【実施例】
【0026】
図1Aと
図1Bを参照されたい。
図1Aは本発明の一実施例の携帯型顕微鏡装置の分解斜視図である。
図1Bは本発明の携帯型顕微鏡装置を携帯型電子装置に合わせて使用した一実施例の分解斜視図である。携帯型顕微鏡装置1は携帯型電子装置60の画像キャプチャモジュール61に合わせて使用したものである。例えば、携帯型電子装置60は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、運転記録器、カメラ、または自撮り棒である。携帯型顕微鏡装置1はサンプルキャリアモジュール10と、光源モジュール20と、凸レンズモジュール30を備えている。
【0027】
サンプルキャリアモジュール10は、本体11と粘着素子12を備え、本体11は粘着素子12と検出サンプルSを載置するためのキャリアであり、ここの本体11は金属片を例とする。本体11は光透過領域111と、凸部112と、リミット部材114と、サンプル観察面Lを更に有する。粘着素子12は光透過素子であり、その光透過率は90%以上である。粘着素子12はステッカー、テープ、または樹脂であり、サンプル粘着面を有する。サンプル粘着面は検出サンプルSを粘着した後、本体11に貼り付けて観察標本を形成し、粘着素子12は本体11に剥離可能に粘着される。粘着素子12の少なくとも一部は光透過領域111を覆うことによって、粘着素子12をサンプル観察面Lに当接させる。本実施例において、光透過領域111は光線を通過させることのできる領域であれば良く、出光孔、または光透過性材料を用いることができる。ここでは、光透過領域111は通光孔を例とする。
【0028】
光源モジュール20はサンプルキャリアモジュール10の本体11の一側に可動的に取り付けられると同時に、ベース21と、光源22と、スイッチ23とを備える。ベース21内は中空状であることによって、光源22とその他の関連回路を収容する。ベース21は出光孔211とリミット部212を有し、リミット部212と出光孔211はベース21の同じ側に位置する。光源22はスイッチ23に接続し、その発する光線は出光孔211によってベース21から放射することができる。リミット部212は1組の溝C(
図4に示す如く)を有し、サンプルキャリアモジュール10がリミット部212に可動的に取り付けられた時、サンプルキャリアモジュール10は溝Cに係合し、この時、凸部112は上記の構成に応じてスイッチ23を押すことによって、光源22がオンになり、光線を発する。本実施例において、光源22から発する光線は可視光である。しかしながら、その他の実施例において、光源22から発する光線は非可視光であり、例えば、赤外光、紫外光、またはラマン光などとすることができ、画像キャプチャモジュール61の感光素子を光線の種類に対応して感光することができれば良い。例えば、光源22が紫外線光の光源である場合、携帯型顕微鏡装置1は、生物学的細胞サンプルカウントの蛍光検出器に応用することができる。凸レンズモジュール30は凸レンズ31とレンズホルダ32を備え、凸レンズ31はレンズホルダ32に嵌め込まれる。凸レンズモジュール30はサンプルキャリアモジュール10の一側に可動的に取り付けられ、凸レンズモジュール30はサンプル観察面Lに焦点を合わせると同時に、光源モジュール20に対応して設置される(
図1Aに示すように)。即ち、光源モジュール20と凸レンズモジュール30はそれぞれサンプルキャリアモジュール10の異なる両側に取り付けられる。
図1Bを参照されたい。本実施例において、携帯型顕微鏡装置1は、1組の固定部材33を更に備え、固定部材33は、レンズホルダ32に設置されるオス型部材331、及び画像キャプチャモジュール61に対応して設置されるメス型部材332を有する。本実施例において、オス型部材331とメス型部材332はそれぞれ互いに適合するスレッドを有し、互いにネジ止めすることによって、凸レンズモジュール30と画像キャプチャモジュール61の相対位置を固定する効果を有する。しかしながら、本実施例は単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。例えば、固定部材33は、接着剤、クランプ、磁石、吸盤、ラッチを採用することもできる。
