特許第6585367号(P6585367)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585367
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】製函機の製函ユニット
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/14 20170101AFI20190919BHJP
   B31B 50/62 20170101ALI20190919BHJP
【FI】
   B31B50/14
   B31B50/62
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-75708(P2015-75708)
(22)【出願日】2015年4月2日
(65)【公開番号】特開2016-196095(P2016-196095A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2018年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147774
【氏名又は名称】株式会社石川製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(72)【発明者】
【氏名】浜田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】能藤 幸浩
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 潤二郎
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−276231(JP,A)
【文献】 特開2014−100850(JP,A)
【文献】 特開2004−058665(JP,A)
【文献】 特開2006−181950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/14
B31B 50/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの加工装置としてのフラップカッタ、クラッシャ、スロッタがシート流れ方向の上流側から上記順に配され、前記加工装置は駆動手段によってそれぞれシート幅方向に移動可能であり、前記加工装置のうちシート両側となる位置の加工装置はシート流れ方向で線対称な配置となっており、シートは前記加工装置が予め設定された値を基準として、前記シート幅方向で所定位置に移動することによって、シートの厚さ違いに対応して加工され、内貼り箱と外貼り箱とではシートの継代位置がシート幅方向における反対側の位置に加工されることを特徴とする製函機の製函ユニット
【請求項2】
シートの加工装置としてのクラッシャ、フラップカッタ、スロッタがシート流れ方向の上流側から上記順に配され、前記加工装置は駆動手段によってそれぞれシート幅方向に移動可能であり、前記加工装置のうちシート両側となる位置の加工装置はシート流れ方向で線対称な配置となっており、シートは前記加工装置が予め設定された値を基準として、前記シート幅方向で所定位置に移動することによって、シートの厚さ違いに対応して加工され、内貼り箱と外貼り箱とではシートの継代位置がシート幅方向における反対側の位置に加工されることを特徴とする製函機の製函ユニット
【請求項3】
シートの加工装置としてのクラッシャ、スロッタ、フラップカッタがシート流れ方向の上流側から上記順に配され、前記加工装置は駆動手段によってそれぞれシート幅方向に移動可能であり、前記加工装置のうちシート両側となる位置の加工装置はシート流れ方向で線対称な配置となっており、シートは前記加工装置が予め設定された値を基準として、前記シート幅方向で所定位置に移動することによって、シートの厚さ違いに対応して加工され、内貼り箱と外貼り箱とではシートの継代位置がシート幅方向における反対側の位置に加工されることを特徴とする製函機の製函ユニット
【請求項4】
シートから継代を切り出すフラップカッタ、前記貼り合わされるシートの板厚を薄くするためのクラッシャ、前記シートに罫線付与する押罫部材、及び、シートに溝切り加工を施すスロッタを備え、シートの上下位置で軸回転する一対の加工ロール群を前記加工装置とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の製函機の製函ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製函機の製函ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製函機は、上流側から順に、給紙ユニット、印刷ユニット、製函ユニット、ダイカッタ、グルア、フォルダ、及びカウンタユニットを備える。給紙ユニットは、シート状のワーク(以下、シートと称する)を印刷ユニット側に送り出す。印刷ユニットは、シートに印刷を施す。製函ユニットは、シートに罫線付与と溝切り加工とフラップカット等を施す。ダイカッタは、シートに抜き加工を施す。グルアは、シート同士を貼り合わせする箇所(継代)に糊付けする。フォルダは、シートを折り曲げて接合する。カウンタユニットは、上記加工が施されたシートを揃えて積み上げる。
