特許第6585467号(P6585467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイセルの特許一覧

特許6585467点火器組立体とそれを使用したガス発生器
<>
  • 特許6585467-点火器組立体とそれを使用したガス発生器 図000002
  • 特許6585467-点火器組立体とそれを使用したガス発生器 図000003
  • 特許6585467-点火器組立体とそれを使用したガス発生器 図000004
  • 特許6585467-点火器組立体とそれを使用したガス発生器 図000005
  • 特許6585467-点火器組立体とそれを使用したガス発生器 図000006
  • 特許6585467-点火器組立体とそれを使用したガス発生器 図000007
  • 特許6585467-点火器組立体とそれを使用したガス発生器 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585467
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】点火器組立体とそれを使用したガス発生器
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/264 20060101AFI20190919BHJP
   B01J 7/00 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   B60R21/264
   B01J7/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-213617(P2015-213617)
(22)【出願日】2015年10月30日
(65)【公開番号】特開2016-101915(P2016-101915A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2018年9月7日
(31)【優先権主張番号】特願2014-231532(P2014-231532)
(32)【優先日】2014年11月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002901
【氏名又は名称】株式会社ダイセル
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】井本 勝大
【審査官】 小河 了一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−521181(JP,A)
【文献】 実開昭51−023118(JP,U)
【文献】 米国特許第05140906(US,A)
【文献】 特表平09−504599(JP,A)
【文献】 特表2009−513403(JP,A)
【文献】 特開2003−034219(JP,A)
【文献】 特開2013−166496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/264
B01J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火部(11)と導電ピン(12)を有する点火器本体(10)と、点火器本体(10)の周囲を包囲する樹脂部(20)と、樹脂部(20)の周囲に配置され、樹脂部(20)と一体にされた金属カラーと、少なくとも点火部(11)を包囲する、内部にガス発生剤または伝火薬が充填されているカップ形状の点火器ハウジング(50)を有している点火器組立体(1)であって、
前記金属カラーが、筒状カラー(30)と環状カラー(40)の組み合わせからなるものであり、
筒状カラー(30)が、
点火部(11)側に位置する第1端部(31)側の第1内壁面(31a)の内径が導電ピン(12)側に位置する第2端部(32)側の第2内壁面(32a)の内径よりも大きく、第1内壁面(31a)と第2内壁面(32a)の間に内側環状段差面(33)を有しており、第2内壁面(32a)が樹脂部(20)の外表面(21)に当接されているものであり、
環状カラー(40)が、
1本または2本以上の環状溝を有する第1環状面(41)と、第1環状面(41)とは厚さ方向に反対側の1本または2本以上の環状溝を有する第2環状面(42)と、内周面(43)と、外周面(44)を有しており、内周面(43)と、1本または2本以上の環状溝を含む第1環状面(41) の一部、1本または2本以上の環状溝を含む第2環状面(42)の一部と中心穴が樹脂部(20)に埋設され、外周面(44)を含む残部の第1環状面(41)と第2環状面(42)が樹脂部(20)の半径方向外側に突き出されているものであり、
筒状カラー(30)の第1内壁面(31a)に環状カラー(40)の外周面(44)が当接され、筒状カラー(30)の内側環状段差面(33)に環状カラー(40)の外周面(44)側の第2環状面(42)が当接されているものであり、