図1Bに示すように、固定部材33はまた、携帯電話のバックカバー、または保護ハウジングに設けることができる。
【0029】
図1Cは本発明のもう1つの実施例の携帯型顕微鏡装置の分解斜視図である。
図1Cに示すように、本体11aはスライドガラスである。本実施例において、操作者は単に検出サンプルSを粘着した粘着素子12をスライドガラスに直接貼り付け、スライドガラスをベース21のリミット部212に係合すれば、検出サンプルSの設置が完了する。
【0030】
図1Dは本発明の携帯型顕微鏡装置を携帯型電子装置に合わせて使用したもう1つの実施例の分解斜視図である。
図1Dに示すように、携帯型顕微鏡装置1は第1偏光片40と第2偏光片50を更に有し、第1偏光片40と第2偏光片50はサンプルキャリアモジュール10の両側の光学経路に対向して設置され、複屈折特性を有する検出サンプルSを観察する。例えば、デンプンの結晶、または昆虫の複眼である。第1偏光片40と第2偏光片50は線形偏光片であり、既定状況において、第1偏光片40と第2偏光片50の偏光軸の方向は互いに垂直とする。また、第1偏光片40と第2偏光片50は円偏光片、または楕円偏光片である。
【0031】
第1偏光片40は検出サンプルSと画像キャプチャモジュール61との間の光学経路に設置され、第2偏光片50は検出サンプルSと光源モジュール20との間の光学経路に設置される。本実施例において、第1偏光片40は凸レンズモジュール30と画像キャプチャモジュール61との間に設置されるため、第1偏光片40を凸レンズモジュール30に取り付けてから、合わせて画像キャプチャモジュール61に固定し、または、第1偏光片40を画像キャプチャモジュール61に直接貼り付けることができる。第2偏光片50はサンプルキャリアモジュール10と光源モジュール20との間に設置される。例を挙げると、第2偏光片50は出光孔211に取り付け、またはサンプルキャリアモジュール10の出光孔211に近い一側に貼り付けることもできる。
【0032】
光源モジュール20がオンになった時、仮に、第1偏光片40と第2偏光片50の偏光軸方向を互いに垂直にし、且つサンプルキャリアモジュール10が複屈折特性を有しない検出サンプルSを載置した場合、使用者は検出サンプルSの画像を見ることができない。サンプルキャリアモジュール10が複屈折特性を有する検出サンプルSを載置した場合、光源22から発する光線は、順に第2偏光片50、検出サンプルS、凸レンズモジュール30及び第1偏光片40を通って画像キャプチャモジュール61に達する。よって、操作者は画像キャプチャモジュール61によって検出サンプルSの画像を撮ることができる。また、第1偏光片40は画像キャプチャモジュール61に固定されることから、操作者はベース21を回転することによって、第2偏光片50の偏光軸角度を変え、異なる偏光軸角度の光が検出サンプルSを通ることで、検出サンプルSの異なる位相での構造とパターンを観察することができる。例を挙げると、偏光モードにおいて、染色を介さずにデンプン結晶の微細構造を明確に観察することができる。
【0033】
ここで注意すべきことは、上記実施例の「可動的に取り付け」は、磁力吸着の方式により達成できることである。即ち、サンプルキャリアモジュール10、光源モジュール20、または凸レンズモジュール30のうちの少なくとも1つは、磁性素子を備える。好ましい実施例において、サンプルキャリアモジュール10は、第1磁性素子(図示しない)を備え、この時、光源モジュール20は第1磁性素子に対応するとともに、ベース21に設置される第2磁性素子(図示しない)を備え、またはベース21自体が透磁性材料からなるものである。凸レンズモジュール30は、第1磁性素子に対応するとともに、レンズホルダ32に設置される第3磁性素子(図示しない)を備え、またはレンズホルダ32自体が透磁性材料からなるものである。第1磁性素子が磁石である場合、第2磁性素子及び/または第3磁性素子は磁石、または磁性金属である。第2磁性素子が磁石である場合、第1磁性素子は磁石、または磁性金属であり、第3磁性素子は磁石である。第3磁性素子が磁石である場合、第1磁性素子は磁石、または磁性金属であり、第2磁性素子は磁石である。
