する店内端末における操作や画面表示、クーポンの出力等は、スマートフォン等の携帯型の通信端末を用いて同様に行われることになる。
【0030】
本発明では、ドラッグストアやコンビニエンスストア等の小売店に来店した顧客が、店内で購入を検討している商品を手に取って、店内端末のある場所まで移動する。そこで店内端末を操作して、小売店が発行するポイントカード等の媒体に記憶された顧客を識別するポイントカードの会員番号等の顧客IDと、商品パッケージにバーコードで表示された商品を識別するJANコード等の商品コードを、店内端末のカードリーダやスキャナに読み取らせる。尚、顧客IDと商品コードを読み取る方法は特に限定されるものではなく、例えば、顧客IDについては、スマートフォンに記憶された顧客IDを二次元コードで画面に表示させ、店内端末のスキャナに読み取らせることとしてもよい。
【0031】
店内端末に読み取られたポイントカードの会員番号等の顧客IDとJANコード等の商品コードは、インターネット等のネットワークを介してクーポン発行サーバに送信される。クーポン発行サーバでは、顧客IDと商品コードを用いて顧客の獲得ポイントを算出し、クーポン発行の有無やクーポンの条件を決定する閾値となる敵が保有するポイントと対比して、クーポン発行の有無と、値引率等のクーポンの条件を決定する。
【0032】
こうした処理の結果は店内端末に返信され、顧客の獲得ポイントと敵が保有するポイントが各々のキャラクタとともに対戦結果として店内端末の画面に表示される。また、決定された条件のクーポンが、クーポン券等の紙媒体やクーポンコード等の電子媒体で、店内端末から出力される。ここで発行される値引きやポイント加算等の特典が付与されるクーポンを、顧客が手に取って商品コードを読み取らせた商品を購入する際に適用されるクーポンとすることで、対戦型ゲームの形式により娯楽性を高めて顧客の利用を促進するとともに、顧客が購入を検討している商品の購入を促すことが可能になる。
【0033】
図2は、こうしたクーポン発行の流れを具体的に例示したものである。店内端末でポイントカード等から読み取り、クーポン発行サーバで受け付けた顧客IDから顧客を特定すると、顧客データベースに記憶された顧客のステイタスを確認して、顧客が獲得する基礎ポイントが算出される。ここで算出される基礎ポイントは、対戦型ゲームにおける顧客キャラクタの「体力」を示すポイントとなる。
【0034】
さらに、店内端末で商品パッケージに表示されたバーコード等から読み取り、クーポン発行サーバで受け付けた商品コードから商品を特定すると、先に特定された顧客IDに対応する顧客の商品コードから特定される商品に関する購入履歴を顧客データベースで確認して、商品の購入の有無や購入頻度、購入量等に応じて、顧客が獲得する追加ポイントが算出される。さらに、商品コードから特定される商品が、小売店が販売を推奨したい販売推奨商品に該当するかを商品データベースで確認して、販売推奨商品に該当すれば追加ポイントを加算することとしてもよい。購入履歴の確認や販売推奨商品の指定は、商品コードによって特定される商品単位ではなく、その商品が属する商品カテゴリーを基準に行うこととしてもよい。ここで算出される追加ポイントは、対戦型ゲームにおいて顧客キャラクタに与えられる「武器」を示すポイントとなる。
【0035】
以上のように算出された基礎ポイントと追加ポイントを用いて(例えば、基礎ポイントに追加ポイントを加算して)、対戦型ゲームにおける顧客の獲得ポイントが算出される。この顧客の獲得ポイントを、クーポン発行の有無やクーポンの条件を決定する閾値となる、対戦型ゲームの対戦相手である敵キャラクタが保有するポイントと対比して、クーポン発行の有無とクーポンの条件を決定する。
【0036】
敵キャラクタが保有するポイントについては、あらかじめ設定された固定値を用いることとしてもよいが、商品コードから特定される商品、又はその商品が属する商品カテゴリに基づくポイントをそれぞれ設定することとすれば、例えば、販売を推奨したい商品については閾値を下げることでクーポンを出やすくする等の調整が可能になる。また、商品や商品カテゴリ毎にクーポンの内容(値引額や値引率、有効期間等)を設定することも可能であり、各々の商品や商品カテゴリに応じた販売促進策の設計が可能になる。
【0037】
