【文献】
Intel Corporation,On device complexity for NB-IoT[online],3GPP TSG-RAN WG1#83 R1-156524,2015年11月 7日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_83/Docs/R1-156524.zip>
【文献】
Qualcomm Incorporated,On DL Tone Spacing for Standalone Operation[online],3GPP TSG-RAN WG1#83 R1-157065,2015年11月 7日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_83/Docs/R1-157065.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記OFDMシンボルの第1シーケンスおよび前記OFDMシンボルの第2シーケンスのサブキャリア間隔は15kHzであり、前記第1持続時間は160/30.72μsであり、第2持続時間は144/30.72μsであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記第1サイクリックプレフィックスは、前記OFDMシンボルの第2シーケンスにおける初期サイクリックプレフィックスであり、前記OFDMシンボルの第2シーケンスにおける後続の全てのサイクリックプレフィックスは、前記第2持続時間を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
前記OFDMシンボルの第2シーケンスは、第3世代パートナーシッププログラム(3GPP)ロングタームエボリューション(LTE)システムで送信され、スロットに対応することを特徴とする請求項5に記載の方法。
前記サンプリング位相を調整するステップ(1220)は、OFDMシンボル中の最初のサンプリング時点を、前のOFDMシンボルの最後のサンプリング時点の後に前記第2サンプリングレートで非整数倍の周期を生じるように設定することを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
いわゆるインターネット・オブ・シングス(IoT)は、単純なセンサから車両などの高度な機械までのあらゆるオブジェクトがインターネットに接続されているというビジョンを反映している。このビジョンをサポートするため、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は現在、ロングタームエボリューション(LTE)との強力な共通性を持つ新たな種類の無線アクセス技術(RAT)を記述しているが、それは狭帯域幅で動作するものである。この新たなRATは、狭帯域IoT(NB-IoT)と呼ばれている。仕様作業は現在進行中であり、3GPPミーティングでは、デプロイメントシナリオおよびデュプレックスモード、ダウンリンクチャネルおよび信号、アップリンクチャネルおよび信号、ならびにチャネルラスタに関するいくつかの決定が行われている。
【0003】
デプロイメントシナリオおよびデュプレックスモードに関しては、スタンドアロン・デプロイメント、従来のLTEセル間のガードバンドにおけるデプロイメント、および、従来のLTEセルのバンド内でのデプロイメント、の3つのデプロイメントシナリオが規定されている。
【0004】
周波数分割複信(FDD)モードおよび時分割複信(TDD)モードの両方が3GPP標準化の取り組みの範囲内にあるが、異なるリリースでカバーされる予定である。より詳細には、FDDモードのサポートは、3GPP標準のリリース13にあるが、そのソリューションは、後のリリースで導入されるTDDと前方互換であるべきである。
【0005】
ダウンリンクチャネル及び信号に関して、ダウンリンクサブキャリア間隔は15kHzであり、NB-IoTダウンリンクシステム帯域幅は200kHzであり、有効帯域幅は180kHz、すなわちサブキャリア間隔15kHzの12個のサブキャリアが提案されている。これは、従来のLTEセル内の単一の物理リソースブロックに相当する。ノーマルサイクリックプレフィックスと、より大きなセルのデプロイメントを容易にするために提供される拡張サイクリックプレフィックスの、2つのサイクリックプレフィックス(CP)のコンフィグレーションが検討されている。
図1は、ノーマルサイクリックプレフィックス(NCP)および拡張サイクリックプレフィックス(ECP)の例示的な(時間−周波数表現における)ダウンリンクリソースグリッドを示しており、斜線領域は、NB-IoT固有同期信号がスケジュールされる領域である。
【0006】
NB-IoT送信のためにネットワークノードによって使用される送信ポートの数は、この時点で、1つまたは2つであると仮定され、後者については、空間周波数ブロック符号化(SFBC)が想定される。これまでに規定されたNB-IoT固有チャネルは、ブロードキャストチャネル(NB-PBCH)、ダウンリンク制御チャネル(NB-PDCCH)、およびダウンリンク共有チャネル(NB-PDSCH)である。命名法はファイナライズされていないことに留意すべきである。示された名前は、通常のLTEセルの対応するチャネルと区別するために使用されている。NB-IoTのシステム情報は、NB-PBCH上で送信され、フォーマットおよび割り当てが事前に知られているマスター情報ブロックと、NB-PDSCH上で送信されるシステム情報ブロックを介して提供される。
【0007】
