【実施例1】
【0022】
まず、当日振込制限時刻が設けられている場合における、本発明に係る電子記帳機30及び窓口端末40での処理の概要について
図1を用いて説明する。ここで、この当日振込制限時刻とは、窓口において当日の振込処理を受け付ける時刻を示し、この当日振込制限時刻を過ぎると、窓口担当者は当日指定の振込処理の依頼を受け付けない。
【0023】
金融機関を訪れた顧客が、電子記帳機30を用いて振込伝票を起票するための情報の登録処理を行ったならば、この顧客は、窓口から呼び出されるまでの間ロビーにて待機する。そして、この顧客が窓口から呼び出されるときに、顧客が電子記帳機30で登録した振込伝票の情報を窓口端末40の表示部に表示する。そして、窓口担当者は、この窓口端末40の表示部に表示された内容を確認した後に、振込処理を行うことになる。
【0024】
具体的には、顧客が、電子記帳機30の表示画面上で「お振込」のボタンを操作し、振込伝票の伝票項目の登録を開始したならば、この伝票項目の登録を開始した時刻(以下、「登録開始時刻」と言う)が、当日振込制限時刻を過ぎているか否かを判定処理する(S1)。その結果、登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていた場合には(S1;No)、電子記帳機30は、図中の画面1に示すように、「翌営業日の振込となります」とのメッセージを表示する。このように、本実施例では、電子記帳機30にて「振込処理が翌営業日になる」旨を知ることができるので、ATMを利用する等の対処を講じることが可能となる。
【0025】
そして、この画面1上で「はい」のボタン操作が行われると、電子記帳機30は、振込伝票の伝票項目を登録するための画面を表示し、顧客の入力操作に基づいて振込伝票の伝票項目情報を生成する。一方、この画面1上で「いいえ」のボタン操作が行われると、振込伝票の伝票項目の登録処理は行われない。
【0026】
また、顧客が、電子記帳機30において振込伝票の伝票項目の登録を開始した時点で、まだ当日振込制限時刻を過ぎていない場合には(S1;Yes)、電子記帳機30は、上記の画面1を表示部に表示せず、振込伝票の伝票項目を登録するための画面を表示して、顧客の入力操作を受け付ける。そして、電子記帳機30は、顧客の入力操作に基づいて振込伝票の伝票項目情報を生成する。顧客による振込伝票の伝票項目の入力操作が終了したならば、電子記帳機30は、サーバ20に生成された振込伝票の伝票項目情報を送信する。
【0027】
顧客が窓口から呼び出されると、窓口に配設される窓口端末40は、電子記帳機30で生成された伝票項目情報をサーバ20を経由して取得する。そして、窓口端末40は、取得した伝票項目情報が振込伝票に係る情報である場合には、当日振込制限時刻に係るチェック処理を行い(S2)、チェック結果に応じて窓口担当者に対する注意喚起情報を報知する。
【0028】
ここで、窓口端末40の表示部に表示する注意喚起情報について具体的に説明する。電子記帳機30における登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていた場合には、窓口端末40において電子記帳機30で登録された伝票項目情報を受け付けた時刻(以下、「窓口受付時刻」と言う)についても当日振込制限時刻を過ぎている。このため、図中の画面2に示すように、振込指定日を示すご依頼日には翌営業日(例えば、2014年4月16日)が表示され、当該ご依頼日の表示欄は窓口担当者に注意喚起するために黄色の背景色で表示する。
【0029】
また、電子記帳機30での登録開始時刻が当日振込制限時刻を超えていなかったのにもかかわらず、窓口受付時刻が当日振込制限時刻を過ぎていた場合には(S2;No)、図中の画面3に示すように、ご依頼日には翌営業日を表示し、当該ご依頼日の表示欄は赤色の背景色で表示する。このように、窓口端末40は、振込日が翌営業日になるような場合には、ご依頼日の欄を黄色又は赤色で強調表示することにより、窓口担当者に依頼日が翌営業日になっていることを意識させるようにしている。これにより、顧客に対する振込日の確認漏れを防止できるので、顧客と金融機関の間の無用なトラブルを防止することができる。
【0030】
また、図中の画面2に示すご依頼日は背景色が黄色であるのに対して、図中の画面3に示すご依頼日は背景色が赤色としたのは、顧客が「当日振込をされる」と勘違いしている可能性が高いためである。言い換えると、図中の画面2のケースでは、電子記帳機30の時点で顧客が「翌営業日の振込となる」点を認識しているはずなので、図中の画面3のケースをより強調表示している。黄色よりも赤色の方が、一般的に警戒度合いが高いと認識されるためである。なお、強調表示の色は、これに限定されるものではなく、画面3の場合に画面2よりも強調しさえすれば、どのような表示態様であってもよい。
【0031】
また、窓口端末40における窓口受付時刻が、当日振込制限時刻を過ぎていない場合には(S2;Yes)、当日振込が可能であるので、図中の画面4に示すように、振込の指定日を示すご依頼日の欄には当日の日付(例えば、2014年4月15日)が表示される。この場合には、当日振込として受け付けられるため、特段の注意喚起は行わず、ご依頼日の表示欄の背景色は他の項目と同様に白色の表示となる。
【0032】
このように、電子記帳機30は、振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻が当日振込制限時刻を超えている場合には、振込日が翌営業日になる旨のメッセージを表示して、顧客が振込日を確認できるようにする。また、窓口端末40は、電子記帳機30における振込伝票の登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていた場合には、振込日が翌営業日となる旨を表示するとともに、窓口端末40の表示部に表示する振込日を強調表示して、振込日を確認する旨の注意を喚起する。また、窓口端末40は、電子記帳機30における振込伝票の登録開始時刻は当日振込制限時刻を過ぎていないが、窓口端末40における窓口受付時刻が当日振込制限時刻を過ぎていた場合には、振込日が翌営業日となる旨を表示するとともに、より高い強調レベルで振込日を表示することにより、振込日をより強く注意喚起するようにしたので、金融機関において窓口で当日指定の振込を受け付ける当日振込制限時刻を設けている場合に、窓口において振込指定日の修正を行わなければならない事態の発生を抑制し、もって窓口担当者の負荷を軽減するとともに、顧客の利便性を向上させることが可能となる。
【0033】
次に、実施例1に係る顧客誘導システムのシステム構成を説明する。
図2は、実施例1に係る顧客誘導システムのシステム構成を示す図である。顧客誘導システムは、受付機10と、電子記帳機30と、サーバ20と、窓口端末40と、プリンタ95と、番号呼出装置92と、テラーモニタ91とを有する。
【0034】
受付機10は、金融機関の入口近傍に設置され、顧客に対して番号札を発行する装置である。この受付機10は、顧客による来店目的の入力を受け付け、受け付けた来店目的に対応する窓口の種類を判定し、窓口の種類に応じた受付番号を採番する。また、受付機10は、採番した受付番号が記載された番号札を発行する。また、受付機10は、受け付けた来店目的に応じて伝票の起票が必要か否かの判定を行い、伝票の起票が必要であると判定された場合には電子記帳機30へ誘導する。
【0035】
また、受付機10は、採番済の受付番号ごとの呼び出し待ちの状態及び窓口への呼び出し順を管理する。受付機10は、窓口に設置されるテラーモニタ91からの呼出要求を受け付けたならば、呼び出し待ちとなっている受付番号の中から呼び出し順が先頭の受付番号を特定し、特定された受付番号が記載された番号札を所持する顧客を窓口に誘導する。具体的には、受付機10は、番号呼出装置92に受付番号を出力することによって、出力された受付番号が記載された番号札を所持する顧客を窓口に誘導する。本発明に係る来店目的が振込である場合には、振込伝票を起票する必要があることから、顧客は電子記帳機30に誘導されることになる。
【0036】
電子記帳機30は、ロビーなどの顧客が立ち入ることのできるエリアに設置され、顧客の入力を受け付けて電子的に伝票を起票するための装置である。また、電子記帳機30は、起票する伝票の項目に対する入力を受け付けて、受付機10で採番された受付番号と伝票の項目に対する入力情報とを含む伝票項目情報を生成し、生成した伝票項目情報をサーバ20に送信する。本発明に係る来店目的が振込である場合には、振込伝票の項目に対する入力を受け付けて振込伝票の伝票項目情報を生成することになる。
【0037】
サーバ20は、金融機関の事務所等の顧客が立ち入り不能なエリアに設置され、電子記帳機30で生成された伝票項目情報を管理する装置である。なお、このサーバ20は、金融機関以外の場所に設置することもできる。
【0038】
サーバ20は、電子記帳機30から伝票項目情報を受信すると、受信した伝票項目情報を伝票項目データ24bに追加して記憶する。また、サーバ20は、顧客が窓口に呼び出されると、呼び出された顧客の所持する番号札に記載される受付番号に対応する伝票項目情報を伝票項目データ24bから読み出し、顧客が呼び出された窓口の窓口端末40に送信する。
【0039】
窓口端末40は、窓口に設置され、窓口担当者が窓口業務を行う場合に利用される装置である。この窓口端末40は、サーバ20から取得した伝票項目情報を表示部に表示することができる。窓口担当者及び顧客が、伝票項目情報を視認できるようにするためである。窓口端末40は、表示された伝票項目情報の確認が行われた後に、印刷の指示を受け付けると、プリンタ95で確認された伝票項目情報の内容が記載された伝票を印刷する。
【0040】
また、窓口端末40は、伝票項目情報を修正することができ、伝票項目情報が修正された場合には、修正後の入金伝票情報に対応する入金伝票をプリンタ95で印刷するとともに、修正済みの入金伝票情報をサーバ20に送信する。
【0041】
次に、テラーモニタ91で顧客の呼出操作が行われた場合の処理の流れについて説明する。テラーモニタ91は、顧客の窓口への呼出の操作を受け付けると、テラーモニタ91が設置される窓口を識別する情報(以下、「窓口識別情報」と言う)を含む顧客の呼出要求を受付機10に送信する。受付機10は、テラーモニタ91の呼出要求に含まれる窓口識別情報に基づいて、当該窓口の種類に対して待ちとなっている受付番号の中から次に呼び出す受付番号を決定し、決定した受付番号を番号呼出装置92に送信する。受付番号を受け付けた番号呼出装置92は、受け付けた受付番号を表示部に表示し、受付番号の顧客を音声にて呼び出す。
【0042】
また、受付機10は、番号呼出装置92に送信した受付番号及び呼出要求に含まれる窓口識別情報をサーバ20にも通知する。受付番号及び窓口識別情報を受け付けたサーバ20は、伝票項目データ24bから受け付けた受付番号に関連付けられた伝票項目情報を抽出し、受け付けた窓口識別情報に対応する窓口端末40に送信する。
