【文献】
MOULIN, A. et al.,Convenient two-step preparation of [1,2,4]triazolo[4,3-a]pyridines from 2-hydrazinopyridine and carboxylic acids,Tetrahedron Letters,2006年,Vol. 47,pp. 7591-7594
【文献】
POTTS, K. T. et al.,1,2,4-Triazoles. XII. Derivatives of the s-Triazolo[4,3-a]pyridine Ring System,J. Org. Chem.,1966年,Vol. 31,pp. 251-260
【文献】
FANG Y-Q. et al.,Magnesium Coordination-Directed N-Selective Stereospecific Alkylation of 2-Pyridones, Carbamates, and Amides Using a-Halocarboxylic Acids,J. Am. Chem. Soc.,2010年,Vol. 132,pp. 15525-15527
【文献】
BADONE, D. et al.,Highly Efficient Palladium-Catalyzed Boronic Acid Coupling Reactions in Water: Scope and Limitations,J. Org. Chem.,1997年,Vol. 62,pp. 7170-7173
【文献】
BALOGH, M. et al.,Studies on Naphthyridines. Part 2 [1]. Synthesis of 4-Substituted and 6-Substituted 1,6-Naphthyridin-5(6H)-ones,J. Heterocyclic Chem.,1989年,Vol. 26,pp. 1755-1769
【文献】
HAWES, E. M. et al.,1,6-Naphthyridines(1). II. 2,3-Disubstituted Derivatives and some new Tricyclic Ring Systems.,J. Heterocyclic Chem.,1974年,Vol. 11,pp. 151-155
【文献】
GODARD, A. et al.,Synthesis of Benzonaphthyridines,J. Heterocyclic Chem.,1982年,Vol. 19,pp. 1289-1296
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
酸が、塩酸、リン酸、カンファースルホン酸、2-ナフチルスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、並びにその組合せからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
NAPAが、HCl、HBr、スルホン酸、ジイソプロピルアミン又はカリウムを含む塩として存在し、スルホン酸が、2-ナフタレンスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ニトロベンゼンスルホン酸、2,5-ジクロロベンゼンスルホン酸、(-)-10-カンファースルホン酸、(+)-カンファー-10-スルホン酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、及びその組合せからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
カップリング試薬が、カルボジイミド試薬、ホスホニウム試薬、ウロニウム試薬、インモニウム試薬、イミダゾリウム試薬、有機リン試薬、酸塩化物試薬、クロロホルメート試薬、ピリジニウム試薬、及びその組合せからなる群から選択される試薬を含む、請求項10に記載の方法。
反応させることを、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(「DIEA」)、トリエチルアミン(「TEA」)、N-メチルモルホリン(「NMM」)、及びその組合せからなる群から選択される第三級アミン塩基の存在下で行う、請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本明細書において開示されているのは、(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(化合物A)、又はその塩(例えば、HCl塩):
【0045】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
及びその一水和物形態:
【0046】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
の調製である。
【0047】
化合物Aは、有利には、3種の医薬活性成分(API)出発材料:3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」)、3-フルオロ-2-ヒドラジニル-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(「PYRH」)、及びS-プロピオン酸又はエステルの収束合成を介して調製される。
【0048】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0049】
化合物Aの調製のための全体スキームが下記に示されている。化合物Aの光学純度は、入ってくる出発材料の品質及び転換のために使用される特定の試薬の両方によって合成プロセス中に制御される。キラル純度は、カップリング反応中(第2のステップ)及び脱水反応中(第3のステップ)の両方で保たれる。
【0050】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0051】
本明細書において開示されている化合物Aを調製する方法は、有利には、強固なスケーラブルな効果的なプロセスをもたらす。
【0052】
定義
化合物は、本明細書においてそれらの化学構造及び/又は化学名のいずれかによって同定され得る。化学構造及び化学名が不一致である場合、化学構造が、本明細書において化合物の同一性を決定する。本明細書に記載されている化合物は、1個以上のキラル中心及び/又は二重結合を含有することができ、そのため、二重結合異性体(即ち、幾何異性体)、エナンチオマー又はジアステレオマーなどの立体異性体として存在することができる。したがって、相対立体配置で全体的又は部分的に図示されている本明細書の範囲内の任意の化学構造は、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、エナンチオマー的に純粋、又はジアステレオマー的に純粋)並びにエナンチオマー及び立体異性混合物を含めて、例示されている化合物の全ての可能なエナンチオマー及び立体異性体を包含する。エナンチオマー及び立体異性混合物は、当業者によく知られている分離技術又はキラル合成技法を使用して、それらの構成成分エナンチオマー又は立体異性体に分割することができる。
【0053】
本発明の目的のため、「キラル化合物」は、キラリティー軸、キラリティー平面又はスクリュー構造を有する、少なくとも1つのキラリティー中心(即ち少なくとも1個の不斉原子、特に少なくとも1個の不斉C原子)を有する化合物である。
【0054】
本明細書において使用されている化学式及び名前は、基礎をなす化学的化合物を正しく及び正確に反映していると考えられる。本発明は、しかしながら、例示の目的により使用されている特別な化合物、方法又は実施形態より多くのものを提供している。したがって、本明細書において使用されている式、並びにそれに応じて示される化合物に帰属する化学名は、実施形態を例示しており、本発明によって提供されるものを、具体的に明記されていない限り任意の特定の互変異性体形態又は任意の特定の光学又は幾何異性体に必ずしも限定するわけではないことが理解される。
【0055】
別段に表示されていない限り、この明細書において使用されている用語及び略語は、関連分野における者にとって正常及び通例の意味が含まれる。
【0056】
本明細書において使用される通りの特別な略語は、以下の通りの測定単位、技法、特性又は化合物に対応する:
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAC N,N-ジメチルアセトアミド
h 時間
HCl 塩酸
H
2O 水
HSO
3- ビサルファイト
IPA イソプロピルアルコール
Kg及び/又はkg キログラム
K
2CO
3 炭酸カリウム
L及び/又はl リットル
MeTHF 2-メチルテトラヒドロフラン
M モル濃度
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
Min及び/又はmin 分
mL ミリリットル
mM ミリモル濃度
mmol ミリモル
N
2 窒素
NaHCO
3 重炭酸ナトリウム
Na
2CO
3 炭酸ナトリウム
OTf トリフルオロメタンスルホネート(トリフレート)
RT及び/又はrt 室温
THF テトラヒドロフラン
μm マイクロメートル
【0057】
「アルキル」という用語は、1個から約12個の炭素原子を有する線状又は分岐の基を包含する。アルキル基には、1個から約6個の炭素原子を有する「低級アルキル」基が含まれる。こうした基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル及びヘキシルなどが挙げられる。その上挙げられるのは、1個又は2個の炭素原子を有する低級アルキル基である。C
nという用語は、アルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、C
4アルキルは、4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。C
1〜
7アルキルは、全範囲内の任意の1つ(即ち、1個から7個の炭素原子)、並びに全てのサブグループ(例えば、1〜6個、2〜7個、1〜5個、3〜6個、1個、2個、3個、4個、5個、6個及び7個の炭素原子)から選択される炭素原子の数を有するアルキル基を指す。アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル(2-メチルプロピル)、t-ブチル(1,1-ジメチルエチル)、3,3-ジメチルペンチル及び2-エチルヘキシルが挙げられる。別段に表示されていない限り、アルキル基は非置換アルキル基又は置換アルキル基であり得る。
【0058】
「アリール」という用語は、単独で又は組合せで、1個又は2個の環を含有する炭素環式芳香族系を意味し、ここで、こうした環は、縮合方式で一緒に結合することができる。「アリール」という用語は、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、インデニル、テトラヒドロナフチル及びインダニルを含めて、芳香族基を包含する。ある特定の実施形態において、アリールはフェニルである。前記「アリール」基は、低級アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシ及び低級アルキルアミノなど、1個から3個の置換基を有することができる。-O-CH
2-O-で置換されているフェニルは、アリールベンゾジオキソリル置換基を形成する。別段に表示されていない限り、アリール基は非置換アリール基又は置換アリール基であり得る。
【0059】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用される場合、単環式又は多環式の(例えば、縮合二環式及び縮合三環式の)芳香族環系を指し、ここで、1個から4個の環原子は、酸素、窒素又は硫黄から選択され、残りの環原子は炭素であり、前記環系は、環原子のいずれかによって分子の残部に接合される。ヘテロアリール基の非限定的な例としては、以下に限定されないが、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル及びベンゾチアゾリルが挙げられる。別段に表示されていない限り、ヘテロアリール基は非置換ヘテロアリール基又は置換ヘテロアリール基であり得る。
【0060】
「アルコキシ」という用語は、線状又は分岐のオキシ含有基を包含し、各々は、1個から約10個の炭素原子のアルキル部分を有する。ある特定の実施形態において、アルコキシ基は、1個から6個の炭素原子を有する「低級アルコキシ」基である。こうした基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられる。ある特定の実施形態において、それらは、1個から3個の炭素原子を有する低級アルコキシ基である。アルコキシ基は、フルオロ、クロロ又はブロモなど1個以上のハロ原子でさらに置換されていることで、「ハロアルコキシ」基を提供することができる。ある特定の実施形態において、それらは、1個から3個の炭素原子を有する低級ハロアルコキシ基である。こうした基の例としては、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ及びフルオロプロポキシが挙げられる。
【0061】
「アルキルエステル」という用語は、本明細書で使用される場合、一般式:
【0062】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
の基を指し、式中、Rはアルキル基である。
【0063】
「エナンチオマー過剰率」又は「ee」という用語は、キラル物質のために使用される純度測定を指し、試料が一方のエナンチオマーを他方より多い量で含有する程度を反映する。ラセミ組成物(即ち、等量の右旋及び左旋のエナンチオマーを有する組成物)は0%のeeを有し、一方、純エナンチオマーを含む組成物は、100%のeeを有する。一方のエナンチオマー70%及び他方30%を含む組成物は、40%のeeを有する。
【0064】
「eeエロージョン」という用語は、溶液又は組成物のeeにおける減少を指す。
【0065】
「NAPA」という用語は:(i) (R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸、(ii) (R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸の塩、又は(iii) (i)及び(ii)の両方を一緒に指す。
【0066】
「(S)-プロピオン酸/エステル」という用語は、(i)S立体化学を有するプロピオン酸、
(ii)S立体化学を有するプロピオン酸エステル、又は(iii)(i)及び(ii)の両方を一緒に指す。
【0067】
追加の実施形態が本明細書において開示されている。開示されている実施形態は、特別な実施形態に含まれ得る様々な態様を例示している。実施例は、特別な実施形態を示す一方で、例示だけの目的により与えられると理解されるべきである。本明細書に記載されている新規な方法によって得ることができる化合物は、当業者に明らかであり、例えば開示されている化合物を提供するために記載されている適当な手順は、他のトリアゾロピリジンをどのように得るかも記載している。
【0068】
本発明の寄与は、本明細書において開示されている特別な実施形態又は態様に限定されないので、本発明は、様々な使用法及び条件に適応するための変更及び修正を含めて、追加の実施形態を当業者に提供する。例えば、材料、合成の方法、又は本明細書に記載されている手順に対する変更及び修正は、当業者に明らかであろう。
【0069】
本明細書で使用される場合及び添付の請求項において、単数形「a」、「an」及び「the」には、別段に文脈が明らかに示していない限り、複数の言及が含まれる。したがって、例えば、「化合物」への言及は、1種以上の化合物、及び当業者に知られているその等価物、その他もろもろへの言及である。「含む(comprising)」という用語は、無制限であることを意味し、示されている要素(例えば、構成成分又はステップ)を含めるが他の元素を除外しない。
【0070】
分子量などの物理的特性又は化学式などの化学的性質について、範囲が本明細書において使用されている場合、それにおける範囲及び特定の態様の全ての組合せ及び副組合せが含まれると意図される。
【0071】
本発明及び実施形態の記載が従来技術への寄与を例示する一方で、添付の請求項の範囲をこうした詳細(単数又は複数)に減縮するか、又は任意のやり方で限定することは意図されない。追加の利点及び修正は、当業者に容易に想起されよう。そのため、それのより広範な態様における本発明は、示されているとともに記載されている特定の詳細、代表的な器具及び方法、並びに例示的な例に限定されない。したがって、一般の発明の概念の趣旨又は範囲からの逸脱なく、こうした詳細から逸脱することができる。当業者は、開示されている実施形態に多数の変更及び修正がなされること、並びにこうした変更及び修正が本発明の範囲内であることを理解されよう。
【0072】
化合物Aの調製
一態様において、本明細書において提供されているのは、化合物A、化合物Aの塩、及び化合物Aの一水和物形態を調製するための方法である。化合物Aは、NAPH、PYRH及びS-プロピオン酸/エステル出発材料から3つのステップで調製することができる。第1に、NAPH及びS-プロピオン酸/エステルは、S
N2アルキル化反応を受けることで、(R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸/エステルをもたらす。S-プロピオン酸出発材料は、1つのステップで(R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸(「NAPA」)を生成する。S-プロピオン酸エステル出発材料は、第1に、NAPAのエステル類似体を生成し、引き続いて、加水分解されることでNAPAを形成する。後処理中、該酸は、場合によって、塩(例えば、HCl又は2-ナフタレンスルホン酸)を形成することができる。
ステップ1:
【0073】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R
1はBr、Cl、I又はOTfであり、R
2はCOOH又はC
1〜3アルキルエステルであり、
R
2がC
1〜3アルキルエステルである場合、NAPA又はその塩を形成する方法は、C
1〜3アルキルエステルを加水分解することで酸を形成することをさらに含む。
【0074】
第2に、NAPA及びPYRHが一緒にカップリングされることで、(R)-N'-(3-フルオロ-5-(1メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)イル)プロパンヒドラジド(「HYDZ」)を形成する。
ステップ2:
【0075】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0076】
第3に、HYDZが脱水されることで、化合物Aを形成する。
ステップ3:
【0077】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0078】
化合物Aの遊離塩基形態は、塩又は一水和物として結晶化することができる。
【0079】
ステップ1:NAPAを形成するためのNAPHのアルキル化
化合物Aの調製における第1のステップは、NAPAを形成するためのNAPHのアルキル化である。アルキル化反応のNAPA生成物は、遊離塩基として生成され、有利には安定である。
【0080】
したがって、本発明の一態様は、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【0081】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0082】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
及び塩基を、NAPA:
【0083】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和することを含むNAPAを調製するための方法を提供し、
式中、
R
1は、Br、Cl、I又はOTfであり、
R
2は、COOH又はC
1〜3アルキルエステルであり、
R
2がC
1〜3アルキルエステルである場合、NAPA又はその塩を形成する方法は、C
1〜3アルキルエステルを加水分解することで酸を形成することをさらに含む。
【0085】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
は、(S)-プロピオン酸及び/又は(S)-プロピオン酸エステル(「(S)-プロピオン酸/エステル」)を表す。
【0086】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
が酸である(即ち、R
2がCOOHである)場合、NAPAは、1つのステップ:
【0087】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
で形成される。
【0088】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
がエステルである(即ち、R
2がC
1〜3アルキルエステルである)場合、NAPAエステル類似体が形成され、これが加水分解されることでNAPAを形成することができる。
【0089】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0090】
NAPAを形成するためのNAPHのS
N2アルキル化は、(S)-プロピオン酸/エステル出発材料の立体化学の反転とともに生じることで、NAPAのRエナンチオマーを形成する。そのため、本明細書において開示されているNAPAの合成は、有利には立体選択的である。しかしながら、NAPHなどのナフチリジノンの立体特異的アルキル化は難題であり、なぜならば、ナフチリジノンは立体障害され、それらは求核性が低減しており、出発材料及び生成物は両方ともエピマー化に感受性であり、それらは2種の求核試薬(アミドの窒素原子及び酸素原子、そのため、O-アルキル化又はN-アルキル化のいずれかが潜在的に生じ得る)を有するからである。そのため、本明細書において開示されているのは、良好な収率及び高い光学純度でNAPHを立体特異的にアルキル化するための方法である。
【0091】
ナフチリジノンのアルキル化度、並びにN/Oアルキル化選択性(O-アルキル化と対比したN-アルキル化)は、反応において使用される塩基に依存し得る。本明細書において開示されているアルキル化反応のために使用される塩基は、強無機塩基、例えばルイス酸カチオンを有する金属tert-ブトキシドであり得る。具体例として、塩基は、KOtBu、NaOtBu、LiOtBu、Mg(OtBu)
2、Al(OtBu)
3、NaOSiMe
3、Cs
2CO
3、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「KHMDS」)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「NaHMDS」)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(「LiHMDS」)、又はその組合せであってよい。一態様において、塩基は、KOtBu、NaOtBu、NaOSiMe
3、Cs
2CO
3、LiOtBu、Mg(OtBu)
2、Al(OtBu)
3、又はその組合せから選択することができ、別の態様において、塩基はCs
2CO
3であってよい。
【0092】
塩基には、マグネシウムが含まれ得る。Mgが含まれる塩基の使用は、有利には、より高い反応性及びより低いeeエロージョンをもたらす。任意の特別な理論によって束縛されることなく、マグネシウムはオキソ親和性であり、NAPA上のアミドの酸素原子に(アミドの窒素原子の代わりに)選択的に結合する。結果として、NAPAのアミド上の窒素原子は、アルキル化反応において、より反応性であり、該反応は、高いN-アルキル化選択性を達成することができる。その上、任意の特別な理論によって束縛されることなく、マグネシウムは、出発材料のカルボキシレートと相互作用する。そのため、(S)-プロピオン酸出発材料は、(S)-プロピオン酸エステル出発材料より迅速に反応する。
【0093】
塩基は、NaOtBu及びMg(OtBu)
2並びに/又はKOtBu及びMg(OtBu)
2の組合せであってよい。これらの組合せ、特にKOtBu及びMg(OtBu)
2は
、S
N2アルキル化反応のための優れたN/O選択性及び高い光学純度をもたらす。ある特定の弱塩基は、iPr
2NEtを含めて、不活性であることが見出された。ある特定の金属酸化物塩基は、不完全な変換、生成物の可変光学純度、及び低いN/O選択性をもたらすことが見出された。
【0094】
(S)-プロピオン酸/エステル出発材料に関して、R
1はBr、Cl、I又はOTfであり得る。一態様において、R
1はBr又はClであり得る。例えば、(S)-プロピオン酸/エステルとしては、
【0095】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
が挙げられ得る。別の態様において、R
1はI又はOTfである。
【0096】
(S)-プロピオン酸/エステル出発材料のR
2はCOOHであり得る。これらの実施形態において、(S)-プロピオン酸/エステルは、
【0097】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。例えば、(S)-プロピオン酸は、
【0098】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。(S)-プロピオン酸/エステル出発材料の酸形態は有利であり、なぜならば、NAPAの形成が1つのステップで実施することができるからであり、出発材料のカルボキシル基がマグネシウム塩基と相互作用することができるからである。
【0099】
(S)-プロピオン酸/エステルのR
2は、OMe、OEt、OPr又はOiPrなどのC
1〜3アルキルエステルであり得る。これらの実施形態において、(S)-プロピオン酸/エステルは、
【0100】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。例えば、(S)-プロピオン酸は、
【0101】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。(S)-プロピオン酸エステルが出発材料として使用される場合、結果として得られるエステル生成物が加水分解されることで、第2のステップでNAPA(該酸)を生成する。該加水分解は、酸性条件で、例えばHCl、AcOH、又はその組合せの存在下で生じることができる。酢酸アルキルは、加水分解プロセス中にその場で形成することができるが、除去されることで良好な変換(例えば、約90%超)を達成することができる。
【0102】
該アルキル化反応は、任意の適当な溶媒中で行うことができる。溶媒は、例えば、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(「THF」)、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン)、トルエン又はアセトニトリルであり得る。
【0103】
NAPAを形成するための反応は、任意の適当な温度で行うことができる。例えば、該反応は、20℃から80℃、又は25℃から60℃、又は25℃から45℃、又は25℃から35℃の範囲の温度で行うことができる。より低い温度は、eeエロージョンを減少するために、より最適である。
【0104】
一般に、アルキル化反応には、塩基としてNaOtBu/Mg(OtBu)
2又はKOtBu/Mg(OtBu)
2を使用して、THF中の(S)-2-ブロモプロピオン酸又は(S)-2-クロロプロピオン酸を用いるNAPHのアルキル化が含まれ得る。これらの実施形態において、アルキル化反応は、上に記載されている範囲内又は約25℃から35℃の温度で行うことができる。マグネシウム塩基対ナトリウム塩基又はカリウム塩基の比は、約1.5:1から2.5:1の範囲、例えば約2:1であり得る。実施形態の一クラスにおいて、NAPH対(S)-2-クロロプロピオン酸の比は、約1:1から約1:2.5、又は約1:1.5である。
【0105】
遊離塩基NAPA生成物は、適当な酸又は塩基と接触させることで塩を形成することができる。例えば、遊離塩基は、HCl、HBr、スルホン酸、ジイソプロピルアミン、又はカリウムカチオンから選択される酸と接触させることができる。スルホン酸は、例えば、2-ナフタレンスルホン酸(「NSA」)、1-ナフタレンスルホン酸、若しくはm-キシレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ニトロベンゼンスルホン酸、2,5-ジクロロベンゼンスルホン酸、(-)-10-カンファースルホン酸、(+)-カンファー-10-スルホン酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、又はその組合せであり得る。例えば、NAPAは、2-ナフタレンスルホン酸水溶液と接触させることで塩を形成することができる。
【0106】
(S)-プロピオン酸/エステル出発材料は、当技術分野においてよく知られており、多くの供給元から(例えば、SigmaAldrichから)高いエナンチオマー純度で市販されている。トリフレート出発材料は、ジクロロメタン中での乳酸メチルとTf
2Oピリジンとの反応によって調製することができる。ピリジニウムトリフレート塩副生成物は、メチルtert-ブチルエーテルの添加時に反応溶液から結晶化し、濾過によって除去することができる。結果として得られる濾液は、アルキル化反応における使用に適当な純度を有する。トリフレート生成物の光学純度は高い(例えば、98%超のee)が、時間をかけて減少し得る。
【0107】
結果として得られるNAPA塩は、実施例セクションでさらに詳細に記載されている通り、任意の適当な精製方法によって、例えば結晶化によって精製することができる。
【0108】
本明細書における教示を考慮すると、NAPHのアルキル化は、高収率であり得(例えば、95〜97%の粗製及び80〜90%の単離)、NAPA生成物は、優れた純度(例えば、98%超)を有し得る。例えば、NAPAを形成するためのNAPHのアルキル化は、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約97%の収率を有し得る。NAPA生成物の純度は、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%又は少なくとも約99.5%であり得る。さらに、該反応は、高い光学純度(例えば、90〜97%のee)を有するNAPA生成物をもたらすことができる。NAPAの光学純度は、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%のeeであり得る。
【0109】
ステップ2: HYDZを形成するためのNAPA及びPYRHのカップリング
化合物Aの調製の第2のステップは、HYDZを形成するためのNAPAとPYRHとのカップリングである。
【0110】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0111】
HYDZを形成するためのNAPA及びPYRHのカップリングは、NAPA上のカルボキシル基をPYRH上のアミノ基と、カップリング剤を介して反応させることによって行うことで、アミド結合を形成する。カルボキシル基及びアミノ基をカップリングさせることでアミド結合を形成する方法は、当業者によく知られている。例えば、Hermanson、Bioconjugate Techniques、第2版、(2008)を参照されたい。
【0112】
したがって、本明細書において提供されている別の態様は、(R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸又はその塩(「NAPA」)を、3-フルオロ-2-ヒドラジニル-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(「PYRH」)及びカップリング試薬と、HYDZを形成するのに十分な条件下で反応させることを含む方法である。
【0113】
NAPAは、カップリング反応のために、それの遊離塩基(即ち、両性イオン形態)で使用することができる。
【0114】
NAPAは、カップリング反応のために塩形態で使用することができる。NAPAの塩形態には、HCl、HBr、スルホン酸、ジイソプロピルアミン又はカリウムカチオンが含まれ得る。スルホン酸は、例えば、2-ナフタレンスルホン酸(「NSA」)、1-ナフタレンスルホン酸、又はm-キシレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ニトロベンゼンスルホン酸、2,5-ジクロロベンゼンスルホン酸、(-)-10-カンファースルホン酸、(+)-カンファー-10-スルホン酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、又はその組合せであり得る。
【0115】
