(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態に係る電気接続箱およびワイヤハーネスにつき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0016】
[第1実施形態]
図1から
図7を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、電気接続箱およびワイヤハーネスに関する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気接続箱およびワイヤハーネスの斜視図、
図2は、第1実施形態に係るフレームの側面図、
図3は、第1実施形態に係るフレームの斜視図、
図4は、第1実施形態に係るフレームの他の斜視図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る電気接続箱1は、フレーム2、アッパーカバー3、およびロワカバー4を有する。電気接続箱1は、電線Wと共にワイヤハーネスWHを構成する。ワイヤハーネスWHは、自動車等の車両に搭載され、当該車両に搭載される各装置間を接続する。ワイヤハーネスWHは、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線Wを有する。各電線Wの一端は、電気接続箱1内に収容されている電子部品と接続される。各電線Wの他端は、コネクタ等を介してバッテリや電装部品等の各装置(外部機器)と接続される。
【0018】
電気接続箱1は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して「電気接続箱」と呼ぶ。電気接続箱1は、電子部品を収容する筐体を構成するフレーム2、アッパーカバー3、およびロワカバー4を有する。フレーム2、アッパーカバー3、およびロワカバー4は、合成樹脂によって形成されている。フレーム2は、筒形状のフレーム本体21を有する。フレーム本体21の内部には、フレーム本体21と一体に形成された仕切り壁24によって複数の収容部25が形成されている。各収容部25には、ブロック30が収容される。ブロック30には、コネクタ、ヒューズ、リレー、分岐部、電子制御ユニット等の電子部品が保持される。収容部25に挿入されたブロック30は、ロック機構によってフレーム本体21と係合する。
【0019】
アッパーカバー3は、フレーム本体21の一方の開口部21aを閉塞し、ロワカバー4は、フレーム本体21の他方の開口部21bを閉塞する。電気接続箱1は、アッパーカバー3がフレーム本体21の上側に位置し、ロワカバー4がフレーム本体21の下側に位置する姿勢で車両に搭載される。以下の説明において、上下方向等の各方向は、電気接続箱1が車両に搭載された状態における方向を示す。
【0020】
フレーム本体21に収容された電子部品には、電線Wが接続される。複数の電線Wは、束ねられて開口部41に挿通される。開口部41は、電気接続箱1の内部空間と外部空間とを連通するものであり、本実施形態ではロワカバー4に形成される。つまり、本実施形態の電気接続箱1では、各電子部品に接続された電線Wは、フレーム本体21の下側の開口部21bから開口部41を介して配索されてコネクタ等に接続される。
【0021】
本実施形態のフレーム2は、フレーム本体21に加えて、保持部22およびヒンジ部23を有する。保持部22は、フレーム本体21と一体に形成され、フレーム本体21との間に電線Wを保持する。保持部22は、複数の電線Wをフレーム本体21との間に囲む枠部として機能する。保持部22は、電線Wを開口部21bよりも内側に囲い込むことにより、フレーム本体21にロワカバー4が組み付けられる際にフレーム本体21とロワカバー4との間に電線Wが噛み込まれることを防ぐことができる。
【0022】
保持部22は、可撓性を有するヒンジ部23を介してフレーム本体21と接続されている。フレーム本体21、ヒンジ部23、および保持部22は、一体に形成されている。ヒンジ部23は、板状あるいは膜状に形成された構成部である。ヒンジ部23は、ヒンジ部23とフレーム本体21との接続部を回転中心として保持部22が回転するように変形することができる。
