(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1の実施の形態〕
[プログラム生成装置の構成]
図1は、プログラム生成装置10およびワイヤ放電加工機12を示すブロック図である。
図2は、表示部14に表示されるワークWの加工経路Rおよび中子Cの例を示す図である。
図2の例では、ワークWに加工形状を規定する加工経路RA、加工経路RB、加工経路RCを有し、ワークWの荒加工を行うことにより、中子CA、中子CB、中子CCが生じる。
【0011】
なお、以下において、加工経路Rとは、
図2に示すように、ワークW上の平面において連続する線のことを示し、連続する線で示される経路を1つの加工経路Rとして計数する。したがって、
図2に示すワークWには、3つの加工経路RA、RB、RCが形成される。また、以下において、プログラム生成装置10の操作等を行う人員をユーザ、ワイヤ放電加工機12の操作等を行う人員をオペレータと記載する。
【0012】
加工経路Rの荒加工時に中子Cが生じる場合、ワイヤ放電加工機12は、中子CとワークWとの間に図示しないワイヤ電極の成分を付着させて、中子CをワークWに固着させる固着加工、または、中子CとワークWとの間を一部切り残す切残し加工を行うことができる。
【0013】
固着加工を行った場合には、オペレータにより中子Cに衝撃を与えて中子CをワークWから取り外し、取り外された中子Cを除去する除去作業が必要となる。また、切残し加工を行った場合には、ワイヤ放電加工機12により切り残した箇所を切断して切り落とす切落し加工を行い、切り落とされた中子Cをオペレータにより除去する除去作業が必要となる。ワイヤ放電加工機12は、荒加工時に生じた中子Cが除去された後に、仕上げ加工を行う。
【0014】
固着加工された中子Cは、オペレータにより衝撃を与えてワークWから取り外すことができるが、切残し加工された中子Cは、切残し箇所をワイヤ放電加工機12で切断する必要があり、中子Cを固着加工する方が作業効率はよい。しかし、中子Cが複雑な形状である場合、中子Cのテーパ角度が大きい場合、または、中子Cが比較的大型である場合には、中子Cを固着加工することができず、切残し加工が行われる。
【0015】
プログラム生成装置10は、例えばCAD/CAMを搭載したパーソナルコンピュータ等である。プログラム生成装置10は、ユーザによりワークW上に加工経路Rが入力され、入力された加工経路Rに応じてワイヤ放電加工機12を制御するNCプログラムを生成する。プログラム生成装置10において、生成されたNCプログラムは、ワイヤ放電加工機12の数値制御装置16に送られる。数値制御装置16において、NCプログラムが実行され、加工機本体18の各種の装置に対する指令値が演算される。数値制御装置16から加工機本体18の各種の装置に対して指令値が送られ、この指令値にしたがって各種の装置が動作することにより、ワークWの加工が行われる。
【0016】
プログラム生成装置10には、入力部20および表示部14が接続されている。入力部20は、例えばキーボードやマウス等である。ユーザが入力部20を操作することにより、文字、記号、数字等の入力、表示部14上の位置の指定、表示部14に表示されたアイコン等の選択等を行うことができる。表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等である。表示部14には、文字、記号、数字や画像等を表示することができる。
【0017】
プログラム生成装置10は、加工形状作成部22、表示制御部24、加工形状読込部26、加工順番取得部28およびプログラム生成部30を有している。加工形状作成部22は、ユーザが入力部20を操作することにより指定した経路を加工経路Rとして設定し、加工経路Rに応じてワークWの加工形状を作成する。表示制御部24は、加工形状作成部22において作成されたワークWの加工形状を表示するように表示部14を制御する。
【0018】