さらに、例えばNB-PSSの単一のインスタンスおよびNB-SSSの504のインスタンスと共に、NBプライマリ同期信号(NB-PSS)およびNBセカンダリ同期信号(NB-SSS)などの、新しい同期信号が導入される。同期信号は、同期信号を搬送する各サブフレーム内の固定数の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルを占有する。同期信号は、サブフレーム内の最初の3つのOFDMシンボルを占有せず、NB-IoTが通常のLTEセルの帯域幅内にデプロイされるシナリオでは、その通常のLTEセルのセル固有参照信号(CRS)は、必要に応じてNB-PSSまたはNB-SSSをパンクチャする。ノーマルサイクリックプレフィックスの場合、NB-PSSおよびNB-SSSは、(1つの値に絞り込み選択される)9個または11個のOFDMシンボルのスパンをもち、そのスパンにおける、(1つの値に絞り込み選択される)6個から11個のOFDMシンボルが同期情報を搬送すると仮定する。拡張サイクリックプレフィックスの場合、対応する数字はそれぞれ、9個のOFDMシンボルと6〜9個のOFDMシンボルである。インバンドのシナリオでは、NB-PSSおよびNB-SSSは、通常のLTEセルのセル固有リファレンス信号(CRS)パワーレベルに対して6dBだけブーストされる。また、NB-PSSとNB-SSSの反復率は異なる場合がある。例えば、それぞれ20ミリ秒および80インターバルの繰り返し間隔が提案されている。
【0008】
アップリンクチャネルおよびNB-IoTの信号に関しては、アップリンク送信のために2つのソリューションが提案されている。例えば3.75kHz帯域幅および15kHz帯域幅の2つの構成のいずれかを使用する単一トーン送信と、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)方式における15kHzサブキャリア間隔を使用するマルチトーン送信である。アップリンク信号に関する詳細は未だ審議中である。
【0009】
チャネルラスタに関しては、チャネルラスタは100kHzであると仮定されているが、これは標準化団体で議論されているので、より狭いチャネルラスタを排除することはできない。
【0010】
送信機および受信機のための既存のLTEソリューションはNB-IoTをサポートするように適合させることができるが、このアプローチは、IoT動作のための非常に低コストの数百万のデバイスのデプロイメントをサポートするには不適切であると考えられる。以下で詳述するように、既存のLTEソリューションでは、対応するデバイスの経済コストおよび/または電力コストが著しく増加してしまうようなサンプリングレートで動作するか、著しくパフォーマンスが低下してしまうようなコスト効率の高いサンプリングレートで動作することになる。しかし、サンプリングレートを低減することは、アップリンク送信タイミングに悪影響を与える可能性がある。このように、特にNB-IoTデバイスのために、処理およびタイミングの解決策の改善が必要である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この文書では、LTE(Long-Term Evolution)システムのための3GPP仕様の用語を用いて、ここに開示されている本発明の技術および装置を説明する。ただし、これらの発明の技術および装置の実施形態は、この用語を使用する実装に限定されるものではない。したがって、例えば、用語「ユーザ装置」および「UE」は、本明細書ではアクセス端末を指すために使用されるが、本明細書に記載の技術はより一般的には無線端末に適用可能であり、さらに一般的には無線送信機に適用可能である。
【0017】
アナログ-デジタル変換器(ADC)は、連続時間のアナログ信号を離散時間のデジタル信号に変換する。UEにおいて、1つまたは複数のADCは、より正確には受信機の、RF回路の一部を形成する。いくつかのタイプのADCが存在し、それぞれ異なる範囲の性能および演算量を有する、いくつかのタイプのADCがある。ADCのタイプの例には、デルタ-シグマ変換器(シグマ-デルタ変換器と呼ばれることもある)、および逐次比較レジスタ(SAR)変換器が含まれる。従来、デルタ-シグマADCは、LTEシステムで要求されてきたUE用の無線受信機デザインで使用されており、同相成分および直交位相成分の搬送波あたりのサンプルレートには、30.72MS/sが必要とされている。これは、UEが1.4MHzから20MHzまでのLTEシステム帯域幅の全範囲をサポートしなければならないためである。
【0018】
図14は、参考のため、1次デルタ-シグマADCの例を示す。デルタ-シグマADCにおいては、サンプルが出力されるレートよりも高いレートでアナログ信号がオーバーサンプリングされ、従って、デシメーションステージおよびデジタルローパスフィルタリングステージが含まれる。
【0019】
一方、逐次比較型(successive approximation register:SAR)ADCは、サンプルがデバイスから出力されるレートと同じサンプルレートでアナログ信号をサンプリングするので、後続のデシメーションやデジタルローパスフィルタリングは不要である。
図15は、SAR ADCの例を示す。
【0020】
表1は、さまざまなアプリケーションのADCのタイプの選択のための主要コンポーネントベンダーの推奨事項を示している。
【0022】
NB-IoTデバイスでは、従来のLTE受信機とは対照的に、200kHzのシステム帯域幅(180kHzの有効帯域幅を有する)をサポートすれば十分である。これは、システム帯域幅が比較的小さいNB-IoTおよび/または他の無線アクセス技術をサポートするためにのみ実装されたデバイスは、比較的複雑で(高価な)消費電力の高いデルタ-シグマADCを使用する必要がないことを意味する。代わりに、装置は、例えば、逐次比較型ADCを使用して設計することができ、これは、同相成分および直交位相成分あたり1.92MS/sのサンプリングレートでサンプリングするのに十分である。逐次比較型ADCは、SAR ADCとも呼ばれる。本明細書では、これらの用語は同じ意味で使用される。
