(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記登録タグ抽出部は、前記取得されたエピソードに基づいて、前記登録タグをテキストマイニングにより抽出することを特徴とする請求項1に記載のエピソード管理装置。
前記登録タグ提示部は、前記登録タグ管理部により管理されるタグ情報のうち、前記検索タグと一致する登録タグを相対的に多く含むタグ情報における登録タグを前記検索ユーザに選択可能に提示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のエピソード管理装置。
前記エピソード提示部は、前記エピソード管理部により管理されるエピソードのうち、前記検索ユーザにより選択された登録タグを相対的に多く含むタグ情報と対応付けられたエピソードを前記検索ユーザに提示することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のエピソード管理装置。
前記エピソード管理装置は、少なくとも1つ以上の設備について、該設備の動作により生じる変化を測定するセンサによる測定値、または該設備により出力されるエラーコードを、設備ログとして、該設備と対応付けて時系列に管理する設備ログ管理部と接続され、
前記エピソード取得部は、前記登録ユーザにより入力された前記エピソードに係る設備を示す設備情報と、該エピソードに係る時間範囲を示す時間情報を取得し、
前記エピソード管理装置は、前記取得された設備情報及び時間情報に基づいて、前記設備ログ管理装置から前記設備ログを取得する設備ログ取得部を更に備え、
前記エピソード管理部は、前記取得されたエピソードと、前記取得された設備ログとを対応付けて管理することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のエピソード管理装置。
前記登録タグ抽出部は、前記取得された設備ログにエラーコードが含まれる場合、該エラーコードを前記登録タグとして抽出することを特徴とする請求項7に記載のエピソード管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
(全体構成)
本実施形態に係るエピソード管理システムの全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るエピソード管理システムの全体構成を示す概略図であり、
図2は、このエピソード管理システムが運用される施設を示す概略図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るエピソード管理システム1は、エピソード管理装置10と、少なくとも1つ以上のクライアント装置20と、ユーザログ管理装置30と、設備ログ管理装置40とを含む。エピソード管理装置10は、エピソードを蓄積して管理する装置であり、1つ以上のクライアント装置20、ユーザログ管理装置30、及び設備ログ管理装置40とネットワークを介して接続される。本実施形態において、エピソード管理システム1は、所定の組織に属する複数のユーザ間において、組織が有する目標の達成に関わる知識や経験としてのエピソードを共有するために運用されるものとする。
【0014】
本実施形態においては、生産手段として複数の施設を有する企業においてエピソード管理システム1が運用されるものとし、各施設は工場Fであるものとする。この工場Fは、
図2に示すように、その内部に複数の生産ラインLを有する。各生産ラインLは複数の作業工程Pを有し、各作業工程Pには、ワークWに加工を施すための設備Eが設けられる。また、各作業工程Pには、生産作業に従事する作業者として、エピソード管理システム1を利用するユーザUが配員されるものとする。
【0015】
クライアント装置20は、ユーザUがエピソード管理システム1を利用する際に操作する端末装置である。ユーザUは、企業において共有すべきエピソードを、クライアント装置20を介してエピソード管理装置10に登録するとともに、エピソード管理装置10に登録されたエピソードを、クライアント装置20を介してエピソード管理装置10から取得する。
【0016】
工場Fで作業を行うユーザUのそれぞれは、HID(Human Interface Device)を身に着けているものとし、このHIDは、設備Eを用いた作業に係るユーザUの動作や、工場F内のユーザUの位置を測定するセンサと、ユーザUにより発話された音声を記録するためのマイクなど、ユーザUの行動を測定する測定装置とし、例えば、ユーザUの手首に装着可能なリストバンド型の装置として提供される。このようなHIDにより測定された各ユーザUのユーザログとしての測定データ及び音声データは、ネットワークを介してユーザログ管理装置30に送信される。ユーザログ管理装置30は、HIDを一意に示すデバイスIDと受信したユーザログとを対応付け、タイムスタンプを付して時系列に管理するとともに、エピソード管理装置10からの要求に応じてユーザログをエピソード管理装置10へ送信する。
