特許第6585725号(P6585725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585725
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】眼内レンズインジェクタ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   A61F2/16
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-542416(P2017-542416)
(86)(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公表番号】特表2018-505738(P2018-505738A)
(43)【公表日】2018年3月1日
(86)【国際出願番号】US2016020937
(87)【国際公開番号】WO2016141308
(87)【国際公開日】20160909
【審査請求日】2017年8月14日
(31)【優先権主張番号】62/128,356
(32)【優先日】2015年3月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/208,064
(32)【優先日】2015年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/049,315
(32)【優先日】2016年2月22日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン バノイ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エー.ダウナー
(72)【発明者】
【氏名】カイル ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】イーンホゥイ ウー
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−307376(JP,A)
【文献】 特表2010−515504(JP,A)
【文献】 特表2012−529350(JP,A)
【文献】 特表2006−522674(JP,A)
【文献】 特開2008−212689(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0149057(US,A1)
【文献】 特表平09−506285(JP,A)
【文献】 特表2002−516709(JP,A)
【文献】 特開2010−057767(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0060257(US,A1)
【文献】 特開2007−307168(JP,A)
【文献】 特開平08−024282(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/079780(WO,A1)
【文献】 特開2012−011250(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/149795(WO,A1)
【文献】 特表2012−509154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジェクタ本体であって、
内壁によって画定されたボアであって、少なくとも1つのテーパ状部分を含む、ボアと、
前記インジェクタ本体の先端部に配置された挿入深さガードであって、フランジ面を備える挿入深さガードと、
前記挿入深さガードを越えて先端側に延在するノズルと
前記ノズルと前記ボアとの間に位置する送達通路であって、前記ボアが、長手方向軸に沿って前記インジェクタ本体の基端部から当該送達通路に延在し、当該送達通路が、
光学部、前方支持部及び後方支持部を有する人工眼内レンズ(IOL)を収容するための区画と、
前記送達通路と前記ボアとの間の境界面開口部と、
前記区画と前記境界面開口部との間に位置する曲線状傾斜部と、
を含む、送達通路と、
を備えるインジェクタ本体と、
前記ボアから前記送達通路を通して前記ノズルへと摺動可能なプランジャと
を備え、
前記プランジャが、
本体部分と、
プランジャロッドであって、当該プランジャロッドの基端部から当該プランジャロッドの先端部まで実質的にまっすぐであり当該プランジャロッドの先端部近くに下方への屈曲部を有する、プランジャロッドと、
プランジャチップであって、
当該プランジャチップの上部の第1突起と、
当該プランジャチップの底部の第2突起と、
前記第1突起と前記第2突起との間の少なくとも1つの溝と、
を含む、プランジャチップと、
前記ボアの外部にあり且つ前記本体部分の基端部に隣接して配置された付勢要素であって、前記インジェクタ本体の基端部と係合すると、前記ボアを通る前記プランジャのさらなる前進に対して抵抗する力を生成するように変形可能である、付勢要素と
更に備え
前記プランジャチップが、前記送達通路を通して前記インジェクタ本体の前記ノズルへと摺動し、前記プランジャロッドの前記屈曲部が、前記プランジャチップが前記ボアから前記送達通路へと摺動するときに、前記プランジャチップを、前記内壁の前記少なくとも1つのテーパ状部分と相互作用させ、前記プランジャロッドの前記下方への屈曲部が、前記プランジャが前記送達通路を通して前進するときに、前記第2突起を、前記IOLの前記後方支持機能部と係合させ、前記曲線状傾斜部が、前記プランジャチップを垂直に変位させ、これによって、前記プランジャチップの前記少なくとも1つの溝が、前記IOLの前記支持機能部を前記IOLの前記光学部上に折り畳む、
眼内レンズインジェクタ。
【請求項2】
前記付勢要素がチャネルを備え、前記プランジャの前記本体部分が前記チャネルを通って延在する、請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項3】
前記インジェクタ本体が、
その基端部に形成されたタブと、
前記タブを通って延在する溝と、
前記溝と整列されるアパーチャと
をさらに備える、請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項4】
突起を備えるプランジャ止め具をさらに備え、前記プランジャ止め具が、前記突起が前記アパーチャを通って、かつ前記プランジャに形成されたスロット内に延在するように、前記溝に取外し可能に受け入れられる、請求項に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項5】
前記プランジャが片持ち部材を備え、前記ボアが肩部を備え、および前記片持ち部材が前記肩部と係合すると、前記インジェクタ本体に形成された前記アパーチャが、前記プランジャに形成された前記スロットと整列する、請求項に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項6】
前記プランジャが片持ち部材を備え、前記片持ち部材が、前記プランジャが前記ボアを通って前進する際に前記ボアの前記内壁とたわみ係合する、請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ装置。
【請求項7】
