特許第6585566号(P6585566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585566
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】ステッカー
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/02 20060101AFI20190919BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20190919BHJP
   B60J 1/20 20060101ALI20190919BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   G09F3/02 C
   G09F3/02 F
   B32B17/10
   B60J1/20 Z
   B60J1/00 G
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-168676(P2016-168676)
(22)【出願日】2016年8月31日
(65)【公開番号】特開2018-36443(P2018-36443A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2018年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100207653
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】泉 周平
(72)【発明者】
【氏名】大橋 勇気
(72)【発明者】
【氏名】青木 夏美
【審査官】 中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−100554(JP,A)
【文献】 特開平11−327440(JP,A)
【文献】 特開2011−137923(JP,A)
【文献】 実開平1−115772(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0287972(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/02
B60J 1/00
B60J 1/20
B32B 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のスモークガラスに貼り付けるステッカーであって、
半透過性印刷層と、白色半透明膜と、透明粘着層とを備え、
前記スモークガラス側から前記透明粘着層、白色半透明膜及び半透過性印刷層の順に設けられ
前記白色半透明膜は、透明基材のいずれかの面に白色半透明印刷層を設けたものであることを特徴とするステッカー。
【請求項2】
車両のスモークガラスに貼り付けるステッカーであって、
半透過性印刷層と、白色半透明膜と、透明粘着層とを備え、
前記スモークガラス側から前記透明粘着層、白色半透明膜及び半透過性印刷層の順に設けられ、
前記スモークガラスと反対側の表面に、シルクスクリーン印刷のクリア印刷層を設けたことを特徴とするステッカー。
【請求項3】
前記白色半透明印刷層は、インクジェット印刷のドット印刷層若しくはシルクスクリーン印刷のドット印刷層であることを特徴とする請求項記載のステッカー。
【請求項4】
前記スモークガラスと反対側の表面に、シルクスクリーン印刷のクリア印刷層を設けたことを特徴とする請求項1又は3記載のステッカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のスモークガラスに貼り付けるステッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車外装装飾ステッカーとして、基材フィルムに、隠蔽層とカラー層とクリア層を設けたものがあり、カラー層の下地に隠蔽層を設けることにより、貼り付け部位の色の影響を受けずに、カラー層を視認することができる。
【0003】
また、住居インテリア用ステンドグラス風フィルムとして、透明な基材フィルムの表面にカラー層を設け、その基材フィルムの裏面側を窓ガラスに貼り付けるものがある。このステンドグラス風フィルムは、隠蔽層がないため、屋外及び屋内の光がカラー層に透過してステンドグラス風な窓ガラスが得られる。
