【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、総務省、次世代映像素材伝送の実現に向けた高効率周波数利用技術に関する研究開発の委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切替期間が前記プリアンブルの送信期間よりも長い場合、前記OFDM信号生成部は、前記切替期間において、前記変更後のサブキャリアから前記プリアンブルおよび前記制御信号を送信せず、前記未変更のサブキャリアから前記プリアンブルおよび前記制御信号を送信するように前記OFDM信号を生成する、
請求項1に記載の端末。
同一のプリアンブルを複数個連続して送信する場合であって、前記切替期間が前記プリアンブルの送信期間よりも短い場合、前記OFDM信号生成部は、前記切替期間の経過後、前記変更後のサブキャリアから前記プリアンブルの個数を減らして送信する、
請求項1に記載の端末。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
<基地局の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、基地局100は、制御信号生成部101と、パイロットシンボル生成部102と、プリアンブル生成部103と、変調部105と、タイミング制御部106と、切替部107と、S/P部108と、IFFT部109と、GI付加部110と、無線送信部111と、無線受信部112と、レベル測定部113と、サブキャリア選択部114と、シンセサイザ部115と、同期検波部116と、GI除去部117と、FFT部118と、チャネル推定部119と、チャネル補償部120と、P/S部121と、復調部122と、から主に構成されている。なお、タイミング制御部106、切替部107、S/P部108、IFFT部109およびGI付加部110により、OFDM(直交周波数分割多重)信号生成部151が構成される。
【0015】
制御信号生成部101は、サブキャリア選択部114から出力された選択サブキャリア情報を含む制御信号を生成して切替部107に出力する。なお、制御信号には、ガードタイムの長さを示す情報、Ack/Nack、リンクアダプテーション情報等が含まれる。
【0016】
パイロットシンボル生成部102は、端末200(
図2参照)が既知であるパイロットシンボルを生成して切替部107に出力する。
【0017】
プリアンブル生成部103は、端末200(
図2参照)が既知であるプリアンブルを生成して切替部107に出力する。なお、プリアンブルは、端末200において、AGC(Automatic Gain Control)、タイミング検出、AFC(Automatic Frequency Control)等に用いられる。
【0018】
変調部105は、送信データ(DLデータ)を変調し、送信信号を切替部107に出力する。なお、変調前の送信データには、誤り訂正符号化やインターリーブ等の符号化処理が行われる。
【0019】
タイミング制御部106は、OFDM信号が所定のフレーム構成(
図3参照)になるように、切替部107に対して、プリアンブル生成部103から出力されたプリアンブル、パイロットシンボル生成部102から出力されたパイロットシンボル、制御信号生成部101から出力された制御信号、変調部105から出力された送信信号の、S/P部108に出力するタイミングを制御する。特に、タイミング制御部106は、サブキャリア選択部114からサブキャリアの変更を行うことを示すフラグ情報を入力すると、端末200のプリアンブルの送信開始タイミングで周波数の変更を行うように周波数の変更タイミングを指示する指示信号を、シンセサイザ部115に出力する。
【0020】
切替部107は、タイミング制御部106の制御に基づき、プリアンブル生成部103から出力されたプリアンブル、パイロットシンボル生成部102から出力されたパイロットシンボル、制御信号生成部101から出力された制御信号、変調部105から出力された送信信号の内一つをS/P部108に出力する。なお、切替部107は、ガードタイムおよびUL信号区間には、S/P部108に何も出力しない。
【0021】
S/P部108は、切替部107から直列に出力された信号列をn個(nは2以上の整数)の並列な信号列に変換し(直列/並列)、IFFT部109に出力する。