また、敵キャラクタが保有するポイントを店舗毎に変動させることとすれば、例えば、新たに開設された店舗や売上不振の店舗については、閾値を下げることでクーポンを出やすくして販売促進のテコ入れを図るなど、各々の店舗に応じた販売促進策の設計が可能になる。
【0038】
尚、こうした店舗毎に異なる条件を設定するケースでは、顧客がどの店舗にいるかを特定することが必要になる。顧客ID等を店舗端末から送信する場合は、店舗端末から店舗を識別する店舗コードをあわせて送信する構成とすればよいが、店内端末ではなく顧客が所持するスマートフォン等の携帯端末から顧客ID等を送信する場合は、顧客が訪問している店舗をどのように特定するかが課題となる。この場合は、例えば、スマートフォン等の携帯型の通信端末が一般に備えているGPS機能を利用して位置情報を送信させ、クーポン発行サーバ側で店舗毎の位置情報を保持しておけば、位置情報から店舗を特定することが可能になる。この方式によると、例えば、複数の小売チェーンの店舗を対象にする場合にも、クーポン発行サーバ側に各々の小売チェーンの店舗の位置情報を登録しておくだけで対応が可能になるとともに、小売チェーン毎に異なる特典の条件を設定することも容易になる。
【0039】
以上のように算出された顧客の獲得ポイントと対戦相手である敵の保有ポイントは、各々のキャラクタとともに対戦結果として店内端末の画面に表示され、決定された条件のクーポンが、クーポン券等の紙媒体やクーポンコード等の電子媒体で店内端末に出力される。出力されるクーポンは、商品コードが読み取られた商品の購入時に使用できる、値引きやポイント加算等のクーポンとなる。
【0040】
図3は、本発明に係る特典付与決定装置の構成の一例を示している。
図3において、クーポン発行サーバ10に備えられる機能の一部が、本発明に係る特典付与決定装置に対応することになる。
【0041】
クーポン発行サーバ10には、ネットワークに接続して店内端末20とのデータ通信が可能なコンピュータが用いられる。クーポン発行サーバ10には、CPU、メインメモリ、HDD等の補助記憶装置が備えられていて、補助記憶装置に格納されたプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって、所定の機能が実現される。
【0042】
クーポン発行サーバ10を構成するコンピュータの構成は特に限定されるものではなく、本発明によって店舗端末20に対戦型ゲームの対戦結果とあわせてクーポンを出力させる機能の他に、他の機能が同一のコンピュータに備えられるものであってもよい。本発明に必要な各々の機能は、物理的に一台のコンピュータによって実現されるものであってもよいし、複数のコンピュータを用いて実現されるものであってもよい。
【0043】
クーポン発行サーバ10の顧客ID受付部11、商品コード受付部12、対戦制御部13及びクーポン生成部16は、いずれも機能的に特定されるものであって、HDD等の補助記憶装置に格納された各部の機能に対応するプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって、各部に対応する機能が実現される。対戦制御部13に含まれる顧客ポイント算出部131、対戦結果判定部132及びクーポン条件決定部133についても同様である。
【0044】
クーポン発行サーバ10の顧客情報格納部14(顧客マスタ141及び購入履歴142等が格納されている)と商品情報格納部15(推奨商品情報151、閾値情報152及びクーポン情報153等が格納されている)には、クーポン発行サーバ10を構成するコンピュータに備えられるHDD等の補助記憶装置の記憶領域が割り当てられる。これらの記憶領域は物理的に一台のコンピュータに設けられることを要件とするものではなく、複数のコンピュータに分散して設けられるものであってもよい。
【0045】
店内端末20には、店舗内に設置されるKIOSK端末等が用いられるが、クーポン発行サーバ10とのデータ通信が可能な通信機能を備えた端末であれば、その構成は特に限定されるものではない。他の実施形態では、店内端末20を、インターネットに接続可能なスマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯型の通信端末に置換することとしてもよい。
【0046】
