特許第6585372号(P6585372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585372
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/16 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   H02K5/16 Z
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-91707(P2015-91707)
(22)【出願日】2015年4月28日
(65)【公開番号】特開2016-208794(P2016-208794A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514293639
【氏名又は名称】台湾日電産股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NIDEC TAIWAN CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100118496
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 耕三
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 良樹
(72)【発明者】
【氏名】牧野 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】顔 國智
【審査官】 三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−246171(JP,A)
【文献】 特開2012−115084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる中心軸を中心とするシャフトと、
軸方向に所定の間隔を空けて前記シャフトに取り付けられた2つのロータと、
前記2つのロータの間に配置されたステータと、
前記シャフトを支持するベアリングと、
を備え、
前記ステータは、
周方向に沿って配置された複数のコアと、
前記コアに巻き回されたコイルと、
前記複数のコアの径方向内側かつ、前記シャフトの径方向外側に位置し、筒状のベアリ
ングホルダと、を有し、かつ、
モールド成型によって成型され、
前記複数のコアは、前記ベアリングホルダの外周面であるホルダ外周面に対して、直接
的または間接的に固定され、
前記ベアリングホルダの内周面であるホルダ内周面には、前記ベアリングが保持され、
前記ベアリングホルダは、非磁性の金属製であり、
前記コアは、前記コイルが巻き回されるコア本体と、前記コア本体から径方向内側に突
出する第1コア凸部と、を有し、
前記ベアリングホルダには、前記第1コア凸部の周方向側面の少なくとも一部が接触す
る第1ホルダ凹部が複数設けられるモータ。
【請求項2】
上下方向に延びる中心軸を中心とするシャフトと、
軸方向に所定の間隔を空けて前記シャフトに取り付けられた2つのロータと、
前記2つのロータの間に配置されたステータと、
前記シャフトを支持するベアリングと、
を備え、
前記ステータは、
周方向に沿って配置された複数のコアと、
前記コアに巻き回されたコイルと、
前記複数のコアの径方向内側かつ、前記シャフトの径方向外側に位置し、筒状のベアリ
ングホルダと、を有し、かつ、
モールド成型によって成型され、
前記複数のコアは、前記ベアリングホルダの外周面であるホルダ外周面に対して、直接
的または間接的に固定され、
前記ベアリングホルダの内周面であるホルダ内周面には、前記ベアリングが保持され、
前記ベアリングホルダは、非磁性の金属製であり、
前記コアは、前記コイルが巻き回されるコア本体と、前記コア本体から径方向内側に突
出する第1コア凸部と、を有し、
前記ホルダ外周面には、軸方向と交差する段差面を有する段差部が設けられ、
前記第1コア凸部の少なくとも一部は、前記段差面と軸方向に重なり、
前記第1コア凸部の下面と前記段差面とは、軸方向に離れて設けられるータ。
【請求項3】
前記ホルダ外周面には、前記段差面を有する第1ホルダ凹部が複数設けられ、
前記第1コア凸部の周方向側面の少なくとも一部は、前記第1ホルダ凹部に接触する、
請求項に記載のモータ。
【請求項4】
前記第1ホルダ凹部は、前記ホルダ外周面と、前記ベアリングホルダの軸方向両端側の
端面の少なくとも一方と、に開口する、請求項またはに記載のモータ。
【請求項5】
前記ベアリングホルダの軸方向一方側の端面と、前記コアの軸方向一方側の端面とは、
中心軸に対して垂直な同一平面上に設けられる、請求項1からのいずれか一項に記載の
モータ。
【請求項6】
前記コアの径方向内側面の少なくとも一部は、前記ホルダ外周面と接触する、請求項
からのいずれか一項に記載のモータ。
【請求項7】
上下方向に延びる中心軸を中心とするシャフトと、
軸方向に所定の間隔を空けて前記シャフトに取り付けられた2つのロータと、
前記2つのロータの間に配置されたステータと、
前記シャフトを支持するベアリングと、
を備え、
前記ステータは、
周方向に沿って配置された複数のコアと、
前記コアに巻き回されたコイルと、
前記複数のコアの径方向内側かつ、前記シャフトの径方向外側に位置し、筒状のベアリ
ングホルダと、を有し、かつ、
モールド成型によって成型され、
前記複数のコアは、前記ベアリングホルダの外周面であるホルダ外周面に対して、直接
的または間接的に固定され、
前記ベアリングホルダの内周面であるホルダ内周面には、前記ベアリングが保持され、
前記ベアリングホルダは、非磁性の金属製であり、
前記ステータは、前記複数のコアの径方向外側に配置される筒状のカバーを有し、
前記複数のコアは、前記カバーの内周面であるカバー内周面に対して、直接的または間
接的に固定され、
前記コアは、前記コイルが巻き回されるコア本体と、前記コア本体から径方向外側に突
出する第2コア凸部と、を有し、
前記カバーには、前記第2コア凸部の周方向側面の少なくとも一部が接触する第1カバ
ー凹部が複数設けられるモータ。
【請求項8】
前記第1カバー凹部は、前記カバー内周面と、前記カバーの軸方向両側の端面の少なく
とも一方と、に開口する、請求項に記載のモータ。
【請求項9】
前記カバーは、非磁性の金属製である、請求項7または8のいずれか一項に記載のモー
タ。
【請求項10】
前記カバーの少なくとも一部は、モータケースとして機能する、請求項からのいずれか一項に記載のモータ。
【請求項11】
前記コアの径方向外側面の少なくとも一部は、前記カバー内周面と接触する、請求項から10のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項12】
