特許第6585440号(P6585440)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585440
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】基板側面ホーンアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/29 20060101AFI20190919BHJP
   H01Q 13/02 20060101ALI20190919BHJP
   G01S 3/48 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   H01Q21/29
   H01Q13/02
   G01S3/48
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-181228(P2015-181228)
(22)【出願日】2015年9月14日
(65)【公開番号】特開2017-59907(P2017-59907A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】菅野 真行
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−036340(JP,A)
【文献】 米国特許第03116485(US,A)
【文献】 特開2012−175624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/02
G01S 3/48
H01Q 13/02− 13/06
H01Q 21/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板内部において基板平面と平行方向に2本の導波路の導波部を形成され、基板側面において前記2本の導波路の開口部を形成される誘電体基板と、2個の受信ホーン構造を形成され、前記2本の導波路の開口部と前記2個の受信ホーン構造の接続部が接続されるように、前記誘電体基板に接続される金属部材と、を備え、
前記誘電体基板の厚さ方向と平行方向について、前記2個の受信ホーン構造の開口部が、互いに離れるように配置され、前記各々の受信ホーン構造の開き方向が、前記各々の受信ホーン構造の開口部の離れ方向と同一方向に設定され、前記2個の受信ホーン構造での受信信号の位相差により、前記誘電体基板の厚さ方向と平行方向の目標物測角が可能であり、
前記誘電体基板の厚さ方向と垂直方向について、前記2個の受信ホーン構造の開口部が、互いに離れるように配置され、前記2個の受信ホーン構造での受信信号の位相差により、前記誘電体基板の厚さ方向と垂直方向の目標物測角が可能であることを特徴とする基板側面ホーンアンテナ。
【請求項2】
前記2本の導波路の導波部及び開口部は、前記誘電体基板の厚さ方向の同一位置に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の基板側面ホーンアンテナ。
【請求項3】
前記誘電体基板は、基板内部において基板平面と平行方向に別個の導波路の導波部を形成され、基板側面において前記別個の導波路の開口部を形成され、
前記金属部材は、送信ホーン構造を形成され、前記別個の導波路の開口部と前記送信ホーン構造の接続部が接続されるように、前記誘電体基板に接続され、
前記2本及び別個の導波路の導波部及び開口部は、前記誘電体基板の厚さ方向の同一位置に形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の基板側面ホーンアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広角に目標物の存在及び方位を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
広角に目標物の存在を検知する技術が、特許文献1〜3に開示されている。特許文献1では、基板平面に形成される平面アンテナを用いて、正面方向の目標物の存在を検知し、基板側面に形成される電磁波反射面を用いて、側面方向の目標物の存在を検知する。特許文献2では、基板平面に形成される平面アンテナを用いて、正面方向の目標物の存在を検知し、基板側面の近傍の基板平面の端部に形成されるアンテナパターンを用いて、側面方向の目標物の存在を検知する。特許文献3では、基板平面に形成される平面アンテナを用いて、正面方向の目標物の存在を検知し、基板側面の近傍の基板平面の端部に形成されるダイポールアンテナを用いて、側面方向の目標物の存在を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−049691号公報
【特許文献2】特許5464152号公報
