特許第6585736号(P6585736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585736
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】スタイリングヘアケア組成物の形成方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/05 20060101AFI20190919BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20190919BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20190919BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20190919BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20190919BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20190919BHJP
   A61K 8/895 20060101ALI20190919BHJP
   C08L 33/04 20060101ALI20190919BHJP
   C08L 67/00 20060101ALI20190919BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20190919BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20190919BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20190919BHJP
   C08K 3/40 20060101ALI20190919BHJP
   C08K 5/103 20060101ALI20190919BHJP
   C08J 3/075 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   C08J3/05CEY
   A61Q5/12
   A61Q5/02
   A61K8/06
   A61K8/86
   A61K8/891
   A61K8/895
   C08L33/04
   C08L67/00
   C08L83/04
   C08L23/00
   C08K3/34
   C08K3/40
   C08K5/103
   C08J3/075CFH
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-561277(P2017-561277)
(86)(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公表番号】特表2018-525451(P2018-525451A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】US2016032347
(87)【国際公開番号】WO2016191130
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2018年1月24日
(31)【優先権主張番号】62/166,340
(32)【優先日】2015年5月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サシク,カミール
(72)【発明者】
【氏名】キーン,ネイサン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ホーキンス,ジェフリー
【審査官】 深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−194967(JP,A)
【文献】 特開2004−346047(JP,A)
【文献】 特開2001−213964(JP,A)
【文献】 特開2003−277222(JP,A)
【文献】 特開平04−041408(JP,A)
【文献】 特開2004−346046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/00−3/28、99/00
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
C08K 3/00−13/08
C08L 1/00−101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1に、ポリグリセリル脂肪酸エステルを水と合わせて構造化外相プレミックスを作製する工程、
(b)第2に、該プレミックスをアクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコンと合わせてゲル化エマルジョンを形成する工程
を含む、高内相エマルジョンの形成方法。
【請求項2】
前記アクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコン対前記構造化外相の重量比が、少なくとも約90:10である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコン対前記構造化外相の重量比が、少なくとも約95:5である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリグリセリル脂肪酸エステル対前記水の重量比が、約1:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記高内相エマルジョンがパーソナルケア組成物の構成成分であり、該パーソナルケア組成物がさらに界面活性剤及びコンディショニング剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コンディショニング剤が、シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率シリコーン、有機変性シリコーン、フルオロ変性シリコーン、シリコーン樹脂、炭化水素油、ポリオレフィン、脂肪酸エステル、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記パーソナルケア組成物が、カチオン性沈着ポリマーをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記カチオン性沈着ポリマーが、セルロース及びグアーカチオン性沈着ポリマーからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記パーソナルケア組成物が、約300μm未満の平均粒径を有する粒子をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子が、コロイドシリカ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、シリカゲル、ケイ酸マグネシウム、ガラス粒子、タルク、マイカ、セリサイト、及び粘土からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記パーソナルケア組成物が、合成カチオン性沈着ポリマー、ふけ防止剤、懸濁化剤、パラフィン系炭化水素、噴射剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒、希釈剤、真珠光沢剤、増泡剤、追加の界面活性剤又は非イオン性共界面活性剤、殺シラミ薬、pH調整剤、芳香剤、保存剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンからなる群から選択される1種以上の追加成分をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記高内相エマルジョンが、前記パーソナルケア組成物の約1重量%〜約20重量%のレベルで存在する、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高内相エマルジョンを含むパーソナルケア組成物の形成方法に関する。スタイリングポリマー系は、リンスオフ又はリーブオンのパーソナルケア組成物の構成成分としてボリュームアップ、固定、及びコンディショニングの効果をもたらすことができる。