【0022】
IFFT部109は、S/P部108から出力された並列信号(周波数軸上の信号)に対してIFFT(逆フーリエ変換処理)を行うことにより、n個のサブキャリアに重畳されるOFDM信号(DL信号)を生成し、GI付加部110に出力する。
【0023】
GI付加部110は、IFFT部109から出力されたOFDM信号に対して、有効シンボル波形の一部をコピーしたGI(ガードインターバル)を当該有効シンボルの先頭に付加し、無線送信部111に出力する。
【0024】
無線送信部111は、GI付加部110から出力されたOFDM信号に対して増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部111は、無線送信処理後の信号に対して、シンセサイザ部115から出力されたローカル信号を用いてアップコンバートし、無線信号を得る。そして、無線送信部111は、アンテナから無線信号(DL信号)を送信する。
【0025】
無線受信部112は、アンテナに受信された無線信号(UL信号)に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。さらに、無線受信部112は、無線受信処理後の信号に対して、シンセサイザ部115から出力されたローカル信号を用いてダウンコンバートし、ベースバンドのOFDM信号を得る。そして、無線受信部112は、OFDM信号をレベル測定部113および同期検波部116に出力する。
【0026】
レベル測定部113は、ガードタイムの受信レベル(干渉量)を測定し、測定値をサブキャリア選択部114に出力する。
【0027】
サブキャリア選択部114は、使用中のサブキャリアにおいて、ガードタイムの受信レベルの測定値が閾値以下の周波数を継続してサブキャリアとして選択する。また、サブキャリア選択部114は、ガードタイムの受信レベルの測定値が閾値を越えた周波数があった場合、他のシステムが当該周波数の使用を開始した(干渉が発生した)と判断し、当該周波数の使用を中止し、他のサブキャリアを使用するようにサブキャリアの変更を行う。そして、サブキャリア選択部114は、選択したサブキャリアを示す選択サブキャリア情報を制御信号生成部101及びシンセサイザ部115に出力する。また、サブキャリア選択部114は、サブキャリアの変更を行うことを示すフラグ情報をタイミング制御部106に出力する。
【0028】
シンセサイザ部115は、サブキャリア選択部114が選択したサブキャリアの周波数のローカル信号を発生させて無線送信部111および無線受信部112に出力する。サブキャリアの変更を行う場合、シンセサイザ部115は、タイミング制御部106に指示されたタイミングで、サブキャリア選択部114が新たに選択したサブキャリアの周波数のローカル信号を発生させる。
【0029】
同期検波部116は、無線受信部112から出力されたOFDM信号のプリアンブルを用いて同期検波処理を行い、所定のタイミングでOFDM信号をGI除去部117に出力する。
【0030】
GI除去部117は、同期検波部116から出力されたOFDM信号の各シンボルからガードインターバルを除去し、FFT部118に出力する。
【0031】
FFT部118は、GI除去部117から出力されたOFDM信号に対してFFT(フーリエ変換処理)を行うことにより、各サブキャリアに重畳されている信号列を取り出し、パイロットシンボルをチャネル推定部119に出力し、制御信号および受信信号(データシンボル)をチャネル補償部120に出力する。
【0032】
チャネル推定部119は、FFT部118から出力されたパイロットシンボルと既知のパイロットパターンとの相関を計算することにより、サブキャリア毎のチャネル推定を行い、推定結果であるチャネル推定値をチャネル補償部120に出力する。
【0033】
チャネル補償部120は、チャネル推定値を用いて制御信号および受信信号(データシンボル)のチャネル変動を補償し、制御信号および受信信号をP/S部121に出力する。
【0034】
P/S部121は、チャネル補償部120から並列に出力されたn個の信号列を直列な信号列に変換し(並列/直列)、制御信号および受信信号を復調部122に出力する。
【0035】
