(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下で説明する実施形態に係る照明ユニット100、200、300及び400は、発光素子122が実装される実装面120aを有する基板120と、基板120の実装面120aに設置され、発光素子122によって発光される光の反射方向を調整する反射体140と、反射体140により反射された光を発散又は集束させる光学レンズ160と、反射体140と光学レンズ160とを所定の距離に離間した状態に位置決めする位置決め部(スペーサ150a〜150d)とを具備する。
【0008】
また、実施形態に係る照明ユニット100、200、300及び400において、位置決め部は、反射体140と光学レンズ160との間に介挿されることで、反射体140と光学レンズ160とを位置決めする。
【0009】
また、実施形態に係る照明ユニット100、200、300及び400において、反射体140は、位置決め部と一体となって形成される。
【0010】
また、実施形態に係る照明ユニット100、200、300及び400は、基板120における実装面120aの裏面が設置される第1面111aを有し、第1面111aに設置された基板120を支持する支持部材(フィンベース部111)と、第1面111aの裏面の第2面111bに一端が埋設されて、互いに間隔を空けて略平行に立設される平面形状の複数の放熱フィン112とをさらに具備する。
【0011】
また、実施形態に係る照明装置1は、照明ユニット100、200、300及び400を具備し、複数の照明ユニット100、200、300及び400が具備する各放熱フィンが接触しない状態で複数の照明ユニット100、200、300及び400を固定する固定フレーム10及び20をさらに具備する。
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明ユニット及び照明装置を説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
(第1の実施形態)
[照明装置の外観例]
図1及び
図2は、第1の実施形態に係る照明装置1の外観例を示す斜視図である。
図1では、照明装置1を斜め上方向から見た例を示し、
図2では、照明装置1を斜め下方向から見た例を示す。
【0014】
図1及び
図2に示した照明装置1は、例えば体育館などの建物内の高天井に設置され、内部に実装されたLED等の発光素子を発光させることにより、
図1及び
図2に示した下方向に位置する広範囲の空間を照明する。
【0015】
図1及び
図2に示した例では、照明装置1は、4個の照明ユニット100、200、300及び400を具備する。具体的には、照明ユニット100及び照明ユニット200は固定フレーム10に固定され、照明ユニット300及び照明ユニット400は固定フレーム20に固定される。そして、固定フレーム10と固定フレーム20とが互いに固定されることにより、照明装置1は、4個の照明ユニット100、200、300及び400を具備することとなる。
【0016】
以下、
図1及び
図2に示した各部材についてより具体的に説明する。なお、照明ユニット100、200、300及び400は、それぞれ同様の構造を有するので、以下では、主に照明ユニット100について説明する。また、固定フレーム10及び20は、それぞれ同様の構造を有するので、以下では、主に固定フレーム10について説明する。
【0017】
照明ユニット100は、
図2に示すように、筺体ケース190を具備する。筺体ケース190は、例えば、熱伝導性の高い金属により形成され、透明性の下面カバー180や、後述するLED等の発光素子が実装された基板などを収納する。
【0018】
また、照明ユニット100は、
図1及び
図2に示すように、筺体ケース190の上方に、複数の放熱フィン112が立設される。放熱フィン112は、筺体ケース190の内部に収納された発光素子から発生する熱を外部に放出させる。なお、以下に説明する各図では、一部の放熱フィンに符号112を付す場合があるが、筺体ケース190の上方に立設される平面形状の部材は放熱フィン112に該当する。
【0019】
固定フレーム10は、照明ユニット100及び200を固定し、固定フレーム20は、照明ユニット300及び400を固定する。これらの固定フレーム10及び20は、例えば、金属製である。また、固定フレーム10と固定フレーム20とは、スペーサ31〜33を介して互いに固定される。なお、固定フレーム10及び20における固定機構については後述する。
【0020】
また、