【背景技術】
【0002】
多くのシャンプー組成物は、許容できる清浄効果は与えるが、スタイリング効果、例えば、コシ、髪型維持、カール保持、ハリの効果はほとんど又は全く与えない。このような効果を実現するために、別個の清浄製品及びスタイリング製品がしばしば使用される。
【0003】
最近、単一の製品で清浄性能及びスタイリング性能を与えることができるヘアシャンプー組成物が開発されている。これらの製品の多くは、相溶性シャンプー基剤中にスタイリングポリマーを含有している。このような製品を調製するために、スタイリングポリマーをシャンプー組成物の界面活性剤相に分散させ、毛髪に沈着させて毛幹に薄フィルムを形成することができる。このポリマーは、コシ、髪型維持及びカール保持などのヘアスタイル効果を向上させる。しかし、スタイリングポリマーを送達させるための現在の手法は、毛髪への沈着に液体キャリアを用いたとしても、又は分散液を用いたとしても、往々にして、毛髪にねばねばした又はべとべとした感じを与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述に基づき、髪型を維持する効果及び柔らかい感触を与える効果を、リンスオフ配合物、例えば、シャンプー又はコンディショナーから送達することができる組成物が必要とされている。また、毛髪にボリュームを与え、スタイリング特性を向上させ、湿潤時の櫛通りをよくし、毛髪をごわごわさせない又は過度にねばねばさせない、天然物ベースのヘアケア組成物も必要とされ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ポリグリセリル脂肪酸エステルを水と合わせて構造化外相プレミックスを作製する工程と、該プレミックスをアクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコンと合わせてゲル化エマルジョンを形成する工程を含む、スタイリングパーソナルケア組成物の形成方法に関する。エマルジョンは、皮膚及び毛髪の感触の向上を含めた効果を与えるために、化粧用及びパーソナルケア用配合物においての使用に適している。特に、組成物は、毛髪のスタイリング効果を高めることに効果的である。ゲル化エマルジョンが形成した後、他の任意の成分を本明細書に記載の組成物に添加してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書は本発明を特に指し示し、本発明の権利を明確に請求する特許請求の範囲で締めくくっているが、本発明は以下の説明からさらによく理解されると考えられる。
【0007】
パーセンテージ、部、及び比はすべて、別段の指定がない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。列挙した成分に関わるこのような重量はすべて、別段の指定がない限り、活性レベルに基づいており、したがって、市販の材料に含まれ得る溶媒又は副生成物を含まない。用語「重量パーセント」は、本明細書において「重量%」と表示されることがある。
【0008】
本明細書で使用する分子量はすべて、別段の指定がない限り、g/モルとして表わされる重量平均分子量である。
【0009】
本明細書では、「含む(comprising)」は、最終結果に影響を及ぼさない他のステップ及び他の成分を添加し得ることを意味する。この用語は、用語「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」を包含する。本発明の組成物及び方法(method/process)は、本明細書に記載の本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載の追加の又は任意の成分、構成成分、ステップ、又は制限のいずれかを含み、からなり、且つから本質的になり得る。
【0010】
用語「ゲル化エマルジョン」は、本明細書で使用する場合、濃厚化されているが容器から容易に分注される乳化系を意味する。
【0011】
用語「パーソナルケア組成物」は、本明細書で使用する場合、パーソナルクレンジング及びスタイリング組成物、例えば、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、スタイリングクリーム及びゲル、エアロゾル毛髪固定剤、並びにパーソナルクレンジング及びグルーミングで使用される他の製品を含むものとする。
【0012】
用語「ポリマー」は、本明細書で使用する場合、1つのモノマーを重合化して作製された材料、又は2つ以上のタイプのモノマーで作製された材料(即ち、コポリマー)を含むものとする。
【0013】
用語「固体粒子」は、本明細書で使用する場合、液体でも気体でもない粒子を意味する。
【0014】
用語「水溶性」は、本明細書で使用する場合、本組成物においてポリマーが水に可溶性であることを意味する。通常、ポリマーは、25℃において水溶媒の少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも15重量%の濃度で可溶であるべきである。
【0015】
用語「非水溶性」は、本明細書で使用する場合、化合物が本組成物中の水に可溶性でないことを意味する。したがって、化合物は水と混和しない。
【0016】
高内相エマルジョン
パーソナルケア組成物は、高内相エマルジョンを含む。エマルジョンは、アクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルポリマーを含む。安定なエマルジョンを形成するために、アクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルポリマーを、ポリグリセリル脂肪酸エステル及び水の混合物によって安定させる。
【0017】
ポリグリセリルエステル(PGE)は、ポリグリセリル分子を脂肪酸でエステル化することによって、又は植物油をポリグリセリルで加アルコール分解することによって通常形成される。1つのクラスとして、これらは多種多様なHLB値を有し、それがこれらをw/o及びo/w系の両方に適させている。これらは、物理的な日焼け止め剤をはじめとするいくつかの化粧用途において凝塊化を防ぐ。本明細書では、PGEは、高内相エマルジョンにおいてアクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルポリマーを安定させるために使用される。
【0018】