【0043】
このように、テラーモニタ91での顧客の呼出操作に連動して、サーバ20から窓口端末40に呼び出された顧客に対応する伝票項目情報が送信され、窓口に呼び出された顧客の伝票項目情報の確認画面が窓口端末40に自動的に表示される。
【0044】
次に、
図2に示した実施例1に係る受付機10の内部構成を説明する。
図3は、実施例1に係る受付機10の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、この受付機10は、表示操作部11、番号札印刷部12、通信部14、記憶部15及び制御部16を有する。
【0045】
表示操作部11は、タッチパネルディスプレイ装置などである。この表示操作部11は、顧客に来店目的等を選択入力させるボタンなどを表示し、該ボタンの選択入力を受け付ける。番号札印刷部12は、受付番号などの情報が記載された番号札を印刷する出力部である。通信部14は、LAN(Local Area Network)等の通信線を介してサーバ20及び電子記帳機30とのデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
【0046】
記憶部15は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。この記憶部15は、設定パラメータ15a、受付番号採番データ15b及び受付番号データ15cを記憶する。設定パラメータ15aは、受付機10の受付処理に関するパラメータである。受付番号採番データ15bは、受付番号の採番状況に係るデータである。受付番号データ15cは、採番した受付番号ごとにその状態に係る情報を有するデータである。
【0047】
制御部16は、受付機10の全体を制御する制御部であり、受付処理部16a、受付番号採番部16b、番号札発行部16c及び受付番号データ管理部16dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
【0048】
受付処理部16aは、金融機関に来店した顧客の受付処理を制御する制御部である。受付処理部16aは、表示操作部11に来店目的入力用の画面を表示し、来店目的の入力を受け付けたならば、来店目的に応じた受付番号を受付番号採番部16bで採番し、採番した受付番号に来店目的などの情報を関連付けて受付番号データ15cに登録する。
【0049】
ただし、設定パラメータ15aにおいて、電子記帳機30に誘導する場合には、番号札を発行しないと設定されていて、受け付けた来店目的に応じて電子記帳機30に誘導する場合には、受付処理部16aは、番号札を発行することなく、電子記帳機30への誘導のメッセージを表示する。
【0050】
また、設定パラメータ15aにおいて、電子記帳機30に誘導する場合には、番号札を発行しないと設定されている場合には、そもそも来店目的入力用の画面は、電子記帳機30に誘導する必要のある来店目的を選択できないようになっていて、そのような来店目的の顧客に対して電子記帳機30へ誘導するメッセージが表示されていてもよい。
【0051】
受付番号採番部16bは、受付処理部16a若しくは通信部14を経由して電子記帳機30からの来店目的に応じた受付番号の採番要求を受け付けたならば、受け付けた来店目的に応じた受付番号を採番する。具体的には、来店目的に応じた受付番号帯を特定し、受付番号採番データ15bに記憶される特定した受付番号帯に対する最終採番済の受付番号の次の受付番号を新たな受付番号として採番する。そして、受付番号採番部16bは、これに応じて受付番号採番データ15bの最終採番済の受付番号の更新を行う。
【0052】
番号札発行部16cは、受付番号採番部16bで採番された受付番号が記載された番号札を番号札印刷部12で印刷する。印刷される番号札には、受付番号が人が認識可能な文字情報とバーコードリーダ36で読み込み可能なバーコードとにより印刷される。
【0053】
受付番号データ管理部16dは、電子記帳機30などの他の装置から通信部14を経由して受付番号を含む受付番号情報の取得要求を受け付けたならば、受け付けた受付番号で受付番号データ15cの検索を行い、検索結果を要求元に応答として返信する。
【0054】
また、受付番号データ管理部16dは、テラーモニタ91から該テラーモニタ91が設置される窓口の窓口番号を含む呼出要求を受け付けたならば、受付番号データ15cから受け付けた呼出要求に含まれる窓口番号に呼び出す受付番号を選択し、受付番号データ15cに管理される該受付番号に対応する状態を「呼出済」として、該受付番号を番号呼出装置92に送信する。番号呼出装置92は、受付番号を受け付けたならば、表示部に受け付けた受付番号を表示し、受付番号の顧客を音声にて呼び出す。
【0055】
次に、
図3に示した実施例1に係る受付機10のデータ構成について説明する。
図4は、実施例1に係る受付機10のデータ構成について説明するための説明図である。
【0056】
図4(a)に示す設定パラメータ15aは、電子記帳機誘導時発券要否と、目的別受付番号帯と、目的別窓口と、目的別電子記帳機への誘導要否とを含む。電子記帳機誘導時発券要否は、顧客を電子記帳機30に誘導時に番号札を発行する必要があるかどうかを示す情報である。目的別受付番号帯は、来店目的別の受付番号帯の情報である。目的別窓口は、来店目的別の窓口の種類を示す情報である。目的別電子記帳機への誘導要否は、来店目的別の電子記帳機30への誘導の要否を示す情報である。
【0057】
図4(a)の設定パラメータ15aの例は、電子記帳機誘導時発券要否が「必要」で、顧客を電子記帳機30に誘導時に番号札を発行する必要があることを示している。また、
図4(a)の設定パラメータ15aの目的別受付番号帯の情報の例は、来店目的が入金、出金、振込及び税公金納付の受付番号の採番帯が「1〜399」であり、来店目的が諸届及びローンの受付番号の採番帯が「500〜899」であることを示している。また、
図4(a)の設定パラメータ15aの目的別窓口の情報の例は、来店目的が入金、出金、振込及び税公金納付に対応する窓口の種類が「ハイカウンタ」で、来店目的が諸届及びローンに対応する窓口の種類が「ローカウンタ」であることを示している。また、
図4(a)の設定パラメータ15aの目的別電子記帳機への誘導要否の情報の例は、来店目的が入金、出金、振込及び税公金納付の場合には「電子記帳機に誘導する」で、来店目的が諸届及びローンの場合には「電子記帳機に誘導しない」であることを示している。
【0058】
図4(b)に示す受付番号採番データ15bは、受付番号の採番帯に関連付けられた最終の採番済の受付番号である最終採番済受付番号と、対応する窓口番号をレコード項目とするデータである。
図4(b)の受付番号採番データ15bは、採番帯が「ハイカウンタ」の、最終採番済の受付番号が「150」で、対応窓口番号が「1,2,3」の窓口で、採番帯が「ローカウンタ」の、最終採番済の受付番号が「550」で、対応窓口番号が「4,5」の窓口であることを示している。
【0059】
図4(c)に示す受付番号データ15cは、受付番号と、受付番号に関連付けられた来店目的、受付日付、受付時刻、受付番号の状態及び受付番号の顧客が呼び出された窓口の番号とをレコードの項目とするデータである。受付番号の状態の情報は、コード化された情報であって、「1」が受付済で、「2」が対応する顧客を窓口に呼出済で、「9」が対応する顧客の処理が終了していることを示している。
【0060】
図4(c)の受付番号データ15cの1レコード目の例は、受付番号が「150」の番号札に対する顧客は、来店目的が「振込」で、受け付けた日付及び時刻が「2014/4/15」の「11:30」で、状態が「2」であり窓口に呼出済で、呼び出された窓口の窓口番号が「2」であることを示している。また、
図4(c)の受付番号データ15cの2レコード目の例は、受付番号が「550」の番号札に対する顧客は、来店目的が「ローン」で、受け付けた日付及び時刻が「2014/4/15」の「11:35」で、状態が「1」であり来店を受付済であることを示している。
【0061】
次に、
図2に示した実施例1に係る電子記帳機30の内部構成を説明する。
図5は、実施例1に係る電子記帳機30の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、この電子記帳機30は、携帯端末などに表示された口座情報のQRコード(登録商標)を読み取るQRコードリーダ34、番号札を発行するレシートプリンタ35、受付機10で発行済の番号札のバーコードを読み取るバーコードリーダ36及びキャッシュカードなどのカードの情報を読み込むカードリーダ37を接続することができる。ただし、レシートプリンタ35及びバーコードリーダ36はいずれかが選択的に接続される。具体的には、受付機10が電子記帳機30に顧客を誘導するときに番号札を発行しない場合には、番号札を発行するためのレシートプリンタ35が接続される。また、受付機10が電子記帳機30に顧客を誘導した場合でも番号札を発行する場合には、番号札から受付番号を読み取るためのバーコードリーダ36が接続される。
【0062】
また、電子記帳機30は、表示操作部31と、通信部32と、記憶部38と、制御部39とを有する。表示操作部31は、タッチパネルディスプレイなどであり、入力項目の表示、操作入力ボタンの表示、操作入力の受付を行う入出力部である。通信部32は、LAN等の通信線を介して受付機10及びサーバ20とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0063】
記憶部38は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。この記憶部38は、設定パラメータ38a、受付番号データ38b、伝票決定パラメータ38c、伝票テンプレートデータ38d、伝票項目データ38e及び当日振込制限時刻データ38fを記憶する。
【0064】
設定パラメータ38aは、電子記帳機30で行われる処理に係る設定情報であり、受付機10で発行された番号札から受付番号を読み取るか、受付機10に電子記帳機30から受付番号の採番を依頼することによって取得するかを示す受付番号取得方式の情報を記憶する。
【0065】
受付番号データ38bは、受付番号をはじめとする電子記帳機30で顧客により受け付けた情報である。ただし、受付機10で既に来店の受付が行われて番号札が発行されている場合には、番号札に記載された受付番号を指定して受付機10から取得した受付機10において受け付けた情報も含まれる。
【0066】
伝票決定パラメータ38cは、受け付けた来店目的と、来店目的に対応する伝票の伝票IDを対応付けたデータである。電子記帳機30は該伝票決定パラメータ38cに基づいて来店目的に対応する作成すべき伝票の種類を特定する。
【0067】