復調部122は、制御信号を復調して制御情報を得る。復調部122は、受信信号を復調して受信データ(ULデータ)を得る。なお、復調された受信データに対しては、デインターリーブ、誤り訂正復号および誤り検出等の復号処理が行われる。
【0036】
<端末の構成>
図2は、本実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、端末200は、無線受信部201と、同期検波部202と、GI除去部203と、FFT部204と、チャネル推定部205と、チャネル補償部206と、P/S部207と、復調部208と、シンセサイザ部210と、制御信号生成部211と、パイロットシンボル生成部212と、プリアンブル生成部213と、変調部215と、タイミング制御部216と、切替部217と、S/P部218と、IFFT部219と、GI付加部220と、無線送信部221と、から主に構成されている。なお、タイミング制御部216、切替部217、S/P部218、IFFT部219およびGI付加部220により、OFDM信号生成部251が構成される。
【0037】
無線受信部201は、アンテナに受信された無線信号(DL信号)に対して、増幅、フィルタリング等の無線受信処理を行う。さらに、無線受信部201は、無線受信処理後の信号に対して、シンセサイザ部210から出力されたローカル信号を用いてダウンコンバートし、ベースバンドのOFDM信号を得る。そして、無線受信部201は、OFDM信号を同期検波部202に出力する。ここで、無線受信部201は、AGC、タイミング検出、AFC等を、プリアンブルが送信された周波数において行い、これらの測定結果を、他の周波数における受信信号に反映させる。また、無線受信部201は、AGC、タイミング検出、AFC等を、前回の測定結果を用いて行うこともできる。
【0038】
同期検波部202は、無線受信部201から出力されたOFDM信号のプリアンブルを用いて同期検波処理を行い、所定のタイミングでOFDM信号をGI除去部203に出力する。
【0039】
GI除去部203は、同期検波部202から出力されたOFDM信号の各シンボルからガードインターバルを除去し、FFT部204に出力する。
【0040】
FFT部204は、GI除去部203から出力されたOFDM信号に対してFFT(フーリエ変換処理)を行うことにより、各サブキャリアに重畳されている信号列を取り出し、パイロットシンボルをチャネル推定部205に出力し、制御信号および受信信号(データシンボル)をチャネル補償部206に出力する。
【0041】
チャネル推定部205は、FFT部204から出力されたパイロットシンボルと既知のパイロットパターンとの相関を計算することにより、サブキャリア毎のチャネル推定を行い、推定結果であるチャネル推定値をチャネル補償部206に出力する。
【0042】
チャネル補償部206は、チャネル推定値を用いて制御信号および受信信号(データシンボル)のチャネル変動を補償し、制御信号および受信信号をP/S部207に出力する。
【0043】
P/S部207は、チャネル補償部206から並列に出力されたn個の信号列を直列な信号列に変換し(並列/直列)、制御信号および受信信号を復調部208に出力する。
【0044】
復調部208は、制御信号を復調して制御情報を得る。そして、復調部208は、制御情報の内、選択サブキャリア情報をシンセサイザ部210およびタイミング制御部216に出力する。また、復調部208は、受信信号を復調して受信データ(DLデータ)を得る。なお、復調された受信データに対しては、デインターリーブ、誤り訂正復号および誤り検出等の復号処理が行われる。
【0045】
シンセサイザ部210は、復調部208から出力された選択サブキャリア情報が示すサブキャリアの周波数のローカル信号を発生させて無線受信部201および無線送信部221に出力する。サブキャリアの変更を行う場合、シンセサイザ部210は、タイミング制御部216に指示されたタイミングで、選択サブキャリア情報によって新たに示されたサブキャリアの周波数のローカル信号を発生させる。
【0046】
制御信号生成部211は、制御信号を生成して切替部217に出力する。なお、制御信号には、ガードタイムの長さを示す情報、Ack/Nack等が含まれる。
【0047】
パイロットシンボル生成部212は、基地局100が既知であるパイロットシンボルを生成して切替部217に出力する。