カップ形状の点火器ハウジング(50)が、底部(51)側の小径周壁部(53)、開口部(52)側の小径周壁部(53)より大きい大径周壁部(54)、および小径周壁部(53)と大径周壁部(54)の間の環状段差部(55)を有しているものであり、
カップ形状の点火器ハウジング(50)が、開口部(52)の環状端面(52a)が環状カラー(40)の第1環状面(41)に当接され、大径周壁部(54)の外側面が筒状カラー(30)の第1内壁面(31a)に当接され、環状段差部(55)の外側面(55a)とそれに接する小径周壁部(53)の外側面が、筒状カラー(30)の第1端部(31)側が縮径された部分(34)と当接されることで外側から固定されている、点火器組立体(1)。
【請求項2】
点火部(111)と導電ピン(112)を有する点火器本体(110)と、点火器本体(110)の周囲を包囲する樹脂部(120)と、樹脂部(120)の周囲に配置され、樹脂部(120)と一体にされた金属カラーと、少なくとも点火部(111)を包囲する、内部にガス発生剤または伝火薬が充填されているカップ形状の点火器ハウジング(150)を有している点火器組立体(100)であって、
金属カラーが、筒状カラー(130)と環状カラー(140)の組み合わせからなるものであり、
筒状カラー(130)が、
点火部(111)側に位置する第1端部側(131)の第1内壁面(131a)の内径が大きく、導電ピン(112)側に位置する第2端部側(132)の第2内壁面(132a)の内径が小さく、それらの間に内側環状段差面(133)を有しており、第2内壁面(132a)が樹脂部(120)の外表面(121)に当接されているものであり、
環状カラー(140)が、
1本または2本以上の環状溝を有する第1環状面(141)と、第1環状面(141)とは厚さ方向に反対側の1本または2本以上の環状溝を有する第2環状面(142)と、内周面(143)と、外周面(144)を有しており、内周面(143)と、1本または2本以上の環状溝を含む第1環状面(141)の一部、1本または2本以上の環状溝を含む第2環状面(142)の一部と中心穴が樹脂部(120)に埋設され、外周面(144)を含む残部の第1環状面(141)と第2環状面(142)が樹脂部(120)の半径方向外側に突き出されているものであり、
筒状カラー(130)の第1内壁面(131a)に環状カラー(140)の外周面(144)が当接され、筒状カラー(130)の内側環状段差面(133)に環状カラー(140)の外周面(144)側の第2環状面(142)が当接されているものであり、
カップ形状の点火器ハウジング(150)が、周壁部(153)に複数の貫通孔を有し、開口部(152)にフランジ部(154)を有しているものであり、
フランジ部(154)が、開口部(152)側の下側環状面(155)と、下側環状面(155)の軸方向反対側の上側環状面(156)と、下側環状面(155)と上側環状面(156)の間の開口部(152)の環状端面(152a)からなるものであり、
カップ形状の点火器ハウジング(150)が、下側環状面(155)が環状カラー(140)の第1環状面(141)に当接され、環状端面(152a)が筒状カラー(130)の第1内壁面(131a)に当接され、上側環状面(156)が筒状カラー(130)の内側への折曲部(159)と当接されることで外側から固定されている、点火器組立体(100)。
【請求項3】
前記第1環状面の環状溝と前記第2環状面の環状溝の深さが環状カラーの厚さの1/3以下の深さであり、前記第1環状面の環状溝と前記第2環状面の環状溝が厚さ方向に対向しない位置に形成されているものである、請求項1または2記載の点火器組立体。
【請求項4】
前記カップ形状の点火器ハウジングが、筒部と、前記筒部の一方の開口部を塞ぐ蓋部からなるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の点火器組立体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の点火器組立体を有するガス発生器。
【請求項6】
独立して作動することができる2つの点火器組立体を有するガス発生器であって、前記2つの点火器組立体のうち、最初に作動することができる点火器組立体が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の点火器組立体である、ガス発生器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点火器組立体とそれを使用したガス発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグ装置のガス発生器用の点火器として、点火器本体、樹脂部、金属カラーおよびハウジング(ケーシング)の組み合わせからなる点火器組立体が使用されているものがある。
また、前記点火器組立体は、前記ハウジング(ケーシング)にガス発生剤を充填することで、自動車のシートベルトのプリテンショナー用として適したガス発生器としても使用されている(特許文献3、5)。
