(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フェーズドアレイ超音波探傷法等による表示画像から検査対象内の各所の状態や欠陥の位置等を正しく把握するには、超音波探傷プローブを検査すべき経路に沿って真っ直ぐ走査することが重要である。作業者が超音波探傷プローブを直接手で持って走査すると、進行方向や超音波の入射方向・角度がぶれやすく、検査対象と超音波探傷プローブとの間の距離もぶれやすい。検査員によって探傷結果にばらつきが生じ、再現性が低下する。特許文献2,3では、支持台を使うことで走査方向のぶれを防止できる。しかし、超音波探傷プローブを検査対象の外面に密着させているために、超音波探傷プローブ及び検査対象が擦傷しやすく、かつ、検査対象の外面に例えば表面粗さ相当の小凸部があっただけで突っ掛かりやすい。通常、検査対象の表面には超音波を検査対象内に伝達させるために液体状(ゲル状を含む)の接触媒質を塗布しておくが、超音波探傷プローブ及び検査対象が密着することで接触媒質が押し出され、超音波の伝達を妨げるため検査データを取得できない場合がある。
また、特許文献2,3の支持台(プローブ保持治具)は、発電プラントのタービンロータの超音波探傷に特化されており、汎用性が低い。
本発明は、かかる事情に鑑み、超音波探傷プローブをぶれないように、かつスムーズに走査でき、更には汎用的に使用可能なプローブ保持治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明は、超音波探傷プローブを保持するプローブ保持治具であって、
直線状に延びる第1保持板と、
前記第1保持板と対向して平行に延び、前記第1保持板との間に前記超音波探傷プローブを挟み付ける第2保持板と、
前記第1、第2保持板の対向方向へ延びて、前記第1、第2保持板どうしを前記対向方向へ接近離間可能に連結する連結部材と、
回転軸線を前記第1、第2保持板の延び方向又は前記対向方向へ向けて、前記第1保持板及び第2保持板にそれぞれ設けられた車輪と、
前記車輪又は前記第1、第2保持板に設けられた磁石と、
前記連結部材に、前記第2保持板に対して接近離間可能に設けられ、前記第1保持板が前記第2保持板から遠ざかる側へ移動するのを規制する規制部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
このプローブ保持治具によれば、第1、第2保持板どうしの間に超音波探傷プローブを配置し、かつ第1、第2保持板どうしを接近させるように規制部を位置調節することで、超音波探傷プローブを第1、第2保持板間に挟み付けて保持することができる。挟み付ける前に、超音波探傷プローブの保持高さを調節しておくことで、超音波探傷プローブと検査対象の外面との離間距離を適切に設定することができる。更に、検査対象が鋼材等の磁性体である場合には、プローブ保持治具を磁力によって検査対象に吸着させることができる。このプローブ保持治具を、検査対象の外面に沿って走行させることで、超音波探傷プローブをぶれないように真っ直ぐ走査できる。前記離間距離を適切に設定しておくことで、超音波探傷プローブ及び検査対象の外面が擦傷するのを防止でき、かつ超音波探傷プローブをスムーズに走査できる。更には、超音波探傷プローブが検査対象から離れ過ぎないようにすることで、良好な検査データや溶接部断面形状画像を得ることができる。
1つのプローブ保持治具によって、サイズが異なる複数種の超音波探傷プローブに対応できる。かつ、プローブ保持治具は、種々の検査対象に対応可能であり、汎用性を高めることができる。
【0008】
前記連結部材が筒部材に挿通されていることが好ましい。
プローブ保持治具の組立時や超音波探傷プローブの保持操作時に、第1保持板と第2保持板とが磁力によって接近しようとしたときは、筒部材がストッパとなることで、第1、第2保持板どうしがくっ付くのを防止できる。これによって、プローブ保持治具の組立時及び超音波探傷プローブの挟み付け時の作業性を確保できる。
【0009】
前記連結部材が、前記第1保持板を貫通して前記第2保持板にねじ込まれるネジ部材を含むことが好ましい。