【0017】
工場F内に設けられた設備Eのそれぞれには、設備センサが設けられるものとし、この設備センサは、温度や振動などの設備Eの動作により生じる変化を測定するセンサである。また、各設備Eは、エラーが生じた際に、エラーの種別を示す識別子であるエラーコードを出力する。このような設備センサにより測定された各設備Eのセンサ値やエラーコードは、設備ログとして、ネットワークを介して設備ログ管理装置40に送信される。設備ログ管理装置40は、受信した設備ログを個々の設備Eと対応付け、タイムスタンプを付して時系列に管理するとともに、エピソード管理装置10からの要求に応じて設備ログをエピソード管理装置10へ送信する。
【0018】
(ハードウェア構成)
エピソード管理システムにおける各装置のハードウェア構成について説明する。
図3は、エピソード管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0019】
エピソード管理装置10は、
図3に示すように、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、記憶装置13、入出力I/F(Interface)14、ネットワークI/F15を備える。CPU11及びRAM12は協働して各種機能を実行し、記憶装置13は各種機能により実行される処理(エピソード管理プログラム)に用いられる各種データを記憶する。入出力I/F14は、エピソード管理装置10に接続されるキーボードなどの入力装置やディスプレイなどの出力装置とのデータの入出力を行う。ネットワークI/F15は、クライアント装置20、ユーザログ管理装置30や設備ログ管理装置40などの他の装置との有線通信または無線通信を行う。本実施形態においては、クライアント装置20、ユーザログ管理装置30、設備ログ管理装置40はエピソード管理装置10と略同様のハードウェア構成であるものとし、よって説明を省略する。
【0020】
(エピソード管理装置の機能構成)
エピソード管理装置の機能構成について説明する。
図4は、エピソード管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【0021】
図4に示すように、エピソード管理装置10は、機能として、ユーザ管理部101、認証処理部102、エピソード取得部103、ユーザログ取得部104、施設管理部105、設備ログ取得部106、エピソード管理部107、登録タグ抽出部108、登録タグ管理部109、条件取得部110、検索タグ抽出部111、登録タグ提示部112、関連タグ提示部113、エピソード提示部114を備える。
【0022】
ユーザ管理部101は、ユーザを一意に示す識別子であるユーザIDと、認証情報としてのパスワードと、ユーザが身に着けるHIDのデバイスIDとをユーザ情報として対応付けて管理する。また、ユーザ情報においては、後述する施設ID、生産ラインID、生産工程IDが、ユーザの所属先として、ユーザIDと対応付けられる。
【0023】
認証処理部102は、ユーザIDとこれに対応するパスワードによるユーザの認証を行う。エピソード取得部103は、認証処理部102により認証されたユーザによりテキスト入力されたエピソードを取得する。ユーザログ取得部104は、ユーザログ管理装置30から、ユーザIDに対応するデバイスIDに対応付けられたユーザログを取得する。
【0024】
施設管理部105は、エピソード管理システム1が運用される企業が有する複数の施設を一意に示す施設IDと、それぞれの施設に属する生産ラインを一意に示す生産ラインIDと、それぞれの生産ラインに属する作業工程を一意に示す生産工程IDと、それぞれの作業工程において設けられる設備を一意に示す設備IDとを、これらの所属関係を示すように対応付けて施設情報として管理する。なお、施設ID、生産ラインID、生産工程ID、設備IDは、エピソード管理システム1の運用に先立って、エピソード管理システム1の管理者によって予め登録されるものとする。
【0025】
設備ログ取得部106は、設備ログ管理装置40から、設備IDに対応付けられた設備ログを取得する。この設備ログの取得に用いられる設備IDは、後に詳述するように、施設情報において、エピソードが取得される際に共に取得される生産工程IDと対応付けられた設備IDである。
【0026】
エピソード管理部107は、認証処理部102により認証されたユーザIDと、エピソード取得部103により取得されたエピソードと、ユーザログ取得部104により取得されたユーザログと、設備ログ取得部106により取得された設備ログとを含むコンテンツ情報を、このコンテンツ情報を一意に示す識別子であるコンテンツIDと対応付けて管理する。