点火器組立体では、ハウジング(ケーシング)は金属カラーに対して固定されているが(特許文献1〜5)、組み立て時には、固定作業が容易であることと共に、作動時においてハウジング(ケーシング)が金属カラーから外れないようにすることが重要となる。
【0003】
特許文献1の図1では、ケーシング54の開口部側のエッジ部60がボアシール14のショルダー21に外側から被せられており、ケーシング54は、ショルダー21の外形に対応させてエッジ部60を変形させることでボアシール14に固定されている。
特許文献2の図1では、器筺体22と起爆装置アダプタ24が溶接一体化されており、起爆装置アダプタ24が絶縁材料36と挿入部材40に外側から被せられており、起爆装置アダプタ24は、絶縁材料36と挿入部材40の外形に対応させて開口部側を変形させることで挿入部材40に固定されている。
【0004】
特許文献3の図1図2では、カップ体20と点火器カラー14は、別部材であるクリンプケース14で結合されている(段落番号0040)。
特許文献4の図1では、開口部43側の端部に環状折曲部45を有するカップ状ケース40を使用して、カップ状ケース40の開口部43側から点火器組立体11の点火器12に嵌め込んでいる。
特許文献5の図1では、点火器カラー31に形成された環状溝33にカップ部材41の開口部に形成されたフランジ42が嵌め込まれている(段落番号0049)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許7726241号明細書
【特許文献2】特開平11−321541号公報
【特許文献3】特開2004−217059号公報
【特許文献4】特開2013−159239号公報
【特許文献5】特開2008−36609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、二つの金属カラーの組み合わせにより点火器ハウジングを外側から固定することによって、点火器ハウジングの固定強度が高められた点火器組立体と、それを使用したガス発生器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(第1発明)は、
点火部(11)と導電ピン(12)を有する点火器本体(10)と、点火器本体(10)の周囲を包囲する樹脂部(20)と、樹脂部(20)の周囲に配置され、樹脂部(20)と一体にされた金属カラーと、少なくとも点火部(11)を包囲する、内部にガス発生剤または伝火薬が充填されているカップ形状の点火器ハウジング(50)を有している点火器組立体(1)であって、
前記金属カラーが、筒状カラー(30)と環状カラー(40)の組み合わせからなるものであり、
筒状カラー(30)が、
点火部(11)側に位置する第1端部(31)側の第1内壁面(31a)の内径が導電ピン(12)側に位置する第2端部(32)側の第2内壁面(32a)の内径よりも大きく、第1内壁面(31a)と第2内壁面(32a)の間に内側環状段差面(33)を有しており、第2内壁面(32a)が樹脂部(20)の外表面(21)に当接されているものであり、
環状カラー(40)が、
第1環状面(41)と、第1環状面(41)とは厚さ方向に反対側の第2環状面(42)と、内周面(43)と、外周面(44)を有しており、内周面(43)を含む第1環状面(41)と第2環状面(42)の一部と中心穴が樹脂部(20)に埋設され、外周面(44)を含む残部の第1環状面(41)と第2環状面(42)が樹脂部(20)の半径方向外側に突き出されているものであり、
筒状カラー(30)の第1内壁面(31a)に環状カラー(40)の外周面(44)が当接され、筒状カラー(30)の内側環状段差面(33)に環状カラー(40)の外周面(44)側の第2環状面(42)が当接されているものであり、
カップ形状の点火器ハウジング(50)が、底部(51)側の小径周壁部(53)、開口部(52)側の小径周壁部(53)より大きい大径周壁部(54)、および小径周壁部(53)と大径周壁部(54)の間の環状段差部(55)を有しているものであり、
カップ形状の点火器ハウジング(50)が、開口部(52)の環状端面(52a)が環状カラー(40)の第1環状面(41)に当接され、大径周壁部(54)の外側面が筒状カラー(30)の第1内壁面(31a)に当接され、環状段差部(55)の外側面(55a)とそれに接する小径周壁部(53)の外側面が、筒状カラー(30)の第1端部(31)側が縮径された部分(34)と当接されることで外側から固定されている、点火器組立体(1)を提供する。
【0008】
第1発明の点火器組立体は、金属カラーとして筒状カラーと環状カラーの組み合わせからなるものを使用している。
筒状カラーは、一部面(第2内壁面)が樹脂部の外表面に当接されている。
環状カラーは、中心穴を含む一部面が樹脂部に埋設され、樹脂部と一体になっている。
筒状カラーと環状カラーは、互いに部分的に当接されている。
カップ形状の点火器ハウジングは、金属からなるものであり、底面側の小径周壁部、開口部側の大径周壁部および前記小径周壁部と前記大径周壁部の間の環状段差面を有している。