これによって、連結部材を簡易な構造にできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のプローブ保持治具によれば、例えばフェーズドアレイ等の超音波探傷プローブをぶれないように、かつスムーズに走査できる。したがって、例えば溶接部断面形状等を良好に画像化することができる。更には、種々のサイズの超音波探傷プローブに対応でき、汎用性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図7に示すように、本実施形態の検査対象9は、例えばプラントの配管である。検査対象配管9は、鋼鉄等の磁性体金属にて構成されている。検査対象配管9は、溶接によって継ぎ足されている。溶接部9aは、検査対象配管9の周方向(軸線L
9まわり)に沿う閉環状になっている。
なお、
図7において、検査対象配管9の管厚及び溶接部9aの大きさは、誇張されている。
【0013】
本実施形態では、検査対象配管9の溶接部9aをフェーズドアレイ超音波探傷法によって非破壊検査している。フェーズドアレイ超音波探傷装置のプローブ8が溶接部9aの近くに宛がわれる。超音波探傷プローブ8は、プローブ本体8xと、超音波ウェッジ8eとを有している。プローブ本体8xの先端部に超音波ウェッジ8eが設けられている。超音波ウェッジ8eには例えば雌ねじ(図示省略)が設けられており、プローブ本体8xに付属するねじ(図示省略)が前記雌ネジに螺合されることによって、超音波ウェッジ8eがプローブ本体8xに固定されている。詳細な図示は省略するが、超音波ウェッジ8eは、例えばポリスチレン等の樹脂製の本体部、及びゴム製の前面・上板部等の複数の部材によって構成されている。超音波ウェッジ8eは、概略台形断面のブロック状ないしは柱状になっている。超音波ウェッジ8eによって、超音波探傷プローブ8の検査対象配管9に対する角度ひいては超音波8aの照射方向が設定される。図示は省略するが、検査対象配管9の表面上における、超音波探傷プローブ8が走査されるべき領域には、液体状(ゲル状を含む)の接触媒質が塗布されている。接触媒質は、超音波8aを検査対象配管9内に伝達させるためのものであり、例えば水、マシン油、グリセリン等で構成されている。
【0014】
図1に示すように、超音波探傷プローブ8を保持する治具として、プローブ保持治具1が用いられている。プローブ保持治具1は、第1及び第2の保持板10,20と、連結部材30と、車輪40と、筒部材50を備えている。
【0015】
保持板10,20は、それぞれ縦方向(
図1において左右)へ直線状に延びる平板状になっている。保持板10,20の材質は、例えばステンレス(SUS304)等の非磁性体金属である。これら第1保持板10及び第2保持板20が、横方向(
図1において上下)へ互いに間隔を開けて対向するようにして平行に配置されている。
図2(b)に示すように、各保持板10,20の厚み方向が、横方向(保持板10,20どうしの対向方向)へ向けられ、各保持板10,20の幅方向が、縦方向及び横方向と直交する直交方向(
図2において上下)へ向けられている。
図1及び
図2(b)に示すように、これら保持板10,20どうしの間に超音波ウェッジ8eが挟み付けられている。
【0016】
図4(a)に示すように、第1保持板10の外側面(第2保持板20とは反対側を向く面)の両端部には、それぞれ係止凹部13が形成されている。係止凹部13の中央部には、挿通穴11が形成されている。
図5(a)に示すように、挿通穴11は、第1保持板10を厚み方向に貫通して、第1保持板10の内側面(第2保持板20を向く面)に達している。
【0017】
図4(a)に示すように、第1保持板10の長手方向の両側部には、第1脚部14,14(車輪支持部)が一体形成されている。各脚部14は、第1保持板10から前記直交方向の一側(
図4(a)において下方)へ突出されている。各脚部14に第1車軸ネジ穴14bが形成されている。車軸ネジ穴14bは、脚部14を縦方向(
図4(a)において左右)に貫通している。脚部14の内周面には雌ネジが形成されている。
【0018】
第1保持板10の一側部(
図4(a)において左側部)は、同じ側(左側)の脚部14よりも縦方向へ延び出ている。その延出部に1つの係止凹部13が配置されている。かつ、第1保持板10の前記一側部における係止凹部13及び脚部14の間には、逃げ凹部10dが形成されている。
反対側の脚部14は、第1保持板10の他端部(
図4(a)において右端部)に配置されている。
【0019】
図4(b)に示すように、第2保持板20の両端部には、それぞれ連結穴22が形成されている。連結穴22は、第2保持板20を厚み方向に貫通している。連結穴22の内周面には雌ネジが形成されている。
【0020】
第2保持板20の両側部には、第2脚部24,24(車輪支持部)が一体形成されている。各脚部24は、第2保持板20から前記直交方向の一側(