【0027】
登録タグ抽出部108は、コンテンツ情報に含まれるエピソードから、このコンテンツ情報についてのメタ情報を登録タグとして抽出する。ここで、登録タグ抽出部108は、エピソードに対するテキストマイニング、設備ログに含まれるエラーコードの取得によって登録タグを抽出する。エピソードについては、後に詳述するように、抽出された2つのタグの組として示される関連タグを更に抽出する。
【0028】
登録タグ管理部109は、登録タグ抽出部108により抽出される登録タグと関連タグとを含むタグ情報と、このタグ情報が抽出されるコンテンツ情報を示すコンテンツIDとを対応付けて管理する。
【0029】
条件取得部110は、エピソード管理部107により管理された所望のコンテンツ情報を得るためにユーザにより入力された条件を取得する。条件としては、後に詳述するように、施設ID、作業工程ID、生産ラインID、テキスト、タグなどがユーザにより入力または選択される。
【0030】
検索タグ抽出部111は、条件取得部110により取得された条件に基づいて検索タグを抽出する。この検索タグは、設備ログ管理装置40において、条件として取得された施設ID、作業工程ID、生産ラインIDに関連する設備IDに対応付けられた設備ログに含まれるエラーコードや、条件として入力されたテキストに対してテキストマイニングにより抽出したワードである。
【0031】
登録タグ提示部112は、検索タグ抽出部111により抽出された検索タグに基づいて、登録タグ管理部109に管理されるタグ情報についてスコア算出を行い、登録タグをスコアが高い順に並べてユーザに選択可能に提示する。
【0032】
関連タグ提示部113は、登録タグ提示部112により提示された登録タグのうち、ユーザにより選択された登録タグに基づいて、登録タグ管理部109に管理されるタグ情報についてスコア算出を行い、スコアが所定以上のタグ情報に含まれる関連タグをユーザに提示する。
【0033】
エピソード提示部114は、ユーザによって選択された全ての登録タグに基づいて、登録タグ管理部109により管理されるタグ情報についてスコア算出を行い、エピソード管理部107に管理されるコンテンツ情報を、対応するタグ情報について算出されたスコアが高い順にユーザに提示する。
【0034】
(エピソード管理装置の全体動作)
エピソード管理装置の全体動作について説明する。
図5は、エピソード管理装置の全体動作を示すフローチャートである。なお、
図5においては、予め所定のユーザの認証がなされているものとする。
【0035】
図5に示すように、エピソード管理装置10は、まず、クライアント装置20を介して、ユーザから処理要求がなされたか否かを判定する(S101)。
【0036】
処理要求がなされた場合(S101,YES)、エピソード管理装置10は、ユーザからの処理要求が登録要求であるか否かを判定する(S102)。
【0037】
処理要求が登録要求ではない場合(S102,NO)、エピソード管理装置10は、ユーザからの処理要求が検索要求であるか否かを判定する(S103)。
【0038】
処理要求が検索要求である場合(S103,YES)、エピソード管理装置10は、後述するエピソード検索処理を実行し(S104)、再度、ユーザから処理要求がなされたか否かを判定する(S101)。
【0039】
一方、処理要求が検索要求ではない場合(S103,NO)、エピソード管理装置10は、再度、ユーザから処理要求がなされたか否かを判定する(S101)。
【0040】
また、ステップS102において、処理要求が登録要求である場合(S102,YES)、エピソード管理装置10は、後述するエピソード登録処理を実行し(S105)、再度、ユーザから処理要求がなされたか否かを判定する(S101)。
【0041】
また、ステップS101において、処理要求がなされない場合(S101,NO)、エピソード管理装置10は、再度、ユーザから処理要求がなされたか否かを判定する(S101)。
【0042】
(エピソード登録処理)
エピソード登録処理について説明する。
図6は、エピソード登録処理の動作を示すフローチャートである。
図7は、エピソード登録画面を示す図である。
図8は、登録タグ、関連タグの抽出を示す図である。
【0043】
図6に示すように、まず、エピソード取得部103は、ユーザからクライアント装置20を介して入力されたエピソード情報を取得する(S201)。このエピソード情報は、
図7に示すようなエピソード登録画面における各項目に対する選択またテキスト入力がユーザによりなされることにより取得される。このエピソード情報には、入力したユーザのユーザIDと、入力項目としての「施設」、「作業工程」、「生産ライン」、「時間範囲」、「件名」、「事象」及び「対処」とが含まれる。
【0044】
