(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コンソールドロワは、前記マウスが前記マウス収納部に収納された状態で、前記サーバラック内に収納可能であることを特徴とする請求項1に記載のコンソールドロワ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係るコンソールドロワの概略構成図である。
図2(A)〜(C)は、
図1のコンソールドロワに装着される部材を示す図である。なお、以下では、便宜上、
図1のように前後左右方向および上下方向を定義する。
【0012】
コンソールドロワ1は、サーバラックに搭載される複数のサーバのうち操作対象となるサーバを選択的に切り替えるKVMスイッチ(K:キーボード、V:ビデオ、M:マウス)(不図示)に電気的に接続されている。
【0013】
図1に示すように、コンソールドロワ1は、底板11、底板11上に搭載される基板12、表示装置13、及びマウスパッド14を備えている。底板11は、底板11の一部に切り込みを入れて立設され、キーボードユニット20(
図2(A)参照)を固定する固定部15A,15Bと、底板11の一部に切り込みを入れて立設された立設部17とを備えている。各固定部15A,15Bの中央には孔16が形成されている。また、底板11は、右端から鉛直上方に曲げられた右側壁31と、左端から鉛直上方に曲げられた左側壁37とを備えている。
【0014】
図2(A)に示すように、キーボードユニット20の前方側面には、複数の突起21及び複数の付勢部22が形成されている。キーボードユニット20の後方側面には、複数の突起21(不図示)が形成されている。キーボードユニット20の前方側面に設けられた複数の突起21が固定部15Aに形成された孔16に挿入されると、複数の付勢部22は複数の立設部17に当接して、キーボードユニット20を後方に付勢する。これにより、キーボードユニット20の後方側面に設けられた複数の突起21が固定部15Bに形成された孔16に挿入され、キーボードユニット20は底板11上に固定される。
【0015】
基板12は、KVMスイッチの設定等ができるモードにするためのホットキーボタン23、KVMスイッチに含まれる複数のポートを選択するための複数のボタン24、USB(Universal Serial Bus)コネクタ26,27、及び専用コネクタ28を備えている。尚、基板12は、マイコンや配線を含むが、
図1では省略されている。ボタン24でKVMスイッチに含まれるポートを選択すると、専用コネクタ28に接続されているケーブルを介してKVMスイッチに選択信号が送信される。また、専用コネクタ28に接続されているケーブルは不図示の電源に接続されており、基板12に電力を供給する。基板12は、ネジ30で底板11上にネジ止めされている。
【0016】
USBコネクタ26,27は互いに電気的に接続されている。USBコネクタ26には、USBケーブル29のコネクタ29Aが接続されている。USBケーブル29は、底板11の右側壁31に沿って、キーボードユニット20の前方に引きまわされている。USBケーブル29のコネクタ29Bは、キーボードユニット20の前方且つ右側壁31の近傍の底板11上にネジ止めされている。底板11の右側壁31には、後述するマウスケーブル収納部に形成された突起と係合する孔32が形成されている。
【0017】
表示装置13の左右の下端には、ヒンジ33が設けられており、
図1の矢印A方向に開閉する。表示装置13の上面13Aには、取っ手34と、ロック機構35とが形成されている。表示装置13が閉じた状態では、ロック機構35の爪35Aがマウスパッド14の凹部14Aと係合する。ロック機構35を押し下げて、爪35Aをマウスパッド14の凹部14Aから解除しながら表示装置13を引き上げることで、表示装置13は
図1のように開いた状態になる。表示装置13の表示パネル13Cがキーボードユニット20等と接触することを防止するために、表示装置13の前面13Bの左右上端には、ゴム脚36が貼り付けられている。
【0018】
底板11の右側壁31及び左側壁37は、サーバラックの一対のスライド式レール40の間にネジ止めされている。サーバラックの左レールカバー41には、孔42が形成されている。底板11の左側壁37の前端には、ロック機構43が設けられている。コンソールドロワ1がサーバラック内に収納されている場合には、ロック機構43の爪45が左レールカバー41の孔42に係合する。この状態で、ロック機構43のピン44を左側に押すと、爪45が孔42から解除され、コンソールドロワ1を前方に引き出すことができる。