店内端末20の顧客ID読取部21は、ポイントカード等の媒体から顧客IDを読み取ることができる、カードリーダやスキャナ、カメラ等が用いられる。商品コード読取部22は、商品パッケージにバーコード等で表示された商品コードを読み取るスキャナやカメラ等が用いられる。画面制御部23、クーポン出力部24は、いずれも機能的に特定され、店内端末20を構成するコンピュータのHDD等の補助記憶装置に格納された各部の機能に対応するプログラムがメインメモリに読み出され、CPUで演算処理を実行することによって、各部に対応する機能が実現される。
【0047】
以上の構成を前提に、
図4−6に示したフローチャートに沿って、クーポン発行サーバ10の顧客ID受付部11、商品コード受付部12、対戦制御部13及びクーポン生成部16によって実行される、本発明に係る特典付与決定装置による特典付与(クーポン発行)の処理フローを説明する。
【0048】
ドラッグストアやコンビニエンスストア等の小売店に来店した顧客は、店内で購入を検討している商品を手に取って店内端末20がある場所に移動し、店内端末20を操作して、顧客ID読取部21に、小売店が発行するポイントカード等の媒体から顧客を識別するポイントカードの会員番号等の顧客IDを読み取らせる。
【0049】
読み取られた顧客IDは、インターネット等のネットワークを介してクーポン発行サーバ10に送信され、顧客ID受付部11で受け付けられる。尚、この際に、店内端末20が設置されている店舗を識別する店舗コードも合わせてクーポン発行サーバ10に送信することが好ましい。店内端末20をスマートフォン等の携帯型の通信端末に置き換える場合は、GPS等で取得した位置情報を送信することによって、クーポン発行サーバ10においてその位置情報から顧客が訪れている店舗を特定することができる。
【0050】
これらの情報を受信したクーポン発行サーバ10では、
図4のフローチャートに示した処理が実行される。顧客ID受付部11で顧客IDを受け付けると(S01)、現在もポイントカード等の会員として登録されている顧客であるかを、受け付けた顧客IDが顧客情報格納部14に有効な顧客IDとして登録されているか否かによって認証する(S02)。有効な顧客IDとして登録されていなければ(S02がNo)、店内端末20の操作画面にエラー表示を行う等のエラー処理が実行される。
【0051】
有効な顧客IDとして登録されていれば(S02がYes)、店内端末20の操作画面に、対戦型ゲーム(対戦ゲーム)の選択ボタンを含むメニュー選択画面を表示させる(S03)。店内端末20では、画面制御部23によってメニュー選択画面が表示され、メニューに表示されたいずれかのボタンの選択を受け付けると、どのボタンが選択されたかを示す情報をクーポン発行サーバ10に送信する。
【0052】
送信された情報からいずれかのボタンが選択されたことがクーポン発行サーバ10で確認されると(S04がYes)、選択されたボタンが対戦ゲームを開始するボタンであれば(S05がYes)、対戦制御部13を起動して、店内端末20の操作画面に対戦ゲームの開始画面を表示させる(S06)。選択されたボタンが他のメニューである場合は(S05がNo)、各々のボタンのメニューに応じた処理が実行される。
【0053】
続いて、対戦制御部13の顧客ポイント算出部131と対戦結果判定部132によって、
図5のフローチャートに示した処理が実行される。対戦制御部13の顧客ポイント算出部131では、先に受け付けた顧客IDをキーに顧客情報格納部14を検索し、該当する顧客マスタ141を参照して、顧客IDから特定される顧客のステイタスを確認する(S07)。各々の顧客の顧客マスタ141には、過去の取引実績等に応じて顧客のステイタスが記録されており、そのステイタスを反映して、顧客が獲得する基礎ポイントが算出される(S08)。顧客ステイタスと基礎ポイントの関係については、例えば、取引期間が長い、あるいは累積取引額が多いといった優良顧客に上級のステイタスを付与して、より高いポイントを付与することとすればよい。
【0054】
次に、店内端末20の商品コード読取部22に、顧客が購入を検討して手に取った商品パッケージにバーコードで表示された商品を識別するJANコード等の商品コードを読み取らせる。読み取られた商品コードは、インターネット等のネットワークを介してクーポン発行サーバ10に送信され、商品コード受付部12で受け付けられる(S09)。顧客に商品コードの読み取りを促す方法は特に限定されるものではないが、例えば、店内端末20の操作画面に、商品パッケージに表示されたバーコードをスキャナで読み取ることを促すメッセージを表示させることとすればよい。