前記プランジャに取外し可能に結合された前進止め具をさらに備え、前記前進止め具が、前記プランジャが前記ボアを通って前進することが許容される量を制限するように適合されている、請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年3月4日に出願された米国仮特許出願第62/128,356号明細書の利益を主張し、かつ2015年8月21日に出願された米国仮特許出願第62/208,064号明細書の利益を主張し、それらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、眼内レンズインジェクタのためのシステム、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの眼は、その最も単純な観点から、角膜と呼ばれる透明な外側部分を通して光を透過および反射させ、さらに眼球の後部で水晶体によって網膜の上に像を集束させることにより、視力を提供するように機能する。集束される像の質は、眼球のサイズ、形状および長さ、ならびに角膜および水晶体の形状および透明度によって決まる。外傷、年齢または疾患により水晶体の透明度が低下すると、網膜まで透過させることができる光が減少するために、視力が低下する。この眼の水晶体の欠陥は、医学的に白内障として知られている。この状態に対する治療は、水晶体を外科的に除去して、人工眼内レンズ(「IOL」)を埋め込むことである。
【0004】
多くの白内障の水晶体は、水晶体超音波乳化吸引術と呼ばれる外科技法によって除去される。この処置中、水晶体前嚢に開口部を形成し、罹患した水晶体内に細い水晶体超音波乳化吸引術切断チップを挿入し、超音波で振動させる。振動する切断チップにより水晶体が液化または乳化し、それにより水晶体を眼の外に吸引することができる。罹患した水晶体は、除去されると、人工レンズと置き換えられる。
【0005】
IOLは、罹患した水晶体を除去するために使用されたものと同じ小さい切開部を通して眼内に挿入される。眼内にIOLを送達するために、IOLインジェクタが使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、本開示は、インジェクタ本体と、インジェクタ本体内に形成されたボア内で摺動可能なプランジャとを含むことができる、眼内レンズインジェクタについて記載する。インジェクタ本体は、ボアと、ボアを画定する内壁と、インジェクタ本体の先端部に配置された挿入深さガードと、挿入深さガードを越えて先端側に延在するノズルとを含むことができる。挿入深さガードは、フランジ面を含むことができる。
【0007】
本開示の別の態様は、眼内レンズインジェクタを含む。眼内レンズインジェクタは、インジェクタ本体およびプランジャを含むことができる。インジェクタ本体は、内壁によって画定されたボアと、インジェクタ本体の先端部に形成されたノズルとを含むことができる。プランジャは、ボア内で摺動可能とすることができ、プランジャチップを含むことができる。チップは、第1溝と第1溝内に入れ子になった第2溝とを含むことができる。
【0008】
本開示の別の態様は、インジェクタ本体およびプランジャを含む眼内レンズインジェクタを含む。インジェクタ本体は、内壁によって画定されたボアと、インジェクタ本体の先端部に形成されたノズルとを含む。プランジャは、ボア内で摺動可能であり、プランジャチップおよび長手方向軸を含む。プランジャチップは、プランジャチップの第1側から先端側に延在する第1突起と、第1突起の基端部に配置されたヒンジとを含む。第1突起は、長手方向軸に対して斜角でかつヒンジを中心に枢動可能に延在する。
【0009】
さまざまな態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。フランジ面は湾曲面であり得る。湾曲面は球状面であり得る。プランジャは、本体部分と、本体部分の基端部に隣接して配置された付勢要素とを含むことができる。付勢要素は、インジェクタ本体と係合すると、ボアを通るプランジャのさらなるに対して抵抗する力を生成するように変形可能であり得る。付勢要素はチャネルを含むことができ、プランジャの本体部分はチャネルを通って延在することができる。インジェクタ本体は、その基端部に形成されたタブと、タブを通って延在する溝と、溝と整列されるアパーチャとを含むことができる。眼内レンズインジェクタは、プランジャ止め具も含むことができる。プランジャ止め具は、突起を含むことができる。プランジャ止め具は、突起がアパーチャを通って、かつプランジャに形成されたスロット内に延在するように、溝に取外し可能に受け入れられ得る。プランジャは片持ち部材を含むことができる。ボアは肩部を含むことができ、およびインジェクタ本体に形成されたアパーチャは、片持ち部材が肩部と係合すると、プランジャに形成されたスロットと整列することができる。
【0010】
さまざまな態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。インジェクタ本体は、ボアと連通している区画を含むことができる。区画およびボアは、境界面において互いに結合することができる。内壁は、ボアと区画との間の連通を提供する開口部を画定するテーパ状部分を含むことができる。内壁は、開口部に配置された可撓性壁部分を含むことができる。プランジャはプランジャロッドを含むことができ、区画は、眼内レンズを受け入れるように適合された受入面を含むことができる。受入面は、開口部から先端側に配置された曲線状傾斜部を含むことができる。可撓性壁部分は、プランジャロッドを開口部内で位置合せするように構成することができる。曲線状傾斜部は、プランジャロッドが区画を通って前進する際に第1方向とは反対の第2方向にプランジャロッドをそらすように構成することができる。プランジャは片持ち部材を含むことができ、および片持ち部材は、プランジャがボアを通って前進する際にボアの内壁とたわみ係合することができる。
【0011】
さまざまな態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。第2溝は、第1溝の第1端部に形成することができる。第1端部と反対側の第2端部は、インジェクタ本体内に配置された眼内レンズの後方支持部を捕捉するように構成することができ、第2溝は、眼内レンズの光学部の基端部を捕捉するように適合させることができる。プランジャはプランジャロッドを含むことができ、およびプランジャロッドの少なくとも一部は、プランジャロッドの長手方向軸から角度的にずらされ得る。インジェクタ本体は、インジェクタ本体の先端部に配置された挿入深さガードを含むことができ、挿入深さガードはフランジ面を含むことができる。挿入深さガードの断面寸法は、ノズルの断面寸法より大きいことができる。フランジ面は湾曲面であり得る。プランジャは、プランジャの基端部に隣接して配置された付勢要素を含むことができる。付勢要素は、インジェクタ本体と係合すると、ボアを通るプランジャのさらなる前進に対して抵抗する力を生成するように変形可能であり得る。付勢要素はチャネルを含むことができ、プランジャの本体部分は、チャネルを通って延在することができる。第2突起に隣接して第1溝が配置され、かつ眼内レンズの光学部を受け入れるように適合され得る。
【0012】
上述した概要および以下の詳細な説明は、本質的に例示的かつ説明的なものであり、本開示の範囲を限定することなく本開示が理解されるように意図されていることが理解されるべきである。それに関して、本開示の追加の態様、特徴および利点は、以下の詳細な説明から当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】眼内レンズインジェクタ例の斜視図である。
図2図1の眼内レンズインジェクタの縦断面図を示す。
図3図1の眼内レンズインジェクタのインジェクタ本体例の先端部分の斜視図である。
図4図3に示すインジェクタ本体の先端部分の断面図である。
図5】眼内レンズインジェクタのノズルの断面形状例である。
図6】眼内に部分的に挿入される眼内レンズインジェクタを示す。
図7】眼内レンズインジェクタ例の挿入深さガードのフランジ面を画定する構築方法を示す。
図8】インジェクタ本体に形成された眼内レンズ受入区画の断面図を示す。
図9】インジェクタ本体に形成された眼内レンズ受入区画の斜視図を示す。
図10】プランジャの断面図である。
図11】プランジャの底面図である。
図12】眼内レンズインジェクタ例のタブおよびプランジャロックを示す部分斜視図である。
図13】プランジャのプランジャチップ例の詳細図である。