上下方向に延びる中心軸を中心とするシャフトと、
軸方向に所定の間隔を空けて前記シャフトに取り付けられた2つのロータと、
前記2つのロータの間に配置されたステータと、
前記シャフトを支持するベアリングと、
を備え、
前記ステータは、
周方向に沿って配置された複数のコアと、
前記コアに巻き回されたコイルと、
前記複数のコアの径方向内側かつ、前記シャフトの径方向外側に位置し、筒状のベアリ
ングホルダと、を有し、かつ、
モールド成型によって成型され、
前記複数のコアは、前記ベアリングホルダの外周面であるホルダ外周面に対して、直接
的または間接的に固定され、
前記ベアリングホルダの内周面であるホルダ内周面には、前記ベアリングが保持され、
前記ベアリングホルダは、非磁性の金属製であり、
前記ステータは、前記複数のコアの径方向外側に配置される筒状のカバーを有し、
前記複数のコアは、前記カバーの内周面であるカバー内周面に対して、直接的または間
接的に固定され
前記カバー内周面には、径方向外側に窪む第2カバー凹部が設けられ、
前記第2カバー凹部は、前記コイルと径方向に重なるモータ。
【請求項13】
上下方向に延びる中心軸を中心とするシャフトと、
軸方向に所定の間隔を空けて前記シャフトに取り付けられた2つのロータと、
前記2つのロータの間に配置されたステータと、
前記シャフトを支持するベアリングと、
を備え、
前記ステータは、
周方向に沿って配置された複数のコアと、
前記コアに巻き回されたコイルと、
前記複数のコアの径方向内側かつ、前記シャフトの径方向外側に位置し、筒状のベアリ
ングホルダと、を有し、かつ、
モールド成型によって成型され、
前記複数のコアは、前記ベアリングホルダの外周面であるホルダ外周面に対して、直接
的または間接的に固定され、
前記ベアリングホルダの内周面であるホルダ内周面には、前記ベアリングが保持され、
前記ベアリングホルダは、非磁性の金属製であり、
前記ホルダ外周面には、径方向内側に窪む第2ホルダ凹部が設けられ、
前記第2ホルダ凹部は、前記コイルと径方向に重なるモータ。
【請求項14】
前記ベアリングホルダの軸方向一方側の端面と、前記コアの軸方向一方側の端面とは、中心軸に対して垂直な同一平面上に設けられる、請求項12または13に記載のモータ。
【請求項15】
前記コアの径方向内側面の少なくとも一部は、前記ホルダ外周面と接触する、請求項12から14のいずれか一項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、アキシャルギャップ型電動機が記載される。特許文献1では、ポールメンバーが環状に配置された状態で合成樹脂材によって一体的にモールドされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−067650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなアキシャルギャップ型電動機において、ロータ出力軸を支持する軸受部はステータの内周面に保持される。ステータの内周面は、合成樹脂材の内周面である。そのため、合成樹脂材の成型精度が不十分な場合、軸受部が傾いて配置される虞があった。これにより、ロータ出力軸がステータに対して傾いて配置され、ロータの回転が不安定になる問題があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて、ロータの回転を安定化できる構造を有するモータを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの一つの態様は、上下方向に延びる中心軸を中心とするシャフトと、軸
方向に所定の間隔を空けてシャフトに取り付けられた2つのロータと、2つのロータの間
に配置されたステータと、シャフトを支持するベアリングと、を備える。ステータは、周
方向に沿って配置された複数のコアと、コアに巻き回されたコイルと、複数のコアの径方
向内側かつ、シャフトの径方向外側に位置し、筒状のベアリングホルダと、を有し、かつ
、モールド成型によって成型される。複数のコアは、ベアリングホルダの外周面であるホ
ルダ外周面に対して、直接的または間接的に固定される。ベアリングホルダの内周面であ
るホルダ内周面には、ベアリングが保持される。ベアリングホルダは、非磁性の金属製で
り、前記コアは、前記コイルが巻き回されるコア本体と、前記コア本体から径方向内側に突出する第1コア凸部と、を有し、前記ベアリングホルダには、前記第1コア凸部の周方向側面の少なくとも一部が接触する第1ホルダ凹部が複数設けられる
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、ロータの回転を安定化できる構造を有するモータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態のモータを示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態のモータを示す断面図であって、図1の部分拡大図である。
図3図3は、第1実施形態のステータを示す斜視図である。
図4図4は、第1実施形態のコアを示す斜視図である。
図5図5は、第1実施形態のモータの他の一例を示す断面図である。
図6図6は、第2実施形態のモータを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモータについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
【0010】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、図1に示す中心軸Jの軸方向と平行な方向とする。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって図1の左右方向とする。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。
【0011】
また、以下の説明においては、中心軸Jの延びる方向(Z軸方向)を上下方向とする。Z軸方向の正の側(+Z側)を「上側」と呼び、Z軸方向の負の側(−Z側)を「下側」と呼ぶ。なお、上下方向、上側および下側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向(θ方向)、すなわち、中心軸Jの軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。
【0012】
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のモータ10を示す断面図である。モータ10は、アキシャルギャップモータである。図1に示すように、モータ10は、ハウジング11と、シャフト20と、2つのロータである上側ロータ31および下側ロータ32と、上側ベアリング51と、下側ベアリング52と、ステータ40と、バスバーユニット70と、コネクタ71と、を備える。
