特許第6585243号(P6585243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585243
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   H01L21/304 651M
   H01L21/304 651B
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-142888(P2018-142888)
(22)【出願日】2018年7月30日
(62)【分割の表示】特願2014-141828(P2014-141828)の分割
【原出願日】2014年7月9日
(65)【公開番号】特開2018-164118(P2018-164118A)
(43)【公開日】2018年10月18日
【審査請求日】2018年8月29日
(31)【優先権主張番号】特願2013-205172(P2013-205172)
(32)【優先日】2013年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松下 淳
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 裕次
(72)【発明者】
【氏名】林 航之介
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 邦浩
【審査官】 平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−009524(JP,A)
【文献】 特開平10−195080(JP,A)
【文献】 特開2009−038282(JP,A)
【文献】 特開2011−124410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に洗浄水を供給する洗浄水供給部と、
前記洗浄水が供給された前記基板の表面に揮発性溶媒を供給し、前記基板の表面の前記洗浄水を前記揮発性溶媒に置換する溶媒供給部とを有してなる基板処理装置であって、
水分除去手段を有してなり、
前記水分除去手段は、前記溶媒供給部によって前記基板の表面に前記揮発性溶媒が供給されるときに、前記基板の表面の前記洗浄水の、前記揮発性溶媒への置換を促進する水分除去剤を前記基板の表面に供給し、
前記水分除去剤は、前記基板の表面の前記洗浄水と反応して加水分解する物質であり、かつ、前記加水分解による分解生成物が前記揮発性溶媒に混和または溶解する物質である基板処理装置。
【請求項2】
前記基板を支持するテーブルと、
前記テーブルを回転させる回転機構と、
前記回転機構と前記溶媒供給部と前記水分除去手段を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、
回転する前記基板に対して、前記溶媒供給部と前記水分除去手段を制御して前記揮発性溶媒と前記水分除去剤を供給し、
前記基板の回転中は、前記基板の表面に前記揮発性溶媒の膜が形成されて前記基板の表面が露出しない程度に回転機構を制御する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記揮発性溶媒が供給された前記基板の表面を加熱し、加熱作用で前記基板の表面に生成された前記揮発性溶媒の液玉を除去し、前記基板の表面を乾燥する加熱乾燥手段を有してなる請求項1又は2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記水分除去手段が、溶媒供給タンク内の揮発性溶媒に前記水分除去剤を添加する請求項1〜3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記水分除去手段が、溶媒供給タンク内の揮発性溶媒を圧送する溶媒供給管路内の揮発性溶媒に前記水分除去剤を添加する請求項1〜3のいずれに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記水分除去手段が、前記水分除去剤を、溶媒供給タンクに連通する溶媒供給管路に通すことなく、前記基板の表面に供給する請求項1〜3のいずれに記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板の表面に洗浄水を供給する工程と、
前記洗浄水が供給された前記基板の表面に揮発性溶媒を供給し、前記基板の表面の前記洗浄水を前記揮発性溶媒に置換する工程と
を有してなる基板処理方法であって、
前記基板の表面に前記揮発性溶媒が供給されるときに、前記基板の表面の前記洗浄水と反応して加水分解する物質であり、かつ、前記加水分解による分解生成物が前記揮発性溶媒に混和または溶解する物質である水分除去剤を前記基板の表面に供給し、前記基板の表面の前記洗浄水の前記揮発性溶媒への置換を促進する基板処理方法。
【請求項8】