【0048】
プリアンブル生成部213は、基地局100が既知であるプリアンブルを生成して切替部217に出力する。
【0049】
変調部215は、送信データ(ULデータ)を変調し、送信信号を切替部217に出力する。なお、変調前の送信データには、誤り訂正符号化やインターリーブ等の符号化処理が行われる。
【0050】
タイミング制御部216は、OFDM信号が所定のフレーム構成(
図3参照)になるように、切替部217に対して、プリアンブル生成部213から出力されたプリアンブル、パイロットシンボル生成部212から出力されたパイロットシンボル、制御信号生成部211から出力された制御信号、変調部215から出力された送信信号の、S/P部218に出力するタイミングを制御する。特に、タイミング制御部216は、選択サブキャリア情報を入力すると、プリアンブルの送信開始タイミングで周波数の変更を行うように周波数の変更タイミングを指示する指示信号を、シンセサイザ部210に出力する。また、タイミング制御部216は、周波数を変更した後、少なくともシンセサイザが安定するまでの時間を含む所定期間(以下、「切替期間」という)において、変更後のサブキャリアではプリアンブル、制御信号を出力せず、ガードタイムとするように切替部217を制御する。
【0051】
切替部217は、タイミング制御部216の制御に基づき、プリアンブル生成部213から出力されたプリアンブル、パイロットシンボル生成部212から出力されたパイロットシンボル、制御信号生成部211から出力された制御信号、変調部215から出力された送信信号の内一つをS/P部218に出力する。なお、切替部217は、ガードタイムおよびDL信号区間には、S/P部218に何も出力しない。
【0052】
S/P部218は、切替部217から直列に出力された信号列をn個の並列な信号列に変換し(直列/並列)、IFFT部219に出力する。
【0053】
IFFT部219は、S/P部218から出力された並列信号(周波数軸上の信号)に対してIFFT(逆フーリエ変換処理)を行うことにより、n個のサブキャリアに重畳されるOFDM信号(DL信号)を生成し、GI付加部220に出力する。
【0054】
GI付加部220は、IFFT部219から出力されたOFDM信号に対して、有効シンボル波形の一部をコピーしたGI(ガードインターバル)を当該有効シンボルの先頭に付加し、無線送信部221に出力する。
【0055】
無線送信部221は、GI付加部220から出力されたOFDM信号に対して増幅、フィルタリング等の無線送信処理を行う。そして、無線送信部221は、無線送信処理後の信号に対して、シンセサイザ部210から出力されたローカル信号を用いてアップコンバートし、無線信号を得る。そして、無線送信部221は、アンテナから無線信号(DL信号)を送信する。
【0056】
<フレーム構成とサブキャリア選択>
次に、本実施の形態の無線通信システムのフレームの構成とサブキャリア選択について、
図3を用いて詳細に説明する(
図3の横軸は時刻)。
図3では、基地局100と端末200が2つのサブキャリアを使用して通信を行っている場合を示している。また、
図3では、端末200の第1シンセサイザS1および第2シンセサイザS2が、各サブキャリアに対応する周波数のローカル信号を発生させている場合を示している。
【0057】
図3に示すように、本実施の形態の無線通信システム(FPU)では、UL区間(UL信号の送信区間)をDL区間(DL信号の送信区間)よりも長くする時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式が採用されている。なお、FPUでは、DL区間において、データシンボルを送信しない(データ区間を設けない)場合もある。また、FPUでは、所定のフレームにおいて、DL信号を送信せず(DL区間を設けず)、UL信号のみを送信しても良い。
【0058】
UL区間とDL区間との間には、何も信号が送信されないガードタイム(GT)が設けられる。UL区間の最初にはプリアンブルが送信され、次に制御信号が送信され、その次にデータが送信される。なお、データにはパイロットシンボルが所定の間隔で挿入される。
【0059】