伝票テンプレートデータ38dは、伝票IDで特定される伝票に含まれる伝票項目の情報を規定したデータである。来店目的を受け付けて伝票決定パラメータ38cに基づいて作成すべき伝票の伝票IDが特定され、伝票IDと該伝票テンプレートデータ38dに基づいて入力しなければならない伝票項目が特定される。
【0068】
伝票項目データ38eは、特定された伝票IDに対応する伝票の伝票項目に対する顧客による入力情報である。電子記帳機30では、複数枚の伝票作成に応じた入力を行うことが可能であり、その場合には伝票項目データ38eには複数のレコードが登録されることになる。当日振込制限時刻データ38fは、窓口で当日指定の振込の依頼を受け付ける時刻が設定されたデータであって、ここに設定される時刻を過ぎると窓口担当者は当日指定の振込処理の依頼を受け付けない。
【0069】
制御部39は、電子記帳機30の全体を制御する制御部であり、受付番号データ管理部39a、伝票項目データ生成部39b、登録データ送信部39d及び番号札発行処理部39eを有する。また、伝票項目データ生成部39bは、振込伝票データ生成部39cを含む。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
【0070】
受付番号データ管理部39aは、受付番号データ38bを管理する処理部である。具体的には、設定パラメータ38aの受付番号取得方式に、受付機10で発行された番号札から受付番号を読み取るという設定になっている場合には、バーコードリーダ36により受付機10で発行済の番号札のバーコードから受付番号を読み取って、受付機10から受付番号に対する来店目的を取得して、受付番号データ38bに登録する。また、設定パラメータ38aの受付番号取得方式に、受付機10に採番を依頼することによって受付番号を取得するという設定になっている場合には、作成する伝票の伝票項目の入力の終了後に、受付機10に来店目的を指定して受付番号の採番要求を行うことによって受付番号を採番して、受付番号データ38bに採番した受付番号の登録を行う。
【0071】
伝票項目データ生成部39bは、顧客が電子記帳機30で入力した情報や時刻を記録しておく処理部である。伝票項目データ生成部39bは、来店目的と伝票決定パラメータ38cに基づいて作成する伝票の伝票IDを特定し、該伝票IDと伝票テンプレートデータ38dに基づいて特定された伝票項目の入力を受け付けて、受け付けた伝票項目に対する情報を伝票項目データ38eに登録する。来店目的については、設定パラメータ38aの受付番号取得方式に受付機10で発行された番号札から受付番号を読み取るという設定になっている場合には、バーコードリーダ36により受付機10で発行済の番号札のバーコードから受付番号を読み取って、受付機10から受付機10で既に入力済の受付番号に対する来店目的を取得することになる。一方、設定パラメータ38aの受付番号取得方式に受付機10に採番を依頼することによって受付番号を取得するという設定になっている場合には、表示操作部31に来店目的入力用の画面の表示を行い、該画面に対する顧客の入力を受け付けることによって来店目的を取得する。また、伝票項目データ生成部39bは、カードリーダ37で読み込んだキャッシュカードなどの情報を伝票項目に対する情報として、伝票項目データ38eに反映させることもできる。
【0072】
また、伝票項目データ生成部39bは、1つの受付番号に対して複数の伝票の作成を行うことが可能である。
図4(a)の設定パラメータ15aの例で示した通り、受付番号の採番帯は、来店目的に対応する取引種類(入金、出金、振込、税公金納付、諸届、ローン、外貨両替、投資相談等)ごとに設定されている。複数の伝票が作成され、取引種類が複数ある場合には、受付番号は、取引種類ごとの優先順位に基づいて、最も優先順位の高い取引種類に対応する採番帯において採番される。採番帯は、取引種類ごとに取引の複雑度等によっていくつかに分けられている。例えば、投資相談を最も優先順位の高い取引種類とし、以下、順番に、外貨両替、諸届、ローン、振込、入金、出金、税公金納付の順番で優先順位が決められている。なお、取引種類の優先順位はこれに限定されるわけではなく、設定によりこれらの優先順位は任意に設定することができる。
【0073】
振込伝票データ生成部39cは、伝票項目データ生成部39bが実施する処理のうち、振込伝票の伝票項目の入力を受け付けて、振込伝票の伝票項目に係る情報を伝票項目データ38eに登録する処理を実施する処理部である。
【0074】
登録データ送信部39dは、伝票の項目データの受付処理が終了したならば、これらの一連の処理において登録された受付番号データ38b及び伝票項目データ38eをサーバ20に送信する。
【0075】
番号札発行処理部39eは、設定パラメータ38aの受付番号取得方式に受付機10に採番を依頼することによって受付番号を取得するという設定になっている場合には、受付機10に依頼して採番した受付番号の記載された番号札をレシートプリンタ35により発行する。
【0076】
次に、
図5に示した実施例1に係る電子記帳機30のデータ構成について説明する。
図6は、実施例1に係る電子記帳機30のデータ構成について説明するための説明図である。
【0077】
図6(a)に示す設定パラメータ38aは、受付番号取得方式の情報を有する。受付番号取得方式は、コード化されたデータであって、「1」が番号札のバーコードを読み取ることによって受付番号を取得することを示し、「2」が受付機10に対して受付番号の採番を依頼することによって受付機10から取得することを示す。
図6(a)の設定パラメータ38aの例は、受付番号取得方式が「1」であり番号札のバーコードを読み取ることによって受付番号を取得することを示している。
【0078】
図6(b)に示す受付番号データ38bは、受付番号と、来店目的と、来店を受け付けた受付日付及び受付時刻と、来店を受け付けた顧客の口座の情報と、作成する伝票の種類別の枚数とを有する。
【0079】
図6(b)の受付番号データ38bの例は、受付番号が「150」で、来店目的が「振込」で、来店を受け付けた受付日付が「2014/4/15」で受付時刻が「11:30」で、カードリーダ37で読み込まれたキャッシュカードに対応する顧客の口座の情報に店番号が「0005」で、科目コードが「01」で、口座番号が「1234567」の情報が含まれていて、作成する伝票の種類別の枚数について入金伝票が「0」枚で、出金伝票が「1」枚で、振込依頼書が「1」枚であることを示している。
【0080】
図6(c)に示す伝票決定パラメータ38cは、来店目的と、伝票の種類を示す伝票IDとが関連づけられたデータである。
図6(c)の伝票決定パラメータ38cの例は、来店目的が入金に対応する伝票IDが「001」で、来店目的が出金に対応する伝票IDが「002」で、来店目的が振込に対応する伝票IDが「003」で、来店目的が税公金納付に対応する伝票IDが「004」であることを示している。
【0081】
図6(d)に示す伝票テンプレートデータ38dは、伝票の種類を示す伝票IDと、伝票IDに関連付けられた該伝票IDに対応する伝票の項目情報をレコードの保有項目とするデータである。伝票の項目情報には、伝票に含まれる項目ごとに項目を識別する項目識別ID及び該項目の入力が必須か否かを示す必須区分などの情報が含まれる。
図6(d)の伝票テンプレートデータ38dの例は、伝票IDが「002」の伝票については、項目識別IDが「020」の項目は、必須区分が「必須」で入力が必須であり、項目識別IDが「030」の項目は、必須区分が「必須」で入力が必須である項目を有していることを示すレコードが含まれていることを表している。
【0082】
図6(e)に示す伝票項目データ38eは、登録日付と、受付番号と、受付枝番号と、伝票IDと、当該伝票IDに対応する伝票の項目データの登録開始時刻及び登録終了時刻と、該伝票IDに対応する伝票項目ごとの項目識別ID及び入力された項目値とをレコード項目とするデータである。受付枝番号は、1つの受付番号で複数の伝票を作成される場合に自動的に採番される番号で、同一の受付番号内の伝票を識別する通番である。
【0083】
図6(e)の伝票項目データ38eの例は、登録日付が「2014/4/15」で、受付番号が「150」で、受付枝番号が「01」に関連づけた伝票IDが「003」で、当該伝票IDに対応する伝票の項目データの登録開始時刻が「11:32」で、登録終了時刻が「11:34」で、該伝票項目の入力情報において、項目識別IDが「020」に対する伝票項目の項目値が「0005」で、項目識別IDが「030」に対する伝票項目の項目値が「01」であることを示すレコードが含まれていることを表している。
【0084】
図6(f)に示す当日振込制限時刻データ38fは、当日振込制限時刻の設定値であり、
図6(f)の当日振込制限時刻データ38fの例は、当日振込制限時刻が「14:30」であり、窓口では14時30分を過ぎて当日指定の振込の依頼を受け付けないことを示している。
【0085】
次に、
図2に示した実施例1に係るサーバ20の内部構成を説明する。
図7は、実施例1に係るサーバ20の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、このサーバ20は、入力部21及び表示部22と接続される。入力部21は、キーボードやマウス等であり、表示部22は、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
【0086】
また、サーバ20は、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。通信部23は、LAN等の通信線を介して受付機10、電子記帳機30、窓口端末40及びプリンタ95とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0087】
記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。この記憶部24は、受付番号データ24a、伝票項目データ24b及び取引時確認記録データ24cを記憶している。
【0088】
受付番号データ24aは、電子記帳機30から受付番号データ38bを受け付けて登録されたレコードに、受け付けた受付番号データ38bの状態を示す情報を加えたデータである。また、受付番号データ24aに含まれる情報は、窓口端末40において更新が可能であり、その更新に係る情報を受け付けたならば受付番号データ24aに更新の結果が反映される。
【0089】
伝票項目データ24bは、電子記帳機30から伝票項目データ38eを受け付けて登録されたレコードに、受け付けた伝票項目データ38eの状態を示す情報などを加えたデータである。また、伝票項目データ24bは、窓口端末40により追加、更新及び削除が可能であり、伝票項目データ24bには追加、更新及び削除の結果が反映される。取引時確認記録データ24cは、窓口端末40から取引時確認記録データ43fを受け付けて登録されるデータである。
【0090】