前記置換する工程では、前記基板を回転させ、回転する前記基板に対して前記揮発性溶媒と前記水分除去剤が供給され、前記基板の回転中は、前記基板の表面に前記揮発性溶媒の膜が形成されて前記基板の表面が露出しないことを特徴とする請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記揮発性溶媒が供給された前記基板の表面を加熱し、加熱作用で前記基板の表面に生成された前記揮発性溶媒の液玉を除去し、前記基板の表面を乾燥する工程を有してなる請求項7又は8に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置は、半導体等の製造工程において、ウェーハや液晶基板等の基板の表面に処理液を供給してその基板表面を処理し、その後、基板表面に超純水等の洗浄水を供給してその基板表面を洗浄し、更にこれを乾燥する装置である。この乾燥工程において、近年の半導体の高集積化や高容量化に伴う微細化によって、例えば基板上のメモリセルやゲート周りのパターンが倒壊する問題が発生している。これは、パターン同士の間隔や構造、洗浄水の表面張力等に起因している。基板乾燥時にパターン間に残存する洗浄水の表面張力によるパターン同士の引付けにより、パターン同士が弾性変形的に倒れ、パターン倒壊を生ずるものである。
【0003】
そこで、上述のパターン倒壊を抑制することを目的として、表面張力が超純水よりも小さいIPA(2−プロパノール:イソプロピルアルコール)を用いた基板乾燥方法が提案されており(例えば、特許文献1参照)、基板表面上の超純水をIPAに置換して基板乾燥を行なう方法が量産工場等で用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−34779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、基板の表面に供給した洗浄水を表面張力の低いIPA等の揮発性溶媒に十分に置換することに困難があり、基板乾燥時のパターン倒壊を有効に防止することができない。このパターン倒壊は、半導体の微細化が進むとともに顕著になる。
【0006】
本発明の課題は、基板表面の洗浄水を揮発性溶媒に確実に置換して基板乾燥時のパターン倒壊を有効に防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る基板処理装置は、
基板の表面に洗浄水を供給する洗浄水供給部と、
前記洗浄水が供給された前記基板の表面に揮発性溶媒を供給し、前記基板の表面の前記洗浄水を前記揮発性溶媒に置換する溶媒供給部とを有してなる基板処理装置であって、
水分除去手段を有してなり、
前記水分除去手段は、前記溶媒供給部によって前記基板の表面に前記揮発性溶媒が供給されるときに、前記基板の表面の前記洗浄水の、前記揮発性溶媒への置換を促進する水分除去剤を前記基板の表面に供給し、
前記水分除去剤は、前記基板の表面の前記洗浄水と反応して加水分解する物質であり、かつ、前記加水分解による分解生成物が前記揮発性溶媒に混和または溶解する物質であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る基板処理方法は、
基板の表面に洗浄水を供給する工程と、
前記洗浄水が供給された前記基板の表面に揮発性溶媒を供給し、前記基板の表面の前記洗浄水を前記揮発性溶媒に置換する工程と
を有してなる基板処理方法であって、
前記基板の表面に前記揮発性溶媒が供給されるときに、前記基板の表面の前記洗浄水と反応して加水分解する物質であり、かつ、前記加水分解による分解生成物が前記揮発性溶媒に混和または溶解する物質である水分除去剤を前記基板の表面に供給し、前記基板の表面の前記洗浄水の前記揮発性溶媒への置換を促進するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の基板処理装置及び基板処理方法によれば、基板表面の洗浄水を揮発性溶媒に確実に置換して基板乾燥時のパターン倒壊を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は基板処理装置を示す模式図である。
図2図2は基板処理装置における基板洗浄室の構成を示す模式図である。
図3図3は基板表面における洗浄水の置換状況を示す模式図である。
図4図4は基板処理装置における基板乾燥室の構成を示す模式図である。
図5図5は基板処理装置における搬送手段の構成を示す模式図である。
図6図6は水分除去手段の変形例を示す模式図である。
図7図7は水分除去手段の変形例を示す模式図である。
図8図8は基板表面における揮発性溶媒の乾燥状況を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
基板処置装置10は、図1に示す如く、基板給排部20と、基板保管用バッファ部30と、複数の基板処理室40とを有し、基板給排部20と基板保管用バッファ部30の間に搬送ロボット11を設け、基板保管用バッファ部30と基板処理室40の間に搬送ロボット12を設けている。ここで、基板処理室40は、後述する如くに、基板洗浄室50と基板乾燥室70の組からなる。
【0012】