図3において、第1シンセサイザS1が周波数f1に設定され、第2シンセサイザS2が周波数f2に設定されている状態において、基地局100が、周波数f2のサブキャリアから周波数f4のサブキャリアに変更することを選択したとする。この場合、端末200は、タイミングt0において、第2シンセサイザS2の設定周波数をf2からf4に変更する。また、端末200は、変更を行うサブキャリア(f2→f4)では、切替期間Txにおいて、プリアンブル、制御信号を送信せず、ガードタイムとする。なお、端末200は、変更を行わないサブキャリア(f1)では、切替期間Txにおいても、プリアンブル、制御信号を送信する。
【0060】
<端末の周波数変更動作>
次に、本実施の形態に係る端末200の周波数変更動作について、
図4を用いて詳細に説明する。
【0061】
端末200は、基地局100が通信に使用中の周波数を変更し、その旨を示す選択サブキャリア情報を入力した場合には(ST301:YES)、当該選択サブキャリア情報に対応するシンセサイザにおいて当該変更後の周波数を設定する(ST302)。そして、端末200は、未変更の周波数のみからプリアンブルと制御信号を送信する(ST303)。そして、端末200は、変更後の周波数のシンセサイザが安定した後(ST304)、通信に使用中の全周波数からULデータを送信する(ST307)。
【0062】
なお、端末200は、選択サブキャリア情報を入力しなければ(ST301:NO)、周波数を変更しない(ST305)。この場合、端末200は、通信に使用中の全周波数から、プリアンブルと制御信号を送信し(ST306)、ULデータを送信する(ST307)。
【0063】
<効果>
このように、本実施の形態によれば、通信に使用している一部のサブキャリアを変更する際に、未変更のサブキャリアにおいてプリアンブル、制御信号を送信することができるので、伝送効率の低下を抑えることができる。
【0064】
なお、一般に、制御情報は、情報量が少ないため、一部のサブキャリアのみにて制御信号を送信しても、全てのサブキャリアにおいて通信に必要な量の制御情報を送信することができる。
【0065】
また、基地局100は、AGC、タイミング検出、AFC等を、前回の測定結果を用いて行うこともできる。このため、基地局100は、一部のサブキャリアから送信されたプリアンブルを使用して、全てのサブキャリアについてAGC、タイミング検出、AFC等を行っても、所望の品質を維持することができる。
【0066】
なお、本実施の形態において、切替期間Txがプリアンブルの送信期間よりも短い場合(プリアンブルの送信期間内でシンセサイザが安定する場合)には、端末200が、タイミングt0の後、プリアンブルのみを送信せず、制御信号を送信するようにしてもよい。
【0067】
また、IEEE802.11規格のように、同一のプリアンブルを複数個連続して送信する場合には(
図5参照)、
図6に示すように、端末200が、切替期間Txの経過後、プリアンブルの個数を減らして送信してもよい。例えば、同一のプリアンブルを8個連続して送信する場合、周波数f4においてはプリアンブルを4個送信することもできる。
【0068】
(実施の形態2)
実施の形態2では、端末200が、n個(nは自然数)のサブキャリアを使用して基地局100と通信を行う際に、(n+1)個のシンセサイザを使用してサブキャリアの変更を行う場合について説明する。なお、実施の形態2において、基地局100および端末200の構成は、実施の形態1の説明で用いた
図1、
図2に示したものと同一であるので、説明を省略する。
【0069】
<シンセサイザ部の内部構成>
図7は、本実施の形態の端末200のシンセサイザ部210の内部構成を示すブロック図である。
図7に示すように、シンセサイザ部210は、(n+1)個のシンセサイザ210a−1〜210a−n+1と、ローカル切替部210bと、を備えている。
【0070】
シンセサイザ210a−1〜210a−nは、それぞれ、選択サブキャリア情報に示された周波数のローカル信号を発生させる。また、シンセサイザ210a−1〜210a−nは、タイミング制御部216から指示信号を入力すると、指示されたタイミングで、選択サブキャリア情報によって新たに示されたサブキャリアの周波数のローカル信号を発生させるように、ローカル信号の周波数を切り替える。
【0071】