また、加工形状作成部22は、加工経路Rにおいて、ユーザが入力部20を操作することにより指定した箇所に、ワークWと中子Cとの間に図示しないワイヤ電極の成分を付着させて、中子CをワークWに固着させる中子固着箇所Fを設定する。表示制御部24は、設定された中子固着箇所Fを表示するように表示部14を制御する。
【0019】
また、加工形状作成部22は、加工経路Rにおいて、ユーザが入力部20を操作することにより指定した箇所において、ワークWと中子Cとの間を切り残して、中子CをワークWに固定させる中子切残し箇所Uを設定する。表示制御部24は、設定された中子固着箇所Fおよび中子切残し箇所Uを表示するように表示部14を制御する。
【0020】
加工形状読込部26は、加工形状作成部22において設定された加工経路R、中子固着箇所Fおよび中子切残し箇所Uを読み込む。加工順番取得部28は、加工形状読込部26において読み込まれた加工経路Rから、加工する加工経路Rの順番(加工順番)を取得する。加工順番取得部28は、あらかじめ決められた法則にしたがって、加工順番を取得する。あらかじめ決められた法則とは、例えば、加工経路RがX軸およびY軸上の座標として規定されている場合、ワークW上の加工経路Rの始点の位置がXY座標の原点に最も近いものの順番を1番目とし、加工経路Rの始点の位置がXY座標の原点から遠くなるほど順番が遅くなるように設定される。この法則は、ここで挙げた例に限らなくともよい。加工順番取得部28は、例えば、
図2に示すワークWの加工形状を読み込んだ場合、以下のように加工経路Rの加工順番を取得する。
(1)加工経路RAの荒加工(固着加工を含む)
(2)加工経路RBの荒加工(切残し加工、および、切落し加工を含む)
(3)加工経路RCの荒加工(固着加工を含む)
(4)加工経路RAの仕上げ加工
(5)加工経路RBの仕上げ加工
(6)加工経路RCの仕上げ加工
【0021】
プログラム生成部30は、加工形状読込部26において読み込まれた加工経路R、中子固着箇所Fおよび中子切残し箇所Uに基づいて、ワイヤ放電加工機12を制御するNCプログラムを生成する。プログラム生成部30は、加工順番取得部28において取得された加工順番で加工経路Rを加工するようにNCプログラムを生成する。ただし、プログラム生成部30は、加工経路Rの加工に固着加工と切残し加工とが混在する場合には、加工経路Rの加工順番を一部入れ替えて、NCプログラムを生成する。
【0022】
[プログラム生成処理]
図3は、プログラム生成部30において行われるプログラム生成処理の流れを示すフローチャートである。
【0023】
ステップS1では、カウンタNを0にセットするとともに、最大値Nmaxを加工経路Rの数に設定して、ステップS2へ移行する。
図2の例では、最大値Nmaxは3に設定される。
【0024】
ステップS2では、カウンタNをインクリメントして、ステップS3へ移行する。ステップS3では、プログラム生成部30において、加工順番取得部28で取得された加工順番がN番目の加工経路Rを選択して、ステップS4へ移行する。
【0025】
ステップS4では、プログラム生成部30において、ステップS3で選択した加工経路Rに中子Cの固着加工が含まれるか否かを判定する。選択した加工経路Rに中子Cの固着加工が含まれる場合にはステップS5へ移行し、選択した加工経路Rに中子Cの固着加工が含まれない場合にはステップS6へ移行する。ステップS5では、プログラム生成部30において、ステップS3で選択した加工経路RについてNCプログラムを生成して、ステップS6へ移行する。
【0026】
ステップS6では、カウンタNが最大値Nmaxであるか否かを判定し、カウンタNが最大値Nmaxである場合にはステップS7へ移行し、カウンタNが最大値Nmaxでない場合にはステップS2へ戻る。
【0027】
ステップS7では、カウンタNを0にセットするとともに、最大値Nmaxを加工経路Rの数に設定して、ステップS8へ移行する。ステップS8では、カウンタNをインクリメントして、ステップS9へ移行する。ステップS9では、プログラム生成部30において、加工順番取得部28で取得された加工順番がN番目の加工経路Rを選択して、ステップS10へ移行する。
