(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585286
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】薄形キーボードスイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 13/705 20060101AFI20190919BHJP
H01H 13/14 20060101ALI20190919BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
H01H13/705
H01H13/14 A
G06F3/02 400
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-511740(P2018-511740)
(86)(22)【出願日】2016年9月5日
(65)【公表番号】特表2018-526751(P2018-526751A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】CN2016098097
(87)【国際公開番号】WO2017036421
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年4月26日
(31)【優先権主張番号】201520679828.4
(32)【優先日】2015年9月6日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508088052
【氏名又は名称】東莞市凱華電子有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONGGUAN KAIHUA ELECTRONICS CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】呉 福喜
【審査官】
鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第104299829(CN,A)
【文献】
登録実用新案第3195855(JP,U)
【文献】
特開2009−076321(JP,A)
【文献】
特開2013−134969(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3180966(JP,U)
【文献】
特開2004−071225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00−13/88
G06F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーキャップ、ケース、弾性体、弾性接触体、バランサーフレーム、及びプリント配線基板の上に設置されるベース体からなる薄形キーボードスイッチであって、
前記弾性体は、絶縁の弾性台と該弾性台の上の絶縁の弾性柱からなり、
前記弾性接触体は、前記弾性台の形状に応じた形状を有し、前記弾性柱の底面積は前記弾性台の頂面の面積よりも小さく、
前記ベース体の中央には、前記弾性接触体にフィットするベース溝が開設され、前記ベース体の4つの角には、内凹溝がそれぞれ開設され、
前記弾性接触体は、前記ベース溝内の底部に配置されて、前記プリント配線基板に電気的に接続され、
前記弾性体は、前記弾性台が前記ベース溝内で前記弾性接触体の上に配置されるとともに前記ベース溝内に配置され、
前記バランサーフレームは、前記ベース体の外側に取り付けられ、前記ベース体と前記ケースとの間に位置し、
前記ベース体の両側には、2つの第2係止爪が対称に設置され、
前記ベース体の4つの角には、内凹溝に対応する第2係止溝が更に設けられ、
4つの前記第2係止溝は、ベース体の両側辺に均一に位置し、
前記第2係止爪及び前記第2係止溝は、ベース体の隣り合う両側辺に位置し、
前記ケースの4つの角のそれぞれには、前記第2係止溝にフィットする第1係止爪が設けられ、
前記ケースの側辺には、前記第2係止爪にフィットする第1係止溝が設けられ、
前記第1係止爪および前記第2係止溝、並びに、前記第2係止爪および前記第1係止溝により、前記ケースと前記ベース体とは係止されて設置され、
前記ケースの中央には、前記弾性体にフィットする弾性穴が開設され、
前記弾性体は、前記弾性柱が前記弾性穴を介してケースから突出して前記キーキャップに連結され、
前記キーキャップは、前記バランサーフレームに取り付けられ、前記キーキャップの下方への押圧により前記弾性体が前記弾性接触体に作用して前記弾性接触体が前記プリント配線基板の上の回路に接続し、前記キーキャップの押圧が解放されると、弾性体による弾性回復作用により前記弾性接触体が前記回路から分離することを特徴とする薄形キーボードスイッチ。
【請求項2】
前記バランサーフレームは、第1バランサー枠及び第2バランサー枠を含み、
前記第2バランサー枠は、第1バランサー枠と交差して第1バランサー枠に可動に連結され、