【0023】
NB-IoT受信機にSAR ADCを使用することにより得られる電力節約を最大限にするためには、可能な限り低いサンプリングレートでADCを動作させることが望ましく、これはNB-IoT受信機の場合には毎秒240キロサンプル(kS/s)である。NB LTEの有効帯域幅は、幅広いLTEキャリア内にデプロイされている場合でも、180kHzである。したがって、NB LTE受信機の無線周波数(RF)成分は、180kHzチャネル上で送信される無線信号を捕捉することのみが要求される。ナイキスト・サンプリング定理によれば、情報損失なしに信号を捕捉するには、受信機のベースバンドに180kHzサンプリングレートを持たせれば十分である。それぞれが15kHz帯域幅を有する12個のサブキャリアが存在するので、演算量をできるだけ小さく抑えながら高速フーリエ変換(FFT)処理を容易にするため、FFT/IFFTのサイズには16が選択される。その結果、ベースバンドサンプリングレートは、受信機のRF段の出力において15kHz×16=240kHzである。
【0024】
複雑なのは、このような低いサンプリングレートの場合、ノーマルサイクリックプレフィックス・コンフィグレーションでは、OFDMシンボルのサイクリックプレフィックスが非整数のサンプル数に対応する長さを有することである。このことが
図2に示されている。これは、240kS/sのサンプリングレート、1ミリ秒の1つのサブフレームにおける、ノーマルサイクリックプレフィックスの場合と拡張サイクリックプレフィックスの場合それぞれについての、サイクリックプレフィックスのサンプル間隔とシンボル時間の値を示している。図示されているように、ノーマルサイクリックプレフィックスの場合、サイクリックプレフィックスの大部分は1.125サンプルに対応する長さを有し、第1および第8サイクリックプレフィックスは1.25サンプルに対応する長さを有する。
【0025】
等距離サンプリングを使用する場合には、これは、第1サンプルが収集されたときに注意が払われない限り、スロット内のサンプリングされたOFDMシンボルが、サイクリックプレフィックスの外側で徐々にスライドするシンボル開始時間に対応するサンプルインスタンスのために、シンボル間干渉が徐々に増加する場合があることを意味する。言い換えると、
図2は、240kHzのサンプリングレートを使用すると、シンボル時間ごとに最低16のサンプルが存在することが可能になることを示しているが、ノーマルサイクリックプレフィックスのサイクリックプレフィックスはサンプリング時間の整数倍に対応しない長さを有することは、サブフレーム境界に関してサンプリング時間が非常に注意深くアライメントされないと、所与のOFDMシンボル時間に対する16個のサンプルのうちの1つが隣のシンボル時間にスライドする可能性があることを意味する。これによりシンボル間干渉(ISI)が発生してしまう。
【0026】
したがって、240kS/sの均一なサンプリングレートを用いることに伴う問題は、無線受信機が開始されると(例えば、半二重送信後、間欠受信機(DRX)非アクティブ後など)、所与のOFDMシンボルのサンプルがサイクリックプレフィックス内にどれほど良好に留まることができるかを決定する、OFDMシンボルタイミングに関するサンプリング位相が、サービングセルタイミングに基づくことなく、既に固定されていることである。
【0027】
この問題を解決するための1つのアプローチは、サンプリングインスタンスがISIを最小限にするように適切にアライメントされたままであることを保証するために、ADC(例えば、SAR ADC)のサンプル位相をベースバンド回路から制御することができる装置および技術を含む。別のアプローチは、不均一なサンプル間隔の使用を含む。これらの両方のアプローチのための実施例を以下に開示する。両方のアプローチは、NB-IoT無線受信機における低コスト、低電力SAR ADCの使用を容易にし、さらに、任意のOFDMシンボル間距離が整数個のサンプルとして記述できるサンプリングレートよりも低い低減されたサンプリングレートでそのようなNB-IoTデバイスを動作させることを容易にする。したがって、ここに開示される技術および装置によれば、従来品よりも1つのバッテリで長時間動作することができるより安価なデバイスを製造することが可能になる。したがって、ここに開示される技術は、NB-IoTデバイスの2つの重要な性能指標、すなわちコストおよびバッテリ寿命を改善するために使用することができる。
【0028】
可変位相サンプリング
ここに開示されている技術および装置のいくつかの実施形態は、SAR ADCのようなADCをN個の位相のいずれかでクロックするように構成することができるクロック分周回路を使用する。各位相は、サンプル間隔の1/Nずつサンプリングタイミングをオフセットすることに対応する。
【0029】
上記で簡単に説明したように、NB-IoTのために低減されたサンプリングレート(例えば240kS/s)を使用する場合の問題は、ノーマルサイクリックプレフィックスの場合、サイクリックプレフィックスが非整数サンプル数に対応する長さを有することである。これにより、スロット内の異なるシンボルについて、サンプリンググリッドに対する開始位置が異なる値にシフトする。このことが
図3に示されている。これは、240kS/sサンプリングレート、1ミリ秒の1つのサブフレームにおける、ノーマルサイクリックプレフィックスの場合の、サイクリックプレフィックスのサンプル間隔の値を示している。
図3はまた、この問題に起因するシンボル開始オフセットのジッタと、パス遅延の変化のマージンをサンプル間隔の観点から表している。