一般に、カップリング反応において、NAPAには、HCl又はスルホン酸が含まれ得る(例えば、NAPA/HCl又はNAPA/2-ナフタレンスルホン酸)。スルホン酸(例えば、2-ナフタレンスルホン酸)は、予想外にも、HYDZの単離中にeeアップグレードをもたらした。
【0116】
カップリング反応は、任意の適当なアミドカップリング試薬を使用して進行することができる。例えば、カップリング試薬は、カルボジイミド試薬、ホスホニウム試薬、ウロニウム試薬、インモニウム試薬、イミダゾリウム試薬、有機リン試薬、酸塩化物試薬、クロロホルメート試薬又はピリジニウム試薬であり得る。例えば、Han & Kim、Tetrahedron Report 60:2447〜2467 (2004); Montalbetti andn Falque、Tetrahedron 61:10827〜10852 (2005)を参照されたい。
【0117】
カルボジイミドは、例えば、N,N'ジシクロヘキシルカルボジイミド(「DCC」)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(「DIC」)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(「EDC」)、又は及びイソプロピルカルボジイミド(「CIC」)であり得る。
【0118】
ホスホニウム試薬は、例えば、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(「BOP」)又はベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(「PyBOP」)であり得る。
【0119】
ウロニウム試薬は、例えば、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(「HATU」)又はO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(「HBTU」)であり得る。
【0120】
イミダゾリウム試薬は、例えば、1,1'-カルボニルジイミダゾール(「CDI」)であり得る。
【0121】
酸塩化物試薬は、例えば、塩化ピバロイル又は2、4、6-トリメチルベンゾイルクロリドであり得る。
【0122】
クロロホルメート試薬は、例えば、クロロギ酸エチル又はクロロギ酸イソブチルであり得る。
【0123】
一態様において、カップリング試薬は、HATU及び/又はEDCから選択することができる。EDCの使用が有利であり、なぜならば、それはラセミ化又は収率の問題を有していないからである。例えば、CDIは、ヒドラジド生成物におけるエピマー化の高いレベルをもたらすことができ、エチル及びクロロホルメート、iso-クロロギ酸ブチル、塩化ピバロイル、並びに2、4、6-トリメチルベンゾイルクロリドは各々、ラセミ化及び収率の減少をもたらし得る。別の態様において、カップリング試薬は、HBTU、BOP及び/又はDCCから選択することができる。
【0124】
カップリング試薬は、約1.0当量から約1.8当量、又は約1.0当量から約1.5当量(例えば、1.1当量、又は1.2当量、又は1.3当量、又は1.4当量、又は1.5当量)の範囲の量で存在することができる。一態様において、カップリング試薬は約1.2当量の量で存在する。別の態様において、カップリング試薬は約1.3当量の量で存在する。
【0125】
該カップリング反応は、カップリング添加剤の存在下で実施することができる。カップリング添加剤は当技術分野において知られており、任意の適当な1つをHYDZの形成のために使用することができる。例えば、カップリング添加剤はベンゾトリアゾールであり得る。
【0126】
カップリング添加剤の例としては、ベンゾトリアゾール、ジカルボキシイミド、及びスクシンイミドが挙げられる。一態様において、カップリング添加剤としては、N-ヒドロキシスクシンイミド(「HOSu」)、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド(「HONB」)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(「HOBt」)、6-クロロ-1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(「Cl-HOBt」)、又は1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(「HOAt」)の1つ以上が挙げられる。別の態様において、カップリング添加剤はHOBtを含み、また別の態様において、カップリング添加剤はHOSuを含む。
【0127】
該カップリング反応は、場合によって、塩基、例えば、第三級アミン塩基の存在下で生じることができる。カップリング反応のための適当な塩基は、当技術分野においてよく知られている。一態様において、塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(「DIEA」)トリエチルアミン(「TEA」)、N-メチルモルホリン(「NMM」)、及びその組合せから選択される。実施形態の一クラスにおいて、例えばNAPAがそれの両性イオン形態で使用される場合、塩基はカップリング反応に存在し得ない。実施形態の他のクラスにおいて、塩基はカップリング反応に含まれ得る。
【0128】
塩基は、例えば、少なくとも約1当量の量で存在することができる。有利には、塩基が1当量超の量で存在する場合、ラセミ化は1%未満のeeに最小化することができる。塩基が1当量未満の量で存在する場合、2%超のeeのラセミ化が観察された。
【0129】
該カップリング反応は、非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド(「DMAc」)、又はその組合せ中で生じることができる。一態様において、非プロトン性溶媒はDMAcを含む。DMAcは、その上有利には、HYDZ生成物の再結晶化及び単離のための良好な溶媒である。別の態様において、非プロトン性溶媒はアセトニトリルを含む。
【0130】
該カップリング反応は、反応が良好な変換とともに進行するのを可能にする任意の温度で行うことができる。例えば、該カップリング反応は、10℃から30℃、又は15℃から25℃の範囲、又は20℃の温度で行うことができる。該カップリング反応は、0℃から10℃、又は2℃から8℃の範囲、又は5℃の温度でも行うことができる。
【0131】
実施形態の一型において、カップリング反応は、カップリング試薬としてEDCを、カップリング添加剤としてHOBtを、塩基としてDIEAを、及び溶媒としてDMAcを使用して実施することができる。試薬の添加の順序は、生成物の収率、純度及び光学純度に影響し得る。したがって、添加の順序は以下であってよい:(1)NAPA/2-ナフタレンスルホン酸、DMAc、HOBt、(2)DIEA、(3)PYRH、(4)EDC。実験において、NAPAが最後に添加された場合、乏しい変換は、EDC及びPYRHの反応による結果であったことが示された。実験において、PYRHが最後に添加された場合、著しいラセミ化が観察された。実験において、DIEAがPYRHの後に添加された場合、濃い反応混合物が結果となった。カップリング反応はEDCの非存在下で生じなかった。そのため、EDCが最後に添加されることで、反応を開始することができる。これらの実施形態において、NAPA/2-ナフタレンスルホン酸、HOBt及びDMAcは、例えば、それぞれ約1.0当量、約1.0当量及び約4.6体積の量で存在することができる。DIEAは、例えば、約1.0当量から約1.2当量(例えば、1.05当量)の量で存在することができる。PYRHは、例えば、約1.1当量の量で存在することができる。EDCは、例えば、約1.0当量、又は1.1当量、又は1.2当量、又は1.3当量、又は1.4当量、又は1.5当量(例えば、1.2当量又は1.3当量)の量で存在することができる。EDCは、反応混合物にゆっくり(例えば、1時間かけて4回に分けて)添加することができる。
【0132】
HYDZは、有利には、高い光学純度で水の添加時に反応溶液から直接結晶化することができる。
【0133】
さらに、HYDZ生成物は、当技術分野において知られている任意の適当な方法によって精製することができる。例えば、HYDZ生成物は、実施例セクションでさらに記載されている通り、水及びDMAc中で結晶化することができる。
【0134】
本明細書における教示を考慮すると、該カップリング反応がなされることで、良好な収率(例えば、95%超の粗製、及び約78%〜84%の単離)で安定なHYDZ生成物をもたらすことができる。例えば、NAPA及びPYRHからのHYDZの形成は、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の収率をもたらすことができる。粗収率から単離収率への損失は、99%超から約100%へのeeにおけるアップグレードを可能にする本来の結晶化による。そのため、HYDZの光学純度は、有利には、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.9%、又は約100%のeeであり得る。NAPA及びPYRHをカップリングすることに起因するHYDZの純度は、優れていることがある(例えば、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%少なくとも約99.5%、又は約100%)。
【0135】
ステップ3:化合物Aを形成するためのHYDZの脱水
化合物Aの調製の第3のステップは、化合物Aを形成するためのHYDZの脱水である:
【0136】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0137】
特に、化合物Aの調製の第3のステップは、
トリアゾロピリジン二環性コアを有する化合物である化合物Aを形成するための、HYDZ上のヒドラジンの脱水である。化合物Aは塩形態(例えば、HCl塩)として又は一水和物形態で単離することができ、空気、水分及び昇温に対して安定である。
【0138】
したがって、本明細書において提供されている別の態様は、(R)-N'-(3-フルオロ-5-(1メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)イル)プロパンヒドラジド(「HYDZ」)を、(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「A」)を形成するのに十分な条件下で反応させることが含まれる方法である。
【0139】
いくつかの試薬が該脱水反応のために使用され得る。しかしながら、HYDZは、エピマー化に特に感受性であるカルボニル炭素に隣接するキラル中心を有する。そのため、脱水中にHYDZのキラル中心を保持することは難題であり得る。本明細書において開示されているのは、HYDZのキラル中心を維持しながら、化合物Aを形成するためのHYDZの脱水を実施するための方法である。
【0140】
経路1:チオホスフェタン媒介脱水
HYDZは、それをチオホスフェタン化合物と接触させることによって脱水することができる。チオホスフェタン化合物は、例えば、2,4-ビス(アリール)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン2,4-ジスルフィド化合物であり得る。加熱とともに、チオホスフェタン化合物は、環開口反応を受けることで、下記で部分的構造によって示される通り、2種の反応性ジチオホスフィンイリドを形成することができる。Lawsonら、Tet. Lett 41:4533〜4536 (2000)及びFehrentzら、Tet Lett 47:7591〜7594 (2006))を参照されたい。
【0141】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
2,4-ビス(アリール)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン2,4-ジスルフィド化合物は、ローソン試薬又はベロー試薬:
【0142】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。一態様において、ローソン試薬が使用され得、別の態様において、ベロー試薬が使用され得る。
【0143】
HYDZをチオホスフェタン化合物と接触させることによる化合物Aの形成は、いくつかの利点を有し得る。該脱水は、所望の生成物に対する選択性で、迅速に生じることができる。選択性は、溶液中で形成する反応性オキソ親和性の3配位P(III)試薬による。反応溶液のpHは低く、そのため、脱水は光学純度の最小エロージョンとともに生じる。さらに、脱水副生物は簡便に除去することができ、脱水は有利には高収率をもたらすことができる。
【0144】
いくつかの反応条件は、脱水反応の変換及び化合物Aの光学純度、例えば、反応の温度、試薬の添加順序、添加の方法、及びチオホスフェタン化合物の当量に影響することがある。
【0145】
例えば、脱水反応の温度は、35℃から70℃、又は40℃から60℃、又は45℃から55℃の範囲であり得る。脱水反応の温度が45℃から55℃(例えば、50℃)である場合、ゴム状スラリーは存在せず、良好な光学純度の結果となる。そのため、脱水反応は、反応性中間体が消費されるまで約45℃から55℃で熟成させておくことができ、これは典型的に数時間(例えば、少なくとも2時間、少なくとも3時間、又は少なくとも4時間)である。反応性中間体が十分に消費されない場合、それらは、メトキシエチル側鎖の除去を介する化合物Aの単離ステップ及びトリガー分解(例えば、HCl分解)まで存続することができる。
【0146】
該脱水反応は、(例えば、アセトニトリル中で)チオホスフェタン化合物のスラリーを作製すること、及びスラリーにHYDZを添加することによって実施することができる。HYDZがチオホスフェタン化合物のスラリーに添加される場合、結果として得られる化合物Aの光学純度の損失は全く又はほとんどないという結果になる。代替として、チオホスフェタン化合物は、HYDZのスラリーに添加することができる。しかしながら、実施形態のこのタイプの例において、化合物Aの光学純度は、より低いことが見出された。
【0147】
HYDZは、少しずつ又はスラリーそれ自体としてチオホスフェタンスラリーに添加することができる。
【0148】
チオホスフェタン化合物は、例えば、少なくとも約0.4当量、若しくは少なくとも約0.45当量、若しくは少なくとも約0.5当量の量、又は約0.4当量から約0.65当量、若しくは約0.45当量から約0.65当量、若しくは約0.5当量から約0.55当量の範囲の量で脱水反応に存在することができる。例えば、チオホスフェタンは、少なくとも約0.5当量の量、又は約0.5当量から約0.55当量の範囲で存在することができる。
【0149】
例えば、脱水反応は、約20℃でアセトニトリル中のチオホスフェタン化合物約0.5から約0.6当量(例えば、0.52当量)のスラリーを作製すること、1時間又は2時間かけてスラリーにHYDZを少しずつ添加すること、及び結果として得られる組成物を約50℃に、HYDZの約99%消費が生じるまで加熱することによって実施することができる。そのため、一態様において、脱水反応は、チオホスフェタン化合物のスラリーを作製すること、及びそれにHYDZを添加することによって実施される。
【0150】
別の態様において、脱水反応は、チオホスフェタン化合物、HYDZ及び溶媒を一緒に混合すること、及び次いで、結果として得られる組成物を加熱することによって、スラリーを使用することなく実施することができる。
【0151】
化合物Aの結晶性遊離塩基一水和物形態は、脱水反応溶液から直接単離することができる。pH7以上を有する水リッチ結晶化溶媒(例えば、約80%から約90%の水を有するアセトニトリル/水溶液)は、任意の残留のチオホスフェタン化合物をクエンチし、塩としてのチオホスホン酸副生成物の除去を容易にし、少ない方のエナンチオマーの除去を容易にすることができる。
【0152】
例えば、化合物Aの遊離塩基一水和物形態は、反応溶液を(例えば、約3体積以下に)を濃縮すること、及び次いで水(例えば、約4体積)と一緒に反応溶液K
2CO
3(例えば、10wt.%溶液の約1.1当量)を添加することによって単離することができる。結果として得られる溶液は、化合物Aの一水和物形態をシードし(例えば、約1mol%)、熟成させ(例えば、約1時間の間)、追加の水に導入し(例えば、約4体積)、熟成させることができる(例えば、約8mg/mL未満の上澄み濃度が得られるまで)。化合物Aの遊離塩基一水和物形態の結果として得られる結晶は、有利には、前臨床的及び臨床的使用のための必要純度要件を満たす(例えば、約99.5%超の純度及び約99.9%超のee)。例えば、純度は、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.7%、又は少なくとも約99.9%、又は約100%であり得、光学純度は、少なくとも約99.9%又は約100%であり得る。そのため、それらは再結晶化させる必要がない。しかしながら、結晶は、再結晶化させることで、純度をさらに改善することができる。化合物Aの一水和物形態の形成は、実施例セクションでさらに記載されている。
【0153】
他の実施形態において、化合物Aは、塩、例えば薬学的に許容される塩として単離することができる。したがって、本明細書において提供されているのは、化合物Aを酸と、化合物Aの塩を形成するのに十分な条件下で接触させることを含む、化合物Aの塩を調製するための方法である。酸は、任意の適当な酸であってよい。例えば、酸は、塩酸、リン酸、カンファースルホン酸、2-ナフチルスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びその誘導体、コハク酸、酒石酸、フマル酸、並びにマレイン酸からなる群から選択することができる。化合物Aの塩は、反応溶液を後処理にかけること、及び結果として得られる溶液に濃酸を添加すること、場合により、化合物Aの塩を溶液にシードすること、及び場合によりシードされた溶液に抗溶媒を添加することによって調製することができる。
【0154】
化合物AのHCl塩は、例えば、反応溶液を後処理にかけること(例えば、上に記載されている通りのK
2CO
3)、及び次いで濃HClを該クエンチ溶液に添加することによって調製することができる。結果として得られる溶液は、場合により、化合物AのHCl塩をシードすることができ、抗溶媒が該溶液に添加されることで、結晶化を惹起することができる。特に、シードされた溶液は、確実にシードが効果を生じる時間の期間(例えば、少なくとも約15分)昇温(例えば、70℃)で熟成させ、次いで、約1時間の期間をかけて冷却する(例えば、約20℃に)ことができ、その後、抗溶媒(例えば、ヘプタン)が、冷却温度で熟成のための冷却溶液に添加される。化合物AのHCl塩の結果として得られる結晶は、単離及び乾燥させることができる。化合物AのHCl塩の形成は、実施例セクションでさらに記載されている。
【0155】
チオホスフェタン化合物を使用するHYDZの脱水反応は、化合物A又はその塩の高収率(例えば、99%超の粗製、及び約88%の単離)をもたらすことができる。例えば、収率は、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%であり得る。さらに、化合物A又は塩の純度は、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.7%であり得る。HYDZは、それの反応性カルボニル炭素に隣接するキラル中心を有しているが、チオホスフェタン化合物を使用するHYDZの脱水は、化合物A又はその塩を高い光学純度で生成する。例えば、化合物A又はその塩の光学純度は、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%のeeであり得る。
【0156】
化合物A、その塩、又は一水和物形態を形成するためのHYDZのチオホスフェタン脱水は、実施例セクションでさらに記載されている。
【0157】
経路2:リン(V)媒介脱水
HYDZは、それをリン(V)脱水剤と接触させることによって脱水することができる。
【0158】
脱水剤は、例えば、ハロゲン化ホスフィニル又はハロゲン化ホスホリル化合物であってよい。脱水剤は、構造:
【0159】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
を有することができ、式中、各Lは独立して、C
1〜6アルキル、O-C
1〜6アルキル、アリール、O-アリール、Cl、Br又はIであり、R
1はCl、Br又はIである。
【0160】
例えば、脱水剤の各Lは独立して、C
1〜4アルキル基(例えば、Me、Et、Pr、iPr、n-Bu、s-Bu、i-Bu又はt-Bu)、又はO-C
1〜4アルキル基(例えば、OMe、OEt、OPr、OiPr、O-n-Bu、O-s-Bu、O-i-Bu又はO-t-Bu)であり得る。各Lは、その上、アリール基、例えばフェニル、又はO-アリール基、例えばO-フェニルであり得る。各Lは、その上、ハロゲン(例えば、Br、Cl又はI)であり得る。実施形態において、一方のLはC
1〜4アルキル基であり得、他方のLはアリール基であり得る。他の態様において、各Lはフェニルである。R
1はCl、Br又はIであり得る。一態様において、R
1はClである。別の態様において、R
1はBrである。例えば、脱水剤はジフェニルホスフィニルクロリド(Ph
2P(O)Cl)であり得、別の例において、脱水剤はPOCl
3であり得る。
【0161】
脱水剤は、約1.5当量から約3.5当量、又は約2.0当量から約3.0当量(例えば、2.5当量)の量で存在することができる。
【0162】
塩基は、所望の脱水反応をもたらすことができる任意の塩基であってよい。ピリジン塩基が使用され得る。例えば、塩基は、2,4-ルチジン、2,4,6-コリジン、又はその組合せから選択することができる。塩基は、反応混合物中に過剰に存在することができる。例えば、塩基は、脱水剤の量より少なくとも約0.2当量超える量で存在することができる。塩基は、例えば、約2.5から約4.0当量、又は約2.5から約3.5当量の量で存在することができる。
【0163】
溶媒は、脱水反応が良好な変換及び光学純度で生じ得る任意の溶媒であってよい。例えば、溶媒は、アミド溶媒、スルホラン溶媒又はニトリル溶媒であってよい。溶媒は、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(「NMP」)、ジメチルアセトアミド(「DMAc」)、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びその組合せであってよい。
【0164】
脱水反応は、約60℃超、約70℃超、又は約80℃超、最大約90℃までなどの昇温で行うことができる。該反応は、反応溶液の還流温度、例えば一部の実施形態において約83℃から約86℃で行うことができる。
【0165】
反応の完了時に、それは、実施例セクションでさらに記載されている通り、クエンチすることができる(例えば、K
2CO
3/KClを用いる)。
【0166】
化合物Aは、前のセクションに記載されている通り、クエンチ溶液から塩として単離することができる。該塩は、例えば、塩酸、リン酸、カンファースルホン酸、2-ナフチルスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びその誘導体、コハク酸、酒石酸、フマル酸、又はマレイン酸塩、並びにその組合せであってよい。一態様において、該塩は塩酸塩である。一般に、濃HClが、化合物Aを含有するクエンチ溶液に添加することができ、結果として得られる溶液は、化合物AのHCl塩をシードすることができ、抗溶媒が該溶液に添加されることで結晶化を惹起することができる。特に、シードされた溶液は、確実にシードが効果を生じる時間の期間(例えば、少なくとも約15分)昇温(例えば、70℃)で成熟させ、次いで、約1時間の期間をかけて(例えば、約20℃に)冷却することができ、その後、抗溶媒(例えば、ヘプタン)が、冷却温度で熟成のための冷却溶液に添加される。化合物AのHCl塩の結果として得られる結晶は、単離及び乾燥させることができる。化合物AのHCl塩の形成は、実施例セクションでさらに記載されている。
【0167】
本明細書における教示を考慮すると、化合物Aを形成するためのリン(V)脱水剤を使用するHYDZの脱水反応、並びに化合物Aの塩の後続の単離は、本明細書に記載されている通り、良好な収率で生じることができる。例えば、化合物Aの塩の収率は、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%であり得る。さらに、化合物Aの塩の純度は、少なくとも約88%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%であり得る。ハロゲン化ホスフィニル化合物を使用することで、化合物Aの塩を高い光学純度(例えば、99.5%超のee)で生成することができる。例えば、化合物Aの塩の光学純度は、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.8%、又は少なくとも約99.9%のeeであり得る。
【0168】
化合物Aの塩(例えば、HCl塩)を形成するためのHYDZのハロゲン化ホスフィニル脱水は、実施例セクションでさらに記載されている。
【0169】
経路3:光延媒介脱水
HYDZは、それを光延条件にかけることによって脱水することができる。例えば、HYDZは、それをホスフィン
【0170】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、各L'は独立して、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である]
及びオキシダントと接触させることによって脱水することができる。
【0171】
例えば、ホスフィンの各L'は、独立して、C
1〜6アルキル基、又はC
1〜4アルキル基(例えば、Me、Et、Pr、iPr、n-Bu、s-Bu、i-Bu又はt-Bu)であり得る。各L'は、その上独立して、アリール基、例えばフェニル、又はヘテロアリール基(例えば、ピリジン)であり得る。実施形態において、一方のL'はC
1〜4アルキル基であり得、他方のL'はアリール基であり得る。他の態様において、各L'はフェニルである。他の態様において、各L'は、アリール又はヘテロアリール基のいずれかであり得る。例えば、ホスフィンは、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン又はジフェニル-2-ピリジルホスフィンであり得る。一態様において、ホスフィンはトリフェニルホスフィンである。別の態様において、ホスフィンはトリメチルホスフィンである。別の態様において、ホスフィンはジフェニル-2-ピリジルホスフィンである。
【0172】
ホスフィンは、脱水反応をもたらすための任意の適当な量で存在することができる。例えば、ホスフィンは、約1当量から約2当量の範囲、例えば、約1.1当量、又は約1.2当量、又は約1.3当量、又は約1.4当量、又は約1.5当量、又は約1.6当量、又は約1.7当量、又は約1.8当量、又は約1.9当量で存在することができる。一態様において、ホスフィンは、約1.0当量から約1.5当量(例えば、約1.2当量から約1.4当量)の範囲で存在する。別の態様において、ホスフィンは、約1.5当量から2.0当量(例えば、約1.6当量から約1.8当量)の範囲で存在する。
【0173】
オキシダントは、2個の水素原子のためのリポジトリとして働くことができる任意の薬剤であってよい。オキシダントの例としては、ベンゾキノン(例えば、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(「DDQ」))、アゾジカルボキシレート、アリールジスルフィド及び/又はヘテロアリールジスルフィド、アリールヒポクロロチオイト及びヘテロアリールヒポクロロチオイト、並びにその組合せが挙げられ得る。一態様において、オキシダントはDDQである。別の態様において、オキシダントはアゾジカルボキシレート(例えば、アゾジカルボン酸ジエチル(「DEAD」)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(「DIAD」)、ジ-(4-クロロベンジル)アゾジカルボキシレート)である。別の態様において、オキシダントはアリールヒポクロロチオイト又はヘテロアリールヒポクロロチオイトである。別の態様において、オキシダントはアリールジスルフィド又はヘテロアリールジスルフィドである。例えば、オキシダントはベンゾチアジルジスルフィドであり得る。
【0174】
オキシダントは、脱水反応をもたらすための任意の適当な量で存在することができる。例えば、オキシダントは、約1当量から約2当量、例えば、約1.1当量、又は約1.2当量、又は約1.3当量、又は約1.4当量、又は約1.5当量、又は約1.6当量、又は約1.7当量、又は約1.8当量、又は約1.9当量の範囲で存在することができる。一態様において、オキシダントは、約1.0当量から約1.5当量(例えば、約1.2当量から約1.4当量)の範囲で存在する。別の態様において、オキシダントは、約1.5当量から2.0当量(例えば、約1.6当量から約1.8当量)の範囲で存在する。別の態様において、オキシダントは、約1.4当量から約1.7当量の範囲で存在する。
【0175】
脱水には、アジドがさらに含まれ得る。アジドは、脱水反応をもたらすための任意の適当な量で存在することができる。例えば、アジドは、約1当量から約2当量、例えば、約1.4当量から約1.7当量の範囲で存在することができる。一態様において、アジドはトリメチルシリルアジド(「TMSアジド」)である。一態様において、脱水反応にはアジドが含まれる。別の態様において、脱水反応にはアジドが含まれない。
【0176】
溶媒は任意の適当な溶媒であってよく、脱水反応において良好な変換及び光学純度を提供するために選択することができる。例えば、溶媒は、塩素系溶媒、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル)及び/又はアセトニトリルであってよい。
【0177】
脱水反応は、例えば、40℃未満の温度で行うことができる。例えば、脱水反応は、15℃から35℃、又は20℃から30℃の範囲、例えば、25℃の温度で行うことができる。別の態様において、脱水反応は、30℃から70℃の範囲の温度で行うことができる。例えば、脱水反応は、約40℃から約60℃の範囲の温度で行うことができる。一態様において、温度は約50℃である。
【0178】
反応の完了時に、反応物は、反応後処理にかけられ、例えばフラッシュクロマトグラフィー又は中圧液体クロマトグラフィーによって精製されることで、化合物Aをもたらすことができる。
【0179】
本明細書における教示を考慮すると、光延条件を使用するHYDZの脱水反応は、優れた変換(例えば、99%超)及びベンゾチアゾール-2-チオール(「BtSH」)付加物を超えた所望の化合物Aの選択性(例えば、約94:6、又は約95:5、又は約96:4)をもたらすことができる。
【0180】
本明細書における教示を考慮すると、化合物Aを形成するために光延条件を使用するHYDZの脱水反応は、良好な収率で生じることができる。例えば、化合物Aの収率は、少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%であり得る。さらに、化合物Aの純度は、少なくとも約97%、少なくとも約99%、又は約100%であり得る。光延条件を使用してHYDZを脱水することで化合物Aを形成することは、高い光学純度(例えば、95%超、又は97%超、99%超、又は99.5%超、又は99.6%超、又は99.9%超のee)で生じることができる。
【0181】
光延条件を使用するHYDZの脱水から結果として得られる化合物Aは、塩に変換することができる。例えば、化合物Aは、塩酸、リン酸、カンファースルホン酸、2-ナフチルスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びその誘導体、コハク酸、酒石酸、フマル酸若しくはマレイン酸、又はその組合せに変換することができる。一態様において、光延条件を使用するHYDZの脱水から結果として得られる化合物Aは、それを濃HClの溶液と昇温で接触させることによってそれのHCl塩に変換し、化合物A-HClをシードし、結晶化することができる
【0182】
化合物Aを形成するためのHYDZの光延脱水は、実施例セクションでさらに記載されている。
【0183】
経路4:酢酸媒介脱水
HYDZは、それを酢酸と、昇温、例えば、少なくとも100℃、又は少なくとも110℃、又は少なくとも120℃、又は少なくとも130℃、又はそれ以上で接触させることによって、化合物Aに脱水することができる。例えば、HYDZは、それを酢酸と3日間110℃以上、例えば、120℃で接触させることによって、化合物Aに脱水することができる。脱水反応は、ラセミ材料をもたらす。トリフルオロ酢酸、酢酸、メタンスルホン酸、ポリリン酸及びトルエンスルホン酸などの他の酸が、脱水反応のために使用され得る。しかしながら、これらの酸は、実験において酢酸ほど、HYDZから化合物Aへの良好な変換をもたらさなかった。実験において、HYDZを酢酸と接触させることで2種の不純物を生成した。酢酸媒介脱水の結果としての化合物Aの光学純度は、約80%のeeであり得、これは、出発材料からの光学純度における約15%の減少である。光学純度の減少は、おそらく厳しい及び酸性の環化条件からの結果である。