基板給排部20は、複数の基板収納カセット21を搬入、搬出可能とされる。基板収納カセット21は、未処理のウェーハや液晶基板等の複数の基板Wを収納されて基板給排部20に搬入される。また、基板収納カセット21は、基板処理室40で処理された基板Wを収納されて基板給排部20から搬出される。未処理の基板Wは、搬送ロボット11により基板給排部20内の基板収納カセット21において多段をなす各収納棚から順に取出されて、基板保管用バッファ部30の後述するイン専用バッファ31に供給される。イン専用バッファ31に供給された未処理の基板Wは、更に搬送ロボット12により取出され、基板処理室40の基板洗浄室50に供給されて洗浄処理される。基板洗浄室50で洗浄処理された基板Wは、搬送ロボット12により基板洗浄室50から基板乾燥室70に移載されて乾燥処理される。こうして処理済となった基板Wは、搬送ロボット12により基板乾燥室70から取出されて基板保管用バッファ部30の後述するアウト専用バッファ32に投入されて一時保管される。基板保管用バッファ部30のアウト専用バッファ32内で一時保管された基板Wは、搬送ロボット11により取出され、基板給排部20内の基板収納カセット21の空の収納棚に順に排出される。処理済の基板Wで満杯になった基板収納カセット21が、基板給排部20から搬出されるものになる。
【0013】
基板保管用バッファ部30は、図5に示す如く、未処理の基板Wを保管する複数のイン専用バッファ31が、多段をなす棚状に設けられるとともに、基板処理室40で洗浄及び乾燥処理された基板Wを保管する複数のアウト専用バッファ32が、多段をなす棚状に設けられる。アウト専用バッファ32の内部には、一時保管中の基板Wを冷却する冷却手段を設けることもできる。尚、イン専用バッファ31やアウト専用バッファ32は、多段でなくても良い。
【0014】
基板処理室40は、基板保管用バッファ部30から離隔した基板処理室40寄りの移動端に位置する搬送ロボット12の周囲(又は両側)に、一組をなす基板洗浄室50と基板乾燥室70を配置し、同一組の基板洗浄室50で洗浄処理された基板Wを当該同一組の基板乾燥室70に移載して乾燥処理するものとしている。基板処理室40では、基板洗浄室50による洗浄作業時間をNとするときに、基板乾燥室70による乾燥作業時間が1になる場合、一組をなす基板洗浄室50と基板乾燥室70の各設置個数i、jが、i対j=N対1となるように設定されている。これにより、基板処理室40内で一組をなす、全ての基板洗浄室50と基板乾燥室70を同一時間帯に並列して稼動させるとき、後続する基板Wをそれらの基板洗浄室50で洗浄する生産量と、基板洗浄室50で洗浄済の先行する基板Wをそれらの基板乾燥室70で乾燥する生産量とを概ね同等にすることを図るものである。
【0015】
本実施例の基板処理室40は、複数の階層、例えば3階層のそれぞれに、一組をなす基板洗浄室50と基板乾燥室70を配置し、基板洗浄室50による洗浄作業時間をN=3とするときに、基板乾燥室70による乾燥作業時間が1になることから、各階層にi=3個の基板洗浄室50とj=1個の基板乾燥室70を設置した。
【0016】
以下、基板処理室40を構成する基板洗浄室50と基板乾燥室70について詳述する。
基板洗浄室50は、図2に示す如く、処理室となる処理ボックス51と、その処理ボックス51内に設けられたカップ52と、そのカップ52内で基板Wを水平状態で支持するテーブル53と、そのテーブル53を水平面内で回転させる回転機構54と、テーブル53の周囲で昇降する溶媒吸引排出部55とを備えている。更に、基板洗浄室50は、テーブル53上の基板Wの表面に薬液を供給する薬液供給部56と、テーブル53上の基板Wの表面に洗浄水を供給する洗浄水供給部57と、揮発性溶媒を供給する溶媒供給部58と、各部を制御する制御部60とを備えている。
【0017】
処理ボックス51は、基板出し入れ口51Aを周壁の一部に開口している。基板出し入れ口51Aはシャッタ51Bにより開閉される。
【0018】
カップ52は、円筒形状に形成されており、テーブル53を周囲から囲んで内部に収容する。カップ52の周壁の上部は斜め上向きに縮径しており、テーブル53上の基板Wが上方に向けて露出するように開口している。このカップ52は、回転する基板Wから流れ落ちた或いは飛散した薬液、洗浄水を受け取る。尚、カップ52の底部には、受け取った薬液、洗浄水を排出するための排出管(図示せず)が設けられている。
【0019】
テーブル53は、カップ52の中央付近に位置付けられ、水平面内で回転可能に設けられている。このテーブル53は、ピン等の支持部材53Aを複数有しており、これらの支持部材53Aにより、ウェーハや液晶基板等の基板Wを脱着可能に保持する。
【0020】
回転機構54は、テーブル53に連結された回転軸や、その回転軸を回転させる駆動源となるモータ(いずれも図示せず)等を有しており、モータの駆動により回転軸を介してテーブル53を回転させる。この回転機構54は制御部60に電気的に接続されており、その駆動が制御部60により制御される。
【0021】
溶媒吸引排出部55は、テーブル53の周囲を囲んで環状に開口する溶媒吸引口55Aを備える。溶媒吸引排出部55は溶媒吸引口55Aを昇降する昇降機構(図示せず)を有し、テーブル53のテーブル面より下位に溶媒吸引口55Aを位置付ける待機位置と、テーブル53に保持された基板Wの周囲に溶媒吸引口55Aを位置付ける作業位置とに、溶媒吸引口55Aを昇降する。溶媒吸引口55Aは、回転する基板W上から飛散した揮発性溶媒を吸引して受け取る。尚、溶媒吸引口55Aには、揮発性溶媒を吸引するための排気ファン又はバキュームポンプ(図示せず)、及び吸引して受け取った揮発性溶媒を排出するための排出管(図示せず)が接続されている。
【0022】
