特許第6585398号(P6585398)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6585398-可動装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585398
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】可動装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20190919BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   H05K13/02 A
   B65G1/00 535
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-133199(P2015-133199)
(22)【出願日】2015年7月2日
(65)【公開番号】特開2017-17205(P2017-17205A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100125737
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】澤田 利幸
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−222827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側に配置されたレール部材に対して摺動可能に装着された可動台と、
前記可動台を前記レール部材に沿って移動させるための駆動手段と、
前記可動台の左右両側に設けられ、前記駆動手段から出力される駆動力を前記可動台の移動に変換するための駆動伝達機構と、
左右両側の前記駆動伝達機構に対して前記駆動手段の駆動力を同時に伝達するための左右伝達機構とを有する可動装置において、
前記可動台は、その右側壁部と左側壁部とが前記レール部材および前記駆動伝達機構にそれぞれ連結し、前記レール部材に沿ってそれぞれが移動可能であって、当該右側壁部および左側壁部は、弾性プレートによって連結されたものであることを特徴とする可動装置。
【請求項2】
前記弾性プレートは、前記右側壁部と前記左側壁部との移動方向のずれを撓みによって吸収する薄板であることを特徴とする請求項1に記載の可動装置。
【請求項3】
前記可動台は、対向する前記右側壁部および左側壁部の内側面に水平方向の対となるスロットが形成されたものであり、
前記レール部材は、鉛直方向に形成され、前記右側壁部と左側壁部の外側面に固定されたガイドブロックが摺動可能に嵌合するガイドレールであり、
前記駆動伝達機構は、前記右側壁部と左側壁部の外側面に固定されたナットと、鉛直方向に回転自在に設置されたネジ軸とからなるボールネジ機構であり、
前記左右伝達機構は、左右に配置された前記ネジ軸に固定されたスプロケットにベルトが掛け渡され、前記駆動手段であるモータの回転を伝達するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右の両側から駆動力を伝達して直線移動を行う可動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板に電子部品を装着する電子部品実装機には、電子部品を供給するための電子部品供給装置が使用されている。その電子部品供給装置には、例えば、電子部品を収容した複数のトレイパレットがマガジン内に収納され、そのマガジンの昇降による位置決めによって、実装機側に所定のトレイパレットが送り出されるようにしたものがある。下記特許文献1には、そうしたトレイ型電子部品供給装置が開示されている。そのトレイ型電子部品供給装置は、独立して昇降可能に構成された2つのマガジンが上下に配置され、各マガジンには、複数段のスロットに対して電子部品を収容したトレイパレットが出し入れ可能に搭載されている。
【0003】
本体ボックス内に入れられたマガジンは、左右両側に配置されたレールによって上下に摺動可能に組み込まれている。また、マガジンには左右両側にナット部材が固定され、本体ボックス内の左右両側に起立して設けられたネジ軸と螺合したボールネジ機構が設けられている。左右2本のネジ軸には、一のモータからの回転がタイミングベルトとプーリを介して伝達され、同時に回転するネジ軸を介してマガジンが左右両側から駆動力を受けて昇降することとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−091350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来例のトレイ型電子部品供給装置は、マガジンに対して左右両側から駆動力が伝達されることにより、片側だけの駆動力の伝達に比べてスムーズな昇降移動が可能になる。しかし、一つの駆動源から左右両側に駆動力を伝達するこの可動装置は、左右両側に設けられたボールネジ機構の動きが同期する構成であるものの、組み付け誤差や駆動力の伝達に若干のずれが生じることなどにより、マガジンの昇降運動に多少の振動が生じてしまう。