図14】眼内レンズインジェクタのレンズ受入区画を密閉するドアの内面例を示す。
図15】眼内レンズインジェクタのプランジャの前進中にばね例が受ける変形を示す。
図16】別の付勢要素設計例を備えるプランジャの詳細図である。
図17】さらに別の付勢要素設計例を有するプランジャを示す。
図18】さらなる付勢要素設計例を備えた別のプランジャを示す。
図19】IOLインジェクタを通って前進しているIOLの停止位置を指定する境界を示す、IOLインジェクタの先端部の詳細図である。
図20】停止位置においてIOLが内部に配置されているIOLインジェクタの先端部60の図である。
図21】IOLが受け入れられる区画とインジェクタ本体の内部ボアとの間の境界面における開口部を示すIOLインジェクタ例の詳細図であり、この詳細図は、IOLインジェクタの長手方向軸に対して横切り、インジェクタロッドと接触している可撓性壁部分を示す。
図22】IOLインジェクタ例の部分断面図である。
図23】プランジャに結合された前進止め具例を示す。
図24】プランジャに結合された前進止め具例を示す。
図25】プランジャに結合された別の前進止め具例を示す。
図26】プランジャに結合された別の前進止め具例を示す。
図27】IOL例を示す。
図28】プランジャチップ例の斜視図である。
図29図28のプランジャチップ例の側面図である。
図30図28のプランジャチップ例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の原理の理解を促進する目的で、ここで、図面に例示する実施形態を参照し、それについて説明するために具体的な文言を用いる。しかしながら、本開示の範囲の限定は意図されていないことが理解されよう。記載する装置、機器、方法、および本開示の原理の任意のさらなる応用に対する任意の改変およびさらなる変更は、本開示が関連する技術分野における当業者には通常想到するように十分に企図される。特に、一実施形態に関して記載する特徴、構成要素および/またはステップを、本開示の他の実施形態に関して記載する特徴、構成要素および/またはステップと組み合わせることができる。
【0015】
本開示は、眼内にIOLを送達するシステム、装置および方法に関する。図1および図2は、インジェクタ本体20およびプランジャ30を含む例としてのIOLインジェクタ10を示す。インジェクタ本体20は、インジェクタ本体20の基端部50からインジェクタ本体20の先端部60まで延在するボア40を画定している。プランジャ30は、ボア40内で摺動可能である。特に、プランジャ30は、インジェクタ本体20内でIOL70等のIOLを前進させるために、ボア40内で摺動可能である。IOLインジェクタ10はまた、長手方向軸75も含む。長手方向軸75は、プランジャ30に沿って延在し、プランジャ30の長手方向軸を画定することができる。
【0016】
インジェクタ本体20は、眼内に挿入する前のIOLを収容するように動作可能な区画80を含む。場合により、区画80へのアクセスを可能にするようにドア90を含めることができる。ドア90はヒンジ100を含むことができ、それによりヒンジ100を中心にドア90を枢動させて区画80を開放することができる。インジェクタ本体20はまた、インジェクタ本体20の基端部50に形成されたタブ110も含むことができる。タブ110は、ボア40を通してプランジャ30を前進させるように、眼科医または他の医療専門家等、使用者の指で操作することができる。
【0017】
図3図5は、インジェクタ本体20の先端部60の詳細を示す。場合により、先端部60は、テーパ状外面を有する。さらに、先端部60は、先端開口部125に向かってテーパ状である通路64を含む。インジェクタ本体20は、先端部60にノズル120も含む。ノズル120は、IOLを埋め込むことができるように眼内に挿入されるように適合される。IOLは、ノズル120に形成された先端開口部125から放出される。図5に示すように、ノズル120は、楕円形断面を有することができる。さらに、ノズル120は、傾斜チップ130を含むことができる。区画80、通路64および開口部125は、送達通路127を画定することができる。送達通路127のサイズは、その長さに沿って変化することができる。すなわち、場合により、通路の高さH1は、送達通路127の長さに沿って変化することができる。送達通路127のサイズの変動は、それに沿って前進するIOLの折畳みに寄与することができる。
【0018】
場合により、インジェクタ本体20は、挿入深さガード140を含むことができる。挿入深さガード140は、眼球の外面に当接するように適合されるフランジ面150を形成することができる。挿入深さガード140は、眼球の表面に当接し、それにより、ノズル120が眼内に延在することが許容される量を制限する。いくつかの実施形態では、フランジ面150は、眼球の外面に沿う曲率を有することができる。たとえば、フランジ面150は、眼球の強膜面に沿う曲率を有することができる。他の場合、フランジ面150は、眼球の角膜面に対応する曲率を有することができる。さらに他の場合、フランジ面150は、一部が強膜面と角膜面に対応する別の部分とに対応する曲率を有することができる。したがって、フランジ面150は凹状であり得る。他の場合、フランジ面150は平坦であり得る。さらに他の場合、フランジ面150は凸状であり得る。さらに、フランジ面150は、任意の所望の輪郭を有することができる。たとえば、フランジ面150は、フランジ面150の中心から異なる半径方向に沿って変化する曲率半径を有する湾曲面であり得る。さらに他の場合、フランジ面150は、異なる半径方向に沿って変化する曲率とともに、1つまたは複数の特定の半径方向に沿って変化する曲率を有する面を画定することができる。
【0019】
図3において、挿入深さガード140は、連続したフランジ面150を形成する連続した特徴として示されている。いくつかの実施形態では、挿入深さガード140は、複数の眼球接触面を形成する複数の特徴または突起に区分することができる。これらの眼球接触面は、ともに作用して、ノズル120が眼球を貫通することができる深さを制御することができる。他の実施形態では、挿入深さガード140を省略することができる。
【0020】
図6および図7に挿入深さガード140の実施形態例を示す。図6では、IOLインジェクタ10は、眼球に形成された創傷部152を通して眼球151内にノズル120が挿入されているように示されている。したがって、上で説明したように、挿入深さガード140のフランジ面150は、ノズル120が眼球151内に完全に挿入されたときに眼球151に沿うために本質的に球形であり得る。
【0021】
図7は、フランジ面150の形状を画定するレイアウト例を示すIOLインジェクタ10の先端部分の側面図を示す。この例示する例では、表面は本質的に球形であるように画定されている。したがって、場合により、フランジ面は、球体に沿う表面を意味するように理解される「球状面」として述べることができる。フランジ面150の球状面は、眼球の形状に近似することができる。しかしながら、球状面は、単に例として提供される。したがって、フランジ面150の形状は任意の所望の形状であり得る。
【0022】
図示するように、フランジ面150の球状面を画定する際に使用される中心153は、IOLインジェクタ10のノズル120に対して位置することができる。球状面の中心153は、たとえば、フランジ面150を越えて、したがって眼内に延在するノズル120の所望の長さ154をもたらすように位置することができる。
【0023】