薬液供給部56は、テーブル53上の基板Wの表面に対して斜め方向から薬液を吐出するノズル56Aを有しており、このノズル56Aからテーブル53上の基板Wの表面に薬液、例えば有機物除去処理用のAPM(アンモニア水及び過酸化水素水の混合液)を供給する。ノズル56Aはカップ52の周壁の上部に装着されており、その角度や吐出流速等は基板Wの表面中心付近に薬液が供給されるように調整されている。この薬液供給部56は制御部60に電気的に接続されており、その駆動が制御部60により制御される。尚、薬液供給部56は、薬液を貯留するタンクや駆動源となるポンプ、供給量を調整する調整弁となるバルブ(いずれも図示せず)等を備えている。
【0023】
洗浄水供給部57は、テーブル53上の基板Wの表面に対して斜め方向から洗浄水を吐出するノズル57Aを有しており、このノズル57Aからテーブル53上の基板Wの表面に洗浄水、例えば洗浄処理用の純水(超純水)を供給する。尚、洗浄液供給部57が供給する洗浄液は、オゾン水などの機能水であっても良い。ノズル57Aはカップ52の周壁の上部に装着されており、その角度や吐出流速等は基板Wの表面中心付近に洗浄水が供給されるように調整されている。この洗浄水供給部57は制御部60に電気的に接続されており、その駆動が制御部60により制御される。尚、洗浄水供給部57は、洗浄水を貯留するタンクや駆動源となるポンプ、供給量を調整する調整弁となるバルブ(いずれも図示せず)等を備えている。
【0024】
溶媒供給部58は、テーブル53上の基板Wの表面に対して斜め方向から揮発性溶媒を吐出するノズル58Aを有しており、このノズル58Aからテーブル53上の基板Wの表面に揮発性溶媒、例えばIPAを供給する。この溶媒供給部58は、洗浄水供給部57によって供給された洗浄水で洗浄された基板Wの表面に揮発性溶媒を供給し、基板Wの表面の洗浄水を揮発性溶媒に置換する。ノズル58Aはカップ52の周壁の上部に装着されており、その角度や吐出流速等は基板Wの表面中心付近に揮発性溶媒が供給されるように調整されている。この溶媒供給部58は制御部60に電気的に接続されており、その駆動が制御部60により制御される。尚、溶媒供給部58は、揮発性溶媒を貯留するタンクや駆動源となるポンプ、供給量を調整する調整弁となるバルブ(いずれも図示せず)等を備えている。
【0025】
ここで、揮発性溶媒としては、IPA以外にも、例えば、エタノール等の1価のアルコール類、また、ジエチルエーテルやエチルメチルエーテル等のエーテル類、更に、炭酸エチレン等を用いることが可能である。尚、揮発性溶媒は、水に可溶であることが好ましい。
【0026】
尚、溶媒供給部58は、図2に示す溶媒供給タンク101を有し、例えば、IPAが流量調整弁102、流量計103を介して溶媒供給タンク101に投入される。溶媒供給タンク101に貯留されたIPAは、溶媒供給管路104に設けたポンプ105の駆動により、フィルタ106、流量調整弁107、流量計108を介して溶媒供給部58のノズル58Aから基板Wの表面に吐出される。尚、109は、IPAがノズル58Aから吐出されないときのリターン弁である。制御部60は、流量調整弁102、ポンプ105、流量調整弁107等を制御し、適時に、適量のIPAをノズル58Aから吐出させる。
【0027】
ここで、溶媒供給部58は、水分除去手段110を付帯的に有している。水分除去手段110は、溶媒供給部58によって基板Wの表面に揮発性溶媒が供給されるときに、該基板Wの表面に水分除去剤を供給し、該基板Wの表面の洗浄水の該揮発性溶媒への置換を促進する。
【0028】
水分除去手段110が供給する水分除去剤は、水と反応して加水分解する物質、例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリメチルを採用できる。水分除去手段110によって水分除去剤が後述する供給経路により基板Wの表面に供給されたとき、図3に示す如く、水分除去剤は、基板WのパターンP同士の間隙の内部に付着している水、及び基板Wの周辺に存在している処理ボックス51内の雰囲気(大気)中の水蒸気と反応して加水分解し、分解生成物を生成する。これによって、例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリメチル等の水分除去剤は、それらの水、水蒸気を除去しつつ、酸性リン酸エステル、アルコール等の分解生成物を生成する。酸性リン酸エステル、アルコール等の水分除去剤の分解生成物はIPA等の揮発性溶媒に混和又は溶解し易い。
【0029】
従って、洗浄水供給部57により基板Wの表面に供給された水は、溶媒供給部58が供給するIPAと攪拌混合されつつ、テーブル53の回転の遠心力で振り切り除去されるとともに、水分除去手段110が供給する水分除去剤の上述の加水分解に費やされて除去され、結果として基板Wの表面の全域を確実に、水よりも表面張力が低いIPA(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解したIPA)に置換するものになる。
【0030】
本実施例において、水分除去手段110は、図2に示す如く、水分除去剤(R)を溶媒供給タンク101内の揮発性溶媒に添加する。水分除去剤は、流量調整弁111、流量計112を介して溶媒供給タンク101に投入され、溶媒供給タンク101においてIPAとよく混和され、ポンプ105によりIPAとともに溶媒供給管路104を通ってノズル58Aから基板Wの表面に吐出される。この水分除去手段110は、流量調整弁111等が制御部60に電気的に接続され、その駆動が制御部60により制御される。水分除去剤Rと揮発性溶媒とを溶媒供給タンク101において十分に混和させるため、流量調整弁107は閉じ、リターン弁109は開けた状態で、ポンプ105を起動し、タンク溶媒供給101内の混合液を循環させるようにすると良い。