【0014】
ハウジング11は、モータ10のモータケースである。ハウジング11は、例えば、金属製または樹脂製である。ハウジング11は、シャフト20と、上側ロータ31と、下側ロータ32と、ステータ40と、上側ベアリング51と、下側ベアリング52と、バスバーユニット70と、を収容する。ハウジング11は、中間ハウジング12と、下側ハウジング13と、上側ハウジング14と、を有する。
【0015】
中間ハウジング12は、例えば、軸方向の両端が開口した円筒状である。本実施形態においては、中間ハウジング12の径方向内側には、下側ロータ32が位置する。
【0016】
下側ハウジング13は、中間ハウジング12の下側に取り付けられる。下側ハウジング13は、例えば、円筒状である。下側ハウジング13は、底壁部13bと、筒部13aと、下側ベアリング保持部15と、を有する。
【0017】
底壁部13bは、シャフト20を周方向に囲む円環状である。筒部13aは、底壁部13bの外周端から上側に延びる。筒部13aの上端は、中間ハウジング12の下側の開口部12aに嵌合される。下側ベアリング保持部15は、底壁部13bの径方向内側に位置する。下側ベアリング保持部15は、下側ベアリング52を保持する。下側ベアリング保持部15は、下側に開口する出力軸孔15aを有する。
【0018】
上側ハウジング14は、中間ハウジング12の上側に、後述するカバー45のカバーフランジ部45bを介して取り付けられる。上側ハウジング14は、例えば、有蓋の円筒状である。本実施形態において上側ハウジング14の径方向内側には、上側ロータ31、ステータ40、およびバスバーユニット70が位置する。
【0019】
なお、本明細書において、モータケース、とは、例えば、モータにおけるロータ、ステータ、およびシャフト等の駆動部品を収容して保護する部品のうちモータ外部の空間と接する部品である。
【0020】
シャフト20は、上下方向に延びる中心軸Jを中心とする。シャフト20は、上側ベアリング51と下側ベアリング52とによって、中心軸J周りに回転可能に支持される。すなわち、上側ベアリング51および下側ベアリング52は、シャフト20を支持するベアリングである。シャフト20の下端は、出力軸孔15aを介してハウジング11の外部に突出する。
【0021】
上側ロータ31と下側ロータ32とは、軸方向に所定の間隔を空けてシャフト20に取り付けられる。上側ロータ31は、ステータ40の上側に位置する。上側ロータ31は、上側ロータ本体34と、複数の上側マグネット33と、を有する。
【0022】
上側ロータ本体34は、例えば、径方向に延びる円板状である。本実施形態において上側ロータ本体34は、シャフト20の上端に固定される。上側マグネット33は、上側ロータ本体34の下面に固定されるマグネットである。図示は省略するが、複数の上側マグネット33は、周方向に沿って配置される。上側マグネット33の磁極は、N極とS極とが周方向に沿って交互に設けられる。上側マグネット33は、ステータ40と軸方向に対向する。
【0023】
下側ロータ32は、ステータ40の下側に位置する。下側ロータ32は、下側ロータ本体36と、複数の下側マグネット35と、を有する。下側ロータ本体36は、例えば、径方向に延びる円板状である。下側ロータ本体36は、シャフト20に固定される。下側マグネット35は、下側ロータ本体36の上面に固定されるマグネットである。複数の下側マグネット35は、周方向に沿って配置される。下側マグネット35の磁極は、N極とS極とが周方向に沿って交互に設けられる。下側マグネット35は、ステータ40と軸方向に対向する。上側マグネット33と下側マグネット35とは、互いに異極が軸方向に対向する。これにより、上側ロータ31と下側ロータ32とによって回転トルクが得られるため、モータ10の回転トルクを大きくできる。
【0024】
ステータ40は、2つのロータの間、すなわち、上側ロータ31と下側ロータ32との間に配置される。ステータ40は、複数のコア41と、コイル42と、インシュレータ43と、上側ベアリングホルダ44と、カバー45と、モールド樹脂部46と、を有する。ステータ40は、例えば、モールド成型によって成型される。
【0025】
複数のコア41は、周方向に沿って配置される。複数のコア41は、上側ベアリングホルダ44とカバー45との径方向の間に位置する。本実施形態において複数のコア41は、例えば、12個設けられる。
【0026】
インシュレータ43は、コア41に装着される。インシュレータ43は、例えば、ボビン状である。インシュレータ43は、例えば、樹脂材料で成型された部材である。コイル42は、インシュレータ43を介して、コア41に巻き回される。コイル42は、コイル引出線42aを有する。コイル42は、コア41を励磁する。
【0027】
コイル引出線42aは、コイル42から上側に引き出される。コイル引出線42aは、コア41よりも上側に延びる。コイル引出線42aは、バスバーユニット70のバスバーと電気的に接続される。コイル引出線42aは、コイル42を構成する巻線の一部であってもよいし、コイル42を構成する巻線とは別部材であってもよい。
【0028】
上側ベアリングホルダ44は、上側ベアリング51を保持するベアリングホルダである。上側ベアリングホルダ44は、複数のコア41の径方向内側かつ、シャフト20の径方向外側に位置する。上側ベアリングホルダ44は、筒状である。本実施形態において上側ベアリングホルダ44は、例えば、中心軸Jと同心の円筒状である。上側ベアリングホルダ44の内周面であるホルダ内周面44eには、上側ベアリング51が保持される。
【0029】
カバー45は、複数のコア41の径方向外側に配置される。カバー45は、筒状である。カバー45は、カバー筒状部45aと、カバーフランジ部45bと、を有する。カバー筒状部45aは、軸方向に延び軸方向両端に開口する筒状である。本実施形態においてカバー筒状部45aは、例えば、中心軸Jと同心の円筒状である。
【0030】
カバーフランジ部45bは、カバー筒状部45aの下端から径方向外側に延びる。カバーフランジ部45bの下面は、中間ハウジング12の上面と接触する。カバーフランジ部45bの上面は、上側ハウジング14の下面と接触する。カバーフランジ部45bは、例えば、ビスによってハウジング11と固定される。これにより、ステータ40がハウジング11に固定される。カバーフランジ部45bの径方向外側の端面は、モータ10の外部に露出する。
【0031】
モールド樹脂部46は、ステータ40を構成する各部品の間に位置する。モールド樹脂部46は、例えば、コイル42およびインシュレータ43と、上側ベアリングホルダ44およびカバー45との径方向の間等に位置する。
【0032】