【0030】
符号間干渉を防ぐために、所定のOFDMシンボルのサンプリングの開始は、そのシンボルのサイクリックプレフィックス内で行わなければならない。無線フレームの開始がサンプルグリッドと完全に揃っていると仮定すると、各OFDMシンボルのFFTの開始位置は、表2に示す通りである。
【0031】
サンプル位相と無線フレームタイミングの正確なアラインメントに基づく
図3に示すように、OFDMシンボルがサイクリックプレフィックスの外でサンプリングされることなく、最大0.25サンプルのパス遅延増加(またはセルタイミングのずれ)のマージンがある。同時に、わずか0.125サンプルに低減されたパス遅延(またはセルタイミングのずれ)のマージンがある。パス遅延の変化に対するマージンは、UEサンプル間隔が受信無線フレームとどのようにアライメントされるかにいくらかのオフセットを適用することによって調整することができる。特に、最適なサンプル位相を決定する際に0.0625サンプルのオフセットを適用することにより、それぞれ0.1875サンプルの対称的なサンプルオフセットマージンを得ることができる。このことが
図4に示されている。
図4は、240kS/sサンプリングレートおよびノーマルサイクリックプレフィックスを有するサービングセルに対する、サンプルグリッドと無線フレーム開始との間の最適タイミング関係を示している。
【0033】
ここで取り上げる問題は、サンプリングタイミングがフル・サンプルよりも小さく制御可能にオフセットされうるように、例えば、サンプル間隔と無線フレーム開始タイミングとの間の望ましいアラインメントを達成するため、サンプリングレート240kS/sを使用する場合1サンプルの1/8のステップで制御可能にオフセットされるように、低いサンプリングレートで動作するSAR ADC(例えば240kS/s)をどのように制御するかである。
【0034】
図5は、本開示の技術および装置を実施することができる無線受信機の一例を示す。図示の無線受信機は、アンテナ100に接続され、フロントエンドRFフィルタ105および低雑音増幅器110を含む無線周波数(RF)フロントエンド回路を備える。このフロントエンド回路の後段には、局部発振器120によって駆動されて受信信号(NB-IoTの場合、200KHz幅のRF信号)をデジタル化のために中間周波数またはベースバンドに変換するミキサ115がある。IFフィルタ125は、ミキサ115の出力に結合され、フィルタリングされたIF信号を自動利得制御(AGC)増幅器130に供給する。AGC増幅器130の出力は、ADC135に供給される。ここでADC135は、図示の例では240kHzのサンプリングクロックによって駆動され、240kS/sのデジタル信号をベースバンド処理回路(図示せず)に、処理のために供給する。この第1の手法による技術の重要な側面は、ADCクロック発生回路140において、240kHzのサンプリング周波数のN倍の基準クロックから240kHzのサンプリングクロックを、選択可能な位相で生成することである。
【0035】
本技術によれば、ADC135は、LTE受信機のデザインで一般的に使用される周波数である1.92MHzの代わりに、240kHzの周波数でクロックされる。この低いサンプリングレートは、RF受信機での演算量の低減、消費電力の低減、および直後のベースバンド信号処理におけるデータレートの低減を容易にする。ADCクロック発生回路140は、構成可能な位相シフトを有する240kHzのクロック信号をADC135に供給するために追加され、これにより所望のサンプリング時間精度を達成する。
図5に示されるタイミング制御信号は、本質的には、ADCクロック発生回路の出力信号に対してN個の選択可能な位相のうちの1つを選択する位相選択信号であり、ベースバンド処理回路におけるタイミング追跡機能から来るものである。
【0036】
ADCクロック発生回路140への入力基準クロックは、240kHzのサンプリング周波数よりもN倍高速である。ここで、Nはシステムの時間分解能要件に依存する値である。本明細書に記載された例示的なシステムにおいては、Nは8に選択される。これにより、既存の1.92MHzクロック回路を使用することができ、簡単なクロック分周器デザインの使用も容易になる。ただし、利用可能な基準クロックや調整可能な位相の分解能の要件に応じて、Nには他の値を使用してもよい。
【0037】
図6は、例示的なADCクロック発生回路の詳細を示している。このADCクロック発生回路は、ADC200に結合された、クロック分周器205および位相選択210を含む。
図6には、タイミング制御機能220およびIQデータコレクタ機能215も示されている。これらは多くの場合、ADC200とは別のベースバンド処理回路の一部であり、前者は一般にデジタル回路であり、後者はミックスド・シグナル回路である。クロック分周器205および位相セレクタ210は、非常に単純なデジタル論理回路で実現できるものであり、様々な実施形態において、単一のチップまたは単一のモジュールにおいて、ADC200と組み合わせてもよいし、IQデータコレクタ機能215およびタイミング制御機能230を含むベースバンド処理回路と組み合わせてもよいし、あるいは、クロック分周器205への基準クロック入力を生成する回路と組み合わせてもよい。
【0038】
なお、
図6に示す実施例は、所望のシステム性能を達成するために(1/1.92)マイクロ秒の時間分解能が必要であることを前提としている。すなわち、この例では、Nは8である。クロック分周器205は、入力周波数を8分の1に減少させることにより、位相セレクタ210からの出力によって決定される240kHzのクロック信号の位相(すなわち、時間オフセット)でもって、240kHzのクロックをADC200に提供する。