【0055】
尚、ここで商品コードによって識別される商品は、「物」としての形状を有する商品に限定されるものではなく、利用券のような形式で、物理的な媒体を介して取引可能な「サービス」を対象とする商品も含まれるものとする。
【0056】
顧客ポイント算出部131では、ここで受け付けた商品コードと先に受け付けた顧客IDをキーに顧客情報格納部14を検索し、顧客IDから特定される顧客の商品コードから特定される商品に関する購入履歴142を参照して(S10)、購入履歴142の情報を用いて顧客が獲得する追加ポイントが算出される(S12)。追加ポイントの算出には、商品コードをキーに商品情報格納部15を検索して商品コードから特定される商品の推奨商品情報151を参照し(S11)、販売推奨商品として登録されているか否かに応じて、所定のポイントを追加ポイントに加算することとしてもよい(S12)。
【0057】
追加ポイントの算出に用いられる商品の購入履歴は、商品コードから特定される商品のみの購入履歴を対象としてもよいが、商品コードから特定される商品が属する商品カテゴリに含まれる商品全体の購入履歴を対象にすることとしてもよい。
【0058】
ここで商品の購入履歴に応じて算出される追加ポイントを、商品コードから特定される商品や商品が属する商品カテゴリに含まれる商品の購入がより少ないと判断される顧客に対しては、より高い確率でクーポンを発行する、あるいは顧客により有利な条件のクーポンを発行することができるように、より多くのポイントを付与することとすれば、その顧客が購入したことがない、あるいは購入数量が比較的少ない商品に対して、商品を購入するインセンティブを高めることができるので、既存の顧客により多くの商品の購入を促して同一顧客との取引を拡大するのに好適な仕組みとなる。
【0059】
尚、顧客の商品の購入履歴に替えて、小売店のホームページにおける各々の商品が掲載されたページの閲覧履歴等、顧客IDから特定される顧客が商品コードから特定される商品に関する情報にアクセスしたアクセス履歴に基づいて、追加ポイントを算出することとしてもよい。例えば、商品コードから特定される商品に関するページをよく閲覧している顧客は、その商品への関心が強いことが推測されるので、できるだけ高い確率でクーポンを発行する、あるいは顧客により有利な条件のクーポンを発行することが、商品の購入を後押しするのに効果的となることが想定される。
【0060】
算出された追加ポイントから、そのポイント数に応じて、対戦ゲームにおいて顧客側のキャラクタ(顧客キャラクタ)が獲得した「武器」が決定され、店内端末20の対戦ゲームが進行する操作画面に、顧客キャラクタが「武器」を獲得したことを示す画面を表示させる(S13)。
【0061】
続いて、対戦結果判定部132が起動され、商品コードをキーに商品情報格納部15を検索して商品コードから特定される商品の閾値情報152を参照して(S14)、ここに記録されているクーポン発行の有無を判断する閾値となるポイント数から、対戦相手となる敵側のキャラクタ(敵キャラクタ)の保有ポイントを算出する(S15)。
【0062】
ここで算出される敵キャラクタの保有ポイントには、全ての商品、あるいは全ての店舗について共通のポイント数を適用することとしてもよいが、商品や商品カテゴリに応じてポイント数を変動させることとすれば、例えば、販売を推奨したい商品の閾値を下げることによって、クーポンの発行確率を高める、より有利な条件のクーポンが発行されやすくする等の調整が可能になる。また、店舗に応じてポイント数を変動させることとすれば、例えば、販売促進を強化したい新店や不振店の閾値を下げることによって、クーポンの発行確率を高める、より有利な条件のクーポンが発行されやすくする等の調整が可能になる。後者のケースでは、店舗毎に閾値を設定し、店舗端末20から受け付けた店舗コード、あるいはスマートフォン等から受信した位置情報から特定される店舗に対応する閾値から、敵キャラクタの保有ポイントを決定することとすればよい。
【0063】
以上のようにして、顧客キャラクタの獲得ポイントと敵キャラクタの保有ポイントが算出されると、対戦結果判定部132は顧客キャラクタの獲得ポイントと敵キャラクタの保有ポイントを対比する画面を生成して、店内端末20の対戦ゲームが進行する操作画面に表示させる(S16)。また、顧客キャラクタの獲得ポイントと敵キャラクタの保有ポイントの対比から対戦結果を判定し(S17)、判定された対戦結果を示す画面を生成して、店内端末20の対戦ゲームが進行する操作画面に表示させる(S18)。