【0004】
ところで、UVカットやプライバシー保護等のための自動車用スモークガラスに、上記自動車外装装飾ステッカーを貼り付けた場合、隠蔽層があるため車外から見た場合は反射光によりカラー層を視認することができるが、車内からは遮蔽層に遮られカラー層を視認することができない。
【0005】
また、隠蔽層の無い上記住居インテリア用ステンドグラス風フィルムを、自動車用スモークガラスに貼り付けた場合、外光が透過して車内側ではカラー層が綺麗に発色するが、スモークガラスの影響により車外からの見た目が暗くなり、カラー層の発色性が得られない。
【0006】
一方、反射光と透過光による見え方の違いを考慮したものとして、透過、反射と隠蔽機能を有する白色半透明膜の両面に同じ画像を転写、印刷、あるいは画像を配した透明フィルムの貼付により両画像が完全に輪郭等を重なり合う様にした構造からなる昼夜兼用画像(例えば特許文献1)が提案されている。
【0007】
上記特許文献1の昼夜兼用画像では、透過光で見る画像の色の濃さ(濃度)を反射光で見る画像の色の濃さ(濃度)の2倍にすることにより、反射光と透過光の両者とも綺麗な画像を見ることができると記載されている。しかし、この昼夜兼用画像でも、自動車用スモークガラスに貼ると、スモークガラスにより車外側からの透過光の透過率が低下するため、車内側から見た画像が暗くなるという問題がある。
【0008】
さらに、両面図柄ステッカーにおいて、スモークガラスを通しての視認性の向上を目的としたものとして、支持体層、支持体層の少なくとも一方の面に施された印刷層、及び印刷層側に粘着剤層を有し、該粘着剤層が支持体層の周囲のみに施された低光透過率媒体貼付用感圧接着用ステッカー(例えば特許文献2)がある。この特許文献2の両面柄型ステッカーでは、印刷層の周囲のみに粘着剤層を設け、スモークガラスと印刷層との間に平滑な空気層を設けることによりスモークガラスを通しての視認性が向上すると記載されている。
【0009】
しかし、特許文献2の両面図柄ステッカーは反射光用のステッカーであるから、ステッカーの両面に図柄を印刷する必要がある。また、両面図柄ステッカーを自動車のスモークガラスに貼った場合、ステッカー箇所から外部を見ることができず、車内側からの視認性が低下し、車外の様子が分かり難くなり、さらに、車内側が明るくないと、室内側の面の図柄を綺麗に見ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−99230号公報
【特許文献2】特開平11−327440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、スモークガラスに貼るステッカーにおいて、車外・車内の両方から印刷層を視認することができるステッカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両のスモークガラスに貼り付けるステッカーであって、半透過性印刷層と、白色半透明膜と、透明粘着層とを備え、前記スモークガラス側から前記透明粘着層、白色半透明膜及び半透過性印刷層の順に設けられ、前記白色半透明膜は、透明基材のいずれかの面に白色半透明印刷層を設けたものであることを特徴とする。
【0013】
請求項2に係る発明は、車両のスモークガラスに貼り付けるステッカーであって、半透過性印刷層と、白色半透明膜と、透明粘着層とを備え、前記スモークガラス側から前記透明粘着層、白色半透明膜及び半透過性印刷層の順に設けられ、前記スモークガラスと反対側の表面に、シルクスクリーン印刷のクリア印刷層を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記白色半透明印刷層は、インクジェット印刷のドット印刷層若しくはシルクスクリーン印刷のドット印刷層であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る発明は、前記スモークガラスと反対側の表面に、シルクスクリーン印刷のクリア印刷層を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の構成によれば、スモークガラスの外からも内からも、半透過性印刷層を見ることができる。また、低コストなステッカーが得られる。
【0017】
請求項2の構成によれば、スモークガラスの外からも内からも、半透過性印刷層を見ることができる。また、耐久性を確保することができる。