【0031】
水分除去手段110が投入する水分除去剤は、溶媒供給タンク101内でIPAと良く混和し、IPAとともに基板Wの表面の各部に行き渡ることになるから、基板Wの表面の全域を効率良くIPA(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解したIPA)に置換可能にする。
【0032】
制御部60は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータと、基板処理に関する基板処理情報や各種プログラム等を記憶する記憶部とを備えている。この制御部60は、基板処理情報や各種プログラムに基づいて回転機構54や溶媒吸引排出部55、薬液供給部56、洗浄水供給部57、溶媒供給部58、水分除去手段110等を制御し、回転中のテーブル53上の基板Wの表面に対し、薬液供給部56による薬液の供給、洗浄水供給部57による洗浄水の供給、溶媒供給部58による揮発性溶媒の供給等の制御を行なう。
【0033】
基板乾燥室70は、図4に示す如く、処理室となる処理ボックス71と、その処理ボックス71内に設けられたカップ72と、そのカップ72内で基板Wを水平状態で支持するテーブル73と、そのテーブル73を水平面内で回転させる回転機構74と、ガスを供給するガス供給部75と、揮発性溶媒が供給された基板Wの表面を加熱する加熱手段76と、加熱手段76によって加熱された基板Wの表面を乾燥するための吸引乾燥手段77と、各部を制御する制御部80とを備えている。
【0034】
処理ボックス71、カップ72、テーブル73、回転機構74は、基板洗浄室50における処理ボックス51、カップ52、テーブル53、回転機構54と同様である。尚、図4において、71Aは基板出し入れ口、71Bはシャッタ、73Aはピン等の支持部材を示す。
【0035】
ガス供給部75は、テーブル73上の基板Wの表面に対して斜め方向からガスを吐出するノズル75Aを有しており、このノズル75Aからテーブル73上の基板Wの表面にガス、例えば窒素ガスを供給し、処理ボックス71内で基板Wの表面上の空間を窒素ガス雰囲気にする。ノズル75Aはカップ72の周壁の上部に装着されており、その角度や吐出流速等は基板Wの表面中心付近にガスが供給されるように調整されている。このガス供給部75は制御部80に電気的に接続されており、その駆動が制御部80により制御される。尚、ガス供給部75は、ガスを貯留するタンクや供給量を調整する調整弁となるバルブ(いずれも図示せず)等を備えている。
【0036】
ここで、供給するガスとしては、窒素ガス以外の不活性ガス、例えばアルゴンガスや二酸化炭素ガス、ヘリウムガス等を用いることが可能である。この不活性ガスが基板Wの表面に供給されるため、基板Wの表面上の酸素を除去し、ウォーターマーク(水シミ)の生成を防ぐことが可能となる。乾燥空気でも良い。尚、供給するガスは、加熱されたガスとすると好ましい。
【0037】
加熱手段76は、複数のランプ76Aを有しており、テーブル73の上方に設けられ、各ランプ76Aの点灯によりテーブル73上の基板Wの表面に光を照射する。この加熱手段76は移動機構76Bにより上下方向(昇降方向)に移動可能に構成されており、カップ72に近接した照射位置(図4中の実線で示すように、基板Wの表面に近接した位置)とカップ72から所定距離だけ離間した待機位置(図4中の一点鎖線で示すように、基板Wの表面から離間した位置)とに移動する。基板乾燥室70のテーブル73に基板Wがセットされるとき、加熱手段76を待機位置に位置付けておくことで、加熱手段76が基板Wの搬入の邪魔になることが回避される。加熱手段76は、ランプ点灯後下降、下降後ランプ点灯のどちらでも良い。この加熱手段76は制御部80に電気的に接続されており、その駆動が制御部80により制御される。
【0038】
ここで、加熱手段76としては、例えば直管タイプのランプ76Aを複数本並列に設けたものや電球タイプのランプ76Aを複数個アレイ状に設けたものを用いることが可能である。また、ランプ76Aとしては、例えばハロゲンランプやキセノンフラッシュランプ等を用いることが可能である。
【0039】
加熱手段76を用いた基板Wの加熱工程では、その加熱手段76による加熱によって、図8(A)に示すように、基板Wの表面上のパターンPに接触している揮発性溶媒の液体A1が他の部分の揮発性溶媒の液体A1よりも早く気化を始める。つまり、基板Wの表面に供給された揮発性溶媒の液体A1のうち、基板Wの表面に接触している部分のみが気相になるように急速加熱される。これにより、基板Wの表面上のパターンPの周囲には、揮発性溶媒の液体A1の気化(沸騰)によりガスの層(気泡の集合)、即ち、揮発性溶媒の気層A2が薄膜のように形成される。このため、隣り合うパターンPの間の揮発性溶媒の液体A1は、その気層A2によって基板Wの表面に押し出されながら自らの表面張力で多数の液玉になる。尚、図8(B)は液体が乾燥していく過程で基板表面の各部の乾燥速度に不均一を生じ、一部のパターンP間に液体A1が残ったとき、その部分の液体A1の表面張力によってパターンが倒壊する現象を示す。