カップ形状の点火器ハウジングは、開口部の環状端面が環状カラーの第1環状面に当接され、大径周壁部の外側面が筒状カラーの第1内壁面に当接され、環状段差部の外側面とそれに接する前記小径周壁部の外側面が、前記筒状カラーの第2端部側が縮径された部分と当接されている。
【0009】
このように第1発明の点火器組立体は、点火器ハウジング、筒状カラーおよび環状カラーの3つの部品の取り付け位置および形状が相互に関係付けられることで、点火器ハウジングが外側から固定されているため、点火器ハウジングの金属カラーに対する固定強度が大きくなっている。
このため、点火器が作動したときでも、点火器ハウジングが金属カラー(筒状カラーおよび環状カラー)からずれたり、外れたりすることがない。
【0010】
また本発明(第2発明)は、
点火部(111)と導電ピン(112)を有する点火器本体(110)と、点火器本体(110)の周囲を包囲する樹脂部(120)と、樹脂部(120)の周囲に配置され、樹脂部(120)と一体にされた金属カラーと、少なくとも点火部(111)を包囲する、内部にガス発生剤または伝火薬が充填されているカップ形状の点火器ハウジング(150)を有している点火器組立体(100)であって、
金属カラーが、筒状カラー(130)と環状カラー(140)の組み合わせからなるものであり、
筒状カラー(130)が、
点火部(111)側に位置する第1端部側(131)の第1内壁面(131a)の内径が大きく、導電ピン(112)側に位置する第2端部側(132)の第2内壁面(132a)の内径が小さく、それらの間に内側環状段差面(133)を有しており、第2内壁面が(132a)が樹脂部(120)の外表面(121)に当接されているものであり、
環状カラー(140)が、
第1環状面(141)と、第1環状面(141)とは厚さ方向に反対側の第2環状面(142)と、内周面(143)と、外周面(144)を有しており、内周面(143)を含む第1環状面(141)と第2環状面(142)の一部と中心穴が樹脂部(120)に埋設され、外周面(144)を含む残部の第1環状面(141)と第2環状面(142)が樹脂部(120)の半径方向外側に突き出されているものであり、
筒状カラー(130)の第1内壁面(131a)に環状カラー(140)の外周面(144)が当接され、筒状カラー(130)の内側環状段差面(133)に環状カラー(140)の外周面(144)側の第2環状面(142)が当接されているものであり、
カップ形状の点火器ハウジング(150)が、周壁部(153)に複数の貫通孔を有し、開口部(152)にフランジ部(154)を有しているものであり、
フランジ部(154)が、開口部(152)側の下側環状面(155)と、下側環状面(155)の軸方向反対側の上側環状面(156)と、下側環状面(155)と上側環状面(156)の間の開口部(152)の環状端面(152a)からなるものであり、
カップ形状の点火器ハウジング(150)が、下側環状面(155)が環状カラー(140)の第1環状面(141)に当接され、環状端面(152a)が筒状カラー(130)の第1内壁面(131a)に当接され、上側環状面(156)が筒状カラー(130)の内側への折曲部(159)と当接されることで外側から固定されている、点火器組立体(100)を提供する。
【0011】
第2発明の点火器組立体は、金属カラーとして筒状カラーと環状カラーの組み合わせからなるものを使用している。
筒状カラーは、一部面(第2内壁面)が樹脂部の外表面に当接されている。
環状カラーは、中心穴を含む一部面が樹脂部に埋設され、樹脂部と一体になっている。
筒状カラーと環状カラーは、互いに部分的に当接されている。
カップ形状の点火器ハウジングは、金属からなるものであり、周壁面に複数の貫通孔を有し、開口部にフランジ部を有している。
カップ形状の点火器ハウジングは、カップ形状の点火器ハウジングのフランジ部が、筒状カラーと環状カラーの両方に当接され、さらに筒状カラーが内側に折り曲げられた部分と当接されている。
【0012】
このように第2発明の点火器組立体は、点火器ハウジング、筒状カラーおよび環状カラーの3つの部品の取り付け位置および形状が相互に関係付けられることで、点火器ハウジングが外側から固定されているため、点火器ハウジングの金属カラーに対する固定強度が大きくなっている。
このため、点火器が作動したときでも、点火器ハウジングが金属カラー(筒状カラーおよび環状カラー)からずれたり、外れたりすることがない。
【0013】
第1発明と第2発明の点火器組立体は、前記筒状カラーの内側環状段差面と前記環状カラーの外周面側の第2環状面が当接された部分において、前記内側環状段差面と前記第2環状面の一方または両方にまたがって環状溝が形成されており、前記環状溝にOリングが嵌め込まれているものが好ましい。
このように環状溝を形成し、そこにOリングを嵌め込むことで、筒状カラーと樹脂部の隙間から点火器ハウジング内に湿気が侵入することが防止できる。
【0014】
第1発明と第2発明の点火器組立体は、前記カップ形状の点火器ハウジングが、筒部と、前記筒部の一方の開口部を塞ぐ蓋部からなるものであるものが好ましい。
点火器ハウジングはカップ形状のものであるが、最初からカップ形状のものを使用することができるほか、組み立て後にカップ形状になるものも使用することができる。