【0184】
化合物A一水和物の形成
化合物Aの一水和物形態は、有利には、約15%から約95%の相対湿度の範囲で、及び最大約50℃まで、安定及び強固である。さらに、化合物Aの一水和物形態の形成は、粒子サイズの制御を提供することができる。
【0185】
上に記載されている通り、化合物Aの一水和物形態は、HYDZから化合物Aへの脱水の最終段階の反応溶液から直接形成することができる。
【0186】
化合物Aの一水和物形態は、化合物AのHCl塩から形成することもできる。この実施形態において、化合物AのHCl塩は、分解及び結晶化されることで、化合物Aの一水和物形態を形成することができる。
【0187】
化合物AのHCl塩は、アルコール及び水が含まれる溶媒中で分解及び結晶化することができる。アルコールは、例えば、メタノール、エタノール及びイソプロパノールであってよい。一態様において、アルコールとしては、イソプロパノールが挙げられ得る。別の態様において、アルコールとしては、エタノールが挙げられ得る。別の態様において、アルコールとしては、メタノールが挙げられ得る。アルコール対水の比は、例えば約1:1、又は約1:2、又は約1:3、又は約1:4、又は約1:5、又は約1:6、又は約1:9、又は約1:8、又は約1:9、又は約1:10、又は約10:1、又は約9:1、又は約8:1、又は約7:1、又は約6:1、又は約5:1、又は約4:1、又は約3:1、又は約2:1を含めて、約1:10又は約10:10の範囲であってよい。例えば、アルコール対水の比は、約1:3、又は約1:4、又は約1:5、又は約1:6、又は約2:1であってよい。
【0188】
例えば、HCl塩の分解は、HCl塩をアルコール/水溶液(例えば、2:1イソプロパノール/水)中に溶解させること、重炭酸ナトリウム溶液をHCl塩溶液に30℃未満の温度で添加すること、次いで、温度を約60℃に増加させること、及び反応溶液を濾過することによって生じることができる。別の態様において、該塩の分解は、約50℃の範囲の温度で行うことができる。
【0189】
化合物Aの一水和物を形成するための結晶化は、化合物Aを水中に溶解させること、溶液の温度を約60℃に増加させること、及び化合物Aのシード結晶を、それをアルコール/水溶液(例えば、20:80のイソプロパノール/水、又は20%のIPA/水、又は30%のエタノール/水)と組み合わせることによって導入することによって進行することができる。場合によりアルコール/水溶液で濯がれる、結果として得られる溶液は、55〜60℃で少なくとも約15分間熟成させ、次いで、(例えば、約20℃に)冷却することができる。化合物Aの一水和物形態は、濾過によって単離し、洗浄することができる。
【0190】
結晶化手順は、良好な収率(例えば、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%の収率)、及び優れた純度(例えば、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.7%、又は少なくとも約99.9%)で、化合物Aの一水和物形態の結晶を提供することができる。さらに、一水和物結晶は、優れた光学純度(例えば、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.7%、又は約100%)を呈することができる。
【0191】
化合物AのHCl塩から一水和物形態への変換は、実施例セクションでさらに記載されている。
【0192】
PYRHの調製
上に記載されている通り、3-フルオロ-2-ヒドラジニル-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(「PYRH」)は、化合物Aを調製するために使用される3種の出発材料の1つである。本発明の別の態様は、以下によってPYRHを調製するための方法を提供する:
(i)
【0193】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
及び触媒を、中間体:
【0194】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和すること、
[式中:
(a) Yは、F、Cl、Br、I若しくはOTfであり、Zは、ボロン酸、ボロンエステル、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ若しくはケイ素を含む、又は
(b) Yは、ボロン酸、ボロンエステル、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ若しくはケイ素を含み、Z、はF、Cl、Br、I若しくはOTfである]
並びに
(ii)
【0195】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
及びH
2NNH
2を、PYRH:
【0196】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和すること。
【0197】
より具体的に、PYRHは、2つのステップ:
(1)1-メチル-1H-ピラゾリル化合物及び2,3-ジフルオロピリジン化合物の金属触媒クロスカップリング反応で、2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン中間体を形成すること、並びに
(2)中間体とヒドラジンとの反応で、PYRH:
【0198】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
[式中:
(a) Yは、F、Cl、Br、I若しくはOTfであり、Zは、ボロン酸、ボロンエステル、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ若しくはケイ素を含む、又は
(b) Yは、ボロン酸、ボロンエステル、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ若しくはケイ素を含み、ZはF、Cl、Br、I若しくはOTfである]
を形成すること
において調製することができる。
【0199】
本明細書において開示されているPYRHの調製は、貯蔵される室温で安定であるとともに光及び空気から保護されている結晶性生成物をもたらす。1カ月を超える間空気に曝露された試料は、ある程度の着色を発現するが、それらはHPLCによる純度又は重量%の変化を示さない。
【0200】
ステップ1:中間体の調製
PYRHの調製における第1のステップは、1-メチル-1H-ピラゾリル化合物及び2,3-ジフルオロピリジン化合物の金属触媒クロスカップリング反応で、中間体、2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジンを形成することである。特に、第1のステップは、有機金属化合物とハロゲン化物又はトリフレートとのクロスカップリングである。有機金属化合物及びハロゲン化物又はトリフレートのこうしたクロスカップリングは、当技術分野においてよく知られている(例えば、米国特許第6,686,428号、Clayden、Organic Chemistry 1324〜1332ページ、Oxford University Press (2010)を参照されたい)。
【0201】
実施形態の一クラスにおいて、1-メチル-1H-ピラゾリル化合物はハロゲン化物又はトリフレートであり、2,3-ジフルオロピリジン化合物は有機金属化合物である。これらの実施形態において、YはF、Cl、Br、I又はOTfであり、Zはホウ素(例えば、ボロン酸、ボロンエステル又はボロネート)、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ又はケイ素を含む。
【0202】
実施形態の別のクラスにおいて、1-メチル-1H-ピラゾリル化合物は有機金属化合物であり、2,3-ジフルオロピリジン化合物はハロゲン化物又はトリフレートである。これらの実施形態において、Yはホウ素(例えば、ボロン酸、ボロンエステル又はボロネート)、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ又はケイ素を含み、ZはF、Cl、Br、I又はOTfである。
【0203】
有機金属化合物はホウ素を含むことができ、ボロン酸若しくはボロンエステル又はボロネートであってよい。有機金属化合物がボロン酸、ボロンエステル又はボロネートである場合、該反応は鈴木型クロスカップリング反応である。
【0204】
一態様において、ボロン酸が有機金属化合物として使用され得る。別の態様において、ボロンエステルが有機金属化合物として使用され得る。ボロンエステルの例としては、ピナコールボラン及びカテコールボランが挙げられる。また他の態様において、ボロネート、例えば9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(「9-BBN」)、N-メチルイミノ二酢酸ボロネート(「MIDAボロネート」)及び2-ヒドロキシ-4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン-2-ウイド:
【0205】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
が使用され得る。一態様において、ボロネート
【0206】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
が使用され、Stewartら、Org. Process Res. Dev. 14:849〜858 (2010)に報告されているプロセスに従って調製することができる。ボロン酸、ボロンエステル及びボロネートは、Leenoxら Chem Soc. Rev. 43:412 (2014)に記載されている。
【0207】
有機金属化合物にはマグネシウムが含まれ得る。有機金属化合物にマグネシウムが含まれる場合、該反応は熊田型クロスカップリング反応である。
【0208】
有機金属化合物には亜鉛が含まれ得る。有機金属化合物に亜鉛が含まれる場合、該反応は根岸型クロスカップリング反応である。
【0209】
有機金属化合物にはスズが含まれ得る。有機金属化合物にスズが含まれる場合、該反応はスティル型クロスカップリング反応である。
【0210】
有機金属化合物には、ケイ素が含まれ得る。有機金属化合物にケイ素が含まれる場合、該反応は檜山型反応である。
【0211】
鈴木、熊田、根岸、スティル及び檜山クロスカップリング反応は、当技術分野においてよく知られている。例えば、Nicolaouら、Palladium Catalyzed Transformations in Organic Synthesis」Angewandte Chemie International Edition、44(29):4442〜4489 (2005)を参照されたい。
【0212】
本明細書に記載されているクロスカップリング反応は、遷移金属触媒の存在下で良好な立体特異性及び収率を達成することができる。本明細書において開示されているクロスカップリング反応に有用な遷移金属触媒としては、パラジウム(0)、パラジウム(II)、ニッケル、銅及び鉄が挙げられる。例えば、一態様において、パラジウム(0)触媒及びパラジウム(II)触媒が使用され得る。適当な触媒としては、Pd
2(dba)
3、Pd(PPh
3)、PEPPSI-SIPr、又はDavePhos、XPhos、SPhos、JohnPhos、RuPhos、BrettPhos、JackiePhos、CPhos、及びその組合せからなる群から選択されるパラダサイクルが挙げられ得る。
【0213】
適当な触媒の具体例としては:2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル(「DavePhos」)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル(「XPhos」)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(「SPhos」)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル(「tBuXPhos」)、(2-ビフェニル)ジシクロヘキシルホスフィン(「CyJohnPhos」)、(2-ビフェニル)ジ-tert-ブチルホスフィン(「JohnPhos」)、ナトリウム2'-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,6ジメトキシ-1,1'-ビフェニル-3-スルホネート水和物(「SPhos」)[水溶性]、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-3,4,5,6-テトラメチル-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル(「テトラメチルtBuXPhos」)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジイソプロポキシビフェニル(「RuPhos」)、2'-(ジフェニルホスフィノ)-N,N'-ジメチル-(1,1'-ビフェニル)-2-アミン、2-
ジフェニルホスフィノ-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル(「PhDave-Phos」)、2'-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-N,N-ジメチルビフェニル-2-アミン(「t-BuDavePhos」)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2'-メチルビフェニル、2-メチル-2'-ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル(「MePhos」)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2'-メチルビフェニル(「tBuMePhos」)、(2-ビフェニル)ジ-tert-ブチルホスフィン金(I)クロリド(「JohnPhos」)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル金(I)クロリド(「XPhos AuCl」)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル金(I)ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(「XPhos AuNTf2」)、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル(「BrettPhos」)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル)]パラジウム(II)(「XPhosパラダサイクル」)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2-アミノエチルフェニル)]パラジウム(II)-メチル-t-ブチルエーテル付加体(「SPhosパラダサイクル」)、t-BuXPhosパラジウム(II)フェネチルアミンクロリド(「tBuXPhos Pd G1」)、2-{ビス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ}-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル(「JackiePhos」)、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2',4',6'-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル(「tBuBrettPhos」)、ジシクロヘキシル(2',4',6'-トリメトキシ[1,1'-ビフェニル]-2-イル)-ホスフィン(「BrettPhos Pd G1メチル-t-ブチルエーテル付加体」)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)(「Xphos Pd G2」)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)(「SPhos Pd G2」)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジイソプロポキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)(「RuPhos Pd G2」)、クロロ[(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ビス(N,N-ジメチルアミノ)-1,1'-ビフェニル)-2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)(「CPhos-Pd-G2」)、[(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ビス(N,N-ジメチルアミノ)-1,1'-ビフェニル)-2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(「CPhos-Pd-G3」)、[(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)-2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(「tBuXPhos-Pd-G3」)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジイソプロポキシ-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(「RuPhos-Pd-G3」)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)[2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(「XPhos-Pd-G3」)、[(2-ジ-シクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)-2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(「BrettPhos-Pd-G3」)、[(2-{ビス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル)-2-(2'-アミノ-1,1'-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(「JackiePhos-Pd-G3」)、及びその組合せが挙げられる。
【0214】
PEPPSI-SIPrなども適当な触媒である。
【0215】
特に触媒は、例えば、Pd
2(dba)
3、Xphos-パラダサイクル、Pd(PPh
3)
4、及びその組合せであり得る。一態様において、該触媒はXphos-パラダサイクルを含む。別の態様において、該触媒はPd(PPH
3)
4である。
【0216】
クロスカップリング反応は、塩基の非存在下で進行することができる。クロスカップリング反応には、適当な塩基(例えば、K
3PO
4、CsF及び/又はCs
2CO
3)が含まれ得る。一態様において、クロスカップリング反応には、Cs
2CO
3が含まれる。別の態様において、クロスカップリング反応には、K
3PO
4が含まれる。塩基は、良好な変換(例えば、1.5当量)をもたらす量で存在することができる。
【0217】
有機金属化合物がボロン酸又はエステルである場合、溶媒は無水の非プロトン性溶媒であり得る。適当な溶媒の例としては、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン(「THF」)、2-MeTHF、及びその組合せが挙げられる。溶媒2-MeTHFは、高収率で中間体を生成することができる。1-ブタノール/水は金属触媒クロスカップリング反応のための一般的な溶媒であるが、それは、本明細書に記載されている中間体の形成に最適ではない。一例において、1-ブタノール/水は、おそらくブタノールが水素化物供給源として働くので生成物のC-F還元を引き起こし、ピリジン環の2位での第2のピラゾールのクロスカップリングを引き起こし、酸化挿入がC-F結合で生じることができることを示した。
【0218】
有機金属化合物にボロン酸又はボロンエステルが含まれる場合、相間移動触媒(「PTC」)は反応混合物に含まれ得る。例えば、相間移動触媒は、第四級塩(例えば、塩化物、臭化物、硫酸水素塩、ヨウ化物、アンモニウム塩及びホスホニウム塩)及びクラウンエーテルから選択することができる。一態様において、相間移動触媒は、第四級アンモニウム又はホスホニウム塩であり得る。別の態様において、相間移動触媒はクラウンエーテルであり得る。
【0219】
適当な第四級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド五水和物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムニトレート、テトラメチルアンモニウムペルクロレート、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド一水和物、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムニトレート、テトラエチルアンモニウムペルクロレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムp-トルエンスルホネート、(1-ヘキシル)トリメチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド、フェニルトリメチルアンモニウムヨージド、フェニルトリメチルアンモニウムメトスルフェート、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨージド、(1-ブチル)トリエチルアンモニウムブロミド、(1-オクチル)トリメチルアンモニウムブロミド、テトラ-n-プロピルアンモニウムブロミド、テトラ-n-プロピルアンモニウムクロリド、テトラ-n-プロピルアンモニウム硫酸水素塩、テトラ-n-プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-プロピルアンモニウムヨージド、フェニルトリエチルアンモニウムヨージド、メチルトリ-n-ブチルアンモニウムブロミド、メチルトリ-n-ブチルアンモニウムクロリド、(1-デシル)トリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、(1-ドデシル)トリメチルアンモニウムクロリド、(1-ドデシル)トリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリ-n-プロピルアンモニウムクロリド、テトラ-n-ブチルアンモニウムアセテート、テトラ-n-ブチルアンモニウムアセテート、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド、テトラ-n-ブチルアンモニウムクロリド、テトラ-n-ブチルアンモニウムクロリド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヘキサフルオロ-ホスフェート、テトラ-n-ブチルアンモニウム硫酸水素塩、テトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムヨージド、テトラ-n-ブチルアンモニウムニトレート、テトラ-n-ブチルアンモニウムペルクロレート、テトラ-n-ブチルアンモニウムペルクロレート、テトラ-n-ブチルアンモニウムホスフェート、テトラ-n-ブチルアンモニウムスルフェート、テトラ-n-ブチルアンモニウムトリフルオロメタン-スルフェート、(1-テトラデシル)トリメチルアンモニウムブロミド、(1-テトラデシル)トリメチルアンモニウムクロリド、(1-ヘキサデシル)トリメチルアンモニウムブロミド、エチル(1-ヘキサデシル)ジメチルアンモニウム、テトラ-n-ペンチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリ-n-ブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリ-n-ブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリ-n-ブチルアンモニウムヨージド、(1-ヘキサデシル)ピリジニウムブロミド一水和物、(1-ヘキサデシル)ピリジニウムクロリド一水和物、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムブロミド、テトラ-n-ヘキシルアンモニウムブロミド、テトラ-n-ヘキシルアンモニウム硫酸水素塩、テトラ-n-ヘキシルアンモニウムヨージド、テトラ-n-ヘキシルアンモニウムペルクロレート、ジ-n-ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、テトラ-n-ヘプチルアンモニウムブロミド、テトラ-n-ヘプチルアンモニウムヨージド、テトラ-n-オクチルアンモニウムブロミド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、テトラ-n-ドデシルアンモニウムヨージド、テトラオクタデシルアンモニウムブロミドが挙げられる。
【0220】
一態様において、テトラブチルアンモニウムブロミド(「TBAB」)が使用され得る。別の態様において、テトラ-n-ブチルアンモニウムホスフェートが使用され得る。また別の態様において、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムブロミドが使用され得る。
【0221】
適当なホスホニウム塩としては、以下に限定されないが、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)-アンモニウムクロリド、(1-ヘキサデシル)トリ-n-ブチルホスホニウムブロミド、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムヘキサフルオロ-アンチモネート、テトラフェニルホスホニウムヨージド、テトラフェニルホスホニウムテトラフルオロボレート、(トリフェニルメチル)トリフェニルホスホニウムクロリドが挙げられる。
【0222】
PTCの触媒的量を反応混合物に添加することで、反応収率を一貫して増加させ、出発材料を一貫して消費することができる。例えば、5mol%のTBABが反応物に添加され得る。任意の特別な理論によって束縛されることなく、PTCは、2-MeTHF中のホスフェートの可溶性を増加させ、したがって、活性ボロネートの濃度を増加させ、これがパラジウムに対する金属交換反応を加速する。TBABに対する臭化物対イオンは、反応条件の改善に役割を果たすこともできる。一例において、PTCが反応混合物に添加される場合、生成物収率は50%未満であった。
【0223】
有機金属化合物がボロネートである場合、溶媒としては、水及びアルコールが挙げられ得る。適当なアルコールの例としては、1-ブタノール及び2-ブタノールなどが挙げられる。一態様において、アルコールは1-ブタノールである。別の一態様において、アルコールは2-ブタノールである。
【0224】
温度は、反応混合物の還流温度より低くてよい。例えば、温度は、約60℃から80℃、又は65℃から75℃の範囲(例えば、70℃)であってよい。一例において、温度が70℃又は80℃を超えて増加される場合、反応から沈殿した触媒の量は増加し、それの寿命を低下させた。反応溶液中の化合物は、最大約24時間までの間80℃で安定であり得る。加熱の延長は、しかしながら、この試薬の沸点によりヘッドスペースを介してハロゲン化物又はトリフレート出発材料の量を低減し得る。
【0225】
実施形態の一型において、中間体は、5-クロロ-2,3-ジフルオロピリジン(例えば、約1当量)を
【0226】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
(例えば、約0.9当量)と、アルコール/水スラリー(例えば、2-BuOH/水)中にて、例えば20℃で混和することによって形成することができる。結果として得られたボロネートスラリーは、パラジウム触媒(例えば、Xphos-パラダサイクルの約0.004当量)及びアルコール(例えば、2-BuOH)を含有する溶液に、1時間かけて、例えば80℃でゆっくり添加することができる。ボロネートのゆっくりとした添加で発熱を防止する。反応は約95%の変換まで進行させておくことができる。一例において、98%を超える変換を得る試みは、不純物の増加をもたらした。反応の完了時に、反応混合物は、アルコール(例えば、2-ブタノール)で濯ぐことができる。
【0227】
反応後処理は、任意の適当な手段(例えば、抽出)によって行うことができる。後処理が抽出可能である場合、それは、40℃、例えば、50℃、60℃又は70℃を超える温度でトルエン/2-ブタノール溶液中で行うことができる。一例において、40℃より低い温度での抽出後処理は、生成物の沈殿及び損失をもたらした。一態様において、後処理には、NaHSO
3溶液を反応混合物に添加することが含まれ得る。別の態様において、後処理には、チオグリコール酸を使用することが含まれ得る。別の態様において、セライトが、パラジウム含有量を減少するためにNaHSO
3を用いる処理後に使用され得る。
【0228】
後処理に続いて、所望の中間体は、結晶化によって単離することができる。後処理溶媒は2-ブタノールと交換することができ、ヘプタンは、例えば、20℃から50℃の範囲の温度でスラリーに添加することができる。結果として得られたスラリーの温度は、(例えば、90℃から100℃の範囲で)増加させることができ、スラリーは熟成させることができる(例えば、少なくとも15分間)。熟成が完了した後、スラリーは、時間(例えば、3時間超)の期間をかけて(例えば、20℃に)冷却することができ、結果として得られる結晶は、単離及び洗浄することができる。
【0229】
本明細書における教示を考慮すると、クロスカップリング反応は、所望の中間体を良好な収率(例えば、95%超の粗製、87%超の単離)で提供することができる。例えば、中間体のクロスカップリングは、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は少なくとも約99%の収率をもたらすことができる。クロスカップリング反応は、優れた純度(例えば、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%)をもたらすこともできる。
【0230】
PYRHの合成における中間体の調製は、実施例セクションでさらに記載されている。
【0231】
ステップ2: PYRHの調製
PYRHの調製における第2のステップは、該中間体とヒドラジンとの間の求核芳香族置換反応である。
【0232】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0233】
この反応において、少なくとも約1当量、又は少なくとも約2当量、又は少なくとも約3当量、又は少なくとも約4当量、又は少なくとも約5当量、又は少なくとも約6当量、又は少なくとも約7当量、又はそれより高いヒドラジンが使用され得る。実施形態の一クラスにおいて、少なくとも約3当量、又は少なくとも約4当量、又は少なくとも約5当量、又は少なくとも約6当量のヒドラジンが使用される。
【0234】
ヒドラジンは、反応物として、及びHFの発生のための塩基の両方として働く。そのため、少なくとも2当量のヒドラジンが使用され得る。反応混合物への過剰ヒドラジンの添加で、反応速度の加速に至る。一例において、3当量の代わりに6当量のヒドラジンが使用された場合、反応時間は6時間から3時間に減少し、生成物の純度プロファイリングに変化はなかった。
【0235】
求核芳香族置換反応の温度は、70℃を超えてよい(例えば、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも110℃)。より低い温度は、反応時間を増加させ得る。一例において、反応温度を100℃から80℃に減少することで、4時間から10時間へ反応時間の増加をもたらした。中間体は水中で乏しい可溶性を有し、これは、より低い温度で長い反応時間に至ることがある。一例において、反応は室温で生じなかった。
【0236】
任意の適当な溶媒は、求核芳香族置換反応のために使用することができる。溶媒としては、例えば、水、アルコール、及びその組合せが挙げられ得る。アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、及びその組合せが挙げられ得る。一態様において、溶媒は、メタノール、水、及びその組合せから選択される。水中で反応を実施することは、実践的及び安全である。
