特許第6585669号(P6585669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585669
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】マスク製造装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/04 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   C23C14/04 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-143204(P2017-143204)
(22)【出願日】2017年7月25日
(65)【公開番号】特開2019-23334(P2019-23334A)
(43)【公開日】2019年2月14日
【審査請求日】2018年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】510281944
【氏名又は名称】新東エスプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】福山 智博
【審査官】 安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0106472(US,A1)
【文献】 特開2015−001012(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/150699(WO,A1)
【文献】 特開2006−110607(JP,A)
【文献】 特開2015−145532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
H01L 27/32
H05B 33/00−33/28
B23K 26/00−26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のメタルマスクシートを枠状のメタルマスクフレームに溶接することによりメタルマスクを製造するマスク製造装置であって、
前記メタルマスクシートの両端部を互いに離間させる方向に移動させることにより前記メタルマスクシートに所定の張力を付与する張力部と、
前記メタルマスクフレームの一辺に前記メタルマスクシートの一端部を、前記メタルマスクフレームの前記一辺に対向する他辺に前記メタルマスクシートの他端部を溶接する溶接部と、
前記溶接部による溶接の際、前記メタルマスクシートの少なくとも一箇所を前記メタルマスクフレームに対して押し付ける押付け部と、を備え、
前記少なくとも一箇所は、前記溶接部による溶接箇所の近傍であって前記メタルマスクシートの中央部に対して前記溶接箇所より外側に位置し、
前記押付け部は、
鉛直方向に沿う方向に伸びる脚部と、
前記脚部の先端部から前記離間させる方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される足部と、
前記足部の先端部から前記メタルマスクシートの幅方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される折曲げ部と、
前記折曲げ部に設けられ、前記メタルマスクフレームに対して前記メタルマスクシートの少なくとも一箇所を押し付ける少なくとも1つの突部と、を備え、
前記溶接箇所は、前記足部と前記折曲げ部とで形成されるL字状に囲まれた空間内に位置することを特徴とするマスク製造装置。
【請求項2】
前記少なくとも一箇所と前記溶接箇所とを配列する方向は、前記離間させる方向と平行であることを特徴とする請求項1記載のマスク製造装置。
【請求項3】
前記押付け部は、前記メタルマスクシートの少なくとも二箇所を前記メタルマスクフレームに対して押付け、
前記少なくとも二箇所の内の第1箇所は、前記メタルマスクシートの中央部に対して前記溶接箇所より外側に位置し、前記少なくとも二箇所の内の第2箇所は、前記メタルマスクシートの中央部に対して前記溶接箇所より内側に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマスク製造装置。
【請求項4】
前記押付け部は、前記第1箇所を押し付ける第1押付け部と、前記第2箇所を押し付ける第2押付け部と、を備え、
前記第1押付け部は、
鉛直方向に沿う方向に伸びる第1脚部と、
前記第1脚部の先端部から前記離間させる方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される第1足部と、
前記第1足部の先端部から前記メタルマスクシートの幅方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される第1折曲げ部と、
前記第1折曲げ部に設けられ、前記メタルマスクフレームに対して前記第1箇所を押し付ける第1突部と、を備え、
前記第2押付け部は、
鉛直方向に沿う方向に伸びる第2脚部と、
前記第2脚部の先端部から前記離間させる方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される第2足部と、
前記第2足部の先端部から前記メタルマスクシートの幅方向に沿う方向に向けて折り
