(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サイドドロー留分および前記重質塔頂留分を組み合わせることにより、前記組み合わせ流の総重量の1重量%から2重量%のC9芳香族化合物組成を有する組み合わせ流が形成される、請求項1に記載の方法。
前記サイドドロー留分および前記重質塔頂留分を組み合わせることにより、前記組み合わせ流の総重量の1.6重量%のC9芳香族前記組成を有する組み合わせ流が形成される、請求項1に記載の方法。
前記炭化水素流を分留することが、前記サイドドロー留分の総重量の2重量%未満のC9芳香族前記組成を有する前記サイドドロー留分を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
前記塔底留分を分留し、前記残りのC8芳香族を含む重質塔頂留分を形成することが、前記重質塔頂留分の総重量の2.0重量%未満のC9芳香族前記組成を有する前記重質塔頂留分を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
前記炭化水素流を分留することが、前記炭化水素流中の前記C8芳香族化合物の90%を含む前記サイドドロー留分を形成すること、および前記炭化水素流中の前記C8芳香族化合物の10%を含む前記塔底留分を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
芳香族炭化水素を処理することによって、キシレンの選択された異性体の生成物流を形成することができる。キシレンは、ベンゼン環および2つのメチル置換基を含む芳香族炭化水素である。メチル置換基の構造上の位置に基づいて、パラキシレン、メタキシレン、およびオルソキシレンの3つのキシレン異性体が形成される可能性がある。パラキシレンは、テレフタル酸のための供給原料であり、それは、合成繊維および樹脂の製造に用いられる。メタキシレンは、特定の可塑剤、アゾ染料、および木材保存剤の製造に用いられる。オルソキシレンは、無水フタル酸のための供給原料であり、それは、特定の可塑剤、染料、および医薬品の製造に用いられる。
【0004】
所望されるキシレン異性体の作製のためには、典型的には、3種類のキシレン異性体の混合流が作製され、その後、所望されるキシレン異性体が分離される。言い換えると、所望されるキシレンは、選択的に作製されるのではなく、選択的に分離される。所望されるキシレン異性体は、所望される異性体に対して選択性である吸着剤を用いることによって、混合キシレン流から分離することができる。所望される異性体が混合キシレン流から吸着された後、残された異性体は、混合ラフィネート流中に排出される。典型的には、脱着剤が、所望されるキシレン異性体を吸着剤から脱着し、脱着剤および選択されたキシレン異性体が回収され、分留によって分離される。
【0005】
パラキシレンの作製では、吸着剤からのパラキシレンの脱着に、重質脱着剤が従来から用いられている。重質脱着剤は、キシレンよりも高い分子量および高い沸点を有するとして定義される。従って、軽質脱着剤は、キシレンよりも低い分子量および低い沸点を有するとして定義される。従来から、重質脱着剤を用いたキシレン異性体回収システムは、典型的には、軽質脱着剤を用いたシステムよりも必要とされるエネルギーが少なく、それは、分留の過程において、重質脱着剤を繰り返し蒸発して上昇させる必要がないからである。しかし、重質脱着剤システムは、典型的には、脱着剤の効果および生成物の純度を低下させる不純物などの再循環される脱着剤中での所望されない化合物の蓄積を制御するために、厳密なフィード純度を必要とする。さらに、脱着剤再循環プロセスの過程で重質脱着剤の純度を維持するために、追加の設備が必要とされ得る。また、重質脱着剤を用いたシステムは、相対的に高いリボイラー温度である蒸留塔を有する。より高いリボイラー温度は、より高い運転圧力に繋がり、それは、関与する設備のより高い圧力定格を必要とし、それによって、設備の資本コストが増加してしまう。
【0006】
比較的安価な軽質脱着剤であるトルエンなどの軽質脱着剤を用いることにより、重質脱着剤を用いたシステムよりもフィード仕様が緩和される。フィード仕様の緩和によるコスト削減は、分留塔塔頂流としての軽質脱着剤の回収に伴うエネルギーコストの上昇を相殺することができる。また、軽質脱着剤を用いたキシレン回収装置では、脱着剤の精製および保存のユニットが必要ではないことから、合計設備数も削減される。さらに、軽質脱着剤を用いたキシレン回収装置は、蒸留塔の運転圧力も低く、それによって、より安価である圧力定格の低いより薄い塔シェルが可能となる。
【0007】