【0040】
吸引乾燥手段77は、基板洗浄室50における前述の溶媒吸引排出部55と実質的に同様であり、テーブル73の周囲に向けて環状に開口する溶媒吸引口77Aをテーブル73に保持された基板Wの周囲に位置付ける作業位置に設定されて機能する。溶媒吸引口77Aは、回転する基板W上から飛散した揮発性溶媒を吸引して受け取る。この吸引乾燥手段77は制御部80に電気的に接続されており、その駆動が制御部80により制御される。尚、溶媒吸引口77Aには、揮発性溶媒の液玉を吸引するためのバキュームポンプ(図示せず)、及び吸引して受け取った揮発性溶媒の液玉を排出するための排出管(図示せず)が接続されている。
【0041】
制御部80は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータと、基板処理に関する基板処理情報や各種プログラム等を記憶する記憶部とを備えている。この制御部80は、基板処理情報や各種プログラムに基づいて回転機構74やガス供給部75、加熱手段76、吸引乾燥手段77等を制御し、回転中のテーブル73上の基板Wの表面に対し、ガス供給部75によるガスの供給、加熱手段76による加熱、吸引乾燥手段77による吸引等の制御を行なう。
【0042】
以下、基板処理装置10による基板Wの洗浄及び乾燥処理手順について説明する。
(1)搬送ロボット11が基板給排部20の基板収納カセット21から基板保管用バッファ部30のイン専用バッファ31に供給した基板Wを、搬送ロボット12により取り出し、この基板Wを基板処理室40における基板洗浄室50のテーブル53上にセットした状態で、基板洗浄室50の制御部60は回転機構54を制御し、テーブル53を所定の回転数で回転させ、次いで、溶媒吸引排出部55を待機位置に位置付けた状態で、薬液供給部56を制御し、回転するテーブル53上の基板Wの表面にノズル56Aから薬液、即ちAPMを所定時間供給する。薬液としてのAPMは、ノズル56Aから、回転するテーブル53上の基板Wの中央に向けて吐出され、基板Wの回転による遠心力によって基板Wの表面全体に広がっていく。これにより、テーブル53上の基板Wの表面はAPMにより覆われて処理されることになる。
【0043】
尚、制御部60はテーブル53を上述(1)から後述(3)まで継続して回転させる。このとき、テーブル53の回転数や所定時間等の処理条件は予め設定されているが、操作者によって任意に変更可能である。
【0044】
(2)次に、制御部60は、薬液の供給を停止されてから、洗浄水供給部57を制御し、回転するテーブル53上の基板Wの表面にノズル57Aから洗浄水、即ち超純水を所定時間供給する。洗浄水としての超純水は、ノズル57Aから、回転するテーブル53上の基板Wの中央に向けて吐出され、基板Wの回転による遠心力によって基板Wの表面全体に広がっていく。これにより、テーブル53上の基板Wの表面は超純水により覆われて洗浄されることになる。
【0045】
(3)次に、制御部60は、洗浄水供給部57による洗浄液の供給を停止されてから、溶媒吸引排出部55を作業位置に位置付け、溶媒供給部58を制御し、回転するテーブル53上の基板Wの表面にノズル58Aから揮発性溶媒、即ちIPAを所定時間供給する。溶媒供給部58によるIPAの供給が所定時間経過した時点で、溶媒供給部58によるIPAの供給が停止され、テーブル53による基板Wの回転が停止される。揮発性溶媒としてのIPAは、ノズル58Aから、回転するテーブル53上の基板Wの中央に向けて吐出され、基板Wの回転による遠心力によって基板Wの表面全体に広がっていく。このとき、回転する基板W上から飛散するIPAは溶媒吸引排出部55に吸引される。これにより、テーブル53上の基板Wの表面は超純水からIPAに置換されることになる。尚、このときのテーブル53、即ち基板Wの回転数は、基板Wの表面が露出しない程度に、揮発性溶媒の膜が基板Wの表面上で薄膜となるように設定されている。
【0046】
また、溶媒供給部58のノズル58Aから吐出されるIPAの温度はその沸点未満とされ、IPAを確実に液体の状態として基板Wの表面に供給するものとすることにより、基板Wの表面の全域において超純水が確実にIPAに均等に置換されるようにする。本例において、基板Wに対してIPAは、液体の状態で連続的に供給される。
【0047】
ここで、制御部60は、溶媒供給部58のノズル58Aが基板Wの表面にIPAを吐出するときに、水分除去手段110を用いて前述の如くに該基板Wの表面に水分除去剤を供給し、該基板Wの表面の洗浄水のIPA(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解したIPA)への置換を促進する。
【0048】
(4)次に、制御部60は、基板洗浄室50のテーブル53の回転を停止させ、回転停止されたテーブル53上の基板Wを搬送ロボット12が基板洗浄室50より取り出し、この基板Wを基板処理室40における基板乾燥室70のテーブル73上にセットする。基板乾燥室70の制御部80は、回転機構74を制御してテーブル73を回転させるとともに、ガス供給部75を制御し、回転するテーブル73上の基板Wの表面にノズル75Aからガス、即ち窒素ガスを所定時間供給する。窒素ガスは、ノズル75Aから、テーブル73上の基板Wの全域に向けて吐出される。これにより、テーブル73上の基板Wを包む空間は窒素雰囲気となる。この空間を窒素雰囲気にすることで、酸素濃度を減少させて、基板Wの表面におけるウォーターマークの発生を抑止することができる。