【0018】
請求項3の構成によれば、半透過性印刷層の視認性を維持することができる。
【0019】
請求項4の構成によれば、耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1を示すステッカーとスモークガラスの断面図である。
図2】同上、車両後部の斜視図である。
図3】同上、スモークガラスにステッカーを貼り付けた取付構造の断面図である。
図4】同上、印刷工程のブロック図である。
図5】同上、他の印刷工程のブロック図である。
図6】本発明の実施例2を示すステッカーとスモークガラスの断面図である。
図7】本発明の実施例3を示すステッカーとスモークガラスの断面図である。
図8】本発明の実施例4を示す表面に凸部を設けたステッカーとスモークガラスの断面図である。
図9】同上、表面に凹部を設けたステッカーとスモークガラスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明のステッカーの実施例について説明する。
【実施例1】
【0022】
図1図5は本発明の実施例1を示す。同図に示すように、車両貼付用印刷シートであるステッカー1は、自動車などの車両のスモークガラス2の外面に貼り付けるものである。前記スモークガラス2は、ガラス自体の光透過率を下げたものや、ガラスに自動車窓ガラス用フィルムを貼ったものなどが例示され、透明ガラスより光透過率が低い。
【0023】
前記ステッカー1は、光透過性を有する透明基材3の表面に、白色半透明印刷層4と、半透過性印刷層5と、光透過性を有す透明なクリア印刷層6とを重ね合わせて設け、前記透明基材3の裏面に、光透過性を有する透明粘着層7を設けている。そして、前記透明基材3とこの透明基材3の表面に施した白色半透明印刷層4とにより、白色半透明膜8を構成している。また、前記半透過性印刷層5は、着色表示部であって、この例ではステンドグラスを模した図形を表している。
【0024】
尚、半透明は、透明より透明の程度が少ないことをいい、半透明は、透明に比べて光透過性は低く、光の一部を透過し、一部を反射する。
【0025】
前記透明基材3は、ポリウレタン樹脂,塩化ビニル樹脂,PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)などからなる合成樹脂製の透明フィルムが用いられる。また、印刷層の印刷手法としては、インクジェット印刷やシルクスクリーン印刷が用いられる。また、印刷には、ウレタン系インクや塩酢ビ系インクなどの合成樹脂系インク等が用いられる。尚、前記透明基材3の厚さは、50〜500μmであり、前記各印刷層4,5,6より厚い。
【0026】
前記白色半透明印刷層4は、前記透明基材3の表面に厚さ2〜10μm程度の白色印刷を施すことにより形成され、インクジェット印刷のドット印刷又はシルクスクリーン印刷によるドット印刷により形成される。この場合、ドット印刷における印刷領域(ドットが形成された領域)と非印刷領域(ドットが形成されていない領域)の割合を調整することにより、半透明の白色半透明印刷層4を形成にすることができる。
【0027】
また、前記白色半透明印刷層4により、半透過性の隠蔽印刷層を構成している。尚、白色インクを用いた印刷において、非印刷領域を設けずに印刷層の厚さを調整することにより、半透明の白色半透明印刷層4を形成することができる。
【0028】
前記半透過性印刷層5は、前記白色半透明印刷層4が設けられた前記白色半透明膜8の表面に、厚さ2〜10μm程度の印刷を施し、この例ではステンドグラスを模した印刷が
施され、複数の色のインクを用いた印刷により模様や絵などが表されている。
【0029】
前記クリア印刷層6は、透明インクにより前記半透過性印刷層5の表面に厚さ10〜20μmの厚さに形成される。好ましくは前記クリア印刷層6は、シルクスクリーン印刷により形成され、白色半透明印刷層4及び半透過性印刷層5に比べて厚く形成されている。
【0030】
この場合、クリア印刷層6は、半透過性印刷層5のオーバーコート層となるから、半透過性印刷層5をインクジェット印刷などにより形成した場合、半透過性印刷層5に比べて耐久性の高いシルクスクリーン印刷のクリア印刷層6により、その半透過性印刷層5を保護することができる。尚、透明粘着層7は印刷や塗布などにより設けられる。
【0031】