インジェクタ本体20は、テーパ状部分155を含むことができる。ノズル120およびテーパ状部分155は位置156で接する。中心153の水平位置は、位置156に対して決めることができる。たとえば、位置156からの中心153の水平変位157は、7.6mm〜8.0mmの範囲にあり得る。したがって、いくつかの実施形態では、中心153は、7.6mm、7.7mm、7.8mm、7.9mmまたは8.0mmの水平変位を有することができる。中心153の垂直位置は、長手方向軸75からの垂直距離158によって画定することができる。場合により、垂直変位158は、2.3mm〜2.7mmであり得る。したがって、いくつかの実施形態では、中心153は、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mmまたは2.7mmの水平変位を有することができる。しかしながら、中心153の水平変位157および垂直変位158の範囲は、単に例として提供されることに留意されたい。したがって、中心153の水平変位157および垂直変位158の値は、提供される例またはそれらの間の任意の値より大きい場合もあれば小さい場合もある。さらに、水平変位157および垂直変位158は任意の所望の長さであり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、球状面160の半径159は、眼球の半径に対応するようなサイズとすることができる。場合により、半径159は、7.5mm〜8.1mmの範囲であり得る。したがって、半径は、7.5mm、7.6mm、7.7mm、7.8mm、7.9mm、8.0mmまたは8.1mmであり得る。これらの値は、単に例として提供される。したがって、半径159が、提供される値またはそれらの間の任意の値より大きい場合もあれば小さい場合もあることは本開示の範囲内にある。したがって、半径159の値は、任意の所望の値であり得る。
【0025】
水平変位157、垂直変位158および半径159の値は、任意の所望のサイズのノズル長154をもたらすように選択することができる。たとえば、場合により、これらの値は、1.0mm〜5.0mmのノズル長154をもたらすように選択することができる。いくつかの実施形態では、ノズル120の長さは2.0mmであり得る。他の場合、ノズル120の長さは3.0mmであり得る。場合により、ノズル120は、4.0であり得る。さらに他の場合、ノズル120の長さは5.0mmであり得る。しかしながら、本開示の範囲はそのように限定されない。むしろ、ノズル120の長さは、提示する値またはそれらの間の任意の値より大きい場合もあれば小さい場合もある。さらに、ノズル120の長さは任意の所望の長さであり得る。
【0026】
図8は、図2に示す例としてのインジェクタ本体20の区画80およびボア40の一部の断面詳細図を示す。ボア40は、内壁298によって画定される。内壁298は、第1テーパ状壁301および第2テーパ状壁303を含むテーパ状部分を含む。内壁298のテーパ状部分は、ボア40と区画80との間の境界面172において開口部170を画定する。開口部170は高さH1を含む。プランジャロッド210の先端部分211はH2の高さを有する。場合により、高さH1は高さH2以上である可能性があり、それにより、最初は開口部170においてプランジャロッド210と内壁298との間に締まり嵌めがない。他の場合、高さH1は高さH2以上である可能性があり、それにより、プランジャロッド210および開口部170は、最初に締まり嵌めを有する。いくつかの実施形態では、第1テーパ状壁301は、可撓性壁部分を含む。図示する例では、可撓性壁部分162は、内壁298、特に第1テーパ状壁301の斜めに延在する可撓性部分である。図9に示すように、場合により、第1テーパ状壁301の一部が取り除かれて、可撓性壁部分162の側面に位置する空隙163を形成する。したがって、場合により、可撓性壁部分162は、片持ち式に延在することができる。
【0027】
再び図8を参照すると、場合により、可撓性壁部分162は、インジェクタ本体20の先端部60に向かって傾斜することができる。場合により、可撓性壁部分162および長手方向軸75によって画定される角度Bは、20°〜60°の範囲であり得る。たとえば、場合により、角度Bは、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°または60°であり得る。さらに、角度Bは、定義した範囲または列挙した範囲内の任意の値より大きい場合もあれば小さい場合もある。さらに、本開示の範囲はそのように限定されない。したがって、角度Bは任意の所望の角度であり得る。
【0028】
インジェクタ本体20はまた、区画80の内部受入面190に沿って形成された曲線状傾斜部180も含むことができる。概して、内部受入面190は、IOL70等のIOLがIOLインジェクタ10内に装填されるときに配置される面である。図9は、図2に示す例としてのインジェクタ本体20の一部の斜視図である。ドア90は図示していない。場合により、可撓性壁部分162のチップと曲線上傾斜部180の頂部との間の垂直距離Cは、プランジャロッド210の先端部分211の高さH2に一致することができる。他の場合、距離Cは、プランジャロッド210の先端部分211の高さH2より大きい場合もあれば小さい場合もある。可撓性壁部分162および曲線状傾斜部180についてはより詳細に後述する。
【0029】
図9にまた図示するように、インジェクタ本体20は、受入面190からずれている曲線状面192を含むことができる。曲線状面192に隣接して壁194が形成されている。IOL70が区画80内に受け入れられるとき、支持部450の自由延在端部452が曲線状面192と接触する。
【0030】
図1ならびに図10および図11を参照すると、プランジャ30は、本体部分200と、本体部分200から先端側に延在するプランジャロッド210と、プランジャロッド210の先端部230に形成されたプランジャチップ220とを含むことができる。プランジャ30はまた、本体部分200の基端部250に形成されたフランジ240も含むことができる。プランジャ30に、付勢要素260を配置することができる。場合により、付勢要素260はばねであり得る。いくつかの実施形態では、付勢要素260は、フランジ240に隣接して配置することができる。フランジ240に隣接する本体部分に基端部262を固定して取り付けることができる。他の場合、付勢要素260は、本体部分200に沿った別の位置に配置することができる。さらに他の実施形態では、付勢要素260は、インジェクタ本体20に形成するかまたは他の方法で配置することができ、プランジャ30がボア40を通って前進する間に、プランジャ30を選択された位置で係合させるように適合させることができる。
【0031】
タブ110とともにフランジ240を用いて、インジェクタハウジング20を通してプランジャ30を前進させることができる。たとえば、使用者は、自らの親指でフランジ240に反対の圧力を加えながら、2つの指でタブ110に圧力を加えることができる。使用者による確実な把持を可能にするために、フランジ240の表面を凹凸にすることができる。場合により、凹凸は、複数の溝の形態であり得る。しかしながら、任意の所望の凹凸を利用することができる。
【0032】
本体部分200は、複数の横方向に配置されたリブ270を含むことができる。場合により、リブ270は、本体部分200の第1面280および第2面290の両方に形成することができる。他の場合、第1面280および第2面290のうちの一方のみにリブ270を形成することができる。第1面280および第2面290の一方または両方に、長手方向に延在するリブ300も形成することができる。
【0033】
場合により、図11に示すように、本体部分200は1つまたは複数の突起202も含むことができる。突起202は、本体部分200の長さに沿って長手方向に延在することができる。図1に示すように、突起202は、インジェクタ本体20に形成された、受け入れられた溝204であり得る。突起202および溝204は相互作用して、インジェクタ本体20のボア40内でプランジャ30を位置合せする。
【0034】