図1に示すように、固定フレーム10は、取り付け部材14と、端子台41と、電源装置42a及び42bとが設置される。取り付け部材14は、例えば金属製であり、天井等に取り付けられる。端子台41は、図示しない商用交流電源からの電力供給を電源装置42a及び42bに中継する。電源装置42a及び42bは、端子台41から中継される電力を照明ユニット100及び200の内部に実装された基板に図示しない電源線を介して供給する。同様に、固定フレーム20は、取り付け部材24と、端子台51と、電源装置52a及び52bとが設置される。なお、照明装置1は、例えば、取り付け部材14及び24が天井等に取り付けられることにより、天井に設置されることとなる。
【0021】
[照明ユニットの分解例]
次に、第1の実施形態に係る照明ユニット100の分解例について説明する。
図3〜
図5は、第1の実施形態に係る照明ユニット100の分解例を示す斜視図である。なお、
図3では、照明ユニット100を斜め上方向から見た例を示し、
図4では、照明ユニット100を斜め下方向から見た例を示し、
図5では、
図4に示した一部分の拡大図を示す。
【0022】
図3及び
図4に示すように、実施形態に係る照明ユニット100は、フィンユニット110と、基板120と、座金130a〜130dと、反射体140と、スペーサ150a〜150dと、光学レンズ160と、固定ネジ170a〜170dと、下面カバー180と、筺体ケース190とを具備する。
【0023】
フィンユニット110は、熱伝導性の高い金属製であり、フィンベース部111と、放熱フィン112とを有する。フィンベース部111は、基板120が設置される支持部材であり、
図5に示すように、基板120と密に面接触する第1面111aと、第1面111aの裏面であって放熱フィン112が立設される第2面111bとを有する。
【0024】
また、フィンベース部111の下端は、基板120と、反射体140と、光学レンズ160と、下面カバー180とが収納可能なように、第1面111aを底面として略矩形状に開口される。かかるフィンベース部111の開口部は、
図5に示すように、第1面111aから下端に向かう方向に開口面が段階的に大きくなるように、第1段部111cと第2段部111dとによって2段の段差が形成される。
【0025】
また、
図3及び
図4に示すように、フィンベース部111の外壁側面には、フィンベース部111に筺体ケース190等が固定される際に図示しない固定ネジがねじ込まれるネジ穴113a及び113bが形成される。なお、図示することを省略したが、フィンベース部111は、ネジ穴113a及び113bが形成された側面と対向する側面にも、ネジ穴113a及び113bと同様のネジ穴が形成される。また、
図4に示すように、フィンベース部111の第1面111aには、固定ネジ170a〜170dのそれぞれがねじ込まれるネジ穴114a〜114dが形成される。
【0026】
放熱フィン112は、フィンベース部111の第2面111bに、互いに所定の間隔を空けて略平行に立設される。かかる放熱フィン112は、上記の通り、基板120に実装された発光素子122から発生する熱を外部に放出させる。
【0027】
基板120は、
図5に示すように、発光素子122を実装する実装面120aと、実装面120aの裏面であってフィンベース部111の第1面111aと密に面接触する接触面120bとを有する。実装面120aには、
図5に示すように、複数の発光素子122が実装される。なお、以下に説明する各図では、一部の発光素子に符号122を付すが、基板120の実装面120aに実装される半球体の部材は発光素子122に該当する。かかる基板120は、接触面120bとフィンベース部111の第1面111aとが面接触可能なように、第1段部111cにより形成される開口面よりも小さい形状に形成される。
【0028】
また、基板120は、
図3〜
図5に示すように、固定ネジ170a〜170dのそれぞれが貫通するためのネジ通孔121a〜121dが形成される。なお、第1の実施形態に係る基板120は、SMD(Surface Mount Device)形で構成されているものとし、複数の発光素子122が実装面120aに実装される。ただし、基板120は、SMD形に限られず、マトリックス状や千鳥状や放射状など規則的に一定の順序をもって実装面120aの一部又は全体に複数の発光素子122が配列されて実装されたCOB(Chip on Board)形であってもよい。
【0029】
このような基板120は、
図4及び
図5に示すように、実装面120aにコネクタ123a及び123bが実装され、切欠部124a及び124bが形成される。コネクタ123a及び123bは、図示しない電源線の一端が接続される。かかる電源線の他端は、切欠部124a及び124bを介して、電源装置42a及び42bに接続される。これにより、基板120は、電源装置42a及び42bから供給される電力によって発光素子122を発光させることができる。