図7は、8つの異なる位相を有するクロックデシメーションおよび例示的なADCクロックを示している。基本的なデジタル論理設計に精通している者であれば、本明細書で説明するクロック分周回路をモジュロカウンタとして容易に実現できることは理解されよう。この場合、低減されたレートクロックサンプルを生成するためにモジュロカウンタ出力が満たすべき値を変更することによってサンプリング位相をシフトさせることができ、これによりサンプル位相の絶対変化を生成することができる。したがって、例えば、1.92MHzの入力周波数で動作する8分周回路は、従来のデジタル回路設計技術で容易に設計することができ、簡単な例では、それぞれがその入力を2分周する、3つのカスケード接続されたフリップフロップから構成され、カウンタとして構成される。クロック分周器の複数の可能な位相の中から選択するためのデジタル位相セレクタは、例えばクロック分周器の出力信号をゲートするためにカウンタの出力の選択可能な組み合わせを使用して容易に設計することができる。同じ機能を提供する他のクロック分周回路も可能であることは理解されよう。
【0039】
ベースバンド処理は、ダウンリンクタイミングを継続的にトラッキングする。このタイミングトラッキングからベースバンド処理回路によって決定される受信機タイミング調整が必要になると、ベースバンド処理はRF受信機にタイミング調整を与える。このタイミング調整は、例えば、サンプル間隔(240KS/sサンプリングレートに基づく)の整数および小数部分を含むことができる。これらの実施形態では、小数部分は位相セレクタ210に送られ、ADCクロックに対して複数の利用可能な位相の中から最良の位相を選択する。整数部はIQデータコレクタ機能215に与えられ、ADCが受信機(RX)信号の量子化されたサンプル値を書き込むIQデータバッファ内の適切な開始アドレスを決定する。なお、様々な実施形態において、IQデータコレクタ215およびタイミング制御部220は、ベースバンド処理回路および/または無線受信回路の一部であってもよい。IQデータコレクタ215は、複数の論理インスタンスにさらに存在してもよく、そのようなインスタンスの1つが、サービングセルまたは隣接セルの1つのセルにサービスを提供している。いくつかの実施形態では、IQデータコレクタ215の異なる論理インスタンスが、異なる場所に存在してもよい。例えば、サービングセルIQデータコレクタが無線受信機にあり、測定される隣接セルのIQデータコレクタがベースバンド内にあってもよい。IQデータコレクタの異なるインスタンスは、サービングセルにサービスを提供しているインスタンスが無線受信機からのサンプルを書き込む場所を指示する一方、隣接セルにサービスを提供しているインスタンスは、それぞれの隣接セルに関する特定の時間位置のサンプルを見つけるためにデータバッファのどこにあるかを指示するなど、異なる役割をさらに有することができる。
【0040】
上述の詳細な例により、本明細書で開示される装置の実施形態は、例えば
図6のADC200と同様の、アナログ入力、クロック入力、およびデジタル出力を有するADCを備える受信機を含む。これらの実施形態は、基準クロック入力および位相選択入力を有し、クロック出力がADC回路のクロック入力に結合された、例えば
図6のクロック分周器205および位相セレクタ210に対応するクロック分周回路をさらに含む。これらの実施形態におけるクロック分周回路は、基準クロック周波数がADCクロック周波数の整数N倍となるように、基準クロック入力に結合された基準クロック信号を基準クロック周波数で分周して、クロック出力においてADCクロック周波数でクロック出力信号を生成する。前記クロック分周回路は、更に、位相選択入力に印加される位相選択信号に応答して、クロック出力信号の複数の選択可能な位相の中から選択する。いくつかの実施形態では、クロック分周回路は、クロック出力信号のN個の選択可能な位相の中から選択する。
【0041】
いくつかの実施形態では、受信回路は、基準クロック入力に結合されたクロック回路を更に有する。このクロック回路は、例えば1.92MHzの周波数で基準クロック信号を供給するように構成されうる。これらの実施形態のいくつかでは、Nは8である。いくつかの実施形態では、ADC回路は逐次比較型ADC回路である。
【0042】
いくつかの実施形態では、受信回路は、ADC回路のデジタル出力からサンプリングされた信号を受信し、さらに、サンプリングされた信号によって搬送されるOFDM信号を復調する、ベースバンド処理回路を更に有する。例示的なベースバンド処理回路が
図8に示されており、以下、これについて詳しく説明する。処理は、例えば、OFDM信号を処理するための従来技術を用いて実施されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ベースバンド処理回路は、15kHzのサブキャリア間隔で12個のサブキャリアからなるOFDM信号を復調するように構成され、これらの実施形態のいくつかでは、ベースバンド処理回路は、サンプリングされた信号を240kHzのサンプリングレートで受信するように構成される。同様に、これらの実施形態のいくつかにおいては、ベースバンド処理回路は、1msのサブフレームごとに14個のOFDMシンボルからなるOFDM信号を選択的に復調するように構成される。いくつかの実施形態では、これは、ノーマルサイクリックプレフィックスモードに対応することができ、ベースバンド処理回路は、例えば、拡張サイクリックプレフィックスモードに対応する1msのサブフレーム当たり12個のOFDMシンボルからなるOFDM信号を選択的に復調するように構成される。
【0043】