選択されたキシレン異性体品を、軽質脱着剤を用いて炭化水素流から効率的に作製するためには、キシレンおよびエチルベンゼンを含む8個の炭素原子を有する(C8)芳香族炭化水素の実質的にすべてを、炭化水素流から、および処理過程での再循環流部分から分離して、選択されたキシレン異性体流に分離するための混合キシレン流を形成することが一般的には望ましい。従来のプロセスでは、混合キシレン流から、芳香族C9を除去する試みが成されてきた。これは、特に、従来の重質脱着剤システムの場合にそうであり、それは、重質脱着剤が、キシレン異性体分離の過程で芳香族C9によって汚染されてくるからである。さらに、キシレン異性体の適切な分離に影響を及ぼすのに要するエネルギーは、分離ユニットにフィードされる混合キシレン流中の芳香族C8の純度が低下されると、低減される。このエネルギー節約にも関わらず、分離ユニットへの比較的純粋な芳香族C8のフィード流が、選択されたキシレン異性体品の作製のために依然として望ましい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な記述は、単なる例示の性質のものであり、記載される実施形態の用途および使用を限定することを意図するものではない。さらに、上述の背景技術または以下の詳細な記述に提示されるいかなる理論にも束縛されることを意図するものではない。
【0015】
本明細書で述べる様々な実施形態は、選択されたゼロではない量のC9芳香族化合物を含むC8芳香族化合物流を形成するための装置および方法に関する。そのような流れは、トルエンなどの軽質脱着剤を用いたキシレン異性体分離プロセスへの混合キシレンフィードとして用いることができる。キシレン異性体分離プロセスにおけるキシレン異性体回収の効率は、混合キシレンフィード中にゼロではない量のC9芳香族化合物を含めることによって低下するものの、そのような非効率性によるコストの上昇は、混合キシレン流の形成におけるコスト削減によって相殺されて余りあることが見出された。具体的には、以下で述べるように、炭化水素流は、分留されて、8個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素(芳香族C8)および9個の炭素原子を含有する芳香族炭化水素(芳香族C9)を含む混合キシレン流のサイドドロー留分を生成する。さらに、この分留プロセスにより、芳香族C8の残りの部分を含有する塔底留分が形成される。塔底留分は、分留されて、残りの芳香族C8を含有する重質塔頂留分を形成する。この方法により、芳香族C8が、炭化水素流から効率的に単離される。さらに、サイドドロー留分および重質塔頂留分から形成された組み合わせ流は、さらに下流での処理において選択されたキシレン異性体の効率的な分離を可能とするのに充分な芳香族C8組成および充分に低い芳香族C9組成を有する。本明細書で用いられる場合、「塔頂留分」の語句および「塔頂」の用語は、分留プロセスまたは装置からの最上部留分に限定されず、最上部留分、ならびに/またはサイドドローおよび塔底留分よりも上で形成されるいずれの留分も含んでよい。さらに、本明細書で用いられる場合、「塔底留分」の語句および「塔底」の用語は、分留プロセスまたは装置からの最下部留分に限定されず、最下部留分、ならびに/またはサイドドローおよび塔頂留分よりも下で形成されるいずれの留分も含んでよい。
【0016】
ここで、
図1の選択された量のC9芳香族化合物を含むC8芳香族化合物流を形成するための装置10の代表的な実施形態を参照する。炭化水素流12は、ストリッピング塔などの分留ユニット14に、フィードポイント16においてフィードされる。代表的な炭化水素流12は、40から100質量パーセントなど、比較的高い濃度の芳香族化合物を含有する。適切な炭化水素流12は、多くの供給源から入手可能である。例えば、高過酷度モードで運転される流動接触分解(FCC)ユニットおよび分留塔は、7から10個の炭素原子を有する(C7−10)炭化水素を含む留分を生成することができ、この場合、炭化水素の60質量パーセントは芳香族化合物である。特定の石炭液化プロセスは、芳香族化合物がリッチである炭化水素流を生成し、これらの炭化水素流は、炭化水素流12としての使用に適している。その他の考え得る供給源としては、種々の石油精製プロセス、炭化水素の熱もしくは接触分解、または石油化学変換プロセスが挙げられ、芳香族化合物を生成するように設計された触媒を用いた改質器で処理された炭化水素流を含む。ある実施形態では、さらなる処理工程(
図1に示さず)を用いて、炭化水素流12から非芳香族化合物が除去されてもよく、液液抽出、抽出結晶化、クレイ処理、または追加の分留などである。
【0017】
分留ユニット14は、最上部20またはその近辺で分留ユニット14から排出される、7個以下の炭素原子を有する(C7
−)炭化水素を主として含有する塔頂留分18を形成するのに適する条件で運転される。代表的な塔頂留分18は、80%超の、例えば、95%超などの90%超の7個以下の炭素原子を有する炭化水素を含有する。分留ユニット14はさらに、ドローポイント24で分留ユニット14から排出される8個の炭素原子を有する(C8)芳香族炭化水素を主として含有するサイドドロー留分22も形成する。代表的なサイドドロー留分22は、芳香族C8がリッチであり、80%超の、例えば、95%超または98%超などの90%超の8個の炭素原子を有する芳香族炭化水素を含有する。