【0030】
ここで、発光素子122は、発光した際に発熱し、高温になる場合がある。発光素子122は、高温になりすぎると性能が劣化することもある。第1の実施形態に係る照明ユニット100では、基板120と密に面接触する第1面111aの裏面である第2面111bに放熱フィン112が立設される。すなわち、第1の実施形態に係る照明ユニット100では、フィンベース部111によって、発光素子122から発生する熱が、発光素子122の裏側に位置する放熱フィン112に伝達されるので、効率的に放熱することができる。
【0031】
座金130a〜130dは、反射体140と基板120との間に介挿される平面形状のワッシャーであり、固定ネジ170a〜170dのそれぞれが貫通するためのネジ通孔が形成される。
【0032】
反射体140は、例えば、耐光性、耐熱性及び電気絶縁性を有する合成樹脂製であり、基板120に実装された発光素子122によって発光される光の配光を調整する。具体的には、反射体140は、
図5に示すように、発光素子122と対向する位置に、貫通孔である調整部142が形成される。かかる調整部142の孔形状によって、発光素子122によって発光される光の配光方向が調整される。なお、以下に説明する各図では、一部の調整部に符号142を付すが、発光素子122と対向する反射体140に形成される孔は調整部142に該当する。
【0033】
また、反射体140は、
図3〜
図5に示すように、固定ネジ170a〜170dのそれぞれが貫通するためのネジ通孔141a〜141dが形成される。また、反射体140は、基板120の実装面120aに載置可能なように、フィンベース部111の第1段部111cにより形成される開口面よりも小さい形状に形成される。
【0034】
スペーサ150a〜150dは、反射体140と光学レンズ160との位置を所定の距離だけ離間した状態に維持する位置決め部である。かかるスペーサ150a〜150dは、固定ネジ170a〜170dのそれぞれが貫通するためのネジ通孔が形成される。
【0035】
光学レンズ160は、反射体140の調整部142によって配光方向が調整された光を発散又は集束させる。かかる光学レンズ160は、フィンベース部111に固設される際に固定ネジ170a〜170dのそれぞれが貫通するためのネジ通孔161a〜161dが形成される。また、第1の実施形態に係る光学レンズ160は、フィンベース部111の第1段部111cに載置可能なように、第1段部111cにより形成される開口面よりも大きく、かつ、第2段部111dにより形成される開口面よりも小さい形状に形成される。なお、第1の実施形態に係る光学レンズ160は、フレネルレンズ及びフライアイレンズにより形成されるが、この点については後述する。
【0036】
固定ネジ170a〜170dは、例えば金属製であり、光学レンズ160、反射体140及び基板120をフィンベース部111に固設する。例えば、固定ネジ170aは、光学レンズ160のネジ通孔161a、スペーサ150a、反射体140のネジ通孔141a、座金130a、基板120のネジ通孔121aの順に貫通して、フィンベース部111の第1面111aに形成されたネジ穴114aにねじ込まれる。同様に、固定ネジ170b、170c及び170dのそれぞれは、フィンベース部111のネジ穴114b、114c及び114dにねじ込まれる。
【0037】
下面カバー180は、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の透光性の平面板である。かかる下面カバー180は、フィンベース部111の第2段部111dに載置可能なように、第2段部111dにより形成される開口面よりも大きく、かつ、フィンベース部111の下端縁により形成される開口面よりも小さい形状に形成される。このような下面カバー180は、発光面を外部から直視しづらい眩しさを低減するための役割や、外部から筺体ケース190の内部に触れられることを防止するための役割などを担う。
【0038】
筺体ケース190は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂製、又は、アルミダイカストなどの金属製であり、上下両端がそれぞれ略矩形状に開口される。下端開口部には、かかる下端開口部の縁から内側方向に突き出した突出部190aが形成される。このような筺体ケース190は、基板120と反射体140と光学レンズ160とが固設されたフィンベース部111、及び、下面カバー180を収納する。また、筺体ケース190は、固定フレーム10に固定される際に図示しない固定ネジが貫通するためのネジ通孔191a〜191dが形成される。