トレイ型電子部品供給装置のように細かい電子部品を取り扱うものの場合は、トレイパレット内における電子部品が振動によって位置ずれを生じ、その後に行われる回路基板への装着に影響を与えてしまうことになる。一方で、完全に同期させることは困難であり、実行するにはコストがかかってしまうなどの問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、左右の駆動伝達機構に生じるずれを吸収するようにした可動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る可動装置は、左右両側に配置されたレール部材に対して摺動可能に装着された可動台と、前記可動台を前記レール部材に沿って移動させるための駆動手段と、前記可動台の左右両側に設けられ、前記駆動手段から出力される駆動力を前記可動台の移動に変換するための駆動伝達機構と、左右両側の前記駆動伝達機構に対して前記駆動手段の駆動力を同時に伝達するための左右伝達機構とを有し、前記可動台は、その右側壁部と左側壁部とが前記レール部材および前記駆動伝達機構にそれぞれ連結し、前記レール部材に沿ってそれぞれが移動可能であって、当該右側壁部および左側壁部は、弾性プレートによって連結されたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の可動装置によれば、右側壁部と左側壁部とが駆動手段からの駆動力を駆動伝達機構や左右伝達機構を介して伝えられることで可動台がレール部材に沿った移動を行う。その際、右側壁部および左側壁部が分離した状態で構成され、又は弾性プレートによって連結されているので、左右伝達機構に生じるずれが吸収されて、右側壁部および左側壁部が受ける各々の駆動力が互いに伝わらずに独立した移動になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】可動装置の一実施形態であるトレイ型電子部品供給装置を示した正面図である。
図2】トレイ型電子部品供給装置の内部構造を簡略化して示した側面図である。
図3】トレイ型電子部品供給装置の内部構造を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る可動装置の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。本実施形態の可動装置は、回路基板に電子部品を装着する電子部品実装機のトレイ型電子部品供給装置において構成されたものである。電子部品実装機は、回路基板に電子部品の装着を行うものであり、回路基板に印刷パターンを通してクリームはんだを印刷するスクリーン印刷機や、印刷状態を検査する検査機などを組み合わせた基板生産ラインの一部を構成するものである。そして、トレイ型電子部品供給装置は、そうした基板生産ラインの電子部品実装機に電子部品を供給するものである。
【0011】
図1は、トレイ型電子部品供給装置を示した正面図であり、図2は、トレイ型電子部品供給装置の内部構造を簡略化して示した側面図である。本実施形態のトレイ型電子部品供給装置(以下、単に「部品供給装置」とする)1は、複数のトレイパレットを収納する上マガジン2と下マガジン3が本体ボックス11内に上下2段になって配置され、それぞれが独立して上下動するように構成されている。本体ボックス11は、前面に上扉12と下扉13とが設けられ、上マガジン2と下マガジン3にそれぞれ対応している。上扉12および下扉13は、取っ手15によって開け閉めが可能であり、窓16から内部が確認できる。また、本体ボックス11の前面には操作入力部17などが設けられている。
【0012】
一方、本体ボックス11の背面側には引出しテーブル18が設けられている。上マガジン2と下マガジン3に搭載されたトレイパレット5は、その引出しテーブル18に対して高さ方向の位置合わせが行われ、パレット出し入れ機構によって引出しテーブル18上に引き出されるようになっている。引き出されたトレイパレット5は電子部品の供給位置へと送られ、電子部品実装機の装着ヘッドによって電子部品が取り出されることになる。よって、部品供給装置1には、上マガジン2と下マガジン3を引出しテーブル18に対して位置合わせができるようにした昇降機構が設けられている。
【0013】
上マガジン2と下マガジン3には各々独立した昇降機構が構成されている。図3は、部品供給装置1の内部構造を示した斜視図である。上マガジン2は、左右両側に対向する側壁部材21L,21R、下マガジン3には側壁部材31L,31Rがそれぞれ同じ高さに設けられ、側壁部材21L,21R,31L,31Rの内側にはスロット41が上下に複数段形成されている。従って、側壁部材21L,21R又は側壁部材31L,31Rは、それぞれ同一高さの対になったスロット41間にトレイパレット5(図2参照)を水平に出し入れできるようになっている。本実施形態では、図示するX軸方向が部品供給装置1について左右の幅方向であり、Y軸方向が前後方向で、Z軸方向が高さ方向である。よって、トレイパレット5は、上下マガジン2,3に対して前後方向から挿入され、また抜き取られるようになっている。
【0014】