【0018】
サイドドロー留分22は、混合キシレン流を形成すると見なされてよい。代表的な実施形態では、サイドドロー留分は、炭化水素流からのC8芳香族化合物の80%から95%を含む。別の実施形態では、サイドドロー留分は、炭化水素流中のC8芳香族の90%など、炭化水素流中のC8芳香族化合物の92%以下を含む。代表的なサイドドロー留分22は、2重量%未満のC9芳香族化合物組成を有する。代表的なサイドドロー留分22は、少なくとも1重量%のC9芳香族化合物を含む。特定の実施形態では、サイドドロー留分は、1重量%から2重量%のC9芳香族化合物組成を有する。
【0019】
分留ユニット14はまた、その底部28またはその近辺で分留ユニット14から排出される、8個以上の炭素原子を有する(C8
+)炭化水素を主として含有する塔底留分26も形成する。代表的な塔底留分26は、80%超の、例えば、95%超などの90%超の8個以上の炭素原子を有する炭化水素を含有する。代表的な実施形態では、塔底留分は、炭化水素流からのC8芳香族化合物の少なくとも5%を含み、炭化水素流からのC8芳香族化合物の5%から20%など、例えば、炭化水素流中のC8芳香族化合物の10%である。
【0020】
異なる留分(C7
−、C8、およびC8
+など)は、存在する化合物の相対的沸点に基づいて分離される。所望される分離を行うために、分留ユニット14は、絶対圧5キロパスカル(kPa)から1800kPa(絶対圧1平方インチあたり0.7ポンド(PSIA)から260PSIA)の圧力、および35℃から360℃(65°Fから680°F)の温度で運転されてよい。
【0021】
示されるように、ドローポイント24は、フィードポイント16よりも上に位置しており、すなわち、フィードポイント16と分留ユニット14の最上部20との間である。同様に、フィードポイント16は、ドローポイント24よりも下に位置しており、すなわち、ドローポイント24と分留ユニット14の底部28との間である。代表的な実施形態では、分留ユニット14は、トレイを用いて形成され、ドローポイント24は、フィードポイント16よりも高いトレイに位置している。ドローポイント24をフィードポイント16よりも上に置くことにより、9個以上の炭素原子を有する(C9
+)炭化水素などの比較的より重質である種がサイドドロー留分22中に回収されることが阻止される。
【0022】
図1において、ある程度の芳香族C8を含むC8
+種を含有する塔底留分26は、重質芳香族分留ユニット30へ導入される。重質芳香族分留ユニット30は、重質芳香族分留ユニット30に導入された塔底留分26中の芳香族C8の実質的にすべてを含有する重質塔頂留分32を形成するのに適する条件で運転される。重質塔頂留分32は、混合キシレン流を形成すると見なされてよい。代表的な実施形態では、重質塔頂留分は、2.0重量%未満のC9芳香族化合物組成を有する。重質芳香族分留ユニット30はまた、9または10個の炭素原子を有する(C9‐C10)芳香族炭化水素を含有する重質サイドドロー留分34、および11個以上の炭素原子を有する(C11
+)炭化水素を含有する重質塔底留分36も形成する。重質サイドドロー留分34および重質塔底留分36は、さらなる処理のために装置10から排出されてよい。
【0023】
異なる留分(C8、C9‐C10、およびC11
+など)は、存在する化合物の相対的沸点に基づいて、重質芳香族分留ユニット30で分離される。重質芳香族分留ユニット30は、5kPaから1800kPa(0.7PSIAから260PSIA)の圧力、および100℃から360℃(212°Fから680°F)の温度で運転されてよい。
【0024】
混合キシレン流、すなわち、分留ユニット14からのサイドドロー留分22および重質芳香族分留ユニット30からの重質塔頂留分32は、組み合わされて、組み合わせ混合キシレン流40を形成する。代表的な組み合わせ混合キシレン流40は、1.6重量%を例とする1重量%から2重量%など、0.5重量%から5重量%のC9芳香族化合物組成を有する。さらに、代表的な組み合わせ混合キシレン流40は、炭化水素流12からの芳香族C8の実質的にすべてを含む。
【0025】