曲げて形成される第2折曲げ部と、
前記第2折曲げ部に設けられ、前記メタルマスクフレームに対して前記第2箇所を押し付ける第2突部と、を備え、
前記溶接箇所は、前記第1足部、前記第1折曲げ部、前記第2足部及び前記第2折曲げ部に囲まれた空間内に位置することを特徴とする請求項記載のマスク製造装置。
【請求項5】
前記メタルマスクシートの厚さTは、10μm≦T≦30μmであることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか一項に記載のマスク製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタルマスクを製造するためのマスク製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有機EL素子の製造工程において有機発光層を真空蒸着する際に使用されるメタルマスクを製造する際に、クランプ機構で金属薄板に一定の張力を付与することにより、歪みのない状態で金属薄板を枠(メタルマスクフレーム)に貼り付ける金属薄板の枠貼り装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−311335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等に記載の枠貼り装置(マスク製造装置)においては、一方のクランプで金属薄板(メタルマスクシート)の一端部を挟持し、他方のクランプでメタルマスクシートの他端部を挟持し、これらを互いに離間する方向に引っ張ることによりメタルマスクシートに張力を付与している。
【0005】
ところで、近年、メタルマスクシートの更なる薄膜化及びメタルマスクフレーム(メタルマスク)の更なる大型化が進んでいる。これらメタルマスクシートの薄膜化及びメタルマスクフレームの大型化により、メタルマスクフレームにメタルマスクシートを溶接する際に、メタルマスクフレームとメタルマスクシートとの間に隙間が生じ、溶接不良となる場合があった。そこで、溶接不良を防止するために、メタルマスクシートの溶接箇所の周囲をメタルマスクフレームに押し付ける技術が提案されている。しかしながら、メタルマスクシートの溶接箇所の周囲をメタルマスクフレームに押し付けることにより、メタルマスクシートに形成されているパターンの位置ずれが生じ、メタルマスクの精度が低下するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、メタルマスクフレームにメタルマスクシートを精度よく溶接することができるマスク製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のマスク製造装置は、帯状のメタルマスクシートを枠状のメタルマスクフレームに溶接することによりメタルマスクを製造するマスク製造装置であって、前記メタルマスクシートの両端部を互いに離間させる方向に移動させることにより前記メタルマスクシートに所定の張力を付与する張力部と、前記メタルマスクフレームの一辺に前記メタルマスクシートの一端部を、前記メタルマスクフレームの前記一辺に対向する他辺に前記メタルマスクシートの他端部を溶接する溶接部と、前記溶接部による溶接の際、前記メタルマスクシートの少なくとも一箇所を前記メタルマスクフレームに対して押し付ける押付け部と、を備え、前記少なくとも一箇所は、前記溶接部による溶接箇所の近傍であって前記メタルマスクシートの中央部に対して前記溶接箇所より外側に位置し、前記押付け部は、鉛直方向に沿う方向に伸びる脚部と、前記脚部の先端部から前記離間させる方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される足部と、前記足部の先端部から前記メタルマスクシートの幅方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される折曲げ部と、前記折曲げ部に設けられ、前記メタルマスクフレームに対して前記メタルマスクシートの少なくとも一箇所を押し付ける少なくとも1つの突部と、を備え、前記溶接箇所は、前記足部と前記折曲げ部とで形成されるL字状に囲まれた空間内に位置することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のマスク製造装置は、前記少なくとも一箇所と前記溶接箇所とを配列する方向が前記離間させる方向と平行であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のマスク製造装置は、前記押付け部が前記メタルマスクシートの少なくとも二箇所を前記メタルマスクフレームに対して押付け、前記少なくとも二箇所の内の第1箇所は、前記メタルマスクシートの中央部に対して前記溶接箇所より外側に位置し、前記少なくとも二箇所の内の第2箇所は、前記メタルマスクシートの中央部に対して前記溶接箇所より内側に位置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のマスク製造装置は、前記押付け部が前記第1箇所を押し付ける第1押付け部と、前記第2箇所を押し付ける第2押付け部と、を備え、前記第1押付け部は、鉛直方向に沿う方向に伸びる第1脚部と、前記第1脚部の先端部から前記離間させる方