本体部分220はまた、片持ち部材292も含むことができる。片持ち部材292は、本体部分200の基端部294から先端部250に向かって延在することができる。片持ち部材292は、フレア状部分296を含むことができる。片持ち部材292はまた、実質的水平部分297も含むことができる。フレア状部分296は、図2に示すように、ボア40を画定するインジェクタ本体20の内壁298と係合するように構成されている。片持ち部材292と内壁298との間の係合により、プランジャ30の前進に抵抗する力が発生し、プランジャ30の前進中に使用者に対して触覚フィードバックが提供される。たとえば、いくつかの実施形態では、片持ち部材292と内壁298との間の接触によって発生する抵抗力は、プランジャ30の前進に抵抗する基礎抵抗を提供することができる。
【0035】
場合により、プランジャロッド210は、角度付き部分212を含むことができる。先端部分211は、角度付き部分212の一部を形成することができる。角度付き部分212は、長手方向軸75と1°〜5°の範囲内である角度Aを画定することができる。場合により、角度Aは2°であり得る。場合により、角度Aは2.5°であり得る。さらに他の場合、角度Aは3°、3.5°、4°、4.5°または5°であり得る。さらに、Aの上記値は例として提供するが、角度Aは、示した範囲またはそれらの間の任意の値より大きい場合もあれば小さい場合もある。したがって、角度Aは任意の所望の角度であり得る。
【0036】
角度付き部分212は、プランジャ30がボア40を通って前進する際、プランジャチップ220が受入面190と接触しかつそれをたどるのを確実にする。特に、角度付き部分212によって画定される角度Aは、プランジャチップ220をボア40の内壁298に接触させるために必要である角度を超える。すなわち、プランジャ30がボア40内に配置されると、プランジャチップ220と内壁298との間の係合により、角度付き部分212が角度Aによって内向きに曲がる。したがって、角度付き部分212は、プランジャチップ220が、IOLインジェクタ10から挿入されているIOLの支持部および光学部と適切に係合するのを確実にする。これについてはより詳細に後述する。角度付き部分212は、プランジャロッド210の残りの部分に対して角度をなして曲げられた実質的直線状部分として示されているが、範囲はそのように限定されない。場合により、プランジャロッド210の一部は、連続した湾曲部を有することができる。他の場合、プランジャロッド210の全長が曲げられるかまたは湾曲部を有することができる。さらに、長手方向軸75からの角度のずれの量または湾曲の量は、プランジャチップ220とインジェクタ本体20の内面との間の所望の係合の量を提供するために選択することができる。
【0037】
フランジ240に隣接する本体部分200に付勢要素260を取り付けることができる。場合により、付勢要素260は、本体部分200に沿って先端側に延在するフープ310を形成することができ、フープ310は、インジェクタ本体20と係合するとプランジャ30の前進に抵抗するようにばねとして機能する。付勢要素260はまた、本体部分200が通って延在するカラー261チャネル320も含むことができる。したがって、動作時、プランジャ30がインジェクタ本体20のボア40を通って(すなわち、矢印330の方向に)前進する際、付勢要素260の先端部265は、プランジャ30のストロークに沿った選択された位置においてインジェクタ本体20の基端部50と接触する。インジェクタ30がさらに前進すると、付勢要素260は圧縮され、チャネル320により、付勢要素260の先端部265が本体部分200に対して移動することができる。同様に、チャネル320により、プランジャ30の基端側の(すなわち矢印340の方向における)移動中、本体部分200と付勢要素260の先端部265との間の相対移動が可能になる。
【0038】
たとえば、図2に図示するフープ310の形態の付勢要素260は、単に例として提供される。付勢要素260は他の構成を有することができる。たとえば、図16は、プランジャ30の本体部分200の両側に配置されかつフランジ240に取り付けられた細長い楕円形または卵形部材1600を有する付勢要素を示す。図17は、付勢要素260の別の構成例を示す。図17において、付勢要素260は、プランジャ30の本体部分200の両側に設けられた湾曲した片持ち部材1700の形態である。片持ち部材1700は、フランジ240に取り付けられている。図18は、付勢要素260がプランジャ30の本体部分200内に組み込まれている例を示す。付勢要素260は、インジェクタ本体20のボア40を画定する内壁と係合する弓形部材1800を含む。いくつかの例が提供されているが、本開示の範囲はそのように限定されない。むしろ、本開示の範囲内に、他の形態および構成を有する付勢要素が含まれる。
【0039】
図2図11および図12を参照すると、IOLインジェクタ10はまた、プランジャロック350も含むことができる。プランジャロック350は、タブ110のうちの1つに形成された溝360に取外し可能に配置される。プランジャロック350は、その一端に形成された突起370を含む。プランジャロック350は、図2に示すように、単一の突起370を含むことができる。他の場合、プランジャロック350は、複数の突起370を含むことができる。たとえば、図12は、2つの突起370を有する例としてのプランジャロック350を示す。他の場合、プランジャロック350は、追加の突起370を含むことができる。
【0040】
設置されると、突起370は、インジェクタ本体20に形成されたアパーチャ375を通って延在し、プランジャ30に形成されたスロット380内に受け入れられる。プランジャロック350が設置されると、突起370およびスロット380は連結して、プランジャ30がボア40内で移動しないようにする。すなわち、設置されたプランジャロック350は、プランジャ30がボア40内を前進しないようにまたはボア40から取り外されないようにする。プランジャロック350が取り除かれると、プランジャ30はボア40を通して自由に前進することができる。場合により、プランジャロック350は、複数の隆起したリブ390を含むことができる。リブ390は、溝360からの取外しおよび溝360への挿入に役立つように触覚抵抗を提供する。
【0041】
プランジャロック350は、U字型であり、チャネル382を画定することができる。チャネル382は、タブ110の一部を受け入れる。さらに、タブ110の上に取り付けられると、プランジャロック350の基端部分384を外向きに曲げることができる。したがって、タブ110の上にプランジャロック350を摩擦によって保持することができる。
【0042】
図2および図10を参照すると、いくつかの実施形態では、本体部分20は、ボア40に形成された肩部392を含むことができる。ボア40の、ボア40が拡大基端部分394およびより狭い先端部分396から幅が狭くなる位置に肩部392を形成することができる。場合により、肩部392は湾曲面であり得る。他の場合、肩部392は、ボア40のサイズの段状変化として画定することができる。
【0043】
片持ち部材292は、肩部392と係合することができる。いくつかの実施形態では、片持ち部材292のフレア状部分296は、肩部392に係合することができる。場合により、片持ち部材292が肩部392と係合する位置は、スロット380がアパーチャ375と整列する位置であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、片持ち部材292と肩部392との間の係合により、インジェクタ本体20に対してプランジャ30を適所に係止するように、プランジャロック350を挿入するための好都合な配置を提供することができる。他の実施形態では、スロット380およびアパーチャ375は、片持ち部材292が肩部392と係合するときに整列しない場合がある。
【0044】
プランジャ30がボア40を通して前進する際、片持ち部材292のフレア状部分296を内向きに変位させて、ボア40の狭くなった先端部分396と適合させることができる。フレア状部分296のこのたわみの結果として、片持ち部材292は、ボア40の内壁298に対して、増大する垂直抗力を加える。この垂直抗力の増大により、ボア40を通るプランジャ30の前進に抵抗する摩擦力が発生し、それにより使用者に対して触覚フィードバックが提供される。
