(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585610
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】遠心分離機の排出タイミング制御方法及び遠心分離機
(51)【国際特許分類】
B04B 1/14 20060101AFI20190919BHJP
B04B 1/08 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
B04B1/14 A
B04B1/08
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-556257(P2016-556257)
(86)(22)【出願日】2015年3月13日
(65)【公表番号】特表2017-509479(P2017-509479A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】FI2015050163
(87)【国際公開番号】WO2015150621
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2018年2月22日
(31)【優先権主張番号】20145301
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】503129903
【氏名又は名称】ワルトシラ フィンランド オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ペルトコスキ,レイネ
【審査官】
佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−537997(JP,A)
【文献】
特公昭49−005858(JP,B1)
【文献】
国際公開第2009/010631(WO,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02644278(EP,A1)
【文献】
特表2009−526629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 1/00−15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離機(1)の排出事象のタイミングを制御する方法であって、より軽い液体から分離されたより重い液体及び/又はスラッジ又は固形物の少なくとも一部を少なくとも1つの排出口(14)を介して分離機から排出する排出事象の間に、排出口(14)は、液圧で開く及び/又は閉じる、前記方法は、
・予定された排出時間又は前記予定された排出時間の前まで、前記予定された排出時間を待つステップ(101)と、
・前記排出口(14)を開く及び/又は閉じるために使用される液体の圧力を測定するステップ(102)と、
・前記測定された圧力と所定の制限値を比較するステップ(103)と、
・前記圧力が前記制限値より低い場合に、前記排出事象を遅延させるステップ(105)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記排出事象を遅延させる場合(105)、前記予定された排出時間の後で前記圧力測定を継続するステップと、前記排出口(14)の開く及び/又は閉じるために使用される前記液体の前記圧力が所定の制限値に達した場合に、前記排出事象を開始するステップ(104)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧力が継続的に測定される(102)、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記排出事象を遅延させる場合(105)、以前の圧力測定から所定の期間が経過した後、前記圧力測定を繰り返すステップ(102)と、前記測定された圧力を前記所定の制限値と比較するステップ(103)と、前記圧力が少なくとも前記制限値と等しい場合に、前記排出事象を開始するステップ(104)とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記圧力が前記以前の測定において前記所定の制限値に達していない場合に、前記圧力測定を繰り返す前記ステップ(102)及び前記測定された圧力を前記所定の制限値と比較するステップ(103)が所定の間隔で繰り返される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記予定された排出時間からの経過時間及び/又は前記予定された排出時間後の圧力測定の回数をモニタし(106)、所定の期間又は圧力測定の所定の回数以内に前記排出