【特許文献3】特許5609772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1、3では、広角に目標物の存在を検知することは、考慮されているが、広角に目標物の方位を検知することは、考慮されていない。もっとも、特許文献2では、基板正面の方向の広角に目標物の存在を検知することが、考慮されているし、基板正面の方向の広角に目標物の方位を検知することも、考慮されている。それでも、特許文献2では、空間的に離れたアンテナを基板側面にどのように形成すれば、基板側面の方向の広角に目標物の存在を検知するのみならず、基板側面の方向の広角に目標物の方位を検知するうえに、広角方位検知システムの小型化、製造容易化及び低コスト化を図ることができるのか、窺い知ることはできなかった。
【0005】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、空間的に離れたアンテナを基板側面に形成する方法を工夫して、基板側面の方向の広角に目標物の存在を検知するのみならず、基板側面の方向の広角に目標物の方位を検知するうえに、広角方位検知システムの小型化、製造容易化及び低コスト化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、2個のホーンアンテナを用いて、モノパルス測角方式を採用するとともに、アンテナ指向性を容易に調整可能とする。ここで、広角方位検知システムの小型化、製造容易化及び低コスト化を図るためには、各々のホーン構造に接続される各々の導波路を、誘電体基板の厚さ方向のなるべく同一位置に形成することが望ましい。
【0007】
しかし、誘電体基板の厚さ方向と平行方向について、2個のホーン構造の開き方向を同一方向とすれば、2個のホーンアンテナの間隔を実効的に0とするため、モノパルス測角方式を採用することができない。そこで、誘電体基板の厚さ方向と平行方向について、2個のホーン構造の開き方向を異なる方向とすれば、2個のホーンアンテナの間隔を実効的に有限値とするため、モノパルス測角方式を採用することができる。
【0008】
具体的には、本発明は、基板内部において基板平面と平行方向に2本の導波路の導波部を形成され、基板側面において前記2本の導波路の開口部を形成される誘電体基板と、2個の受信ホーン構造を形成され、前記2本の導波路の開口部と前記2個の受信ホーン構造の接続部が接続されるように、前記誘電体基板に接続される金属部材と、を備え、前記誘電体基板の厚さ方向と平行方向について、前記2個の受信ホーン構造の開口部が、互いに離れるように配置され、前記各々の受信ホーン構造の開き方向が、前記各々の受信ホーン構造の開口部の離れ方向と同一方向に設定され、前記2個の受信ホーン構造により、前記誘電体基板の厚さ方向と平行方向の目標物測角が可能であり、前記誘電体基板の厚さ方向と垂直方向について、前記2個の受信ホーン構造の開口部が、互いに離れるように配置され、前記2個の受信ホーン構造により、前記誘電体基板の厚さ方向と垂直方向の目標物測角が可能であることを特徴とする基板側面ホーンアンテナである。
【0009】
この構成によれば、各々のホーン構造に接続される各々の導波路の導波部を、誘電体基板の厚さ方向のなるべく同一位置に形成することができる。よって、基板側面にホーンアンテナを形成するのみならず、基板平面に平面アンテナを形成することにより、広角に目標物の存在を検知する他、広角に目標物の方位を検知するうえに、広角方位検知システムの小型化、製造容易化及び低コスト化を図ることができる。
【0010】
また、本発明は、前記2本の導波路の導波部及び開口部は、前記誘電体基板の厚さ方向の同一位置に形成されることを特徴とする基板側面ホーンアンテナである。
【0011】
この構成によれば、各々のホーン構造に接続される各々の導波路の導波部を、誘電体基板の厚さ方向の同一位置に形成することができる。よって、基板側面にホーンアンテナを形成するのみならず、基板平面に平面アンテナを形成することにより、広角に目標物の存在を検知するのみならず、広角に目標物の方位を検知するうえに、広角方位検知システムのさらなる小型化、製造容易化及び低コスト化を図ることができる。
【0012】
また、本発明は、前記誘電体基板は、基板内部において基板平面と平行方向に別個の導波路の導波部を形成され、基板側面において前記別個の導波路の開口部を形成され、前記金属部材は、送信ホーン構造を形成され、前記別個の導波路の開口部と前記送信ホーン構造の接続部が接続されるように、前記誘電体基板に接続され、前記2本及び別個の導波路の導波部及び開口部は、前記誘電体基板の厚さ方向の同一位置に形成されることを特徴とする基板側面ホーンアンテナである。
【0013】
この構成によれば、基板側面に送受信ホーンアンテナを形成するにあたり、広角方位検知システムのさらなる小型化、製造容易化及び低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明は、空間的に離れたアンテナを基板側面に形成する方法を工夫して、基板側面の方向の広角に目標物の存在を検知するのみならず、基板側面の方向の広角に目標物の方位を検知するうえに、広角方位検知システムの小型化、製造容易化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の広角方位検知システムの構成を示す図である。