代表的な実施形態では、組み合わせ混合キシレン流40は、さらに処理されて、選択されたキシレン異性体が単離される。従って、組み合わせ混合キシレン流40は、選択されていないキシレン異性体から選択されたキシレン異性体を分離する分離ユニット42に導入される。代表的な分離ユニット42は、選択されたキシレン異性体を他のキシレン異性体と比較して選択的に収着する選択性吸着剤を含む。次に、脱着剤が用いられて、選択されたキシレン異性体が吸着剤から脱着され、脱着剤および選択されたキシレン異性体は、回収され、蒸留によって分離される。代表的な実施形態では、選択性吸着剤は、X型またはY型結晶アルミノシリケートゼオライトなどの結晶アルミノシリケートである。代表的な選択性吸着剤は、1つ以上の金属カチオンとの交換性カチオン部位を含有しており、ここで、金属カチオンは、リチウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、銀、マンガン、およびカドミウムのうちの1つ以上であってよい。収着条件は、様々であるが、典型的には、35℃から200℃(100°Fから400°F)および100kPaから3500kPa(14PSIAから500PSIA)の範囲である。
【0026】
選択されていないキシレン異性体からの選択されたキシレン異性体の分離の結果、選択されていないキシレン異性体を含有するラフィネートキシレン異性体流46が形成される。代表的な装置10では、ラフィネートキシレン異性体流46は、異性化ユニット50にフィードされ、そこでは、選択されていないキシレン異性体が異性化されて、選択されたキシレン異性体がさらに生成される。具体的には、選択されたキシレン異性体が分離ユニット42で除去されることにより、ラフィネートキシレン異性体流46の組成が、異性体種間の平衡からシフトする。ラフィネートキシレン異性体流46は、主として3つのキシレン異性体のうちの選択されていない2つを含み、選択されたキシレン異性体が相対的に不足していることから、選択されたキシレン異性体が異性化ユニット50中で生成され、キシレン異性体が平衡比に近付けられる。250℃での平衡比は、20から25パーセントのオルソキシレン、20から30パーセントのパラキシレン、および50から60パーセントのメタキシレンであるが、この平衡比は、温度およびその他の条件で変動する。
【0027】
代表的な実施形態では、異性化ユニット50は、異性化触媒52を含み、適切な異性化条件で運転される。適切な異性化条件としては、100℃から500℃(200°Fから900°F)または200℃から400℃(400°Fから800°F)の温度、および500kPaから5000kPa(70PSIAから700PSIA)の圧力が挙げられる。異性化ユニット50は、ラフィネートキシレン異性体流46に関して、0.5から50時間
−1、または0.5から20時間
−1の時間あたり液空間速度を提供するのに充分な体積の異性化触媒を含む。水素は、1モルのキシレンあたり15モルまでの水素で存在してよいが、ある実施形態では、水素は、異性化ユニット50に本質的に存在しない。異性化ユニット50は、1、2、もしくは3つ以上の反応器を含んでよく、ここで、各反応器の入り口部で適切な異性化温度が確保されるように、適切な手段が用いられる。キシレンは、上昇流、下降流、または放射状流を含む適切ないずれかの方法で異性化触媒と接触される。
【0028】
代表的な異性化触媒としては、Si:Al
2比が10/1よりも大きい、またはある実施形態では、20/1よりも大きく、細孔径が5から8オングストロームであるゼオライト系アルミノシリケートが挙げられる。適切なゼオライトのいくつかの例としては、これらに限定されないが、MFI、MEL、EUO、FER、MFS、MTT、MTW、TON、MOR、およびFAUが挙げられ、結晶構造の成分としてガリウムが存在してよい。ある実施形態では、Si:Ga
2モル比は、500/1未満であり、または他の実施形態では、100/1未満である。触媒中のゼオライトの割合は、一般的に、1重量パーセント(重量%)から99重量%、または25重量%から75重量%である。ある実施形態では、異性化触媒は、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、および白金(Pt)のうちの1つ以上を、0.01重量%から2重量%含むが、他の実施形態では、異性化触媒には、実質的にいかなる金属化合物も存在せず、ここで、実質的に存在しないとは、0.01重量%未満である。異性化触媒の残量は、アルミナなどの無機酸化物バインダーであり、球状または円筒形状を含む広範な様々な触媒形状が用いられてよい。
【0029】
キシレン異性体の平衡分布を有する異性化流54は、異性化ユニット50から排出され、分留ユニット14へ再循環される。異性化流54中のキシレンは、続いて、サイドドロー留分22または重質塔頂留分32を介して、分離ユニット42へと送られる。代表的な装置10では、異性化流54は、分留ユニット14を通され、それによって、異性化ユニット50中で異なる炭素原子数の化合物に変化したC8化合物を、留分18、34、または36を介して除去することができる。異性化流54は、ラフィネートキシレン異性体流46中よりも多い選択されたキシレン異性体を含むため、より多くの選択されたキシレン異性体を分離ユニット42で回収可能である。この結果、回収される選択されたキシレン異性体の量は、処理温度でのその理論平衡値を超えることができる。