【0045】
図1および図2を参照すると、IOLインジェクタはまた、IOL止め具400も含むことができる。IOL止め具400は、外面420ドア90に形成された凹部410に受け入れられる。IOL止め具400は、ドアに形成された開口部440を通って延在する突起430を含むことができる。突起430は、区画80内に装填されたIOLの支持部と光学部との間に延在する。図1および図27に示すように、IOL70は、支持部450および光学部460を含む。突起430は、支持部450のうちの1つと光学部460との間に配置される。IOL止め具430はまた、タブ435も含むことができる。使用者は、インジェクタ本体20からIOL止め具430を取り除くためにタブ435を把持することができる。
【0046】
IOL止め具400は、アパーチャ470も含むことができる。アパーチャ470は、ドア90に形成された別の開口部、たとえば図19に示す開口部472と整列する。アパーチャ470およびドア90の第2開口部472は、通路を形成し、その通路を通して粘弾性材料等の材料を区画80内に導入することができる。
【0047】
IOL止め具400は、ドア90から取外し可能である。設置されると、IOL止め具400は、IOL70等のIOLの前進を阻止する。特に、IOL70の前進が試みられる場合、光学部460は突起430と接触し、それによりIOL70の前進が阻止される。
【0048】
図13は、例としてのプランジャチップ220を示す。プランジャチップ220は、反対側から延在する第1突起480および第2突起490を含むことができる。第1突起480および第2突起490は、第1溝500を画定する。第1溝500は表面502を画定する。第1溝500内に第2溝510が形成されている。第1溝500は、特に第1突起480と組み合わせて、IOLの後方支持部を捕捉し折り畳む役割を果たす。第2溝510は、IOLの光学部を捕捉して折り畳むように機能する。
【0049】
プランジャチップ220の側壁520をテーパ状にすることができる。テーパ状側壁520は、IOLの後方支持部のガセット部分のための入れ子空間を提供することができる。支持部のガセット部分は、IOL光学部に対して基端側であり続ける傾向がある。したがって、テーパ状側壁520は、眼内への送達中にIOLの適切な折畳みを促進する入れ子空間を提供することができる。
【0050】
図28図30は、別の例としてのプランジャチップ220を示す。このプランジャチップ220は、第1突起600、第2突起602および溝604を含む。第1突起は、長手方向軸606から斜角θで延在する。場合により、角度θは25°〜60°であり得る。他の場合、角度θは25°未満または60°を超えることができる。他の場合、角度θは0°〜60°であり得る。さらに他の実施形態では、角度θは、0°〜70°、0°〜80°または0°〜90°であり得る。概して、角度θは、任意の所望の角度であるように選択することができる。たとえば、角度θは、以下のうちの1つまたは複数に基づいて選択することができる。すなわち、(1)ノズル60内に形成された通路64の高さ等のサイズ、(2)区画80の高さ、(3)通路64および/または区画の高さがそれらのそれぞれの長さに沿ってどのように変化するか、(3)プランジャチップ220の厚さである。第2突起602は、テーパ状部分608を含むことができる。テーパ状部分608は、図27に示す光学部460等、IOLの光学部と係合するように動作可能である。光学部は、溝604内に移動することができるように、テーパ状面に沿って摺動することができる。その結果、第2突起602は、光学部の表面に隣接して配置される。
【0051】
図28図30に示す例としてのプランジャチップ220はまた、表面502と同様であり得る表面610も含む。表面610は、図27に示す支持部450等、後方の、すなわち基端側に延在する支持部と接触し、それが折り重なるように変位させるように適合される。場合により、表面610は、平坦面であり得る。他の場合、表面610は、湾曲したまたは他の方法で曲線状の表面であり得る。例としてのプランジャチップ220はまた、側壁612および支持面613も含むことができる。側壁520と同様に、側壁612は、図30に示すようにテーパ状であり得る。場合により、側壁612は、第1湾曲部分614を含むことができる。第1湾曲部分614は、折畳み中、光学部に対して基端側であり続ける後方支持部の曲げ部分を受け入れることができる。後方支持部は、折畳みプロセス中に支持面613によって支持される。側壁612はまた、第2湾曲面615も含むことができる。
【0052】
斜めに延在する第1突起600は、たとえば、図13に示すプランジャチップ220と比較して、高さH2を有効に増大させる。この高さH2の増大により、プランジャ30の前進中に後方支持部を捕捉するプランジャチップ220の能力が向上する。動作時、プランジャ30が先端側に前進する際、先端部618は、送達通路127の高さH1の変化のために送達通路127の内壁と係合する。高さH1が低減すると、第1突起600はヒンジ620を中心に枢動し、プランジャチップ220の全高さH2を有効に低減させる。第1突起600は、ヒンジ620を中心に枢動し、第2突起602に向かう方向に回転する際、IOLの光学部と第1突起600との間で後方支持部を捕捉する。したがって、第1突起600がヒンジ620を中心に枢動可能であることにより、プランジャチップ220のサイズは、IOLが先端側に前進して折り畳まれる際、送達通路127の変化する高さH1に適合しかつ一致することができる。
【0053】
図14は、ドア90の内面530を示す。表面510は隆起530を含むことができる。隆起530は湾曲部分540を含むことができる。例示する例では、湾曲部分540は、長手方向軸75に向かって基端側にかつ内向きに延在する。湾曲部分540は、IOLの後方支持部の一部の上に重なるように構成され、それにより、プランジャ30がインジェクタ本体20を通って前進するとき、IOLの適切な折畳みを促進する。
【0054】
動作時、プランジャロック350を溝360内に挿入して、インジェクタ本体20に対してプランジャ30を適所に係止することができる。区画80内にIOL70等のIOLを装填することができる。たとえば、使用者によってドア90を開放することができ、区画80内に所望のIOLを挿入することができる。区画80内にIOLを挿入すると、ドア90を閉鎖することができる。場合により、製造中にIOLを事前に装填することができる。
【0055】
ドア90に形成された凹部410にIOL止め具400を挿入することができる。位置合せされた、アパーチャ470とドア90に形成された対応する開口部とを介して、区画80内に弾粘性材料を導入することができる。弾粘性材料は、眼内へのIOLの前進および送達中にIOLの前進および折畳みを促進する潤滑剤として機能する。場合により、製造時に区画80内に弾粘性材料を導入することができる。
【0056】
ドア90に形成された凹部410からIOL止め具400を取り除くことができ、溝360からプランジャロック350を取り除くことができる。ボア40を通してプランジャ30を前進させることができる。片持ち部材292とインジェクタ本体20の内壁298との間の摺動係合により、プランジャ30の前進に抵抗する抵抗力が発生する。場合により、プランジャチップ220が区画80内に延在するまで、ボア40を通してプランジャ30を前進させることができる。たとえば、プランジャチップ220がIOLに隣接するかまたはそれと接触するまで、プランジャ30を前進させることができる。他の場合、IOLが部分的にまたは完全に折り畳まれるように、ボア40を通してプランジャ30を前進させることができる。さらに、プランジャ30は、先端開口部125から放出される直前のノズル内の位置までIOLを前進させることができる。たとえば、場合により、図15に示すように、ノズル120を眼球に形成された創傷部内に挿入する前に、付勢要素260の先端部265がインジェクタ本体20の基端部50と接触する箇所でプランジャ30の前進を停止させることができる。