【0039】
[照明装置の分解例]
次に、実施形態に係る照明装置1の分解例について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る照明装置1の分解例を示す斜視図である。なお、
図6では、固定フレーム10に固定される照明ユニット100及び200を例に挙げて説明する。
【0040】
図6に示すように、固定フレーム10は、1組の下方固設部10a及び10bと、1組の架設部10c及び10dとを含む。下方固設部10a及び10bは、短手方向の長さが、筺体ケース190の高さ方向の長さと略同一の平面部材であり、放熱フィン112の配列方向H1の長さと略同一の距離を空けた状態で互いの面が対向するように位置する。架設部10c及び10dは、下方固設部10a及び10bの上端から放熱フィン112の高さ方向の長さよりも延伸して下方固設部10a及び10bを架設する。
【0041】
かかる固定フレーム10の下方固設部10aには、一部が切り欠けた切欠部11a〜11dが形成される。同様に、下方固設部10bには、切欠部11e〜11hが形成される。そして、図示しない固定ネジが、下方固設部10aの切欠部11aと筺体ケース190のネジ通孔191aとを貫通して、フィンベース部111のネジ穴113aにねじ込まれる。同様に、図示しない固定ネジが、切欠部11bとネジ通孔191bとを貫通してネジ穴113bにねじ込まれる。また、下方固設部10bについても同様に、図示しない固定ネジが、切欠部11eや11fを介してフィンベース部111の側面に形成されるネジ穴にねじ込まれる。これにより、照明ユニット100は、固定フレーム10に固定される。同様にして、照明ユニット200は、切欠部11c、11d、11g及び11hを介して固定ネジがねじ込まれることにより、固定フレーム10に固定される。
【0042】
また、
図6に示すように、固定フレーム10の上面には、端子台41と、電源装置42a及び42bとが固設される。また、図示しない固定ネジが、取り付け部材14に形成されたネジ通孔14a及び14bを貫通して、固定フレーム10の上面に形成されたネジ孔10e及び10fにねじ込まれることにより、取り付け部材14が固定フレーム10に固設される。
【0043】
続いて、固定フレーム10と固定フレーム20とが固設される機構について説明する。
図6に示すように、固定フレーム10の下方固設部10aには、互いに対向する1組のネジ通孔12a及び12bが形成される。さらに、架設部10cには、下方固設部10a及び10bから上方に延伸した延伸部に、互いに対向する1組のネジ通孔13a及び13bが形成され、架設部10dには、互いに対向する1組のネジ通孔13c及び13dが形成される。また、
図1及び
図2に示すように、固定フレーム20についても固定フレーム10と同様に、下方固設部及び架設部にネジ通孔が形成される。例えば、
図1に示すように、固定フレーム20には、固定フレーム10のネジ通孔13a及び13cに対応するネジ通孔23a及び23cが形成される。また、例えば、
図2に示すように、固定フレーム20には、固定フレーム10のネジ通孔12aに対応するネジ通孔22aが形成される。
【0044】
そして、
図1に示すように、固定フレーム10のネジ通孔13bと固定フレーム20のネジ通孔23aとの間にスペーサ31が介挿され、図示しない固定ネジがネジ通孔13bを貫通してスペーサ31にねじ込まれるとともに、図示しない固定ネジがネジ通孔23aを貫通してスペーサ31にねじ込まれる。同様に、固定フレーム10のネジ通孔13dと固定フレーム20のネジ通孔23cとの間にスペーサ32が介挿され、図示しない固定ネジがネジ通孔13dを貫通してスペーサ32にねじ込まれるとともに、図示しない固定ネジがネジ通孔23cを貫通してスペーサ32にねじ込まれる。さらに、
図2に示すように、固定フレーム10のネジ通孔12bと固定フレーム20のネジ通孔22aとの間にスペーサ33が介挿され、図示しない固定ネジがネジ通孔12bを貫通してスペーサ33にねじ込まれるとともに、図示しない固定ネジがネジ通孔22aを貫通してスペーサ33にねじ込まれる。
【0045】
このようにして、固定フレーム10と固定フレーム20とが固設される。この結果、照明装置1は、照明ユニット100、200、300及び400を具備する大規模な照明器具となる。
【0046】
[照明装置の下面例]
次に、第1の実施形態に係る照明装置1を上方向から見た外観例について説明する。
図7は、第1の実施形態に係る照明装置1を示す上面図である。