【0028】
ステップS10では、プログラム生成部30において、ステップS9で選択した加工経路Rに中子Cの固着加工が含まれるか否かを判定する。選択した加工経路Rに中子Cの固着加工が含まれる場合にはステップS12へ移行し、選択した加工経路Rに中子Cの固着加工が含まれない場合にはステップS11へ移行する。ステップS11では、プログラム生成部30において、ステップS9で選択した加工経路RについてNCプログラムを生成して、ステップS12へ移行する。
【0029】
ステップS12では、カウンタNが最大値Nmaxであるか否かを判定し、カウンタNが最大値Nmaxである場合には処理を終了し、カウンタNが最大値Nmaxでない場合にはステップS8へ戻る。
【0030】
[加工順番の変更]
プログラム生成部30では、加工順番取得部28で取得した加工経路Rの加工順番を変更して、次の加工順番となるようにNCプログラムを生成する。
(1)加工経路RAの荒加工(固着加工を含む)
(2)加工経路RCの荒加工(固着加工を含む)
(3)加工経路RBの荒加工(切残し加工、および、切落し加工を含む)
(4)加工経路RAの仕上げ加工
(5)加工経路RBの仕上げ加工
(6)加工経路RCの仕上げ加工
【0031】
プログラム生成部30は、固着加工を含む「加工経路RAの荒加工」と「加工経路RCの荒加工」を、切残し加工、および、切落し加工を含む「加工経路RBの荒加工」よりも前に行うように、NCプログラムを生成する。
【0032】
[作用効果]
固着加工された中子Cは、すべての加工経路Rに対してワイヤ放電加工機12による荒加工が終了した後に、ワイヤ放電加工機12を停止して、オペレータにより中子CのワークWからの取り外しと除去を行えばよい。一方、切残し加工された中子Cは、切残し箇所がワイヤ放電加工機12により切断されるたびに、ワイヤ放電加工機12を停止して、オペレータにより中子Cの除去を行う必要がある。
【0033】
加工順番取得部28で取得された加工順番に、ワイヤ放電加工機12の停止と、オペレータによる作業を追加すると、次のようになる。
(1)加工経路RAの荒加工(固着加工を含む)
(2)加工経路RBの荒加工(切残し加工、および、切落し加工を含む)
(2−1)ワイヤ放電加工機12の停止
(2−2)中子CAの取り外し 中子CA、中子CBの除去
(3)加工経路RCの荒加工(固着加工を含む)
(3−1)ワイヤ放電加工機12の停止
(3−2)中子CCの取り外し 中子CCの除去
(4)加工経路RAの仕上げ加工
(5)加工経路RBの仕上げ加工
(6)加工経路RCの仕上げ加工
【0034】
上記のように、加工順番取得部28で取得された加工順番では、ワイヤ放電加工機12を2回停止させ、オペレータによる中子Cの除去作業を2回行う必要がある。ワイヤ放電加工機12の停止回数と、オペレータによる中子Cの除去作業回数を減らすためには、次のように加工順番を変更すればよい。
(1)加工経路RAの荒加工(固着加工を含む)
(2)加工経路RCの荒加工(固着加工を含む)
(3)加工経路RBの荒加工(切残し加工、および、切落し加工を含む)
(3−1)ワイヤ放電加工機12の停止
(3−2)中子CA、中子CCの取り外し 中子CA、中子CB、中子CCの除去
(4)加工経路RAの仕上げ加工
(5)加工経路RBの仕上げ加工
(6)加工経路RCの仕上げ加工
【0035】
これにより、ワイヤ放電加工機12の停止回数を1回、オペレータによる中子Cの除去作業回数を1回に減らすことができる。プログラム生成装置10では、加工順番取得部28で取得された加工順番の変更は、ユーザが入力部20を操作することにより行うことができる。しかし、加工経路Rの数が多くなると、変更しなければならない加工順番の箇所が膨大となり、ユーザが入力部20を操作することによる変更が困難になる。
【0036】