図2】本発明のモノパルス測角方式の原理を示す図である。
図3】本発明の基板側面のホーンアンテナの形状及び位置を示す図である。
図4】本発明の基板側面のホーンアンテナの形状及び位置を示す図である。
図5】本発明の基板側面のホーンアンテナの水平方向測角可能性を示す図である。
図6】本発明の基板側面のホーンアンテナの水平/垂直方向指向性を示す図である。
図7】本発明の基板平面のアレーアンテナの構成を示す図である。
図8】本発明の基板平面の平面アンテナの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0017】
(広角方位検知システムの構成)
本発明の広角方位検知システムの構成を図1に示す。本発明の広角方位検知システムSは、誘電体基板1及び金属部材2から構成される。誘電体基板1は、基板内部において基板平面と平行方向に導波路11、12、13の導波部(図3を参照。)が形成され、基板側面において導波路11、12、13の開口部(図3を参照。)が形成され、基板平面において基板平面アンテナ14が形成される。金属部材2は、ホーン構造21、22、23が形成され、導波路11、12、13の開口部(図3を参照。)とホーン構造21、22、23の接続部がそれぞれ接続されるように、誘電体基板1に接続される。
【0018】
ホーン構造21、22は、受信用のものであり、ホーン構造23は、送信用のものである。ホーン構造21、22、23の詳細については、図2から図6を用いて説明する。基板平面アンテナ14は、受信用のもの及び送信用のものを、様々な監視方式に応じて、高い自由度で配置する。基板平面アンテナ14については、図7及び図8を用いて説明する。以下の説明では、誘電体基板1の厚さ方向と平行方向を「水平方向」と定義し、誘電体基板1の厚さ方向と垂直方向を「垂直方向」と定義する。
【0019】
(基板側面のホーンアンテナの構成)
本発明のモノパルス測角方式の原理を図2に示す。モノパルス測角方式では、空間的に距離dだけ離れたアンテナを用いて、受信信号の位相差2π(dsinθ/λ)(λは、電磁波の真空波長。)を測定して、反射波の到来角θを測定する。
【0020】
本発明の基板側面のホーンアンテナの形状及び位置を図3及び図4に示す。基板側面のホーンアンテナの形状及び位置について、最も望ましい実施形態を、図3を用いて説明する。基板側面のホーンアンテナの形状及び位置について、最も望ましい実施形態として、図3の実施形態を選択する理由を、図4を用いて説明する。
【0021】
まず、図3について説明する。導波路11、12、13の導波部及び開口部は、水平方向の同一位置に形成される。導波路11、12、13のうち、基板平面に平行方向の広壁面は、例えば、導体箔を用いて形成され、基板平面に垂直方向の狭壁面は、例えば、金属柱を用いて形成される。導波路11、12、13の開口部を導波路11、12、13の広壁面の方向に狭める金属柱は、インピーダンス整合器として機能し、導波路11、12、13の開口部を導波路11、12、13の広壁面の方向に拡げる金属柱は、反射器として機能する。導波路11、12、13の形成方法は、例えば、特開2011−109438号公報及び特許第5669043号公報に開示されている。
【0022】
ホーン構造21、22の開口部は、水平方向に互いに離れるように配置される。図3では、ホーン構造21の開口部は、導波路11の開口部を基準として、紙面右方向にずれて、ホーン構造22の開口部は、導波路12の開口部を基準として、紙面左方向にずれる。ホーン構造21、22の開き方向の水平成分は、ホーン構造21、22の開口部の上述した離れ方向と同一方向に設定される。図3では、ホーン構造21の開き方向の水平成分は、導波路11の導波方向を基準として、紙面右方向にずれて、ホーン構造22の開き方向の水平成分は、導波路12の導波方向を基準として、紙面左方向にずれる。ホーン構造21、22により、水平方向の目標物測角が可能である。
【0023】
ホーン構造21、22の開口部は、垂直方向に互いに離れるように配置される。図3では、ホーン構造21の開口部は、導波路11の開口部の位置に従い、紙面上方向に位置して、ホーン構造22の開口部は、導波路12の開口部の位置に従い、紙面下方向に位置する。ホーン構造21、22により、垂直方向の目標物測角が可能である。
【0024】
次に、図4について説明する。本発明では、2個のホーン構造21、22を用いて、モノパルス測角方式を採用するとともに、アンテナ指向性を容易に調整可能とする。ここで、広角方位検知システムSの小型化、製造容易化及び低コスト化を図るためには、各々のホーン構造21、22に接続される各々の導波路11、12を、誘電体基板1の厚さ方向のなるべく同一位置に形成することが望ましい(図4の左上欄を参照。)。
【0025】