図4(b)において下方)へ突出されている。各脚部24に第2車軸ネジ穴24bが形成されている。第2車軸ネジ穴24bは、脚部24を縦方向(
図4(b)において左右)に貫通している。脚部24の内周面には雌螺子が形成されている。
【0021】
第2保持板20の一側部(
図4(b)において左側部)は、同じ側(左側)の脚部24よりも縦方向へ延び出ている。その延出部に1つの係止凹部23が配置されている。かつ、第2保持板20の前記一側部における係止凹部23及び脚部24の間には、逃げ凹部20dが形成されている。
反対側の脚部24は、第2保持板20の他端部(
図4(b)において右端部)に配置されている。
【0022】
図1に示すように、第1保持板10の両端部及び第2保持板20の両端部にそれぞれ車輪40が設けられている。
図3に示すように、各車輪40は、転動体41と、車軸43を含む。転動体41は、マグネットリング41aと、2枚の樹脂リング41bとの三層構造になっている。マグネットリング41aは、ネオジム磁石等の強力な永久磁石にて構成され、円環形状になっている。マグネットリング41aの両側面に樹脂リング41bが設けられている。2枚の樹脂リング41b,41bの間にマグネットリング41aが挟まれている。樹脂リング41bは、例えばポリアセタール等の硬質樹脂(非磁性体)によって構成され、円環形状になっている。樹脂リング41bの外径は、マグネットリング41aの外径と等しいが、マグネットリング41aより大きくてもよく、小さくてもよい。樹脂リング41bの内径は、マグネットリング41aの内径と等しい。
【0023】
図3に示すように、車軸43は、段付きネジにて構成されている。車軸43の材質は、例えばステンレス等の非磁性体金属である。
図2(a)に示すように、車軸43が、転動体41の中心穴を貫いている。車軸43のネジ部が、脚部14,24の車軸ネジ穴14b,24bにねじ込まれている。車軸43の軸線ひいては車輪40の回転軸線L
40は、縦方向(保持板10,20の延び方向)へ向けられている。
【0024】
図3に示すように、転動体41の中心穴の内周面と車軸43との間には、円筒形のブッシュ44が介在されている。ブッシュ44の材質は、例えばステンレス等の非磁性体金属であってもよく、ポリアセタール等の硬質樹脂であってもよい。
図2(a)に示すように、転動体41が、ブッシュ44を介して車軸43に支持されるとともに、回転軸線L
40のまわりに回転自在になっている。
各転動体41は、脚部14,24の先端よりも垂直方向の一側(
図2(a)において下側)へ突出されている。
各保持板10,20の長手方向の前記一側部(
図2(a)において左側部)の転動体41は、部分的に逃げ凹部10d,20dに入り込むことで、保持板10,20との緩衝を避けている。
各保持板10,20の長手方向の他側部(
図2(a)において右側部)の転動体41は、保持板10,20の他端面(
図2(a)において右端面)の外側に配置されている。
【0025】
図1に示すように、保持板10,20どうしが連結部材30によって連結されている。連結部材30は、長いネジ部材にて構成されている。連結部材30の材質は、例えばステンレス(SUS304)等の非磁性体金属である。連結部材30は、架渡部31と、ネジ部32と、頭部33を含み、横方向(保持板10,20どうしの対向方向)へ延びている。
図3に示すように、架渡部31は、真っ直ぐな丸棒状になっている。架渡部31の外周面は、円筒の滑面になっており、ネジが形成されていない。架渡部31の基端部(連結部材30の一端部)に頭部33(規制部)が設けられている。頭部33は、架渡部31の直径よりも大径の円板形状になっている。架渡部31の先端部(連結部材30の他端部)にネジ部32(第2保持板20との連結部)が設けられている。ネジ部32の外周には雄ネジが形成されている。
【0026】
図5(a)に示すように、連結部材30の架渡部31が、第1保持板10の挿通穴11に通されるとともに、保持板10,20どうし間に架け渡されている。頭部33は、係止凹部13に収容されている。ネジ部32は、連結穴22の雌ネジと螺合されている。これによって、連結部材30が、第2保持板20と分離可能に固定されている。
図5(b)に示すように、超音波探傷プローブ8を挟み付ける前の第1保持板10は、連結部材30に沿って移動可能になっている。言い換えると、連結部材30によって、保持板10,20どうしが互いの対向方向に接近離間可能に連結されている。かつ、頭部33によって、第1保持板10が、第2保持板20から遠ざかる側へ移動するのが規制されている。更に、ネジ部32のねじ込み量を調節することによって、頭部33が、第2保持板20に対して接近離間可能になっている。