【0034】
上記より、本発明の携帯型顕微鏡装置1を携帯型電子装置60に合わせて操作する時、凸レンズモジュール30は、携帯型電子装置60に固定され、サンプルキャリアモジュール10と光源モジュール20は、それぞれリミット部材114とストッパ部212を通して互いに係合し、且つ、凸レンズモジュール30とサンプルキャリアモジュール10との間は磁力によって可動的に組み立てられる。この時、サンプルキャリアモジュール10と光源モジュール20との間は相対的にスライドせず、凸レンズモジュール30と携帯型電子装置60との間も相対的にスライドせず、サンプルキャリアモジュール10と凸レンズモジュール30との間を相対的にスライド可能とすることで、携帯型顕微鏡装置1を移動し、検出サンプルSは正確に携帯型電子装置60のレンズ視野内に位置することができる。
【0035】
図2Aから
図2Cを参照されたい。
図2Aは本発明のもう1つの実施例のサンプルキャリアモジュールの斜視図である。
図2Bは
図2Aの変化態様の斜視図である。
図2Cは
図2Aのもう1つの変化態様の斜視図である。
図2Aから
図2Cにおいて、サンプルキャリアモジュール10a、10b、または10cの組成は、概略サンプルキャリアモジュール10に類似する。異なる点は、サンプルキャリアモジュール10a、10b、または10cは、いずれも光透過素子113を更に備えている点である。サンプルキャリアモジュール10a、10b、または10cとサンプルキャリアモジュール10の違いを分かりやすく説明するため、
図2Aから
図2Cでは粘着素子12の図示を省略し、粘着素子12の説明については、後の段落で詳述する。
図2Aに示すように、サンプルキャリアモジュール10aにおいて、光透過素子113は本体11の凸部112を有する側に設置される。
図2Bに示すように、サンプルキャリアモジュール10bにおいて、光透過素子113は本体11の凸部112を有する側の反対側に設置される。
図2Cに示すように、サンプルキャリアモジュール10cにおいて、光透過素子113は光透過領域111に直接嵌め込まれる。光透過素子113はガラス、プラスチックフィルム、または樹脂シートである。ここで注意すべきことは、光透過素子113は透光性を有し、もう1つの実施例において、環境光が十分である時、光透過素子113は環境光の一部を引き入れることで、携帯型顕微鏡装置1が光源22をオンにしない状況でも使用することができる。この時、画像キャプチャモジュール61は、依然として標本を観察することができ、且つ観察された画面は暗視野効果を有する。
【0036】
図3Aから
図3Eは粘着素子のその他の態様の平面図である。
図3Aから
図3Cを参照されたい。粘着素子12は光透過性素子であり、その光透過率は90%以上である。粘着素子12は粘着エリア121と非粘着エリア122を有し、粘着エリア121は、まず、検出サンプルSを粘着した後、光透過素子113に貼り付ける。粘着エリア121の直径は2.5cm以下である。非粘着エリア122は使用者が粘着素子12をピックアップする部分である。一実施例において、粘着エリア121と非粘着エリア122との間はハーフカット切断線T(easy tearing line)を有し、使用者が貼り付けた検出サンプルSを保存したい場合、粘着素子12を保存エリア(例えば、貼り付け本、またはスライドガラス)に粘着した後、非粘着エリア122を粘着素子12から剥がすことができる。粘着素子12は粘着エリア121に対応するエリア(粘着面、または非粘着面)において、観察を補助するために使用されるパターンPを有する。パターンPは印刷の方式によって形成される規則的な幾何学的パターン、または複雑なデコレータパターンである。使用者が携帯型顕微鏡装置1を使用する時、サンプルキャリアモジュール10、10a、10b、または10cを調整して移動する必要があり、それによって、検出サンプルSが画像キャプチャモジュール61のレンズ視野に入る。しかしながら、使用者が携帯型顕微鏡装置1を通して観た場合、検出サンプルSと画像キャプチャモジュール61のレンズ視野との相対位置を区別しがたい、この時、パターンPは使用者に検出サンプルSと画像キャプチャモジュール61のレンズ視野との相対位置を迅速に検索できるように支援することができる。例を挙げると、一実施例において、パターンPは粘着エリア121の縁に沿って設置される。