しかし、図4の左上欄に示すように、ホーン構造21、22の開き方向の水平成分を同一方向とすれば、ホーン構造21、22の水平方向の実効的な間隔dを0とするため、水平方向のモノパルス測角方式を採用することができず、広角方位検知システムSの小型化、製造容易化及び低コスト化以前の問題である。そして、図4の右上欄に示すように、導波路11、12を誘電体基板1の厚さ方向の大きく異なる位置(誘電体基板1の厚さ方向の隔離距離h)に形成すれば、ホーン構造21、22の水平方向の実効的な間隔dを有限値とするため、水平方向のモノパルス測角方式を採用することができるが、広角方位検知システムSの小型化、製造容易化及び低コスト化を図ることができない。
【0026】
そこで、図4の左下欄に示すように、ホーン構造21、22の開き方向の水平成分を異なる方向とすれば、導波路11、12を誘電体基板1の厚さ方向のあまり異ならない位置(誘電体基板1の厚さ方向の隔離距離h’(<h))に形成しても、ホーン構造21、22の水平方向の実効的な間隔dを図4の右上欄とほぼ同程度の有限値とする。よって、水平方向のモノパルス測角方式を採用することができるうえに、広角方位検知システムSの小型化、製造容易化及び低コスト化を図ることができる。
【0027】
そして、図4の右下欄に示すように、ホーン構造21、22の開き方向の水平成分を異なる方向とすれば、導波路11、12を誘電体基板1の厚さ方向の同一位置に形成しても、ホーン構造21、22の水平方向の実効的な間隔dを図4の左下欄ほどではないが有限値とする。よって、水平方向のモノパルス測角方式を採用することができるうえに、広角方位検知システムSのさらなる小型化、製造容易化及び低コスト化を図ることができる。
【0028】
本発明の基板側面のホーンアンテナ(図3を参照。)の水平方向測角可能性を図5に示す。反射波の到来角が、−45°より大きくかつ+45°より小さいときには、受信信号の位相差は、反射波の到来角に応じて単調に変化するため、水平方向の測角が可能である。反射波の到来角が、−45°より小さい又は+45°より大きいときには、受信信号の位相差は、反射波の到来角に関わらずほぼ変化しないため、水平方向の測角が不能である。これは、ホーン構造21、22の水平方向の開き角度が、有限であるためである。
【0029】
本発明の基板側面のホーンアンテナ(図3を参照。)の水平/垂直方向指向性を図6に示す。ホーン構造21からなるホーンアンテナの水平方向指向性は、基板側面と垂直方向から水平方向に負の方向(ほぼ−15°)に利得が若干偏っている。ホーン構造22からなるホーンアンテナの水平方向指向性は、基板側面と垂直方向から水平方向に正の方向(ほぼ+15°)に利得が若干偏っている。これは、ホーン構造21、22の開き方向の水平成分が、基板側面と垂直方向からずれているためである。なお、ホーン構造21、22からなるホーンアンテナの垂直方向指向性は、ほぼ同程度に良好な利得が得られている。
【0030】
ホーン構造21、22の水平方向の開き角度が大きければ、ホーン構造21、22の水平方向の実効的な間隔dが広くなり、ホーン構造21、22の位相中心ずれが大きくなり、水平方向の測角範囲が狭くなり、水平方向指向性の利得の偏りが大きくなる。ホーン構造21、22の水平方向の開き角度が小さければ、ホーン構造21、22の水平方向の実効的な間隔dが狭くなり、ホーン構造21、22の位相中心ずれが小さくなり、水平方向の測角範囲が広くなり、水平方向指向性の利得の偏りが小さくなる。
【0031】
もっとも、ホーン構造21、22の水平方向の開き角度が小さくなり過ぎれば、ホーン構造21、22の水平方向の実効的な間隔dも小さくなり過ぎるため、モノパルス測角方式を採用することができない。そして、ホーン構造21、22の水平方向の開き角度は、監視範囲や監視精度に応じて、高い自由度で設定することができる。
【0032】
(基板平面のアレー/平面アンテナの構成)
本発明の基板平面のアレーアンテナの構成を図7に示す。本発明のアレーアンテナ3では、アンテナ素子31が直線状に配置され、単一の誘電体基板1、単一の地板導体(不図示)及び単一の誘電体層(不図示かつ後述)が、直線状に配置される複数のアンテナ素子31により共有される。図7で説明するアレーアンテナ3は、中央給電進行波型アレーアンテナである。アレーアンテナ3の水平方向を、アレーアンテナ3の延伸方向に垂直な方向と定義する。アレーアンテナ3の垂直方向を、アレーアンテナ3の延伸方向に平行な方向と定義する。アレーアンテナ3の垂直方向は、基板側面の垂直方向と一致する。
【0033】
本発明の基板平面の平面アンテナの構成を図8に示す。本発明の平面アンテナ4では、アンテナ素子31が格子状に配置され、単一の誘電体基板1、単一の地板導体(不図示)及び単一の誘電体層(不図示かつ後述)が、格子状に配置される複数のアンテナ素子31により共有される。図8で説明する平面アンテナ4は、中央給電進行波型平面アンテナである。平面アンテナ4の水平方向を、アレーアンテナ3の延伸方向に垂直な方向と定義する。平面アンテナ4の垂直方向を、アレーアンテナ3の延伸方向に平行な方向と定義する。アレーアンテナ3の垂直方向は、基板側面の垂直方向と一致する。