制御部25は、サーバ20の全体を制御する制御部であり、受付番号データ管理部25a、伝票項目データ管理部25b、取引時確認記録管理部25c及び呼出連動処理部25dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
【0091】
受付番号データ管理部25aは、電子記帳機30から受付番号データ38bを受け付けて、受付番号データ24aに「受付済」の状態として登録する。また、受付番号データ管理部25aは、窓口端末40から受付番号データ24aの更新情報を受け付けた場合には、更新情報を受付番号データ24aに反映する。
【0092】
伝票項目データ管理部25bは、電子記帳機30から伝票項目データ38eを受け付けて、未処理の状態を示す情報などを付加して伝票項目データ24bに登録する。また、伝票項目データ管理部25bは、窓口端末40から伝票項目データ24bの追加、更新及び削除に係る情報を受け付けた場合には、追加、更新及び削除に係る情報を伝票項目データ24bに反映する。また、伝票項目データ24bには対応する伝票を印刷済か否かを示す情報を有しており、窓口端末40からの印刷した旨の通知を受け付けて印刷済に更新する。
【0093】
取引時確認記録管理部25cは、窓口端末40から取引時確認記録に係る情報を受け付けて、取引時確認記録データ24cに登録する。
【0094】
呼出連動処理部25dは、受付機10からの受付番号及び呼出窓口の情報を含む呼出の通知に基づいて、呼出の通知に含まれる受付番号に対応する受付番号データ24aから抽出したレコードの情報と、該受付番号に対応する伝票項目データ24bから抽出したレコードの情報とを、呼出の通知に含まれる呼出窓口の情報に対応する窓口端末40に送信する。
【0095】
また、呼出連動処理部25dは、これらのデータを窓口端末40に送信したならば、受付番号データ24aの呼出窓口番号に、受付機10からの呼出の通知に含まれる呼出窓口に対応する呼出窓口番号が登録されているレコードの状態を「処理終了」を示す状態に変更する。また、呼出連動処理部25dは、受付番号データ24aの受付機10からの呼出の通知に含まれる呼び出す受付番号に対応するレコードの状態を「呼出済」を示す状態に変更し、該レコードの呼出窓口番号に呼出先の窓口番号を登録する。
【0096】
次に、
図7に示した実施例1に係るサーバ20のデータ構成について説明する。
図8は、実施例1に係るサーバ20のデータ構成について説明するための説明図である。
【0097】
図8(a)に示す受付番号データ24aは、受付番号と、来店目的と、来店を受け付けた受付日付及び受付時刻と、当該受付番号に対応する顧客の状態と、呼び出された窓口の番号と、顧客の口座の情報と、作成する伝票の種類別の枚数とをレコード項目とするデータである。状態は、コード化されたデータであって、「1」が受付済で、「2」が呼出済で、「9」が処理終了であることを示している。口座の情報には店番、科目及び口座番号などの情報を含む。
【0098】
図8(a)の受付番号データ24aの例は、受付番号が「150」の顧客は、来店目的が「振込」で、来店を受け付けた受付日付が「2014/4/15」で、受付時刻が「11:30」で、状態が「2」であり呼出済で、呼出窓口番号が「1」で、来店を受け付けた顧客の口座の情報に店番号が「0005」で、科目が「01」で、口座番号が「1234567」の情報が含まれていて、作成する伝票の種類別の枚数について、入金伝票が「0」枚で、出金伝票が「1」枚で、振込依頼書が「1」枚であることを示すレコードが含まれていることを表している。また、受付番号データ24aの例は、受付番号が「550」の顧客は、来店目的が「ローン」で、来店を受け付けた受付日付が「2014/4/15」で、受付時刻が「11:35」で、状態が「1」であり受付済で、作成する伝票の種類別の枚数について、入金伝票が「0」枚で、出金伝票が「0」枚で、振込依頼書が「0」枚であることを示すレコードが含まれていることを表している。
【0099】
図8(b)に示す伝票項目データ24bは、登録日付、受付番号及び受付枝番号に関連付けた伝票IDと、当該伝票IDに対応する伝票の項目データの電子記帳機30における登録開始時刻及び登録終了時刻と、状態と、印刷フラグと、該伝票IDに対応する伝票項目ごとの項目識別IDと、入力された項目値とをレコード項目とするデータである。状態は、コード化された情報であって「0」が未処理で、「1」が呼出済で、「2」が保留で、「8」が削除で、「9」が処理済であることを示す。印刷フラグはコード化された情報であって「0」が当該レコードに対応する伝票が未印刷で、「1」が印刷済であることを示す。
図8に示した伝票項目データ24bは、状態に削除を示す「8」が設定されることがある。つまり、レコードに対応する伝票に係る情報が取り消された場合には、該状態に「8」が設定されることとなる。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、取り消された場合にはレコードを削除するようにしてもよい。
【0100】
図8(b)の伝票項目データ24bの例は、登録日付が「2014/4/15」で、受付番号が「150」で、受付枝番号が「01」に関連づけた伝票IDが「003」で、電子記帳機30における当該伝票IDに対応する伝票の項目データの登録開始時刻が「11:32」で、登録終了時刻が「11:34」で、状態が「1」で呼出済であり、印刷フラグが「1」で印刷済であり、伝票項目の入力情報において項目識別IDが「020」に対する伝票項目の項目値が「0005」で、項目識別IDが「030」に対する伝票項目の項目値が「01」であることを示すレコードが含まれていることを表している。
【0101】
図8(c)に示す取引時確認記録データ24cは、登録日付と、受付番号と、受付枝番号に関連付けた取引時確認記録情報と、本人確認書類のイメージデータなどとをレコード項目とするデータである。取引時確認記録情報には、顧客の氏名、職業、取引の目的及び本人確認書類の名称などを含む。
【0102】
図8(c)の取引時確認記録データ24cの例は、登録日付が「2014/4/15」で、受付番号が「160」で、受付枝番号が「01」で、顧客の氏名が「タナカ イチロウ」で、職業が「会社員」で、取引の目的が「借入金返済」で、本人確認書類が「運転免許証」であることを示すレコードが含まれていることを表している。
【0103】
次に、
図2に示した実施例1に係る窓口端末40の内部構成を説明する。
図9は、実施例1に係る窓口端末40の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、この窓口端末40は、表示操作部41と、通信部42と、記憶部43と、制御部44と、マルチカードスキャナ45とを有する。表示操作部41は、タッチパネルディスプレイなどであり、入力項目の表示、操作入力ボタンの表示及び入力操作の受付を行う入出力部である。通信部42は、LAN等の通信線を介してサーバ20とデータ通信するためのインタフェース部である。マルチカードスキャナ45は、免許証及び保険証などのカード型の本人確認書類のカードイメージを取得する入力部である。
【0104】
記憶部43は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。この記憶部43は、受付番号リストデータ43a、受付番号データ43b、伝票決定パラメータ43c、伝票テンプレートデータ43d、伝票項目データ43e、取引時確認記録データ43f及び当日振込制限時刻データ43gを記憶している。
【0105】
受付番号リストデータ43aは、未呼出リスト又は処理済リストの表示処理時にサーバ20から取得したデータであって、未呼出の受付番号に係る一覧情報又は処理済の受付番号に係る一覧情報である。
【0106】
受付番号データ43bは、電子記帳機30の受付番号データ38bと同じ形式のデータであって、顧客が窓口に呼び出された時に、サーバ20から取得した呼び出された顧客に対応する受付番号データ24aのレコードを記憶したデータである。また、顧客呼出時以外にも、未呼出リスト又は処理済リストから、いずれかの受付番号に対する登録済の伝票内容の照会の操作を受け付けた場合には、サーバ20から指定された受付番号に対応する受付番号データ24aのレコードを取得して、当該受付番号データ43bとして記憶する。
【0107】
伝票決定パラメータ43cは、電子記帳機30の伝票決定パラメータ38cと同じである。また、伝票テンプレートデータ43dは、電子記帳機30の伝票テンプレートデータ38dと同じである。
【0108】
伝票項目データ43eは、電子記帳機30の伝票項目データ38eと同じ形式のデータであって、顧客が窓口に呼び出された時に、サーバ20から取得した呼び出された顧客に対応する伝票項目データ24bのレコードを記憶したデータである。また、顧客呼出時以外にも、未呼出リスト又は処理済リストから、いずれかの受付番号に対する登録済の伝票内容の照会の操作を受け付けた場合には、サーバ20から指定された受付番号に対応する伝票項目データ24bのレコードを取得して、当該伝票項目データ43eとして記憶する。
【0109】
取引時確認記録データ43fは、窓口端末40で受け付けた取引時確認を実施したことを記録したデータである。当日振込制限時刻データ43gは、電子記帳機30の当日振込制限時刻データ38fと同じデータであり、窓口で当日指定の振込の依頼を受け付ける時刻が設定されたデータである。
【0110】
制御部44は、窓口端末40の全体を制御する制御部であり、受付番号リスト表示部44a、伝票項目データ更新部44b、更新データ送信部44d、印刷処理部44e及び取引時確認記録管理部44fを有する。また、伝票項目データ更新部44bは、振込伝票データ更新部44cを含む。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
【0111】
受付番号リスト表示部44aは、未呼出リストの表示又は処理済みリストの表示の指示を受け付けて、表示操作部41に未呼出リスト又は処理済リストを表示する。
【0112】
伝票項目データ更新部44bは、顧客が窓口に呼び出された時に、サーバ20から取得した呼び出された顧客に対応する伝票項目データ24bのレコードを伝票項目データ43eとして記憶し、伝票項目データ43eの内容を画面に表示する。また、伝票項目データ更新部44bは、画面に表示された伝票項目データ43eの内容に対する変更の入力を受け付けて、受け付けた変更内容を伝票項目データ43eに反映する。また、伝票項目データ更新部44bは、伝票項目データ43eに登録されている情報を伝票単位で取り消すことも可能である。また、伝票項目データ更新部44bは、伝票項目データ43eに新たなに伝票に係る情報を追加することもできる。
【0113】