【0049】
尚、制御部80は、テーブル73を上述(4)から後述(6)まで継続して回転させる。このとき、テーブル73の回転数や所定時間等の処理条件を予め設定されているが、操作者によって任意に変更可能である。
【0050】
(5)次に、制御部80は、加熱手段76を制御し、今まで待機位置にあった加熱手段76を照射位置に位置付け、加熱手段76の各ランプ76Aを点灯して、回転するテーブル73上の基板Wを所定時間加熱する。このとき、加熱手段76は、基板Wの温度が10秒で100度以上になることを可能にする加熱を行なうことができる。これにより、基板Wの表面上のパターンPに接触している揮発性溶媒の液体A1(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解した液体)を瞬時に気化させ、基板Wの表面上における他の部分の揮発性溶媒の液体A1を直ちに液玉化させることが可能となる。
【0051】
ここで、加熱手段76による加熱乾燥では、基板WのパターンPに接触している揮発性溶媒たるIPA(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解したIPA)を瞬時に気化させるため、数秒で数百度の高温まで基板Wを加熱することが重要である。またIPAは加熱せず、基板Wだけを加熱することも必要である。このためには、波長500〜3000nmにピーク強度を有するランプ76Aを用いることが望ましい。また、確実な乾燥のためには、基板Wの最終温度(加熱による到達する最終温度)は、処理液や溶媒の大気圧における沸点よりも20℃以上高めの加熱温度であることが望ましく、加えて、最終温度に達する時間が10秒以内、例えば、数10msec〜数秒の範囲内であることが望ましい。
【0052】
(6)加熱手段76による加熱作用で基板Wの表面に生成されたIPA(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解したIPA)の液玉は、基板Wの回転による遠心力で外周に飛ばされ、吸引乾燥手段77に到達する。このとき溶媒吸引口77Aには吸引力が付与されているから、吸引乾燥手段77に到達したIPAの液玉は、溶媒吸引口77Aを経由して吸引され除去される。次いで、回転テーブル73の回転が停止され、乾燥が終了する。従って、本実施例では、回転テーブル73、回転機構74、吸引乾燥手段77らは、加熱手段76による加熱作用で基板の表面に生成された揮発性溶媒の液玉を除去し、基板の表面を乾燥する、乾燥手段を構成する。
【0053】
(7)次に、制御部80は、テーブル73の回転を停止させ、回転停止されたテーブル73上にて乾燥済となっている基板Wを搬送ロボット12が基板乾燥室70より取り出し、この基板Wを基板保管用バッファ部30のアウト専用バッファ32に投入する。尚、前述したように、アウト専用バッファ32の内部に冷却手段が設けられている場合は、この冷却手段によって基板Wは強制的に冷却される。
【0054】
尚、上述(7)の基板Wの取り出し前に、制御部80は、加熱手段76のランプ76Aを消灯させ、かつ待機位置に位置付ける。これにより、基板Wの取り出し時に加熱手段76が邪魔にならない。
【0055】
(8)搬送ロボット11は、基板Wを基板保管用バッファ部30のアウト専用バッファ32から取り出し、基板給排部20の基板収納カセット21に排出する。
【0056】
尚、前述(4)でガス供給部75によって所定時間供給するとした窒素ガスは、前述(5)の加熱手段76の各ランプ76Aによる加熱処理の開始とともに供給を停止させるようにしても良く、又は前述(6)の乾燥処理を終了した基板Wが前述(7)で基板乾燥室70から取出されたときに供給を停止させるようにしても良い。
【0057】
従って、基板処理装置10にあっては、基板処理室40が基板洗浄室50と基板乾燥室70を有するとともに、基板洗浄室50と基板乾燥室70の間に基板搬送手段としての搬送ロボット12を設けた。これにより、基板洗浄室50では、基板Wの表面に洗浄水を供給する工程と、洗浄水が供給された基板Wの表面に揮発性溶媒を供給し、水分除去手段110を用いて基板Wの表面の洗浄水の揮発性溶媒への置換を促進する工程とが行なわれ、基板洗浄室50で揮発性溶媒が供給された基板Wは搬送ロボット12により基板乾燥室70に搬送される。そして、基板乾燥室70では、基板洗浄室50で揮発性溶媒が供給された基板Wを加熱する工程と、基板Wの加熱によって基板Wの表面に生成された揮発性溶媒の液玉を除去し、基板Wの表面を乾燥する工程とが行なわれる。
【0058】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
洗浄水供給部57により基板Wの表面に洗浄水を供給した後に、基板Wの表面に溶媒供給部58がIPAを供給したときに、水分除去手段110がそのIPAに混和して供給した水分除去剤が基板Wのパターン間隙の内部に付着している水、及び基板Wの周辺に存在している処理ボックス51内の雰囲気(大気)中の水蒸気と反応して加水分解し、それらの水、水蒸気を除去する。これにより、基板Wの表面、特にパターン間隙に付着している洗浄水の残存量を低減し、ひいてはこの洗浄水を表面張力の低いIPA(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解したIPA)へと確実に置換し、基板Wの乾燥時のパターン倒壊を有効に防止できる。