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される第1足部と、前記第1足部の先端部から前記メタルマスクシートの幅方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される第1折曲げ部と、前記第1折曲げ部に設けられ、前記メタルマスクフレームに対して前記第1箇所を押し付ける第1突部と、を備え、前記第2押付け部は、鉛直方向に沿う方向に伸びる第2脚部と、前記第2脚部の先端部から前記離間させる方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される第2足部と、前記第2足部の先端部から前記メタルマスクシートの幅方向に沿う方向に向けて折り曲げて形成される第2折曲げ部と、前記第2折曲げ部に設けられ、前記メタルマスクフレームに対して前記第2箇所を押し付ける第2突部と、を備え、前記溶接箇所は、前記第1足部、前記第1折曲げ部、前記第2足部及び前記第2折曲げ部に囲まれた空間内に位置することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のマスク製造装置は、前記メタルマスクシートの厚さTが10μm≦T≦30μmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、メタルマスクフレームにメタルマスクシートを精度よく溶接することができるマスク製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態に係るマスク製造装置の概略構成を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る溶接装置の構成を示す正面図である。
図3】実施の形態に係る溶接部及び押付け部の構成を示す拡大正面図である。
図4】実施の形態に係る溶接部及び押付け部の構成を示す拡大左側面図である。
図5】実施の形態に係る溶接部及び押付け部の構成を示す拡大底面図である。
図6】実施の形態に係る溶接部及び押付け部の構成を示す拡大正面図である。
図7】実施の形態に係る押付け部の構成を示す斜視図である。
図8】溶接箇所、第1箇所及び第2箇所の位置関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るマスク製造装置について、有機EL素子の製造工程において有機発光層を真空蒸着する際に使用されるメタルマスクを製造するメタルマスク製造装置を例に挙げて説明する。図1は、この実施の形態に係るメタルマスク製造装置の概略構成を示す斜視図である。なお、以下の説明においては、図1に示すXYZ直交座標系を設定し、この直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係等について説明する。XY平面は、メタルマスク製造装置を載置する水平面に平行な面に設定されており、Z軸は、鉛直方向に設定されている。
【0016】
メタルマスク製造装置2は、図1に示すように、帯状のメタルマスクシート18を枠状のメタルマスクフレーム20に溶接することによりメタルマスクを製造するための装置であって、テーブル部4、張力部6、2つのガイドレール7、4つのガイドレール8、溶接装置10、2つのガイドレール12、及び基台16を備えている。なお、メタルマスクは、メタルマスク製造装置2により複数のメタルマスクシート18の両端部を枠状のメタルマスクフレーム20を構成する対向する二辺に順次溶接することにより製造され、有機EL素子の製造工程において有機材の真空蒸着を行う際に使用される。メタルマスクシート18の厚さTは、10μm≦T≦30μmであり、メタルマスクシート18には、複数の正方形状、円形状、長方形状等の開口パターンがエッチングなどにより形成されている。
【0017】
テーブル部4は、矩形状の平板であり、メタルマスクフレーム20をXY平面に平行になるように載置する。張力部6は、メタルマスクシート18の両端部を互いに離間させる方向(±X方向)に移動させることによりメタルマスクシート18に所定の張力を付与する。2つのガイドレール7は、張力部6を±Y方向にスライド可能に支持する。4つのガイドレール8は、溶接装置10を±Y方向にスライド可能に支持する。2つのガイドレール12は、溶接装置10を±X方向にスライド可能に支持する。
【0018】
図2はこの実施の形態に係る溶接装置10の構成を示す正面図、図3図2に示す円Aで囲んだ部材の拡大正面図、図4図2に示す円Aで囲んだ部材の拡大左側面図、図5図2に示す円Aで囲んだ部材の拡大底面図である。溶接装置10は、メタルマスクフレーム20にメタルマスクシート18を溶接するための装置であって、図2図5に示すように、溶接部22及び押付け部24を備えている。溶接部22はメタルマスクフレーム20にメタルマスクシート18を溶接し、押付け部24は溶接部22による溶接の際にメタルマスクフレーム20にメタルマスクシート18を押し付ける。溶接部22及び押付け部24は、一体となってZ方向に移動可能に構成されている。図6は、溶接部22及び押付け部24が図3に示す位置から−Z方向に移動した状態を示す図である。溶接部22及び押付け部24は、溶接部22により溶接が行われていないときには図3に示す位置に退避し、溶接部22により溶接が行われているときには図6に示す位置に移動する。