【0023】
図1および
図2に示すように、ヒンジ部23は、フレーム本体21の第一側壁部21cに接続されている。フレーム本体21は、第一側壁部21c、および第一側壁部21cと対向する第二側壁部21dを有する。ヒンジ部23は、第一側壁部21cの外側面21eから外側面21eと直交する方向に向けて突出している。ヒンジ部23の両側には、隆起部26a,26bが設けられている。隆起部26a,26bは、上下方向に延在している。つまり、ヒンジ部23は、一対の隆起部26a,26bの間の谷部に接続されている。
【0024】
図2に示すように、保持部22は、保持部本体22aと、係合部22kとを有する。保持部本体22aは、断面形状が略矩形の板状もしくは棒状の構成部である。係合部22kは、後述するように、第二側壁部21d側に設けられた本体側係合部21k(
図4参照)と係合する。保持部22は、係合部22kがフレーム本体21側と係合することでフレーム本体21に対して固定される。以下の説明では、保持部22について、係合部22kがフレーム本体21側と係合した状態を「係合状態」と称する。
図2において、一点鎖線は、係合状態の保持部22を示す。保持部22は、実線で示す位置から、破線で示す回転位置を経由して係合状態の位置まで回転する。係合状態の保持部22は、フレーム本体21との間に電線Wを保持する。係合状態の保持部22は、電線Wの可動範囲を規制する枠となる。
【0025】
図3に示すように、保持部本体22aは、基端部22b、中間部22c、および先端部22dを有する。基端部22bは、第一基端部22eおよび第二基端部22fを有する。第一基端部22eは、ヒンジ部23を介してフレーム本体21と接続されている。第二基端部22fは、第一基端部22eと中間部22cとを接続している。第二基端部22fおよび中間部22cの幅W2は、第一基端部22eの幅W1よりも広い。また、第二基端部22fの厚さt2は、第一基端部22eの厚さt1よりも厚い。第二基端部22fには、厚さ方向に貫通する貫通孔22gが設けられており、軽量化が図られている。
【0026】
中間部22cの一端は第二基端部22fとつながっており、他端は先端部22dとつながっている。基端部22bおよび先端部22dは、それぞれ中間部22cと直交している。基端部22bおよび先端部22dは、中間部22cに対して同一方向に向けて直角に屈曲しており、中間部22cの長手方向において互いに対向している。ヒンジ部23が湾曲していない状態において、基端部22bおよび先端部22dはヒンジ部23と平行であり、中間部22cはヒンジ部23と直交している。
図4に示すように、中間部22cの内側面22hには、長手方向に沿って溝22jが形成されている。
【0027】
係合部22kは、先端部22dの先端に配置されている。係合部22kは、先端部22dの内側面22mから基端部22b側に向けて突出している爪部である。
図3に示すように、基端部22bには、被支持部22nが設けられている。被支持部22nは、第一基端部22eにおけるヒンジ部23側の端部から先端部22d側に向けて突出している。
図4に示すように、第一側壁部21cには、貫通孔21fが形成されている。貫通孔21fは、第一側壁部21cを貫通しており、被支持部22nを挿入可能な幅および高さを有する。保持部22が係合状態の位置に向けて回転すると、被支持部22nが貫通孔21fに挿入される。第一側壁部21cの内側面21gには、支持枠部21hが設けられている。支持枠部21hは、内側面21gから隆起した略U字形状の枠部である。支持枠部21hは、貫通孔21fに挿入された被支持部22nを下側から支持する支持面21jを有する。被支持部22nは、少なくとも係合部22kがフレーム本体21側に係合した状態で支持面21jによって支持される。言い換えると、被支持部22nは、
図2に実線で示す位置から一点鎖線で示す位置(係合状態の位置)までの回転範囲において、係合状態の位置から所定の範囲では支持面21jによって支持される。
【0028】