伝票項目データ更新部44bで行われる処理の中で、伝票の種類が振込伝票である伝票項目データ43eのレコードに関する処理は、振込伝票データ更新部44cが実施する。振込伝票データ更新部44cは、実施例1に係る、電子記帳機30における振込伝票の登録開始時刻、窓口端末40における振込伝票に係る処理開始時刻と、当日振込制限時刻とに基づいて、振込処理の当日振込制限時刻に係る注意喚起処理を行う。
【0114】
更新データ送信部44dは、顧客を窓口に呼び出してから行われた受付番号データ43b、伝票項目データ43e、取引時確認記録データ43fの更新内容をサーバ20に送信する。印刷処理部44eは、伝票項目データ43e及び取引時確認記録データ43fに基づいて、伝票及び取引時確認記録をプリンタ95から出力する。
【0115】
取引時確認記録管理部44fは、伝票項目データ更新部44bにより更新された伝票項目データ43eに基づいて取引時確認が必要か否かの判定を行い、取引時確認が必要であると判定された場合には、取引時確認記録に記載する必要事項を入力する画面を表示して、顧客の入力を受け付けて、受け付けた内容を取引時確認記録データ43fに登録する。
【0116】
次に、
図9に示した実施例1に係る窓口端末40のデータ構成について
図10を用いて説明する。
【0117】
図10(a)に示す受付番号リストデータ43aは、受付番号、顧客名、顧客の来店目的、電子記帳機30で作成した伝票の枚数、状態、テラーの担当者ID及び担当者名をレコードの保有項目とするデータである。状態は、コード化されたデータであって、「1」が受付済で、「2」が呼出済で、「9」が処理終了であることを示している。
【0118】
図10(a)の受付番号リストデータ43aの例は、受付番号が「145」で、顧客名が「鈴木太郎」で、来店目的が「税公金」で、電子記帳機30で作成した伝票の枚数が「2」枚で、状態が「2」であり呼出済で、テラーの担当者IDが「110」で、担当者名が「山田花子」であることを示すレコードが含まれていることを表している。また、受付番号が「549」で、来店目的が「諸届」で、電子記帳機30で作成した伝票の枚数が「0」枚で、状態が「9」であり処理終了で、テラーの担当者IDが「205」で、担当者名が「田中裕子」であることを示すレコードが含まれていることを表している。
【0119】
図10(b)に示す受付番号データ43bは、受付番号と、来店目的と、来店を受け付けた受付日付及び受付時刻と、窓口に呼び出された呼出時刻と、来店を受け付けた顧客の口座の情報と、作成する伝票の種類別の枚数とを有する。
【0120】
図10(b)の受付番号データ43bの例は、受付番号が「150」で、来店目的が「振込」で、来店を受け付けた受付日付が「2014/4/15」で、受付時刻が「11:30」で、窓口に呼び出された時刻が「11:45:00」で、来店を受け付けた顧客の口座の情報に店番号が「0005」で、科目コードが「01」で、口座番号が「1234567」の情報が含まれていて、作成する伝票の種類別の枚数について入金伝票が「0」枚で、出金伝票が「1」枚で、振込伝票が「1」枚であることを示している。
【0121】
図10(c)に示す取引時確認記録データ43fは、受付番号と、受付枝番号と、取引時確認記録データ43fが登録された登録日付及び登録時刻と、取引時確認記録情報と、本人確認書類のイメージデータとを含む。取引時確認記録情報には、顧客の氏名、職業、取引の目的及び本人確認書類の名称などを含む。
【0122】
図10(c)の取引時確認記録データ43fの例は、受付番号が「160」で、受付枝番号が「01」で、取引時確認記録データ43fが登録された登録日付が「2014/4/15」で、登録時刻が「12:30」で、顧客の氏名が「タナカ イチロウ」で、職業が「会社員」で、取引の目的が「借入金返済」で、本人確認書類が「運転免許証」であることを示している。
【0123】
次に、
図2に示した電子記帳機30における振込伝票の伝票項目情報の登録に係る画面構成及び操作にともなう画面遷移について
図11を用いて説明する。
【0124】
図11(a)に示す画面は、顧客が電子記帳機30で来店目的を入力するための画面である。
図11(a)の画面で来店目的が振込を行うことを示す「お振込み」ボタンが操作されると、振込伝票の伝票項目情報を入力するための画面が順番に展開されることになる。
【0125】
図11(a)の画面で「お振込み」ボタンが操作されたタイミングで、既に当日振込制限時刻データ38fに設定される当日振込制限時刻を過ぎている場合には、
図11(b)の画面に遷移する。
図11(b)の画面は、当日振込制限時刻を既に過ぎていることから振込日が翌営業日になる旨を示すメッセージが表示されるとともに、振込日が翌営業日であることに対する顧客の意思を受け付けることができる画面である。
図11(b)の画面の下部には、振込日が翌営業日となることを了解した旨を入力するための「はい」ボタンと、振込日が翌営業日となることを了解しない旨を入力するための「いいえ」ボタンとが配置される。
【0126】
図11(b)の画面において、「いいえ」ボタンの操作を受け付けると
図11(a)の画面に戻る。また、11(b)の画面において、「はい」ボタンの操作を受け付けると
図11(c)の画面に遷移する。
【0127】
図11(c)の画面は、振込方法の指定を受け付けるための画面であって、顧客が持ち込んだ現金で振込を行うことを示す「現金で振込」ボタンと、顧客の口座から振込額及び手数料を引き落として振込を行うことを示す「預金口座から振込」ボタンとが配置される。
図11(c)の画面において「現金で振込」ボタン又は「預金口座から振込」ボタンの操作が行われると、選択された振込方法に応じた画面が順番に展開され、それぞれの画面において振込伝票の伝票項目に対する顧客の入力操作を受け付けることになる。
図11(d)に示す画面は、振込金額を入力するための画面であって、画面の左側には、受け付けた振込金額を表示する振込金額欄と、振込金額の入力をするためのテンキーが配置される。また、
図11(d)の画面の右側には、当該画面が表示されるまでに入力された振込伝票の伝票項目情報が表示される。
【0128】
図11(d)の画面で振込金額の入力が終了すると、
図11(e)に示す画面に遷移する。
図11(e)に示す画面は、それまでに受け付けた振込伝票の伝票項目に対する入力内容を確認するための画面であって、振込伝票の伝票項目に対する入力内容が表示される。また、
図11(e)の画面の右上の部分には予定振込日も表示される。
図11に示す例では、
図11(b)で振込日が翌営業日となることの顧客の了解操作を受け付けているので、予定振込日には翌営業日である「2014年4月16日」が表示される。
【0129】
また、
図11(e)の画面の下部には、表示された内容に対して訂正する意思を入力するための「訂正」ボタンと、表示された内容に誤りがないことを確認した旨を入力するための「確認」ボタンとが配置される。
図11(e)の画面で「訂正」ボタンの操作を受け付けると、振込伝票の伝票項目を入力するための画面に戻る。また、
図11(e)の画面で「確認」ボタンの操作を受け付けると、振込伝票の伝票項目情報の入力受付処理は終了し、受け付けた振込伝票の伝票項目情報は伝票項目データ24bに登録され、振込伝票に係る伝票項目情報の登録処理は終了する。
【0130】
次に、電子記帳機30で登録された振込伝票の伝票項目情報を、
図2に示した窓口端末40において確認するときに使用する画面の画面構成について、
図12を用いて説明する。
図12は、電子記帳機30で振込伝票の伝票項目情報の登録を行った顧客が窓口に呼び出されたときに、顧客により登録された振込伝票の伝票項目情報が、窓口端末40の表示操作部41に表示されたときの画面の表示例である。また、
図12は、
図11(e)の画面例で確認された振込伝票の伝票項目情報が窓口端末40に表示された場合の画面の例を示している。
【0131】
図12の振込伝票の伝票項目情報の表示の例では、ご依頼日が翌営業日である「2014/4/16」が表示されており、「2014/4/16」が黄色に強調されて表示されている。ご依頼日が翌営業日となっている場合には、ご依頼日の背景を赤色又は黄色で強調して表示される。このように、ご依頼日が強調して表示されるのは、窓口担当者に対して振込日が翌営業日となっていることを意識させ、顧客に翌営業日の振込であることを確認させるようにすることにより顧客の意思確認を徹底することができ、顧客と金融機関の間の無用なトラブルを回避することができるのである。また、ご依頼日が当日である場合にはご依頼日を強調して表示せず、他の項目と同様に背景色を白色で表示するものとし、特段の注意喚起は行わない。
【0132】
ご依頼日を強調する背景色として黄色又は赤色が使われるが、黄色と赤色がどのように使い分けられるかについて説明する。顧客が電子記帳機30で振込伝票の伝票項目情報の登録を開始した時に、既に当日振込制限時刻を過ぎており、翌営業日振込になることの顧客の了解を得ている場合には、ご依頼日の欄の背景色を黄色として翌営業日を表示する。このように、依頼日を黄色で表示することにより、振込日が翌営業日であることを窓口の担当者に意識させ、顧客に翌営業日の振込であることを再度、確認させることができる。
【0133】
また、顧客が電子記帳機30で振込伝票の伝票項目の登録を開始した時は、まだ当日振込制限時刻を過ぎていなかったが、窓口に呼び出された時には当日振込制限時刻を過ぎてしまった場合には、ご依頼日の欄の背景色を黄色よりも強調度の高い赤色として翌営業日を表示する。このように赤色を使用するのは、翌営業日の振込となることに対して顧客の了解が得られている黄色で表示される場合と比較して、電子記帳機30での操作開始時にはまだ当日振込制限時刻を過ぎていなかったことから、翌営業日の振込となることに関する顧客の確認はまだ行われておらず、顧客に翌営業日の振込であることを確認することの重要度がより高いことを示すためである。
【0134】
次に、
図2に示した電子記帳機30における振込伝票の伝票項目情報の登録に係る一連の処理の処理手順について
図13に示すフローチャートを用いて説明する。
【0135】
振込伝票データ生成部39cは、
図11(a)に示す来店目的の入力用の画面において「お振込」ボタンの操作を受け付けると、「お振込」ボタンの操作を受け付けた時刻を取得し、取得した時刻を振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻として記憶する(ステップS101)。
【0136】
この登録開始時刻が当日振込制限時刻データ38fに登録される当日振込制限時刻を過ぎている場合には(ステップS102;Yes)、振込伝票データ生成部39cは、