図3Aに示すように、使用者が画像キャプチャモジュール61のレンズ視野でパターンPを見た場合、現在の画像キャプチャモジュール61のレンズ視野が粘着エリア121の縁に位置することを知り、使用者は、逆方向へサンプルキャリアモジュール10、10a、10b、または10cを調整することができる。別の実施例において、パターンPは指向性パターンを(例えば、円形、星型、または十字形)有する。
図3Bに示すように、パターンPは十字パターンであり、粘着エリア121の中央部に位置し、使用者が画像キャプチャモジュール61のレンズ視野でパターンPを見た場合、現在の画像キャプチャモジュール61のレンズ視野がすでに粘着エリア121の中央に位置合わせされていることがわかる。また、使用者は携帯型顕微鏡装置1を通して見た場合、観察された検出サンプルSの実際のサイズを知りたがるため、もう1つの実施例において、
図3Cに示すように、パターンPはスケールであり、使用者は、直接、画像キャプチャモジュール61のレンズ視野から検出サンプルSの大きさを知ることができる。
【0037】
また、粘着素子12は遮光エリアに設置することによって、暗視野(dark field)シールを形成する。
図3Dに示すように、粘着エリア121は光透過エリア124及び非光透過エリア123を備える。
図3Dの実施態様において、非光透過エリア123はプリント黒点であると同時に、粘着エリア121の任意の位置に設けることができ、粘着エリア121の中心位置に設けなくても良く、検出サンプルSの画像背景が暗視野の効果を呈することができれば良い。非光透過エリア123は、複数の分散のプリント黒点から構成される。よって、もとの全体光透過の粘着素子12に1つ、または複数の分散したプリント黒点を設置することで遮光エリアを形成し、なるべく、屈折光線と散乱光線のみを検出サンプルSに入射させることにより、暗視野の効果を達成し、解像度を向上させることができる。
【0038】
もう1つの実施例において、
図3Eに示すように、粘着エリア121は、光透過エリア126と非光透過エリア125を備え、非光透過エリア125は環状である。光透過エリア126は粘着エリア121の任意の位置に設けることができ、必ずしも、粘着エリア121の中心位置に設けなくても良く、検出サンプルSの画像背景が暗視野の効果を呈することができれば良い。よって、もとの全体光透過の粘着素子12に環状遮光エリアを設置するだけで、粘着素子12が暗視野ステッカーになる。また、
図3Dと
図3Eの態様は結合して使用することができる。暗視野ステッカーの設計によって、サンプル自身と背景との間のコントラストを高める事で、より良い画像結果を取得することができる。
【0039】
もう1つの実施例において、サンプルキャリアモジュール10と光源モジュール20を公知のスライドガラスに合わせて使用することで、本発明の携帯型顕微鏡装置1は従来のスライドガラスサンプルにも対応することができる。
図4を参照されたい。
図4は本発明のサンプルキャリアモジュールを公知のスライドガラスに合わせて使用した実施例の概略図である。
図4に示すように、従来公知のスライドガラスGはリミット部212に係合し、サンプルキャリアモジュール10がリミット部212に可動的に取り付けられた時、サンプルキャリアモジュール10は溝Cに係合する。この時、サンプルキャリアモジュール10は従来スライドガラスGを若干押圧し、従来公知のスライドガラスGがリミット部212内において滑らないようにすることができる。本実施例において、粘着素子12は従来公知のスライドガラスGに合わせて使用することができ、即ち、粘着素子12は直接、従来公知のスライドガラスGに粘着することで、観察用のスライドガラス標本を形成することができる。
【0040】
上記実施例は例示的なものであって、限定するためのものではない。本発明の技術的思想および範囲から逸脱することなく行われる等価の修正または変更は、いずれも別紙の特許請求の範囲に含まれる。