図4に示すように、第二側壁部21d側には、保持部22の係合部22kに対応する本体側係合部21kが設けられている。第二側壁部21dの下端部には、切り欠き部21mが形成されている。切り欠き部21mの幅W3は、少なくとも保持部22の先端部22dが進入可能な大きさである。切り欠き部21mは、第二側壁部21dの下端から上側に向けて所定の深さで形成されている。フレーム本体21は、内側壁部21nを有する。内側壁部21nは、第二側壁部21dよりもフレーム本体21の内側に位置しており、かつ第二側壁部21dと平行な壁面である。本体側係合部21kは、内側壁部21nに設けられている。本体側係合部21kは、内側壁部21nから外側(第二側壁部21d側)に向けて突出した爪部であり、保持部22の係合部22kと係合する。
【0029】
図5は、第1実施形態に係る保持部の係合状態を示す斜視図、
図6は、第1実施形態に係る保持部の係合状態を示す平面図、
図7は、
図6のVII−VII断面図であり、第1実施形態に係る保持部の係合状態を示している。
図5および
図7に示すように、保持部22が係合状態となっている場合、支持面21jは、上下方向において被支持部22nと対向している。従って、仮にヒンジ部23が破断して基端部22bがフレーム本体21から切り離されたとしても、被支持部22nが支持面21jによって支持される。これにより、保持部22は、ヒンジ部23が破断していない場合と同様にフレーム本体21との間に電線Wを保持することができる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係る電気接続箱1は、電子部品を内部に収容するフレーム本体21と、保持部22とを有する。保持部22は、可撓性を有するヒンジ部23を介してフレーム本体21と接続されている。また、保持部22は、フレーム本体21と係合する係合部22kを有し、係合部22kがフレーム本体21側と係合してフレーム本体21との間に電線Wを保持する。更に、フレーム本体21、ヒンジ部23、および保持部22が一体に形成されている。本実施形態の電気接続箱1では、別部品として保持部22を設定する必要がないため、コスト削減が可能となる。このように、本実施形態の電気接続箱1は、部品点数の増加を抑制することと、電線Wとロワカバー4との干渉を抑制することとの両立を可能とする。
【0031】
また、本実施形態に係る保持部22は、電線Wを保持する保持部本体22aを有する。保持部本体22aの一端側である基端部22bがヒンジ部23と接続され、係合部22kは、保持部本体22aの他端側である先端部22dに配置されている。保持部22は、更に、被支持部22nを有する。被支持部22nは、保持部本体22aのヒンジ部23側、本実施形態では基端部22bに配置されている。被支持部22nは、少なくとも係合部22kがフレーム本体21側に係合した状態でフレーム本体21によって支持される。つまり、被支持部22nは、係合部22kがフレーム本体21側に係合すると、フレーム本体21によって支持可能な状態となる。本実施形態では、係合部22kがフレーム本体21側の本体側係合部21kに係合すると、フレーム本体21の支持面21jが下側から被支持部22nに対向し、被支持部22nを支持可能となる。よって、本実施形態の保持部22は、ヒンジ部23が破断したとしても電線Wを保持し続けることができる。
【0032】
[第2実施形態]
図8乃至
図11を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図8は、第2実施形態に係るフレーム本体の平面図、
図9は、第2実施形態の保持部を示す要部平面図、
図10は、ブロックによる抜け止め機能を説明する斜視図、
図11は、ブロックの挿入過程を示す斜視図である。第2実施形態の電気接続箱1では、フレーム本体21に収容されたブロック30によって、被支持部22nの抜け止めがなされる。
【0033】
図8に示すように、ヒンジ部23は、仕切り壁24に接続されている。仕切り壁24は、第一側壁部21cと第二側壁部21dとの間を2つの収容部25a,25bに仕切っている。仕切り壁24と第一側壁部21cとの間の収容部25a、および仕切り壁24と第二側壁部21dとの間の収容部25bには、それぞれブロック30が収容される。