図7に示すように、照明ユニット100において、複数の放熱フィン112のそれぞれは、フィンベース部111の第2面111b(筺体ケース190であってもよい)の縁よりも外側に突出した突出部112Pを有する。具体的には、複数の放熱フィン112のそれぞれは、第2面111bの縁である所定の一辺111eよりも長い辺がかかる一辺111eと略平行となるように、第2面111b上に立設される。同様に、照明ユニット200が具備する放熱フィン212、照明ユニット300が具備する放熱フィン312、照明ユニット400が具備する放熱フィン412についても、放熱フィン112と同様の突出部を有する。
【0047】
このように、第1の実施形態に係る放熱フィン112、212、312及び412は、突出部を有する面積が大きい平面形状であるので、大気中の空気との接触面積が広範となり、放熱効果を向上させることができる。
【0048】
また、
図7に示すように、照明ユニット100、200、300及び400のそれぞれは、固定フレーム10及び20によって互いの放熱フィンが接触しない状態で固定される。具体的には、
図7に示すように、放熱フィン112と放熱フィン212とは互いに接触せず、同様に、放熱フィン312と放熱フィン412とは互いに接触しない。言い換えれば、固定フレーム10は、放熱フィン112と放熱フィン212とを接触させない状態で照明ユニット100及び200を固定するための切欠部11a〜11hが形成される。同様に、固定フレーム20は、放熱フィン312と放熱フィン412とを接触させない状態で照明ユニット300及び400を固定するための切欠部が形成される。
【0049】
このように、第1の実施形態に係る照明装置1は、放熱フィン112、212、312及び412が互いに接触しないので、各照明ユニット間における空気の流れを阻害せず、放熱効果を向上させることができる。
【0050】
また、
図7に示すように、照明ユニット100及び200は、放熱フィン112と212とが互いに同様の位置に配列される。言い換えれば、放熱フィン112及び212は、互いの延長線上に位置する。同様に、照明ユニット300及び400は、放熱フィン312と412とが互いに同様の位置に配列される。これにより、例えば、放熱フィン112及び212との間では、
図7中に示した方向D1に大気中の空気が流動しやすい。この結果、放熱フィン112及び212は、温度上昇した空気を滞留させることなく高い放熱効果を得ることができる。
【0051】
[照明ユニットの断面例]
次に、第1の実施形態に係る照明ユニット100の断面について説明する。
図8は、
図1に示したI−I線における断面を示す図である。
図8に示すように、基板120は、フィンベース部111の第1面111aと密に面接触する。また、
図8に示した例では、基板120には、発光素子122a〜122fが実装される。反射体140は、基板120との間に座金130a及び130cが介挿された状態で積層される。かかる反射体140は、発光素子122a〜122fのそれぞれと対向する位置に調整部142a〜142fが形成される。調整部142a〜142fは、発光素子122から光学レンズ160に向かう方向に径が次第に大きくなる貫通孔である。
【0052】
光学レンズ160は、反射体140との間にスペーサ150a及び150cが介挿された状態でフィンベース部111の第1段部111cに載置される。そして、固定ネジ170aは、光学レンズ160、スペーサ150a、反射体140、座金130a、基板120の順に貫通して、フィンベース部111の第1面111aにねじ込まれる。同様に、固定ネジ170cは、光学レンズ160、スペーサ150c、反射体140、座金130c、基板120の順に貫通して、フィンベース部111の第1面111aにねじ込まれる。このようにして、基板120、反射体140及び光学レンズ160は、フィンベース部111に固設される。
【0053】
なお、
図8に示した例では、スペーサ150a及び150cの一部は、反射体140のネジ通孔141a及び141cに埋没する。すなわち、反射体140のネジ通孔141a等は、スペーサ150aが埋没可能なように、スペーサ150aの挿入方向から途中まではスペーサ150aの外径よりも大きい径に形成される。
【0054】
また、下面カバー180は、フィンベース部111の第2段部111dと、筺体ケース190の突出部190aとによって挟持される。なお、ここでは図示することを省略したが、固定ネジが、突出部190a、下面カバー180の順に貫通して、第2段部111dにねじ込まれることにより、下面カバー180は、フィンベース部111に固設される。
【0055】