カップ形状の点火器ハウジングとして筒部と蓋部からなるものを使用するとき、最初に筒部を金属カラー(筒状カラーおよび環状カラー)に対して固定した後、開口部から伝火薬またはガス発生剤を充填し、その後、前記開口部を蓋部で閉塞する。
このようにカップ形状の点火器ハウジングとして筒部と蓋部からなるものを使用すると、組み立て作業が容易になるので好ましい。
【0015】
本発明のガス発生器は、上記した第1発明または第2発明の点火器組立体を有するものである。
また本発明のガス発生器は、独立して作動することができる2つの点火器組立体を有するガス発生器であって、前記2つの点火器組立体のうち、最初に作動することができる点火器組立体が、上記した第1発明または第2発明の点火器組立体であるものが好ましい。
【0016】
独立して作動することができる2つの点火器組立体を有するガス発生器の場合には、
一方の点火器が最初に作動して、遅れて他方の点火器が作動する第1の作動形態、
両方の点火器が同時に作動する第2の作動形態、
一方の点火器のみが作動する第3の作動形態がある。
第1の作動形態の場合において、最初に作動する点火器(点火器組立体)の点火器ハウジングが金属カラーから外れた場合のように、最初に作動する点火器(点火器組立体)の作動に異常が生じたとき、遅れて作動する点火器(点火器組立体)の作動にも悪影響を及ぼし、ガス発生器として正常に動作できなくなるおそれもある。
本発明のガス発生器で使用している第1発明または第2発明の点火器組立体は、金属カラーから点火器ハウジングが外れることが防止されているため、ガス発生器の正常な動作も確保されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の点火器組立体は、点火器ハウジングが金属カラーにより外側から固定されているため、作動時に点火器ハウジングが金属カラーから外れることがない。
本発明の点火器組立体を使用したガス発生器は、製品としての信頼性がより向上されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明(第1発明)の点火器組立体の一実施形態を示す軸方向の断面図。
図2図1の点火器組立体で使用している環状カラーの厚さ方向の断面図。
図3図1の点火器組立体で使用している点火器ハウジングの軸方向の断面図。
図4】本発明(第2発明)の点火器組立体の他実施形態を示す軸方向の断面図。
図5図4の点火器組立体で使用している環状カラーの厚さ方向の断面図。
図6図4の点火器組立体で使用している点火器ハウジングの軸方向の断面図。
図7図4の点火器組立体を使用したガス発生器の軸方向断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示す第1の点火器組立体>
図1に示す点火器組立体1は、点火器本体10、樹脂部20、金属カラーおよびカップ形状の点火器ハウジング50を有している。
【0020】
点火器本体10は、点火部11と導電ピン12を有しているもので、公知のガス発生器の点火器と同じものである。導電ピン12は、図示していないリードワイヤを備えたコネクタと接続される。点火部11の内部には、点火薬が充填されている。
【0021】
点火器本体10の点火部11と導電ピン12の一部は、円柱形状の樹脂部20で包囲されている。樹脂部20は、熱可塑性樹脂などからなるものであり、電気絶縁部を形成すると共に、コネクタの差し込み空間25を形成している。
【0022】
図1の点火器組立体1では、筒状カラー30と環状カラー40の組み合わせからなる金属カラーを使用している。筒状カラー30と環状カラー40は、鉄、ステンレスなどの金属からなるものである。
筒状カラー30は、点火部11側に位置する第1端部31側の第1内壁面31aの内径が大きく、導電ピン12側に位置する第2端部32側の第2内壁面32aの内径が小さくなっている。
第1内壁面31aと第2内壁面32aの内径の差によって、それらの間に内側環状段差面33を有している。
筒状カラー30は、第2内壁面32aが樹脂部20の外表面21に当接されている。
【0023】
環状カラー40は、図2に示すとおり、第1環状面41と、第1環状面41とは厚さ方向に反対側の第2環状面42、内周面43および外周面44を有している。
環状カラー40の内周面43の間隔(中心穴の内径)は、点火部11の外径よりも小さくなっている。
環状カラー40は、内周面43を含む第1環状面41と第2環状面42の一部と中心穴が樹脂部20に埋設されており、外周面44を含む残部の第1環状面41と第2環状面42は樹脂部20の半径方向外側に突き出されている。
環状カラー40は、樹脂部20に埋設されている第1環状面41と第2環状面42のそれぞれに1本または2本以上の環状溝を有していてもよい。環状溝を有しているときは、環状溝内にも樹脂が入り込むことになる。環状溝は、第1環状面41と第2環状面42のそれぞれに1本ずつが好ましい。
環状溝の深さは、環状カラー40の厚みの1/3以下にすることが好ましい。