側壁部材21L,21R,31L,31Rは外側にガイドブロック42が固定され、そのガイドブロック42が、本体ボックス11(図2参照)の内側壁に固定されたガイドレール43に対して摺動可能に嵌め合わされている。ガイドレール43は、左右両側に2本ずつ鉛直方向に固定され、左側には上下の側壁部材21L,31Lが同一のガイドレール43に装着され、右側には上下の側壁部材21R,31Rが同一のガイドレール43に装着されている。そして、昇降自在に組み付けられた側壁部材21L,21R,31L,31Rには、各々に対して昇降のための駆動力を伝達する駆動伝達機構が設けられている。
【0015】
先ず、上マガジン2(側壁部材21L,21R)には駆動モータ22が設けられ、下マガジン3(側壁部材31L,31R)には駆動モータ32が設けられ、各々の回転制御によって上マガジン2と下マガジン3とが別々に上下移動するように構成されている。上下マガジン2,3の駆動伝達機構は同じ構成であり、左右にボールネジ機構が設けられ、上マガジン2の側壁部材21L,21Rや下マガジン3の側壁部材31L,31Rに対して各々に駆動力が伝えられるようになっている。複数のトレイパレットを搭載したマガジンは、その重量が大きいため、片側だけに駆動力を伝達した片持ち構造では、摺動部分にこじりが生じるなどしてスムーズな上下動を妨げてしまうからである。
【0016】
左右両側への駆動力の伝達に関しては、例えば左右両側に2台の駆動モータを設けるようなデュアル構造も考えられるが、モータの数が増えてしまうとコストアップになり、特に上下マガジン2,3を有する本実施形態の部品供給装置1では、モータが4台にもなってしまう。そこで、左右にボールネジ機構を設け、各1台の駆動モータ22,32の駆動力が各々のボールネジに伝達される構成が採られている。上マガジン2について構造を説明すると、左右にネジ軸23L,23Rが鉛直方向に設けられ、側壁部材21Lに固定されたナット部材24Lがネジ軸23Lに螺合し、側壁部材21Rに固定されたナット部材24Rがネジ軸23Rに螺合している。
【0017】
駆動モータ22は、その回転軸がネジ軸23Lに対してカップリングを介して同軸上に連結されている。また、ネジ軸23L,23Rにはそれぞれにプーリ25L,25Rが固定され、その間にタイミングベルト26が掛け渡されている。そして、そのタイミングベルト26にはテンションローラ27が押し当てられている。よって、駆動モータ22の回転出力は、ネジ軸23Lには直接伝達され、ネジ軸23Rにはプーリ25L,25Rとタイミングベルト26を介して伝達されるようになっている。ネジ軸23L,23Rの回転は同期し、その回転運動がそれぞれナット部材24L,24Rを介して直線運動に変換され、側壁部材21L,21Rの昇降が行われることになる。
【0018】
こうした構成は下マガジン3においても同様である。すなわち、左右にネジ軸33L,33Rが鉛直方向に設けられ、側壁部材31Lに固定されたナット部材34Lがネジ軸33Lに螺合し、側壁部材31Rに固定されたナット部材34Rがネジ軸33Rに螺合している。そして、駆動モータ32の回転軸はネジ軸33Lにカップリングを介して連結され、ネジ軸33L,33Rに固定されたプーリ35L,35Rに対してテンションローラ37の当てられたタイミングベルト36が掛け渡されている。よって、駆動モータ32の回転出力は、ネジ軸33Lには直接伝達され、ネジ軸33Rにはプーリ35L,35Rとタイミングベルト36を介して伝達されるようになっている。そして、ネジ軸33L,33Rの回転は同期し、その回転運動がナット部材34L,34Rにより直線運動に変換され、側壁部材31L,31Rの昇降が行われることになる。
【0019】
このように、上マガジン2では、駆動モータ22の回転出力が左右のネジ軸23L23Rに同時に伝えられ、側壁部材21L,21Rの昇降が同期するように構成されている(下マガジン3でも同じ)。しかし、回転運動が直線運動に変換させる左右のボールネジ機構は、ネジ軸23Lおよびナット部材24Lの組み合わせと、ネジ軸23Rおよびナット部材24Rの組み合わせにおける、作動時の溝の位置などが完全に一致するわけではない。また、タイミングベルト26を介して伝えられる回転にも僅かな誤差が生じてしまい、完全な同期は困難である。一方で、僅かな誤差を解消して極めて高いレベルで同期させる調整を行ったとしても、そのような調整は装置毎に個別に行われるものであるため、作業負担が大きくなるだけではなく精度も不安定である。

【0020】
こうした一の駆動手段から出力される駆動力を、2つの駆動伝達機構を介して一対の可動部材の動きとして同期させるようにした構成は、本実施形態のような部品供給装置1では特に、昇降に伴う僅かな移動誤差が部品供給に影響を及ぼしてしまう。すなわち、従来構造の部品供給装置は、例えば側壁部材21L,21Rが天板と底板とによって剛結された構造のマガジンであったため、昇降時の左右の移動誤差が振動となって現れてしまい、それがトレイパレット上の部品を跳ねさせるなどして電子部品の位置ズレを生じさせてしまう。すると、装着ヘッドによって吸着保持した電子部品の姿勢が不適切な状態になってしまい、検査で不適合と判定されたその電子部品が廃棄の対象になってしまう。
【0021】