図11(b)に示したような振込処理が翌営業日となることを顧客に確認するための画面の表示を行う(ステップS103)。ステップS103で表示した画面において、振込処理が翌営業日となることを了解したことを示す「はい」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS104;Yes)、振込伝票データ生成部39cは、振込伝票の伝票項目の入力を受け付けるための画面を順番に表示して、伝票項目の入力を受け付ける(ステップS105)。ステップS101で取得した登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていない場合(ステップS102;No)、ステップS103及びステップS104の処理をスキップしてステップS105に移行する。
【0137】
ステップS105で、全ての振込伝票の伝票項目の入力の受け付けが終了すると、振込伝票データ生成部39cは、
図11(e)に示したような、受け付けた振込伝票の伝票項目の入力内容を確認するための画面を表示して、顧客の確認操作を受け付ける(ステップS106)。
【0138】
ステップS106で表示した画面で、表示された内容を確認した旨を示す「確認」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS107;Yes)、振込伝票データ生成部39cは、ステップS105などで受け付けた顧客操作に基づいて伝票項目データ38eを生成し、生成した伝票項目データ38eをサーバ20に送信して(ステップS108)、番号札を発行して(ステップS109)、処理を終了する。ただし、設定パラメータ38aに受付番号は受付機10で発行された番号札から読み取るという設定になっている場合には、電子記帳機30で番号札の発行は行わない。
【0139】
ステップS106で表示した画面で、表示された内容を訂正する旨を示す「訂正」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS107;No)、ステップS105に戻る。また、ステップS103で表示した画面において、振込処理が翌営業日となることを了解しない旨を示す「いいえ」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS104;No)、処理を終了する。
【0140】
次に、
図2に示した窓口端末40において行われる電子記帳機30で登録された振込伝票の伝票項目情報に係る一連の確認処理の処理手順について
図14に示すフローチャートを用いて説明する。
【0141】
振込伝票データ更新部44cは、呼び出された顧客が電子記帳機30で登録した振込伝票の伝票項目情報をサーバ20から取得して、伝票項目データ43eに記憶する(ステップS201)。現在時刻が当日振込制限時刻を過ぎていない場合には(ステップS202;No)、振込伝票データ更新部44cは、振込日は当日で、振込日を表示するときの背景色は白色と決定する(ステップS203)。
【0142】
また、現在時刻が当日振込制限時刻を過ぎていて(ステップS202;Yes)、電子記帳機30における振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていた場合には(ステップS204;Yes)、振込伝票データ更新部44cは、振込日は翌営業日で、振込日を表示するときの背景色は黄色と決定する(ステップS205)。また、現在時刻が当日振込制限時刻を過ぎているが(ステップS202;Yes)、電子記帳機30における振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻は当日振込制限時刻を過ぎていなかった場合には(ステップS204;No)、振込伝票データ更新部44cは、振込日は翌営業日で、振込日を表示するときの背景色は赤色と決定する(ステップS206)。また、電子記帳機30で振込伝票の伝票項目情報の登録が開始された登録開始時刻は、伝票項目データ43eに含まれる情報である。
【0143】
振込伝票データ更新部44cは、
図12に示したような振込伝票の伝票項目情報を確認するための画面の表示を行う(ステップS207)。この際に、振込日は、ステップS203、ステップS205又はステップS206で決定された振込日及び振込日の表示背景色に基づいて表示される。
【0144】
ステップS207で表示された画面において表示された内容で伝票の印刷を行う旨を示す「印刷」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS208;印刷)、印刷処理部44eは、その時点の伝票項目データ43eに登録される伝票項目情報が記載された振込伝票を印刷する(ステップS209)。さらに、振込伝票データ更新部44cは、伝票項目データ43eの状態の情報を処理済であることを示す「9」、印刷フラグを印刷済であることを示す「1」に更新する(ステップS210)。また、更新データ送信部44dは、更新された伝票項目データ43eをサーバ20に送信して(ステップS211)、処理を終了する。
【0145】
また、ステップS207で表示された画面において表示された内容の修正を行う旨を示す「修正」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS208;修正)、修正用の画面を表示して、表示された画面の入力操作に基づいて伝票項目データ43eの修正を行い(ステップS212)、ステップS207に戻る。
【0146】
また、ステップS207で表示された画面において表示された内容の振込依頼の取消を示す「取消」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS208;取消)、振込伝票データ更新部44cは、伝票項目データ43eの状態の情報を取り消されて削除されたことを示す「8」に更新して(ステップS213)、ステップS211に移行する。
【0147】
上述してきたように、実施例1では、電子記帳機30は、振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻が当日振込制限時刻を超えている場合には、振込日が翌営業日になる旨のメッセージを表示して、顧客が振込日を確認できるようにし、窓口端末40は、電子記帳機30における振込伝票の登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていた場合には、振込日が翌営業日となる旨を表示するとともに、窓口端末40の表示部に表示する振込日を強調表示して、振込日を確認する旨の注意を喚起し、電子記帳機30における振込伝票の登録開始時刻は当日振込制限時刻を過ぎていないが、窓口端末40における窓口受付時刻が当日振込制限時刻を過ぎていた場合には、振込日が翌営業日となる旨を表示するとともに、より高い強調レベルで振込日を表示することにより、振込日をより強く注意喚起するよう構成したので、金融機関において窓口で当日指定の振込を受け付ける当日振込制限時刻が設けられている場合に、窓口において振込指定日の修正を行わなければならない事態の発生を抑制し、もって窓口担当者の負荷を軽減するとともに、顧客の利便性を向上させることができる。
【実施例2】
【0148】
実施例1では、電子記帳機30では振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻が既に当日振込制限時刻を過ぎている場合に、顧客に対して振込処理が翌営業日になる旨を報知し、窓口端末40でも窓口受付時に当日振込制限時刻を過ぎているか否かの判定を行い、当日振込制限時刻を過ぎていた場合には、振込処理が翌営業日になる旨を窓口担当者が意識できるようにし、顧客に対する確認に漏れが起きないようにした。ところが、電子記帳機30で振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていない場合であっても、窓口に顧客が呼び出された時には当日振込制限時刻を過ぎている場合があり、このような場合に顧客は、窓口に呼び出されたタイミングで初めて振込処理が翌営業日になる旨を知らされることになる。顧客によっては、振込を当日処理しなければならない場合があり、そのようなケースでさんざん待たされたあとで当日処理ができない旨を伝えられても対処できない場合があり、顧客と金融機関の間のトラブルの原因となる。そこで、実施例2では、電子記帳機30における振込伝票の登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていなくとも、混雑状況等に応じて顧客に振込制限時刻に係る情報を適切に提供できるようにするという実施例を説明する。
【0149】
まず、実施例1で説明した当日振込制限時刻に加えて、実施例2で追加される当日振込注意時刻に係る処理の概要について、
図15を用いて説明する。実施例2に係る電子記帳機130における振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻は当日振込制限時刻を過ぎていないものの、この登録開始時刻が当日振込制限時刻まであまり時間がない場合には、窓口に呼び出されたときには当日振込制限時刻を過ぎてしまう可能性がある。このため、窓口に呼び出された時に当日振込制限時刻を過ぎてしまう可能性がある場合には、顧客にその旨の情報を報知した方が顧客にとって親切である。
【0150】
しかしながら、電子記帳機130で振込伝票の伝票項目情報の登録にかかる時間は人によってばらつきがある。また、それ以上に営業店の混雑状況によって、窓口に呼び出されるまでにかかる時間に大きな差異がある。そこで、顧客が電子記帳機130で振込伝票の伝票項目情報の登録にかかる時間の分布と、その時の待ち人数に対する待ち時間の分布とに基づいて、その時の営業店の混雑状況において大多数の顧客にとって伝票項目情報の登録開始から窓口に呼び出されるまでにかかる時間を算出する。そして、このようにして算出された時間を、当日振込制限時刻から差し引いた時間を当日振込注意時刻とする。つまり、当日振込注意時刻は、営業店の混雑状況に応じて算出される時刻である。
【0151】
図15に示すように、当日振込制限時刻が例えば「14:30」と設定されている場合には、当日振込注意時刻は、振込伝票の伝票項目情報の登録にかかる想定時間と、その時の営業店の混雑雑状況に応じて算出される想定待ち時間との合計時間を、当日振込制限時刻から前倒しした時刻である。電子記帳機130は、振込伝票の登録開始の操作を受け付けたならば、その登録開始時刻と、その時に算出される当日振込注意時刻とに基づいて、顧客により適切な情報を提供する。
【0152】
顧客に提供する情報について、具体的に説明する。電子記帳機130は、振込伝票の伝票項目情報の登録開始の操作を受け付けた登録開始時刻が、その時点で算出された当日振込注意時刻以前であった場合には、窓口に呼び出されたときに当日振込制限時刻を過ぎている可能性は低いことから、翌営業日の振込になる可能性がある旨のメッセージの表示は行わない。また、登録開始時刻が、当日振込制限時刻を過ぎていない場合であっても、その時点で算出される当日振込注意時刻を過ぎている場合には、窓口に呼び出されるのが当日振込制限時刻に間に合わずに翌営業日の振込となる可能性がある旨を顧客に報知する。また、振込伝票の伝票項目情報の登録開始の操作を受け付けた時刻が、既に当日振込制限時刻を過ぎている場合には、実施例1の場合と同様に翌営業日の振込となる旨の確認画面を表示する。