【0019】
溶接部22は、溶接部22の先端部22aから出射するレーザ光をメタルマスクシート18に照射することにより、メタルマスクフレーム20にメタルマスクシート18を溶接する。具体的には、溶接部22は、メタルマスクフレーム20の一辺(−X方向側に位置する辺)にメタルマスクシート18の一端部(−X方向側の端部)を溶接し、メタルマスクフレーム20の一辺に対向する他辺(+X方向側に位置する辺)にメタルマスクシート18の他端部(+X方向側の端部)を溶接する。なお、レーザ光は、図示しない光源からファイバー等を介して溶接装置10内に入射し、図示しない光学部材を介して溶接部22の先端部22aから出射する。また、溶接する際、先端部22aとメタルマスクシート18の表面との間には、窒素をブロウするため約0.5mmの隙間が設けられている。
【0020】
押付け部24は、溶接部22による溶接の際、メタルマスクシート18の少なくとも一箇所をメタルマスクフレーム20に対して押し付ける。図7は、押付け部24の構成を示す斜視図である。押付け部24は、図3図7に示すように、支持部26、第1脚部28a、第2脚部28b、第1足部30a、第2足部30b、第1折曲げ部32a、第2折曲げ部32b、第1突部34a、及び第2突部34bを備えている。支持部26は、溶接部22の上部(+Z方向側)に取り付けられており、第1脚部28a及び第2脚部28bを支持する。第1脚部28a及び第2脚部28bの+Z方向側の先端部は支持部26に固定されており、第1脚部28aは支持部26の−X方向側に、第2脚部28bは支持部26の+X方向側に固定されている。
【0021】
第1脚部28aは支持部26から鉛直下方向(−Z方向)に伸びており、第1足部30aは第1脚部28a−Z方向側の先端部から+X方向に向けて折り曲げて形成されている。第1折曲げ部32aは、第1足部30aの+X方向側の先端部から−Y方向に向けて折り曲げて形成されている。第1折曲げ部32aには、−Z方向側に凸を有する第1突部34aが形成されている。
【0022】
第2脚部28bは支持部26から鉛直下方向(−Z方向)に伸びており、第2足部30bは第2脚部28b−Z方向側の先端部から−X方向に向けて折り曲げて形成されている。第2折曲げ部32bは、第2足部30bの−X方向側の先端部から+Y方向に向けて折り曲げて形成されている。第2折曲げ部32bには、−Z方向側に凸を有する第2突部34bが形成されている。
【0023】
なお、第1脚部28a及び第2脚部28bは、−Z方向に沿う方向、即ちZ方向に対して微少量傾斜した方向に伸びるように構成してもよい。また、第1足部30a及び第2足部30bは、X方向に沿う方向、即ちX方向に対して微小量傾斜した方向に向けて折り曲げて形成されるように構成してもよい。また、第1折曲げ部32a及び第2折曲げ部32bは、Y方向に沿う方向、即ちY方向に対して微少量傾斜した方向に向けて折り曲げて形成されるように構成してもよい。
【0024】
押付け部24が溶接部22とともに図3に示す位置から図6に示す位置に移動すると、第1突部34a及び第2突部34bは、メタルマスクシート18の二箇所をそれぞれメタルマスクフレーム20に押し付ける。例えばメタルマスクシート18の二箇所をメタルマスクフレーム20の−X方向側の一辺に押し付ける場合、図8に示すように、第1突部34aは、溶接箇所W1の近傍であって溶接箇所W1より+X方向側にあるメタルマスクシート18の一箇所(第1箇所)P1に+X方向側に力を付与した状態で第1箇所P1をメタルマスクフレーム20に押し付ける。同時に、第2突部34bは、溶接箇所W1の近傍であって溶接箇所W1より−X方向側にあるメタルマスクシート18の一箇所(第2箇所)P2に−X方向側に力を付与した状態で第2箇所P2をメタルマスクフレーム20に押し付ける。ここで、第1箇所P1は、点または面であり、メタルマスクシート18の中央部に対して溶接箇所W1より外側に位置している。第2箇所P2は、点または面であり、メタルマスクシート18の中央部に対して溶接箇所W1より内側に位置している。また、第1箇所P1、溶接箇所W1及び第2箇所P2は、X方向に配列される。即ち、第1箇所P1、溶接箇所W1及び第2箇所P2を配列する方向は、メタルマスクシート18に張力を付与する方向(メタルマスクシート18の一端部と他端部とを離間させる方向:X方向)と平行である。
【0025】
溶接箇所W1は、第1足部30aと第1折曲げ部32aとで形成されるL字状に囲まれた空間内(第2足部30bと第2折曲げ部32bとで形成されるL字状に囲まれた空間内)、即ち第1足部30a、第1折曲げ部32a、第2足部30b及び第2折曲げ部32bに囲まれた空間内に位置している。
【0026】
溶接部22は、溶接箇所W1以外にもメタルマスクシート18の一端部の数箇所(例えば図8に示す溶接箇所W2,W3)をメタルマスクフレーム20の−X方向側の一辺に溶接する。また、溶接部22は、メタルマスクシート18の他端部の数箇所をメタルマスクフレーム20の+X方向側の他辺に溶接する。
【0027】