【0237】
反応の完了時に、所望のPYRHは、反応混合物から直接結晶化することができる。結果として得られるPYRH生成物は、室温で貯蔵される場合に安定であり、光及び空気から保護される。
【0238】
本明細書において開示されているPYRHを調製するための方法は、PYRHを良好な収率(例えば、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%の収率、少なくとも約99%)、及び優れた純度(例えば、少なくとも約97%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は約100%で)で提供することができる。
【0239】
PYRHの調製は、実施例セクションでさらに記載されている。PYRHを合成するための代替法は、当技術分野において知られている(例えば、その全体を参照により本明細書に組み込むPCT公報WO 2013/38362の78〜79ページを参照されたい)。
【0240】
NAPHの調製
本発明の別の態様は、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」)を調製するための方法を提供する。上に記載されている通り、NAPHは、化合物Aを調製するために使用される3種の出発材料の1つである。
【0241】
方法1
本明細書において提供されているのは、2つのステップでメチルニコチネート(例えば、SigmaAldrichから市販されている)、1,3,5-トリアジン及びメトキシエタノールから調製されるNAPHを作製する方法である。第1に、メチルニコチネートは、塩基の存在下で1,3,5-トリアジンと縮合されることで、中間体ナフチリジノンを与える。
ステップ1:
【0242】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R
3はCl、Br又はIであり、及びR
4は、以下に限定されないが、Me、Et、n-Pr又はn-Buを含めて、アルキルである。
【0243】
縮合反応の溶媒は任意の適当な溶媒であってよい。例えば、溶媒としては、以下に限定されないが、ジメチルスルホキシド及びジメチルアセトアミドの1つ以上を含めて、任意の極性非プロトン性溶媒が挙げられ得る。
【0244】
塩基は任意の適当な強塩基であってよい。例えば、塩基は、Cs
2CO
3、KOtBu、K
3PO
4、K
2CO
3、及びその組合せから選択することができる。塩基とメチルニコチネート及びトリアジンとの反応は、発熱性である。添加の方法は、発熱を制御するために使用することができる。例えば、塩基のスラリー中への両出発材料の溶液の漸進的又は分割的(例えば滴下により)添加は、発熱を抑制することができる。
【0245】
縮合反応は任意の適当な温度で行うことができる。例えば、該反応は、約15℃から100℃、20℃から95℃、30℃から90℃、40℃から85℃、又は50℃から80℃の範囲の温度で行うことができる。
【0246】
縮合反応は、ナフチリジノン、有利には安定な化合物を生成し、これはベージュ色の固体として単離することができる。本明細書における教示を考慮すると、ナフチリジノンの合成は、良好な純度(例えば、90wt.%超)で高収率(例えば80〜95%の単離)であり得る。
【0247】
第2に、中間体ナフチリジノンが形成された後、それは引き続いて、触媒の存在下で2-メトキシエタノールの塩で処置されることで、NAPHを与える。
ステップ2:
【0248】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0249】
エーテル化反応の溶媒は任意の適当な溶媒であってよい。例えば、溶媒は、約85℃を超える沸点を有するエーテル溶媒である。例えば、溶媒は、2-メトキシエタノール、ジグリム、ジオキサン、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、溶媒は無希釈の2-メトキシエタノールであり得る。別の態様において、溶媒はジオキサンであり得る。
【0250】
塩基は任意の適当な塩基であってよい。例えば、塩基は、KH、NaH、LiH、KOtBu、NaOtBu、LiOtBu、BuLi、HexLi、Cs
2CO
3、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(「LiHMDS」)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「NaHMDS」)、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「KHMDS」)、リチウムジイソプロピルアミド(「LDA」)、リチウムテトラメチルピペリジド(「LiTMP)、LiOH、NaOH、KOH、CsOH、及びその組合せから選択することができる。例えば、塩基は、強塩基、例えばCs
2CO
3、LiOtBu、LiHMDS及びKOtBuの1つ以上であり得る。
【0251】
エーテル化反応は、任意の適当な温度で行うことができる。例えば、該反応は、約50℃から130℃、80℃から120℃、又は95℃から115℃の範囲の温度で行うことができる。
【0252】
銅(I)触媒は任意の適当な銅(I)触媒であってよい。Cu(I)触媒は、リガンドの有無において使用することができる。例えば、適当な触媒としては、以下に限定されないが、CuBr、CuBr-DMS、Cu(OAc)、Cu(OTf)及びCuIが挙げられる。ヨウ素がない触媒は、後続のアルキル化ステップ(NAPAを形成するため)において立体選択性を維持するのに、より最適である。触媒がリガンドを含む場合、適当なリガンドとしては、以下に限定されないが、1,10-フェナントロリン及び3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリンが挙げられる。
【0253】
エーテル化反応は、NAPH、有利には安定な化合物を生成し、これは結晶性固体として単離することができる。結果として得られるNAPHは、実施例セクションでさらに詳細に記載されている通り、任意の適当な精製方法によって、例えば結晶化によって精製することができる。NAPHは、最大少なくとも100℃まで熱的に安定であり、酸及び塩基に対して安定である。前述の方法1を使用するNAPHの合成は、例えば、少なくとも約65%、75%、85%又は95%の単離収率を有することができる。収率は、ステップ2においてCu(I)触媒を害する不純物によって影響されることがある。NAPHの純度は、例えば、少なくとも約90%、95%又は97%であり得る。NAPHの純度は、残留のCu(I)触媒及び水によって影響される。残留の銅は、Cu(I)スカベンジャー、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム塩(HEDTA)を使用して除去することができる。Cu(I)スカベンジングは、反応性酸素、例えば空気の供給源の存在又は導入によって補助することができる。
【0254】
方法2
本発明は、2つのステップで、保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン及び1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネートからNAPHを作製する方法を提供する。第1に、保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンは、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネート及び塩基と、式(III)のナフチリジンを形成するのに十分な条件下で混和される。
ステップ1:
【0255】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R
8はアルキルであり、PGは保護基である。
【0256】
該保護基は、以下に限定されないが、PivCl、PivBr又はPiv無水物を含めて、任意の適当な保護基であってよい。R
8は、OR
8がオルト指向性金属化基であるような任意のアルキルであり得る。例えば、R
8はC
1〜4アルキル基のいずれかであり得る。
【0257】
保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンは、2-アルコキシ-ピリジン-4イルアミンを保護アミンに変換すること、続いて、THF又はMeTHFにおける指向オルト-リチウム化によって調製することができる。該指向オルト-リチウム化は次いで、例えば、DMF又はN-ホルミルモルホリンでクエンチされることで、対応するホルミル置換ピリジンを与える。該アミドは、次いで、過剰の塩基で加水分解し、メトキシエトキシルアセトアルデヒドビサルファイト付加物を用いて、対応するナフチリジンエーテルに変換することができる。
【0258】
該保護アミンは、例えば、N-(2-アルコキシピリジン-4-イル)ピバルアミドを形成するための式(IV)の化合物:
【0259】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される保護基と、2-アルコキシ-ピリジン-4イルアミンを混和することによって形成することができ、式中、R
5はCl、BrまたOC(O)アルキルであり、ここで、アルキルはMe、Et、Pr、iPr、n-Bu、sec-Bu又はt-Buである。
【0260】
保護基は、任意の適当な温度、例えば約-30℃から約50℃の範囲、例えば0℃の温度で付加することができる。保護アミノピリジンの収率は、例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%であり得る。保護アミノピリジンの純度は、例えば、少なくとも約90%、少なくとも約80%、又は少なくとも約60%であり得る。
【0261】
同様に、オルト-リチウム化は、任意の適当な温度で行うことができる。例えば、オルト-リチウム化は、25℃以下の温度、例えば、約-50℃から約25℃又は約-30℃から約-10℃の範囲の温度で進行することができる。リチウム試薬は、例えば、n-ヘキシルリチウム、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(「LiHMDS」)、リチウムジイソプロピルアミド(「LDA」)、リチウムテトラメチルピペリジン(LiTMP)、又はその組合せから選択することができる。
【0262】
オルト-リチウム化のクエンチは、ホルミル置換ピリジンを提供するための任意の適当な温度、例えば、約-78℃から25℃の範囲、例えば-10℃の温度で進行することができる。ホルミル置換ピリジンの収率は、例えば、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%であり得る。ホルミル置換ピリジンの純度は、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約60%、又は少なくとも約30%であり得る。
【0263】
ホルミル置換ピリジン上のアミンを加水分解し、それによって脱保護するための適当な塩基は、以下に限定されないが、NaOH、KOH、K
3PO
4、LiOH、CsOH及びRbOHを含めて、任意の強塩基であってよい。理論によって束縛されることを意図しないが、HClなどの強酸は、アミンを加水分解及び脱保護するのに適当であると考えられる。
【0264】
保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン及びビサルファイト付加物の混和は、任意の適当な溶媒中で生じることができる。適当な溶媒としては水溶性溶媒が挙げられる。適当な溶媒としては塩基安定溶媒も挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2-メトキシエタノール、t-BuOH、2-BuOH、トリフルオロエタノール、水、及びその組合せは適当な溶媒である。
【0265】
ビサルファイト付加物が任意の適当な温度で添加されることで、ホルミル置換ピリジンを対応するナフチリジンエーテルに変換することができる。例えば、適当な温度としては、約40℃から約90℃の範囲、例えば、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃又は約90℃の温度が挙げられる。高い変換は、ビサルファイト付加物のゆっくりとした添加を介して達成することができる。ビサルファイト付加物は、例えば、約1当量から約5当量、約1当量から約4当量、約1当量から約3当量、約1当量から約2当量の範囲、又は約1.6当量の量で提供される。
【0266】
場合により、式(III)のナフチリジンは、保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンを、ビサルファイト付加物よりむしろ2-メトキシエトキシアセトアルデヒドと混和することによって形成することができる。しかしながら、2-メトキシエトキシアセトアルデヒドは、ビサルファイト付加物ほどは安定していない。2-メトキシエトキシアセトアルデヒドが使用される場合、混和することは、任意の適当な溶媒中で行うことができる。適当な溶媒としては水溶性溶媒が挙げられる。適当な溶媒としては塩基安定溶媒も挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びアセトニトリルは適当な溶媒である。
【0267】
2-メトキシエトキシアセトアルデヒドが任意の適当な温度で添加されることで、ホルミル置換ピリジンを対応するナフチリジンエーテルに変換することができる。例えば、適当な温度としては、約40℃から約90℃の範囲、例えば、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃又は約90℃の温度が挙げられる。2-メトキシエトキシアセトアルデヒドは、例えば、約1当量から約5当量、約1当量から約4当量、約1当量から約3当量、約1当量から約2当量の範囲、又は約1.6当量の量で提供される。
【0268】
第2に、式(III)のナフチリジンが形成された後、それは引き続いて、NAPHを与えるのに十分な条件下にて強酸で処理される。
ステップ2:
【0269】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
式中、R
8はアルキル、例えば任意のC
1〜4アルキルである。
【0270】
酸は、適当には、任意の強酸であり得る。例えば、強酸としては、以下に限定されないが、HCl、HBr及びH
2SO
4を含めた無機酸、並びに以下に限定されないが、メタンスルホン酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸)、トリフルオロ酢酸及びトリル酸を含めた有機酸が挙げられ得る。酸は、式(III)のナフチリジンからNAPHに変換するのに適当な任意の量で添加することができる。例えば、酸は、約1当量から約10当量、約1当量から約8当量、約1当量から約6当量、約1当量から約4当量、約1当量から約3当量、約1当量から約2当量、約1当量から約1.5当量の範囲、又は約1.2当量の量で提供され得る。
【0271】
酸性化の温度は、式(III)のナフチリジンからNAPHを変換するのに適当な任意の温度であってよい。例えば、温度は、約50℃から約100℃、又は約50℃から約80℃、又は約55℃から約75℃の範囲、又は約65℃であり得る。
【0272】
結果として得られるNAPHは、実施例セクションでさらに詳細に記載されている通り、任意の適当な精製方法によって、例えば結晶化によって精製することができる。例えば、NAPHは塩基で結晶化することができる。適当な塩基としては、以下に限定されないが、NaOH、KOH、K
2CO
3及びNaHCO
3を含めた無機塩基、並びに以下に限定されないが、Et
3Nを含めた有機塩基が挙げられる。
【0273】
本明細書における教示を考慮すると、方法2によるNAPHの合成は、例えば、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の単離収率を有することができる。NAPHの純度は、例えば、少なくとも約80%、少なくとも約30%、又は少なくとも約10%であり得る。
【0274】
方法2は、1つ以上の理由で有利であり得、方法1の不利な点の1つ以上を回避することができる。例えば、以下の利点の1つ以上があり得る:方法2は高純度のNAPHを生成することができ、重金属汚染はあり得ず、NAPHは有機不純物が<0.3%であり得、NAPHは乾燥するのが簡便であり得(下流NAPA合成に不可欠な乾燥NAPH)、出発材料は市販供給源から容易に入手可能であり、該プロセスに関与する高毒性材料はあり得ず、該プロセスは非常に強固であり得、1バッチ当たり最大80kg超までスケール化されている。
【0275】
NAPHの調製は、実施例セクションでさらに記載されている。その上、NAPHを合成するための方法は、当技術分野において知られている(例えば、その全体を参照により本明細書に組み込むFangら、J Am Chem Soc 132(44):15525〜7 (2010); WO 2009/091375を参照されたい)。
【0276】
ビサルファイト付加物の調製
本発明の別の態様は、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネートを、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドを、HSO
3-、S
2O
52-、又はその組合せを用いて、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネートを形成するのに十分な条件下で作製する方法を提供する。
【0277】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
単離された1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネートは、有利には安定である。例えば、高く不安定である2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒド出発材料とは対照的に、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネートの試料は、分解することなく少なくとも2年間雰囲気に曝露されて放置することができる。さらに、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネートを生成するために使用される原料は、容易に入手可能であり、収率は、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネートを調製する他の方法より高い。
【0279】
2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドは、HSO
3-、S
2O
52-、又はその組合せと反応させることができる。HSO
3-及びS
2O
52-アニオンは、任意の形態で提供され得、例えば、Li
+、K
+、Na
+、Me
4N
+、Et
4N
+、Bu
4N
+、又はその組合せから選択される対イオンを有する。
【0280】
2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドへのHSO
3-及び/又はS
2O
52-の添加は、任意の適当な温度で実施することができる。例えば、HSO
3-及び/又はS
2O
52-の添加は、約-10℃から50℃の範囲の温度で実施することができる。
【0281】
2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドへのHSO
3-及び/又はS
2O
52-の添加のための適当な溶媒としては、例えばメトキシエタノール、水、メタノール、エタノール、及びその組合せ(例えば、メトキシエタノール、水/メタノール、及び水/エタノール)が挙げられる。
【0282】
本明細書における教示を考慮すると、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネート生成の収率は、例えば、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、又は少なくとも約80%であり得る。この方法によって形成された1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネートは、H
2O中の溶液として少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%の純度を有することができ、水は残りの重量の大部分を構成している。
【0283】
本発明の実施形態において、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドは、2-(2-メトキシエトキシ)-1-エタノールを酸化剤で酸化させることによって形成することができる。
【0284】
酸化剤は、例えば、塩化オキサリル、クロロクロム酸ピリジニウム(「PCC」)、二クロム酸ピリジニウム(「PDC」)、又は三酸化硫黄ピリジン複合体で活性化されたジメチルスルホキシド(「DMSO」)から選択することができる。酸化は、スワーン酸化を介して、例えば塩化オキサリル、DMSO及び有機塩基を用いて行われ得る。スワーン酸化は、当技術分野においてよく知られている。
【0285】
酸化に塩基がさらに含まれる、例えばスワーン酸化の場合、塩基は、以下に限定されないが、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N-メチルモルホリン、及びその組合せを含めて、有機塩基から選択することができる。
【0286】
酸化のための適当な溶媒としては、以下に限定されないが、高沸点溶媒(例えば、沸点>100℃)、例えばメトキシエタノールが挙げられる。
【0287】
該酸化方法を使用し、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドの収率は、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%であり得る。さらに、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドの純度は、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%であり得る。
【0288】
本発明の実施形態において、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドは、メトキシエタノールを、式(V):
【0289】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物及び強塩基と混和すること、その後、加水分解で2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドを形成することによって形成することができ、式中、R
6はCl、Br、I、及び環式ジオール保護基、例えば、エチレングリコール及び1,3-プロパンジオールからなる群から選択され、R
7はC
1〜4アルキルであり、各R
7は独立して、CH
3、CH
2CH
3又はCH
2CH
2CH
3である。
【0290】
該反応は、S
N2機序を介して進行する。この方法は有利であり、なぜならば、それが酸化プロセスより高い収率を提供し、スワーン酸化が必要とするような、極低温手順を支援するための装置を必要としないからである。
【0291】
強塩基は、例えば、約1当量から約1.5当量の範囲、又は約1.2当量の量で存在することができる。任意の適当な強塩基、例えば、NaH、LiH、LiOt-Bu、BuLi、hexLi、NaOt-Bu、KOt-Bu、KH及びLiOHの1種以上が使用され得る。
【0292】
混和することは、S
N2反応を促進するための任意の適当な温度で行うことができる。適当な温度は、例えば、約100℃から約120℃の範囲、又は約110℃であり得る。
【0293】
2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドを形成するための加水分解は、酸性条件で行う。適当な酸としては、以下に限定されないが、HCl、HBr及びH
2SO
4を含めた無機酸、並びに以下に限定されないが、メタンスルホン酸及びトリル酸を含めた有機酸を含めて、強酸が挙げられるが限定されない。
【0294】
S
N2方法を使用し、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドの収率は、少なくとも約40%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%であり得る。さらに、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドの純度は、少なくとも約80%、又は少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約97%、又は少なくとも約99%であり得る。
【0295】
ビサルファイト付加物の調製は、実施例セクションでさらに記載されている。
【実施例】
【0296】
以下の例は例示のために提供されており、本発明の範囲を限定すると意図されない。
【0297】
実施例1
(R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸ナフタレン-2-スルホネート(NAPA)の合成
【0298】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0299】
NAPAをスキーム1に従って以下の手順によって合成した。ジャケット反応器(60L)に、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン3000g(1.0当量)及びマグネシウムtert-ブトキシド4646g(2.0当量)を投入した。12L(4.0体積)のテトラヒドロフランを反応器に添加し、N
2スイープ及び撹拌を開始した。バッチ温度が30℃を超えて上がらないように添加を制御しながら、S-2-ブロモプロピオン酸2213g(1.5当量)を少なくとも30分かけて添加した。添加後に、投入口をテトラヒドロフラン(0.5体積)で濯いだ。次いで、バッチを少なくとも5分間25℃で熟成させた。カリウムtert-ブトキシド1600g(1.05当量)を、バッチ温度が30℃を超えて上がらないように4回(およそ等しい)に分けて反応器に添加した。投入口を再びテトラヒドロフラン(1.5L、0.5体積)で濯いだ。バッチ温度を35±5℃に調整し、バッチを少なくとも12時間熟成させた。
【0300】
別の100L反応器に、2-Meテトラヒドロフラン(2-MeTHF)6L(2.0体積)、水8.4L(1.5体積)及び6NのHCl 9.08L(4.0当量)を投入した。バッチ温度を45℃未満に維持しながら、60L反応器からの混合物を100L反応器にポンピングした。
【0301】
次いで、バッチ温度を20±5℃に調整した。バッチのpHを、pHが1.4から1.9になるまで6NのHCl(又は2NのNaOH)溶液で調整した。水層を生成物含有有機層から分離した。水層を2-MeTHF(2体積)で抽出し、2-MeTHFを反応器内で生成物ストリームと合わせた。合わせた有機ストリームを20%のブライン(1体積)で洗浄した。有機層を、≦10μmのフィルターを介して清潔な槽中にポリッシュ濾過した。
【0302】
別の槽内で、2-ナフタレンスルホン酸水和物1.1当量をTHF(2体積)中に溶解させた。溶液を使用前にポリッシュ濾過した。2-ナフタレンスルホン酸水和物THF溶液を槽内の生成物有機溶液中に少なくとも2時間かけて25±5℃で添加した。バッチ温度を60±5℃に調整し、バッチを1±0.5時間熟成させた。バッチ温度を20±5℃に少なくとも2時間かけて調整した。バッチを濾過することで、生成物を回収した。回収されたフィルターケーキを、THF(5.0体積)との置き換えによって洗浄した。生成物ケーキを、水含有量がLODにより≦1wt%になるまで、フリット上にて真空/窒素ストリーム下で乾燥させた。
【0303】
生成物(R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸ナフタレン-2-スルホネートの収率は87%であった。キラルHPLCを使用してキラル純度を決定し、98〜99%のeeであることが分かった。HPLCを使用して純度を決定し、≧98%であることが分かった。
【0304】
したがって、実施例1は、本発明によるNAPAの合成を示している。
【0305】
実施例2
(R)-N'-(3-フルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパンヒドラジド(HYDZ)の合成
【0306】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0307】
HYDZをスキーム2に従って以下の手順によって合成した。60Lのジャケット反応器に、(R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸2-ナプシレート(NAPA)2805.0g(1.0当量)及びN,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)(NAPA1グラム当たり4.6mLのDMAC)を投入した。撹拌及びN
2スイープを開始した。バッチ温度を35℃未満に維持しながら、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)1.05当量を添加した。初めにNAPAが溶解する。白色の沈殿物が、熟成しながら形成したが、沈殿物は反応能力に対して影響しなかった。3-フルオロ-2-ヒドラジニル-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(PYRH)2197g(1.10当量)をバッチに添加した。バッチ温度を10±5℃に調整した。N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)2208g(1.2当量)を、4回(およそ等しい)に分けて少なくとも1時間かけて(一分量当たり約20分間隔)10±5℃で添加した。
【0308】
アミド変換目標が達成されるまで、バッチを熟成させた。アミド変換目標が2時間以内に達しない場合、変換目標が達成されるまで追加のEDCを添加した。目標が達成された時点で、溶液が均質になるまでバッチを55℃に加熱した。バッチを≦20μのインラインフィルターを介して反応器内に濾過した。槽及びフィルターをDMAC(0.2mLのDMAC/1gのNAPA)で濯いだ。バッチ温度を45±5℃に調整した。
【0309】
反応器に、水(0.3mL/g)中の(R)-N'-(3-フルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパンヒドラジド(HYDZ)(0.01当量)のシードスラリーを投入した。
【0310】
バッチを50±5℃で少なくとも30分間熟成させた。バッチ温度を20±5℃に少なくとも2時間かけて調整した。バッチを20±5℃で少なくとも30分間熟成させた。1g当たり2.90mLの水を25±5℃で少なくとも2時間かけて添加した。バッチを20±5℃で少なくとも1時間熟成させた。バッチスラリーを濾過することで、生成物を回収した。生成物を30%のDMAC/H
2O(0.5体積)で置き換えによって洗浄した。生成物ケーキを水(3体積)で置き換えによって洗浄した。生成物ケーキを、水含有量がカール・フィッシャー滴定(KF)によって決定したところ≦0.2wt%になるまで、フリット上にて真空/窒素ストリーム下で乾燥させた。生成物は白色の結晶性固体であった。収率は約83〜84%であった。eeをHPLCによって測定し、>99.8%のeeであることが見出された。純度をHPLCによって決定し、≧99.8のLCAP(LC面積百分率による純度)であることが見出された。
【0311】
したがって、実施例2は、本発明によるHYDZの合成を実証している。
【0312】
実施例3
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン塩酸塩(化合物A-HCl)の合成-経路1
【0313】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0314】
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン塩酸塩(化合物A-HCl)を、スキーム3経路1に従って以下の手順によって合成した。15L反応器の反応器1に750gのHYDZを投入し、反応器ジャケット温度を20±5℃に調整した。窒素スイープを反応器1内で開始し、凝縮器クーラントを(5±5℃で)開始した。アセトニトリル(3.4L、4.5体積)を反応器1に添加し、撹拌を開始した。2,6-ルチジン420g(2.5当量)を反応器に添加した。
【0315】
Ph
2P(O)(Cl)850g(2.3当量)及び300gのアセトニトリルを適切な容器内で合わせることによって、ジフェニルホスフィニルクロリドPh
2P(O)(Cl)の溶液を調製した。PH