【0153】
次に、実施例2に係る電子記帳機130における振込伝票の伝票項目情報の登録開始時に表示される画面の画面構成及び操作にともなう画面遷移について
図16を用いて説明する。
【0154】
図中の画面5は、実施例1の
図11(a)に示した画面と同じで、顧客が電子記帳機130で来店目的を入力するための画面である。図中の画面5で、「お振込み」ボタンが操作されたならば、電子記帳機130は
図15で説明した当日振込注意時刻を算出し、「お振込み」ボタンが操作された登録開始時刻と、算出された当日振込注意時刻と、当日振込制限時刻データ38fに設定される当日振込制限時刻とに基づいて処理を進めることになる。
【0155】
具体的には、登録開始時刻と、当日振込注意時刻及び当日振込制限時刻との比較処理(S3)が行われ、この比較処理(S3)の結果に応じた画面の表示を行う。この比較処理(S3)において、登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていなくて、算出された当日振込注意時刻を過ぎている場合には、図中の画面6に示すように、当日振込制限時刻(例えば、14:30)を過ぎると、窓口では当日振込は受け付けられないので、翌営業日の振込となる旨のメッセージとともに、当日振込制限時刻までの残り時間が表示される。画面6の下部には、表示されたメッセージに対して了解した旨を入力するための「はい」ボタンと、表示されたメッセージの内容について了解しない旨を入力するための「いいえ」ボタンとが配置される。
【0156】
図中の画面6において、「いいえ」ボタンの操作を受け付けると画面5に戻る。また、この画面6において、「はい」ボタンの操作を受け付けると画面8に遷移する。「はい」ボタンの操作が行われた場合には、窓口に呼び出された時間によって、当日振込制限時間に間に合えば当日振込として処理されることになり、当日振込制限時刻に間に合わなければ翌営業日の振込として処理されることになる。
【0157】
また、比較処理(S3)において、登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎている場合には、実施例1の場合と同様の画面7が展開される。この画面7において、「いいえ」ボタンの操作を受け付けると画面5に戻る。また、この画面7において、「はい」ボタンの操作を受け付けると画面8に遷移する。
【0158】
また、比較処理(S3)において、登録開始時刻が算出された当日振込注意時刻以前である場合には、当日振込制限時刻に係る情報は表示されずに画面8に遷移する。画面8は、実施例1の
図11(c)の画面に対応する画面であって、振込方法の指定を受け付けるための画面である。
【0159】
実施例2では、このように、電子記帳機130において振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていない場合であっても、混雑状況に応じて算出される当日振込注意時刻を過ぎている場合には、窓口で当日振込が受け付けられない可能性がある旨のメッセージが表示されるので、顧客が窓口に呼び出されて初めて当日指定の振込は受け付けられないと知らされるケースが大幅に削減されることになり、顧客に重要な情報を早い段階で提供できることとなり、顧客と金融機関の間の無用なトラブルを回避することができる。
【0160】
次に、実施例2に係る電子記帳機130の内部構成について
図17に示す機能的な内部構成を示すブロック図を用いて説明する。
図17に示す電子記帳機130のブロック図においては、実施例1の電子記帳機30と同じ構成要素については
図5に示した電子記帳機30のブロック図と同じ符号を付与し、実施例1の電子記帳機30と異なる構成要素については
図5に示した電子記帳機30のブロック図とは異なる符号を新たに採番した。電子記帳機130の内部構成の説明では、実施例1の電子記帳機30と同じ符号を付与した構成要素についての説明は省略し、符号を新たに採番した実施例1の電子記帳機30と異なる構成要素について主に説明するものとする。
【0161】
実施例1の電子記帳機130の構成要素で、実施例1の電子記帳機30の構成要素と差異があるのは、記憶部38の伝票項目データ138eと、制御部39の振込伝票データ生成部139cである。
【0162】
伝票項目データ138eは、振込伝票に係る伝票項目情報である場合の該伝票項目情報の登録開始時に算出された当日振込注意時刻がレコード項目に追加されている。
【0163】
また、振込伝票データ生成部139cは、当日振込注意時刻を算出して伝票項目データ138eに登録する機能が追加となっている。当日振込注意時刻は、
図15に示したように当日振込制限時刻から、伝票項目情報の登録にかかる想定時間と、混雑状況に応じた想定待ち時間とを差し引くことによって算出される。また、混雑状況に応じた想定待ち時間は、受付機10若しくはサーバ20から、振込伝票を受け付ける窓口の数とその窓口の待ち人数とを取得して、窓口数と待ち人数に基づいて算出される。
【0164】
また、振込伝票データ生成部139cは、振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻が当日振込制限時刻を超過していなくても、算出した当日振込注意時刻を超過している場合には、
図16の画面6に示すように、当日振込制限時刻を過ぎると窓口では当日振込は受け付けられないので翌営業日の振込となる旨のメッセージとともに当日振込制限時刻までの残り時間を表示する機能が追加となっている。
【0165】
次に、
図17に示した実施例2に係る電子記帳機130のデータ構成について、
図18を用いて説明する。
図18では、実施例1との差異がある伝票項目データ138eについて説明する。
【0166】
伝票項目データ138eのレコードの保有項目は、実施例1の伝票項目データ38eのレコードの保有項目と比較すると、そのレコードの登録開始時に算出された当日振込注意時刻を示す情報が追加となっている。
図18の伝票項目データ138eの例は、登録日付が「2014/4/15」で、受付番号が「150」で、受付枝番号が「01」に関連づけた伝票IDが「003」で、当該伝票IDに対応する伝票の項目データの登録開始時刻が「11:32」で、登録終了時刻が「11:34」で、当該レコードの登録開始時に算出された当日振込注意時刻が「14:00」で、該伝票項目の入力情報において、項目識別IDが「020」に対する伝票項目の項目値が「0005」で、項目識別IDが「030」に対する伝票項目の項目値が「01」であることを示すレコードが含まれていることを表している。
【0167】
次に、実施例2に係る窓口端末140の内部構成を説明する。
図19は、実施例2に係る窓口端末140の内部構成を示すブロック図である。
図19に示す窓口端末140のブロック図においては、実施例1の窓口端末40と同じ構成要素については
図9に示した窓口端末40のブロック図と同じ符号を付与し、実施例1の窓口端末40と異なる構成要素については
図9に示した窓口端末40のブロック図とは異なる符号を新たに採番した。窓口端末140の内部構成の説明では、実施例1の窓口端末40と同じ符号を付与した構成要素についての説明は省略し、符号を新たに採番した実施例1の窓口端末40と異なる構成要素について主に説明するものとする。
【0168】
記憶部43の伝票項目データ143eは、実施例1の伝票項目データ43eと比較すると、
図18に示した電子記帳機130の伝票項目データ138eと同様に、レコード項目に当日振込注意時刻が追加になっている点において差異がある。また、制御部44の振込伝票データ更新部144cは、実施例1の振込伝票データ更新部44cと差異がある。振込伝票データ更新部144cには、当日振込注意時刻に係る処理が追加となっている。振込伝票データ更新部144cの詳細な処理内容は、
図21のフローチャートで説明する。
【0169】
次に、実施例2に係る電子記帳機130における振込伝票の伝票項目情報の登録に係る一連の処理の処理手順について
図20に示すフローチャートを用いて説明する。
【0170】
振込伝票データ生成部139cは、
図16の画面5に示す来店目的の入力を受け付けるための画面において「お振込」ボタンの操作を受け付けると、「お振込」ボタンの操作を受け付けた時刻を取得し、取得した時刻を振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻として記憶する(ステップS301)。また、振込伝票データ生成部139cは、受付機10若しくはサーバ20から、振込伝票を受け付ける窓口の数とその窓口の待ち人数とを取得して、窓口数と待ち人数に基づいて当日振込注意時刻を算出する(ステップS302)
【0171】
ステップS301で取得した登録開始時刻が、ステップS302で算出した当日振込注意時刻を過ぎていて(ステップS303;Yes)、ステップS301で取得した登録開始時刻が、当日振込制限時刻も過ぎている場合には(ステップS304;Yes)、振込伝票データ生成部139cは、
図16の画面7に示したような振込処理が翌営業日となることを顧客に確認するための画面の表示を行う(ステップS305)。また、ステップS301で取得した登録開始時刻が、当日振込制限時刻を過ぎていない場合(ステップS304;No)には、振込伝票データ生成部139cは、
図16の画面6に示したような振込処理が翌営業日となる可能性がある旨を顧客に報知するための画面の表示を行う(ステップS306)。
【0172】
ステップS305で表示された
図16の画面7で示したような画面又はステップS306で表示された
図16の画面6で示したような画面において、顧客による画面表示内容で了解する旨を示す「はい」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS307;Yes)、振込伝票データ生成部139cは、振込伝票の伝票項目の入力を受け付けるための画面を順番に表示して伝票項目の入力を受け付ける(ステップS308)。ステップS308で、全ての振込伝票の伝票項目の入力を受け付けが終了すると、振込伝票データ生成部139cは、受け付けた振込伝票の伝票項目の入力内容を確認するための画面を表示して顧客の確認操作を受け付ける(ステップS309)。
【0173】
ステップS309で表示した画面で、表示された内容を確認した旨を示す「確認」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS310;Yes)、振込伝票データ生成部139cは、ステップS308などで受け付けた顧客操作に基づいて伝票項目データ138eを生成し、生成した伝票項目データ138eをサーバ20に送信して(ステップS311)、番号札を発行して(ステップS312)、処理を終了する。ただし、設定パラメータ38aに受付番号は受付機10で発行された番号札から読み取るという設定になっている場合には、電子記帳機130で番号札の発行は行わない。