そこで、本実施の形態では、加工順番取得部28で取得された加工順番を、プログラム生成部30において、固着加工が切残し加工よりも前となるように変更して、変更した順番で加工経路Rを加工するようにワイヤ放電加工機12を制御するNCプログラムを生成するようにした。これにより、ユーザの入力部20の操作により加工順番を変更することなく、オペレータによる中子Cの除去作業の回数を抑制することができるNCプログラムを生成することができる。
【0037】
また、本実施の形態では、プログラム生成装置10において、加工形状読込部26により読み込まれたワークWの加工経路RからNCプログラムを生成するようにした。これにより、ユーザの入力部20の操作により入力されたワークWの加工経路Rに応じて、オペレータによる中子Cの除去作業の回数を抑制することができるNCプログラムを自動で生成することができる。
【0038】
〔第2の実施の形態〕
図4は、プログラム生成装置32、プログラム生成装置10およびワイヤ放電加工機12を示すブロック図である。
【0039】
プログラム生成装置32は、例えばCAD/CAMを搭載したパーソナルコンピュータ等である。プログラム生成装置32は、ユーザによりワークW上に加工経路Rが入力され、入力された加工経路Rに応じてワイヤ放電加工機12を制御するNCプログラムを生成する。
【0040】
プログラム生成装置10は、CAD/CAMを搭載したパーソナルコンピュータ等である。プログラム生成装置10は、プログラム生成装置32において生成されたNCプログラムを読み込んで、NCプログラムの変更を行う。プログラム生成装置32とプログラム生成装置10とは、同一のアプリケーションが搭載されているパーソナルコンピュータ等であってもよい。例えば、プログラム生成装置32は、プログラミングを担当するユーザによりオフィス内で使用され、プログラム生成装置10は、ワイヤ放電加工機12を操作するオペレータが、ワイヤ放電加工機12が設置されている工場内で使用されることが考えられる。なお、以下では、プログラム生成装置32を操作する人員も、プログラム生成装置10を操作する人員もともにユーザと記載する。
【0041】
プログラム生成装置32は、加工形状作成部34、表示制御部36、加工形状読込部38、加工順番取得部40およびプログラム生成部42を有している。加工形状作成部34は、ユーザが入力部20を操作することにより指定した経路を加工経路Rとして設定し、加工経路Rに応じてワークWの加工形状を作成する。表示制御部36は、加工形状作成部34において作成されたワークWの加工形状を表示するように表示部14を制御する。
【0042】
また、加工形状作成部34は、加工経路Rにおいて、ユーザが入力部20を操作することにより指定した箇所に、ワークWと中子Cとの間に図示しないワイヤ電極の成分を付着させて、中子CをワークWに固着させる中子固着箇所Fを設定する。表示制御部36は、設定された中子固着箇所Fを表示するように表示部14を制御する。
【0043】
また、加工形状作成部34は、加工経路Rにおいて、ユーザが入力部20を操作することにより指定した箇所において、ワークWと中子Cとの間を切り残して、中子CをワークWに固定させる中子切残し箇所Uを設定する。表示制御部36は、設定された中子固着箇所Fおよび中子切残し箇所Uを表示するように表示部14を制御する。
【0044】
加工形状読込部38は、加工形状作成部34において設定された加工経路R、中子固着箇所Fおよび中子切残し箇所Uを読み込む。加工順番取得部40は、加工形状読込部38において読み込まれたワークWの加工経路Rから加工順番を取得する。加工順番取得部40は、例えば、
図2に示す加工経路Rを読み込んだ場合、以下のように加工順番を取得する。
(1)加工経路RAの荒加工(固着加工を含む)
(2)加工経路RBの荒加工(切残し加工、および、切落し加工を含む)
(3)加工経路RCの荒加工(固着加工を含む)
(4)加工経路RAの仕上げ加工
(5)加工経路RBの仕上げ加工
(6)加工経路RCの仕上げ加工
【0045】
プログラム生成部42は、加工形状読込部38において読み込まれた加工経路R、中子固着箇所Fおよび中子切残し箇所Uに基づいて、ワイヤ放電加工機12を制御するNCプログラムを生成する。プログラム生成部42は、加工順番取得部40において取得された加工順番で加工経路Rを加工するようにNCプログラムを生成する。