前記第1バランサー枠の外壁及び第2バランサー枠の外壁のそれぞれには、2つの外回転軸が対称に設けられ、
前記第1バランサー枠の内壁の端部及び第2バランサー枠の内壁の端部のそれぞれには、2つの内回転軸が対称に設けられ、
前記内回転軸は、ベース体の内凹溝内に可動に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の薄形キーボードスイッチ。
【請求項3】
前記キーキャップの内部の側壁には、前記外回転軸に対応する4つの回転軸台が固着され、
前記回転軸台には、前記外回転軸にフィットする回転溝が開設され、
前記第1バランサー枠及び前記第2バランサー枠の前記外回転軸は、前記回転溝内に可動に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の薄形キーボードスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子製品の分野に関し、特に、薄形キーボードスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
キーボードは、コンピュータにとって不可欠な部品となっており、コンピュータにおいて重要な役割を果たしている。科学技術の発展に伴い、キーボードの機能や性能は大幅に改善され、キーボードの厚さもますます薄くなってきている。しかしながら、従来のキーボードでは、PCB回路基板上にキーボードの押しキーを設置してケースによって固定させることから、キーボードの厚さの改善を続行することができなくなっている。そのため、キーボードの厚さは一般に厚くて、パーソナルコンピュータの厚さを更に薄くすることができない。したがって、従来のキーボード構造の改良を続行する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記背景技術の問題点を解決可能な薄形キーボードスイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術案を提供する。薄形キーボードスイッチは、キーキャップ、ケース、弾性体、弾性接触体、バランサーフレーム、及びプリント配線基板上に設置されるベース体からなる。前記ベース体の中央には、弾性接触体にフィットするベース溝が開設される。前記ベース溝内の底部には、プリント配線基板に電気的に接続される弾性接触体が配置される。前記弾性接触体には、ベース溝内に位置する弾性体が配置される。前記バランサーフレームは、ベース体の外側に取り付けられ、ベース体とケースとの間に位置する。前記ケースとベース体とは係止されて設置される。前記弾性体は、ケースから突出してキーキャップに連結される。前記キーキャップは、バランサーフレームに取り付けられる。
【0005】
本発明に対するさらなる案として、前記ベース体の4つの角には、4つの内凹溝が開設される。ベース体の両側には、2つの第2係止爪が対称に設置される。前記ベース体の4つの角には、内凹溝に対応する第2係止溝が更に設けられる。4つの第2係止溝は、ベース体の両側辺に均一に位置する。第2係止爪及び第2係止溝は、ベース体の隣り合う両側辺に位置する。
【0006】
本発明に対するさらなる案として、前記バランサーフレームは、第1バランサー枠及び第2バランサー枠を含む。前記第2バランサー枠は、第1バランサー枠と交差して第1バランサー枠に可動に連結される。前記第1バランサー枠の外壁及び第2バランサー枠の外壁のそれぞれには、2つの外回転軸が対称に設けられる。第1バランサー枠の内壁の端部及び第2バランサー枠の内壁の端部のそれぞれには、2つの内回転軸が対称に設けられる。前記内回転軸は、ベース体の内凹溝内に可動に取り付けられる。
【0007】
本発明に対するさらなる案として、前記弾性体は、絶縁された弾性柱及び弾性台からなる。弾性柱の先端は、ケースを貫通してキーキャップに連結される。弾性台は、弾性接触体に接触する。
【0008】
本発明に対するさらなる案として、前記ケースの中央には、弾性体にフィットする弾性穴が開設される。ケースの4つの角のそれぞれには、第2係止溝にフィットする第1係止爪が設けられる。ケースの側辺には、第2係止爪にフィットする第1係止溝が設けられる。
【0009】
本発明に対するさらなる案として、前記キーキャップの内部の側壁には、外回転軸に対応する4つの回転軸台が固着される。前記回転軸台には、外回転軸にフィットする回転溝が開設される。第1バランサー枠及び第2バランサー枠の外回転軸は、回転溝内に可動に取り付けられる。
【発明の効果】
【0010】
従来技術に比べて、本発明は以下の有益な効果を奏する。本発明では、弾性体及び弾性接触体をベース体内に設置し、バランサーフレームをベース体の外側に設置するとともに、ベース体及びバランサーフレームのそれぞれをキーキャップ内に設置することで、キーボードの厚さを大幅に薄くし、キーボードの超薄型を実現する効果があり、作用効果に優れるとともにキーボードの美観を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】薄形キーボードスイッチを示す分解斜視図である。