バスバーユニット70は、上側ロータ31の上側に位置する。バスバーユニット70には、コイル引出線42aが接続される。バスバーユニット70は、図示しないバスバーを保持する。バスバーはコイル引出線42aと電気的に接続される。バスバーの一端は、コネクタ71を介してハウジング11の外部に露出する。
【0033】
コネクタ71は、例えば、上側ハウジング14に設けられる。図示は省略するが、コネクタ71は、上側に開口する穴部を有する。穴部の内側には、バスバーユニット70におけるバスバーの一端が露出する。コネクタ71には、図示しない外部電源が接続される。これにより、外部電源から、バスバーおよびコイル引出線42aを介してステータ40に電源が供給される。
【0034】
次に、ステータ40について詳細に説明する。図2は、図1の部分拡大図である。図3は、ステータ40を示す斜視図である。図2および図3に示すように、上側ベアリングホルダ44には、第1ホルダ凹部47が複数設けられる。図3に示すように、複数の第1ホルダ凹部47は、例えば、周方向に沿って等間隔に配置される。図2に示すように、第1ホルダ凹部47は、上側ベアリングホルダ44の上側の端面であるホルダ上端面44aから下側に窪む。すなわち、第1ホルダ凹部47は、ホルダ上端面44aに向かって軸方向上方に開口する。
【0035】
第1ホルダ凹部47は、ホルダ上端面44aの径方向外縁に位置する。第1ホルダ凹部47は、上側ベアリングホルダ44の外周面であるホルダ外周面44cに開口する。これにより、第1ホルダ凹部47は、ホルダ外周面44cと、上側ベアリングホルダ44の軸方向両端側の端面の一方であるホルダ上端面44aと、に開口する。そのため、後述する第1コア凸部41eを、上側および径方向外側から第1ホルダ凹部47内に挿入または圧入できる。したがって、本実施形態によれば、第1コア凸部41eを第1ホルダ凹部47内に配置しやすい。
【0036】
第1ホルダ凹部47の形状は、特に限定されない。図3の例では、第1ホルダ凹部47の平面視(XY面視)形状は、例えば、矩形状である。
【0037】
図2に示すように、ホルダ外周面44cには、径方向内側に窪む第2ホルダ凹部44dが設けられる。第2ホルダ凹部44dは、例えば、軸方向に沿って複数設けられる。第2ホルダ凹部44dは、ホルダ外周面44cの周方向の全体に亘って設けられてもよいし、ホルダ外周面44cの周方向の一部に設けられてもよい。第2ホルダ凹部44dは、コイル42と径方向に重なる。
【0038】
第2ホルダ凹部44dの内側には、モールド樹脂部46の一部が位置する。すなわち、ステータ40をモールド成型によって成型する際に、モールド樹脂が第2ホルダ凹部44dの内側に流れ込む。これにより、モールド樹脂部46が上側ベアリングホルダ44とカバー45との径方向の間から軸方向に抜けることを抑制できる。その結果として、コイル42およびインシュレータ43が装着されたコア41が、上側ベアリングホルダ44とカバー45との径方向の間から軸方向に抜けることを抑制できる。
【0039】
第2ホルダ凹部44dの形状は、特に限定されない。図2の例では、第2ホルダ凹部44dの周方向と直交する断面の形状は、例えば、矩形状である。
【0040】
上側ベアリングホルダ44は、非磁性の金属製である。非磁性の金属は、特に限定されない。非磁性の金属は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等である。これにより、上側ベアリング51が保持されるホルダ内周面44eを精度よく作ることができる。したがって、ホルダ内周面44eに保持される上側ベアリング51がステータ40に対して傾くことを抑制できる。その結果、シャフト20がステータ40に対して傾くことを抑制できる。以上により、本実施形態によれば、上側ロータ31および下側ロータ32の回転を安定化できる構造を有するモータ10が得られる。
【0041】
また、例えば、上側ベアリングホルダ44が磁性体である場合、コア41と上側ベアリングホルダ44とによる磁路が生じる。コア41と上側ベアリングホルダ44とによる磁路は、上側ロータ31および下側ロータ32の回転には寄与しない。そのため、コア41と上側ベアリングホルダ44とによる磁路が生じると、コア41から放出される磁束の損失が大きくなる。
【0042】
これに対して、本実施形態によれば、上側ベアリングホルダ44が非磁性体であるため、コア41と上側ベアリングホルダ44とによる磁路が生じない。これにより、コア41から放出される磁束の損失を抑制できる。
【0043】
カバー45は、例えば、非磁性の金属製である。非磁性の金属は、特に限定されない。非磁性の金属は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等である。カバー45の材質は、上側ベアリングホルダ44と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0044】
本実施形態においてカバーフランジ部45bの下面は、上側ベアリングホルダ44の下端面であるホルダ下端面44bと、中心軸Jに対して垂直な同一平面上に設けられる。本実施形態において中心軸Jに対して垂直な同一平面とは、XY平面と平行な面である。
【0045】
図2および図3に示すように、カバー筒状部45aには、第1カバー凹部48が複数設けられる。すなわち、カバー45には、第1カバー凹部48が複数設けられる。図3に示すように、複数の第1カバー凹部48は、例えば、周方向に沿って等間隔に配置される。
【0046】
第1カバー凹部48は、カバー筒状部45aの上側の端面であるカバー上端面45eから下側に窪む。すなわち、第1カバー凹部48は、カバー上端面45eに向かって軸方向上方に開口する。図2に示すように、第1カバー凹部48は、カバー筒状部45aを径方向に貫通する。すなわち、第1カバー凹部48は、カバー45の内周面であるカバー内周面45cと、カバー45の外周面であるカバー外周面45hと、に開口する。
【0047】
これにより、第1カバー凹部48は、カバー内周面45cと、カバー45の軸方向両側の端面の一方であるカバー上端面45eと、に開口する。そのため、後述する第2コア凸部41fを、上側および径方向内側から第1カバー凹部48内に挿入または圧入できる。したがって、本実施形態によれば、第2コア凸部41fを第1カバー凹部48内に配置しやすい。
【0048】
図3に示すように、カバー上端面45eには、下側に窪む第3カバー凹部45gが設けられる。第3カバー凹部45gは、カバー筒状部45aを径方向に貫通する。第3カバー凹部45gの内側には、モールド樹脂部46の一部が位置する。第3カバー凹部45gの内側に位置するモールド樹脂部46の一部は、コイル引出線42aを支持する。
【0049】
第1カバー凹部48の形状および第3カバー凹部45gの形状は、特に限定されない。図3の例では、径方向に視た際において、第1カバー凹部48の形状および第3カバー凹部45gの形状は、例えば、矩形状である。