事象が開始しない場合に、アラームを動作させる(107)、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記排出口(14)を開くために制御液が介して前記分離機(1)に導入される制御液ライン(16)で前記圧力が測定される、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記排出口(14)を閉じるためにクロージャ液が介して前記分離機(1)に導入されるクロージャ液ライン(25)で前記圧力が測定される、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記排出事象の間に前記より軽い液体が前記分離機(1)から排出されるのを防ぐための置換液が介して前記分離機(1)に導入される置換液ライン(19)で圧力が測定される、請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
より軽い液体からより重い液体及び/又はスラッジ又は固形物を分離するように配置され、排出事象の間に前記分離機(1)から前記より重い液体及び/又はスラッジ又は固形物の少なくとも一部を取り除き、前記分離機(1)が、請求項1乃至9のいずれかに記載の方法を実施するように構成された制御ユニット(22)を備える、遠心分離機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前提部分に従った遠心分離機の排出事象(discharge event)のタイミング制御方法に関する。本発明は、また遠心分離機に関係する。
【背景技術】
【0002】
異なる密度の2つの液体は、遠心分離機を用いてお互いから分離することができる。もう1つの方法又はさらに、遠心分離機は、液体からスラッジ及び/又は他の固形物を分離することに使用できる。例えば、船舶や発電所で使用されるピストンエンジンと関連する遠心分離機は、潤滑油や燃料からスラッジや水を分離することに利用される。遠心分離機は、一般的には、回転ボウル、すなわち、ディスクを積み重ねたローターを備える。より重い液体とスラッジ又は固形物に関するスラッジの容積は、ボウルの外周近傍のボウル内部に固まる。ボウルが回転するにつれて、固形物及び/又はより重い液体、すなわち、高い密度を持つ液体が、遠心力により、ボウルのスラッジ容積に移動していき、そこからこれらを取り除くことができる。低い密度を持つ分離された液体は、ディスクスタックを介してボウルの内側部分に移動し、そこから分離機から排出される。
【0003】
より重い材料は、一定の間隔の排出口を介してボウルから排出される。排出口は、通常は液圧で開閉される。典型的な遠心分離機では、ボウルは下半分と上半分を備える。下半分は、クロージャチャンバ内で液圧により上半分に対して押される。制御チャンバ(control chamber)に制御液(control liquid)を導入することにより、液圧がクロージャチャンバから排出される。下半分は、それ故に、移動して、排出口が、露出する。排出事象の最後に、クロージャ液(closure liquid)がクロージャチャンバ(closure chamber)内に導入され、下半分が排出口を覆うように上方向に移動し、排出事象が終わる。クロージャ液及び制御液は、典型的には淡水(fresh water:真水)である。発電所では、分離機が多くの他の淡水の消費設備、例えば蒸気システム及びターボチャージャ洗浄装置と同じ淡水のシステムに通常は接続される。もし淡水のシステムに接続された設備が多くの水を使用すると、分離機は、水不足又は水の低下した圧力に悩まされるかも知れない。そのような時点で予定された排出事象が起こると、排出口が正常に開かなかった、閉じなかったりし得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、遠心分離機の排出事象のタイミングを制御する改良された方法を提供することである。排出事象の間に、より軽い液体(lighter liquid)から分離されたより重い液体(heavier liquid)及び/又はスラッジ(sludge)又は固形物(solids)の少なくとも一部が、少なくとも1つの排出口(discharge opening)を介して分離機から排出される。排出口は、液圧で開けられ及び/又は閉められる。本発明に従った方法の特徴的な構成要件は、請求項1の特徴的な部分により与えられる。本発明に従った遠心分離機の特徴的な構成要件は、他の従属請求項の特徴的な部分により与えられる。
【0005】
制御方法は、予定された排出時間(scheduled discharge event)を待つステップと、予定された排出時間に又は予定された排出時間の前に排出口を開くこと及び/又は閉じることに使用される液体の圧力を測定するステップと、測定した圧力を所定の制限値と比較して、圧力が制限値未満の場合、排出事象を遅らせるステップを含む。