このように、スペーサ150a及び150cは、反射体140と光学レンズ160との間に介挿されることで、反射体140と光学レンズ160とを所定の距離だけ離間した状態に位置決めする。これにより、第1の実施形態に係る照明ユニット100では、基板120から発生する熱の影響を光学レンズ160に与えにくくすることができる。また、光学レンズ160は、所望の状態に光を発散又は集束させるために発光素子122と所定の距離だけ離間していることを要するが、第1の実施形態に係る照明ユニット100では、スペーサ150a及び150cによって反射体140と光学レンズ160との距離が決定されるので、光学レンズ160が所望の状態に光を発散又は集束することが可能となる。
【0056】
なお、
図8(
図5も含む)に示した例では、フィンベース部111に第1段部111c及び第2段部111dが形成される例を示したが、第1段部111c及び第2段部111dは、光学レンズ160や下面カバー180を位置決めするための機構ではなく、一時的に位置決めするための機構である。そして、反射体140と光学レンズ160との位置関係はあくまでスペーサ150a〜150dによって決定される。したがって、フィンベース部111は、第1段部111c及び第2段部111dによって段差が形成されなくてもよい。
【0057】
また、第1の実施形態では、スペーサ150a〜150dが、反射体140と光学レンズ160とを所定の距離だけ離間した状態に位置決めする例を示したが、この例に限られない。例えば、スペーサ150a〜150dと同様の機能を発揮する位置決め部が、反射体140と一体となって形成されてもよいし、光学レンズ160と一体となって形成されてもよい。例えば、反射体140は、反射体140の下面から光学レンズ160に向かう方向に延伸した位置決め部に該当する凸部を有してもよい。同様に、光学レンズ160は、光学レンズ160の上面から反射体140に向かう方向に延伸した位置決め部に該当する凸部を有してもよい。
【0058】
[光学レンズの拡大図]
次に、第1の実施形態に係る光学レンズ160について説明する。
図9は、第1の実施形態に係る光学レンズ160の拡大断面を模式的に示す図である。
図10は、第1の実施形態に係る光学レンズ160の拡大断面の外観例を示す図である。
図9及び
図10に示すように、第1の実施形態に係る光学レンズ160は、発光素子122(調整部142)と対向する位置にフレネルレンズ160aが形成され、フレネルレンズ160aの裏面にフライアイレンズ160bが形成される。
【0059】
フレネルレンズ160aは、調整部142によって配光方向が調整された発光素子122からの光を、かかる光の総光量を減衰させることなく平行光に屈折させる。具体的には、フレネルレンズ160aは、調整部142から照射させる光を減衰させることなくフライアイレンズ160bに対して略垂直に屈折させる。そして、フライアイレンズ160bは、フレネルレンズ160aにより屈折させられた光を減衰させることなく拡散して、図示しない下面カバー180方向へ照射する。
【0060】
なお、
図9では、図示することを省略したが、光学レンズ160は、各発光素子122(調整部142)と対向する位置に、
図9及び
図10に示したようなフレネルレンズ160a及びフライアイレンズ160bが形成される。
【0061】
このように、第1の実施形態に係る光学レンズ160は、フレネルレンズ160aにより、発光素子122によって発光される光を平行光に屈折させるので、かかる光の総光量を減衰させることなく室内等を照明することができる。また、光学レンズ160は、フライアイレンズ160bにより光を拡散するので、外部から直視しづらい眩しさを低減することができる。すなわち、光学レンズ160は、発光素子122によって発光される光の総光量を減衰させることなく、かつ、眩しさを低減した上で室内等を照明することができるので、発光素子122からの光を効率的に利用して室内等を照明することができる。
【0062】
[第1の実施形態の効果]
上述してきたように、第1の実施形態に係る照明ユニット100では、支持部材であるフィンベース部111の第1面111aに、基板120の接触面120bが設置され、かかる第1面111aの裏面である第2面111bに複数の放熱フィン112が立設される。
【0063】
これにより、第1の実施形態に係る照明ユニット100によれば、フィンベース部111によって、基板120に実装された発光素子122から発生する熱が、発光素子122の裏側に位置する放熱フィン112に効率的に伝達されるので、効率的に放熱することができる。
【0064】