【0064】
続いて、対戦制御部13のクーポン条件決定部133とクーポン生成部15によって、
図6のフローチャートに示した処理が実行される。対戦制御部13のクーポン条件決定部133では、
図5のS17において顧客キャラクタの獲得ポイントと敵キャラクタの保有ポイントの対比により判定された対戦結果に応じて、商品情報格納部15に格納されたクーポン情報153を参照して、クーポン発行の有無や、発行するクーポンの値引率等の条件が判定される(S19)。クーポンの値引率等の条件は、例えば、顧客キャラクタの獲得ポイントと敵キャラクタの保有ポイントのポイント数の差に応じて決定することとすればよい。
【0065】
尚、以上のようなクーポン発行の有無や、発行するクーポンの値引率等の条件の決定方法については、顧客が同じ商品や同じカテゴリの商品を対象に繰り返し対戦ゲームを行うと、毎回同じような対戦結果となり、ゲームとしての娯楽性が低下するおそれがあるため、顧客キャラクタの獲得ポイントや敵キャラクタの保有ポイントに対してランダムな掛け目を適用するなどの方法によって、対戦結果の固定化を防ぐための調整を行うこととしてもよい。
【0066】
クーポンの発行対象(クーポン発行有り)である場合は(S20がYes)、決定されたクーポンの値引率等の条件を店内端末20に送信して、店内端末20に出力させる(S21)。店内端末20ではクーポン出力部24が起動されて、クーポン券等の紙媒体やクーポンコード等の電子媒体のクーポンが出力される。
【0067】
以上に説明した処理が、店内端末20の操作画面において終了操作が行われたことを検出するまで(S22がYes)、繰り返される。
【0068】
図7−10は、本発明に係る特典付与決定装置による特典付与(クーポン発行)の2つの具体例と、各々の具体例における顧客の操作画面の遷移の例を示している。
【0069】
図7の例では、クーポン発行サーバ10の顧客ID受付部11で受け付けた顧客ID「123456789」から特定される顧客のステイタスは、顧客情報格納部14に格納された顧客マスタ141には「ゴールド会員」と記録されている。優良顧客に対しては、優先度が高い顧客から順に「ゴールド会員」「シルバー会員」「ブロンズ会員」のステイタスが付与されており、各々のステイタスに該当する会員の基礎ポイントは、それぞれ50ポイント、30ポイント、10ポイントと設定されているので、ここでは顧客ID「123456789」の基礎ポイントは50ポイントと算出される。
【0070】
クーポン発行サーバ10の商品コード受付部12では、「49*****1」の商品コード受け付けているが、商品情報格納部15では商品コードが商品コードに対応する商品が属する商品カテゴリのカテゴリコードと紐付けて管理されていて、「49*****1」の商品コードの商品は、「緑茶飲料」という商品カテゴリに対応するカテゴリコード「100001」に属する商品と特定することができるので、顧客ID「123456789」から特定される顧客のカテゴリコード「100001」に含まれる商品の購入履歴を、顧客情報格納部14に格納された購入履歴142で確認する。
【0071】
顧客情報格納部14に格納された購入履歴142には、顧客ID「123456789」から特定される顧客がカテゴリコード「100001」に含まれる商品を、2018年4月以降に度々購入していることが記録されているが、この例では該当するカテゴリの商品の購入実績がある顧客には20ポイント、購入実績がない顧客には30ポイントの追加ポイントが付与されることとしているので、カテゴリコード「100001」に含まれる商品の購入実績がある顧客ID「123456789」から特定される顧客には、20ポイントの追加ポイントが付与されることになる。
【0072】
尚、この例では、追加ポイントを算出する基礎となる購入履歴を、受け付けた商品コードから特定される商品が属する商品カテゴリに含まれる商品の購入履歴としているが、受け付けた商品コードから特定される商品の購入履歴のみに基づいて、追加ポイントを算出することとしてもよい。また、購入実績の有無のみに基づいて追加ポイントを決定することとしているが、購入実績がある期間や購入金額に基づいて、追加ポイントのポイント数を決定することとしてもよい。
【0073】