【0003】
本明細書において、製函機とは、シートに高速で上記一連の加工を施す装置を指しており、箱体(段ボール箱)に組立てる手前の状態まで加工する装置を指している。シートとしては、段ボールシートや厚紙、これらと樹脂や金属等との複合材料を含む。代表的なものは段ボールシートである。本明細書では、シート流れ方向とはシートの進行方向のうち概ね水平な方向を指しており、シート流れ方向と直交する概ね水平な方向をシート幅方向という。
【0004】
グルアの上流側には、製函ユニットが配されている。製函ユニットには、継代貼り合せ後のシート板厚の総計を薄くする方向で調整するためのクラッシャ、シートから継代を切り出すフラップカッタ、シートに罫線付与を施す押罫部材、シートに溝切り加工を施すスロッタが備わっている。なお、特許文献3では、上記製函ユニットをスロッタユニットとして記述している。
【0005】
内貼り箱は、外側に出っ張りがなく見映えがよくなり、積み重ねたときの引っ掛かりがないため、例えば、果物を入れる箱、部資材用の箱、引越し用の箱等に用いられている。外貼り箱は、内側に出っ張りがなく内容積が大きくなり、内容物を四角形状に保ち易い利点があるため、例えば、コピーや印刷などの用紙を入れる箱等に用いられている。現在は内貼り箱が主流となっているが、両方の箱形態が流通している。ここで、図9(a)に示す内貼り箱や図9(b)に示す外貼り箱は、箱として組立て、製封する前段階の形態であるが、便宜上、内貼り箱、外貼り箱として以下に説明する。
【0006】
特許文献1には、ローラにて液状糊を転写する転写方式のグルアに関し、糊付ロールと、同糊付ロールに係合する糊供給用アプリケータと、同糊付ロールとの間に着脱(隙間調整)可能に係合させたシート受車と、同シート受車を有する回転フレームを、シートパスラインを中心に180°回転できるよう取付けたことが記載されている。
特許文献2には、シートを折り曲げるフォルダに関し、板状体(シート)の一部が折曲げ棒に当接して同板状体の前進に伴ない同板状体を折曲げるようにした板状体折曲げ装置において、前記折曲げ棒を保持するアームを伸縮可能に構成すると共に、該アームを架台の一部に設けた軸を中心として揺動可能に構成し、更に該アームの伸縮量及び揺動角度を設定する機構を設けたことが記載されている。
【0007】
特許文献1では、糊付け方向が反転可能としているが、ローラにて液状糊を転写する転写方式では、液状糊の粘度などの状態が安定するようにローラを回転し続けており、そのローラの回転を止めて、ローラ上の液状糊を除去し、機構部を反転させることとなるので、大掛かりで煩雑な作業となる。特許文献2では、シートを折り曲げる位置の微調整を目的としており、その前工程の作業については触れていない。つまり、内貼り箱の生産から外貼り箱の生産に切り替える際には、グルアでの糊付け面を鉛直下向きから上向きに反転させ、さらに、フォルダでのシート折曲げ順序を変更するといった大幅な設定変更をしなければならず、この切換え作業がとても煩雑な作業となっている。
そこで、特許文献3では、スロッタユニットが複数連結されている構成とすることで、内貼り箱と外貼り箱とでは、シートの継代位置がシート幅方向における反対側の位置に加工されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2909312号公報
【特許文献2】実公平06−001403号公報
【特許文献3】特開2014−100850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、特許文献3記載の装置では、内貼り箱と外貼り箱とでは、シートの継代位置がシート幅方向における反対側の位置に加工されるようにするため、スロッタユニットが複数連結されている構成としている。しかしながら、スロッタユニットを複数連結させる構成以外にも、内貼り箱の生産から外貼り箱の生産に切り替えることが容易となる装置構成が見出された。
【0010】