「施設」、「作業工程」、「生産ライン」の各項目は、登録するエピソードが生じた場所を示すための情報として、いずれも施設管理部105により管理される施設ID、作業工程ID、生産ラインIDをユーザにより選択可能に提示する。「施設」、「作業工程」、「生産ライン」の各項目における選択肢は、「第1工場」、「上面研削」、「1号ライン」というように、識別子により示される対象の名称として提示される。なお、「施設」、「作業工程」、「生産ライン」の各項目は、デフォルト設定として、ユーザ情報においてユーザIDと対応付けられた施設ID、生産ラインID、生産工程IDが予め選択される。
【0045】
「時間範囲」の項目は、登録するエピソードが生じた時間範囲を示すための情報として、2つのテキスト入力フィールドを有する。一方のテキスト入力フィールドにはエピソードが生じた時点の日時が入力され、他方のテキスト入力フィールドにはエピソードが収束した時点の日時が入力される。
【0046】
「件名」、「事象」、「対処」の各項目は、それぞれ1つのテキスト入力フィールドを有する。「件名」には、他のユーザがエピソードの概要を容易に把握するためのエピソードの名称が入力される。「事象」及び「対処」には、エピソードを表現するテキストが入力され、「事象」には対処すべき出来事を表すテキストが入力されることが想定され、「対処」には「事象」に入力した出来事に対する適切な対処を表すテキストが入力されることが想定される。
【0047】
エピソード取得部103によりエピソード情報が取得された後、ユーザログ取得部104は、エピソード情報に含まれるユーザIDと時間範囲とに基づいて、ユーザログ管理装置30からユーザログ情報を取得する(S202)。ここで、ユーザログ取得部104は、ユーザ管理部101に管理されるユーザ情報を参照し、ユーザIDと対応付けられたデバイスIDを取得し、ユーザログ管理装置30において、このデバイスIDに対応付けられたユーザログのうち、エピソード情報に含まれる時間範囲に該当するユーザログをユーザログ情報として取得する。
【0048】
また、設備ログ取得部106は、エピソード情報に含まれる施設ID、生産ラインID、生産工程ID及び時間に基づいて、設備ログ管理装置40から設備ログ情報を取得する(S203)。ここで、設備ログ取得部106は、施設管理部105により管理される施設情報からエピソード情報に含まれる施設ID、生産ラインID、生産工程IDの組み合わせに対応付けられる設備IDを取得し、設備ログ管理装置40において、この設備IDに対応付けられた設備ログのうち、エピソード情報に含まれる時間範囲に該当する設備ログを設備ログ情報として取得する。
【0049】
次に、エピソード管理部107は、エピソード取得部103により取得されたエピソード情報と、ユーザログ取得部104により取得されたユーザログ情報と、設備ログ取得部106により取得された設備ログ情報とを対応付けてコンテンツ情報とし、このコンテンツ情報を一意に示す識別子であるコンテンツIDを付して管理する(S204)。
【0050】
次に、登録タグ抽出部108は、コンテンツ情報に基づいて登録タグを抽出する(S205)。具体的には、登録タグ抽出部108は、コンテンツ情報のうち、エピソード情報、設備ログ情報のそれぞれについて登録タグを抽出する。エピソード情報からは、施設ID、生産ラインID、生産工程IDのそれぞれにより示される対象の名称が登録タグとして抽出され、「事象」、「対処」として入力されたテキストから一部が登録タグとして抽出されるとともに、2つの登録タグ同士の関連を示す関連タグが抽出される。また、設備ログ情報にエラーコードが含まれる場合には、このエラーコードが登録タグとして抽出される。
【0051】
登録タグはkeyとvalueの組として抽出され、valueには登録タグとして抽出された値が代入され、keyにはvalueが属するカテゴリが代入される。テキストから抽出される登録タグ以外については、keyとしてのカテゴリとして、「施設」、「生産ライン」、「作業工程」、「エラーコード」などがあり、例えば、「施設=第1工場」、「作業工程=上面研削」、「生産ライン=1号ライン」、「エラーコード=ERR001」というように、「key=value」の形式で表現される。
【0052】
ここで、テキストからの登録タグの抽出について説明する。登録タグは、
図8に示すように、「事象」、「対処」として入力された文に対してテキストマイニング処理により抽出され、keyとしては、「事象」、「処置」、「対象」がある。テキストマイニング処理に先立って、「事象」の値として受動的な出来事を表す文節を抽出するように、「処置」の値として能動的な出来事を表す文節を抽出するように、また、「対象」の値として「事象」または「処置」として記述される出来事の主体または対象を抽出するように、機械学習がなされる。登録タグ抽出部108によるテキストマイニング処理は、このような機械学習により得られた予測モデルに基づき登録タグを抽出する。また、登録タグ抽出部108は、「対象」として抽出した登録タグと、この登録タグを主体または対象とする「事象」または「処置」として抽出された登録タグとの組を関連タグとして抽出する。