購入履歴に基づいて決定される追加ポイントの他に、商品情報格納部15に格納された推奨商品情報151には、カテゴリコード「100001」に含まれる商品に対して、2018年4月中は販売推奨商品として20ポイントの追加ポイントが加算されると設定されているので、購入履歴に対応する20ポイントに販売推奨商品としての20ポイントが加算されて、顧客ID「123456789」から特定される顧客が獲得する追加ポイントは40ポイントと算出される。
【0074】
以上のように算出された基礎ポイント50ポイントに、追加ポイント40ポイントを加算した90ポイントが、今回の対戦における顧客ID「123456789」から特定される顧客の獲得ポイントとなる。
【0075】
一方、対戦ゲームにおける対戦相手となる敵が保有するポイントは、商品の種別に関わらず一律に固定値を適用することとしてもよいが、先に特定された商品コード「49*****1」や、商品カテゴリのカテゴリコード「100001」に対して設定されたポイント数を適用することとしてもよく、この例では、カテゴリコード「100001」に対して設定された70ポイントが、クーポン発行の有無を判断する閾値に採用されることとしている。こうしたクーポン発行の閾値となる敵の保有ポイントは、商品情報格納部15に閾値情報152として格納されており、敵の保有ポイントは70ポイントと算出される。
【0076】
以上の演算により、顧客の獲得ポイントは90ポイント、敵の保有ポイントは70ポイントと算出され、両者を対比すると顧客の獲得ポイントが敵の保有ポイントを上回っているので、クーポンの付与対象と決定される。値引率等のクーポンの条件は、例えば、顧客の獲得ポイントと敵の保有ポイントの差となるポイント数(この例では20ポイント)に応じて決定することとすればよい。
【0077】
図8は、
図7の例における、店内端末20の操作画面の遷移の例を示したものである。顧客が獲得した追加ポイントは、対戦ゲームにおける顧客キャラクタが獲得する「武器」となり、このケースでは顧客キャラクタが40ポイントに相当する「武器」である「剣」を獲得したことを示す画面が、
図8の左上の例のように表示される。
【0078】
その後には、
図8の右上の例に示したように、顧客の基礎ポイントである50ポイントが顧客キャラクタの「体力」として、獲得した武器の「剣」に相当する40ポイントが顧客キャラクタの「攻撃力」として表示されるとともに、敵キャラクタの保有ポイントである70ポイントが「体力」50ポイント、「攻撃力」20ポイントとして表示された(敵キャラクタの「体力」と「攻撃力」の配分は特に限定されるものではなく、任意の方法で決定すればよい)、対戦結果を示す画面が店内端末20の操作画面に表示される。
【0079】
このようにキャラクタの「体力」と「攻撃力」を分けて表示することは必須の要件ではないが、顧客のステイタスから算出されるポイントと、商品毎の購入履歴等から算出されるポイントを区分して表示すると、顧客が店内で選択した商品に応じて獲得する「武器」が変化することになるので、ゲームとしての娯楽性を高めることができる。複数の商品を持参して商品コードを読み込ませることによって、複数の「武器」を獲得して勝利する確率を上げる、といった運用も可能になる。
【0080】
最後に、
図8の中央下の例に示したように、顧客キャラクタが勝利したので顧客がクーポンを受け取れることと、顧客の獲得ポイントと敵の保有ポイントの差等によって決定される値引率等のクーポンの条件が、店内端末20の操作画面に表示される。
【0081】
図9の例では、クーポン発行サーバ10の顧客ID受付部11で受け付けた顧客ID「987654321」から特定される顧客のステイタスは、顧客情報格納部14に格納された顧客マスタ141には「ブロンズ会員」と記録されているので、顧客ID「987654321」の基礎ポイントは10ポイントと算出される。
【0082】
クーポン発行サーバ10の商品コード受付部12では、「49*****6」の商品コード受け付けているが、「49*****6」の商品コードの商品は、「栄養飲料」という商品カテゴリのカテゴリコード「100009」に属する商品と特定することができるので、顧客ID「987654321」から特定される顧客のカテゴリコード「100001」に含まれる商品の購入履歴を、顧客情報格納部14に格納された購入履歴142で確認する。
【0083】