2P(O)(Cl)溶液の含有物を反応器1に添加した。ジャケット温度を、バッチの還流温度(およそ85℃)に達するまで60±30分かけて調整した。反応物を14±6時間撹拌した。バッチ温度を75±5℃に低減し、バッチをIPT分析のためにサンプリングした。予想される結果は、≦2%のHYDZ残存であった。目標が達成されない場合、還流温度での加熱を9±6時間続けた。サンプリング、分析及び加熱を、満足な変換アッセイ結果が得られるまで反復した(<10%のHYDZが満足であると考えられ、<1%が実際に達成された)。最終試料を光学純度についてHPLCによってアッセイし、>99.5%のeeであることが見出された。
【0316】
炭酸カリウム555g(3.1当量)を塩化カリウム335g(2.9当量)及び水3450gと適切な容器内で合わせることによって、K
2CO
3/KClクエンチ溶液(5.0体積)を前もって調製した。バッチ温度を60±5℃に維持しながら、クエンチ溶液を反応器1に、少なくとも15分かけて添加した。塩基水溶液が過剰の酸と反応すると、一部泡立ち(CO
2)が生じた。トルエン3.0L(4.0体積)を反応器1に65±5℃で添加した。バッチの試料をIPT分析のために採取した。試料のより低い(水性)相をpHプローブ(ガラス電極)によってアッセイした。pHがpH8〜11の範囲であれば許容した。試料の上部(有機)相をHPLCによってアッセイした。
【0317】
バッチを20±10分間65±5℃でかき混ぜた。撹拌を止め、懸濁液を少なくとも20分間おいた。水性相を反応器1から閉じたトランスファーを介して適切な不活性化容器内に排出した。残りの有機相を反応器1から閉じたトランスファーを介して適切な不活性化容器に排出した。水性相を反応器1内に戻した。
【0318】
2.3L(3.0体積)のアセトニトリル及び2.3L(3.0体積)のトルエンを適切な容器内で合わせることによって、カット洗浄水溶液を前もって調製した。カット洗浄水溶液を反応器1に添加した。バッチを20±10分間65±5℃でかき混ぜた。撹拌を止め、懸濁液を少なくとも20分間沈降させておいた。より下の(水性)相を反応器1から閉じたトランスファーを介して適切な不活性化容器内に排出した。有機相を反応器1から、閉じたトランスファーを介して、第1の有機カットを含有する不活性化容器に排出した。2つの有機カットの合わせた質量を測定し、有機カットを反応器1に戻した。かき混ぜを開始し、バッチ温度を60±10℃に調整した。バッチの試料を採取し、化合物A含有量についてHPLCによって試験した。60±10℃のバッチ温度及び85℃未満のジャケット温度を維持しながら、反応器1の含有物を真空(約300〜450mmHg)下でおよそ8体積まで蒸留した。最終体積は、8体積から12体積の間であった。
【0319】
反応器1内の窒素スイープを再開し、バッチ温度を70±5℃に調整した。バッチの試料を採取して、トルエン含有量をGCによって決定した。結果が0〜10%面積内でない場合、蒸留を続け、同時に、等しい体積の2-プロパノール、最大5体積までを添加することで、一定のバッチ体積を維持した。サンプリング、分析及び蒸留を、トルエン含有量が0〜10%面積窓内になるまで反復した。蒸留が完了した後、バッチ温度を75±5℃に維持しながら、塩酸540g(450mL、3.5当量)を反応器1に45±15分かけて添加した。
【0320】
化合物A-HCl 7.5g及
びプロパノール380mL(0.5体積)を適切な容器内で合わせることによって、化合物A-HClシード懸濁液を前もって調製した。シード懸濁液を反応器1に75±5℃で添加した。バッチを60±30分間75±5℃でかき混ぜた。バッチを20±5℃に3±1時間かけて冷却した。バッチを30±15分間20±5℃でかき混ぜた。ヘプタン2.6L(3.5体積)をバッチに2±1時間かけて添加した。次いで、バッチを60±30分間20±5℃でかき混ぜた。バッチの試料をIPT分析のために採取及び濾過した。濾液を化合物A-HClについてアッセイした。濾液中の化合物A-HClの量が5.0mg/mL超の場合、濾過の前にバッチを20℃で少なくとも4時間保持した。濾液中の化合物A-HClの量が2〜5mg.MLの範囲である場合、反応器1の含有物を、≦25μmのPTFE又はPPの濾布を介して濾過し、濾液を適切な容器に送った。
【0321】
2-プロパノール1.5L(2.0体積)及びヘプタン1.5L(2.0体積)を適切な容器内で合わせることによって、第1のケーキ洗浄液を前もって調製した。第1のケーキ洗浄液を反応器1に添加し、含有物をおよそ5分間20±5℃でかき混ぜた。反応器1の含有物をケーキ及びフィルターに移した。ヘプタン3.0L(4.0体積)の第2のケーキ洗浄液を反応器1に添加し、含有物をおよそ5分間20±5℃でかき混ぜた。反応器1の含有物をケーキ及びフィルターに移した。ウェットケーキを、ヘプタン含有量がGCによって決定したところ0.5wt%未満になるまで、窒素及び真空の流れの下で乾燥させた。乾燥収率は、黄色の粉末として701g、85%であった。乾燥材料を、化学純度及び効力についてHPLCによって、及び残留の溶媒含有量についてGCによってアッセイした。単離生成物は、88.8%の化合物A-HClであり、99.8%のee、及び0.6%の水を有していた。
【0322】
したがって、実施例3は、本発明による化合物A-HCLの合成を示している。
【0323】
実施例4
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン塩酸塩(化合物A-HCl)の合成-経路2
【0324】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0325】
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン塩酸塩を、スキーム4経路2に従って以下の手順によって合成した。清潔及び乾燥の60L反応器に還流凝縮器、窒素導入口、及びスクラバーへの放出口を固定した(反応器1)。反応器1のジャケット温度を20℃に設定した。スクラバーを反応器1の放出口へ設置し、漂白水溶液をスクラバーに投入した。循環ポンプ(市販の5.25%のNaOCl)を開始した。スクラバーポンプを回し、反応器1上でのN
2スイープを開始した。反応器1にローソン試薬2597g(0.52当量)を投入した。次いで、反応器1に、HYDZ 6000g(1.0当量)及び30L(5.0体積)のアセトニトリル(MeCN)を投入した。反応器1のかき混ぜを開始した。反応器を50±5℃に加熱し、LCアッセイがHYDZの消費(≧99%の変換)を示すまで熟成させた。
【0326】
第2の清潔及び乾燥の反応器である反応器2のジャケット温度を50℃に設定した。反応器1の含有物を、5ミクロンのインラインフィルターを介して反応器2に移した。反応器1をMeCNで濯ぎ、濯ぎ液を、インラインフィルターを介して反応器2に移した。反応器2にトルエンを投入した(31.7Kg)。
【0327】
別の容器内で、7200gのK
2CO
3及び36Lの水を容器に添加すること、及び全ての固体を溶解させるまで容器をよく振盪させることによって、16.7%のK
2CO
3の溶液を調製した。K
2CO
3溶液の含有物の半分を反応器2に、少なくとも10分かけて添加した。反応器2のバッチ温度を50±5℃に調整した。反応器2内のバッチを50±5℃で少なくとも1時間かき混ぜた。かき混ぜるのを止め、反応器2内のバッチを相分離させておいた。水性相を除去した。K
2CO
3溶液の残りの含有物を反応器2に、少なくとも10分かけて添加した。反応器2内のバッチ温度を50±5℃に調整した。反応器2内のバッチを50±5℃で少なくとも1時間かき混ぜた。かき混ぜるのを止め、反応器2内のバッチを相分離させておいた。水性相を除去した。
【0328】
清潔及び乾燥の反応器である反応器3のジャケット温度を50℃に設定した。反応器2の含有物を、5ミクロンのインラインフィルターを介して反応器3に移した。反応器3の含有物を減圧で蒸留した。イソプロピルアルコール(IPA、23.9kg)を反応器3に投入し、次いで、バッチを蒸留した。IPA(23.2kg)を反応器3に再び添加した。投入/蒸留/投入サイクルを反復した。反応器3内のバッチ温度を70±15℃に調整した。次いで、反応器3にDI水(1.8L)を投入した。濃HCl(1015mL)を反応器3に、少なくとも15分かけて70±15℃で添加した。
【0329】
シード及びIPAを別の容器内で合わせることによって、化合物A-HClのシードを調製した。化合物A-HClシードをスラリーとして反応器3に添加した。反応器3内のバッチを70±15℃で少なくとも15min間熟成させることで、シードが保持するのを確実にした。反応器3内のバッチを20±5℃に少なくとも1時間かけて冷却した。ヘプタン(24.5kg)を反応器3に、20±5℃で少なくとも1時間かけて添加した。バッチを20±5℃で少なくとも15分間熟成させた。反応器3の含有物を、≦25μmのPTFE又はPPの濾布が固定されているAuroraフィルターを介して濾過した。母液を使用して反応器3を濯いだ。
【0330】
別の容器内で、IPA及びヘプタンを容器に添加すること及び振盪することによって、50%v/vのIPA/ヘプタン溶液を前もって調製した。反応器3からのフィルターケーキを50%のIPA/ヘプタン溶液で洗浄した。必要であれば、IPA/ヘプタン混合物又はヘプタン単独を反応器3に添加した後で、Auroraフィルターを介して含有物を濾過することができる。ケーキをヘプタンで洗浄した。ケーキを、GC分析によりヘプタンが約≦0.5wt%になるまで窒素及び真空下で乾燥させた。生成物を、純度及びwt%アッセイについてアキラルHPLCによって、wt%についてQNMRによって、水含有量についてKFによって、形態についてXRDによって、キラル純度についてキラルHPLCによって、及びK及びP含有量についてICP元素分析によって分析した。
【0331】
化合物A-HClは、アキラルHPLCによる99.56面積%及び88.3wt%アッセイの純度、並びにQNMRによる89.9wt%を有していた。水含有量は、KFによって決定したところ0.99wt%であった。キラル純度は、キラルHPLCによって決定したところ99.9%のeeであった。P及びK含有量は、ICP元素分析によって決定したところ、それぞれ171ppm及び1356ppmであることが見出された。
【0332】
したがって、実施例4は、本発明による化合物A-HClの合成を示している。
【0333】
実施例5
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(化合物A)の合成-経路3
【0334】
【化76】
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【0335】
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オンを、スキーム5経路3に従って以下の手順によって合成した。0.760g(1.6mmol)のN'-(3-フルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパンヒドラジド(HYDZ)及び0.62g(2.4mmol)のトリフェニルホスフィンを、16mLのTHF中に溶かした。0.31mL(2.4mmol)のトリメチルシリル(TMS)-アジドを添加し、続いて、反応温度を33℃より低く維持しながら0.37mL(2.4mmol)のDEADを添加した。反応物を室温で50分間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。
【0336】
粗材料をジクロロメタン中に溶かし、シリカゲルに負荷した。90:10:1のDCM:MeOH:NH
4OH溶媒系を使用する中圧液体クロマトグラフィーを介して、粗材料を精製した。(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン350mg(48%の収率)を、淡褐色の固体として回収した。(S)異性体も回収した。生成物は、HPLCによる97%の純度を有していた。
【0337】
したがって、実施例5は、本発明によるエナンチオマー純粋化合物Aの合成を示している。
【0338】
実施例6
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(化合物A)及び塩酸塩の合成-経路3
【0339】
【化77】
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【0340】
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オンを、スキーム6経路3に従って以下の手順によって合成した。ベンゾチアジルジスルフィド(3.31g、9.97mmol)、HYDZ(4.0g、8.31mmol)及び撹拌子を、窒素導入口、熱電対及びセプタムを乗せた還流凝縮器が固定されている50mLの3つ口フラスコに添加した。フラスコヘッドスペースを窒素でパージし、固体をMeCN(20.00mL、5mL/g)中に環境条件で懸濁した。フラスコ含有物を50℃に加熱マントル上で加熱した。最終的に、THF(9.97ml、9.97mmol)中溶液であるトリメチルホスフィンを、1時間かけて撹拌しながらシリンジポンプによって滴下により添加した。還流凝縮器の代わりにフラスコの側面に氷パックを貼付した。添加から約0.5時間後、結果として得られた懸濁液をサンプリング及び分析し、最後から2番目の約99%の変換、及び約94%の化合物A対ベンゾチアゾール-2-チオール(「BtSH」)付加物選択性を示した。
【0341】
添加から約0.75時間後、黄色の反応混合物を0℃に氷浴中で冷却し、水中の30%過酸化水素(2.037mL、19.94mmol)を2時間かけて滴下により添加した。反応溶液を室温に終夜加温させておいた。
【0342】
懸濁液を30℃に加熱し、その温度で3時間保持し、次いで室温に冷却した。冷却が完了した後、アリコットを濾過し、濾液を液体クロマトグラフィーによって分析し、99%の化合物A対BtSH付加物(化合物A全体で91%の純度)を示した。
【0343】
約0.5"厚のセライト濾過パッドを、50mLの使い捨てフィルターフリット上に設置し、トルエン(32.0mL、8mL/g)で湿らせた。反応懸濁液をセライトパッドに移し、濾過することでBtSH関連の副生成物を除去し、MeCN(2.000mL、0.5mL/g)で洗浄した。濾液を100mLの丸底フラスコに移し、全体で約5wt%の塩で重炭酸ナトリウム(7.5ml、8.93mmol)及びチオ硫酸ナトリウム(3.75ml、4.74mmol)からなるクエンチ水溶液30mL(7.5体積)で処理した。懸濁液を約15分間撹拌し、次いで層を分離させておいた。層をカットした時点で、水性廃棄物ストリームをLCによって分析し、8%の損失を示した。有機ストリームを同様に分析し、廃棄物ケーキに対する約20%の損失を示唆する71%のアッセイ収率を示した。
【0344】
磁気撹拌子、熱電対、及び氷冷却した受けフラスコ付きの短経路蒸留ヘッドを有する3つ口の50mL丸底フラスコに、有機カットを移した。沸騰するフラスコ含有物を55℃及び300トル圧で蒸留した。体積が17mLに低減された。IPA(約75mL)を注入して一定の体積で蒸留を続けた。結果として得られた希薄懸濁液を温かいフラスコ中に濾過し、水(0.8mL)を添加した。溶液を80℃に加熱した。この温度に達した後、37%濃塩酸(0.512ml、6.23mmol)を添加し、溶液に、約30mg(約1wt%)の化合物A-HCl塩をシードした。シードを15分間保持した。次に、懸濁液を20℃に2時間かけて冷却した。最終的に、ヘプタン(17mL、6体積)をシリンジポンプによって2時間かけて添加した。懸濁液を環境条件下で終夜撹拌させておいた。
【0345】
黄色-緑色の固体をM-多孔性ガラスフィルターフリット上で濾過した。ウェットケーキを、1:1のヘプタン/IPA(2体積、5.5mL)で、及び次いで2体積の追加のヘプタン(5.5mL)で洗浄した。ケーキを空気の通過によって乾燥させた。乾燥させたケーキ(3.06g、78.5wt%、94LC面積%の化合物A、62%の収率)をキラルLCによって分析し、99.6%のeeの光学純度を示した。
【0346】
したがって、実施例6は、本発明によるエナンチオマー的に純粋な化合物A及びその塩酸塩の合成を示している。
【0347】
実施例7
化合物Aの再結晶化
【0348】
【化78】
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【0349】
化合物A-HClを化合物Aに再結晶化させた。20℃のジャケット温度を有する(60L)ジャケット付き反応器である反応器1に、化合物A-HCl 5291g、1.0当量を投入した。IPA2体積(10.6L)及び水1体積(5.3L)を反応器1に添加し、反応器1のかき混ぜを開始した。
【0350】
NaHCO
3(1112g)及び水(15.87L、3体積)を適切な容器内に投入すること、及び全ての固体を溶解させるまでよく振盪することによって、NaHCO
3水溶液を前もって調製した。バッチ温度を30℃より低く維持しながら、調製したNaHCO
3溶液を反応器1に、少なくとも30分かけて添加した。次いで、バッチ温度を約60℃に調整した。インラインフィルターを介して反応器1の含有物を、60±5℃のジャケット温度を有する第2の反応器である反応器2に移すことによって、反応溶液を濾過した。反応器2に、バッチ温度をおよそ60℃に維持しながらインラインフィルターを介して少なくとも30分かけて水(21.16L)を投入した。添加後、バッチ温度をおよそ60℃に調整した。
【0351】
化合物Aシード(0.01当量)及びIPA/水(20:80)を適切な容器内にて、懸濁液を得るのに十分な量で合わせることによって、シードを調製した。シード調製ステップを前もって実施した。反応器2にシードスラリーを投入した。バッチを55〜60℃で少なくとも15分間熟成させた。バッチを20±5℃に少なくとも1hかけて冷却した。反応器2からのバッチを、湿ったミルを介して少なくとも1時間、例えば、4L/分の流量を有する1つの微細なローターステーターを60Hzで約150分間使用して再循環させた。
【0352】
反応混合物をミリング作業中に粒子サイズ分布のためにサンプリングした。固体をMalvern粒子サイズ分布(PSD)及び顕微鏡イメージングによって分析した。ミリング作業の最後に、反応混合物の試料を再び分析した。上澄み濃度をHPLCによって分析し、Malvern PSD及び顕微鏡イメージングによって固体を分析することで、結果として得られた結晶を可視化した。
【0353】
バッチ温度を35±5℃に調整し、バッチを少なくとも1時間熟成させた。バッチを20±5℃に少なくとも2時間かけて冷却した。上澄み中に残っている生成物の量を決定するために、反応混合物をサンプリングした。上澄み濃度を、上澄み中≦5mg/mLの化合物Aという目標についてHPLCによって分析した。反応器2の含有物を、≦25μmのPTFE又はPPの濾布が固定されているAuroraフィルターを介して濾過した。
【0354】
20%v/vのIPA/水溶液を調製し、反応器2からのフィルターケーキを20%のIPA/水溶液で洗浄した。次いで、ケーキを水で洗浄した。必要であれば、IPA/水溶液又は水単独を反応器2に添加した後で、反応器の含有物を濯ぐために濾過することができる。目標の残留水及びIPAのレベルに達するまで、ケーキを湿潤窒素及び真空下で乾燥させた。生成物はKF分析による3.2〜4.2%の水を有していた。生成物をGCによって残留IPAについて分析した(約5000ppm以下について許容される)。収率及び純度は、それぞれ100%及び99.69%(HPLCによる)であると決定した。
【0355】
したがって、実施例
7は、本発明による、HCl塩である化合物A-HClからの化合物Aの再結晶化を示している。
【0356】
実施例8
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(化合物A)の合成
【0357】
【化79】
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【0358】
(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オンを、スキーム8に従って以下の手順によって合成した。清潔及び乾燥の60L反応器に、還流凝縮器、窒素導入口、及びスクラバーへの放出口を固定した(反応器1)。反応器1のジャケット温度を20℃に設定した。スクラバーを反応器1の放出口へ設置し、漂白水溶液をスクラバーに投入した。循環ポンプ(市販の5.25%のNaOCl)を開始した。スクラバーポンプを回し、反応器1上のN
2スイープを開始した。反応器1にローソン試薬1599.5g(0.52当量)を投入した。次いで、反応器1に24.4Lのアセトニトリル(MeCN)を投入した。反応器1のかき混ぜを開始した。リンスとしてアセトニトリル(5L)を使用し、HYDZ 3664.7g(1.0当量)を反応器に、少しずつ1±0.5hかけて添加した。反応器を50±5℃に加熱し、LCアッセイがHYDZの消費(≧99%の変換)を示すまで熟成させた。
【0359】
反応器を20℃に冷却し、反応物をHPLCによって化合物Aについてアッセイした。アッセイは、化合物Aの99%粗収率を示した。
【0360】
反応器1の含有物を、第2の反応器である反応器2に、1ミクロンのインラインフィルターを介して移した。反応器2に水2Lを投入した。反応器2をバッチ濃縮器に接続し、約10Lの最終体積まで真空蒸留した。ジャケット温度は蒸留中50℃であり、ポット温度を50℃より低く維持した。次いで、バッチを20℃に冷却した。
【0361】
別の容器内で、1160gのK
2CO
3及び10450mLの水を容器に添加すること、及び全ての固体を溶解させるまでよく容器を振盪することによって、10%のK
2CO
3の溶液を調製した。K
2CO
3溶液を反応器2にインラインフィルター(5μm)を介して添加した。精製水13kgを反応器にインラインフィルター(5μm)を介して添加した。
【0362】
化合物Aシードを反応器に、添加ポートを介して添加した。結果として得られたスラリーを1時間の間熟成させ、その最中に結晶化が観察された。反応器を真空下に置き、水16Lを投入した。結果として得られたスラリーを20℃で終夜熟成させた。生成物スラリーを、25μmの濾布を介して濾過し、水溶液中10%のMeCN 10L、続いて水12Lで洗浄した。生成物をフリット上にて、周囲湿度濾過空気のストリーム下で乾燥させた。
【0363】
化合物Aを<11%のRHで可逆的に脱水する一水和物結晶性固体として単離した。乾燥させた後、KFによって決定したところ3.9wt.%の水が一定重量固体に存在していた。化合物A 3.317kg、89%の収率を淡黄色の固体として単離した。生成物は、LCAPによって決定したところ99.4wt.%の純度を有していた。
【0364】
実施例9
NAPHの合成-経路1
【0365】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0366】
化合物Aの合成のためのNAPH出発材料を、スキーム9経路1に従って以下の手順によって合成した。6Lのジャケット付き反応器である反応器1のジャケット温度を、22℃に設定した。エチル5-ブロモ-2-メチルニコチネート2409g(1.0当量)、トリアジン824g(1.0当量)、及び3.6Lのジメチルスルホキシド(DMSO)を反応器に添加した。ジャケット温度を45℃に調整した。均質の溶液が結果として生じるまで、反応器をかき混ぜた。完全な溶解が(視覚的に)生じた時点で、反応器1のジャケットを22℃に冷却した。
【0367】
第2の60mL反応器である反応器2を準備した。水8.0Lをスクラバーに投入した。10Nの水酸化ナトリウム4.0Lをスクラバーに添加し、スクラバーを反応器2に接続した。冷却凝縮器を始動させた。炭酸セシウム6411.2g及びDMSO 12.0Lを反応器2に添加した。反応器2のかき混ぜを開始した。反応器2のバッチ温度を80℃に調整した。反応器1からの溶液をゆっくり1時間かけて80℃で、内部温度をモニタリングしながら添加した。DMSO 1.2Lを反応器1にリンスとして添加した。DMSOリンスを反応器1から反応器2に6分かけて移した。反応器2を1時間超の間かき混ぜ、3-ブロモ-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オンへの変換を、≦1.0%のエチル5-ブロモ-2-メチルニコチネートが残るまでHPLCによってモニタリングした。反応が完了した時に、バッチ温度を60℃に調整した。水24.0L(10V)を反応器2に2時間かけて、60±5℃の反応温度を維持しながら、ぜん動ポンプを192mL/分で使用して添加した。反応器2を22℃に1時間10分かけて冷却した。3mg/mL未満の3-ブロモ-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オンについての上澄みアッセイまで(HPLCによって分析した)、撹拌を22±5℃で続けた。25μmのポリプロピレン濾布が固定されているAuroraフィルターを介して、結晶化生成物を濾過した。反応器及びフィルターケーキを、75wt%のH
2O-DMSO溶液(1.6LのDMSO及び5.6Lの水から作製された3体積)、続いて水(7.2L、3体積)、及び最終的にトルエン(7.2L、3体積)で洗浄した。生成物ケーキをauroraフィルター上にて真空下で窒素ストリームを用いて周囲温度で乾燥させた。生成物は、KFが<2.0wt%の水である場合に乾燥であると決定した。3-ブロモ-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン2194gをベージュ色の固体として単離した。化学純度は99.73%であった。調整収率は2031.6g(91.9%)であった。
【0368】
100L反応器である反応器3のジャケット温度を15±5℃に設定した。2-メトキシエタノール6.45Lを反応器に添加し、かき混ぜを開始した。リチウムtert-ブトキシド(8107g)を少量ずつ反応器に、反応器温度を15℃から24℃の範囲に維持しながら添加した。3-ブロモ-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン3795gを反応器に添加した。2-メトキシエタノール4mLを添加することで、反応器の壁上の固体を濯いだ。反応器含有物を少なくとも5分間撹拌した。反応混合物を1atmの窒素下で(ジャケット温度145℃)、t-BuOH及び水を除去するための蒸留まで加熱した。ポット温度が122±3℃に達するまで、蒸留が続いた。反応器含有物をサンプリングし、KFによって水含有量について分析した。反応混合物を35℃未満に冷却した。243gのCuBrを反応器に添加した。真空を50トルまで適用すること及び窒素を3回バック充填することによって、反応混合物を脱気した。ジャケット温度を150℃より低く維持しながら、バッチを120±5℃に加熱した。バッチを(174RPM)15.5時間かき混ぜた。反応物の試料を採取し、反応進行をHPLCによってモニタリングした。残りの3-ブロモ-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オンが1%未満になった時に、ジャケット温度を25℃に冷却した。
【0369】
Auroraフィルターに25μmのPTFE布を備え、Celite(登録商標)を投入した。反応器含有物を濾布上に移し、濾液を反応器内に回収した。2-メトキシエタノール800mLを反応器に添加し、かき混ぜた。反応器含有物をフィルター上に移し、濾液を反応器内に回収した。温度を32℃未満に維持しながら、酢酸5.6Lを反応器に添加することでpHを6.5に調整した。次いで、バッチを80℃に加熱した。反応混合物を3.0±5体積(約12L)に80±5℃にて、真空下での蒸留を介して濃縮した。
【0370】
HEDTA溶液として標識された別の容器内で、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム塩水和物589.9g及び7660mLの水を混合することで、清澄な溶液を調製した。バッチの温度を約80〜82℃に維持しながら、HEDTA溶液をゆっくり反応器に添加した。次いで、バッチを72℃に冷却した。
【0371】
水200mL中のNAPH(31.3g)の水性シードスラリーを反応器に添加した。スラリーを30±10分間熟成させた。水20Lをゆっくり反応器に添加することで、温度を65±5℃に維持した。バッチを65±5℃で30分間熟成させた。バッチを20℃に1時間かけて冷却した。反応器含有物を圧縮空気で1時間パージし、次いでバッチを-15℃にさらに冷却し、12.5時間熟成させた。25μmのPTFE濾布が固定されている遠心分離機を介して、バッチを濾過した。ウェットケーキ5.31Kgを回収した(60〜62wt%)。ウェットケーキを6VのHEDTA溶液中で再スラリー化し、遠心分離機を介して濾過した。回収したウェットケーキを遠心分離機内で乾燥させ、Auroraフィルターに移して乾燥を続けた。
【0372】
KFによる2.7%の水含有量を有するNAPH 2.82kg(76%の単離収率)を回収した。
【0373】
したがって、実施例
9は、実施例に従ったNAPHの合成を示している。
【0374】
実施例10
NAPHの合成-経路2
【0375】
【化81】
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【0376】
化合物Aの合成のためのNAPH出発材料を、スキーム10経路2に従って以下の手順によって合成した。
【0377】
保護された2-メトキシ-ピリジン-4イルアミンの調製。1600L反応器を窒素でフラッシュし、反応器の温度を20℃未満に維持しながらN,N-ジメチルアセトアミド120L、100.0kgの2-メトキシ-ピリジン-4-イルアミン、及び89.6kgのトリエチルアミンを投入した。別の容器内で、103.0kgの塩化ピバロイルをN,N-ジメチルアセトアミド15.0L中に溶解させ、10℃未満に冷却した。反応器温度を5℃から25℃の間に維持しながら、添加漏斗を使用し3.2時間かけて塩化ピバロイル溶液を反応器に添加した。添加漏斗をN,N-ジメチルアセトアミド15.0Lで洗浄し、これを反応器に添加した。反応物を2.3時間の間20〜25℃で撹拌した。反応物の試料を採取し、2-メトキシ-ピリジン-4イルアミンについてTLCによって分析した。2-メトキシ-ピリジン-4イルアミンは溶液中に残っておらず、反応物を20〜25℃にて窒素下で終夜熟成させた。反応物を5〜15℃に維持しながら、脱イオン水1200Lを反応物に2時間かけて添加した。結果として得られた混合物を15℃で2時間の間撹拌し、次いで5℃に冷却した。反応物を700〜900rpmにて3つのバッチ内で遠心分離した。各バッチを脱イオン水(3×167L)で800rpmにて3回洗浄した。得られた湿固体を真空下にて55℃で18時間の間2バッチ内で乾燥させ、篩い分けし、水含有量がKFによって決定したところ≦0.2%になるまで再び真空下にて55℃で21時間の間乾燥させた。保護された2-メトキシ-ピリジン-4イルアミン80.4kg(89.7%の収率)を白色の固体として回収した。
【0378】
保護された3-ホルミル-4-アミノ-2-メトキシピリジンの調製。1600L反応器を窒素でフラッシュし、THF 1000L及び保護された2-メトキシ-ピリジン-4イルアミン70.5kgを投入した。反応物を10分間15〜25℃で撹拌した。反応物を-5℃に冷却し、反応物の温度を≦-4℃に維持しながらn-ヘキシルリチウム236.5kg(ヘキサン中溶液)を11.5時間かけて添加した。反応物を≦-4℃に2時間の間維持した。反応物の試料をD
2Oでクエンチし、オルト-リチウム化の程度を
1H NMRによって決定した(98.2%の変換)。61.9kgのジメチルホルムアミド(DMF)を≦-4℃で3.2時間かけて添加した。7.5時間≦-4℃で撹拌した後、反応物の試料を変換についてHPLCによってアッセイした(98.5%の変換)。
【0379】
1600L反応器である反応器2を窒素でフラッシュし、145LのTHF及び酢酸203.4kgを投入した。結果として得られた溶液を-5℃に冷却した。第1の反応器の含有物を反応器2に2.5時間かけて0℃で移した。第1の反応器を50LのTHFで洗浄し、洗浄液を反応器2へ移した。温度を5℃未満に維持しながら、353Lの脱イオン水を反応器2に添加した。15分のデカンテーション後、水層を除去し、有機層を、体積が337Lになるまで大気圧で5時間かけて濃縮した。イソプロパノール(350L+355L)を添加し、反応物を、体積が337Lになるまで大気圧で再び濃縮した。蒸留を止め、イソプロパノール90Lを反応器に75〜94℃で添加した。脱イオン水350Lを反応器に60〜80℃で1時間かけて添加した(温度は添加の最後に約60〜65℃であった)。反応物を0〜5℃に冷却した。1時間後に、結果として得られた懸濁液を濾過した。反応器2を脱イオン水(2×140L)で2回洗浄した。洗浄液を使用して、フィルター上の固体を濯いだ。湿固体を真空下にて50℃で15h間乾燥させた。保護された3-ホルミル-4-アミノ-2-メトキシピリジン71.0kg(80%の収率)が生成された。ホルミル置換ピリジンの純度は、LCAPによる92.7%であることが見出された。
【0380】