【0057】
図1図8および図13を参照して、インジェクタ本体20を通るプランジャ30の前進について以下で考察する。場合により、プランジャ30とインジェクタ本体20との間の寸法公差により、プランジャ30とインジェクタ本体20との間の相対移動を可能にすることができ、それにより、先端部分211は、ボア40内で矢印471、472の方向において移動することができる(以降、「公差移動」と呼ぶ)。いくつかの場合、特にプランジャ30が角度付き部分212を含む場合、プランジャチップ220は、プランジャ30がボア40内を前進する際にプランジャ30に公差移動がある場合であっても、通常、内壁298と接触したままである。したがって、場合により、いかなる公差移動にも関らず、プランジャチップ220は、内壁298と接触したままである。したがって、第2テーパ状壁303はプランジャチップ220を開口部170内に向けてそれに中心合わせする。
【0058】
プランジャ30に公差移動があり、プランジャチップ220がボア40の内壁298と接触しなくなる場合、可撓性壁部分162を含む第1テーパ状壁301は、プランジャチップ220を境界面172に形成された開口部170内に向けかつそれに中心合わせし、プランジャチップ220と第2テーパ状壁303との間に接触をもたらす。プランジャ30がインジェクタ本体20と完全に係合すると、公差移動は実質的に低減するかまたはなくなり、プランジャチップ220が第2テーパ状壁303および曲線状傾斜部180と係合したままであることを確実にする。場合により、プランジャ30とインジェクタ本体20との間の完全な係合は、片持ち部材292がボア40の内壁298と完全に係合するときに発生する。したがって、公差移動が存在する可能性がある場合、プランジャ30とインジェクタ本体20とが完全に係合すると、可撓性壁部分162は、プランジャ30のその部分に影響を与えなくなる。いずれの場合も、プランジャチップ220が開口部170を通して前進すると、可撓性壁部分162は、プランジャの方向性のある経路にも、またはそのいかなる部分にも影響を与えなくなる。
【0059】
プランジャチップ220が受入面190と摺動接触して区画80内を前進する際、プランジャチップ220の第1溝550は、図8に示すように、IOL70の後方支持部450等のIOLの後方支持部と係合するように配置される。プランジャチップ220は、さらに前進すると、曲線状傾斜部180に突き当り、ドア90方に垂直に向かわされる。このように、受入面190と接触したままでプランジャチップ220が垂直変位することにより、IOLの光学部の上で後方支持部が折り畳まれるとともに、プランジャチップ220の第2溝510が支持部の後方縁と整列する。特に、プランジャチップ220が曲線状面180に沿って移動する際、プランジャチップ220の表面502は支持部450と接触してそれを変位させ、それにより後方支持部450を折り畳む。後方支持部450が折り畳まれると、曲線状面192および壁194は、ともに作用して、光学部460の上方にかつその上に後方支持部450の自由延在端部452を配置する。プランジャチップ220がインジェクタ本体20の先端部60に向かって変位すると、曲線状面192の輪郭は、後方支持部450を持ち上げるように動作する。壁194は、後方支持部450の自由延在端部452の横方向移動を制約し、それにより、支持部は、光学部460に対して先端側に移動する。したがって、プランジャチップ220が後方支持部450と接触して曲線状傾斜部180に沿ってたどる際、後方支持部450は、上方に起こされるとともに光学部460の上で折り畳まれる。プランジャチップ220がさらに前進すると、第2溝510は光学部460の後縁を受け入れ、プランジャチップ220は、曲線状傾斜部180の低減する勾配とプランジャロッド210の角度付き部分212との両方からの影響の組合せのために、ドア90から離れるように垂直に変位する。上述したようなプランジャチップ220の移動により、IOL70の改善された係合および折畳みが可能になる。
【0060】
図19は、インジェクタ本体20の先端部60の一部の詳細図である。先端部60は、テーパ状部分62および挿入深さガード140を含む。付勢要素260の先端部265は、インジェクタ本体20の基端部50と係合して、折り畳まれたまたは部分的に折り畳まれたIOLの停止位置を画定することができる。ノズル120は、停止位置の視覚的表示を提供する境界1900を含むことができる。たとえば、図19に示す例では、境界1900は、先端部60のすべてまたは一部を取り囲む狭い隆起または線である。場合により、境界1900は、テーパ状部分62と挿入深さガード140との間に配置することができる。インジェクタ本体20の少なくとも一部は、使用者がインジェクタ本体20内のIOLを見るのを可能にする透明または半透明材料から形成することができる。特に、インジェクタ本体20の先端部60を透明材料から形成して、プランジャ30によってインジェクタ本体20を通して移動するIOLの観察を可能にすることができる。
【0061】
図20は、IOL70が内部の停止位置に配置されているIOLインジェクタ10の先端部60の図を示す。図20に示すように、IOLの停止位置は、IOL70の光学部460の先端縁462が境界1900と実質的に整列する位置として定義することができる。支持部450またはその一部は、境界1900を越えて延在することができる。この場合にも、停止位置は、付勢要素260の先端部265のインジェクタ本体20の基端部50との初期係合に対応することができる。したがって、停止位置は、IOLまたはその一部の境界1900に対する位置決めと、付勢要素260の先端部265の間の初期接触とによって連帯的に示すことができる。
【0062】
他の場合、付勢要素260の先端部256がインジェクタ本体20の基端部50と接触するときのノズル120の先端開口部12に対するIOLの位置が変化する可能性がある。場合により、付勢要素260の先端部265がインジェクタ本体20の基端部50と接触するとき、先端開口部125からIOLを部分的に排出することができる。たとえば、場合により、付勢要素260の先端部256がインジェクタ本体20の基端部50と接触するとき、先端開口部125からIOLのおよそ半分を排出することができる。他の場合、付勢要素260の先端部256がインジェクタ本体20の基端部50と接触するとき、IOLインジェクタ内にIOLを完全に含めることができる。
【0063】
図21は、境界面172に形成された開口部170の断面図を示す。場合により、開口部170は「T」字型形状を画定することができる。プランジャチップ220は、可撓性壁部分162がプランジャロッド210の表面214に接触している状態で開口部170に配置されるように示されている。場合により、プランジャロッド210の断面は、プランジャロッド210の基端部に向かって増大する。したがって、プランジャロッド210は、開口部170を通して前進する際、断面が増大する結果として開口部を充填する。開口部170の部分173および175は、フランジ213、215(図11に示す)によって充填される。
【0064】
プランジャロッド210がインジェクタ本体20を通して先端側に前進する際に開口部170がプランジャロッド210の増大する断面によって充填されるため、図22に示すように、可撓性壁部分162は、プランジャロッド210の通過を可能にするように矢印471の方向に曲げられる。さらに、プランジャロッド210の角度付き部分212、曲線状傾斜部180、およびIOLインジェクタ10を通って前進する際のIOL70の折畳みの結果として、プランジャチップ220は、区画80、先端部60、および可撓性壁部分162によって影響を受けないノズル120を通る画定された通路をたどる。