【0053】
登録タグ、関連タグの抽出後、登録タグ管理部109は、登録タグ、関連タグを含むタグ情報に対して、これらの抽出元であるコンテンツ情報に付されたコンテンツIDを付して管理し(S206)、エピソード登録処理が終了される。
【0054】
(エピソード検索処理)
エピソード検索処理について説明する。
図9は、エピソード検索処理の動作を示すフローチャートである。
図10は、エピソード検索画面を示す図である。
【0055】
図9に示すように、まず、条件取得部110は、ユーザからクライアント装置20を介して入力された検索情報を取得する(S301)。この検索情報は、
図10に示すようなエピソード検索画面における各項目に対する選択またはテキスト入力がユーザによりなされることにより取得される。この検索情報には、入力したユーザのユーザIDと、入力項目としての、「施設」、「作業工程」、「生産ライン」、「フリーワード」が含まれる。
【0056】
上述したエピソード登録画面における項目と同様に、「施設」、「作業工程」、「生産ライン」の各項目は、提示を要求するエピソード、即ち検索結果として求めるエピソードが生じた場所を示すための情報として、いずれも施設管理部105により管理される施設ID、作業工程ID、生産ラインIDをユーザにより選択可能に提示する。なお、「施設」、「作業工程」、「生産ライン」の各項目は、デフォルト設定として、ユーザ情報においてユーザIDと対応付けられた施設ID、生産ラインID、生産工程IDが予め選択される点についても、エピソード登録処理と同様である。
【0057】
「フリーワード」の項目は、1つのテキスト入力フィールドを有し、このテキスト入力フィールドには、過去の同様のエピソードから他のユーザによりどのような対処がなされたかをユーザが調べるため、エピソード登録画面における「事象」の項目と同様に、対処すべき出来事を表すテキストが入力されることが想定される。
【0058】
検索情報の取得後、条件取得部110は、検索情報に含まれる施設ID、生産ラインID、生産工程ID及び現在時刻に基づいて、設備ログ管理装置40に管理される設備ログ情報に該当するエラーコードが含まれるか否かを判定する(S302)。ここで、条件取得部110は、施設管理部105により管理される施設情報から検索情報に含まれる施設ID、生産ラインID、生産工程IDの組み合わせに対応付けられる設備IDを取得し、設備ログ管理装置40において、この設備IDに対応付けられた設備ログとしてのエラーコードのうち、予め設定された時間だけ遡った時点から現在時刻までの時間範囲に該当するエラーコードが存在するか否かを判定する。
【0059】
該当するエラーコードが含まれている場合(S302,YES)、条件取得部110は、エラーコードを取得して検索情報に含める(S303)。
【0060】
次に、検索タグ抽出部111は、検索情報に基づいて検索タグを抽出する(S304)。具体的には、検索タグ抽出部111は、検索情報から、施設ID、生産ラインID、生産工程IDのそれぞれにより示される対象の名称が検索タグとして抽出されるとともに、「フリーワード」として入力されたテキストから一部が検索タグとして抽出される。また、検索情報に条件取得部110により取得されたエラーコードが含まれる場合には、このエラーコードが検索タグとして抽出される。なお、検索タグは、登録タグと同様に、keyとvalueの組として抽出される。「フリーワード」として入力されたテキストからの検索タグの抽出は、登録タグと同様に、予測モデルに基づくテキストマイニング処理により抽出され、keyとしては「事象」、「対象」がある。
【0061】
検索タグの抽出後、登録タグ提示部112は、
図10に示すようにエピソード登録画面において登録タグをユーザに提示する登録タグ提示処理を実行する(S305)。この登録タグ提示処理については後に詳述する。
【0062】
次に、関連タグ提示部113は、登録タグ提示処理によりユーザに提示された登録タグのうち、少なくとも1つがユーザに選択されたか否かを判定する(S306)。
【0063】
登録タグがユーザに選択された場合(S306,YES)、関連タグ提示部113は、ユーザにより関連タグ提示要求がなされたか否かを判定する(S307)。ここで、関連タグ提示要求は、
図10に示すエピソード登録画面における「関連タグ」ボタンが押下されることによりなされるものとする。
【0064】
関連タグ提示要求がなされない場合(S307,NO)、エピソード提示部114は、ユーザによりエピソード提示要求がなされたか否かを判定する(S308)。ここで、エピソードタグ提示要求は、
図10に示すエピソード登録画面における「検索」ボタンが押下されることによりなされるものとする。