【0027】
図3に示すように、筒部材50は、円筒形になっている。筒部材50の材質は、例えばポリアセタール等の硬質樹脂(非磁性体)にて構成されているが、ステンレス等の非磁性体金属にて構成されていてもよい。筒部材50の軸長は、連結部材30の架渡部31の長さよりも少し短く、更には、超音波ウェッジ8eの横幅(
図1において上下方向の寸法)よりも少し短い。
図5に示すように、連結部材30が筒部材50内に挿通されている。
【0028】
プローブ保持治具1は、次のようにして組み立てられ、かつ超音波探傷プローブ8を保持する。
保持板10,20の両端部に車輪40を取り付ける。
また、連結部材30を、第1保持板10の挿通穴11に通し、更に筒部材50に通す。そして、ネジ部32を第2保持板20の連結穴22に緩くねじ込む。これによって、連結部材30が、第1保持板10及び第2保持板20どうし間に架け渡され、これら保持板10,20が連結部材30を介して連ねられる。
図5(b)に示すように、この段階の第1保持板10は、頭部33に突き当たる位置(
図5(a)参照)と、筒部材50の端面と突き当たる位置(
図5(b))との間で、連結部材30に沿って移動可能である。ひいては、保持板10,20どうしが接近離間可能である。
このとき、第1保持板10と第2保持板20とは、互いのマグネットリング41a,41aどうしの磁気吸引力によって引き付け合う。一方、筒部材50によって、第1保持板10が、当該筒部材50と突き当たる位置よりも第2保持板20の側へ移動するのが阻止される。したがって、第1保持板10と第2保持板20とが前記磁気吸引力によってくっ付くのを防止することができる。これによって、プローブ保持治具1の組立作業の良好性を確保でき、ひいては、後記超音波探傷プローブ8の保持作業性を確保できる。
【0029】
続いて、保持板10,20間に超音波探傷プローブ8を配置する。
図6に示すように、別途、適切な厚みのシム7(離間距離設定スペーサ)を用意する。このシム7を超音波探傷プローブ8の超音波ウェッジ8eと、検査対象配管9(又はその代用品)との間に挟む。シム7の厚みt
7は、超音波ウェッジ8eと検査対象配管9との間の離間距離(ギャップg)と対応しており、好ましくはt
7=0.2〜0.8mm程度であり、超音波8aの周波数5MHz、接触媒質にグリセリンを使用する場合などにおいてはより好ましくはt
7=0.2mm〜0.4mm程度である。ギャップg(シム7の厚みt
7)が大きすぎると、良好な探傷データを得にくくなる。ギャップg(シム7の厚みt
7)が小さすぎると、ないしはギャップgが無くて超音波ウェッジ8eが検査対象配管9と接していると、超音波ウェッジ8eが検査対象配管9の外面の表面粗さ相当の小凸部に突っ掛かりやすく、かつ超音波ウェッジ8e及び検査対象配管9が擦傷を受けやすい。更には接触媒質が超音波ウェッジ8eと検査対象配管9との間から押し出されて、超音波8aの検査対象配管9内への伝達を妨げるおそれがある。
なお、
図6において、ギャップgの大きさ、及びシム7の厚みt
7は誇張されている(
図7において同様)。
シム7は、検査対象配管9の外周面と対応する曲率を有していてもよい。
【0030】
シム7を挟んだ状態で、連結部材30を締め付ける。これによって、頭部33が係止凹部13の内底の係止面13a(
図5(a))に押し当てられ、第1保持板10が第2保持板20へ接近する方向へ押し動かされる。言い換えると、保持板10,20どうしが互いに接近される。そして、これら保持板10,20どうしの間に超音波ウェッジ8eが強く挟み付けられる。この結果、超音波探傷プローブ8がプローブ保持治具1にしっかりと保持される。
【0031】
しかも、
図6(a)及び同図(b)に示すように、検査対象配管9の外径に応じて、超音波探傷プローブ8のプローブ保持治具1に対する垂直方向(
図6において上下)の保持位置を調節できる。すなわち、
図6(a)に示すように、検査対象配管9の外径が相対的に大きいときは、プローブ保持治具1に対する超音波探傷プローブ8の保持位置を低くできる。
図6(b)に示すように、検査対象配管9の外径が相対的に小さいときは、プローブ保持治具1に対する超音波探傷プローブ8の保持位置を高くできる。しかも、保持位置に拘わらず、超音波ウェッジ8eと検査対象9との間のギャップgを、シム7の厚みt