【0065】
図22は、プランジャロッド210がIOLインジェクタ10を通って先端側に前進し続ける際に、可撓性壁部分162が471の方向に曲げられている状態を示す。さらに、図22はまた、プランジャチップ220がIOL70と係合し、後方支持部450が第2溝510からずれた位置において第1溝500内に受け入れられ、光学部460の基端縁が第2溝510内に受け入れられる状態も示す。
【0066】
IOL70は、先端部60の通路64を通って前進する際、ノズル120を通って眼内に入るのを可能にするように、サイズが縮小するように折り畳まれる。IOL70の折畳み中、プランジャ30に対する抵抗力は増大する。IOL70が完全に折り畳まれる70と、プランジャ30に対する抵抗力は概して低減する。
【0067】
眼球に創傷部を形成することができる。創傷部は、IOLインジェクタ10のノズル120を収容するようなサイズとすることができる。創傷部にノズル120を挿入することができる。挿入深さガード140のフランジ面150が眼球の外面に当接するため、創傷部を通してノズル120を前進させることができる。挿入深さガード140と眼球の外面との間の接触により、ノズル120を眼内に挿入することができる深さが制限され、創傷部の縁における不要な応力が防止されるとともに、IOLインジェクタ10の過挿入による創傷部の拡大が防止される。したがって、挿入深さガード140は、眼球に対するさらなる外傷と創傷部の拡大とを低減させるように作用する。
【0068】
創傷部を通して眼内にノズルが適切に配置されると、使用者は、眼内への折り畳まれたIOLの送達を完了することができる。再び図15を参照すると、プランジャ30の前進が続くに従い、付勢要素260は、圧縮される(付勢要素260の点線輪郭によって示す)。付勢要素260の圧縮により、突入力とも呼ぶ、プランジャ30の前進に対する抵抗力が増大する。このプランジャ30の前進に対する追加の抵抗により、眼内に挿入する前のIOLの折畳みに関する突入力に対する変化が減少する。さらに、場合により、IOL70が完全に折り畳まれて、IOL70が完全に折り畳まれていることからもたらされる可能性がある抵抗力の低下が、付勢要素260の圧縮によって相殺される可能性があるとき、またはそれに近づくと、付勢要素260をインジェクタ本体120と接触させることができる。付勢要素260の圧縮によって提供されるこの抵抗力の増大により、特に、IOL70が完全に折り畳まれていることによってもたらされる可能性がある低減に鑑みて、眼内へのIOL70の送達中の医療専門家等の使用者に対する触覚フィードバックを向上させることができる。この触覚フィードバックの向上により、使用者に対し、IOL70の送達中の改善された制御が提供され、それにより眼内へのIOL70の急速な追出しを防止することができる。
【0069】
その結果、使用者は、プランジャ30の前進のいかなる突然のまたは急速な変化も体験することなく、円滑に力を加えることができる。こうした突然のまたは急速な変化により、IOLはインジェクタから急速に放出される結果となる可能性がある。眼内へのIOLの急速な追出しにより、水晶体嚢の穿孔等の損傷がもたらされる可能性がある。こうした損傷により、外科処置を完了するために必要な時間が増大する可能性があり、患者に対して即座にかつ術後にもたらされる損害が増大する可能性がある。眼内にIOLが挿入されると、眼球からIOLインジェクタ10を引き出すことができる。
【0070】
図23図26は、付勢要素260の作動を阻止するように動作可能な前進止め具例を示す。たとえば、場合により、前進止め具例は、付勢要素260の圧縮を阻止し、プランジャ30がインジェクタ本体20を通って選択された量を超えて前進するのを阻止するように動作可能である。図23および図24を参照すると、前進止め具2300は、フランジ240と付勢要素260のカラー261との間でプランジャ30の本体部分200に結合されるように示されている。前進止め具2300は、矢印2310の方向において横方向にプランジャ30と係合するように移動することができる。同様に、矢印2320の方向において前進止め具2300を横方向に変位させて、プランジャ30から前進止め具220を取り除くことができる。プランジャ30の1つまたは複数の部分と前進止め具2300との間の摩擦係合および/または戻り止め等により、プランジャ30上に前進止め具2300を保持することができる。使用者は、前進止め具2300を、その上に形成されたタブ2330を介して操作することができる。前進止め具2300は、ポリマー、複合材料、金属または他の任意の好適な材料等、剛性材料から形成することができる。
【0071】
プランジャ30の上に前進止め具2300を含めることにより、付勢要素260の作動と、付勢要素260の先端部265がインジェクタ本体20の基端部50と接触したときのプランジャ30のインジェクタ本体20を通るさらなる前進とが防止される。付勢要素260の先端部265に作用しているいかなる力も、カラー261から前進止め具2300を通してフランジ240内に伝達される。場合により、前進止め具2300を含めることは、たとえば、使用者によってIOLインジェクタ10に加えられる過剰な力のために、IOLインジェクタ10からIOLが急に放出されるのを防止するのに有用であり得る。他の場合、IOLインジェクタ10内の選択された位置に達するとIOLの前進が停止するのを確実にするために、前進止め具2300を含めることができる。たとえば、前進止め具2300は、IOLが停止位置に達すると、IOLのさらなる前進を阻止することができる。しかしながら、本明細書に記載する前進止め具等の前進止め具を含めるか、またはIOLインジェクタ10と利用することは必須ではない。
【0072】
図25および図26は、前進止め具の別の実施形態例を示す。例としての前進止め具2500は、プランジャ30に結合されるように示されている。前進止め具2500は、中心部材2510を含み、それから弧状ウィング2520が延在している。中心部材2510は、プランジャ30の本体部分200上に受け入れられる弓形断面を有する。ウィング2520の弧形状は、付勢要素260の形状に一致するか、または実質的に一致することができる。プランジャの1つまたは複数の部分、たとえば、いくつか例を挙げると付勢要素260および/または本体部分200と、前進止め具2500、たとえば、いくつか例を挙げると付勢要素260、カラー261および/またはフランジ240に当接する前進止め具2500の表面との間の摩擦係合および/または戻り止め等により、プランジャ30上に前進止め具2500を保持することができる。前進止め具2500は、ポリマー、複合材料、金属または他の好適な材料等の剛性材料から形成することができる。
【0073】
前進止め具2500は、前進止め具2300と同様に動作することができる。前進止め具2500は、プランジャ30に結合されると、インジェクタ本体20内でプランジャ30を変位させることが許容される量を制限する。場合により、プランジャ30がインジェクタ本体20内で選択された量だけ変位すると、中心部材2510の先端部はインジェクタ本体20の基端部50と接触する。中心部材2510は、フランジ240に任意の力を伝達し、それにより付勢要素260の作動を阻止する。他の場合、カラー261は、インジェクタ本体20の基端部50と接触することができる。しかしながら、付勢要素260と形状が一致するウィング2520との間の密な係合により、付勢要素260の外向きの曲げが阻止され、それにより付勢要素260の作動が防止される。
【0074】
本開示は多数の例を提供するが、本開示の範囲はそのように限定されない。むしろ、上述した開示において、広範囲の変更形態、変形形態および置換形態が企図される。本開示の範囲から逸脱することなく、上述したものに対するこうした変形形態がなされ得ることが理解される。
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