【0019】
前蓋46は、ロック機構43のピン44を貫通させる孔53を備え、前蓋46の前面には、取っ手47が設けられている。起立時の前蓋46の左右の下端48(
図1では前蓋46の左右の後端)は、回転可能に右側壁31及び左側壁37にそれぞれ固定されている。起立時の前蓋46の左右の上端(
図1では前蓋46の左右の前端)は、支持部材50の一端にネジ49で固定されている。支持部材50は、ガイド溝51を有し、ネジ52がガイド溝51を介して右側壁31及び左側壁37にそれぞれ固定されている。取っ手47を下方向に引くと、支持部材50がガイド溝51に沿って移動し、前蓋46は起立状態から前方向に倒れる、つまり、矢印B方向に回転する。取っ手47を上方向に押すと、前蓋46は起立状態に戻る。
【0020】
また、
図1の底板11には、
図2(B)に示すカバー55をネジ止めするためのボス54が形成されている。カバー55は、キーボードユニット20を露出する貫通孔56と、マウスパッド14を露出する貫通孔57と、ボス54にネジ止めされるネジを貫通させるネジ孔58とを備えている。尚、カバー55が底板11にネジ止めされた状態で、キーボードユニット20は着脱可能である。
【0021】
さらに、
図1の底板11には、
図2(C)に示すマウスケーブル収納部60をネジ止めするためのボス59が形成されている。
【0022】
図3(A)は、上側から見たマウスケーブル収納部60の斜視図であり、
図3(B)は、下側から見たマウスケーブル収納部60の斜視図である。マウスケーブル収納部60は、概ね箱状に形成されており、ベース部61と上蓋75とを備えている。ベース部61の底面62Aには、マウスケーブルが巻き付けられる複数の巻き付け部63が形成されている。巻き付け部63は、ベース部61の底面62Aから起立し、マウスケーブルが巻き付けられる胴部63Aと、胴部63Aの上端に平板状に形成され、胴部63Aに巻き付けられたマウスケーブルの上方向への膨らみを抑える頭部63Bとを備えている。本実施の形態では、ベース部61は3つの巻き付け部63を備えているが、巻き付け部63の個数は3つに限定されるものではない。巻き付け部63の個数は2つでもよい又は4つ以上でもよい。また、巻き付け部63の形状も
図3(A)及び
図3(B)の例に限定されるものではない。
【0023】
ベース部61は、底面62AからΓ形状に延設され、マウスケーブル収納部60の外側に伸びるマウスケーブルを固定して長さを規定するフック64を有する。ベース部61の底面62Aの左端には、ボス59(
図1参照)にネジ止めされるネジを貫通させるネジ孔65が形成されている。ベース部61の右側面62Bには、底板11の右側壁31に設けられた孔32と係合する突起66(
図3(B)参照)が形成されている。突起66を底板11の右側壁31に設けられた孔32と係合し、ベース部61の底面62Aをネジ孔65を介してボス59にネジ止めすることで、マウスケーブル収納部60は、底板11に固定される。
【0024】
また、ベース部61の右側後端には、ベース部61の底面62Aから上方に突出する突出部67が形成されている。
図3(B)に示すように、突出部67の下には、空間が形成されている。マウスケーブル収納部60が底板11に取り付けられた場合には、突出部67の下の空間に、底板11に固定されたUSBケーブル29のコネクタ29Bが配置される。また、突出部67及び底面62Aの一部には、マウスケーブルのコネクタをUSBケーブル29のコネクタ29Bに差し込むための開口68が形成されている。
【0025】
図3(A)の上蓋75の左右下端(つまり、
図2(C)の上蓋75の左右後端)には、ベース部61の突出部67及び左側壁69に形成された孔(不図示)に挿入される回転軸74(
図3(B)参照)が形成されている。回転軸74がベース部61の突出部67及び左側壁69に形成された孔(不図示)に挿入されることで、上蓋75はベース部61に連結され、
図3(A)の矢印C方向に開閉できる。
【0026】
図3(A)の上蓋75の左側面の上部(つまり、
図2(C)の上蓋75の左側面の前側)には、上蓋75を持ち上げるための取っ手76が形成されている。また、
図3(A)の上蓋75の右側面の上部(つまり、
図2(C)の上蓋75の右側面の前側)には、マウスケーブルをマウスケーブル収納部60から外側へ貫通させる溝77が形成されている。また、開口68と対向する上蓋75の部分79は、マウスケーブルのコネクタと接触しないように肉厚が薄くなっている。