そこで、本発明の目的は、製函ユニットの加工ロール軸数を増設することなく、内貼り箱の生産から外貼り箱の生産に切り替えること、あるいは外貼り箱の生産から内貼り箱の生産に切り替えることが容易となる新規な製函機の製函ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の製函機の製函ユニットは、シートの加工装置としてのフラップカッタ、クラッシャ、スロッタがシート流れ方向の上流側から上記順に配され、前記加工装置は駆動手段によってそれぞれシート幅方向に移動可能であり、前記加工装置のうちシート両側となる位置の加工装置はシート流れ方向で線対称な配置となっており、シートは前記加工装置が予め設定された値を基準として、前記シート幅方向で所定位置に移動することによって、シートの厚さ違いに対応して加工され、内貼り箱と外貼り箱とではシートの継代位置がシート幅方向における反対側の位置に加工されることを特徴とする。また、シートの加工装置としてのクラッシャ、フラップカッタ、スロッタがシート流れ方向の上流側から上記順に配され、前記加工装置は駆動手段によってそれぞれシート幅方向に移動可能であり、前記加工装置のうちシート両側となる位置の加工装置はシート流れ方向で線対称な配置となっており、シートは前記加工装置が予め設定された値を基準として、前記シート幅方向で所定位置に移動することによって、シートの厚さ違いに対応して加工され、内貼り箱と外貼り箱とではシートの継代位置がシート幅方向における反対側の位置に加工されることを特徴とする。また、シートの加工装置としてのクラッシャ、スロッタ、フラップカッタがシート流れ方向の上流側から上記順に配され、前記加工装置は駆動手段によってそれぞれシート幅方向に移動可能であり、前記加工装置のうちシート両側となる位置の加工装置はシート流れ方向で線対称な配置となっており、シートは前記加工装置が予め設定された値を基準として、前記シート幅方向で所定位置に移動することによって、シートの厚さ違いに対応して加工され、内貼り箱と外貼り箱とではシートの継代位置がシート幅方向における反対側の位置に加工されることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、製函ユニットの加工ロール軸数を増設することなく、ひとつの製函ユニットで、内貼り箱の生産から外貼り箱の生産に簡単に切り替えることができる。すなわち、グルアでの糊付け面を反転させなくて済み、フォルダでのシート折曲げ順序を変更する作業も不要となる。
【0013】
前記駆動手段としては、電動モータが挙げられる。前記モータとしては、誘導モータ、サーボモータ、ステッピングモータなどが用いられる。
【0014】
本発明は、前記シート流れ方向の上流側から、前記加工装置としてのフラップカッタ、クラッシャ、スロッタの順に配されており、予め設定された値を基準として前記シート幅方向で前記シートの厚さ違いに対応した所定位置に移動することを特徴とする。
【0015】
本発明は、前記シート流れ方向の上流側から、前記加工装置としてのクラッシャ、フラップカッタ、スロッタの順に配されており、予め設定された値を基準として前記シート幅方向で前記シートの厚さ違いに対応した所定位置に移動することを特徴とする。
【0016】
本発明は、前記シート流れ方向の上流側から、前記加工装置としてのクラッシャ、スロッタ、フラップカッタの順に配されており、予め設定された値を基準として前記シート幅方向で前記シートの厚さ違いに対応した所定位置に移動することを特徴とする。この場合、スロッタとフラップカッタは同軸複合加工となる。
【0017】
本発明によれば、内貼り箱と外貼り箱のいずれにおいても、前記シートの厚さ違いに対応して歪みのない四角形状の箱とすることが容易となる。
【0018】
本発明には、前記設定値を基準として前記駆動手段を駆動する制御手段が備わっている。前記制御手段は、製函機に備わっているものが使用でき、また、製函ユニットに専用の制御手段を備える場合がある。
【発明の効果】
【0019】
本発明の製函機の製函ユニットによれば、内貼り箱の生産から外貼り箱の生産に簡単に切り替えること、あるいは外貼り箱の生産から内貼り箱の生産に切り替えることができ、また、内貼り箱と外貼り箱のいずれにおいても、前記シートの厚さ違いに対応して歪みのない四角形状の箱とすることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明を適用した実施形態の製函機をOP側(操作側)から見た側面図である。
図2】上記実施形態の製函機のうち、製函ユニットとその周辺ユニットの要部をOP側の側面から示す要部構造図である。
図3】上記実施形態の製函ユニットの第1の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、内貼り箱を作製する場合の図である。
図4】上記実施形態の製函ユニットの第1の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、外貼り箱を作製する場合の図である。
図5】上記実施形態の製函ユニットの第2の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、内貼り箱を作製する場合の図である。