よって、如何にして電子部品に振動を与えないかが課題であったが、前述したように昇降途中の状態を左右で一致させる完全な同期は困難であり、駆動モータの数を増やして制御によって解決を図るのは、コストアップや装置の大型化につながるため好ましくない。そこで本実施形態では、左右の側壁部材21L,21Rについて移動誤差が生じることを前提に、トレイパレット5に及ぶ振動を抑える構成とすることにした。すなわち、側壁部材21L,21Rの間を移動誤差による力の伝達が行われないようにした。下マガジン3の側壁部材31L,31Rについても同じ構成である。
【0022】
具体的には、側壁部材21L,21Rは前記従来構造と同様に天板45と底板46とによって連結されているが、天板45と底板46は極めて薄い撓みの生じ得る板材が使用されている。すなわち、側壁部材21L,21Rの間に移動誤差が生じたとしても、天板45や底板46が撓むことによってずれが吸収される構成が採られている。例えば、従来のマガジンは、天板や底板に厚さ6mm程度のアルミ板が使用されていたが、本実施形態の上下マガジン2,3の天板45及び底板46は、0.5mmから1.0mm程度のアルミ板が使用される。
【0023】
ところで、本実施形態では、課題解決手段として極薄の天板45や底板46を使用することとしたが、特にこれらが上下マガジン2,3本来の機能を果たすために必要な構成であるわけではない。天板45や底板46が存在しなくても、左右の側壁部材21L,21Rの昇降が同期するため、そのスロット41に挿入したトレイパレット5を昇降させることはできるからである。本実施形態において天板45や底板46が設けられているのは、例えば天板45は、部品実装機の作業によりグリスなどが飛んでトレイパレット5上の電子部品を汚してしまわないようにするためであり、底板46は、作業者が上マガジン2に対して作業をしているときに、移動する下マガジン3に手が伸びないようにするためである。
【0024】
このように、天板45や底板46は、トレイパレット5の移動とは別の目的で設けられたものである。そこで、本実施形態では、天板45や底板46がそれぞれの目的を果たす一方で、側壁部材21L,21Rに生じる移動誤差を吸収することができるように極薄の板材が使用されている。また、本実施形態の可動台は、左右の側壁部材21L.21Rが連結された上下マガジン2,3を説明しているが、前述したように天板45や底板46に各自の目的を果たすための構成である。従って、可動装置として側壁部材21L.21Rを連結する構成が必須であるわけではなく、連結部材の無い左右の側壁部材21L,21Rが分離された構成のマガジンであってもよい。
【0025】
よって、本実施形態の部品供給装置1によれば、上マガジン2は、駆動モータ22の回転制御により、ネジ軸23Lとタイミングベルト26によってネジ軸23Rに所定角度の回転が与えられ、その回転運動がそれぞれナット部材24L,24Rにより直線運動に変換され、側壁部材21L,21Rが上下方向に所定距離だけ移動する。その際、上マガジン2内に挿入されている対象となるトレイパレット5が引出しテーブル18の高さに位置合わせが行われ、引き出されたトレイパレット5が電子部品の供給位置へと移動し、そこから実装に使用される電子部品が取り出される。下マガジン3は、例えば使用頻度の高い電子部品のストックとして使用され、上マガジン2内の特定の電子部品が無くなった場合には、同じようにトレイパレット5が引出しテーブル18の高さに位置合わせするように上下方向の移動が行われる。
【0026】
このような上マガジン2(下マガジン3も同じ)の動作は、左右の側壁部材21L,21Rの移動が同期しているものの、前述したように多少の移動誤差が生じている。しかし、本実施形態では、側壁部材21L,21Rのずれが天板45や底板46が撓むことによって吸収される。そのため、側壁部材21L,21Rは独立した移動になり、互いに影響を受けることが無くなって振動を発生させることもない。従って、トレイパレット5上の電子部品を安定した状態で移動させることができ、装着ヘッドによる吸着ミスによる部品廃棄を減らすことができる。また、移動誤差を許容する構成であるため、コストをかけることなく効果を達成することができる。
【0027】
以上、本発明の可動装置の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、電子部品実装機に使用するトレイ型電子部品供給装置を例に挙げて説明したが、そのほかの可動装置であってもよい。トレイ型電子部品供給装置1に関してもマガジンが一つのものであってもよい。
また、前記実施形態では駆動伝達機構としてボールネジ機構を示し、左右伝達機構としてタイミングベルトとプーリによる構成を示したが、例えばこれらの構成がギヤとチェーンで構成したものなどであってもよい。
【符号の説明】
【0028】
1…トレイ型電子部品供給装置 2…上マガジン 3…下マガジン 5…トレイパレット 21L,21R…側壁部材 22…駆動モータ 23L,23R…ネジ軸 24L,24R…ナット部材 25L,25R…プーリ 26…タイミングベルト 27…テンションローラ 41…スロット 42…ガイドブロック 43…ガイドレール 45…天板 46…底板


図1
図2
図3