図8には、関連するダウンリンク部分のための例示的なNB-IoT物理層アーキテクチャも示されている。RF回路370は、例えば240kS/sのサンプリングレートで、サンプルをベースバンド回路に供給する。サンプルは、PHY(物理層)データ復調部によるデータ復調(共通制御、専用制御、ブロードキャスト、ユニキャスト、マルチキャストデータ)に使用される。復調されるべき各時間領域OFDMシンボルは、FFT 300(例えば、240kS/sシステムの場合は16ポイントFFT)に供され、OFDMシンボルのリソース要素(REs)に対応する12個の出力は、シンボル開始ジッタを補償するジッタ補償ユニット305に供給される。その後、REサンプルは、チャネル推定器310、チャネル分析器315、およびコンバイナ・デマッパ325に供給される。チャネル推定器310は、パイロット/基準シンボル(共通であっても専用であってもよい)または同期信号などの、既知の信号を用いて伝搬チャネルを推定する。2つのアンテナポートがネットワークノードによって使用される場合、例示的なNB-IoT装置によって使用される単一の受信アンテナへの2つの無線経路が存在する。合成重み計算ユニット320は、チャネル推定値を取得し、2つの無線経路を介して受信されたデータを合成する最適な方法を決定する。これは、データを合成するときに重みを使用するコンバイナ・デマッパ325に合成重みを提供する。コンバイナ・デマッパ325は、REによって搬送された合成変調シンボルをソフトビットに変換する。変換されたソフトビットはその後、復号化のためにデータデコーダ335または制御デコーダ330に供給される。
【0044】
RF回路から受信された同じサンプルは、新たな同一周波数隣接セル(intra-frequency neighbor cells)の検出のため、および検出された隣接セルの追跡および測定のためにも使用されうる。NB-PSS検出器365により、時間領域において、一次同期信号検出が実行される。NB-PSSが検出されると、セルの物理層識別子を一意に提供する関連するNB-SSSを検出することによって、検出されたセルの識別子が決定される。NB-SSSは、NB-SSS検出器360によって検出される。NB-SSSは周波数領域で動作するため、340で変換され345でジッタ補償されたREによってNB-SSSが搬送される。
【0045】
どの隣接セルがサービングセルとして適しているかを決定するために、セルパワ・品質推定器350によって、検出された隣接セルの信号強度および信号品質が測定される。測定は、周波数領域において、例えば、パイロット/基準シンボル(共通でも専用でもよい)および/または同期信号などの既知の信号に対して実行される。
【0046】
セル追跡器355により、サービングセルおよび隣接セルのフレームタイミングが追跡される。特定の実施例では、代わりに、チャネル分析器315によってサービングセルフレーム時間追跡が処理されてもよい。
【0047】
ここに開示される技術および装置の他の態様は、アナログ信号をデジタル化する方法を含み、そのような方法の少なくともいくつかは、上記の装置に対応することができる。一般的なレベルでは、無線装置におけるそのような方法の1つは、サンプリング時間の端数でADCサンプリング位相を調整することであり、無線装置は、任意のシンボル間距離を整数個のサンプルで表すことができる最小サンプリングレートと比較して低減されたサンプリングレートによるサンプルで動作している。この方法では、無線装置は、少なくとも最小周波数に対応するクロッキングを提供する(すなわち、第1クロック信号を提供する)クロックと、低減された周波数に対応するクロッキングを提供する(すなわち、第2クロック信号を提供する)クロック分周器を含む。ここで、最小周波数および低減された周波数はそれぞれ、最小サンプリングレートおよび低減されたサンプリングレートに関連する。この方法は、望ましいサンプル位相補正を決定し、最小レートクロックサイクルのどの倍数が低減レートクロックサンプルを生成するかを選択するようクロック分周器を制御することを含む。
【0048】
この一般化された方法のいくつかの実施形態では、クロック分周器はモジュロカウンタによって実現される。これにより、サンプリング位相の相対的な変化を達成するために、サンプリング位相シフトに比例する値をカウンタに加えるかまたはカウンタから減じることによって、サンプリング位相をシフトさせることができる。他の実施形態では、クロック分周器はモジュロカウンタによって実現され、サンプリング位相は、低減されたクロックサンプルを生成するためにモジュロカウンタ出力が満たすべき値を変更することによってシフトされ、これによりサンプル位相の絶対変化を生じさせることができる。いくつかのケースにおいて、サンプリングされたシンボルは、ダウンリンクOFDMシンボルでありうる。いくつかの実施形態では、最小データレートと低減されたデータレートとの間には整数Nの関係が存在する。例えば、最小データレートは1.92MS/sであり、低減されたデータレートは240, 320, または480kS/sのいずれかでありうる。
【0049】
図9に方法の一例を示す。ブロック910に示すように、基準クロック周波数を有する基準クロック信号を提供する。ブロック920に示すように、基準クロック信号を整数Nで分周し、それによってクロック周波数でクロック出力信号を生成する。このクロック出力信号の生成は、位相選択信号に応答して、クロック出力信号の複数の選択可能な位相のうちの1つを選択することを含む。ブロック930に示すように、クロック出力信号は、アナログ入力およびデジタル出力を有するアナログ-デジタル(A/D)変換回路のクロック入力に印加される。ブロック940に示すように、ADC回路のアナログ入力に供給されるアナログ信号は、ADC回路のデジタル出力におけるデジタル出力信号に変換される。
【0050】