【0050】
図2に示すように、カバー内周面45cには、径方向外側に窪む第2カバー凹部45dが設けられる。第2カバー凹部45dは、例えば、軸方向に沿って複数設けられる。第2カバー凹部45dは、カバー内周面45cの周方向の全体に亘って設けられてもよいし、カバー内周面45cの周方向の一部に設けられてもよい。第2カバー凹部45dは、コイル42と径方向に重なる。
【0051】
第2カバー凹部45dの内側には、モールド樹脂部46の一部が位置する。すなわち、ステータ40をモールド成型によって成型する際に、モールド樹脂が第2カバー凹部45dの内側に流れ込む。これにより、モールド樹脂部46が上側ベアリングホルダ44とカバー45との径方向の間から軸方向に抜けることをより抑制できる。
【0052】
第2カバー凹部45dの形状は、特に限定されない。図2の例では、第2カバー凹部45dの周方向と直交する断面の形状は、例えば、矩形状である。
【0053】
図3に示すように、コア41は、中心軸Jを中心として周方向に等間隔に配置される。図4は、コア41を示す斜視図である。図4に示すように、コア41は、コア本体41aと、第1コア凸部41eと、第2コア凸部41fと、を有する。コア本体41aには、インシュレータ43を介して、コイル42が巻き回される。図2に示すように、コア本体41aは、コア柱状部41bと、上側コアフランジ部41cと、下側コアフランジ部41dと、を有する。コア柱状部41bは、軸方向に延びる柱状である。コア柱状部41bには、コイル42が巻き回される。
【0054】
上側コアフランジ部41cは、コア柱状部41bの上端に接続される。図3に示すように、上側コアフランジ部41cは、径方向に延びる板状である。上側コアフランジ部41cの平面視(XY面視)形状は、径方向内側から径方向外側に向かって拡がる扇形である。図2に示すように、上側コアフランジ部41cは、コア柱状部41bよりも径方向両側に延びる。
【0055】
図3に示すように、上側コアフランジ部41cは、ホルダ外周面44cに対して直接的に固定される。すなわち、複数のコア41は、ホルダ外周面44cに対して、直接的に固定される。そのため、上側ベアリングホルダ44によって複数のコア41が径方向に位置決めされる。これにより、複数のコア41を径方向に精度よく位置決めできる。したがって、各コア41から発生する磁束による磁気中心を中心軸Jと一致させやすい。その結果として、本実施形態によれば、シャフト20、上側ロータ31および下側ロータ32の回転を安定させやすい。
【0056】
また、上側ベアリングホルダ44は金属製であるため、上側ベアリングホルダ44を精度よく作りやすい。これにより、複数のコア41を径方向により精度よく位置決めできる。
【0057】
なお、本明細書において、コアが所定の対象の面に対して直接的に固定される、とは、コアの少なくとも一部が所定の対象の面に接触した状態で、コアと所定の対象とが固定されることを含む。
【0058】
本実施形態において上側コアフランジ部41cの径方向内側面は、ホルダ外周面44cと接触する。すなわち、コア41の径方向内側面の少なくとも一部は、ホルダ外周面44cと接触する。そのため、複数のコア41を径方向に、より精度よく位置決めできる。
【0059】
ここで、本実施形態においてコア41の径方向内側面とは、例えば、上側コアフランジ部41cの径方向内側面と、下側コアフランジ部41dの径方向内側面と、第1コア凸部41eの径方向内側面と、を含む。
【0060】
上側コアフランジ部41cは、カバー内周面45cに対して直接的に固定される。すなわち、複数のコア41は、カバー内周面45cに対して、直接的に固定される。これにより、コア41の径方向位置は、上側ベアリングホルダ44とカバー45とによって決められる。したがって、複数のコア41の径方向の位置決め精度をより向上できる。その結果として、本実施形態によれば、シャフト20、上側ロータ31および下側ロータ32の回転をより安定させやすい。さらに、本実施形態によれば、カバー45は金属製であるため、カバー45を精度よく作りやすい。これにより、カバー45によるコア41の径方向の位置決め精度をさらに向上できる。
【0061】
また、例えば、カバー45が磁性体である場合、コア41とカバー45とによる磁路が生じる。コア41とカバー45とによる磁路は、上側ロータ31および下側ロータ32の回転には寄与しない。そのため、コア41とカバー45とによる磁路が生じると、コア41から放出される磁束の損失が大きくなる。
【0062】
これに対して、本実施形態によれば、カバー45が非磁性体であるため、コア41とカバー45とによる磁路が生じない。これにより、コア41から放出される磁束の損失を抑制できる。
【0063】
本実施形態において上側コアフランジ部41cの径方向外側面は、カバー内周面45cと接触する。すなわち、コア41の径方向外側面の少なくとも一部は、カバー内周面45cと接触する。そのため、複数のコア41を径方向に、より精度よく位置決めできる。
【0064】
ここで、本実施形態においてコア41の径方向外側面とは、例えば、上側コアフランジ部41cの径方向外側面と、下側コアフランジ部41dの径方向外側面と、第2コア凸部41fの径方向外側面と、を含む。
【0065】
本実施形態において上側コアフランジ部41cは、上側ベアリングホルダ44とカバー45との径方向の間に嵌め合わされる。
【0066】
図2に示すように、下側コアフランジ部41dは、コア柱状部41bの下端に接続される。下側コアフランジ部41dの形状は、上側コアフランジ部41cの形状と同様である。下側コアフランジ部41dは、ホルダ外周面44cと直接的に固定される。下側コアフランジ部41dの径方向内側面は、ホルダ外周面44cと接触する。下側コアフランジ部41dは、カバー内周面45cと直接的に固定される。下側コアフランジ部41dの径方向外側面は、カバー内周面45cと接触する。
【0067】
これにより、コア41の上端とコア41の下端とが、ホルダ外周面44cおよびカバー内周面45cと接触した状態で、上側ベアリングホルダ44およびカバー45と固定される。そのため、コア41が中心軸Jに対して傾いて配置されることを抑制できる。また、コア41を安定して上側ベアリングホルダ44とカバー45との径方向の間に保持できる。
【0068】
本実施形態において下側コアフランジ部41dは、上側ベアリングホルダ44とカバー45との径方向の間に嵌め合わされる。
【0069】
図3および図4に示すように、第1コア凸部41eは、上側コアフランジ部41cの径方向内側面から径方向内側に突出する。すなわち、第1コア凸部41eは、コア本体41aから径方向内側に突出する。第1コア凸部41eの形状は、特に限定されない。図4の例では、第1コア凸部41eの形状は、径方向に延びる四角柱状である。