【0046】
プログラム生成装置10は、プログラム読込部44、加工順番取得部28およびプログラム生成部30を有している。プログラム読込部44は、プログラム生成装置32において生成されたNCプログラムを読み込む。
【0047】
加工順番取得部28は、プログラム読込部44において読み込まれたNCプログラムから加工順番を取得する。プログラム生成部30は、プログラム読込部44において読み込まれたNCプログラムにおいて、加工経路Rの加工に固着加工と切残し加工とが混在する場合には、加工経路Rの加工順番を一部入れ替えるように、NCプログラムを変更する。
【0048】
[プログラム生成処理]
図5は、プログラム生成装置10のプログラム生成部30において行われるプログラム生成処理の流れを示すフローチャートである。
【0049】
ステップS21では、カウンタNを0にセットするとともに、最大値Nmaxを加工経路Rの数に設定して、ステップS22へ移行する。ステップS22では、カウンタNをインクリメントして、ステップS23へ移行する。ステップS23では、プログラム生成部30において、加工順番取得部28で取得された加工順番がN番目の加工経路RのNCプログラムを選択して、ステップS24へ移行する。
【0050】
ステップS24では、プログラム生成部30において、ステップS23で選択した加工経路RのNCプログラムに中子Cの固着加工指令が含まれるか否かを判定する。選択した加工経路RのNCプログラムに中子Cの固着加工指令が含まれる場合にはステップS26へ移行し、選択した加工経路RのNCプログラムに中子Cの固着加工指令が含まれない場合にはステップS25へ移行する。
【0051】
ステップS25では、プログラム生成部30において、ステップS23で選択した加工経路RのNCプログラムを最後に移動させて、ステップS26へ移行する。ステップS26では、カウンタNが最大値Nmaxであるか否かを判定し、カウンタNが最大値Nmaxである場合には処理を終了し、カウンタNが最大値Nmaxでない場合にはステップS22へ戻る。
【0052】
[加工順番の変更]
プログラム生成部30では、加工順番取得部28で取得した加工順番を変更して、次の加工順番となるようにNCプログラムを変更する。
(1)加工経路RAの荒加工(固着加工を含む)
(2)加工経路RCの荒加工(固着加工を含む)
(3)加工経路RBの荒加工(切残し加工、および、切落し加工を含む)
(4)加工経路RAの仕上げ加工
(5)加工経路RBの仕上げ加工
(6)加工経路RCの仕上げ加工
【0053】
変更後のNCプログラムにおける加工経路Rの加工順番では、固着加工を含む「加工経路RAの荒加工」と「加工経路RCの荒加工」を、切残し加工、および、切落し加工を含む「加工経路RBの荒加工」よりも前に行うように変更する。
【0054】
[作用効果]
本実施の形態では、プログラム生成装置10において、プログラム生成装置32で生成されたNCプログラムを読み込んで、固着加工が切残し加工よりも前となるように、NCプログラムを変更するようにした。これにより、プログラム生成装置10において、読み込んだNCプログラムを、オペレータによる中子Cの除去作業の回数を抑制することができるNCプログラムに変更することができる。
【0055】
〔実施の形態から得られる技術的思想〕
上記実施の形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
【0056】
ワイヤ放電加工機(12)を制御するNCプログラムを生成するプログラム生成装置(10)であって、あらかじめ決められた法則によって設定される、加工経路(R)を加工する順番を取得する加工順番取得部(28)と、ワーク(W)を加工するときに生じる中子(C)をワイヤ電極の成分を付着させて前記ワーク(W)に固着させる固着加工を、前記中子(C)の一部を切り残す切残し加工よりも前に行うように、前記加工順番取得部(28)で取得された前記順番を自動で変更し、変更した前記順番で前記加工経路(R)を加工するNCプログラムを生成するプログラム生成部(30)と、を有する。これにより、ユーザの入力部(20)操作により加工順番を変更することなく、オペレータによる中子(C)の除去作業の回数を抑制することができるプログラムを生成することができる。