【0030】
分離ユニット42における選択されていないキシレン異性体からの選択されたキシレン異性体の分離の結果、さらに、選択されたキシレン異性体および脱着剤を含有する抽出物流(図示せず)が形成される。分離ユニット42内では、脱着剤56が用いられて、選択されたキシレン異性体が吸着剤から脱着される。脱着剤56および選択されたキシレン異性体は、抽出物流を形成し、これは、抽出物塔(図示せず)にフィードされる。脱着剤56は、次に、分離ユニット42中の抽出物塔(図示せず)での分留によって、選択されたキシレン異性体から分離される。選択されたキシレン異性体は、塔底流として抽出物塔から排出され、それは、必要に応じて、製品品質仕様を満たすように選択されたキシレン流をさらに精製するために、仕上げ塔(finishing column)に送られてよい。選択されたキシレン流は、塔頂留分として仕上げ塔から排出され、製品流58として分離ユニット42から排出される。製品流58は、パラキシレン品、オルソキシレン品、またはメタキシレン品を例とする選択されたキシレン品として、装置10から取り出すことができる。仕上げ塔からの塔底流は、ある程度の選択されたキシレン異性体を含む場合があり、流れ60として分離ユニット42から排出される。
【0031】
分離ユニット42のいくつかの異なる実施形態が可能であり、バッチ様式で運転される単一床などであり、この場合、ラフィネートキシレン異性体流46は、選択されたキシレン異性体が脱着される前に回収され、抽出物流は、脱着の後に回収される。別の実施形態では、複数の吸着剤床が用いられ、組み合わせ混合キシレン流40および脱着剤56の導入ポイントが、異なる吸着剤床の間を次第に移動される。抽出物流およびラフィネートキシレン異性体流46の排出ポイントも、異なる吸着剤床の間を次第に移動され、それによって、各個別の吸着剤床が、セミバッチモードで用いられ、それを組み合わせることによって、疑似的な連続運転とされる。軽質脱着剤の場合、脱着剤56は、キシレンよりも低い分子量を有し、ならびに脱着剤沸点は、選択されたキシレン異性体沸点または(1もしくは複数の)選択されていないキシレン異性体沸点よりも低い。
【0032】
図2を参照すると、装置10は、他の炭化水素処理スキームと一体化されて示される。示されるように、炭化水素流12は、フィード流70から形成される。代表的なフィード流70は、ナフサ供給原料である。ナフサ供給原料は、芳香族化合物、パラフィン、およびナフテンを含み、少量のオレフィンも含み得る。用いられてよい供給原料としては、ストレートランナフサ(straight-run naphthas)、天然ガソリン、合成ナフサ、熱改質ガソリン、接触分解ガソリン、および特に、改質ナフサが挙げられる。供給原料は、沸点、または0°から230℃で定められる全範囲ナフサ(full-range nahthas)、または50%超もしくは70%超などの芳香族炭化水素の割合が高いナフサに包含されてよい。
【0033】
図2に示されるように、フィード流70は、特にフィード流70が改質ナフサ流である実施形態において、改質油スプリッター蒸留塔(reformate splitter distillation column)72にフィードされる。改質油スプリッター蒸留塔72は、フィード流70を蒸留して、塔頂流74としての低沸点流と、塔底流76としての高沸点流とに分離または「スプリット」するように機能する。改質油スプリッター蒸留塔は、例えば、塔頂流74が、7個以下の炭素原子を有する(C7
−)炭化水素を主として(80%超、90%超、または95%超など)含み得るように構成されてよい。塔底流76は、従って、8個以上の炭素原子を有する(C8
+)炭化水素を、80%超、90%超、または95%超など、主として含み得る。
【0034】
塔底流76は、その後、塔底流76中に存在し得るいずれのアルキレートおよびオレフィンも除去するために、クレイ処理器(clay treater)78へ送られてよい。クレイ処理器78は、この目的のために適する公知のいかなる方法で構成されてもよい。クレイ処理器78から排出される炭化水素流12は、従って、アルキレートおよびオレフィン化合物が、90%超など、実質的にそこから除去されたC8
+炭化水素を、80%超、90%超、または95%超など、主として含み得る。
【0035】
塔頂流74は、塔頂流74から非芳香族化合物を除去するために、改質油スプリッター蒸留塔72から、抽出蒸留プロセスユニット80へ送られる。1つの特定の実施形態では、抽出蒸留プロセスユニット80は、非芳香族化合物から芳香族化合物を分離するために、スルホラン溶媒を用いてよい。液液溶媒抽出などのその他の抽出方法も周知であり、芳香族化合物からの非芳香族化合物の分離のために実践されており、それらを、抽出蒸留プロセスユニット80の代わりに、またはそれに加えて用いることは、本明細書で考慮される。抽出蒸留プロセスユニット80は、非芳香族C7