シンセサイザ210a−n+1は、データ通信に使用しない予備周波数のローカル信号を発生させる。なお、予備周波数は、基地局100と端末200との間で既知であり、通信開始時に、基地局100から端末200に、選択サブキャリア情報によって知らされる。
【0072】
ローカル切替部210bは、通常時(シンセサイザ210a−1〜210a−nが安定しているとき)には、シンセサイザ210a−1〜210a−nが発生させたローカル信号を無線送信部111および無線受信部112に出力する。また、ローカル切替部210bは、タイミング制御部216から指示信号を入力すると、切替期間において、周波数切替対象のシンセサイザ210a−i(iは、1からnまでの何れかの整数)のローカル信号の代わりに、シンセサイザ210a−n+1のローカル信号を出力する。また、ローカル切替部210bは、切替期間が経過したタイミングで、シンセサイザ210a−n+1のローカル信号の代わりに、周波数の切替が完了して安定した状態となったシンセサイザ210a−iのローカル信号を出力する。
【0073】
<フレーム構成とサブキャリア選択>
次に、本実施の形態の無線通信システムのフレームの構成とサブキャリア選択について、
図8を用いて詳細に説明する(
図8の横軸は時刻)。
図8では、基地局100と端末200が2つのサブキャリアを使用して通信を行っている場合(n=2の場合)を示している。また、
図8では、端末200の第1シンセサイザS1および第2シンセサイザS2が、各サブキャリアに対応する周波数のローカル信号を発生させ、第3シンセサイザS3が、予備周波数のローカル信号を発生させている場合を示している。
【0074】
図8において、第1シンセサイザS1が周波数f1に設定され、第2シンセサイザS2が周波数f2に設定され、第3シンセサイザS3が予備周波数f3に設定されている状態において、基地局100が、周波数f2のサブキャリアから周波数f4のサブキャリアに変更することを選択したとする。この場合、端末200は、タイミングt0において、第2シンセサイザS2の設定周波数をf2からf4に変更する。また、端末200(ローカル切替部210b)は、変更を行うサブキャリア(f2→f4)では、切替期間Txにおいて、プリアンブル、制御信号を送信せず、ガードタイムとする。その代わりに、端末200は、切替期間Tにおいて、第3シンセサイザS3のローカル信号により、予備周波数のサブキャリア(f3)で、プリアンブル、制御信号を送信する。なお、端末200は、変更を行わないサブキャリア(f1)では、切替期間Tにおいても、プリアンブル、制御信号を送信する。
【0075】
<効果>
このように、本実施の形態によれば、サブキャリアを変更する際に、予備周波数のサブキャリアにおいてプリアンブル、制御信号を送信することができるので、伝送効率の低下を抑えることができる。
【0076】
なお、本実施の形態は、
図9に示すように、通信中の全てのサブキャリアを同時に変更する場合にも適用することができる。
図9では、端末200が、タイミングt0において、第1シンセサイザS1の設定周波数をf1からf4に変更し、第2シンセサイザS2の設定周波数をf2からf5に変更するものとする。この場合、端末200(ローカル切替部210b)は、変更を行うサブキャリア(f1→f4、f2→f5)では、切替期間Txにおいて、プリアンブル、制御信号を送信せず、ガードタイムとする。その代わりに、端末200は、切替期間Tにおいて、第3シンセサイザS3のローカル信号により、予備周波数のサブキャリア(f3)で、プリアンブル、制御信号を送信する。
【0077】
また、本実施の形態では、通信条件によっては1つの周波数しか通信に使用することができない場合も考えられる。このような場合も、同様に、端末200は、切替期間Tにおいて、第3シンセサイザS3のローカル信号により、予備周波数のサブキャリア(f3)で、プリアンブル、制御信号を送信する。
【0078】
このように、本実施の形態では、通信中の全てのサブキャリアを同時に変更する場合にも(1つの周波数しか通信に使用することができない場合も含む)、予備周波数のサブキャリアにおいてプリアンブル、制御信号を送信することができるので、伝送効率の低下を抑えることができる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。