1600L反応器である反応器3を窒素でフラッシュし、190Lのエタノール、保護された3-ホルミル-4-アミノ-2-メトキシピリジン128.7kg、脱イオン水144L及び水酸化ナトリウム278.2kgを連続して投入した。バッチを60〜65℃に加熱し、ビサルファイト付加物329.8kgを1時間かけて添加した。1時間の撹拌後、HPLC分析のための試料を採取し、これは、100%の変換を示した。バッチを2時間60〜65℃で熟成させ、次いで、20〜25℃にゆっくり冷却させておいた。バッチを20〜25℃で12時間熟成させた。バッチを濾過し、反応器を水(2×125L)で洗浄した。洗浄液を使用して、フィルター上の固体を濯いだ。500Lの脱イオン水を有する反応器に湿固体を移し、45〜50℃に1時間加熱した。バッチを20〜25℃(24時間)に戻らせておいた。固体を濾過し、反応器を脱イオン水(2×250L)で洗浄した。洗浄液を使用して、フィルター上の固体を濯いだ。湿った白色の固体112.5kgが得られた(ナフチリジン85.1Kg(乾燥)を含有、72.3%の収率、HPLCによって決定したところ97%超の純度)。湿った生成物を乾燥させることなく次のステップで直接使用した。
【0381】
1600L反応器を窒素でフラッシュし、脱イオン水417L及び湿ったナフチリジン112.5kgを投入した。スクラバーに水700L及び92.2kgのモノエタノールアミンを充填した。塩酸の溶液(脱イオン水34L中に希釈された46.6kg)を反応器に15〜20℃で10分かけて添加した。バッチを60〜65℃に3時間加熱した。バッチの試料を採取し、TLCによって決定したところ、残りの出発材料を含有していなかった。濃水酸化ナトリウムの溶液(脱イオン水31L中58.2kg)を反応器に60〜65℃で添加した。溶液の65%を15分かけて添加し、次いで、バッチに結晶化NAPHをシードした。結晶化が2.5時間後に観察され、次いで、水酸化ナトリウム溶液の残りの35%を添加した(pH-11.1)。バッチを25〜30℃に冷却し、一塩基性リン酸ナトリウムの溶液(脱イオン水2.9L中1.8kg)を25分かけて25〜30℃で添加した(pH=6.75)。バッチを15〜20℃で12時間の間撹拌し、濾過した。反応器を脱イオン水(2×176L)で2回洗浄した。洗浄液を使用して、フィルター上の固体を濯いだ。湿固体を、水含有量が<5%(KFによる)になるまで真空下にて50℃で乾燥させることで、NAPH 78.1kg(73.8%の収率、≧95%)をベージュ色の粉末として得た。
【0382】
したがって、実施例
10は、本発明によるNAPHの合成を示している。
【0383】
実施例11
(R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸ナフタレン-2-スルホネート(NAPA)の合成
【0384】
【化82】
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【0385】
NAPAを、スキーム11経路3に従って以下の手順によって合成した。3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン4.75gを、DMF 45mL中に懸濁した。2.58mLの(s)-乳酸メチル及び9.05gのトリフェニルホスフィンを懸濁液に添加した。反応混合物を0℃に冷却した。5.12mLのアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)を、シリンジを介して滴下により添加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。反応物の試料を採取し、LCMSによって反応が完了していると決定された。反応混合物を真空下で濃縮することで、粗材料を黄色油状物として得た。
【0386】
粗材料1gをシリカゲルプレカラム上のジクロロメタン中に負荷した。Isco Combi-Flash System、カラム40g、溶媒系ヘキサン/酢酸エチル、勾配0〜100%の酢酸エチルを使用して15分かけて、試料を精製した。生成物が100%の酢酸エチルで溶出した。生成物画分を合わせ、真空下で濃縮した。(R)-メチル2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパノエート256mgを、淡黄色油状物として回収した。
【0387】
残りの残渣をベンゼンと6Nの塩酸水溶液(35.9mL)との間で分配した。酸性層をベンゼン(3×)、ジエチルエーテル(2×)、酢酸エチル(2×)及びジクロロメタン(1×)で抽出した。ジクロロメタン層を6Nの塩酸水溶液(2×)で逆抽出した。水層をTHF(80mL)で希釈した。混合物を80℃で3時間加熱した。反応混合物を濃縮することで、THFを除去した。残りの酸性水層を酢酸エチル及びジクロロメタンで抽出した。水層を真空下で濃縮した。残りの固体をメタノールとすり混ぜた。混合物を濾過することで、固体(ナフチリドン)を除去した。メタノール層を真空下で濃縮した。残りの固体を終夜凍結乾燥器上で乾燥させた。材料10.2gを黄色の固体として回収した。NAPAは、HPLCによって決定したところ材料の72%を構成していた。
【0388】
粗材料1.0gを最小の熱いiPrOH中に溶解させ、次いで濾過し、RTに冷却した。結晶化は生じなかった。そのため、溶液を冷凍庫内で終夜冷却した。黄色の沈殿物が形成された。固体をガラスフリット上に回収し、最小のiPrOHで洗浄した。黄色の固体171mgを回収し、これは、LC-MS及び
1H NMRによると少量のナフチリドンを有するNAPAであった。
【0389】
酸-塩基抽出。粗材料約1gを飽和重炭酸ナトリウム水溶液中に溶解させた。粗材料をジクロロメタンで抽出した。水層のpHを6〜7に酢酸で調整し、次いでジクロロメタンで抽出した。生成物11mgを単離し、生成物の大部分が水層中に残った。pHをおよそ4〜5に追加の酢酸で低減した。水層をジクロロメタン、酢酸エチル、及び15%のメタノール/ジクロロメタンで抽出した。有機層を真空下で濃縮することで、LC-MSによって決定したところ、NAPA 260mgを遊離塩基として得た。
【0390】
したがって、実施例
11は、本発明によるNAPAの合成を示している。
【0391】
実施例12
ビサルファイト付加物の合成
【0392】
【化83】
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【0393】
方法1
ビサルファイト付加物を、スキーム12の方法1に従って以下の手順によって合成した。2Lの丸底フラスコ(RBF)を窒素でパージし、試薬グレード塩化オキサリル73.1mL及び693mLの塩化メチレンを投入した。バッチを-40℃未満に冷却した。ジメチルスルホキシド88mLをフラスコに、添加漏斗を介して-40℃未満で添加した。添加後、バッチを10分間-60℃で撹拌した。97mLのジエチレングリコールモノメチルエーテルをフラスコに、-50℃未満で10分かけて添加した。結果として得られた白色のスラリーを-60℃で30分間撹拌した。229mLのトリエチルアミンをフラスコに、添加漏斗を介して-30℃未満で1時間かけて添加した。バッチをRTに加温した。300mLのMTBEをフラスコに添加し、バッチを15分間撹拌した。フリット漏斗を介してスラリーを濾過し、ケーキを300mLのMTBEで洗浄した。濾液を350〜400gに濃縮し、次いで再び濾過することで、トリエチルアミン-HCl塩を除去し、固体をMTBEで濯ぎ、わずかに黄色の濾液溶液357.7gが得られた。溶液をQNMRによってアッセイし、所望のアルデヒド(70%粗収率)19wt%(68g)を含んでいた。溶液を150.2gに濃縮した。
【0394】
500mLのRBFに、60.0gの亜硫酸水素ナトリウム及び水150mLを投入することで、清澄な溶液を得た。濃縮アルデヒド溶液をビサルファイト水溶液に5分かけて添加した。発熱温度上昇が18℃から最大60℃まで観察された。溶液を15mLの水で濯いだ。結果として得られた黄色の溶液をRTに冷却し、窒素スイープ下で終夜撹拌した。溶液のQNMRをとった。溶液はビサルファイト付加物43wt.%(300g、70%の収率)を含有していた。
【0395】
方法2
ビサルファイト付加物を、スキーム12の方法2に従って以下の手順によって合成した。2500L反応器を窒素でフラッシュし、2-メトキシエタノール657.5Lを投入した。温度を30℃未満に維持しながら、水酸化リチウム一水和物62.6kgを反応器に添加した。反応器を113±7℃に加熱した。溶媒270Lを1時間かけて蒸留し、次いで反応器温度を110℃に調整した。ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール269.4kgを16分かけて添加し、温度を110℃から120℃の間に維持した。反応を13時間の間加熱還流した(115〜127℃)。反応物の試料をアッセイし、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドの変換は98.3%であることが見出された。反応物を15〜20℃に冷却し、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)1305L及び脱イオン水132Lを反応器に添加した。反応物を20分間撹拌し、次いでデカンテーションした。水層を1600L反応器内に移し、有機層を第1の反応器内に保持した。水層をMTBE 260Lで10分間抽出した。10分のデカンテーション後、水層を除去し、有機層を第1の反応器に移した。混合有機層を、脱イオン水(2×120L)中に希釈された濃水酸化ナトリウム溶液(2×17.3kg)の混合物で2回、各々15分洗浄した。水層を除去し、有機層を、体積が540Lになるまで大気圧にて60〜65℃で濃縮した。有機層を15〜20℃に冷却することで、
1H NMR及びHPLCアッセイによって決定したところ純粋な生成物215.2kg(87.3%の収率)を含有する2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドをオレンジ溶液(417.4kg)として得た。
【0396】
1600L反応器である反応器3を窒素でフラッシュし、温度を25℃より低く維持しながら、595Lの脱イオン水、続いて37.8kgの硫酸を25分かけて添加漏斗を介して投入した。添加漏斗を脱イオン水124Lで洗浄し、洗浄液を反応器3に添加した。
【0397】
2500L反応器である反応器4を窒素でフラッシュし、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドの溶液417.4kgを投入した。反応器3の含有物を反応器4内に、反応器4の温度を35℃より低く維持しながら25分かけて移した。バッチを30〜35℃で3時間の間熟成させた。バッチの試料を採取し、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドについてアッセイした。2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドは残っていなかった。バッチを5時間熟成させ、次いで15〜20℃に冷却した。
【0398】
脱イオン水(196L)中の炭酸ナトリウム(39.2kg)の溶液を反応器3内で調製した。炭酸ナトリウム溶液を反応器4に、反応器4の温度を30℃より低く維持しながら25minかけて移した。結果として得られた混合物のpHはpH5〜6であった。pHが約7〜8になるまで、1.0kgの炭酸ナトリウムを分割して添加した。脱イオン水(218L)中の亜硫酸水素ナトリウム(116.5kg)の溶液を反応器3内で調製した。亜硫酸水素ナトリウム溶液を反応器4に、反応器4の温度を30℃より低く維持しながら20minかけて移した。反応器3を脱イオン水(15L)で洗浄し、洗浄液を反応器4に添加した。バッチを1.2時間の間撹拌した。23.3kgの亜硫酸水素ナトリウムを反応器4に添加し、バッチを終夜熟成させた。沈殿が観察されるまで、バッチを真空下にて30〜50℃で6.5時間かけて濃縮した。バッチを0〜10℃に大気圧で冷却した。0〜10℃で30min後、懸濁液を2つのフィルター上で濾過した。反応器4を脱イオン水(2×23L)で洗浄した。第1の洗浄液を使用して固体を第1のフィルター上で濯ぎ、第2の洗浄液を使用して固体を第2のフィルター上で濯いだ。濾液を合わせることで、ビサルファイト付加物の水溶液473.9kg(純粋な生成物202.5kg、76.3%の収率)を黄色の液体として得た。
【0399】
したがって、実施例
12は、本発明によるビサルファイト付加物の合成を示している。
【0400】
実施例13
2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジンの合成
【0401】
【化84】
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【0402】
2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジンを、スキーム13に従って以下の手順によって合成した。ホウ素-エート錯体スラリーを第1の3つ口2L丸底フラスコ内で調製した(RBF #1)。RBF #1にリチウム2-ヒドロキシ-4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン-2-ウイド141g(66.4wt%、ボロンエステルに基づいて0.9当量)を投入した。窒素スパージング(2時間)2-BuOH 120mL(5-クロロ-2,3-ジフルオロピリジンに対して1.6体積)及び120mL(1.6体積)の窒素スパージング(2時間)水をRBF #1に添加した。かき混ぜ及びN
2スイープを開始した。反応物を20℃で少なくとも30分間熟成させた(24時間まで熟成させた反応物も成功した)。
【0403】
第2の3つ口2L丸底フラスコ(RBF #2)に、Xphos-パラダサイクル1.48g(0.004当量)及び窒素スパージング(2h)2-BuOH 450mL(5-クロロ-2,3-ジフルオロピリジンに対して6体積)を投入した。RBF #2を介して真空/N
2フラッシュを3回繰り返すことで、RBFをN
2で不活性にした。RBF #2内のバッチを80℃に加熱した。5-クロロ-2,3-ジフルオロピリジン75g(1.0当量)をRBF #2に添加した。
【0404】
ホウ素-エート錯体のスラリーをRBF #1から500mLの滴下漏斗に移した。RBF #1を30mL(0.4体積)の2-BuOHで濯いだ。滴下漏斗を使用し、ホウ素-エート錯体のスラリーを1時間かけてRBF #2内の熱溶液混合物に添加した。1時間後、95%の変換が観察された。90%超の変換が観察されなかった場合、追加のホウ素-エート錯体スラリーを添加した(ホウ素-エート錯体に対して1:1の2-BuOH/水1.6体積とともに一度に0.1当量)。変換が完了した後、バッチを50℃に冷却した。冷却しながら、トルエン600mL(8体積)をRBF #2に添加した。水中の20%w/vのNaHSO
3 300mL(4体積)をRBF #2に添加し、バッチを50℃で少なくとも1時間撹拌した。5ミクロンのWhatmanフィルターを使用し50℃で、2LのAtlas反応器内へ、バッチをポリッシュ濾過した。RBF #2を1:1の2-BuOH:トルエン溶液30mL(4.0体積)で濯いだ。撹拌しながら、バッチの温度を50℃にAtlas反応器内で調整した。撹拌を止め、バッチを50℃に維持しながら、相を少なくとも15分間おいた。底部の水層をバッチから分離した。Atlas反応器に20%w/vのNaHSO
3溶液300mL(4体積)を投入し、バッチを50℃で1時間撹拌した。かき混ぜを止め、相を少なくとも15分間50℃でおいた。底部の水層を除去した。かき混ぜを開始し、バッチを50℃で少なくとも30分間保持しながら、Atlas反応器に0.5MのKF 200mL(4体積)を投入した。かき混ぜを止め、相を少なくとも15分間50℃でおいた。底部の水層を除去した。かき混ぜを開始し、反応器に水300mL(4体積)を投入した。バッチを50℃で少なくとも30分間熟成させた。かき混ぜを止め、相を少なくとも15分間50℃でおいた。底部の水層を除去した。
【0405】
有機相を蒸留によって減圧下で(180トル、ジャケット温度70℃、内部温度約50℃)最小の撹拌体積(約225mL)に濃縮した。2-BuOH 525mL(7体積)をAtlas反応器に添加した。減圧(85〜95トル、ジャケット温度75℃、内部温度約55℃)を使用して最小の撹拌体積(約125mL)に、有機バッチを再び濃縮した。バッチの合計体積を2-BuOHで250mLに調整した。
【0406】
525mL(7体積)のヘプタンをスラリー混合物に、Atlas反応器内で添加した。ジャケット温度を100℃に調整し、バッチが均質になるまでバッチを15分超の間熟成させた。バッチを20℃に少なくとも3時間かけて冷却した。混合物の試料を採取し、上澄みを2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジンについてアッセイした。濃度が10mg/mL超である場合、上澄み濃度が10mg/mL未満になるまで熟成を少なくとも1時間続けた。中型フリットを使用して、バッチを濾過した。フィルターケーキを150mL(2体積)の30%の2-BuOH/ヘプタン溶液、続いて150mL(2体積)のヘプタンで洗浄した。フィルターケーキをN
2/真空下で乾燥させた。2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン76.64gを白色の固体として単離した(87%の収率)。
【0407】
60Lのジャケット付き反応器に還流凝縮器を固定した。凝縮器冷却を0±5℃で開始した。反応器に2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン2612g(1当量)を投入し、窒素の雰囲気下に置いた。31.7L(12.2体積)の水を反応器に添加し、結果として得られたスラリーを、1時間かき混ぜながら窒素スパージした。ヒドラジン(水中35wt%)7221mL(6当量)を窒素雰囲気下で反応器に添加した。反応がHPLC分析によって完了するまで、反応器を100℃に2±2時間加熱した。反応器を20℃に2±1時間かけて40℃/時の速度で冷却した。反応器含有量物を、所望の上澄みアッセイ(母液中<2mg/mLのPYRH)まで10±9時間の間撹拌した。25μmのポリプロピレン濾布が固定されているAuroraフィルターを介して、反応器含有物を濾過した。回収したフィルターケーキを水12.0L(4.6V)で3回に分けて洗浄した。フィルターケーキを、Auroraフィルター上で4〜24時間22±5℃で、又は生成物がKFによって決定したところ0.5%未満の水を含有するまで乾燥させた。乾燥生成物を回収した。2.69kg(97%の収率)の2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジンを、白色結晶性固体として回収した。固体は、KFによって決定したところ12ppmの水含有量を有していた。
【0408】
したがって、実施例
13は、本発明による2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン、PYRHの前駆体の合成を示している。
【0409】
実施例14
PYRHの合成-経路2
【0410】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
3-フルオロ-2-ヒドラジニル-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-ピリジンを、スキーム14に従って以下の手順によって合成した。60Lのジャケット付き反応器に5Lの添加漏斗を固定し、ジャケット温度を20±5℃に設定した。20μmのインラインフィルターを介して真空でポリプロピレン移送ラインを使用し、2-メチルテトラヒドロフラン36.0L(15体積)を反応器に添加した。溶液中のディップスティックを介して1±0.5時間かき混ぜながら窒素をバブリングすることによって、溶液をスパージした。1時間後、ディップスティックを除去したが、窒素スイープは続いた。スパージした2-MeTHF 1.55kgを除去することで、リンス体積として使用した。Pd
2dba
336.7g、75.6gのX-Phos、テトラブチルアンモニウムブロミド259g、及び三塩基性リン酸カリウム7397gを反応器に添加した。マンホールを、スパージした2-MeTHF 0.125kgで濯いだ。反応器をかき混ぜ、窒素スイープを1±0.5時間続けた。次いで、窒素スイープを止め、反応物を窒素の陽圧下で放置した。
【0412】
4L瓶の水に通して1±0.5時間窒素をバブリングすることによって、スパージした水3.6L(1.5体積)を前もって調製した。窒素スパージした水を5Lの添加漏斗に、20μmのインラインフィルターを介して真空でポリプロピレン移送ラインを使用して移し、次いで、内部温度を20±5℃に維持しながら、反応物にゆっくり添加した。5Lの添加漏斗を2L添加漏斗と置き換えた。5-クロロ-2,3-ジフルオロピリジン2412gを2Lの添加漏斗に添加した。次いで、5-クロロ-2,3-ジフルオロピリジンを反応物に、2Lの添加漏斗を介して添加した。2Lの添加漏斗を、スパージした2-MeTHF 0.060kgで濯いだ。1-メチルピラゾール-4-ボロン酸、ピナコールエステル83.8g(1.15当量)を反応器に添加し、反応器を1±0.5時間窒素でスイープし、次いで、窒素の陽圧下で放置した。反応器の内部温度を70±5℃に調整した。最終試薬を添加した後、バッチを70±5℃で少なくとも4時間の間かき混ぜた。反応物から試料を採取し、反応進行を変換についてアッセイした。反応が完了する(例えば、99%超の変換)まで、反応の進行を2時間毎にチェックした。バッチを20±5℃に冷却した。
【0413】
水12.0L、次いで2411gの亜硫酸水素ナトリウムを適切な容器に投入すること、及び均質までかき混ぜることによって、20%w/vの亜硫酸水素ナトリウム溶液(12.0L、5体積)を調製した。20%の亜硫酸水素ナトリウム溶液を反応器内に移し、30分間かき混ぜた。かき混ぜを止め、相をおき、水性相を除去した。水12.0L及びフッ化カリウム348gを適切な容器に投入すること、及び均質までかき混ぜることによって、0.5Mのフッ化カリウム溶液(12.0L、5体積)を調製した。0.5Mのフッ化カリウム溶液を反応器内に移し、30分間かき混ぜた。かき混ぜを止め、相をおき、水性相を除去した。適切な容器に水12.0L及び塩化ナトリウム2999gを投入すること、及び均質までかき混ぜることによって、25%w/vの塩化ナトリウム溶液(12.0L、5体積)を調製した。25%の塩化ナトリウム溶液を反応器内に移し、30分間かき混ぜた。かき混ぜを止め、相をおき、水性相を反応器から除去した。
【0414】
0.3%の水しか残らないまで真空圧力を調整することによって反応器の内部温度を50±5℃に維持しながら、有機相を一定の体積(36L、15体積)で蒸留した。一定の体積を維持する必要がある場合には、2-メチルテトラヒドロフランを反応器に添加した。バッチを20℃に冷却し、ドラム内に移した。ポリッシュフィルターを使用して(5μmのインラインフィルターを使用して)、バッチ化された濃縮器を付着した60Lのジャケット付き反応器内にバッチを移した。2-MeTHF 1.2Lを使用して、ドラムを濯いだ。真空圧を調整することによって槽の内部温度を50±5℃に維持しながら、バッチを約9体積に濃縮した。次いで、真空圧を調整することによって槽の内部温度を50±5℃に維持しながら、バッチを一定の体積(22.0L、9体積)に蒸留した。15%の2-MeTHF:ヘプタン上澄み混合物が得られるまで、ヘプタンを残留真空で添加した。圧力を窒素下で大気圧にした。反応器を20±5℃に2±2時間かけて冷却した。生成物の量が7mg/mLの2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジンであることを上澄みのアッセイが示すまで、バッチを20±5℃でかき混ぜた。
【0415】
2-MeTHF 720mL及びヘプタン6.5Lを混合することによって、10%の2-MeTHF:ヘプタン(7.2L、3体積)洗浄溶液を調製した。25μmのポリプロピレン濾布が固定されているAuroraフィルターを介して、バッチスラリーを濾過し、撹拌しながら反応器の最上部を通るポリプロピレン移送ラインを使用する隔膜ポンプでポンピングすることを必要とする重い結晶が結果として得られた。母液を再循環させることで、移動を完了させた。反応器及びフィルターケーキを2分量の10%の2-MeTHF:ヘプタン洗浄溶液(各3.6L)で洗浄した。生成物ケーキをフリット上で窒素ストリーム下にて周囲温度で乾燥させた。2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジンは、
1H NMRアッセイが≦0.05±0.05である時に乾燥であると決定された。2.635kgをオフホワイトの結晶性固体(85%の収率)として単離した。
【0416】
60Lのジャケット付き反応器に還流凝縮器を固定した。凝縮器冷却を0±5℃で開始した。反応器に2,3-ジフルオロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン2612g(1当量)を投入し、窒素の雰囲気下に置いた。31.7L(12.2体積)の水を反応器に添加し、結果として得られたスラリーを1時間かき混ぜながら窒素スパージした。ヒドラジン(水中35wt%)7221mL(6当量)を反応器に窒素雰囲気下で添加した。反応がHPLC分析によって完了するまで、反応器を100℃に2±2時間加熱した。反応器を20℃に2±1時間かけて40℃/時の速度で冷却した。所望の上澄みアッセイに達するまで(母液中<2mg/mLのPYRH)、反応器含有物を10±9時間の間撹拌した。25μmのポリプロピレン濾布が固定されているAuroraフィルターを介して、反応器含有物を濾過した。回収したフィルターケーキを水12.0L(4.6V)で3回に分けて洗浄した。フィルターケーキをAuroraフィルター上にて4〜24時間22±5℃で、又は生成物がKFによって決定したところ0.5%未満の水を含有するまで乾燥させた。乾燥生成物を回収した。2.69kgを白色の結晶性固体として単離した(97%の収率)。水含有量はKFにより12ppmであると決定された。
【0417】
したがって、実施例
14は、本発明によるPYRHの合成を示している。
【0418】
特別な態様及び実施形態は、以下の段落に記載されている。
【0419】
一態様において、本発明は、(R)-N'-(3-フルオロ-5-(1メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)イル)プロパンヒドラジド(「HYDZ」):
【0420】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
を、(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「A」):
【0421】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で反応させることを含む方法を提供する。
【0422】
一態様において、反応させることは、HYDZをチオホスフェタン化合物と接触させることを含む。チオホスフェタン化合物は、2,4-ビス(アリール)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン2,4-ジスルフィド化合物であり得る。さらなる態様において、2,4-ビス(アリール)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン2,4-ジスルフィド化合物は:
【0423】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
である。別の態様において、2,4-ビス(アリール)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン2,4-ジスルフィド化合物は:
【0424】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0425】
本発明は、チオホスフェタン化合物が、少なくとも約0.4当量、若しくは少なくとも約0.45当量、若しくは少なくとも約0.5当量の量で、或いは約0.4当量から約0.65当量、若しくは約0.45当量から約0.65当量、若しくは約0.5当量から約0.55当量の範囲、又は約0.52当量で存在することができることをさらに提供する。
【0426】
一態様において、接触させることは、35℃から70℃、又は40℃から60℃、又は45℃から55℃の範囲の温度で行う。別の態様において、接触させることは、HYDZを、チオホスフェタン化合物を含むスラリーに添加することを含むプロセスによって行う。さらなる態様において、HYDZはスラリーに少しずつ添加される。別の態様において、スラリーはアセトニトリルを含む。またさらなる態様において、該方法は、化合物Aを酸と、化合物Aの塩を形成するのに十分な条件下で接触させることをさらに含むことができる。酸は、塩酸、リン酸、カンファースルホン酸、2-ナフチルスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びその誘導体、コハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、並びにその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、酸は塩酸を含む。本発明は、化合物Aの塩の収率が、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約99%であることを提供する。化合物Aの塩の純度は、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.7%であり得る。さらに、化合物Aの塩の光学純度は、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%のeeであり得る。
【0427】
別の態様において、本発明の方法は、化合物Aを、少なくとも7のpHを有する水リッチ溶媒と、化合物Aの一水和物形態を形成するのに十分な条件下で接触させることをさらに含むことができる。一態様において、溶媒は水及びアセトニトリルを含み、ここで、水は少なくとも80wt.%の量で存在することができる。化合物Aの一水和物形態は、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.7%、又は少なくとも約99.9%、又は約100%の純度を有することが企図される。一態様において、化合物Aの一水和物形態は、少なくとも約99.9%又は約100%の光学純度を有する。
【0428】
本発明は、反応させることが、HYDZをリン(V)脱水剤と接触させることを含む方法をさらに提供する。一態様において、脱水剤は、構造:
【0429】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物を含み、式中、各Lは独立して、C
1〜6アルキル、O-C
1〜6アルキル、アリール、O-アリール、Br、Cl又はIであり、R
1はCl、Br又はIである。さらなる態様において、各Lは、Me、Et、Pr、iPr、n-Bu、s-Bu、i-Bu、t-Bu、O-Me、O-Et、O-Pr、O-iPr、O-n-Bu、O-s-Bu、O-i-Bu、O-t-Bu、フェニル、O-フェニル、Br及びClからなる群から選択することができる。またさらなる態様において、各Lは、Me、Et、t-Bu、O-Me、O-Et、O-t-Bu、フェニル、O-フェニル、Br及びClからなる群から選択される。一態様において、R
1はCl又はBrであり得る。脱水剤はジフェニルホスフィニルクロリド、POCl
3、又はその組合せを含むことができることが企図される。一態様において、脱水剤は約1.8当量から約3当量の量で存在する。さらなる態様において、脱水剤は約2.3から約2.5当量の量で存在する。本発明の一態様において、接触させることは、塩基の存在下で生じる。さらなる態様において、塩基はピリジンである。一態様において、塩基は2,4-ルチジン、2,4,6-コリジン、及びその組合せを含む。本発明の一態様において、塩基は、脱水剤の量より少なくとも約0.2当量多い量で存在する。別の態様において、塩基は約2.5から約4.0当量の量で存在する。さらなる態様において、塩基は約2.5から約3.5当量の量で存在する。
【0430】