特に、LED等の発光素子122が高出力である場合には、かかる発光素子122は高温になりやすい。このような状況において、アルミダイカスト等により形成される筺体本体や反射体に放熱フィンが立設される機構では、発光素子122から発生する熱を効率的に放熱フィンに伝達できるとは限らず、十分な放熱効果を得るために放熱フィンを大きい形状にすることを要する。このことは、照明ユニット100の大規模化や重量化を招く。一方、第1の実施形態に係る照明ユニット100は、効率的に放熱することができるので、高出力の発光素子122を用いた場合であっても、放熱フィン112を大規模形状にすることを要さず、この結果、照明ユニット100(照明装置1)の小規模化や軽量化を実現することができる。
【0065】
また、放熱フィンを大きい形状にする場合には、放熱フィンを高くすることを要する。かかる場合には、抜きテーパ用に放熱フィンの根元部に厚みを持たせるなどの不要な領域を設けることを要する。一方、第1の実施形態に係る照明ユニット100は、放熱フィン112を大規模形状にすることを要せず、フィンベース部111に放熱フィン112を立設するので、抜きテーパ用の不要な領域を設ける必要がない。このようなことからも、第1の実施形態に係る照明ユニット100は、照明ユニット100(照明装置1)の小規模化や軽量化を実現することができる。
【0066】
また、第1の実施形態に係る照明ユニット100によれば、複数の放熱フィン112が、フィンベース部111の第2面111bの縁よりも外側に突出した突出部112Pを有するので、放熱効果を向上させることができる。
【0067】
また、第1の実施形態に係る照明ユニット100では、位置決め部であるスペーサ150a〜150dが、発光素子122によって発光される光の反射方向を調整する反射体140と、反射体140により反射された光を発散又は集束させる光学レンズ160とを所定の距離だけ離間した状態に位置決めする。
【0068】
これにより、第1の実施形態に係る照明ユニット100によれば、基板120から発生する熱の影響を光学レンズ160に与えにくくすることができるとともに、光学レンズ160が所望の状態に光を発散又は集束することが可能となる。
【0069】
また、第1の実施形態に係る照明装置1では、固定フレーム10及び20が、照明ユニット100、200、300及び400が具備する各放熱フィンが接触しない状態で、かかる照明ユニット100、200、300及び400を固定する。これにより、第1の実施形態に係る照明装置1によれば、各照明ユニット間における空気の流れを阻害せず、放熱効果を向上させることができる。
【0070】
(第2の実施形態)
上述した照明装置1及び照明ユニット100等は、第1の実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。第2の実施形態では、照明装置1及び照明ユニット等の他の実施形態について説明する。なお、以下では、第1の実施形態と同様に、主に照明ユニット100について説明するが、以下に説明する機構等は、照明ユニット200、300及び400についても適用できる。
【0071】
[放熱フィンの立設位置]
上記第1の実施形態では、放熱フィン112が、フィンベース部111の第2面111bに立設される例について説明した。ここで、放熱フィン112は、第2面111bのうち、基板120に実装された発光素子122の裏側の位置に立設されてもよい。この点について
図11を用いて説明する。
図11は、第2の実施形態に係る放熱フィン112の拡大断面を模式的に示す図である。
【0072】
図11に示した例では、フィンベース部111の第2面111bには、基板120に実装された発光素子122a〜122mの裏側に放熱フィン112a〜112mが立設される。このように、照明ユニット100は、各放熱フィン112が発光素子122の直上の位置に立設されることで、
図11中に矢印で示したように、発光素子122から発生する熱を効率良く各放熱フィン112に伝達させることができ、この結果、放熱効果を向上させることができる。
【0073】
なお、
図11に示した放熱フィン112の立設位置は一例であって、発光素子122と対向しない位置に放熱フィン112が立設されてもよい。例えば、
図11に示した例のように、発光素子122と対向しない位置に放熱フィン112x及び112yが立設されてもよい。また、例えば、
図11に示した例において、放熱フィン112aと放熱フィン112bとの間に、図示しない放熱フィンが立設されてもよい。
【0074】
[放熱フィンの立設機構]
次に、放熱フィン112の立設機構について説明する。
図12は、第2の実施形態に係る放熱フィン112の拡大断面を模式的に示す図である。