第1環状面41と第2環状面42のそれぞれに環状溝を形成するときは、環状カラー40の強度を維持するため、厚さ方向に対向する位置に形成されないようにすることが好ましい。例えば、第1環状面41に形成された環状溝の内周面43からの距離と第2環状面42に形成された環状溝の内周面43からの距離が異なるようにすることで、厚さ方向に対向しない位置にそれぞれの環状溝を形成することができる。
これらの環状溝を有していると、環状溝に樹脂が入り込んで樹脂部20と環状カラー40との結合力が高められるほか、環状カラー40が回転することも防止されるので好ましい。
【0024】
筒状カラー30の第1内壁面31aに環状カラー40の外周面44が当接され、筒状カラー30の内側環状段差面33に環状カラー40の外周面44側の第2環状面42が当接されている。
環状カラー40の外周面44側の第2環状面42が当接された内側環状段差面33は一部が環状に切り取られており、その切り取り部、樹脂部20、第2環状面42により環状空間が形成され、そこにOリング49が嵌め込まれている。
Oリング49を嵌め込むことで、樹脂部20と筒状カラー30の第2内壁面32aとの間を通って、湿気が点火器ハウジング50内に侵入することが防止される。
【0025】
カップ形状の点火器ハウジング50は、図3に示すとおり、底部51側の小径周壁部53、開口部52側の大径周壁部54、小径周壁部53と大径周壁部54の間の環状段差部55を有している。
カップ形状の点火器ハウジング50は、鉄、ステンレスなどの金属からなるものである。なお、カップ形状の点火器ハウジング50は、小径周壁部53の外径が均一であるが、部分的に外径が異なった形状のものでもよい。
小径周壁部53は、複数の貫通孔57を有している。
カップ形状の点火器ハウジング50は、開口部52の環状端面52aが環状カラー40の第1環状面41に当接され、大径周壁部54の外側面が筒状カラー30の第1内壁面31aに当接されている。
さらにカップ形状の点火器ハウジング50は、環状段差部55の外側面55aとそれに接する小径周壁部53の外側面が、筒状カラー30の第1端部31側が縮径された部分(縮径部)34の内壁面により外側から押し付けられるようにして固定されている。
内部空間58には、ガス発生剤や伝火薬が充填される。
カップ形状の点火器ハウジング50は、最初からカップ形状であるものを使用できるほか、筒部と、筒部の一方の開口部を塞ぐ蓋部からなるものであり、組み立てることでカップ形状になるものを使用することもできる。
【0026】
図1に示す点火器組立体1の組み立て方法を説明する。
点火器本体10、樹脂部20および環状カラー40が一体となったものを用意する。このような一体化物は、公知の樹脂成形法(例えば、インサート成形法)を適用して製造することができる。
樹脂部20の外表面21(コネクタの差し込み空間25の半径方向外側面)に第2内壁面32aが当接するようにして、点火器の樹脂部20にOリング49を嵌め、その後筒状カラー30に点火器本体10を嵌め込む。このとき、まだ縮径部34は形成されていない。
次に、ガス発生剤や伝火薬を充填した点火器ハウジング50を下にした状態で、図1に示す状態になるように組み合わせる。
次に、筒状カラー30の第1端部31側に対して内側方向に力を加えて(例えば、外側から叩いて)、図1に示すような縮径部34を形成することで、点火器ハウジング50を外側から固定する。
点火器ハウジング50として筒部と蓋部からなるものを使用したときは、筒部だけの状態の点火器ハウジング50を固定したあと、内部空間58にガス発生剤や伝火薬を充填し、その後、開口部を蓋部で閉塞する方法を適用できる。
【0027】
図1に示す点火器組立体1は、ガス発生器で使用する点火器(点火器組立体)として使用することができるほか、それ自体をガス発生器として使用することもでき、例えば、特許文献3、5に記載されている自動車のシートベルトのプリテンショナー用のガス発生器としても使用することができる。
【0028】
図4に示す第2の点火器組立体>
図4に示す点火器組立体100は、点火器本体110、樹脂部120、金属カラーおよびカップ形状の点火器ハウジング150を有している。
【0029】
点火器本体110は、点火部111と導電ピン112を有しているもので、公知のガス発生器の点火器と同じものである。導電ピン112は、図示していないリードワイヤを備えたコネクタと接続される。点火部111の内部には、点火薬が充填されている。
【0030】
点火器本体110の点火部111と導電ピン112の一部は、円柱形状の樹脂部120で包囲されている。樹脂部120は、熱可塑性樹脂などからなるものであり、電気絶縁部を形成すると共に、コネクタの差し込み空間125を形成している。
【0031】
図4の点火器組立体100では、筒状カラー130と環状カラー140の組み合わせからなる金属カラーを使用している。筒状カラー130と環状カラー140は、鉄、ステンレスなどの金属からなるものである。
筒状カラー130は、点火部111側に位置する第1端部131側の第1内壁面131aの内径が大きく、導電ピン112側に位置する第2端部132側の第2内壁面132aの内径が小さくなっている。