【0070】
図2に示すように、第1コア凸部41eの軸方向の寸法は、例えば、上側コアフランジ部41cの軸方向の寸法と同じである。図2および図3に示すように、第1コア凸部41eは、例えば、第1ホルダ凹部47に挿入または圧入される。
【0071】
図2に示すように、第1コア凸部41eの下面は、第1ホルダ凹部47を構成する面のうちの上側を向く面である凹部上側面47aと接触する。第1コア凸部41eの径方向内側の面は、第1ホルダ凹部47を構成する面のうちの径方向外側を向く面である凹部内側面47bと接触する。
【0072】
図3に示すように、第1コア凸部41eの周方向側面である第1コア凸部側面41iは、第1ホルダ凹部47の周方向側面と接触する。すなわち、第1ホルダ凹部47には、第1コア凸部側面41iの少なくとも一部が接触する。そのため、コア41を金属製の上側ベアリングホルダ44に対して周方向に位置決めできる。これにより、複数のコア41を周方向に精度よく位置決めできる。したがって、本実施形態によれば、コギングトルクおよびトルクリップルを低減しやすい。
【0073】
本実施形態においては、周方向両側の第1コア凸部側面41iのうち一方のみが、第1ホルダ凹部47と接触してもよいし、周方向両側の第1コア凸部側面41iの両方が、第1ホルダ凹部47と接触してもよい。また、本実施形態においては、第1コア凸部側面41iの全体が第1ホルダ凹部47と接触してもよいし、第1コア凸部側面41iの一部が第1ホルダ凹部47と接触してもよい。
【0074】
図3および図4に示すように、第2コア凸部41fは、上側コアフランジ部41cの径方向外側面から径方向外側に突出する。すなわち、第2コア凸部41fは、コア本体41aから径方向外側に突出する。第2コア凸部41fの形状は、特に限定されない。図4の例では、第2コア凸部41fの形状は、径方向に延びる四角柱状である。
【0075】
図2に示すように、第2コア凸部41fの軸方向の寸法は、例えば、下側コアフランジ部41dの軸方向の寸法と同じである。図2および図3に示すように、第2コア凸部41fは、例えば、第1カバー凹部48に挿入または圧入される。
【0076】
図2に示すように、第2コア凸部41fの下面は、第1カバー凹部48を構成する面のうちの上側を向く面と接触する。第2コア凸部41fの径方向外側の面の径方向位置は、カバー外周面45hの径方向位置と同じである。
【0077】
図3に示すように、第2コア凸部41fの周方向側面である第2コア凸部側面41jは、第1カバー凹部48の周方向側面と接触する。すなわち、第1カバー凹部48には、第2コア凸部側面41jの少なくとも一部が接触する。そのため、コア41を金属製の上側ベアリングホルダ44に対して、より精度よく周方向に位置決めできる。これにより、本実施形態によれば、コギングトルクおよびトルクリップルをより低減しやすい。
【0078】
本実施形態においては、周方向両側の第2コア凸部側面41jのうち一方のみが、第1カバー凹部48と接触してもよいし、周方向両側の第2コア凸部側面41jの両方が、第1カバー凹部48と接触してもよい。また、本実施形態においては、第2コア凸部側面41jの全体が第1カバー凹部48と接触してもよいし、第2コア凸部側面41jの一部が第1カバー凹部48と接触してもよい。
【0079】
図2に示すように、コア41の下端面であるコア下端面41hは、ホルダ下端面44bと、中心軸Jに対して垂直な同一平面上に設けられる。言い換えると、上側ベアリングホルダ44の軸方向一方側の端面と、コア41の軸方向一方側の端面とは、中心軸Jに対して垂直な同一平面上に設けられる。そのため、モールド成型によってステータ40を製造する際に、コア41と上側ベアリングホルダ44とを平坦面に設置できる。これにより、コア41と上側ベアリングホルダ44とを設置する治具を簡単な構成とできる。
【0080】
また、例えば、コア下端面41hがホルダ下端面44bよりも下側の場合、モールド成型時に、ホルダ下端面44bの下側に樹脂が流れ込む場合がある。この場合、ホルダ下端面44bの下側に流し込まれる樹脂が、上側ベアリングホルダ44の内側に入り込む虞がある。上側ベアリングホルダ44の内側に樹脂が入り込むと、ホルダ内周面44eの表面に樹脂による凹凸が生じ、上側ベアリング51が傾いて配置される虞がある。
【0081】
これに対して、本実施形態によれば、コア下端面41hとホルダ下端面44bとが同一平面上に設けられるため、ホルダ下端面44bの下側に樹脂が流れ込むことを抑制しやすい。したがって、上側ベアリングホルダ44の内側に樹脂が入り込むことを抑制できる。
【0082】
コア下端面41hは、カバー45の下端面であるカバー下端面45fと中心軸Jに対して垂直な同一平面上に設けられる。すなわち、本実施形態においてコア下端面41hと、ホルダ下端面44bと、カバー下端面45fとは、中心軸Jに対して垂直な同一平面上に設けられる。そのため、モールド成型によってステータ40を製造する際に、コア41と上側ベアリングホルダ44とカバー45とを平坦面に設置できる。これにより、コア41と上側ベアリングホルダ44とカバー45とを設置する治具をより簡単な構成とできる。
【0083】
なお、本実施形態においてコア下端面41hは、下側コアフランジ部41dの下面である。
【0084】
図3に示すように、コア41の上端面であるコア上端面41gは、例えば、ホルダ上端面44aおよびカバー上端面45eと、中心軸Jに対して垂直な同一平面上に設けられる。そのため、モールド成型する際に、コア上端面41gと、ホルダ上端面44aと、カバー上端面45eとを治具上に設置してもよい。この場合においても、コア41と上側ベアリングホルダ44とカバー45とを設置する治具を簡単な構成とでき、かつ、上側ベアリングホルダ44の内側に樹脂が入り込むことを抑制できる。
【0085】
なお、本実施形態においてコア上端面41gは、上側コアフランジ部41cの上面と、第1コア凸部41eの上面と、第2コア凸部41fの上面と、からなる。
【0086】
以上に説明したように、本実施形態において上側ベアリングホルダ44は、上側ベアリング51を保持し、コア41を径方向および周方向に位置決めし、かつ、モールド樹脂部46が軸方向に抜けることを抑制する。すなわち、上側ベアリングホルダ44は、複数の機能を有する。また、本実施形態においてカバー45は、ハウジング11とステータ40とを固定し、コア41を径方向および周方向に位置決めし、かつ、モールド樹脂部46が軸方向に抜けることを抑制する。すなわち、カバー45は、複数の機能を有する。
【0087】
このように、本実施形態によれば、1つの部品が複数の機能を有するため、それぞれの機能を有する別の部品を設ける必要がなく、モータ10の部品点数を少なくできる。したがって、組み立て工数およびコストを低減できる。また、モータ10を小型化しやすい。
【0088】