【0065】
エピソード提示要求がなされた場合(S308,YES)、エピソード提示部114は、選択された登録タグに基づいてユーザにエピソードを提示するエピソード提示処理を実行し(S309)、エピソード検索処理が終了される。このエピソード提示処理については後に詳述する。
【0066】
一方、エピソード提示要求がなされない場合(S308,NO)、関連タグ提示部113は、再度、ユーザにより関連タグ提示要求がなされたか否かを判定する(S307)。
【0067】
また、ステップS307において、関連タグ提示要求がなされた場合(S307,YES)、関連タグ提示部113が選択された登録タグに基づいてユーザに関連タグを提示する関連タグ提示処理を実行し(S310)、エピソード提示部114がユーザによりエピソード提示要求がなされたか否かを判定する(S308)。なお、関連タグ提示処理については後に詳述する。
【0068】
また、ステップS306において、登録タグがユーザにより選択されない場合(S306,NO)、関連タグ提示部113は、再度、登録タグ提示処理によりユーザに提示された登録タグのうち、少なくとも1つがユーザに選択されたか否かを判定する(S306)。
【0069】
また、ステップS302において、該当するエラーコードが含まれている場合(S302,YES)、検索タグ抽出部111は、検索情報に基づいて検索タグを抽出する(S304)。
【0070】
(登録タグ提示処理)
登録タグ提示処理について説明する。
図11は、登録タグ提示処理の動作を示すフローチャートである。
【0071】
図11に示すように、まず、登録タグ提示部112は、登録タグ管理部109により管理される全てのタグ情報に含まれる登録タグのうち、検索タグ抽出部111により抽出された検索タグのいずれかと一致する登録タグがあるか否かを判定する(S401)。
【0072】
検索タグと一致する登録タグがある場合(S401,YES)、登録タグ提示部112は、登録タグ管理部109により管理される全てのタグ情報のそれぞれに対してスコアを算出する(S402)。ここで算出されるスコアは、検索タグとの一致度合いを数値により示すものであり、検索タグと一致する登録タグを多く含むほど高い数値となるように算出される。
【0073】
スコアの算出後、登録タグ提示部112は、算出されたスコアが所定の値以上であるタグ情報を選択する(S403)。なお、ここで、登録タグ提示部112は、算出されたスコアが相対的に高いタグ情報を選択すれば良く、例えば、スコアが高い順にソートした際に上位から所定数のタグ情報を選択するようにしても良い。
【0074】
次に、登録タグ提示部112は、選択した全てのタグ情報に含まれる全ての登録タグについて、重複する登録タグを除去しつつその重複数をカウントし(S404)、
図10に示すように、重複数が多い順にソートして選択可能にユーザに提示する(S405)。なお、
図10においては、カテゴリ別、即ちkeyに設定された値別に登録タグを提示している。
【0075】
また、ステップS401において、検索タグと一致する登録タグがない場合(S401,NO)、登録タグ提示部112は、エラー表示として、検索タグと一致する登録タグが存在しない旨をユーザに提示し(S406)、登録タグ提示処理を終了する。
【0076】
このように、ユーザにより入力された条件から抽出された検索タグに一致する登録タグを提示することによって、エピソードを検索するのに適した登録タグの選択を催すことができる。
【0077】
(関連タグ提示処理)
関連タグ提示処理について説明する。
図12は、関連タグ提示処理の動作を示すフローチャートである。
図13は、提示される関連タグを示す図である。
【0078】
図12に示すように、まず、関連タグ提示部113は、登録タグ管理部109により管理される全てのタグ情報のそれぞれに対してスコアを算出する(S501)。ここで算出されるスコアは、選択された登録タグとの一致度合いを数値により示すものであり、選択された登録タグと一致する登録タグを多く含むほど高い数値となるように算出される。
【0079】
スコアの算出後、関連タグ提示部113は、算出されたスコアが所定の値以上であるタグ情報を選択する(S502)。なお、ここで、関連タグ提示部113は、算出されたスコアが相対的に高いタグ情報を選択すれば良く、例えば、スコアが高い順にソートした際に上位から所定数のタグ情報を選択するようにしても良い。
【0080】
次に、関連タグ提示部113は、選択した全てのタグ情報に含まれる全ての関連タグについて、重複する関連タグを除去しつつその重複数をカウントし(S503)、
図13に示すように、カウント数が所定の値以上である関連タグを選択可能にユーザに提示する(S504)。なお、
図13においては、2つの関連タグが真または偽に値を切替可能なチェックボックスにより選択可能に提示される。