本発明は、接触させることが、アミド溶媒、スルホラン溶媒又はニトリル溶媒中で行う方法をさらに提供する。一態様において、溶媒はN-メチル-2-ピロリドン(「NMP」)、ジメチルアセトアミド(「DMAc」)、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びその組合せを含む。一態様において、接触させることは60℃から90℃の範囲の温度で行う。別の態様において、温度は83℃から86℃の範囲である。本発明の方法は、化合物Aを酸と、化合物Aの塩を形成するのに十分な条件下で接触させることをさらに含むことができる。酸は、塩酸、リン酸、カンファースルホン酸、2-ナフチルスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びその誘導体、コハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、並びにその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、酸は塩酸を含む。上に記載されている方法において、化合物Aの塩の収率は、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約99%であり得る。化合物Aの塩の純度は、少なくとも約88%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%である。化合物Aの塩の光学純度は、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.8%、又は少なくとも約99.9%のeeである。
【0431】
本発明は、反応させることが、HYDZをホスフィン:
【0432】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
と接触させることを含む方法をさらに提供し、式中、各L'は独立して、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基、及びオキシダントである。一態様において、各L'はC
1〜6アルキル基である。別の態様において、各L'はC
1〜4アルキル基である。さらなる態様において、各L'は、Me、Et、Pr、iPr、n-Bu、s-Bu、i-Bu及びt-Buからなる群から選択される。一態様において、ホスフィンはトリメチルホスフィンである。一態様において、各L'はアリール基又はヘテロアリール基である。別の態様において、各L'はフェニル又はピリジンである。さらなる態様において、ホスフィンはトリフェニルホスフィン又はジフェニル-2-ピリジルホスフィンである。一態様において、ホスフィンは約1当量から約2当量の範囲の量で存在する。別の態様において、ホスフィンは、約1.1当量、又は約1.2当量、又は約1.3当量、又は約1.4当量、又は約1.5当量、又は約1.6当量、又は約1.7当量、又は約1.8当量、又は約1.9当量の量で存在する。一態様において、オキシダントは、ベンゾキノン、アゾジカルボキシレート、アリールジスルフィド及び/又はヘテロアリールジスルフィド、アリールヒポクロロチオイト及び/又はヘテロアリールヒポクロロチオイト、並びにその組合せからなる群から選択される。さらなる態様において、ベンゾキノンは2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン(「DDQ」)を含む。さらなる態様において、アゾジカルボキシレートはアゾジカルボン酸ジエチル(「DEAD」)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(「DIAD」)、又はジ-(4-クロロベンジル)アゾジカルボキシレートを含む。さらなる態様において、アリールジスルフィド及びヘテロアリールジスルフィドはベンゾチアジルジスルフィドを含む。一態様において、オキシダントは約1当量から約2当量の範囲の量で存在する。別の態様において、オキシダントは約1.1当量、又は約1.2当量、又は約1.3当量、又は約1.4当量、又は約1.5当量、又は約1.6当量、又は約1.7当量、又は約1.8当量、又は約1.9当量の量で存在する。一態様において、脱水することは、アジドをさらに含む。さらなる態様において、アジドはトリメチルシリルアジド(「TMSアジド」)である。一態様において、接触させることは、15℃から35℃、又は20℃から30℃、又は30℃から70℃、又は40℃から60℃の範囲の温度で行う。一態様において、接触させることは、塩素系溶媒、エーテル溶媒、アセトニトリル、及びその組合せから選択される溶媒中で行う。さらなる態様において、エーテル溶媒はテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、又はその組合せを含む。一態様において、反応させることは、化合物Aを酸と、化合物Aの塩を形成するのに十分な条件下で接触させることさらに含む。さらなる態様において、酸は、塩酸、リン酸、カンファースルホン酸、2-ナフチルスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びその誘導体、コハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、並びにその組合せからなる群から選択される。さらなる態様において、酸は塩酸を含む。
【0433】
本発明は、化合物Aを、アルコール及び水を含む溶液中にて、化合物Aの一水和物形態:
【0434】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で結晶化することをさらに含む。
【0435】
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はその組合せが挙げられる。一態様において、アルコールはエタノールを含む。別の態様において、アルコールはイソプロパノールを含む。アルコール対水の比は、約1:10から約10:1の範囲、又は約1:1、又は約1:2、又は約1:3、又は約1:4、又は約1:5、又は約1:6、又は約1:9、又は約1:8、又は約1:9、又は約1:10、又は約10:1、又は約9:1、又は約8:1、又は約7:1、又は約6:1、又は約5:1、又は約4:1、又は約3:1、又は約2:1であり得る。一態様において、アルコール対水の比は、約1:3、又は約1:4、又は約1:5、又は約1:6、又は約2:1である。本発明のさらなる態様において、化合物Aの一水和物形態の収率は、少なくとも約95%、又は少なくとも約97%、又は少なくとも約99%である。化合物Aの一水和物形態の純度は、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.7、又は少なくとも約99.9%であり得る。化合物Aの一水和物形態の光学純度は、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.7%、又は約100%のeeであり得る。
【0436】
本発明の方法は、HYDZが、(R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸(「NAPA」):
【0437】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
を、3-フルオロ-2-ヒドラジニル-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(「PYRH」):
【0438】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
及びカップリング試薬と、HYDZ:
【0439】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で反応させることによって形成することができることを提供する。
【0440】
一態様において、NAPAは両性イオンであり得る。別の態様において、NAPAは塩であり得る。本明細書において企図される塩は、HCl、HBr、スルホン酸、又はジイソプロピルアミン若しくはカリウムのカチオンを含む。一態様において、塩はHClを含む。さらなる態様において、スルホン酸塩は、2-ナフタレンスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ニトロベンゼンスルホン酸、2,5-ジクロロベンゼンスルホン酸、(-)-10-カンファースルホン酸、(+)-カンファー-10-スルホン酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、及びその組合せからなる群から選択されてよい。またさらなる態様において、塩は2-ナフタレンスルホン酸を含む。
【0441】
本発明は、カップリング試薬としては、カルボジイミド試薬、ホスホニウム試薬、ウロニウム試薬、インモニウム試薬、イミダゾリウム試薬、有機リン試薬、酸塩化物試薬、クロロホルメート試薬、ピリジニウム試薬、及びその組合せからなる群から選択される試薬が挙げられ得ることを提供する。一態様において、カルボジイミド試薬は、N,N'ジシクロヘキシルカルボジイミド(「DCC」)、1,3-ジイソプロピルカルボジイミド(「DIC」)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(「EDC」)、イソプロピルカルボジイミド(「CIC」)、及びその組合せからなる群から選択することができる。別の態様において、ホスホニウム試薬は、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(「BOP」)又はベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(「PyBOP」)を含む。さらなる態様において、ウロニウム試薬は、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(「HATU」)又はO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(「HBTU」)を含む。別の態様において、イミダゾリウム試薬は1,1'-カルボニルジイミダゾール(「CDI」)を含む。酸塩化物試薬は、塩化ピバロイル又は2、4、6-トリメチルベンゾイルクロリドを含むことができる。クロロホルメート試薬はクロロギ酸エチル又はクロロギ酸イソブチルを含む。
【0442】
上に記載されている方法において、反応させることは、カップリング添加剤の存在下で実施することができる。一態様において、カップリング添加剤は、ベンゾトリアゾール、ジカルボキシイミド、スクシンイミド、又はその組合せであり得る。一態様において、カップリング添加剤は、N-ヒドロキシスクシンイミド(「HOSu」)、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド(「HONB」)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(「HOBt」)、6-クロロ-1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(「Cl-HOBt」)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(「HOAt」)、及びその組合せからなる群から選択することができる。さらなる態様において、カップリング添加剤はHOBtを含む。
【0443】
一態様において、反応させることは、塩基の存在下で生じることができる。一態様において、塩基は第三級アミンを含む。第三級アミンは、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(「DIEA」)、トリエチルアミン(「TEA」)、N-メチルモルホリン(「NMM」)、Hunig塩基、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、塩基は少なくとも約1当量の量で存在することができる。さらなる態様において、反応させることは非プロトン性溶媒中で生じることができる。非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド(「DMAc」)、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、非プロトン性溶媒はDMAcであり得る。HYDZの収率は、少なくとも約75%、又は少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%であり得る。HYDZの純度は、少なくとも約95%、又は少なくとも約97%、又は少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%、又は約100%であり得る。HYDZの光学純度は、少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.7%、又は少なくとも約99.9%のeeである。
【0444】
本発明は、NAPAが、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【0445】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0446】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
及び塩基を、NAPA:
【0447】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和することによって形成される方法を提供し、
式中、R
1は、Br、Cl、I又はOTfであり、
R
2は、COOH又はC
1〜3アルキルエステルであり、
R
2がC
1〜3アルキルエステルである場合、NAPAを形成する方法は、C
1〜3アルキルエステルを加水分解することで酸を形成することをさらに含む。一態様において、R
1はClであり得る。別の態様において、R
1はBrであり得る。さらなる態様において、R
1はIであり得る。さらなる態様において、R
1はOTfであり得る。本発明の一態様において、R
2はCOOHであり得る。一態様において、
【0448】
【化99】
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は、
【0449】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。一態様において、R
2はC
1〜3アルキルエステルであり得る。一態様において、R
2はCOOCH
3又はCOOCH
2CH
3であり得る。一態様において、
【0450】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【0451】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
であり得る。塩基は、強無機塩基を含むことができる。一態様において、塩基は、KOtBu、NaOtBu、LiOtBu、Mg(OtBu)
2、Al(OtBu)
3、NaOSiMe
3、Cs
2CO
3、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「KHMDS」)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「NaHMDS」)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(「LiHMDS」)、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、塩基は、Mg(OtBu)
2並びにNaOtBu及びKOtBuの一方又は両方を含む。別の態様において、塩基は、Mg(OtBu)
2並びにNaOtBu及びKOtBuの1つを含む。Mg(OtBu)
2対NaOtBu又はKOtBuの比は、約1.5:1から約2.5:1の範囲、又は約2:1であり得る。混和することは、20℃から80℃、又は25℃から60℃、又は25℃から45℃、又は25℃から35℃の範囲の温度で行うことができる。一態様において、加水分解することは酸性条件下で行う。NAPAの収率は、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約97%であり得る。NAPAの純度は、少なくとも約95%、又は少なくとも約97%、又は少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%、又は約100%であり得る。NAPAの光学純度は、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約97%、又は少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%のeeである。
【0452】
本発明は、PYRHが、
(i)
【0453】
【化103】
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及び触媒を、中間体:
【0454】
【化104】
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を形成するのに十分な条件下で混和すること、
[式中:
(a) YはF、Cl、Br、I若しくはOTfであり、Zはボロン酸、ボロンエステル、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ若しくはケイ素を含む、又は
(b) Yはボロン酸、ボロンエステル、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ若しくはケイ素を含み、ZはF、Cl、Br、I若しくはOTfである]
並びに
(ii)
【0455】
【化105】
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及びH
2NNH
2を、PYRH:
【0456】
【化106】
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を形成するのに十分な条件下で混和すること
によって形成される方法を提供する。
【0457】
一態様において、触媒は、パラジウム(0)、パラジウム(II)、ニッケル、銅又は鉄を含む。さらなる態様において、触媒はパラジウム(0)又はパラジウム(II)を含む。別の態様において、触媒は、Pd
2(dba)
3、Pd(PPh
3)、少なくとも1つのホスフィンリガンドを有するPd触媒、PEPPSI-SIPr、又はDavePhos、XPhos、SPhos、JohnPhos、RuPhos、BrettPhos、JackiePhos、CPhos及びその組合せからなる群から選択されるパラダサイクルを含む。一態様において、触媒は、X-Phosパラダサイクルを含む。該方法は、ステップ(i)において混和することが塩基の存在下で行うことができることをさらに提供する。一態様において、塩基は、K
3PO
4、CsF、Cs
2CO
3、及びその組合せからなる群から選択される。上に記載されている方法において、YはCl、Br、I又はOTfであり得、Zはホウ素、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ又はケイ素を含むことができる。一態様において、YはClであり得る。別の態様において、YはBrであり得る。さらなる態様において、YはIであり得る。別の態様において、YはOTfであり得る。Zは、ボロン酸、ボロンエステル又はボロネートを含むことができる。一態様において、Zはボロン酸である。別の態様において、Zは、ピナコールボラン及びカテコールボランから選択されるボロンエステルである。さらなる態様において、Zは、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(「9-BBN」)、N-メチルイミノ二酢酸ボロネート(「MIDAボロネート」)、及び2-ヒドロキシ-4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン-2-ウイド:
【0458】
【化107】
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からなる群から選択されるボロネートである。一態様において、Zは、
【0459】
【化108】
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である。
【0460】
Zはマグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ又はケイ素を含むことができる。Yはホウ素、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ又はケイ素を含むことができ、ZはCl、Br、I又はOTfである。一態様において、ZはClであり得る。別の態様において、ZはBrであり得る。別の態様において、ZはIであり得る。さらなる態様において、ZはOTfである。Yはボロン酸、ボロンエステル又はボロネートを含むことができる。一態様において、Yはボロン酸である。別の態様において、Yは、ピナコールボラン及びカテコールボランから選択されるボロンエステルである。さらなる態様において、Yは、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(「9-BBN」)、N-メチルイミノ二酢酸ボロネート(「MIDAボロネート」)、及び2-ヒドロキシ-4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン-2-ウイド:
【0461】
【化109】
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からなる群から選択されるボロネートである。
【0462】
一態様において、Yは、
【0463】
【化110】
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である。
【0464】
一態様において、Yは、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ又はケイ素を含むことができる。
【0465】
本発明は、(i)における混和ステップが、ジオキサン、水、トルエン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、n-ヘプタン、及びその組合せからなる群から選択される溶媒中で行うことを開示する。一態様において、溶媒は2-メチルテトラヒドロフランを含む。一態様において、ステップ(i)において混和することは、相間移動触媒の存在下で行う。相間移動触媒は、例えば、第四級アンモニウム塩を含むことができる。別の態様において、相間移動触媒はテトラブチルアンモニウムブロミド(「TBAB」)を含む。一態様において、ステップ(i)において混和することは、アルコール及び水を含む溶媒中で行うことができる。アルコールは、1-ブタノール、2-ブタノール、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、ステップ(i)において混和することは、60℃から80℃、又は65℃から75℃の範囲の温度で行う。中間体の収率は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約97%であり得る。中間体の純度は、少なくとも約97%、又は少なくとも約98%、又は少なくとも約99%である。一態様において、ヒドラジンは、少なくとも約1当量、又は少なくとも約2当量、又は少なくとも約3当量、又は少なくとも約4当量、又は少なくとも約5当量、又は少なくとも約6当量、又は少なくとも約7当量の量で存在することができる。別の態様において、ヒドラジンは、少なくとも約3当量、又は少なくとも約4当量、又は少なくとも約5当量、又は少なくとも約6当量の量で存在することができる。
【0466】
一態様において、ステップ(ii)において混和することは、少なくとも70℃、又は少なくとも80℃、又は少なくとも90℃、又は少なくとも100℃、又は少なくとも110℃の温度で行うことができる。それは、ステップ(ii)において混和することが、水及びアルコールを含む溶媒中で行うことができるという条件である。アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、溶媒は水及びメタノールを含む。PYRHの収率は、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約97%、又は少なくとも約99%である。一態様において、PYRHの純度は、少なくとも約97%、又は少なくとも約99%、又は少なくとも約99.5%、又は約100%であり得る。
【0467】
本発明は、NAPHが
(i)式(I):
【0468】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
3はCl、Br又はIであり、R
4はアルキルである]
のメチルニコチネートを、1,3,5-トリアジン及び塩基と、式(II):
【0469】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
のナフチリジノンを形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(ii)式(II)のナフチリジノンを、メトキシエタノール、塩基及び銅(I)触媒と、NAPH:
【0470】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和すること
によって形成される方法を提供する。
【0471】
一態様において、R
3は、Br、Cl及びIからなる群から選択することができる。一態様において、R
4はC
1〜4アルキルであり得る。例えば、R
4は、Me、Et、n-Pr及びn-Buからなる群から選択することができる。本発明のさらなる態様において、銅(I)触媒は、CuBr、CuBr-DMS、Cu(OAc)、Cu(OTf)及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、銅(I)触媒はリガンドをさらに含む。一態様において、リガンドは、1,10-フェナントロリン及び3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリンの一方又は両方からなる群から選択される。本発明のさらなる態様において、ステップ(i)における塩基は、Cs
2CO
3、KOtBu、K
3PO
4、K
2CO
3、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、塩基はCs
2CO
3又はKOtBuである。本発明のさらなる態様において、ステップ(i)において混和することは、極性非プロトン性溶媒中で行うことができる。一態様において、溶媒はジメチルスルホキシド又はジメチルアセトアミドを含むことができる。本発明は、ステップ(i)において混和することを、約15℃から約100℃の範囲、又は約80℃の温度で行うことができることを提供する。一態様において、ステップ(ii)における塩基は、KH、NaH、LiH、KOtBu、NaOtBu、LiOtBu、BuLi、HexLi、Cs
2CO
3、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(「LiHMDS」)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「NaHMDS」)、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「KHMDS」)、リチウムジイソプロピルアミド(「LDA」)、リチウムテトラメチルピペリジド(「LiTMP)、LiOH、NaOH、KOH、CsOH、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、ステップ(ii)における塩基は、Cs
2CO
3、LiOtBu、LiHMDS、KOtBu、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、ステップ(ii)において混和することは、約85℃を超える沸点を有するエーテル溶媒中で行うことができる。一態様において、溶媒は、無希釈の2-メトキシエタノール、ジグリム、ジオキサン、及びその組合せからなる群から選択することができる。ステップ(ii)において混和することは、約50℃から約130℃、約80℃から約120℃の範囲、又は約114℃の温度で行うことができる。NAPHの収率は、少なくとも約56%、75%、85%又は95%であり得る。NAPHは、少なくとも約90%、95%、又は97%の純度を有する。
【0472】
本発明は、NAPHが:
(i)保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン:
【0473】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、PGは保護基であり、R
8はアルキルである]
を、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネート:
【0474】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
及び塩基と、式(III):
【0475】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
のナフチリジンを形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(ii)式(III)のナフチリジンを、NAPH:
【0476】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で酸性化すること
によって形成される方法を提供する。
【0477】
一態様において、PGは、PivCl、PivBr、及びPiv無水物からなる群から選択される。一態様において、R
8はC
1〜4アルキルである。R
8はCH
3であり得る。別の態様において、
【0478】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
は、約1当量から約5当量、又は約1.2当量の量で存在することができる。さらなる態様において、塩基は、NaOH、KOH、K
3PO
4、LiOH、CsOH及びRbOH、並びにその組合せからなる群から選択される。一態様において、混和することは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2-メトキシエタノール、t-BuOH、2-BuOH、トリフルオロエタノール、水、及びその混合物からなる群から選択される水溶性溶媒中で行う。混和することは、約40℃から90℃の範囲、又は約60℃の温度で行うことができる。一態様において、ステップ(ii)においてNAPHを形成するのに十分な条件は、酸性条件を含む。酸性条件は、HCl、HBr、H
2SO
4、CH
3SO
3H、H
3PO
4、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリル酸、及びその組合せから選択される酸を含むことができる。一態様において、酸は、約1当量から約10当量の範囲、又は約1.2当量の量で存在することができる。酸性化は、50℃から100℃の範囲、又は約65℃の温度で行うことができる。NAPHの収率は、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%であり得る。NAPH純度は、少なくとも約80%、少なくとも約30%、又は少なくとも約10%である。
【0479】
一態様において、保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンは、保護されたN-(4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン:
【0480】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
をリチウム試薬と、保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン:
【0481】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和することによって形成される。
【0482】
一態様において、リチウム試薬は、n-ヘキシルリチウム、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(「LiHMDS」)、リチウムジイソプロピルアミド(「LDA」)、リチウムテトラメチルピペリジン(LiTMP)、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、リチウム試薬は、n-ヘキシルリチウム及びn-ブチルリチウムの一方又は両方を含む。混和することは、約-50℃から25℃、又は約-30℃から-10℃の範囲の温度で行うことができる。保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンの収率は、少なくとも約80%又は少なくとも約85%又は少なくとも約90%であり得る。保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンの純度は、少なくとも約95%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約30%であり得る。
【0483】
一態様において、保護されたN-(4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンは、2-アルコキシ-ピリジン-4イルアミン:
【0484】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