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用してもよい。以下の説明においては、上記説明と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
【0089】
本実施形態においては、複数のコア41が、ホルダ外周面44cに対して、直接的または間接的に固定される構成を採用できる。すなわち、本実施形態において複数のコア41は、ホルダ外周面44cに対して、間接的に固定されてもよい。
【0090】
また、本実施形態においては、複数のコア41が、カバー内周面45cに対して、直接的または間接的に固定される構成を採用できる。すなわち、本実施形態において複数のコア41は、カバー内周面45cに対して、間接的に固定されてもよい。
【0091】
なお、本明細書において、コアが所定の対象の面に対して間接的に固定される、とは、コアが所定の対象の面と他の部材を介して接触した状態で、コアと所定の対象とが固定されることを含む。他の部材とは、例えば、モールド樹脂部46の一部である。
【0092】
また、本実施形態においては、第1ホルダ凹部47が、ホルダ外周面44cと、上側ベアリングホルダ44の軸方向両端側の端面の少なくとも一方と、に開口する構成を採用できる。すなわち、本実施形態において第1ホルダ凹部47は、ホルダ上端面44aとホルダ下端面44bとの両方に開口してもよい。
【0093】
また、本実施形態において第1ホルダ凹部47は、ホルダ外周面44cとホルダ上端面44aとホルダ下端面44bとのうちのいずれか1つ以上に開口してもよい。
【0094】
また、本実施形態においては、第1カバー凹部48が、カバー内周面45cと、カバー45の軸方向両側の端面の少なくとも一方と、に開口する構成を採用できる。すなわち、本実施形態において第1カバー凹部48は、カバー上端面45eとカバー下端面45fとの両方に開口してもよい。
【0095】
また、本実施形態において第1カバー凹部48は、カバー内周面45cとカバー上端面45eとカバー下端面45fとのうちのいずれか1つ以上に開口してもよい。
【0096】
また、本実施形態において第1コア凸部41eおよび第2コア凸部41fは、下側コアフランジ部41dから突出してもよい。
【0097】
また、上記説明において第1コア凸部41eは、上側コアフランジ部41cの径方向内側面の一部から突出する構成としたが、これに限られない。本実施形態において第1コア凸部41eは、上側コアフランジ部41cの径方向内側面の全体から突出する形状であってもよい。第1コア凸部41eは、例えば、上側コアフランジ部41cの径方向内側の端部が、径方向内側に延長した形状とできる。
【0098】
また、上記説明において第2コア凸部41fは、上側コアフランジ部41cの径方向外側面の一部から突出する構成としたが、これに限られない。本実施形態において第2コア凸部41fは、上側コアフランジ部41cの径方向外側面の全体から突出する形状であってもよい。第2コア凸部41fは、例えば、上側コアフランジ部41cの径方向外側の端部が、径方向外側に延長した形状とできる。
【0099】
また、本実施形態においては、1つのコア41に、第1コア凸部41eおよび第2コア凸部41fそれぞれ複数設けられてもよい。例えば、1つのコア41に第1コア凸部41eおよび第2コア凸部41fがそれぞれ2つずつ設けられてもよい。この場合、一方の第1コア凸部41eおよび第2コア凸部41fが上側コアフランジ部41cから突出し、他方の第1コア凸部41eおよび第2コア凸部41fが下側コアフランジ部41dから突出してもよい。
【0100】
また、本実施形態においては、カバー45は、例えば、樹脂製であってもよい。
また、本実施形態においては、インシュレータ43は、紛体塗装等の絶縁被覆層であってもよい。
【0101】
また、本実施形態においては、図5に示す構成であってもよい。図5は、本実施形態の他の一例であるモータ110を示す部分拡大断面図である。図5に示すように、モータ110は、ステータ140を備える。
【0102】
ステータ140は、複数のコア141と、コイル42と、インシュレータ43と、上側ベアリングホルダ(ベアリングホルダ)144と、モールド樹脂部46と、を有する。また、図示は省略するが、ステータ140は、図2等に示したカバー45を有する。
【0103】
上側ベアリングホルダ144の外周面であるホルダ外周面144cには、段差部147が設けられる。段差部147は、下側から上側に向かって、上側ベアリングホルダ144の直径が小さくなる段差である。段差部147は、例えば、ホルダ外周面144cの周方向の全体に亘って設けられる。
【0104】
段差部147は、軸方向と交差する段差面147aと、周方向に沿って延びる段差部側面147bと、を有する。本実施形態において段差面147aは、軸方向と直交する。段差部側面147bは、段差面147aの径方向内側の端部から、上側ベアリングホルダ144の上端面であるホルダ上端面144aまで延びる。上側ベアリングホルダ144のその他の構成は、図2等に示す上側ベアリングホルダ44の構成と同様である。
【0105】
コア141は、コア本体141aと、第1コア凸部141eと、を有する。また、図示は省略するがコア本体141aは、図2等に示した第2コア凸部41fを有する。コア本体141aは、コア柱状部41bと、上側コアフランジ部141cと、下側コアフランジ部41dと、を有する。上側コアフランジ部141cは、軸方向の寸法が小さい点を除いて図1等に示す上側コアフランジ部41cと同様である。図5の例では、上側コアフランジ部141cの軸方向の寸法は、例えば、下側コアフランジ部41dの軸方向の寸法よりも小さい。
【0106】
第1コア凸部141eは、コア本体141a、より詳細には上側コアフランジ部141cから径方向内側に突出する。第1コア凸部141eの径方向内側の端部は、段差部側面147bと接触する。第1コア凸部141eの少なくとも一部は、段差面147aと軸方向に重なる。第1コア凸部141eの下面と段差面147aとは、軸方向に離れて設けられる。そのため、モールド成型する際に、第1コア凸部141eの下面と段差面147aとの間に樹脂が流れ込み、第1コア凸部141eの下面と段差面147aとがモールド樹脂部146の一部を介して間接的に接触する。これにより、コア141と上側ベアリングホルダ144との固定を強固にできる。
【0107】
第1コア凸部141eの軸方向の寸法は、例えば、図2等に示す第1コア凸部41eの軸方向の寸法よりも小さい。第1コア凸部141eのその他の構成は、図2等に示す第1コア凸部41eの構成と同様である。モールド樹脂部146の構成は、モールド樹脂部146の一部が第1コア凸部141eの下面と段差面147aとの間に設けられる点を除いて、図2等に示すモールド樹脂部46の構成と同様である。モータ110のその他の構成は、図1から図4に示すモータ10の構成と同様である。