図9に示す方法のいくつかの実施形態では、クロック出力信号を生成することは、位相選択信号に応答して、クロック出力信号のN個の選択可能な位相の中から選択することを含む。いくつかの実施形態では、基準クロック周波数は1.92MHzであり、Nは8である。いくつかの実施形態では、ADC回路は逐次比較型ADC回路である。
【0051】
本明細書で説明される本発明の回路および技術は、OFDMを使用するシステムの文脈で説明されているが、実際の回路および技術は、より一般的に適用されうる。したがって、
図9に示す方法の実施形態における全ての、あるいはその一部においては、アナログ信号はOFDM信号である。OFDM信号は、いくつかの実施形態では、15kHzのサブキャリア間隔で12個のサブキャリアからなり、いくつかの実施形態では、クロック信号は240kHzである。いくつかの実施形態では、OFDM信号は、例えば、ノーマルサイクリックプレフィックスモードに対応する、1msサブフレームあたり14個のOFDMシンボルからなる。
図9に示す技術は、例えば、ノーマルサイクリックプレフィックスモード及び拡張サイクリックプレフィックスモードを有するシステムにおいて、異なる時間に異なるシンボルコンフィグレーションを有する信号に選択的に適用できることが理解されよう。
【0052】
不均一サンプリング
上述のように、本開示の技術および装置のいくつかの実施形態は、SAR ADCのようなADCをN個の位相のいずれかを用いてクロックするように構成されうるクロック分周回路を使用する。各位相は、サンプル間隔の1/Nずつサンプルタイミングをオフセットすることに対応する。結果として生じるサンプルクロックは、調整可能な位相を有するが、そのような調整の間に均一なサンプリングレートを有する。
【0053】
上述の問題、すなわち、低減されたサンプリングレート(例えば、240kS/s)をNB-IoT信号に適用するとサンプル間隔の整数倍ではないサイクリックプレフィックスが生じること、に対処する別のアプローチは、サイクリックプレフィックスのサンプリング時に不均一サンプリングを適用するようにデザインされたADCを使用することである。上述の他のアプローチと同様に、このアプローチは、適切なサイクリックプレフィックス除去を確実にするためにアップサンプリングを必要とせずにNB LTEを動作させる。したがって、このアプローチによれば、他のアプローチと同様、例えば、180kHzの有効NB-IoT帯域幅に対して1.92MHzのサンプリングレートを使用するシステムと比較して、チップセットのコストおよびチップセットの演算量を低減することができる。
【0054】
図10は、ダウンリンクNB-IoT受信機のアーキテクチャの例を示す。上述のように、NB LTEの有効帯域幅は、幅広いLTEキャリア内にデプロイされている場合でも、180kHzである。したがって、NB LTE受信機のRF成分405は、180kHzチャネル上で送信される無線信号を捕捉することのみが要求される。ナイキスト・サンプリング定理によれば、情報損失なしに信号を捕捉するには、ベースバンドに180kHzサンプリングレートを持たせれば十分である。それぞれが15kHz帯域幅を有する12個のサブキャリアが存在するので、演算量をできるだけ小さく抑えながらFFT処理を容易にするため、FFT/IFFTのサイズには16が選択される。その結果、ベースバンドサンプリングレートは、ダウンリンク受信機のRF成分の出力において、15kHz×16=240kHzである。
【0055】
図10の機能ブロックは、アナログ領域からデジタル領域に変換するためのADC410を含む。これは、例えば、シグマ-デルタADCまたは逐次比較型ADCとすることができる。ここに開示されている技術による実施形態では、このADC410は、変換の実行を瞬時に変更することが可能である。この特定のNB-LTEアプリケーションでは、ADC410の出力周波数は通常240kHzである。ただし、ADC410の内部周波数はさらに高くすることができ、実装の選択に依存する。
【0056】
図10の別の機能ブロックは、サンプリング実行制御部440である。これは、ADC410と共に、本開示の技術のいくつかの実施形態の受信機側コアブロックである。このブロックは、実際のサンプリング実行を制御する。それは、サブフレーム同期を得るために、システムの同期機能と相互通信する。ここに開示される技術の実施形態によれば、それはサンプルをカウントし、サイクリックプレフィックスがサンプリングされると、サンプリング位相を選択的に調整して、シンボルおよびサブフレームタイミングおよび位相アラインメントを維持する。より具体的には、ADC変換時間からサイクリックプレフィックスを完全に取り除くため、および、出力フィルタリング後に顕著な信号不連続性を伴わずに次のOFDMシンボルのサンプリング位置を設定するため、サブフレームのどのサイクリックプレフィックスがサンプリングされているかに応じて、240kHzドメインで表されている場合、ADCサンプリング周期時間の9/8または10/8がスキップされる。
図2を参照すると、ノーマルサイクリックプレフィックスの場合、10/8(1.25)のサンプル間隔は、サブフレームにおける第1シンボルおよび第8シンボルのサイクリックプレフィックスの長さに対応し、9/8(1.125)のサンプル間隔は、残りのサイクリックプレフィックスの長さに対応する。
【0057】
別のブロックは、RF受信機のデジタルフロントエンド(DFE)415である。これは、DC抑圧、IQインバランス補償、フィルタリングなどの既知の一般的なデジタル信号処理機能を含むことができる。16点FFT420を示すブロックは、サイクリックプレフィックスを除去する必要はない。なぜなら、それは既にAD変換時に除去されているからである。ダウンリンク受信機はまた、周波数領域等化器425及び復調器430を含む。
【0058】