図6】上記実施形態の製函ユニットの第2の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、外貼り箱を作製する場合の図である。
図7】上記実施形態の製函ユニットの第3の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、内貼り箱を作製する場合の図である。
図8】上記実施形態の製函ユニットの第3の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、外貼り箱を作製する場合の図である。
図9】シートを貼り合せた立体図であり、(a)は内貼り箱であり、(b)は外貼り箱である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(本発明の実施の形態)
図1は、本発明を適用した実施形態の製函機(本発明の製函機1)をOP側(操作側)から見た側面図である。ここで、シート流れ方向を符号yで示す。製函機1は、上流側から順に、シートを印刷ユニット側に送り出す給紙ユニット11、シートに印刷を施す印刷ユニット12、シートに罫線付与と溝切り加工とフラップカット等を施す製函ユニット13、シートに抜き加工を施すダイカッタ14、シートに糊付け加工を施すグルア15、シートを折り曲げて接合するフォルダ16、上記加工が施されたシートを揃えて積み上げるカウンタユニット17、から構成される(図1)。図2は、本実施形態の製函機1のうち、製函ユニット13の要部とその周辺ユニットの要部をOP側の側面から示す要部構造図である。符号111は給紙ユニット11においてシート200の左右の位置を規制するシートガイドである。符号51はグルア15においてシート200に糊付け加工を施すグルーガンであり、本実施形態では、グルーガン51はそのノズルを下向きとして、シート200の上方に非接触で配されている(図2)。
【0023】
図3は、本実施形態の製函ユニットの第1の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、内貼り箱201を作製する場合の図である。図4は、本実施形態の製函ユニットの第1の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、外貼り箱202を作製する場合の図である。
本実施形態の製函ユニット13は、上流側から順に、シートから継代を切り出すフラップカッタ31、貼り合わされるシートの板厚を薄くするためのクラッシャ33、シートに溝切り加工を施すスロッタ35が配されている(図3図4)。符号32,34は、シートに罫線付与を施す押罫部材である。
【0024】
図3において、符号210は、クラッシャ332にてシート201の板厚が薄くなったエリアである。図4において、符号211は、クラッシャ331にてシート202の板厚が薄くなったエリアである。符号221と222は、継代である。糊が塗布されたエリア200a及び200cは、ハッチングで示している。符号231,232,233,234,240,241は、罫線である。
図9(a)に示す内貼り箱201とする場合には継代の糊付けエリア200aに糊付けし、また、図9(b)に示す外貼り箱202とする場合には、継代と対応する本体側面の糊付けエリア200cに糊付けする。
【0025】
本実施形態では、内貼り箱201とする場合と外貼り箱202とする場合とで、グルーガン51の糊射出方向は下向きのままの状態で、糊付けする位置はシート幅方向xの同じ側で、内貼り箱201の生産から外貼り箱202の生産に切り替える構成、あるいは外貼り箱202の生産から内貼り箱201の生産に切り替える構成となっている。よって、重力に逆らわず、安定した糊付けができ、糊付けエリアの設定が容易となる。
【0026】
(内貼り箱の作製)
内貼り箱201を作製する場合には、図3に示すとおり、シート流れ方向yにシート201が上流側から搬送されると、フラップカッタ312にて継代が切り出され、押罫部材32,32,・・・にて罫線231,232,233,234等が形成され、クラッシャ332にて符号210のエリアの板厚が薄くされ、スロッタ35,35,・・・にてシート201に溝切り加工が施され、製函ユニット13を通過後、その次工程のダイカッタ14にてシート201に抜き加工が施され(図示せず)、その次工程のグルア15にてシート201の継代221の糊付けエリア200aに糊付け加工が施されて、その次工程のフォルダ16にてシート201が折り曲げられ接合され、カウンタユニット17にてシート(折り畳まれた状態の内貼り箱201)が揃えて積み上げされる。
【0027】
(外貼り箱の作製)