【0034】
図9に示すように、仕切り壁24には、第二側壁部21dに向けて凹んだ溝24aが設けられている。溝24aは、上下方向に沿って延在している。ヒンジ部23は、溝24aの底面24bに接続されている。ヒンジ部23は、底面24bから第二側壁部21dと逆方向に向けて突出している。保持部22は、ヒンジ部23における底面24bとは反対側の端部に接続されている。上記実施形態と同様に、第二側壁部21dの内側には、本体側係合部21kが設けられている。
【0035】
図10に示すように、保持部22が係合状態となると、ヒンジ部23は溝24aの内部に収容される。保持部22が係合状態となった後に、ブロック30が収容部25aに挿入されて保持される。ヒンジ部23が溝24aに収容されていることで、収容部25aに挿入されるブロック30とヒンジ部23との干渉が抑制される。
【0036】
収容部25aに収容されたブロック30は、第一基端部22eを間に挟んでフレーム本体21と対向する。収容部25a内のブロック30は、第一基端部22eの外側面22rに隣接し、外側面22rと対向する。外側面22rは、第一基端部22eにおける被支持部22nが形成された側と反対側の面である。ブロック30と外側面22rとの隙間の大きさは、被支持部22nが支持面21jによって支持可能な状態を維持できるように定められている。言い換えると、ブロック30は、収容部25a側へ向かう被支持部22nおよび第一基端部22eの移動を規制し、被支持部22nがフレーム本体21から離脱してしまうこと(被支持部22nの先端が支持面21jよりも収容部25a側まで移動してしまうこと)を規制する。第一基端部22eが収容部25aに向けて移動する場合に、被支持部22nが支持面21jよりも収容部25a側まで移動する前に、第一基端部22eがブロック30に当接して、それ以上の移動が規制される。
【0037】
従って、例えば、外力の作用によって中間部22cが撓み、基端部22bと先端部22dとが離間しようとした場合に、基端部22bの移動がブロック30によって規制される。また、仮にヒンジ部23が破断したとしても、基端部22bの移動がブロック30によって規制され、被支持部22nがフレーム本体21によって支持される。
【0038】
また、収容部25aに収容されたブロック30は、ヒンジ部23を挟んでフレーム本体21と対向する。言い換えると、ブロック30は、溝24aを閉塞して溝24aと共にヒンジ部23を囲む。これにより、ブロック30は、ヒンジ部23を外力から保護してヒンジ部23の破損を抑制する。
【0039】
また、ヒンジ部23は、ブロック30の挿入方向において、基端部22bよりも奥側に位置している。より詳しくは、ヒンジ部23は、第一基端部22eの端面22pに接続されている。端面22pは、保持部22が係合状態である場合に、ブロック30の挿入方向における奥側を向く。これにより、
図11に矢印Y1で示すようにブロック30が収容部25aに挿入される際に、ヒンジ部23が第一基端部22eよりも挿入方向の奥側に位置し、第一基端部22eによってガードされる。第一基端部22eの外側面22rは、挿入されるブロック30を案内するガイド面として機能し、ブロック30が溝24aに入り込むことを規制する。係合状態の保持部22において、外側面22rは、仕切り壁24の壁面と連続した平面をなす。これにより、外側面22rは、ブロック30の傾きを抑制しつつブロック30を収容部25aの奥側に向けて案内することができる。第一基端部22eは、ブロック30がヒンジ部23に引っかかってしまうことや、ブロック30がフレーム本体21との間にヒンジ部23を噛み込んでしまうことなどを抑制し、ヒンジ部23を保護する。
【0040】
また、ヒンジ部23が第一基端部22eの端面22pに接続されることで、フレーム本体21に対する引っ掛け形状(被支持部22n)とヒンジ部23とがブロック30の挿入方向において重ならないようにされている。よって、ヒンジ部23や被支持部22nが収容部25a,25bに張り出すことが抑制され、省スペース化が可能となっている。
【0041】