−炭化水素を、80%超、90%超、または95%超など、主として含む流れ82、ならびにベンゼンおよびトルエンを、80%超、90%超、または95%超など、主として含む流れ84を生成する。流れ84は、さらに、例えば、クレイ処理器78に関して上述したような方法で、その中に存在し得るアルキレートまたはオレフィンも除去することによって、そのような流れにある芳香族化合物の純度を高めるために、クレイ処理器86に送られてよく、それによって、処理ベンゼンおよびトルエン流88が生成される。
【0036】
処理ベンゼンおよびトルエン流88は、その後、処理ベンゼンおよびトルエン流88中のトルエンからベンゼンを分離するために、スプリットシェル蒸留塔(split shell distillation column)90に送られる。トルエンよりも低い沸点を有するベンゼンは、塔頂生成物92として蒸留塔90から除去され、ベンゼンよりも高い沸点を有するトルエンは、サイドドロー生成物94として蒸留塔90から除去される。また、種々のキシレン異性体などの重質芳香族炭化水素を含むネット塔底液体流95も、蒸留塔90から除去され、その後、装置10に、より具体的には、
図1の分留ユニット14にフィードされる。
【0037】
サイドドロー生成物94中のトルエンは、装置10に、より具体的には、分離ユニット42の吸着剤チャンバーに、脱着剤56としてフィードされてよい。別の選択肢として、または加えて、サイドドロー生成物94は、アルキル交換ユニットプロセスユニット96にフィードされる。示されるように、アルキル交換プロセスユニット96はまた、9または10個の炭素原子を有する(C9−C10)芳香族炭化水素を含有し、装置10の重質芳香族分留ユニット30(
図1参照)から排出される重質サイドドロー留分34も受ける。また、アルキル交換プロセスユニット96は、選択されたキシレン異性体をある程度含む場合があり、装置10の分離ユニット42(
図1参照)の仕上げ塔から排出される流れ60も受ける。
【0038】
アルキル交換プロセスユニット96は、トルエン不均化プロセスによって、トルエンをベンゼンおよびキシレンに変換する。さらに、アルキル交換プロセスユニット96は、アルキル交換プロセスによって、トルエンおよび9個の炭素原子を有する(C9)芳香族炭化水素の混合物を、キシレンに変換する。不均化およびアルキル交換プロセスが水素雰囲気下で行われて、コークス形成が最小限に抑えられるように、水素がアルキル交換プロセスユニット96にフィードされる。示されるように、ベンゼンおよびトルエンを含む流れ98は、アルキル交換プロセスユニット62から排出され、その後、不均化およびアルキル交換プロセスの過程で形成されたその中にあるいずれの非芳香族化合物も除去するために、抽出蒸留プロセスユニット80に送られてよい。また、トルエンおよびキシレンの流れ99も、アルキル交換プロセスユニット62から排出され、キシレンからトルエンを分離するために、スプリットシェル蒸留塔90にフィードされる。
【0039】
本明細書で述べるように、選択された量のC9芳香族化合物を含むC8芳香族化合物流を形成するための装置および方法が提供される。この装置は、選択された量のC9芳香族化合物を含む芳香族C8リッチサイドドロー留分を形成するために、および残りの芳香族C8を含む重質塔頂留分を形成するために、2つの分留ユニットを用いる。芳香族C8および選択された量の芳香族C9を含むサイドドロー留分を形成するように分留ユニットを運転することにより、エネルギーが大きく節約される。このコスト節約は、芳香族C9を含有する混合キシレン流から選択されたキシレン異性体を回収する相対的により高いコストを相殺する。
【0040】
具体的実施形態
以下は、具体的実施形態と合わせて記載するものであるが、この記述が、説明することを意図するものであり、先の記述および添付の特許請求の範囲の範囲を限定することを意図するものではないことは理解される。
【0041】
本発明の第一の実施形態は、選択された量のC9芳香族化合物を含むC8芳香族化合物流を形成するための方法であり、この方法は、C8芳香族化合物およびC9芳香族化合物を含む炭化水素流を、C8芳香族化合物の一部およびC9芳香族化合物の一部を含むサイドドロー留分、ならびに残りのC8芳香族化合物およびC8