【0006】
排出口の開閉に使用される液体の圧力が不十分な場合に排出事象を遅らせることにより、分離機からより重い材質を排出するという適切な機能を確保することができる。
【0007】
より軽い液体からより重い液体及び/又はスラッジ又は固形物を分離し、排出事象の間に分離機からより重い液体及び/又はスラッジ又は固形物の少なくとも一部を取り除くように配置された遠心分離機は、先に定義した方法を実施するように構成された制御ユニットを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して下記で詳細に説明される。
【
図1】
図1は、横断面として遠心分離機の例を示す。
【
図2】
図2は、発電所の淡水システムを概略的に示す。
【
図3】
図3は、本発明に従った制御方法をフローチャートとして示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、異なる密度を持つ2つの液体の相互の分離及び/又は液体からスラッジ及び他の固形物の分離に使用される遠心分離機1の例を示す。遠心分離機1には、2つの主なタイプがある。1つは液体からの固形物及びスラッジの分離に使用されるクラリファイア分離機(clarifier separator)である。もう1つは、より軽い液体からより重い液体及び固形物・スラッジを分離するのに利用されるピュリファイア分離機(purifier separator)である。発電所エンジンにおいて、遠心分離機1は、燃料又は潤滑油から水及び/又はスラッジ及び他の固形物の分離に使用される。遠心分離機1は、上述のタイプのいずれであっても良い。
【0010】
分離機1は、回転軸3の回りで回転可能なローター、すなわちボウル(bowl)2を備える。ボウル2は、ディスクスタック13が内部にある分離チャンバ5の境界を定めるボディー4を備える。ボディー4は、下半分27及び上半分26という相互に対向する2つの半分部分を備える。下半分27は、クロージャ液ライン25を経由してクロージャチャンバ24に導入されるクロージャ液の圧力による力によって上半分26に押し付けられる。ディスクスタック13及び分離チャンバ5は回転軸3を囲み、それによって、高い密度を持つ、スラッジ及び他の固形物及び又は高い密度を持つ液体がボウル2の回転の間、遠心力により、いわゆるスラッジ容積6と呼ばれるボウル2の最も外側の容積に移動する。それに応じて、小さい密度を持つ液体は、ボウル2の最も内側の部分7に移動する。ボウル2は、固定された筐体に囲われる(図示せず)。
【0011】
分離機1は、注入口、すなわちボウル2へ分離される液体を導入するための固定された注入管8を有する。注入管8は、液体をボウル2へ注入するためのポンプ9を有する。ポンプ9の回転速度は、周波数変換器10によって調節される。ボウル2は、より軽い液体からより重い液体及び/又はスラッジ又は他の固形物が分離されるディスク間のディスクスタック13を備える。注入管8は、回転軸3と平行にボウル2の中心部分に位置し、その注入開口部は、回転軸3上にあり、それによって分離された液体は、ディスクスタック13の下に位置する分配器28の下にあるボウル2の下の部分に案内される。分離機1は、また、分離された、すなわちより軽い液体、すなわち低い密度を持つ液体をボウル2から排出するための排出口、すなわち固定された排出管11を有する。排出管11の開口部分は、ボウルの内側部分7に位置する。排出管11は、分離された、すなわちより軽い、分離機1から排出される液体の圧力を測定する圧力センサ12を備える。
【0012】
ボウル2の外周部は、開閉可能な排出口14を備え、それを介して、スラッジ及び他の固形物が排出事象の間ボウルから取り除かれる。排出口14は、下半分27を下向きにスライドすることにより開く。下半分27の移動は、制御液ライン16を経由して制御チャンバに制御液を導入することによって提供される。制御チャンバ17は、排出機構を備え、それにより、制御液の圧力の影響によって、クロージャチャンバ24内の圧力を制御チャンバ17のノズル23を経由して排出することを可能にする。それにより、ボウル2の圧力が下半分27を下向きにスライドさせ、排出口14を開かせる。ボウル2は、制御チャンバ17への制御液の導入を終了し、クロージャチャンバ24へのクロージャ液の追加により閉じられる。クロージャ液の圧力が、再びクロージャチャンバ24で効果を持ち始めると、下半分27が上半分26に対して戻るようにスライドし、排出口14を覆う。
【0013】