第1内壁面131aと第2内壁面132aの内径の差によって、それらの間に内側環状段差面133を有している。
筒状カラー130は、第2内壁面132aが樹脂部120のコネクタの差し込み空間125と半径方向に対応する外表面121に当接されている。
【0032】
環状カラー140は、図5に示すとおり、第1環状面141と、第1環状面141とは厚さ方向に反対側の第2環状面142、内周面143および外周面144を有している。
環状カラー140の内周面143の間隔(中心穴の内径)は、点火部111の外径よりも小さくなっている。
環状カラー140は、内周面143を含む第1環状面141と第2環状面142の一部と中心穴が樹脂部120に埋設されており、外周面144を含む残部の第1環状面141と第2環状面142は樹脂部120の半径方向外側に突き出されている。
環状カラー140は、第1環状面141と第2環状面142のそれぞれに1本または2本以上(好ましくは1本)の環状溝を有しているものでもよい。
環状溝の深さは、環状カラー140の厚みの1/3以下にすることが好ましい。
第1環状面141と第2環状面142のそれぞれに環状溝を形成するときは、環状カラー140の強度を維持するため、厚さ方向に対向する位置に形成されないようにすることが好ましい。例えば、第1環状面141に形成された環状溝の内周面143からの距離と第2環状面142に形成された環状溝の内周面143からの距離が異なるようにすることで、厚さ方向に対向しない位置にそれぞれの環状溝を形成することができる。
これらの環状溝を有していると、環状溝に樹脂が入り込んで樹脂部120と環状カラー140との結合力が高められるほか、環状カラー140が回転することも防止されるので好ましい。
【0033】
筒状カラー130の第1内壁面131aに環状カラー140の外周面144が当接され、筒状カラー130の内側環状段差面133に環状カラー140の外周面144側の第2環状面142が当接されている。
内側環状段差面133の第2環状面142に接する部分は一部が環状に切り取られており、その切り取り部、樹脂部120、第2環状面142により環状空間が形成され、そこにOリング149が嵌め込まれている。ここで、Oリング149を嵌め込むための環状空間は、例えば、内側環状段差面133と当接する第2環状面142に形成した第2環状溝146のような環状溝を使用することもできる。
Oリング149を嵌め込むことで、樹脂部120と筒状カラー130の第2内壁面132aとの間を通って、湿気が点火器ハウジング150内に侵入することが防止される。
【0034】
カップ形状の点火器ハウジング150は、図6に示すとおり、底部151、周壁部153、底部151と軸方向に対向する開口部152を有しており、さらに開口部152にはフランジ部154を有している。
カップ形状の点火器ハウジング150は、鉄、ステンレスなどの金属からなるものである。
なお、カップ形状の点火器ハウジング150は、周壁部153の外径が均一であるが、部分的に外径が異なった形状のものでもよく、例えば、底部151側の外径が開口部152側の外径よりも大きなもの、底部151側の外径が開口部152側の外径よりも小さなものでもよい。
周壁部153は、複数の貫通孔157を有している。
フランジ部154は、開口部152側の下側環状面155と、下側環状面155の軸方向反対側の上側環状面156と、下側環状面155と上側環状面156の間の開口部の環状端面152aからなる。
【0035】
カップ形状の点火器ハウジング150は、下側環状面155が環状カラー140の第1環状面141に当接され、環状端面152aが筒状カラー130の第1内壁面131aに当接され、上側環状面156が筒状カラー130の第1端部131が内側に折り曲げられた折曲部159により外側から押し付けられるようにして固定されている。
内部空間158には、ガス発生剤や伝火薬が充填されており(図示せず)、底部151の内側には必要に応じてクッション材を配置することができる。なお、図1の点火器組立体1でも、必要に応じてクッション材を使用することができる。
カップ形状の点火器ハウジング150は、最初からカップ形状であるものを使用できるほか、筒部と、筒部の一方の開口部を塞ぐ蓋部からなるものであり、組み立てることでカップ形状になるものを使用することもできる。
【0036】
図4に示す点火器組立体100の組み立て方法を説明する。
点火器本体110、樹脂部120および環状カラー140が一体となったものを用意する。このような一体化物は、公知の樹脂成形法(例えば、インサート成形法)を適用して製造することができる。
樹脂部120の外表面121(コネクタの差し込み空間125の半径方向外側面)に第2内壁面132aが当接するようにして、筒状カラー130をOリング149と一緒に嵌め込む。このとき、まだ折曲部159は形成されていない。
次に、ガス発生剤や伝火薬を充填した点火器ハウジング150を下にした状態で、図4に示す状態になるように組み合わせる。
次に、筒状カラー130の第1端部131側に対して内側方向に力を加えて(例えば、外側から叩いて)、図4に示すような折曲部159を形成することで、点火器ハウジング150を外側から固定する。