ところで、この例では、シルクスクリーン印刷において、ステンドグラスを模した印刷画像が描かれたシルクスクリーン(版)を製作し、このシルクスクリーンを通して例えば溶剤乾燥型又は加熱硬化型インク等を印刷し、前記シルクスクリーン印刷は単色印刷で行われるため、異なる色を印刷するには、色の異なるインクを用いて多層印刷を行う必要がある。このため、シルクスクリーン印刷では加工工数や加工時間が掛かる面がある。
【0032】
これに対して、インクジェット印刷は、電子制御されたヘッドノズルからインクを噴霧することで印刷を行う方法であり、多色印刷を安価に行うことができるが、反面、シルクスクリーン印刷に比べて、耐久性に劣る面があり、発明者らはこれら見地に基き新規な製造方法を提案する。
【0033】
本発明によるステッカー1の製造方法の一例につき、印刷を中心にして説明する。図4に示すように、前記透明基材3に白色半透明印刷層4を印刷する白色半透明印刷工程(S1)を、インクジェット印刷により行う。次に、白色半透明印刷層4の表面に半透過性印刷層5を印刷する半透過性印刷工程(S2)を、インクジェット印刷により行い、この半透過性印刷工程(S2)では多色印刷を行う。次に、半透過性印刷層5の表面にクリア印刷層6を印刷するクリア印刷工程(S3)を、シルクスクリーン印刷により行う。この場合、インクジェット印刷により、白色半透明印刷工程(S1)に続けて半透過性印刷層工程(S2)を行ってもよく、具体的には、白色半透明印刷層4と半透過性印刷層5を透明基材3の同じ側の面に設けるから、図5に示すように、インクジェット印刷機により白色半透明印刷層4と半透過性印刷層5の印刷を連続して行う白色半透明印刷及び半透過性印刷工程(S1´)とすることもできる。
【0034】
半透過性印刷層5を印刷した後、半透過性印刷層5の表面にクリア印刷層6を印刷するクリア印刷層工程(S3)をシルクスクリーン印刷により行う。
【0035】
尚、透明基材3の裏面に透明粘着層7を設け、この透明粘着層7に剥離紙(図示せず)を設けた後、図4及び図5に示した印刷工程を行うことができ、或いは図4及び図5に示した印刷工程の後、透明基材3の裏面に透明粘着層7を設けてもよい。
【0036】
上記の製造方法によれば、多色の半透過性印刷層5をインクジェット印刷により行うことにより、シルクスクリーン印刷に比べて安価に製造することができる。また、インクジェット印刷により、白色半透明印刷層4が硬化した後、半透過性印刷層5を連続して印刷することができる。さらに、インクジェットによる印刷層4,5が、シルクスクリーン印刷等によるクリア印刷層6により覆われるため、インクジェットによる印刷層4,5が保護され、ステッカー1が耐久性に優れたものとなる。
【0037】
そして、上記のステッカー1を自動車のスモークガラス2の外面に貼り付ける。図2では、自動車の後部側面に位置する窓31にステッカー1を貼り付けている。この場合、開
閉しない窓31のスモークガラス2にステッカー1を貼ることが好ましいが、ステッカー1を貼っても開閉可能であれば、開閉する窓31Aのスモークガラス2にステッカー1を貼ることができる。尚、前記窓31Aは、自動車に開閉可能に設けた後部ドア32に設けられ、この後部ドア32はスライドドアである。
【0038】
図2において、21はステンドグラスのリムを表すリム表示部であり、22はリム表示部21の間に設けられた着色ガラス表示部である。また、ステッカー1の透明粘着層7には図示しない剥離紙が設けられており、この剥離紙を剥いでスモークガラス2の外面にステッカー1を貼り付ける。
【0039】
このようにスモークガラス2の外面にステッカー1を貼り付けたステッカー1の貼付構造では、車外からは外光Gが白色半透明印刷層4及びスモークガラス2に反射し、外光Gの反射光H,Hにより半透過性印刷層5の図柄が発色して視認されると共に、車内から車外に向かう車内光Nの透過光Tにより半透過性印刷層5の図柄が視認され、一方、車内からは外光Gが白色半透明印刷層4及びスモークガラス2を透過し、外光Gの透過光Tにより半透過性印刷層5の図柄が発色して視認されると共に、車内光Nの反射光Hにより半透過性印刷層5の図柄が視認することができる。そして、車外が車内より明るい場合、車外からは主として外光Gの反射光Hにより半透過性印刷層5の図柄が発色して視認され、車内からは主として外光Gの透過光Tにより半透過性印刷層5の図柄が発色して視認される。また、車外が所定の明るさであれば、ステッカー1を通して、自動車の外側にあるものを視認することができる。
【0040】