【0057】
上記のプログラム生成装置(10)であって、ユーザが入力部(20)を操作することにより入力した前記加工経路(R)を読み込む加工形状読込部(26)を備え、前記加工順番取得部(28)は、前記加工形状読込部(26)により読み込まれた前記加工経路(R)から、前記加工経路(R)を加工する順番を取得し、前記プログラム生成部(30)は、変更した前記順番で前記加工経路(R)を加工するように、前記加工形状読込部(26)により読み込まれた前記加工経路(R)から前記NCプログラムを生成する。これにより、ユーザの入力部(20)の操作により入力されたワーク(W)の加工経路(R)に応じて、オペレータによる中子(C)の除去作業の回数を抑制することができるNCプログラムを自動で生成することができる。
【0058】
上記のプログラム生成装置(10)であって、NCプログラムを読み込むプログラム読込部(44)を備え、前記加工順番取得部(28)は、前記プログラム読込部(44)により読み込まれた前記NCプログラムから、前記加工経路(R)を加工する前記順番を取得し、前記プログラム生成部(30)は、変更した前記順番で前記加工経路(R)を加工するように、前記プログラム読込部(44)により読み込まれた前記NCプログラムを変更する。これにより、プログラム生成装置(10)において、読み込んだNCプログラムを、オペレータによる中子(C)の除去作業の回数を抑制することができるNCプログラムに変更することができる。
【0059】
ワイヤ放電加工機(12)を制御するNCプログラムを生成するプログラム生成方法であって、あらかじめ決められた法則によって設定される、加工経路(R)を加工する順番を取得する加工順番取得ステップと、ワーク(W)を加工するときに生じる中子(C)をワイヤ電極の成分を付着させて前記ワーク(W)に固着させる固着加工を、前記中子(C)の一部を切り残す切残し加工よりも前に行うように、前記加工順番取得ステップで取得された前記順番を自動で変更し、変更した前記順番で前記加工経路(R)を加工するNCプログラムを生成するプログラム生成ステップと、を有する。これにより、ユーザの入力部(20)の操作により加工順番を変更することなく、オペレータによる中子(C)の除去作業の回数を抑制することができるプログラムを生成することができる。
【0060】
上記のプログラム生成方法であって、ユーザが入力部(20)を操作することにより入力した前記加工経路(R)を読み込む加工形状読込ステップを備え、前記加工順番取得ステップは、前記加工形状読込ステップにより読み込まれた前記加工経路(R)から、前記加工経路(R)を加工する順番を取得し、前記プログラム生成ステップは、変更した前記順番で前記加工経路(R)を加工するように、前記加工形状読込ステップにより読み込まれた前記加工経路(R)から前記NCプログラムを生成する。これにより、ユーザの入力部(20)の操作により入力されたワーク(W)の加工経路(R)に応じて、オペレータによる中子(C)の除去作業の回数を抑制することができるNCプログラムを自動で生成することができる。
【0061】
上記のプログラム生成方法であって、NCプログラムを読み込むプログラム読込ステップを備え、前記加工順番取得ステップは、前記プログラム読込ステップにより読み込まれた前記NCプログラムから、前記加工経路(R)を加工する前記順番を取得し、前記プログラム生成ステップは、変更した前記順番で前記加工経路(R)を加工するように、前記プログラム読込ステップにより読み込まれた前記NCプログラムを変更する。これにより、読み込んだNCプログラムを、オペレータによる中子(C)の除去作業の回数を抑制することができるNCプログラムに変更することができる。