【0081】
次に、関連タグ提示部113は、提示した関連タグがユーザにより選択されたか否かを判定する(S505)。本実施形態において、関連タグ提示部113は、ユーザに提示した関連タグに付されたチェックボックスのいずれかを真とし、「登録タグを選択」ボタンが押下された場合に、関連タグが選択されたと判定する。
【0082】
提示した関連タグがユーザにより選択された場合(S505,YES)、関連タグ提示部113は、選択された関連タグに含まれる登録タグを選択し(S506)、関連タグ提示処理を終了する。
【0083】
一方、提示した関連タグがユーザにより選択されない場合(S505,NO)、関連タグ提示部113は、関連タグ提示処理を終了する。
【0084】
このように、ユーザにより選択された登録タグと一致する登録タグを比較的多く含むタグ情報に含まれる関連タグのうち、比較的重複する関連タグをユーザに選択可能に提示することによって、エピソードを検索するのに適した登録タグの選択の組み合わせをユーザに催すことができる。
【0085】
(エピソード提示処理)
エピソード提示処理について説明する。
図14は、エピソード提示処理の動作を示すフローチャートである。
図15は、エピソード提示画面を示す図である。
【0086】
図14に示すように、まず、エピソード提示部114は、登録タグ管理部109により管理される全てのタグ情報のそれぞれに対してスコアを算出する(S601)。ここで算出されるスコアは、選択された登録タグとの一致度合いを数値により示すものであり、選択された登録タグと一致する登録タグを多く含むほど高い数値となるように算出される。
【0087】
スコアの算出後、エピソード提示部114は、算出されたスコアが所定の値以上であるタグ情報を選択する(S602)。なお、ここで、エピソード提示部114は、算出されたスコアが相対的に高いタグ情報を選択すれば良く、例えば、例えば、スコアが高い順にソートした際に上位から所定数のタグ情報を選択するようにしても良い。
【0088】
次に、エピソード提示部114は、エピソード管理部107に管理されるコンテンツ情報のうち、選択したタグ情報に対応するコンテンツ情報、即ち、選択したタグ情報と同一のコンテンツIDが付されたコンテンツ情報を選択する(S603)。
【0089】
コンテンツ情報の選択後、エピソード提示部114は、選択したコンテンツ情報及びタグ情報を算出したスコアが高い順にソートしてユーザに提示する(S604)。ここで、エピソード提示部114は、選択したコンテンツ情報に含まれるエピソード情報をリスト表示し、具体的には、
図15に示すようなエピソード提示画面において、エピソード毎に、エピソード情報における「件名」、「事象」、「処置」を表示する。また、リスト表示されたエピソードのそれぞれには、「詳細」ボタンが対応して表示されており、この「詳細」ボタンが押下することによって、エピソードに対応するユーザログ情報、設備ログ情報、登録タグ情報がユーザに提示される。また、エピソード提示画面においては、ユーザがネットワーク表示を要求するための「ネットワーク表示」ボタンが表示される。
【0090】
次に、エピソード提示部114は、ネットワーク表示が要求された否かを判定する(S605)。
【0091】
ネットワーク表示が要求された場合(S605,YES)、登録タグ提示部112は、選択したタグ情報に含まれる登録タグ同士の関連を表示するネットワーク表示処理を実行し(S606)、エピソード提示処理を終了する。このネットワーク表示処理については、後に詳述する。
【0092】
一方、ネットワーク表示が要求されない場合(S605,NO)、エピソード提示部114は、エピソード提示処理を終了する。
【0093】
(ネットワーク表示処理)
ネットワーク表示処理について説明する。
図16は、ネットワーク表示処理の動作を示すフローチャートである。
図17は、ネットワーク表示画面を示す図である。なお、このネットワーク表示処理は、所定のカテゴリ(keyの値)順に登録タグを接続して表示するものであり、
図16においては、カテゴリの順序が予め設定されているものとする。また、ネットワーク表示処理において用いられるタグ情報は、上述したエピソード提示処理におけるステップS602において選択されたタグ情報とする。
【0094】
まず、
図16に示すように、登録タグ提示部112は、未選択のタグ情報を選択し(S701)、カテゴリ順序が設定されたカテゴリのうち、未選択のカテゴリをカテゴリ順序に従って順次選択する(S702)。次に、登録タグ提示部112は、keyの値が選択中のカテゴリである登録タグを接続元として選択し(S703)、カテゴリ順序において選択中のカテゴリの次のカテゴリである登録タグを接続先として選択して(S704)、2つの登録タグを接続する。
【0095】