図11は、サンプリング実行制御機能が上述のようにサンプリング位相を調整するとき、すなわちサンプリングを選択的にディスエーブルまたはイネーブルして、サイクリックプレフィックスを破棄し、かつ、サンプリング位相を補償するとき、のADCからの結果出力を示す。図からわかるように、ADCからの出力はサイクリックプレフィックスを省略し、各サイクリックプレフィックス間隔の後にサンプリングのタイミングを調整するので、各OFDMシンボルは、OFDMシンボルの終わりに対して同じインスタンスでサンプリングされる。
【0059】
図12は、OFDMシンボルの整数N
sym個の第2シーケンスの周波数サブバンド内で送信される、OFDMシンボルのN
sym個の第1シーケンスを含む信号を処理する受信回路における、上述の技術による例示的な方法を示す。ここで、OFDMシンボルの第1シーケンスおよびOFDMシンボルの第2シーケンスは、同じタイミングで送信される。OFDMシンボルの第2シーケンスの第1サイクリックプレフィックスは第1持続時間を有し、OFDMシンボルの第2シーケンスの第2サイクリックプレフィックスは第2持続時間を有する。第2持続時間は第1持続時間よりも短く、整数の等距離サンプルで第1および第2サイクリックプレフィックスの両方をサンプリングするために、第1サンプリングレートが必要とされる。この方法は、ブロック1210に示すように、第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートでOFDMシンボルの第1シーケンスを含む信号をサンプリングするステップを含む。ブロック1220に示すように、この方法は、サイクリックプレフィックス中にサンプリング位相を調整することを更に含む。
【0060】
例示された方法のいくつかの実施形態によれば、OFDMシンボルの第1シーケンスおよびOFDMシンボルの第2シーケンスのサブキャリア間隔は15kHzであり、第1持続時間は160/30.72μsであり、第2持続時間は144/30.72μsである。いくつかの実施形態では、OFDMシンボルの第1シーケンスのOFDMシンボルは、12個のサブキャリアを有する。第1サンプリングレートは、例えば、1.92MHzとすることができる。第2サンプリングレートは、例えば、240kHzとすることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1サイクリックプレフィックスは、OFDMシンボルの第2シーケンスにおける初期サイクリックプレフィックスであり、OFDMシンボルの第2シーケンスにおける後続の全てのサイクリックプレフィックスは、第2持続時間を有する。これらの実施形態のいくつかでは、OFDMシンボルの第2シーケンスは、第3世代パートナーシッププログラム(3GPP)LTEシステムで送信され、スロットに対応する。
【0062】
いくつかの実施形態では、サンプリング位相を調整することは、OFDMシンボル中の最初のサンプリング時点を、先行するOFDMシンボルの最後のサンプリング時点の後に第2サンプリングレートで非整数倍の周期を生じるように設定することを含む。
【0063】
上述の技術のいくつかの実施形態は、それぞれが先行するサイクリックプレフィックスを有するOFDMシンボルのシーケンスを含むアナログ信号をサンプリングする方法に関するものでありうる。この方法は、第1周波数を有するサンプリングクロック信号を用いてアナログ信号をサンプリングすることを有し、ここで、第1周波数は、サイクリックプレフィックスのうちの少なくとも第1サイクリックプレフィックスの各々がサンプリングクロック信号の整数個の周期とは等しくない長さを有するようにされている。このサンプリングステップは、
図13のブロック1310に示されたものに対応する。この方法は、更に、サイクリックプレフィックスのうちの少なくとも第1サイクリックプレフィックスのそれぞれについて、サンプリングによって得られた各OFDMシンボルのサンプルが、対応するシンボルの終端に関して、他のOFDMシンボルのサンプルと同じタイミングを有するように、前記サンプリングクロックの位相を調整するステップを有する。これは、
図13のブロック1320に対応する。
【0064】
いくつかの実施形態では、上記サンプリングするステップは、各OFDMシンボルのサンプリング中に等距離のサンプル間隔で実行される。いくつかの実施形態では、サンプリングは、サイクリックプレフィックスに対応するサンプルを破棄または省略することを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、サイクリックプレフィックスは、第1持続時間を有する第1サイクリックプレフィックスと、第1持続時間とは異なる第2持続時間を有する第2サイクリックプレフィックスとを含む。例えばいくつかの実施形態では、OFDMシンボルは、15kHzのサブキャリア間隔をもつ12個のサブキャリアを有し、上記第1周波数は240kHzであり、OFDMシンボルのうちの少なくとも第1シーケンスの各々の持続時間は144/30.72μsである。これらの実施形態のいくつかでは、サイクリックプレフィックスのうちの第1サイクリックプレフィックスの各々は、240kHzのサンプリングクロック周波数に対して1.125サンプル間隔に等しい持続時間を有し、サイクリックプレフィックスのうちの第2サイクリックプレフィックスの各々は、240kHzのサンプリングクロック周波数に対して1.25サンプル間隔に等しい持続時間を有する。
【0066】
本明細書に提示される解決策は、実施形態の本質的な特性から逸脱することなく、本明細書に具体的に示された解決策以外の方法で実施されうることは言うまでもない。本実施形態は、すべての点において例示であり、限定的なものではないと理解されるべきであり、添付の特許請求の範囲の主旨および均等な範囲内に入るすべての変更は、その中に包含されることが意図されている。