を、塩基及び式(IV):
【0485】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
のピバロイル化合物と、保護されたN-(4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンを形成するのに十分な条件下で混和することによって形成され、式中、R
5はCl、Br、又はOC(O)アルキルである。一態様において、R
5は、Cl、Br、及びOC(O)アルキルからなる群から選択することができる。さらなる態様において、アルキルは、Me、Et、Pr、iPr、n-Bu、sec-Bu及びtert-Buからなる群から選択することができる。混和することは、約-30℃から50℃の範囲、又は約0℃の温度で行うことができる。保護されたN-(4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンの収率は、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%である。一態様において、N-(4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンは、少なくとも約90%、少なくとも約80%、又は少なくとも約60%の純度を有する。
【0486】
本発明の一態様において、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネート:
【0487】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
は、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒド:
【0488】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
を、HSO
3-、S
2O
52-、又はその組合せと、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネートを形成するのに十分な条件下で接触させることによって形成される。一態様において、HSO
3-及びS
2O
52-は、Li
+、K
+、Na
+、Me
4N
+、Et
4N
+、Bu
4N
+、及びその組合せからなる群から選択される対イオンを有する。さらなる態様において、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドは、2-(2-メトキシエトキシ)-1-エタノール:
【0489】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
を、酸化剤で酸化させることによって形成される。酸化剤は、塩化オキサリル、クロロクロム酸ピリジニウム(「PCC」)、二クロム酸ピリジニウム(「PDC」)、三酸化硫黄ピリジン複合体で活性化されたジメチルスルホキシド(「DMSO」)、及びその組合せからなる群から選択することができる。酸化させることは、例えば、塩基の存在下で行うことができる。塩基は、トリエチルアミン、DIPEA、N-メチルモルホリン、及びその組合せからなる群から選択することができる。一態様において、塩基はトリエチルアミンを含むことができる。酸化させることは、メトキシエタノールを含む溶媒中で行うことができる。
【0490】
一態様において、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒドは:
(i)
【0491】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
及び強塩基を混和することで、
【0492】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
6はCl、Br、I又は環式ジオール保護基であり、R
7はC
1〜4アルキルである]
を形成すること、並びに
(ii)
【0493】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
を加水分解することで
、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒド:
【0494】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
を形成すること
によって形成される。
【0495】
本発明の一態様において、R
6は、Cl、Br、I、エチレングリコール及び1,3-プロパンジオールからなる群から選択することができる。さらに、各R
7は独立して、CH
3、CH
2CH
3及びCH
2CH
2CH
3からなる群から選択することができる。一態様において、R
7はCH
2CH
3であり得る。一態様において、強塩基は、約1当量から約1.5当量の範囲の量で存在することができる。一態様において、強塩基は、約1.2当量の量で存在する。一態様において、強塩基は、NaH、LiH、LiOt-Bu、BuLi、hexLi、NaOt-Bu、KOt-Bu、KH、LiOH、及びその組合せからなる群から選択される。混和することは、約100℃から約120℃の温度範囲、又は約110℃で生じることができる。加水分解することは、酸性条件で生じることができる。スルホネートの収率は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、又は少なくとも約80%であり得る。スルホネートは、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%の純度を有することが企図される。
【0496】
本発明は:
(i)式(I):
【0497】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
3はCl、Br又はIであり、R
4はアルキルである]
のメチルニコチネートを1,3,5-トリアジン及び塩基と、式(II):
【0498】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
のナフチリジノンを形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(ii)式(II)のナフチリジノンを、メトキシエタノール、塩基及び銅(I)触媒と、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【0499】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和すること
を含む方法を提供する。
【0500】
本発明は、保護されたN-(4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン:
【0501】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
をリチウム試薬と、保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン:
【0502】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和することを含む方法を提供する。
【0503】
本発明は、保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン:
【0504】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
を、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネート:
【0505】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
及び塩基と、式(III):
【0506】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
のナフチリジンを形成するのに十分な条件下で混和することを含む方法を提供する。
【0507】
一態様において、該方法は、式(III)のナフチリジンを、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【0508】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で酸性化することをさらに含む。
【0509】
一態様において、本発明は:
(i) 4-アミノ-2-アルコキシピリジン:
【0510】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
8はアルキル基である]
を、式(IV):
【0511】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R
5はCl、Br又はOC(O)アルキルである]
のピバロイル化合物及び塩基と、N-(2-アルコキシピリジン-4-イル)ピバルアミド:
【0512】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和すること、
(ii) N-(2-アルコキシピリジン-4-イル)ピバルアミドをリチウム試薬と、保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン:
【0513】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和すること、
(iii)保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンを、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネート:
【0514】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
及び塩基と、式(III):
【0515】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
のナフチリジンを形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(iv)式(III)のナフチリジンを、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【0516】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で酸性化すること
を含む方法を提供する。
【0517】
本発明は、2-(2-メトキシエトキシ)アセトアルデヒド:
【0518】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
を、HSO
3-、S
2O
52-、又はその組合せと、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネート:
【0519】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で接触させることを含む方法をさらに提供する。
【0520】
本発明は、化合物A:
【0521】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
を、アルコール及び水溶液中にて、化合物Aの一水和物形態:
【0522】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で結晶化することを含む方法を提供する。
【0523】
本発明は:
(i) 3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【0524】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
【0525】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
及び塩基を、NAPA:
【0526】
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和すること、
[式中、R
1は、Br、Cl、I又はOTfであり、
R
2は、COOH又はC
1〜3アルキルエステルであり、
R
2がC
1〜3アルキルエステルである場合、NAPAを形成する方法は、C
1〜3アルキルエステルを加水分解することで酸を形成することをさらに含む]
(ii) NAPAを、3-フルオロ-2-ヒドラジニル-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(「PYRH」):
【0527】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
及びカップリング試薬と、(R)-N'-(3-フルオロ-5-(1メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)イル)プロパンヒドラジド(「HYDZ」):
【0528】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(iii)HYDZを、(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「A」):
【0529】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で反応させること
を含む方法を提供する。
【0530】
一態様において、反応させることは、HYDZをチオホスフェタン化合物と接触させることを含む。別の態様において、反応させることは、HYDZをリン(V)脱水剤と接触させることを含む。
【0531】
前述の説明は、理解の明解さだけのために与えられており、不必要な限定がそこから理解されるべきでなく、というのは、本発明の範囲内での修正、当技術分野において通常の技能を有する人々に明らかであり得るからである。
【0532】
この明細書及び続く特許請求の範囲の全体にわたって、文脈が別段に必要としない限り、「含む(comprise)」という言葉、並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変化は、明記されている整数若しくはステップの包含又は整数若しくはステップの群を含蓄するが任意の他の整数若しくはステップ、又は整数若しくはステップの群を排除しないと理解される。
【0533】
本明細書の全体にわたって、組成物が構成成分又は材料を含めると記載されている場合、該組成物は、別段に記載されていない限り、列挙されている構成成分若しくは材料から必須になり得るか、又はそれらの任意の組合せからなり得ることも企図される。同様に、方法が特別なステップを含めると記載されている場合、該方法は、別段に記載されていない限り、列挙されているステップから必須になり得るか、又はそれらの任意の組合せからなり得ることも企図される。本明細書において例示的に開示されている本発明は、適当には、本明細書において具体的に開示されていない任意の要素又はステップの非存在下で実践することができる。
【0534】
本明細書において開示されている方法、及びその個々のステップの実践は、手動で及び/又は電子装置によって提供される自動化を用いて実施することができる。プロセスは特別な実施形態を参照して記載されているが、当技術分野における通常の技能者は、該方法と関連する行為を実施する他のやり方が使用され得ることが容易に理解されよう。例えば、様々なステップの順序は、別段に記載されていない限り、該方法の範囲又は趣旨から逸脱することなく変更してよい。加えて、個々のステップの一部は、組み合わせること、省かれること、又は追加のステップにさらに細分することができる。
【0535】
本明細書において引用されている全ての特許、公報及び文献は、本明細書によって参照により完全に組み込まれる。本発明と組み込まれる特許、公報及び文献との間の不一致の場合においては、本発明が支配すべきである。
以下は、本発明の実施形態の一つである。
(1)(R)-N'-(3-フルオロ-5-(1メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)イル)プロパンヒドラジド(「HYDZ」):
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
を、(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「A」):
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で反応させることを含む方法。
(2)反応させることが、HYDZをチオホスフェタン化合物と接触させることを含む、(1)に記載の方法。
(3)チオホスフェタン化合物が2,4-ビス(アリール)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン2,4-ジスルフィド化合物を含む、(2)に記載の方法。
(4)2,4-ビス(アリール)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン2,4-ジスルフィド化合物が、下記化合物:
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
である、(3)に記載の方法。
(5)化合物Aを、少なくとも7のpHを有する水リッチ溶媒と、化合物Aの一水和物形態を形成するのに十分な条件下で接触させることをさらに含む、(2)に記載の方法。
(6)反応させることが、HYDZをリン(V)脱水剤と接触させることを含む、(1)に記載の方法。
(7)脱水剤が、構造:
【化159】
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[式中、各Lは独立してC1〜6アルキル、O-C1〜6アルキル、アリール、O-アリール、Br、Cl又はIであり、R1はCl、Br又はIである]
を有する化合物を含む、(6)に記載の方法。
(8)各Lが、Me、Et、t-Bu、O-Me、O-Et、O-t-Bu、フェニル、O-フェニル、Br及びClからなる群から選択される、(7)に記載の方法。
(9)化合物Aを酸と、化合物Aの塩を形成するのに十分な条件下で接触させることをさらに含む、(1)に記載の方法。
(10)酸が、塩酸、リン酸、カンファースルホン酸、2-ナフチルスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びその誘導体、コハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、並びにその組合せからなる群から選択される、(9)に記載の方法。
(11)化合物Aを、アルコール及び水を含む溶液中にて、化合物Aの一水和物形態:
【化160】
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を形成するのに十分な条件下で結晶化することをさらに含む、(1)に記載の方法。
(12)HYDZが、(R)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)プロパン酸(「NAPA」):
【化161】
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を、3-フルオロ-2-ヒドラジニル-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(「PYRH」):
【化162】
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及びカップリング試薬と、HYDZ:
【化163】
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を形成するのに十分な条件下で反応させることによって形成される、(1)に記載の方法。
(13)NAPAが、HCl、HBr、スルホン酸、ジイソプロピルアミン又はカリウムを含む塩である、(12)に記載の方法。
(14)スルホン酸塩が、2-ナフタレンスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、m-キシレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ニトロベンゼンスルホン酸、2,5-ジクロロベンゼンスルホン酸、(-)-10-カンファースルホン酸、(+)-カンファー-10-スルホン酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、及びその組合せからなる群から選択される、(13)に記載の方法。
(15)カップリング試薬が、カルボジイミド試薬、ホスホニウム試薬、ウロニウム試薬、インモニウム試薬、イミダゾリウム試薬、有機リン試薬、酸塩化物試薬、クロロホルメート試薬、ピリジニウム試薬、及びその組合せからなる群から選択される試薬を含む、(12)に記載の方法。
(16)反応させることを、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(「DIEA」)、トリエチルアミン(「TEA」)、N-メチルモルホリン(「NMM」)、及びその組合せからなる群から選択される第三級アミン塩基の存在下で行う、(12)に記載の方法。
(17)NAPAが、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【化164】
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、下記化合物:
【化165】
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[式中、R1は、Br、Cl、I又はOTfであり、
R2は、COOH又はC1〜3アルキルエステルである]
及び塩基を、NAPA:
【化166】
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を形成するのに十分な条件下で混和することによって形成され、R2がC1〜3アルキルエステルである場合、NAPAを形成する方法が、C1〜3アルキルエステルを加水分解することで酸を形成することをさらに含む、(12)に記載の方法。
(18)R2がCOOHである、(17)に記載の方法。
(19)塩基が、KOtBu、NaOtBu、LiOtBu、Mg(OtBu)2、Al(OtBu)3、NaOSiMe3、Cs2CO3、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「KHMDS」)、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(「NaHMDS」)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(「LiHMDS」)、及びその組合せからなる群から選択される、(17)に記載の方法。
(20)PYRHが、
(i)下記化合物:
【化167】
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[式中、
(a) YはF、Cl、Br、I若しくはOTfであり、Zはボロン酸、ボロンエステル、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ若しくはケイ素を含むか、又は
(b) Yはボロン酸、ボロンエステル、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ若しくはケイ素を含み、ZはF、Cl、Br、I若しくはOTfである]
及び触媒を、中間体:
【化168】
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を形成するのに十分な条件下で混和すること、
並びに
(ii)下記化合物:
【化169】
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及びH2NNH2を、PYRH:
【化170】
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を形成するのに十分な条件下で混和すること
によって形成される、(12)に記載の方法。
(21)触媒が、パラジウム(0)、パラジウム(II)、ニッケル、銅、鉄、又はその組合せを含む、(20)に記載の方法。
(22)ステップ(i)における混和を塩基の存在下で行う、(20)に記載の方法。
(23)YがCl、Br、I又はOTfであり、Zがホウ素、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ又はケイ素を含む、(20)に記載の方法。
(24)Zがボロン酸、ボロンエステル又はボロネートを含む、(23)に記載の方法。
(25)Yがホウ素、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、スズ又はケイ素を含み、ZがCl、Br、I又はOTfである、(20)に記載の方法。
(26)Yがボロン酸、ボロンエステル又はボロネートを含む、(35)に記載の方法。
(27)ステップ(i)における混和を相間移動触媒の存在下で行う、(20)に記載の方法。
(28)NAPHが、
(i)式(I):
【化171】
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[式中、R3はCl、Br又はIであり、R4はアルキルである]
のメチルニコチネートを、1,3,5-トリアジン及び塩基と、式(II):
【化172】
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のナフチリジノンを形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(ii)式(II)のナフチリジノンを、メトキシエタノール、塩基及び銅(I)触媒と、NAPH:
【化173】
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を形成するのに十分な条件下で混和すること
によって形成される、(17)に記載の方法。
(29)銅(I)触媒がCuBr、CuBr-DMS、Cu(OAc)、Cu(OTf)、及びその組合せからなる群から選択される、(28)に記載の方法。
(30)ステップ(i)における塩基がCs2CO3、KOtBu、K3PO4、K2CO3、及びその組合せからなる群から選択される、(28)に記載の方法。
(31)NAPHが、
(i)保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン:
【化174】
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[式中、PGは保護基であり、R8はアルキルである]
を、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネート:
【化175】
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及び塩基と、式(III):
【化176】
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のナフチリジンを形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(ii)式(III)のナフチリジンを、NAPH:
【化177】
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を形成するのに十分な条件下で酸性化すること
によって形成される、(17)に記載の方法。
(32)(i)式(I):
【化178】
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[式中、R3はCl、Br又はIであり、R4はアルキルである]
のメチルニコチネートを、1,3,5-トリアジン及び塩基と、式(II):
【化179】
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のナフチリジノンを形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(ii)式(II)のナフチリジノンを、メトキシエタノール、塩基及び銅(I)触媒と、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【化180】
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を形成するのに十分な条件下で混和すること
を含む方法。
(33)(i)4-アミノ-2-アルコキシピリジン:
【化181】
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[式中、R8はアルキル基である]
を、式(IV):
【化182】
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[式中、R5はCl、Br又はOC(O)アルキルである]
のピバロイル化合物及び塩基と、N-(2-アルコキシピリジン-4-イル)ピバルアミド:
【化183】
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を形成するのに十分な条件下で混和すること、
(ii)N-(2-アルコキシピリジン-4-イル)ピバルアミドをリチウム試薬と、保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジン:
【化184】
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を形成するのに十分な条件下で混和すること、
(iii)保護されたN-(3-ホルミル-4-アミノ-2-アルコキシ)ピリジンを、1-ヒドロキシ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-スルホネート:
【化185】
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及び塩基と、式(III):
【化186】
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のナフチリジンを形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(iv)式(III)のナフチリジンを、3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【化187】
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を形成するのに十分な条件下で酸性化すること
を含む方法。
(34)(i)3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「NAPH」):
【化188】
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、下記化合物:
【化189】
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[式中、R1は、Br、Cl、I又はOTfであり、
R2はCOOH又はC1〜3アルキルエステルである]
及び塩基を、NAPA:
【化190】
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を形成するのに十分な条件下で混和することであって、R2がC1〜3アルキルエステルである場合、NAPAを形成する方法は、C1〜3アルキルエステルを加水分解することで酸を形成することをさらに含み、
(ii)NAPAを3-フルオロ-2-ヒドラジニル-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン(「PYRH」):
【化191】
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及びカップリング試薬と、(R)-N'-(3-フルオロ-5-(1メチル-1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-2-(3-(2-メトキシエトキシ)-5-オキソ-1,6-ナフチリジン-6(5H)イル)プロパンヒドラジド(「HYDZ」):
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で混和すること、並びに
(iii)HYDZを、(R)-6-(1-(8-フルオロ-6-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル)エチル)-3-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-5(6H)-オン(「A」):
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
を形成するのに十分な条件下で反応させること
を含む方法。