図12に示すように、放熱フィン112の一端は、フィンベース部111の第2面111bに埋設される。このような放熱フィン112は、例えば、第2面111bに圧着された状態で、
図12中に示した矢印の方向にカシメ用の打ち棒などにより打ち込まれることにより、フィンベース部111に埋設される。具体的には、フィンベース部111は、打ち棒などにより打ち込まれた領域が他の領域に移動することで、
図12に示した例のように第2面111bから隆起した状態となり、フィンベース部111の一端を埋設させる。
【0075】
このように、放熱フィン112の一端がフィンベース部111に埋設されることにより、放熱フィン112とフィンベース部111との接触面積が大きくなる。この結果、照明ユニット100は、発光素子122から発生する熱を効率良くフィンベース部111から各放熱フィン112に伝達させることができるので、放熱効果を向上させることができる。
【0076】
[光学レンズの配置パターン]
また、上記第1の実施形態において、
図9及び
図10に示した光学レンズ160の配置パターンは種々の態様が考えられる。この点について
図13を用いて説明する。
図13は、第2の実施形態に係る光学レンズ160の配置パターンを説明するための説明図である。なお、
図13では、発光素子122及び光学レンズ160のみを図示し、上方向(発光素子122から光学レンズ160に向かう方向)から見た図を示す。
【0077】
図13の<配置例1>に示した例では、発光素子122のそれぞれと対向する位置に、
図10に例示した矩形状の光学レンズ160が配置される。ただし、この例に限られず、
図13の<配置例2>に示した例のように、発光素子122のそれぞれと対向する位置に円形状の光学レンズ160が配置されてもよい。また、そもそも基板120等が円形状に形成されている場合には、
図13の<配置例3>に示した例のように、円形状の基板120に格子状に発光素子122が実装される場合もある。かかる場合には、
図13の<配置例3>に示した例のように、発光素子122のそれぞれと対向する位置に円形状の光学レンズ160が配置されてもよい。
【0078】
[放熱フィンの補強棒]
また、上記第1の実施形態において説明した放熱フィン112は、平面形状であるので曲がる等して変形しやすいといえる。そこで、照明ユニット100は、複数の放熱フィンのそれぞれの面を貫通する棒状部材を具備してもよい。この点について
図14及び
図15を用いて説明する。
図14及び
図15は、第2の実施形態に係る棒状部材を説明するための説明図である。
【0079】
図14に示すように、棒状部材115a〜115dは、熱伝導性の高い金属等により形成され、フィンベース部111に立設された複数の放熱フィン112の面を貫通する。これにより、棒状部材115a〜115dは、複数の放熱フィン112を一体化することができる。すなわち、複数の放熱フィン112は、互いに補強することで変形しにくくなる。また、
図14に示した例では、棒状部材115a〜115dは、複数の放熱フィン112の面の周縁部(四隅)を貫通することで、空気流動の障害となることを防止できる。
【0080】
また、
図15に示した例において、連通棒状部材116a〜116fは、照明ユニット100が具備する放熱フィン112と、照明ユニット300が具備する放熱フィン312の面を貫通する。これにより、連通棒状部材116a〜116fは、異なる照明ユニットを跨って複数の放熱フィンを一体化して補強するので、かかる複数の放熱フィンをより変形しにくくすることができる。
【0081】
なお、
図14及び
図15では、放熱フィン112及び312が、第2面111bの両端の縁よりも外側に突出した突出部112Pを有しない例を示したが、放熱フィン112及び312は、突出部112Pを有してもよい。
【0082】
[その他の実施形態]
また、上記実施形態では、高天井に設置される例について説明したが、照明装置1は、高天井に設置されるタイプ以外の直付け照明器具等にも適用することができる。
【0083】
また、上記実施形態では、固定ネジによって各部材を固設する例を示したが、照明装置1は、固定ネジ以外のピン等の固定部材によって各部材が固設されてもよい。
【0084】
また、上記実施形態に係る各部材の形状、原料及び材質は、実施形態や図示したものに限られない。例えば、フィンユニット110、基板120、反射体140、光学レンズ160、下面カバー180及び筺体ケース190は、矩形でなく円形であってもよい。
【0085】
以上説明したとおり、上記実施形態によれば、放熱効果を向上させることができる。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。