【0059】
水分除去手段110による洗浄水の除去効果により、比較的少量の揮発性溶媒の供給で、基板Wの表面の洗浄水を効率良く揮発性溶媒に置換でき、揮発性溶媒の消費量を低減できる。また、水分除去剤の使用によって洗浄水の残存量が少なくなった基板Wのパターン間隙に揮発性溶媒をスムースに送り込ませることができ、溶媒置換工程の実行時間を短縮できる。これによって、基板Wの生産性を向上できる。
【0060】
水分除去手段110が投入する水分除去剤は、溶媒供給タンク101内でIPAと良く混和し、IPAとともに基板Wの表面の各部に行き渡ることから、基板Wの表面の全域を効率良くIPA(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解したIPA)に置換できる。
【0061】
図6は、図1図5の実施例において、溶媒供給部58に付帯させた水分除去手段110の変形例としての水分除去手段120を示すものである。水分除去手段120は、水分除去剤(R)を溶媒供給部58の溶媒供給管路104内の揮発性溶媒に添加する。水分除去剤は、流量調整弁121、流量計122、フィルタ123を介して溶媒供給管路104に投入され、溶媒供給管路104においてポンプ105により圧送されてくるIPAの流れ中に積極的に取り込まれて混和され、IPAとともにノズル58Aから基板Wの表面に吐出される。この水分除去手段120は、流量調整弁121等が制御部60に電気的に接続され、その駆動が制御部60により制御される。
【0062】
水分除去手段120が投入する水分除去剤は、溶媒供給管路104内を圧送されてくるIPAの流れ中に積極的に混和し、IPAとともに基板Wの表面の各部に行き渡ることから、基板Wの表面の全域を効率良くIPA(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解したIPA)に置換できる。
【0063】
図7は、溶媒供給部58に付帯させた水分除去手段110の変形例としての水分除去手段130を示すものである。水分除去手段130は、流量調整弁131、流量計132、フィルタ133を介して水分除去剤をテーブル53上の基板Wの表面に吐出するノズル130Aを有する。水分除去手段130は、水分除去剤(R)を溶媒供給タンク101に連通する溶媒供給管路104に通すことなく直に基板Wの表面に供給し、溶媒供給部58のノズル58Aが吐出した揮発性溶媒に添加され得るようにしたものである。ノズル130Aは処理ボックス51の天井下に設置され、その設置角度や吐出流速等は、基板Wの表面中心付近に水分除去剤が供給されるように調整されている。この水分除去手段130は、流量調整弁131等が制御部60に直接的に接続され、その駆動が制御部60により制御される。
【0064】
ノズル130Aから水分除去剤の供給が開始されるタイミングは、ノズル58Aから揮発性溶媒の供給が開始されるタイミングと同じでも良いが、ノズル58Aから揮発性溶媒の供給が開始されるタイミングより早くても良いし、遅くても良い。また、ノズル130Aから水分除去剤の供給を停止させるタイミングは、ノズル58Aから揮発性溶媒の供給を停止させるタイミングと同じでも良いで、それより早くても良い。
【0065】
水分除去手段130が投入する水分除去剤は、基板Wの表面上で、溶媒供給部58が供給したIPAと直ちに混和し、IPAとともに基板Wの表面の各部に行き渡ることから、基板Wの表面の全域を効率良くIPA(水分除去剤の分解生成物が混和又は溶解したIPA)に置換できる。
【0066】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0067】
ガス供給部75による窒素ガス等の不活性ガスや乾燥空気の供給動作は、基板Wが供給位置に位置付けられた後に開始されるようにしたが、位置付けられる前から供給が開始されるようにしても良い。
【0068】
実施例において、加熱手段76による基板Wの加熱は、処理ボックス71内を減圧した状態で行なうようにしても良い。処理ボックス71内におけるIPAなど揮発性溶媒の沸点が下がり、大気圧下に比べて低い温度で沸騰するので、基板に与える熱ダメージを軽減することができる。
【0069】
実施例において、基板Wに対する洗浄水の供給が停止してからIPAなどの揮発性溶媒の供給を開始したが、洗浄水による洗浄の終期で、まだ洗浄水が基板Wに対して供給されているときから揮発性溶媒の供給を開始させるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、基板表面の洗浄水を揮発性溶媒に確実に置換して基板乾燥時のパターン倒壊を有効に防止することができる。
【符号の説明】
【0071】
10 基板処理装置
50 基板洗浄室
57 洗浄水供給部
58 溶媒供給部
70 基板乾燥室
76 加熱手段
77 吸引乾燥手段(乾燥手段)
101 溶媒供給タンク
104 溶媒供給管路
110、120、130 水分除去手段
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8