【
図2】薄形キーボードスイッチのバランサーフレームを展開した様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案について明確、完全に説明するが、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を経ることなく得られるすべての他の実施例は、何れも本発明が保護する範囲に属する。
【0013】
図1〜
図2に示すように、本発明の実施例に係る薄形キーボードスイッチは、キーキャップ7、ケース1、弾性体2、弾性接触体3、バランサーフレーム4、及びプリント配線基板(PCB基板)6上に設置されるベース体5からなる。ベース体5の中央には、弾性接触体3にフィットするベース溝54が開設される。ベース溝54内の底部には、プリント配線基板6に電気的に接続される弾性接触体3が配置される。弾性接触体3上には、ベース溝54内に位置する弾性体2が配置される。バランサーフレーム4は、ベース体5の外側に取り付けられるとともにベース体5とケース1との間に位置する。ケース1とベース体5とは係止されて設置される。弾性体2は、ケース1から突出してキーキャップ7に連結される。キーキャップ7は、バランサーフレーム4に取り付けられる。
【0014】
ベース体5の4つの角には、4つの内凹溝53が開設される。ベース体5の両側には、2つの第2係止爪52が対称に設置される。ベース体5の4つの角には、内凹溝53に対応する第2係止溝51が更に設けられる。4つの第2係止溝51は、ベース体5の両側辺に均一に位置する。第2係止爪52及び第2係止溝51は、ベース体5の隣り合う両側辺に位置する。
【0015】
バランサーフレーム4は、第1バランサー枠41及び第2バランサー枠44を含む。第2バランサー枠44は、第1バランサー枠41と交差して第1バランサー枠41に可動に連結される。第1バランサー枠41の外壁及び第2バランサー枠44の外壁のそれぞれには、2つの外回転軸42が対称に設けられる。第1バランサー枠41の内壁の端部及び第2バランサー枠44の内壁の端部のそれぞれには、2つの内回転軸43が対称に設けられる。内回転軸43は、ベース体5の内凹溝53内に可動に取り付けられる。
【0016】
ケース1の中央には、弾性体2にフィットする弾性穴11が開設される。ケース1の4つの角のそれぞれには、第2係止溝51にフィットする第1係止爪12が設けられる。ケース1の側辺には、第2係止爪52にフィットする第1係止溝13が設けられる。
【0017】
キーキャップ7の内部の側壁には、外回転軸42に対応する4つの回転軸台71が固着される。回転軸台71には、外回転軸42にフィットする回転溝72が開設される。第1バランサー枠41及び第2バランサー枠44の外回転軸42は、回転溝72内に可動に取り付けられる。
【0018】
キーキャップ7を下方へ押圧することで、弾性体2が弾性接触体3に作用して弾性接触体3をプリント配線基板6上の回路に接続させ、これにより、回路の導通を実現する。キーキャップ7の押圧が解放されると、弾性体2による弾力回復作用により、弾性接触体3をプリント配線基板6上の回路から分離させる。
【0019】
本発明では、弾性体2及び弾性接触体3をベース体5内に設置し、バランサーフレーム4をベース体5の外側に設置するとともに、ベース体5及びバランサーフレーム4のそれぞれをキーキャップ7内に設置することで、キーボードの厚さを大幅に薄くし、キーボードの超薄型を実現する効果があり、作用効果に優れるとともにキーボードの美観を改善する。
【0020】
本発明が上述の例示した実施例の詳細に限定されるものではなく、本発明の趣旨又は基本的な特徴を逸脱しない範囲で他の具体的な形態により実現されることができることは、当業者には明らかであろう。したがって、どの視点から見ても、上述した実施例は、例示的なものに過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明の範囲は、明細書ではなく、請求の範囲により決定される。したがって、請求項の均等物の意味及び範囲に入る全ての変更は、本発明の範囲に含まれることが意図されている。請求項における参照符号は、請求項を限定するものと解釈されるべきではない。
【0021】
なお、本明細書は実施形態により説明されたが、各実施形態が1つの独立の技術案のみを含むことではないことは理解されるべきである。明確にするために上述した形態で明細書を説明したが、当業者は、明細書を全体として、各実施例の技術案が組み合わせられることで理解可能な他の実施形態を形成することを理解すべきである。
【符号の説明】
【0022】
1 ケース
11 弾性穴
12 第1係止爪
13 第1係止溝
2 弾性体
21 弾性柱
22 弾性台
3 弾性接触体
4 バランサーフレーム
41 第1バランサー枠
42 外回転軸
43 内回転軸
44 第2バランサー枠
5 ベース体
51 第2係止溝
52 第2係止爪
53 内凹溝
54 ベース溝
6 プリント配線基板
7 キーキャップ
71 回転軸台
72 回転溝