注入管8を経由してボウル2に置換液(displacement liquid)を導入する注入管8に接続された置換液の注入口19を分離機1は備える。置換液の導入によりボウル2をより重い液体で満たすことによって、排出事象の間に排出口14経由でボウル2からより軽い液体の排出を防げる。置換液の注入管19は、ボウル2への置換液の流れを許したり又は防いだりする電気的なソレノイドバルブのような閉バルブ(closure valve)20を備える。
【0014】
ボウル2は、遠心分離機1の動作の間、回転軸3の回りを回転する。分離される液体は、注入管8を経由してボウル2にポンプ9を使って注入される。ボウル2に導入される液体の流量は、周波数変換器10によりポンプ9の回転速度を変化させて適合するように調整される。分離機1は、電気制御ユニット22を備え、電気制御ユニット22は、周波数変換器10の出力周波数を変化させ、すなわち、実際にはポンプ9の回転速度を分離される液体の目標とする利用のニーズに基づいて変化させる。ボウル2において、より重い液体、すなわちより重い密度の液体、及び/又はスラッジ及び他の固形物は、ボウル2の外側部分、すなわちスラッジ容積6に移動させられる。より軽い液体、すなわちより軽い密度の液体は、ディスクスタック13を介して、内側部分7に移動させられる。ピュリファイアタイプの分離機で、より重い液体は、いわゆる重力ディスク(図示せず)を経由して外側部分6から連続的に排出される。
【0015】
分離された、すなわちより軽い液体が排出管11を経由してボウル2から取り除かれる。より重い液体及び/又はスラッジ及び固形物は、排出口14を経由して定期的にボウル2のスラッジ容積6から排出される。排出事象の初めに、分離される液体の注入管8を経由したボウル2への導入が停止される。この後で、閉バルブ20が開けられ、ボウル2への置換液の導入が開始される。置換液の密度は、分離される液体の密度よりも大きい。通常、置換液は、ボウルのスラッジ容積6中のより重い液体と同じで、典型的には水である。置換液の導入に起因して、ボウル2のより重い液体の量が増加し、それにより、より軽い液体とより重い液体の間のインタフェース29は、ボウルの内側部分7の方に移動する。
【0016】
導入事象の間にボウル2へ導入される置換液の量が非常に少ない場合、分離された液体は、排出事象の間に排出口14を経由してボウル2から排出される。一方、導入された置換液の量が非常に多い場合は、置換液は、分離された液体と混ざり合う。排出事象の初めに、又は排出事象が始まる前に、置換液の導入が閉バルブ20を閉じることによって停止される。制御液は、制御液ライン16を介して制御チャンバ17に導入される。制御チャンバ17における液圧に起因して、ボウル2の下半分27は、その場所から移動し、排出口14を露出する。より重い液体とスラッジは、排出口14を介してボウル2を包む筐体に排出される。本発明の目的は、ボウル2の排出の間に、より軽い、分離された液体、通常はオイルの損失を可能な限り小さくことである。排出事象が終わるにつれて、制御液の導入が止まり、制御チャンバ17の液圧がノズル23を経由して排出される。この後で、クロージャ液はボウルの下半分27の下にあるクロージャチャンバ24に導入され、それにより下半分27が上に移動し、再び排出口14を覆い、排出事象が終了する。
【0017】
置換液の注入管19は、置換液の圧力を測定する圧力センサ21を備える。センサ21は、置換液注入管19の置換液の流れの方向に閉バルブ20の前に位置する。電気制御ユニット22は、圧力センサ21からデータを受信するように配置されている。制御ユニット22は、また排出管圧力センサ12及び/又は他のセンサからのデータを受信することができる。制御ユニット22は、閉バルブ20及びポンプ9の回転速度を制御する。
【0018】
図2において、発電所の淡水システムに接続された、2つの遠心分離機1が概略的に示されている。淡水は、分離機1のクロージャ液であり、制御液でもある。分離機1のクロージャ液ライン25及び制御液ライン16は、したがって淡水システムに接続されている。各分離機1は、クロージャチャンバ24へのクロージャ液の供給を制御するクロージャ液制御バルブ37及び制御チャンバ17への制御液の供給を制御する制御液制御バルブ36を備える。淡水は、また分離機1の置換液として使用される。淡水システムは、水タンク30を備え、そこからポンプ35を用いて、水を使用する装置に水が供給される。
図2の例では、システムは、分離機1に加えて、蒸気システム31、ターボチャージャ洗浄装置32も備える。システムは、また蒸気システム31及び洗浄装置32への水の流れを制御するバルブ33、34も備える。蒸気システム31及び洗浄装置32の代わりに又は追加して、水システムは、多くの他の水を消費する装置及び/又はプロセスを含むことができる。水システムの1つ又は幾つかの部分が一時的に多量の水を使用したとき、分離機1は、クロージャ液及び制御液として使用するための水不足又は不十分な水圧に悩まされかもしれない。もし制御液の圧力があまりに低いと、クロージャチャンバ24の圧力が、放出されず、排出口14が開かない。もしクロージャ液の圧力があまりに低いと、排出口14が閉じず、分離機1から漏れる。より重い液体及び/又はスラッジ又は固形物を排出する適切な機能を確保するため、排出事象は、後述の方法で制御される。