【0174】
ステップS309で表示した画面で、表示された内容を訂正する旨を示す「訂正」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS310;No)、ステップS308に戻る。また、ステップS305で表示された
図16の画面7で示したような画面又はステップS306で表示された
図16の画面6で示したような画面において、顧客による画面表示内容で了解しない旨を示す「いいえ」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS307;No)、処理を終了する。また、ステップS301で取得した登録開始時刻が、ステップS302で算出した当日振込注意時刻を過ぎていない場合には(ステップS303;No)、ステップS308に移行する。
【0175】
次に、実施例2に係る窓口端末140において行われる電子記帳機130において登録された振込伝票の伝票項目情報に係る一連の確認処理の処理手順について
図21に示すフローチャートを用いて説明する。
【0176】
振込伝票データ更新部144cは、呼び出された顧客が電子記帳機130で登録した振込伝票の伝票項目情報をサーバ20から取得して、伝票項目データ143eに記憶する(ステップS401)。現在時刻が当日振込制限時刻を過ぎていない場合には(ステップS402;No)、振込伝票データ更新部144cは、振込日は当日で振込日を表示するときの背景色は白色と決定する(ステップS403)。
【0177】
また、現在時刻が当日振込制限時刻を過ぎていて(ステップS402;Yes)、電子記帳機130における振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻が当日振込制限時刻を過ぎていた場合には(ステップS404;Yes)、振込伝票データ更新部144cは、振込日は翌営業日で振込日を表示するときの背景色は黄色と決定する(ステップS405)。また、現在時刻が当日振込制限時刻を過ぎていて(ステップS402;Yes)、電子記帳機130における振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻は当日振込制限時刻を過ぎていなくて(ステップS404;No)、当日振込注意時刻を過ぎていた場合には(ステップS406;Yes)、振込伝票データ更新部144cは、振込日は翌営業日で振込日を表示するときの背景色はオレンジ色と決定する(ステップS407)。また、現在時刻が当日振込制限時刻を過ぎていて(ステップS402;Yes)、電子記帳機130における振込伝票の登録開始時刻は当日振込制限時刻を過ぎていなくて(ステップS404;No)、当日振込注意時刻も過ぎていなかった場合には(ステップS406;No)、振込伝票データ更新部144cは、振込日は翌営業日で振込日を表示するときの背景色は赤色と決定する(ステップS408)。
【0178】
振込日として翌営業日が表示される場合の背景色が、黄色、オレンジ色又は赤色の3種類が設けられているのは、顧客に翌営業日の振込になることを確認することの重要度の違いを示している。黄色で表示されるケースは、電子記帳機130で振込処理が翌営業日になることについて顧客の了解を得ているケースなので、この3種類の中では最も重要度が低い。オレンジ色で表示されるケースは、電子記帳機130において窓口で受け付けられる時間が当日振込制限時刻を過ぎてしまう可能性があり、その場合には振込処理が翌営業日になることについて顧客の了解を得ているケースなので、黄色で表示されるケースよりは重要度が高い。また、赤色で表示されるケースは、電子記帳機130では振込処理が翌営業日になることについての報知が顧客に全く行われていないケースなので、この3種類の中では最も重要度が高い。
【0179】
振込伝票データ更新部144cは、振込伝票の伝票項目情報を確認するための画面の表示を行う(ステップS409)。この際に振込日は、ステップS403、ステップS405、ステップS407又はステップS408で決定された振込日及び振込日を表示するときの背景色に基づいて表示される。
【0180】
ステップS409で表示された画面において表示された内容で伝票の印刷を行う旨を示す「印刷」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS410;印刷)、印刷処理部44eは、その時点の伝票項目データ143eに登録される伝票項目情報が記載された振込伝票を印刷する(ステップS411)。さらに、振込伝票データ更新部144cは、伝票項目データ143eの状態の情報を処理済であることを示す「9」、印刷済フラグを印刷済であることを示す「1」に更新する(ステップS412)。また、更新データ送信部44dは、更新された伝票項目データ143eをサーバ20に送信して(ステップS413)、処理を終了する。
【0181】
また、ステップS409で表示された画面において表示された内容の修正を行う旨を示す「修正」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS410;修正)、修正用の画面を表示して、表示された画面の入力操作に基づいて伝票項目データ143eの修正を行い(ステップS414)、ステップS409に戻る。
【0182】
また、ステップS409で表示された画面において表示された内容の振込依頼の取消を示す「取消」ボタンの操作を受け付けた場合には(ステップS410;取消)、振込伝票データ更新部144cは、伝票項目データ143eの状態の情報を取り消されて削除されたことを示す「8」に更新して(ステップS415)、ステップS413に移行する。
【0183】
上述してきたように、実施例2では、実施例1で実現したことに加えて、窓口に当日振込制限時刻までに呼び出されると想定される当日振込注意時刻を店の混雑状況に応じて算出し、電子記帳機130は、振込伝票の伝票項目情報の登録開始時刻が当日振込注意時刻を超えている場合には、振込日が翌営業日になる可能性がある旨のメッセージを表示するとともに顧客に確認するようにし、窓口端末140は、窓口受付時刻が当日振込制限時刻を超えていた場合に、電子記帳機130で振込処理が翌営業日になることの確認を顧客から得ているケース、電子記帳機130で振込処理が翌営業日になる可能性があることの確認を顧客から得ているケース、電子記帳機130で振込処理が翌営業日になる可能性に関する表示を全く行っていないケースの順で強調レベルが高くなるように振込日の表示を行うよう構成したので、金融機関において窓口で当日指定の振込を受け付ける当日振込制限時刻が設けられている場合に、窓口において振込指定日の修正を行わなければならない事態の発生を抑制し、もって窓口担当者の負荷を軽減するとともに、実施例1以上に顧客に対する適切な情報を適切なタイミングで提供することにより顧客の利便性を向上させることができる。
【0184】
なお、上述の実施例2では、電子記帳機130によって当日振込注意時刻が算出されることとしたが、サーバ20によって当日振込注意時刻を算出するようにしてもよい。
【0185】
また、実施例1及び実施例2では、電子記帳機30、130において当日振込制限時刻に間に合わないと振込日が翌営業日になることに関する顧客への情報の提供を行い、顧客の了解を得るための画面を表示するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、店内に設置される自動機やスマートフォンを用いたインタネットバンキングを利用すると、この当日振込制限時刻以降であっても振込日を当日とした振込を行うことができる場合には、実施例1及び実施例2で報知する内容に加えて、店内に設置される自動機及びインタネットバンキングで当日指定の振込ができる時刻を併せて表示して、当日振込を所望する顧客を自動機等に誘導するようにしてもよい。また、例えば、電子記帳機30、130において振込日が翌営業日になることに関する注意メッセージを表示した場合に、顧客ゾーンで顧客対応を行う担当者が所持するスタッフ端末等に該注意メッセージが表示された電子記帳機30、130を特定する情報を出力し、顧客対応を行う担当者によりフォローできるようにしてもよい。
【0186】
また、実施例1及び実施例2では、窓口端末40、140において振込日が翌営業日になる場合には振込日の背景色を他の項目と異なる背景色を使用することによって強調し、窓口担当者に振込日が翌営業日であることを意識させ、顧客に振込日が翌営業日であることを確認させるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、文字や音声により、振込日が翌営業日であることから顧客にこれを確認する必要がある旨を明示的に報知するようにしてもよい。
【0187】
また、実施例1及び実施例2では、電子記帳機30、130及び窓口端末40、140について、それぞれの端末装置内に動作する処理部を設けるものとして説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電子記帳機30、130及び窓口端末40、140では表示や操作の受付のみをWebブラウザなどを用いて行い、実施例で説明したそれぞれの端末装置の制御部に含まれる処理部が実現する処理をサーバ20で行うものとしてもよい。
【0188】
また、実施例1及び実施例2では、受付機10がテラーモニタ91の顧客呼出の操作を受付けて、番号呼出装置92に呼び出す顧客の情報を出力することによって顧客を窓口に呼び出すとともに、受付機10からサーバ20に呼び出した顧客に係る情報を通知して、サーバ20から呼び出した顧客に係る情報を窓口端末40、140に送信して、窓口端末40、140に呼び出された顧客に係る情報を表示するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、窓口端末40、140により顧客の呼出操作を受付けて、受付機10に顧客呼出の要求を送信し、顧客呼出の要求を受け付けた受付機10は番号呼出装置92に呼び出す顧客の情報を出力することによって顧客を窓口に呼び出し、窓口端末40、140はサーバ20から呼び出した顧客に係る情報を取得して表示するようにしてもよい。
【0189】
また、実施例1及び実施例2では、システム構成として電子記帳機30、130とは別にサーバ20を設けるものとしたが、サーバ20の機能を電子記帳機30、130で実現するようにしてもよい。また、電子記帳機30、130が複数台設置される場合には、複数台の電子記帳機30、130の中の1台を親機、その他を子機として、親機にサーバ20の機能を持たせるようにしてもよい。
【0190】
また、上述の実施例1及び実施例2で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。