第2実施形態の電気接続箱1では、仕切り壁24に保持部22が接続される。これにより、フレーム本体21の外形内で保持部22を一体で成形することができる。よって、保持部22の追加に際して型サイズを変更する必要がなく、コスト増加が抑制される。
【0042】
このように、本実施形態に係る電気接続箱1のフレーム本体21は、電子部品のブロック30を収容する収容部25を形成する仕切り壁24を内部に有している。ヒンジ部23は、仕切り壁24と保持部本体22aとを接続している。収容部25に収容されたブロック30は、係合部22kがフレーム本体21側に係合した状態において、保持部本体22aにおける被支持部22nが形成された部分である基端部22bを間に挟んでフレーム本体21と対向する。ブロック30は、基端部22bを間に挟んでフレーム本体21と対向することで、被支持部22nがフレーム本体21から離脱すること、言い換えるとフレーム本体21が被支持部22nを支持できなくなることを規制する。
【0043】
また、ヒンジ部23は、仕切り壁24と、保持部本体22aにおけるブロック30の挿入方向の奥側を向く面である端面22pとを接続している。端面22pは、保持部22が係合状態であるときに挿入方向の奥側を向く。ヒンジ部23は、端面22pに対して直交する方向からつながっている。ヒンジ部23が端面22pに接続されていることで、ブロック30とヒンジ部23との干渉が抑制される。
【0044】
[上記各実施形態の第1変形例]
上記第1実施形態および第2実施形態の第1変形例について説明する。
図12は、第1変形例に係る電気接続箱の要部側面図、
図13は、第1変形例に係る電気接続箱の要部斜視図である。第1変形例の保持部22において、上記第1実施形態および第2実施形態の保持部22と異なる点は、電線Wの噛み込みを抑制するガイド部22qを有する点である。
【0045】
図12および
図13に示すように、第1変形例に係る保持部22は、ガイド部22qを有する。ガイド部22qは、保持部本体22aから保持部本体22aの回転中心C1側に向けて突出している。ここで、回転中心C1とは、ヒンジ部23によって支持されて回転する保持部本体22aの回転運動の中心軸線であり、典型的には
図12に示すようにヒンジ部23とフレーム本体21との接続部である。つまり、ガイド部22qは、保持部本体22aからヒンジ部23とフレーム本体21との接続部側に向けて突出している。ガイド部22qの基端側は中間部22cにつながっている。ガイド部22qは、ヒンジ部23が湾曲していない状態(
図12に実線で示す状態)において、中間部22cから第一側壁部21cの端部に向けて突出している。ガイド部22qの先端と第一側壁部21cとの間には、所定の隙間が設けられている。この所定の隙間の大きさは、保持部22が回転する際にガイド部22qと第一側壁部21cとが干渉しない最低限の大きさであることが好ましい。
【0046】
ガイド部22qは、保持部22が係合状態の位置に向けて回転する際に、電線Wを所定の領域R1へ案内する。所定の領域R1は、第一側壁部21cよりもヒンジ部23側とは反対側の領域である。例えば、
図12に示すように、電線Wが第一側壁部21cよりもヒンジ部23側の領域にはみ出しているとする。ガイド部22qが存在しない場合、この電線Wが基端部22bと第一側壁部21cとの間や、中間部22cと第一側壁部21cとの間に噛み込まれてしまう可能性がある。第1変形例の保持部22は、ガイド部22qによってこの電線Wを所定の領域R1へ導く。保持部22が係合状態の位置に向けて回転すると、
図12に破線で示すように、ガイド部22qが電線Wを保持して回転する。ガイド部22qは、回転に伴い、第一側壁部21cよりもヒンジ部23側の領域から、第一側壁部21cよりもヒンジ部23側と反対側の所定の領域R1へと移動する。これにより、ガイド部22qは電線Wを所定の領域R1へ移動させ、電線Wの噛み込みを抑制する。
【0047】
[上記各実施形態の第2変形例]
上記第1実施形態および第2実施形態の第2変形例について説明する。
図14は、第2変形例に係る保持部を示す側面図、
図15は、第2変形例に係る保持部を示す平面図、