【0108】
なお、この構成においては、段差部147が周方向の一部に設けられ、かつ、複数設けられる構成であってもよい。この場合、段差部147は、図2等に示す第1ホルダ凹部47と同様の構成である。すなわち、この構成においてホルダ外周面144cには、段差面147aを有する第1凹部、すなわち段差部147が複数設けられてもよい。この場合、第1コア凸部141eの周方向側面の少なくとも一部は、第1凹部、すなわち段差部147に接触する。そのため、複数のコア141を周方向に精度よく位置決めできる。
【0109】
また、この構成においては、第1コア凸部141eの下面と段差面147aとが軸方向に離れる範囲内において、上側コアフランジ部141c、第1コア凸部141eおよび段差部147の軸方向における相対位置および寸法は、特に限定されない。
【0110】
例えば、上側コアフランジ部141cの軸方向の寸法が、下側コアフランジ部41dの軸方向の寸法および図1等に示す上側コアフランジ部41cの軸方向の寸法と同じであってもよい。この場合、上側コアフランジ部141cの上面が、第1コア凸部141eの上面およびホルダ上端面144aよりも上側に位置し、モールド樹脂部146の一部が、第1コア凸部141eの上面およびホルダ上端面144aに位置してもよい。
【0111】
また、例えば、上側コアフランジ部141cの構成および第1コア凸部141eの構成が、図1および図2等に示す上側コアフランジ部41cの構成および第1コア凸部41eの構成と同じであってもよい。この場合、段差部147の軸方向の寸法が、図2等に示す第1ホルダ凹部47の軸方向の寸法よりも大きくてもよい。すなわち、段差面147aの軸方向の位置が、図2等に示す凹部上側面47aよりも下側に位置してもよい。これにより、第1コア凸部141eの下面と段差面147aとが軸方向に離れる。
【0112】
また、この構成においては、第1コア凸部141eの径方向内側の端部が、段差部側面147bと径方向に離れる構成であってもよい。この場合、第1コア凸部141eと段差部側面147bとの間には、モールド樹脂部146の一部が位置する。
【0113】
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態に対して、カバーがモータケースとして機能する点において異なる。なお、第1実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
【0114】
図6は、本実施形態のモータ210を示す断面図である。図6に示すように、モータ210は、ハウジング211と、シャフト220と、2つのロータである上側ロータ31および下側ロータ32と、上側ベアリング51と、下側ベアリング52と、バスバーユニット270と、コネクタ71と、ステータ240と、を備える。
【0115】
ハウジング211は、モータ210のモータケースである。ハウジング211は、中間ハウジング212と、下側ハウジング213と、上側ハウジング214と、を有する。
【0116】
中間ハウジング212は、例えば、軸方向の両端が開口した円筒状である。本実施形態においては、中間ハウジング12の径方向内側には、上側ロータ31、下側ロータ32およびステータ240が位置する。本実施形態において中間ハウジング212は、単一の部材である。中間ハウジング212は、カバー部(カバー)245と、上側筒部212aと、下側筒部212bと、を有する。
【0117】
カバー部245は、第1実施形態のカバー筒状部45aと同様の構成である。すなわち、本実施形態においてカバーであるカバー部245は、モータケースとして機能する。そのため、モータ210の部材点数を少なくできる。これにより、モータ210の組み立て工数および製造コストを低減できる。
【0118】
なお、本明細書において、ある部品がモータケースとして機能する、とは、ある部品がモータケースの少なくとも一部であることを含む。
【0119】
上側筒部212aは、カバー部245の上端に接続される。上側筒部212aの上端には、上側ハウジング214が取り付けられる。下側筒部212bは、カバー部245の下端に接続される。下側筒部212bの下端には、下側ハウジング213が取り付けられる。
【0120】
下側ハウジング213の構成は、第1実施形態の下側ハウジング13の構成と同様である。上側ハウジング214の径方向内側には、バスバーユニット270が位置する。上側ハウジング214のその他の構成は、第1実施形態の上側ハウジング14の構成と同様である。シャフト220は、上側ロータ31よりも上側に延びる。シャフト220のその他の構成は、第1実施形態のシャフト220の構成と同様である。
【0121】
バスバーユニット270は、ステータ240の上側に位置する。バスバーユニット270は、バスバーホルダ270aと、バスバー270bと、を有する。バスバーホルダ270aは、バスバー270bを保持する。バスバーホルダ270aは、シャフト220を周方向に囲む。バスバー270bは、ステータ240と電気的に接続される。バスバー270bの一端は、コネクタ71を介してモータ210の外部に露出する。
【0122】
ステータ240の構成は、カバーであるカバー部245がハウジング211の一部である点を除いて、第1実施形態のステータ40の構成と同様である。
【0123】
なお、本実施形態においては、カバー部245の少なくとも一部が、モータケースとして機能する構成を採用できる。すなわち、本実施形態においては、カバー部245の一部が、モータケースとして機能してもよい。
【0124】
また、上記説明においては、カバー部245は、単一の部材である中間ハウジング212の一部としたが、これに限られない。本実施形態においてカバー部245は、単独の部材であってもよい。
【0125】
なお、上記説明した第1実施形態および第2実施形態の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0126】
10,110,210…モータ、20,220…シャフト、31…上側ロータ(ロータ)、32…下側ロータ(ロータ)、40,140,240…ステータ、41,141…コア、41a,141a…コア本体、41e,141e…第1コア凸部、41f…第2コア凸部、41i…第1コア凸部側面(周方向側面)、41j…第2コア凸部側面(周方向側面)、42…コイル、44,144…上側ベアリングホルダ(ベアリングホルダ)、44c,144c…ホルダ外周面、44d…第2ホルダ凹部、44e…ホルダ内周面、45…カバー、45c…カバー内周面、45d…第2カバー凹部、47…第1ホルダ凹部、48…第1カバー凹部、51…上側ベアリング(ベアリング)、147…段差部、147a…段差面、245…カバー部(カバー)、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6