点火器ハウジング150として筒部と蓋部からなるものを使用したときは、筒部だけの状態の点火器ハウジング150を固定したあと、内部空間158にガス発生剤や伝火薬を充填し、その後、開口部を蓋部で閉塞する方法を適用できる。
【0037】
図4に示す点火器組立体100は、ガス発生器で使用する点火器(点火器組立体)として使用することができるほか、それ自体をガス発生器として使用することもでき、例えば、特許文献3、5に記載されている自動車のシートベルトのプリテンショナー用のガス発生器としても使用することができる。
【0038】
図7に示すガス発生器>
次に、図4に示す点火器組立体100を使用したガス発生器200を説明する。ガス発生器200は、図4に示す点火器組立体100を第1点火器として使用したことを除いては、公知のガス発生器と同じものである。
【0039】
ハウジング210は、ディフューザシェル211とクロージャシェル212が溶接一体化されて形成されている。
ディフューザシェル211は、周壁面に内側からシールテープで閉塞された複数のガス排出口213を有している。
【0040】
ハウジング210内には、図4に示す点火器組立体100を使用した第1点火器が配置されている。
点火器組立体(第1点火器)100の筒状カラー130は、クロージャシェル212の底部212aに形成された開口部に嵌め込まれ、当接部分において溶接固定されている。
【0041】
さらにハウジング210内には、点火器組立体100と半径方向に隣接する位置に第2燃焼室240が形成されている。
第2燃焼室240は、第2燃焼室ハウジング250の内部に収容された第2点火器230と第2ガス発生剤(図示せず)を有している。
第2燃焼室ハウジング250は、周壁部に複数の第2貫通孔255が形成されており、底部にはクッション材が配置されていてもよい。
第2点火器230は、第2点火部232と第2導電ピン233からなる第2点火器本体231と、第2樹脂部240、第2環状カラー246、第2筒状カラー245の組み合わせからなるものである。
第2燃焼室ハウジング250は、開口部側から第2筒状カラー245の外周面に圧入されることで固定されている。
第2点火器230の第2筒状カラー245は、クロージャシェル212の底部212aに形成された開口部に嵌め込まれ、当接部分において溶接固定されている。
【0042】
ハウジング210内には、ガス排出口213との間に間隔をおいて筒状のフィルタ260が配置されている。
ハウジング210内の点火器組立体100、第2燃焼室240を除いた空間であり、筒状フィルタ260の内側の空間が第1燃焼室220となる。第1燃焼室220には第1ガス発生剤が充填されている(図示せず)。
【0043】
次に、図7に示すガス発生器200を自動車のエアバッグ装置にて使用したときにおいて、第1点火器(第1点火器組立体)100が最初に作動して、遅れて第2点火器230が作動するときの動作を説明する。
点火器本体110が作動すると、点火部111から火炎や燃焼ガスなどが発生して、内部空間158内に充填されたガス発生剤(または伝火薬)を着火燃焼させて、燃焼ガスなどを発生させる。
内部空間158内で発生した燃焼ガスは、貫通孔157から第1燃焼室220内に入り、第1ガス発生剤を着火燃焼させて燃焼ガスを発生させる。
第1燃焼室220内で発生した燃焼ガスは、筒状フィルタ260を通ったあと、ガス排出口213から排出され、エアバッグを膨張させる。
【0044】
第1点火器100の作動から僅かに遅れて第2点火器230が作動し、炎や燃焼ガスなどが発生して、第2燃焼室240内の第2ガス発生剤を着火燃焼させて、燃焼ガスを発生させる。
第2燃焼室240内の燃焼ガスは、第2貫通孔255から第1燃焼室220内に入り、筒状フィルタ260を通ったあと、ガス排出口213から排出され、エアバッグをさらに膨張させる。
【0045】
このような動作過程において、点火器本体110が作動して内部空間158の圧力が上昇したとき、点火器ハウジング150が外れて天板部211aに衝突するような事態が生じた場合には、第1燃焼室220における第1ガス発生剤の燃焼や、第2燃焼室240の第2ガス発生剤の燃焼にも悪影響を及ぼすおそれも考えられる。
図7のガス発生器200で使用している第1点火器(第1点火器組立体)100は、点火器ハウジング150が外側から金属製のカラーにより固定されているため、作動時において外れることがなく、製品の信頼性がより向上されている。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の点火器組立体は、自動車に搭載するエアバッグ装置で使用するガス発生器の点火器として使用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1、100 点火器組立体
10、110 点火器本体
20、120 樹脂部
30、130 筒状カラー
40、140 環状カラー
50、150 点火器ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7