顧客情報格納部14に格納された購入履歴142には、顧客ID「987654321」から特定される顧客がカテゴリコード「100009」に含まれる商品を購入した記録が存在しないが、購入実績がない顧客には30ポイントの追加ポイントが付与されるため、カテゴリコード「100009」に含まれる商品の購入実績がない顧客ID「987654321」から特定される顧客には、30ポイントの追加ポイントが付与されることになる。
【0084】
尚、この例においても、追加ポイントを算出する基礎となる購入履歴について、受け付けた商品コードから特定される商品の購入履歴のみに基づいて追加ポイントを算出することとしてもよいことや、購入実績がある期間や購入金額に基づいて、追加ポイントのポイント数を決定することとしてもよいことは、
図7のケースと同様である。
【0085】
購入履歴に基づいて決定される追加ポイントの他に、販売推奨商品に対して付与される追加ポイントについて、商品情報格納部15に格納された推奨商品情報151には、カテゴリコード「100009」に含まれる商品に対して、販売推奨商品としての追加ポイントが加算される設定がないので、顧客ID「987654321」から特定される顧客が獲得する追加ポイントは、先に算出された30ポイントとなる。
【0086】
以上のように算出された基礎ポイント10ポイントに、追加ポイント30ポイントを加算した40ポイントが、今回の対戦における顧客ID「987654321」から特定される顧客の獲得ポイントとなる。
【0087】
一方、対戦相手となる敵が保有するポイントは、この例では、カテゴリコード「100009」に対して設定された60ポイントが、クーポン発行の有無を判断する閾値に採用されることとなる。こうしたクーポン発行の閾値となる敵の保有ポイントは、商品情報格納部15に閾値情報152として格納されており、敵の保有ポイントは60ポイントと算出される。
【0088】
以上の演算により、顧客の獲得ポイントは40ポイント、敵の保有ポイントは60ポイントと算出され、敵の保有ポイントが顧客の獲得ポイントを上回っているので、クーポンの付与対象外と決定される。
【0089】
図10は、
図9の例における、店内端末20の操作画面の遷移の例を示したものである。顧客が獲得した追加ポイントは、対戦ゲームにおける顧客キャラクタが獲得する「武器」となり、このケースでは顧客キャラクタが30ポイントに相当する「武器」である「弓」を獲得したことを示す画面が、
図10の左上の例のように表示される。
【0090】
その後には、
図10の右上の例に示したように、顧客の基礎ポイントである10ポイントが顧客キャラクタの「体力」として、獲得した武器の「弓」に相当する30ポイントが顧客キャラクタの「攻撃力」として表示されるとともに、敵キャラクタの保有ポイントである60ポイントが「体力」40ポイント、「攻撃力」20ポイントとして表示された(敵キャラクタの「体力」と「攻撃力」の配分は特に限定されるものではなく、任意の方法で決定すればよい)、対戦結果を示す画面が店内端末20の操作画面に表示される。
【0091】
このようにキャラクタの「体力」と「攻撃力」を分けて表示することは必須の要件ではないが、これらを分けて表示して、顧客が獲得した「武器」を示すのがゲームとしての娯楽性を高める上で好適であることは、
図8のケースと同様である。
【0092】
最後に、
図10の中央下の例に示したように、顧客キャラクタは勝利できなかったので、今回の対戦ではクーポンを受け取れないことが、店内端末20の操作画面に表示される。
【課題】 商品を購入する際に適用される特典付与の有無や、特典内容の決定に用いられ、特に、顧客の来店目的等の利用シーンを反映し、かつ、店舗側の意向をも反映して特典を決定することが可能な、特典付与決定装置等を提供する。
【解決手段】 ポイントカード等から読み取った顧客IDと、顧客が購入を検討している商品のパッケージに表示されたバーコードから読み取った商品コードを、店内端末から受け付ける。顧客IDに対応する顧客のステイタスから顧客キャラクタの基礎ポイント、顧客IDに対応する顧客の商品コードから特定される商品の購入履歴等から顧客キャラクタの追加ポイントを算出、これらを合計した顧客の獲得ポイントを対戦相手となる敵キャラクタの保有ポイントと対比して、クーポン等の特典付与の有無や特典内容を決定する。店内端末の画面に対戦結果が表示され、決定された特典に応じたクーポン等が出力される。