外貼り箱202を作製する場合には、図4に示すとおり、シート流れ方向yにシート201が上流側から搬送されると、フラップカッタ311にて継代が切り出され、押罫部材32,32,・・・にて罫線231,232,233,234等が形成され、クラッシャ331にて符号211のエリアの板厚が薄くされ、スロッタ35,35,・・・にてシート201に溝切り加工が施され、製函ユニット13を通過後、その次工程のダイカッタ14にてシート201に抜き加工が施され(図示せず)、その次工程のグルア15にてシート202の継代222の糊付けエリア200cに糊付け加工が施されて、その次工程のフォルダ16にてシート201が折り曲げられ接合され、カウンタユニット17にてシート(折り畳まれた状態の外貼り箱202)が揃えて積み上げされる。
【0028】
本実施形態によれば、製函ユニット13の加工ロール軸数を増設することなく、簡単な設定調整をするだけで、内貼り箱201の生産から外貼り箱202の生産に速やかに切り替えることができる(図3図4)。図3図4に示す例では、製函ユニット13の加工ロール軸数は3つであり、極力少ない加工ロール軸数で内貼り箱の生産から外貼り箱の生産に簡単に切り替えることができる。
そして、グルア15の糊射出方向は下向きのままの状態で変更せず、その次工程のフォルダ16はシートの折り曲げ順の設定変更が不要となる。シートの加工装置は図示しない駆動手段によってそれぞれ予め設定された値を基準として前記シート幅方向で前記シートの厚さ違いに対応した所定位置に移動する構成となっており、前記加工装置のうちシート両側となる位置の加工装置がシート流れ方向で線対称な配置となっているので、図示しない制御手段からの指令で、内貼り箱と外貼り箱とではシートの継代位置がシート幅方向における反対側の位置に簡単に加工されることとなる。
したがって、本実施形態では、内貼り箱201では継代221がOP側に加工され、外貼り箱202では継代222がDR側に加工される(図3図4)。
【0029】
さらに、本実施形態によれば、内貼り箱201と外貼り箱202のいずれにおいても、シート200の厚さ違いに対応して歪みのない四角形状の箱とすることが容易となる。
また、外貼り箱202の継代222のフラップカットを、特許文献3にあるようなハードカットではなく、内貼り箱201の継代221のフラップカットと同様にソフトカットとすることができるので、調整が容易であり、フラップカッタ311の耐久性が向上する。
【0030】
図5は、本実施形態の製函ユニットの第2の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、内貼り箱201を作製する場合の図である。図6は、本実施形態の製函ユニットの第2の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、外貼り箱202を作製する場合の図である。ここで、同一の符号は同じ機能を意味しており、その説明の一部を適宜省略する。
本実施形態の製函ユニット13は、上流側から順に、貼り合わされるシートの板厚を薄くするためのクラッシャ33、シートから継代を切り出すフラップカッタ31、シートに溝切り加工を施すスロッタ35が配されている(図5図6)。符号32,34は、シートに罫線付与を施す押罫部材である。
【0031】
図7は、本実施形態の製函ユニットの第3の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、内貼り箱201を作製する場合の図である。図8は、本実施形態の製函ユニットの第3の例の構成部材の上下ロールの配置断面を上から見た模式図であり、外貼り箱202を作製する場合の図である。ここで、同一の符号は同じ機能を意味しており、その説明の一部を適宜省略する。
本実施形態の製函ユニット13は、上流側から順に、貼り合わされるシートの板厚を薄くするためのクラッシャ33、シートに溝切り加工を施すスロッタ35及びシートから継代を切り出すフラップカッタ31が配されている(図7図8)。符号32,34は、シートに罫線付与を施す押罫部材である。この場合、スロッタ35とフラップカッタ31は同軸複合加工となる。
【0032】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。上述の形態では、製函ユニット13には、スリッタが配されていない構成で説明したが、スロッタ35の下流側に、シートにスリット加工を施すスリッタを配してもよい。またスロッタ35の下流側に、シートにクラッシャ加工を施すクラッシャを配してもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0033】
1 本発明の製函機、
11 給紙ユニット、
12 印刷ユニット、
13 本発明に係る製函ユニット、
14 ダイカッタ、
15 グルア、
16 フォルダ、
17 カウンタユニット、
31 フラップカッタ、
33 クラッシャ、
35 スロッタ、
200 シート、
201 内貼り箱、
202 外貼り箱、
221、222 継代
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9