図16は、第2変形例に係る保持部の係合状態を示す側面図である。第2変形例の保持部122において、上記第1実施形態および第2実施形態の保持部22と異なる点は、例えば、ヒンジ部23をガードするガード部122dを有する点である。
【0048】
図14および
図15に示すように、保持部122は、可撓性を有するヒンジ部23を介して仕切り壁24に接続されている。保持部122の保持部本体122aは、基端部122bおよび中間部122cを有する。なお、中間部122cにおける基端部122b側と反対側の端部には、上記各実施形態の先端部22dと同様の先端部、および係合部22kと同様の係合部が設けられている。ヒンジ部23の一端は仕切り壁24に接続され、他端は基端部122bの端部の中央部に接続されている。第2変形例のヒンジ部23は、基端部122bに対して直交する方向から接続されている。ヒンジ部23が湾曲していない状態において、中間部122cは、ヒンジ部23と平行である。
【0049】
中間部122cには、一対のガード部122dが設けられている。ガード部122dは、ヒンジ部23を挟んで中間部122cの幅方向の両側に配置されている。ガード部122dは、中間部122cの端面から中間部122cの長手方向に沿って突出している。
図16に示すように、保持部122が係合状態である場合、ヒンジ部23は、一端側と他端側とが対向するように180度折れ曲がった状態となる。ガード部122dは、仕切り壁24の延長線上の位置からヒンジ部23側に向けて突出した状態となる。ガード部122dは、ブロック30の挿入方向においてヒンジ部23よりも入口側に位置し、ブロック30とヒンジ部23との干渉を抑制する。
【0050】
なお、第2変形例の保持部122は、上記各実施形態の被支持部22nと同様の被支持部を有していてもよい。ヒンジ部23は、仕切り壁24に代えて第一側壁部21c等に接続されてもよい。
【0051】
[上記各実施形態の第3変形例]
上記第1実施形態および第2実施形態の第3変形例について説明する。
図17は、第3変形例に係る保持部を示す側面図、
図18は、第3変形例に係る保持部を示す平面図、
図19は、第3変形例に係る保持部の係合状態を示す側面図である。第3変形例において、上記第1実施形態および第2実施形態と異なる点は、例えば、フレーム本体21側にガード部が設けられている点である。
【0052】
図17および
図18に示すように、保持部222は、可撓性を有するヒンジ部23を介して仕切り壁24に接続されている。保持部222の保持部本体222aは、基端部222bおよび中間部222cを有する。なお、中間部222cにおける基端部222b側と反対側の端部には、上記各実施形態の先端部22dと同様の先端部、および係合部22kと同様の係合部が設けられている。ヒンジ部23の一端は仕切り壁24に接続され、他端は基端部222bの端部の中央部に接続されている。第3変形例のヒンジ部23は、基端部222bに対して直交する方向から接続されている。ヒンジ部23が湾曲していない状態において、中間部222cは、ヒンジ部23と平行である。
【0053】
仕切り壁24には、一対のガード部24cが設けられている。ガード部24cは、ヒンジ部23を挟んでヒンジ部23の幅方向の両側に配置されている。ガード部24cは、仕切り壁24の壁面からヒンジ部23の突出方向と同じ方向に向けて突出している。ガード部24cは、ブロック30の挿入方向においてヒンジ部23よりも入口側に配置されている。ガード部24cは、仕切り壁24における入口側の端部に配置されることが好ましい。
【0054】
図19に示すように、保持部122が係合状態である場合、ヒンジ部23は、一端側と他端側とが対向するように180度折れ曲がった状態となる。ガード部24cは、ヒンジ部23よりも突出しており、ブロック30とヒンジ部23との干渉を抑制する。
【0055】
なお、第3変形例の保持部222は、上記各実施形態の被支持部22nと同様の被支持部を有していてもよい。ヒンジ部23は、仕切り壁24に代えて第一側壁部21c等に接続されてもよい。
【0056】
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。