+炭化水素を含む塔底留分に分留する工程;塔底留分を分留して、残りのC8芳香族化合物を含む重質塔頂留分を形成する工程;およびサイドドロー留分および重質塔頂留分を組み合わせて、0.1重量%から5重量%のC9芳香族化合物組成を有する組み合わせ流を形成する工程を含む。本発明の実施形態は、この段落の第一の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、サイドドロー留分および重質塔頂留分を組み合わせることにより、組み合わせ流の総重量の1重量%から2重量%のC9芳香族化合物組成を有する組み合わせ流が形成される。本発明の実施形態は、この段落の第一の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、サイドドロー留分および重質塔頂留分を組み合わせることにより、組み合わせ流の総重量の1.6重量%のC9芳香族化合物組成を有する組み合わせ流が形成される。本発明の実施形態は、この段落の第一の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、炭化水素流を分留することは、サイドドロー留分の総重量の2重量%未満のC9芳香族化合物組成を含むサイドドロー留分を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第一の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、塔底留分を分留し、残りのC8芳香族化合物を含む重質塔頂留分を形成することは、重質塔頂留分の総重量の2.0重量%未満のC9芳香族化合物組成を含む重質塔頂留分を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第一の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、炭化水素流を分留することは、炭化水素流中のC8芳香族化合物の90%を含むサイドドロー留分を形成すること、および炭化水素流中のC8芳香族化合物の10%を含む塔底留分を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第一の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、炭化水素流を分留することは、炭化水素流中のC8芳香族化合物の92%以下を含むサイドドロー留分を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第一の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、さらに、選択されたキシレン異性体を組み合わせ流から分離することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第一の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、さらに、C8芳香族およびC9芳香族化合物を含有する組み合わせ流を、分離ユニットにフィードすること;ならびに組み合わせ流を分離ユニット中の吸着剤と接触させ、選択されたキシレン異性体を組み合わせ流から吸着させて、抽出物流およびラフィネート流を形成することを含み、ここで、抽出物流は、吸着されたキシレン異性体およびC9芳香族化合物の一部を含み、ラフィネート流は、選択されていないキシレン異性体およびC9芳香族化合物の残りの部分を含む。本発明の実施形態は、この段落の第一の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、さらに、吸着されたキシレン異性体を脱着剤と接触させ、選択されたキシレン異性体を吸着剤から脱着させて、脱着剤および選択されたキシレン異性体の流れを形成すること;ならびに脱着剤および選択されたキシレン異性体を分離することを含む。
【0042】
本発明の第二の実施形態は、選択されたキシレン異性体品を形成するための方法であり、この方法は、C8芳香族化合物およびC9芳香族化合物を含む炭化水素流を、分留ユニットにフィードする工程;炭化水素流から、C8芳香族化合物およびサイドドロー留分の総重量の少なくとも1重量%のC9芳香族化合物を含むサイドドロー留分を形成する工程;炭化水素流から、C8
+炭化水素および炭化水素流からのC8芳香族化合物の少なくとも5%を含む塔底留分を形成する工程;塔底留分を、重質芳香族分留ユニットにフィードする工程;塔底留分から、塔底留分中のC8芳香族化合物の実質的にすべてを含む重質塔頂留分を形成する工程;サイドドロー留分から、および重質塔頂留分から、選択されたキシレン異性体を分離して、選択されたキシレン異性体品を形成する工程を含む。