登録タグの接続後、登録タグ提示部112は、順序が設定されたカテゴリにおいて、未選択のカテゴリが2つ以上あるか否かを判定する(S705)。
【0096】
未選択のカテゴリが2つ未満である場合(S705,NO)、登録タグ提示部112は、未選択のタグ情報があるか否かを判定する(S706)。
【0097】
未選択のタグ情報がない場合(S706,NO)、登録タグ提示部112は、登録タグの統合のためのカテゴリの選択を行う(S707)。ここで登録タグ提示部112は、カテゴリ順序が設定されたカテゴリのうち、統合のための選択において未選択のカテゴリを選択する。
【0098】
カテゴリの選択後、登録タグ提示部112は、選択中のカテゴリにおいて、重複する登録タグ、即ち、他の登録タグとvalueの値が同一である登録タグがあるか否かを判定する(S708)。
【0099】
重複する登録タグがある場合(S708,YES)、登録タグ提示部112は、重複する登録タグを統合する(S709)。ここで、登録タグ提示部112は、重複する登録タグを、他の登録タグとの接続を保ったまま1つの登録タグとするとともに、登録タグの重複数をカウントする。
【0100】
登録タグの統合後、登録タグ提示部112は、統合のための選択において未選択のカテゴリがあるか否かを判定する(S710)
【0101】
未選択のカテゴリがない場合(S710,NO)、登録タグ提示部112は、登録タグのネットワークを表示し(S711)、ネットワーク表示処理を終了する。
【0102】
一方、未選択のカテゴリがある場合(S710,YES)、登録タグ提示部112は、再度、未選択のカテゴリを選択する(S707)。
【0103】
また、ステップS708において、重複する登録タグがない場合(S708,NO)、登録タグ提示部112は、未選択のカテゴリがあるか否かを判定する(S710)
【0104】
また、ステップS706において、未選択のタグ情報がある場合(S706,YES)、登録タグ提示部112は、再度、未選択のタグ情報を選択する(S701)。
【0105】
また、ステップS705において、未選択のカテゴリが2つ以上ある場合(S705,YES)、登録タグ提示部112は、再度、未選択のカテゴリを選択する(S702)。
【0106】
このように生成される登録タグのネットワークは、
図17に示すように、各登録タグをそれぞれ示すノードNと、予め設定されたカテゴリ順において隣接する2つのカテゴリのそれぞれに属する2つのノードを接続するリンクLとを含み、同一カテゴリにおける重複する登録タグを統合して登録タグ同士の接続関係をリンクLにより示すものとして表示され、各登録タグの重複数はバブル形式によりノードNを示す図形である円の大きさとして示される。この登録タグのネットワーク表示によれば、多くの登録タグに接続されている登録タグを、エピソードを検索する上で重要な登録タグとして、ユーザが直観的に把握することができる。また、ノードNが示す登録タグが属するカテゴリによってノードNの表示を異ならせることによって、着目するノードNがどのカテゴリに属するのかをユーザが容易に把握することができる。なお、
図17においては、ネットワークとして表示させるカテゴリの順序が「部位」、「事象」、「処置」の順に設定されているものとする。また、
図17においては、ノードNの描画色がカテゴリ別に異なっているが、例えば、ノードNを示す図形の形状をカテゴリ別に異ならせても良い。
【0107】
本実施の形態において、エピソード管理プログラムは上述したエピソード管理装置の内部に予めインストールされているものとして記載したが、本発明におけるエピソード管理プログラムは記憶媒体に記憶されたものも含まれる。ここで記憶媒体とは、磁気テープ、磁気ディスク(ハードディスクドライブ等)、光ディスク(CD−ROM、DVDディスク等)、光磁気ディスク(MO等)、フラッシュメモリ等、エピソード管理装置に対し脱着可能な媒体や、さらにネットワークを介することで伝送可能な媒体等、上述したエピソード管理装置としてのコンピュータで読み取りや実行が可能な全ての媒体をいう。
【0108】
発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
実施形態によれば、登録ユーザによりテキスト入力されたエピソードを取得するエピソード取得部と、取得されたエピソードを管理するエピソード管理部と、取得されたエピソードに基づいて、エピソードのメタ情報である登録タグを抽出する登録タグ抽出部と、抽出された登録タグを管理されるエピソードと対応付けたタグ情報として管理する登録タグ管理部と、検索ユーザにより入力された条件を条件情報として取得する条件取得部と、条件情報から検索タグを抽出する検索タグ抽出部と、検索タグとの類似度が高い登録タグを検索ユーザに選択可能に提示する登録タグ提示部と、検索ユーザにより選択された登録タグとの類似度が高いエピソードを検索ユーザに提示するエピソード提示部とを備える。