メタルマスクシート18の他端部をメタルマスクフレーム20の+X方向側の他辺に溶接する際、第1突部34aは、溶接箇所の近傍であって溶接箇所より+X方向側にあるメタルマスクシート18の一箇所(第3箇所)に+X方向側に力を付与した状態で第3箇所をメタルマスクフレーム20に押し付ける。同時に、第2突部34bは、溶接箇所の近傍であって溶接箇所より−X方向側にあるメタルマスクシート18の一箇所(第4箇所)に−X方向側に力を付与した状態で第4箇所をメタルマスクフレーム20に押し付ける。ここで、第3箇所は、点または面であり、メタルマスクシート18の中央部に対して溶接箇所より内側に位置している。第4箇所は、点または面であり、メタルマスクシート18の中央部に対して溶接箇所より外側に位置している。また、第3箇所、溶接箇所及び第4箇所は、X方向に配列される。即ち、第3箇所、溶接箇所及び第4箇所を配列する方向は、メタルマスクシート18に張力を付与する方向(メタルマスクシート18の一端部と他端部とを離間させる方向:X方向)と平行である。溶接箇所は、第1足部30aと第1折曲げ部32aとで形成されるL字状に囲まれた空間内(第2足部30bと第2折曲げ部32bとで形成されるL字状に囲まれた空間内)、即ち第1足部30a、第1折曲げ部32a、第2足部30b及び第2折曲げ部32bに囲まれた空間内に位置している。
【0028】
この実施の形態に係るメタルマスク製造装置2においてメタルマスクを製造する際には、まず張力部6によりメタルマスクシート18の両端部に所定の張力が付与された状態で、張力部6(メタルマスクシート18)をガイドレール7に沿ってY方向に移動させることにより、メタルマスクシート18をメタルマスクフレーム20上の所定の位置(溶接する位置)まで移動させる。次に、溶接装置10をガイドレール12に沿ってX方向に移動させ、ガイドレール8に沿ってY方向に移動させることにより、溶接装置10をメタルマスクシート18上の所定の位置(溶接する位置)まで移動させる。更に張力部6によりメタルマスクシート18の両端部に張力を付与した後、溶接装置10によりメタルマスクシート18の所定箇所をメタルマスクフレーム20の所定箇所に溶接する。具体的には、溶接部22及び押付け部24を図3に示す位置から図6に示す位置に移動させて、第1突部34a及び第2突部34bによりメタルマスクシート18の二箇所(溶接箇所近傍の二箇所)をメタルマスクフレーム20に押し付ける。そして、溶接部22の先端部22aとメタルマスクシート18の表面との間に窒素をブロウし、先端部22aから出射するレーザ光をメタルマスクシート18に照射することにより、メタルマスクフレーム20の所定箇所にメタルマスクシート18の所定箇所を溶接する。
【0029】
次に、溶接装置10をガイドレール8に沿ってY方向に移動させ、必要に応じてガイドレール12に沿ってX方向に移動させることにより、溶接装置10をメタルマスクシート18上の次の溶接位置まで移動させる。そして、メタルマスクフレーム20にメタルマスクシート18を溶接し終えるまで、上述の溶接処理を繰り返す。また、このようにして所定枚数のメタルマスクシート18をメタルマスクフレーム20に溶接することによりメタルマスクが製造される。
【0030】
この実施の形態に係るメタルマスク製造装置2によれば、押付け部24を備えているため、メタルマスクシート18をメタルマスクフレーム20に溶接する際、溶接箇所近傍においてメタルマスクシート18をメタルマスクフレーム20に精度よく押し付けることができる。したがって、溶接箇所においてメタルマスクシート18とメタルマスクフレーム20との間に隙間が生じるのを抑制することができるため、メタルマスクシート18の薄膜化及びメタルマスクフレーム20(メタルマスク)の大型化による溶接不良を解消することができる。また、メタルマスクフレーム20に対するメタルマスクシート18の位置ずれを抑制することができるため、位置ずれによるメタルマスクの精度悪化を防止することができ、良好なメタルマスクを製造することができる。また、メタルマスクシート18の溶接箇所近傍の二箇所を溶接箇所に対して外側に力を付与した状態でメタルマスクフレーム20に押し付けて溶接するため、メタルマスクシート18に撓みや皺が生じた状態で溶接させることを防止することができる。
【0031】
なお、上述の実施の形態においては、溶接の際、押付け部24によりメタルマスクシート18の溶接箇所近傍の二箇所をメタルマスクフレーム20に押し付けているが、メタルマスクシート18の溶接箇所近傍の少なくとも一箇所(一箇所または三箇所以上)をメタルマスクフレーム20に押し付ける構成にしてもよい。メタルマスクシート18の一箇所をメタルマスクフレーム20に押し付ける場合には、該一箇所はメタルマスクシート18の中央部に対して溶接箇所より外側に位置することが好ましい。
【0032】
また、上述の実施の形態においては、押付け部24によりメタルマスクシート18をメタルマスクフレーム20に押し付ける二箇所はメタルマスクシート18の溶接箇所とX方向に対して平行となるように配置されているが、溶接箇所の近傍であればよい。
【符号の説明】
【0033】
2…メタルマスク製造装置、4…テーブル部、6…張力部、8…ガイドレール、10…溶接装置、12…ガイドレール、16…基台、18…メタルマスクシート、20…メタルマスクフレーム、22…溶接部、24…押付け部、26…支持部、28a…第1脚部、28b…第2脚部、30a…第1足部、30b…第2足部、32a…第1折曲げ部、32b…第2折曲げ部、34a…第1突部、34b…第2突部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8