本発明の実施形態は、この段落の第二の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、さらに、サイドドロー留分および重質塔頂留分を組わせて、組み合わせ流の総重量の0.5重量%から5重量%のC9芳香族化合物組成を有する組み合わせ流を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第二の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、さらに、サイドドロー留分および重質塔頂留分を組わせて、組み合わせ流の総重量の1重量%から2重量%のC9芳香族化合物組成を有する組み合わせ流を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第二の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、さらに、サイドドロー留分および重質塔頂留分を組わせて、組み合わせ流の総重量の1.6重量%のC9芳香族化合物組成を有する組み合わせ流を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第二の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、炭化水素流からサイドドロー留分を形成することは、サイドドロー留分の総重量の2重量%未満のC9芳香族組成を有するサイドドロー留分を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第二の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、塔底留分から重質塔頂留分を形成することは、重質塔頂留分の総重量の2.0重量%未満のC9芳香族化合物組成を有する重質塔頂留分を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第二の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、炭化水素流からサイドドロー留分を形成することは、炭化水素流中のC8芳香族化合物の90%を含むサイドドロー留分を形成することを含み、およびここで、塔底留分から重質塔頂留分を形成することは、炭化水素流中のC8芳香族化合物の10%を含む重質塔頂留分を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第二の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、炭化水素流からサイドドロー留分を形成することは、炭化水素流中のC8芳香族化合物の92%以下を含むサイドドロー留分を形成することを含む。本発明の実施形態は、この段落の第二の実施形態までを含むこの段落のこれまでの実施形態の1つ、いずれか、またはすべてであり、ここで、選択されたキシレン異性体を、サイドドロー留分から、および重質塔頂留分から分離して、選択されたキシレン異性体品を形成することは、サイドドロー留分および重質塔頂留分を組み合わせて、組み合わせ混合キシレン流を形成すること;C8芳香族化合物およびC9芳香族化合物を含有する組み合わせ混合キシレン流を、分離ユニットにフィードすること;組み合わせ混合キシレン流を分離ユニット中の吸着剤と接触させ、選択されたキシレン異性体を組み合わせ混合キシレン流から吸着させて、吸着されたキシレン異性体およびC9芳香族化合物の一部を含む抽出物流、ならびに選択されていないキシレン異性体およびC9芳香族化合物の残りの部分を含むラフィネート流を形成すること;吸着されたキシレン異性体を脱着剤と接触させ、選択されたキシレン異性体を吸着剤から脱着させて、脱着剤および選択されたキシレン異性体の流れを形成すること;ならびに脱着剤および選択されたキシレン異性体を分離して、選択されたキシレン異性体品を形成することを含む。
【0043】
本発明の第三の実施形態は、選択された量のC9芳香族化合物を含むC8芳香族化合物流を形成するための装置であり、この装置は、C8芳香族化合物を含有する炭化水素流を受け、C7
−炭化水素を含む塔頂留分、炭化水素流からのC8芳香族化合物の80%から95%を含むサイドドロー留分、および炭化水素流からのC8芳香族化合物の5%から20%を含む塔底留分を形成するように構成され、ここで、サイドドロー留分は、サイドドロー留分の総重量の1重量%から2重量%のC9芳香族化合物組成を有する、第一の分留ユニット;塔底留分を受け、塔底留分からのC8芳香族化合物の実質的にすべてを含む重質塔頂留分を形成するように構成された第二の分留ユニットを含む。
【0044】
前述の詳細な記述において、少なくとも1つの代表的な実施形態を提示したが、非常に数多くの変型例が存在することは理解されるべきである。また、1もしくは複数の代表的な実施形態は、単なる例であり、いかなる形であっても本出願の範囲、適用性、または構成を限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。そうではなく、前述の詳細な記述は、当業者に、1つ以上の実施形態を実行するための都合の良いロードマップを提供するものであり、添付の特許請求の範囲に示される範囲から逸脱することなく、代表的な実施形態で述べる要素の機能および配列に様々な変更を行ってよいことは理解される。