このようにスモークガラス2に貼るステッカー1において、光透過性を有する隠蔽層として、白色半透明印刷層4を備えることにより、車外への発色性と車内への透過性を両立させることができる。この場合、前記白色半透明印刷層4の不透明度は、30%以上、70%以下とすることが好ましい。尚、不透明度はJIS P 8149に準じて測定した値である。
【0041】
そして、白色半透明印刷層4の不透明度が70%を超えると、車内側からの半透過性印刷層5の視認性が低下し、また、スモークガラス2とステッカー1を通して外部の視認性を維持できなくなるためである。さらに、白色半透明印刷層4の不透明度が30%未満であると、反射光Hによる車外からの半透過性印刷層5の発色性が低下するためである。
【0042】
このように本実施例では、請求項1及び2に対応して、車両のスモークガラス2に貼り付けるステッカー1であって、半透過性印刷層5と、白色半透明膜8と、透明粘着層7とを備え、スモークガラス2の側から透明粘着層7、白色半透明膜8及び半透過性印刷層5の順に直接重ね合わせて設けられているから、スモークガラス2の外からも内からも、半透過性印刷層5を見ることができる。
【0043】
このように本実施例では、請求項に対応して、白色半透明膜8は、透明基材3のいずれかの面である表面に白色半透明印刷層4を設けたものであるから、低コストなステッカー1が得られる。尚、白色半透明印刷層4は、透明基材3の表面と裏面の一方にのみ設けることが好ましい。
【0044】
このように本実施例では、請求項3に対応して、白色半透明印刷層4は、インクジェット印刷のドット印刷層若しくはシルクスクリーン印刷のドット印刷層であるから、半透過性印刷層5の視認性を維持することができる。
【0045】
このように本実施例では、請求項2及び4に対応して、スモークガラス2の反対側の表面、この例では半透過性印刷層5の表面に、シルクスクリーンのクリア印刷層6を設けたから、耐久性を確保することができる。
【0046】
以下、実施例上の効果として、透明基材3のいずれかの面に白色半透明印刷層4を施して白色半透明膜8を製造する方法であるから、低コストなステッカー1が得られる。また、インクジェット印刷によるドット印刷若しくはシルクスクリーン印刷によるドット印刷を用いて、白色半透明印刷層4を形成する方法であるから、半透過性印刷層5の視認性を維持することができる。また、白色半透明印刷層4が、インクジェット印刷によるドット印刷層の場合は安価に製造でき、シルクスクリーン印刷のドット印刷層の場合は耐久性に優れる。また、半透過性印刷層5を白色半透明膜8の表面側のみに設けたから、スモークガラス2を通した車内側からの視認性を維持することができる。
【実施例2】
【0047】
図6は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、実施例1の透明基材3と白色半透明印刷層4に換えて、白色半透明の白色半透明基材11を用いており、このフィルム状の白色半透明基材11により白色半透明膜を構成している。尚、白色半透明基材11の厚さは、前記透明基材3の厚さと略同一である。
【0048】
このように本実施例では、請求項に対応して、車両のスモークガラス2に貼り付けるステッカー1であって、半透過性印刷層5と、白色半透明膜たる白色半透明基材11と、透明粘着層7とを備え、スモークガラス2側から透明粘着層7、白色半透明基材11及び半透過性印刷層5の順に直接重ね合わせて設けられているから、スモークガラス2の外からも内からも、半透過性印刷層5を見ることができ、また、請求項に対応して、スモークガラス2反対側の表面に、シルクスクリーン印刷のクリア印刷層6を設けたから、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
【0049】
また、この例では、白色半透明の白色半透明基材11を用いることにより、半透過性印刷工程(S2)を省略することができる。
【実施例3】
【0050】
図7は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例の白色半透明膜8は、前記透明基材3の裏面に前記白色半透明印刷層4を設けてなる。そして、白色半透明膜8の透明基材3の表面に前記半透過性印刷層5を設け、この半透過性印刷層5の表面に前記クリア印刷層6が設けられている。また、白色半透明印刷層4を設けた白色半透明膜8の裏面に前記透明粘着層7を設けており、白色半透明印刷層4の上に、前記透明粘着層7が直接重ねて設けられている。