【0027】
図2(C)に示すように、上蓋75は、マウスケーブルの収納空間を増やすために、ベース部61から高さ方向(つまり上方向)に約2mm突出しており、上蓋75の上面80(つまりおもて面)は平坦であり、後付けされたマウス(以下単にマウスという)の操作台となる。
図3(A)の上蓋75の裏面には、巻き付け部63の頭部63Bと対向するように突出する複数のリブ78が形成されている。上蓋75が閉じられたときに、リブ78は巻き付け部63の頭部63Bと接触し、上蓋75を支持する。これにより、上蓋75の上面80でマウスが操作される場合でも、上蓋75がたわむことを回避できる。
【0028】
突出部67の上面には、表示装置13が閉じられたときに、表示装置13の前面13Bの右上端に貼り付けられたゴム脚36と接触する凹部70が形成されている。
図4に示すように、表示装置13が閉じられた場合には、表示装置13の前面13Bの左右上端に貼り付けられたゴム脚36が凹部70及びカバー55の上面に接触し、表示装置13の表示パネル13Cがマウスケーブル収納部60(つまり上蓋75の上面80)、キーボードユニット20及びマウスパッド14に接触しないように構成されている。
【0029】
図5は、キーボードユニット20、マウスパッド14、カバー55及びマウスケーブル収納部60が搭載されたコンソールドロワ1を示す斜視図である。
【0030】
図5に示すように、マウスパッド14の前側且つマウスケーブル収納部60の左側には、マウスを収納するマウス収納部90が形成されている。マウス収納部90に収納されるマウスの高さは、4cm以下であることが好ましい。これは、底板11及びマウスの高さの合計が1Uサーバの高さ(約4.5cm)を超えるとマウスを収納できないからである。底板11の前後方向の長さを変更することでマウス収納部90の前後方向の長さを変更することができる。また、コンソールドロワ1の左右方向の幅を変更すること又はマウスケーブル収納部60の左右方向の幅を変更することでマウス収納部90の左右方向の長さを変更することができる。
【0031】
図6〜
図8は、マウスの収納方法を説明する図である。
図9は、マウスの使用状態を示す図である。
【0032】
まず、
図6に示すように、マウスケーブル収納部60の上蓋75を開け、マウス100をマウス収納部90に載置し、マウスケーブル収納部60の外側に伸びるマウスケーブル101の長さLを確保し、マウスケーブル101をフック64に引っ掛ける。
【0033】
次いで、
図7に示すように、残りのマウスケーブル101(長さLのマウスケーブル101以外の部分)を巻き付け部63に巻き付け、マウスケーブル101の一端に接続されたUSBコネクタ102をコネクタ29Bに差し込む。尚、巻き付け部63が3つあるので、残りのマウスケーブル101の長さを考慮して、残りのマウスケーブル101を巻きつける巻き付け部63を3つの巻き付け部63から適宜選択する、つまり残りのマウスケーブル101が弛まないように巻き付け位置を調整する。
【0034】
その後、
図8に示すように、長さLのマウスケーブル101を溝77からマウスケーブル収納部60の外側に出して、マウスケーブル収納部60の上蓋75を閉じる。以上により、マウス100はマウス収納部90に収納され、残りのマウスケーブル101はマウスケーブル収納部60に収納される。
【0035】
ユーザがマウス100を使用する場合には、
図9に示すように、ユーザはマウス100を上蓋75の上面80上に移動して、上蓋75の上面80上で操作することができる。マウス100の使用後には、ユーザはマウス100をマウス収納部90に戻す。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態によれば、コンソールドロワ1は、マウス100を収納するマウス収納部90と、マウス100のマウスケーブルが巻き付けられる巻き付け部63を含むマウスケーブル収納部60とを備えている。よって、後付けされたマウスを収納することができる。
【0037】
本実施の形態では、マウス100としてUSBコネクタを有するマウスが使用されているが、マウス100としてPS/2コネクタを有するマウスが使用されてもよい。この場合、コネクタ29BとしてPS/2コネクタが使用される。
【0038】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。