7に対応する所定の大きさにできる。
【0032】
連結部材30の連結穴22へのねじ込み量を調節することによって、頭部33(規制部)を第2保持板20に対して接近離間させることができ、ひいては保持板10,20どうしの間隔を調節できる。このため、サイズ(具体的には超音波ウェッジ8eの幅)が多少異なるプローブ8であっても、第1保持板10と第2保持板20との間に確実に挟み付けることができる。したがって、1つのプローブ保持治具1によって、サイズが異なる複数種のプローブ8に対応できる。よって、プローブ保持治具1の汎用性を高めることができる。
また、プローブ保持治具1は、簡素な構造であるから、コストの増大を抑えることができる。
更に、超音波探傷プローブ8には、プローブ保持治具1と係合するための凹部や凸部やネジ穴等の係合部を設ける必要がない。
【0033】
図7に示すように、プローブ保持治具1を検査対象配管9の溶接部9aの近くに配置する。プローブ保持治具1の縦方向ひいては車輪40の回転軸線L
40を検査対象配管9の軸線L
9と平行に向ける。車輪40を検査対象配管9に当てると、マグネットリング41aの磁力によって車輪40が検査対象配管9に吸着される。したがって、
図7に示すように、検査対象配管9が鉛直であっても、プローブ保持治具1を検査対象配管9上に止めておくことができる。図示は省略するが、検査対象配管9の外面が下向きであっても、そこにプローブ保持治具1をくっ付けておくことができる。プローブ保持治具1が落下することはない。
このプローブ保持治具1を掴んで横方向すなわち検査対象配管9の周方向へ走行させる。これによって、超音波探傷プローブ8を溶接部9aに沿って真っ直ぐに走査させながら、溶接部9aの状況をフェーズドアレイ超音波探傷法によって検査することができる。その際に、溶接部9aの断面形状を画像化するためには、プローブの周波数は5MHz〜10MHz程度が好ましい。また、溶接部9aに超音波8aが集束するようにフェーズドアレイ超音波探傷法で振動子の発振タイミングを制御することが好ましい。感度は、検査対象9の母材または溶接部9aの散乱ノイズが5%から15%程度になるように設定することが好ましい。超音波探傷プローブ8の走査方向がぶれるのを防止できるから、溶接部9aの状況を正しく評価したり、溶接欠陥の位置を正しく特定したり、溶接部9aの断面形状を画像化したりすることができる。
また、超音波ウェッジ8eを検査対象配管9から僅かに浮かせることで、超音波ウェッジ8e及び検査対象配管9が擦傷するのを防止できる。かつ、検査対象配管9の外面に表面粗さ相当の小凸部があっても引っ掛かることなく、超音波探傷プローブ8をスムーズに走査できる。超音波ウェッジ8eと検査対象配管9とのギャップgを僅少にすることで、接触媒質が押し出されることがなく、超音波8aを検査対象配管9内へ確実に伝達させることができ、超音波探傷の良好性を確保できる。
【0034】
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、車輪40の回転軸線L
40が、プローブ保持治具1の横方向(連結部材30の延び方向)に向けられていてもよい。
連結部材30の規制部33がナットで構成されていてもよい。架渡部31における第1保持板10側(
図5において左側)の端部には、前記ナットからなる規制部33が螺合される雄ネジが形成されていてもよい。
第2保持板20の連結穴22の内周面には、雌ネジが形成されていなくてもよい。連結部材30のネジ部32が、締付ナットを介して第2保持板20に連結されることで、これらネジ部32とナットとによって第2保持板20との「連結部」が構成されていてもよい。
車輪40の数は、3つでもよく5つ以上でもよい。
筒部材50を省略してもよい。
磁石が保持板10,20に組み込まれていてもよい。磁石を省略してもよい。検査対象9が磁性体でなくてもよい。
超音波探傷プローブ8の保持高さをギャップgが零になるように設定してもよい。超音波ウェッジ8eを検査対象9と接触させた状態で走査してもよい。
超音波ウェッジ8eがポリスチレン樹脂等からなる外枠を有し、前記外枠の内部が空洞になっており、その空洞に水などの接触媒質を満たした状態で走査してもよい。
プローブ保持治具1及び超音波探傷プローブ8に、互いに係合し合う凹部と凸部やネジ穴等を設けてもよい。
保持板10,20によってプローブ本体8xを直接挟み付けてもよい。
本発明のプローブ保持治具は、超音波探傷プローブに限られず、渦電流探傷プローブ等、他の非破壊探傷プローブの保持治具としても使用できる。