【0051】
このように本実施例では、請求項に対応して、白色半透明膜8は、透明基材3のいずれかの面である裏面に白色半透明印刷層4を設けたものであり、また、請求項,3及び4に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0052】
また、この例では、インクジェット印刷により白色半透明印刷層4と半透過性印刷層5とを透明基材3の表面と裏面とに両面印刷することができる。
【実施例4】
【0053】
図8及び図9は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記クリア印刷層6の表面に凹凸を設けている。
【0054】
一般的なステンドグラスには、断面エ字形の鉛等のリムと複数の着色ガラスの小片とが
用いられ、前記着色ガラスの小片の周囲を前記リムで囲むようにして該リムにより複数の着色ガラスの小片を結合し、絵や模様を表現していた。これに対して、前記ステッカー1においては、前記ステンドガラスを表すように前記半透過性印刷層5を印刷形成している。具体的には、図2及び図8に示すように、前記半透過性印刷層5は、前記リムを表す前記リム表示部21と、このリム表示部21の間に設けられた複数の前記着色ガラス表示部22,22・・・とに色分けして印刷されており、複数の着色ガラス表示部22,22・・・には着色ガラスを表す複数の色が選択的に用いられている。また、リム表示部21には着色ガラス表示部22,22・・・に比べて暗い色を用いて前記リムを表しており、前記リムが前記着色ガラスの小片の周囲を縁取るように、リム表示部21が着色ガラス表示部22,22・・・の周囲に設けられている。尚、着色表示部である半透過性印刷層5は、図形以外にも文字・数字などを表示してもよい。また、前記半透過性印刷層5には、着色ガラス表示部22,22・・・以外に、ステンドグラスにおける透明ガラスの小片を表すために、透明なガラス表示部を設けてもよい。
【0055】
前記クリア印刷層6の表面には、前記リム表示部21に対応して凹凸部たるリム対応凸部9を形成し、このリム対応凸部9はリム表示部21に倣って枠線状に形成されている。従って、車外側からステッカー1を見ると、リム対応凸部9によりリム表示部21が立体的に視認され、従来にない視覚効果が得られ、ステッカー1を貼ることにより意匠性も向上する。
【0056】
尚、図8では、凹凸部として凸部を例示したが、図9に示したように、凹凸部としてリム表示部21に対応するリム対応凹部10を設けてもよい。尚、言い換えると、リム対応凹部10を設けることにより、着色ガラス表示部22に対応した部分が凸部になるようにクリア印刷層6を形成している。また、凹凸部の高さ及び深さを大きくする必要がある場合は、紫外線硬化型のUVインクを印刷してクリア印刷層6を形成してもよい。
【0057】
このように本実施例では、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0058】
また、この例では、半透過性印刷層5の図形の表示に対応した表示対応部たるリム対応凸部9及び/又はリム対応凹部10を設けたから、半透過性印刷層5の図形と合わせて立体的な表示効果を得ることができる。
【0059】
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例1〜3に、実施例4の凹凸部を設けてもよい。また、クリア印刷層をインクジェットにより印刷成形してもよく、請求項3及び4以外では、印刷層は各種の印刷方法を用いることができる。また、クリア印刷層の表面は、リム対応凸部とリム対応凹部を組み合わせて設けることができる。さらに、本発明の要旨の範囲内各実施例の構成を適宜組み合わせることができることは言うまでもない。また、ステッカーは、車両の車内と車外を仕切るスモークガラスであれば、貼り付け場所を選ばず、例えば、リアウインドのスモークガラスに貼り付けることができる。さらに、印刷層の厚さは上記実施例に限定されず、適宜選定できる。
【符号の説明】
【0060】
1 ステッカー
2 スモークガラス
3 透明基材
4 白色半透明印刷層
5 半透過性印刷層
6 クリア印刷層(クリア層)
7 透明粘着層
8 白色半透明膜
11 白色半透明基材(白色半透明膜)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9