【0019】
分離機1からのより重い材料の排出は、所定のスケジュールに従って、原則行われる。したがって、排出事象は決まった間隔で行われる。各排出事象は、分離機1に処理される液体の導入を終わらせるステップと、ボウル2に置換液を導入するために閉バルブ20を開けるステップと、制御バルブ36を開けることによって制御チャンバ17に制御液を導入するステップを含む。制御液は、クロージャチャンバ24内の圧力を排出できるようにし、ボウル2の下半分27はしたがって下向きにスライドし、排出口14を開ける。排出事象は、クロージャ液制御バルブ37を開けることによって終了し、クロージャ液がクロージャチャンバ24に流れ込むことを許す。クロージャチャンバ24内の圧力は、ボウル2の下半分27を上方向に移動させ、排出口14を閉じる。
【0020】
不十分な水圧がより重い材料の適切な排出を妨げることがないことを確保するために、水圧がモニタされる。図の実施形態において、水圧は、置換液の注入管19に配置された圧力センサ21によってモニタされる。しかしながら、圧力は、水システムの他の場所でもモニタされ得る。例えば、圧力センサは、クロージャ液制御バルブ37及び/又は制御液制御バルブ36より上流に配置され得る。圧力センサは、ポンプ35の下流側に配置されても良い。圧力のモニタリングは、連続的でも良いし、又は予定された排出事象がまさに始まるときに行っても良い。したがって、圧力は所定の排出時間又はその少し前に測定しても良い。
【0021】
予定された排出事象をフェーズ101で待つ。水の圧力がフェーズ102で測定され、圧力センサ21が、測定した値を制御ユニット22に送り、フェーズ103で制御ユニット22は、測定された圧力を所定の制限値を比較する。もし測定された圧力が所定の制限値と少なくとも等しい場合、制御ユニット22は、ポンプ9を止めることによってボウル2への処理される液体の導入を終わらせ、閉バルブ20が開くことを許す。排出事象は、したがってフェーズ104で予定通り行われる。しかしながら、もし測定された圧力が制限値より低い場合は、排出事象が遅延される(フェーズ105)。分離は、したがって分離機1の正常な方法で続けられる。最初の測定から所定の期間経過後、圧力測定が繰り返される。水圧がその間に制限値に達したら、排出事象が開始される(フェーズ104)。しかしながら、もし水圧が依然として制限値より低い場合、排出事象はさらに遅延される。このサイクルは、最低限の水圧に達するまで続き得る。連続圧力測定の間の期間の継続時間は一定でも良く、又は所定のパターンに従って変化しても良い。
図3の実施形態において、制御方法は、追加のフェーズ106を含み、そこで遅延の継続時間が決められる。各圧力測定の後、制御ユニット22は、排出事象が既に超えたことをトリガーする最大の遅延を決める。これは、圧力測定回数の計数によって又は予定された排出時間からの経過時間の測定によって行い得る。もし圧力測定の所定の最大回数になるか、予定された排出時間から所定の期間経過した場合、フェーズ107でアラームが動作する。
【0022】
図3のサンプリング方法の代わりに、圧力モニタリングが継続され得る。分離機1が動作中に圧力が連続的にモニタされるか、又は連続的な圧力モニタリングが予定された排出事象がまさに行われるときに開始される。もし排出事象が遅延した場合、圧力測定は継続し、圧力が所定の制限値に達したときに排出事象が開始される。もし水圧が所定の最大時間のうちに制限値に達しなかった場合、ある間隔で別々の圧力測定を行う方法と同じやり方で、アラームが動作する。
【0023】
排出事象を行えるか判定するための水圧の測定に使用することに加え、圧力センサ21が他の目的に利用できる。例えば、ボウル2に導入された置換液の量が圧力センサ21から受信したデータを使って制御することができる。
【0024】
当業者によれば本発明を上述の実施形態に制限することはなく、添付請求項の範囲で変更することができることを理解されたい。例えば、クロージャ液及び制御液として使用される液体は、水以外の液体でも良く、方法と分離機は、発電所の水システム以外のシステムで使用されても良い。また、分離機の構造は、方法が適用できる分離機の単なる例である。排出口の開及び閉の両方が、液圧である必要はなく、機能の1つが別の方法で実施されても良い。例えば、クロージャ液はソレノイドバルブによってリリースされても良く、その場合は、分離機の閉機能のみが水圧となり得る。