【0034】
共振波型アレーアンテナは、狭帯域特性を有する一方で、進行波型アレーアンテナは、広帯域特性を有するため、広帯域用途では、進行波型アレーアンテナが利用されている。本出願の発明者は、進行波型アレーアンテナについて、以下に示す課題を突き止めた。
【0035】
つまり、進行波型アレーアンテナの全アンテナ素子が同相で励振されるときには、全アンテナ素子から同相で反射が起きるため、この周波数において反射ロスが大きくなり放射効率が低くなる。一方で、進行波型アレーアンテナの各アンテナ素子が異相で励振されるときには、各アンテナ素子から異相で反射が起きるため、正面方向からチルトした方向に放射が起きるものの、広帯域において反射ロスが小さくなり放射効率が高くなる。
【0036】
そして、進行波型アレーアンテナが一端において給電されるときには、動作周波数が変化すると、正面方向に対する放射方向の角度が変化する。一方で、進行波型アレーアンテナが中央において給電されるときには、動作周波数が変化しても、正面方向に対する放射方向の角度が変化しない。そこで、進行波型アレーアンテナを広帯域において利用する際に、アレーの中央において給電することを目標とした。
【0037】
アレーの中央において給電する場合において、アレーの一端において給電する場合と同様に、アレーの垂直方向のサイズ(すなわち、アンテナ素子数)を維持することが必要となる。つまり、アレーの中央において給電する場合において、アレーの一端において給電する場合と比べて、垂直方向の各々のサイズ(すなわち、アンテナ素子数)が半分である二体のアレーを、給電部を挟んで形成することになる。
【0038】
ここで、進行波型アレーアンテナは、給電部に近いアンテナ素子において、給電電力の一部を放射し、給電部から遠いアンテナ素子において、残りの電力の一部を放射し、アレーの終端の抵抗において、残りの電力を散逸する。よって、アレーの中央において給電する場合において、アレーの一端において給電する場合と比べて、放射効率が低くなる。
【0039】
アレーの中央において給電する場合において、アレーの一端において給電する場合と同様に、放射効率を高くするために、各アンテナ素子の放射量を増やすことが考えられる、すなわち、各アンテナ素子の幅を広げることが考えられる。しかし、各アンテナ素子の幅が広がれば、アレーの水平方向の指向性が狭くなる。本出願の発明者は、このことが、監視領域を広げたいレーダ等の用途において、問題になると突き止めた。
【0040】
そこで、図7に示したように、素子表面に誘電体層を形成されるアンテナ素子31を適用する。すると、アンテナ素子導体の周囲の環境での実効誘電率が高くなるため、放射効率を高く維持したうえで、アンテナ素子導体を幅方向に小型化することができる。そして、誘電体層内部への入射角に応じて、誘電体層内部の伝搬距離及び誘電体層による位相遅れが変わるため、アンテナ素子31に水平方向の広角指向性を持たせることができる。
【0041】
そして、図7に示したように、伝送線路32の経路上に、スタブ33を配置することにより、アレーアンテナ3の全アンテナ素子31が同相で励振されるときでも、全アンテナ素子31からの同相での反射が起きにくいため、この周波数において反射ロスが小さくなり放射効率が高くなるとともに、正面方向に放射が起こるようになる。
【0042】
さらに、図7に示したように、伝送線路32の末端部に、終端素子34を配置することにより、アレーアンテナ3は、元々終端抵抗において散逸された電力を、終端素子34において放射するため、放射効率をさらに向上させることができる。
【0043】
なお、図7に示したように、アレーアンテナ3の中央部に、伝送線路/導波管変換部35を配置することにより、アレーアンテナ3は、中央給電を施される。
【0044】
また、図8においては、伝送線路/導波管変換部35は、平面アンテナ4の水平方向に千鳥状に配置されている。ここで、変形例としては、伝送線路/導波管変換部35は、平面アンテナ4の水平方向に直線状に配置されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の基板側面ホーンアンテナは、基板平面アンテナと組み合わせて、広角に目標物の存在を検知するのみならず、広角に目標物の方位を検知するうえに、広角方位検知システムの小型化、製造容易化及び低コスト化を図るにあたり、適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
S:広角方位検知システム
1:誘電体基板
2:金属部材
11、12、13:導波路
14:基板平面アンテナ
21、22、23:ホーン構造
3:アレーアンテナ
31:アンテナ素子
32:伝送線路
33:スタブ
34:終端素子
35:伝送線路/導波管変換部
4:平面アンテナ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8