適切なPGEとしては、例えば、カプリル酸/カプリン酸ポリグリセリル-8、ラウリン酸ポリグリセリル-8、ラウリン酸ポリグリセリル-9、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-8、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-9、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-11、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル-12、ミリスチン酸ポリグリセリル-8、ミリスチン酸ポリグリセリル-9、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ミリスチン酸ポリグリセリル-11、ミリスチン酸ポリグリセリル-12、パルミチン酸ポリグリセリル-8、パルミチン酸ポリグリセリル-9、パルミチン酸ポリグリセリル-10、パルミチン酸ポリグリセリル-11、パルミチン酸ポリグリセリル-12、オレイン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-11、オレイン酸ポリグリセリル-12、ステアリン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-12、ステアリン酸ポリグリセリル-14、及びオレイン酸ポリグリセリル-14、並びにそれらの組合せが挙げられる。ラウリン酸ポリグリセリル-10が特に好ましい。
【0019】
アクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコンは、メチルトリメチコンに溶解したアクリルポリマー及びジメチルポリシロキサンのグラフトコポリマーである。揮発分は、水及び耐油フィルムを残して蒸発する。コポリマー(アクリラート/ジメチコーン)は、フィルム形成剤であり、アクリル樹脂及びシリコーンの両方の性質を有する。好ましいアクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコンは、信越化学工業株式会社から商品名KP-549Pで市販されている。
【0020】
高内相エマルジョンを形成するには、ポリグリセリル脂肪酸エステル及び水を、例えばインペラ混合により合わせて(一緒にして)、構造化外相を形成させる。これらの構成成分は、通常、約2:1〜約1:2の比で存在する。好ましくは、構成成分は、約1:1の比で存在する。
【0021】
構造化相が形成されたら、プロペラで混合しながら、構造化相をアクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルポリマーとゆっくり合わせて(一緒にして)、高内相エマルジョンを形成させる。構造化外相対アクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルポリマーの比は、少なくとも約80:20、より好ましくは約90:10、最も好ましくは約95:5である。
【0022】
プレミックスとしての形成後、最終高内相エマルジョンは、様々なパーソナルケア組成物への組込みに適している。特に、パーソナルケア組成物は、リンスオフシャンプー及びコンディショナー組成物の形態であり得る。このような組成物は、以下に説明する構成成分を含み得る。
【0023】
油状コンディショニング剤
一実施形態では、パーソナルケア組成物は、1種以上の油状コンディショニング剤を含む。油状コンディショニング剤は、毛髪及び/又は皮膚に特定のコンディショニング効果を与えるために使用される物質を含む。ヘアトリートメント組成物において、適切なコンディショニング剤は、光沢、柔軟性、櫛通り、帯電防止性、湿潤時の取扱い、ダメージ、扱いやすさ、コシ、及びべとつきに関係する1種以上の効果を与えるものである。本発明の組成物に有用な油状コンディショニング剤は、通常乳化された液体粒子を形成する非水溶性、水分散性、不揮発性な液体を含む。本組成物での使用に適する油状コンディショニング剤は、シリコーン(例えば、シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率シリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニング油(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル(fatty ester))、若しくはそれらの組合せとして通常特徴づけられるコンディショニング剤、又はそれ以外には本明細書での水性界面活性剤マトリックス中において液体分散粒子を形成するコンディショニング剤である。
【0024】
1種以上の油状コンディショニング剤は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約8重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約4重量%の濃度で通常存在する。
【0025】
シリコーンコンディショニング剤
本発明の組成物の油状コンディショニング剤は、好ましくは非水溶性シリコーンコンディショニング剤である。シリコーンコンディショニング剤は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はそれらの組合せを含み得る。好ましくは不揮発性シリコーンコンディショニング剤である。揮発性シリコーンが存在したとしても、それは、市販形態の不揮発性シリコーン物質成分、例えばシリコーンガム及びシリコーン樹脂のための溶媒又はキャリアとしての使用には通常よくあることである。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでよく、また、シリコーン流体の沈着効率を向上させる又は毛髪の光沢度を高める他の成分、例えばシリコーン樹脂を含んでもよい。
【0026】
適切なシリコーンコンディショニング剤の非限定的な例及びシリコーン用の任意の懸濁化剤が、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されている。本発明の組成物において使用するシリコーンコンディショニング剤は、好ましくは、25℃で測定した場合、約20〜約2,000,000センチストーク(「csk」)、より好ましくは約1,000〜約1,800,000csk、さらにより好ましくは約5,000〜約1,500,000csk、より好ましくは約10,000〜約1,000,000cskの粘度を有する。
【0027】
本発明の組成物での使用に適する不揮発性シリコーン油は、有機変性シリコーン及びフルオロ変性シリコーンから選択され得る。本発明の一実施形態では、不揮発性シリコーン油は、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシル基、アミン基、第4級基、カルボキシル基、脂肪酸基、エーテル基、エステル基、メルカプト基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、プロピレンオキシド基、及びエチレンオキシド基からなる群から選択される有機基を含む有機変性シリコーンである。
【0028】
このような有機変性シリコーンの非限定的な例としては、OSI社から商品名Silwet L-720(登録商標)、Silwet L-7002(登録商標)、Silwet L-7600(登録商標)、Silwet L-7604(登録商標)、Silwet L-7605(登録商標)、Silwet L-7607(登録商標)、Silwet 1614、Silwet L-7657(登録商標)、Silwet L-7200(登録商標)、Silwet L7230(登録商標)、Silsoft 305(登録商標)、Silsoft 820(登録商標)、Silsoft 880(登録商標)、Tego wet 260(登録商標)、Tegowet 500(登録商標)、Tegowet 505、及びTegowet 510(登録商標)で販売されているものが挙げられ得る。最も好ましいのは、Momentiveから商品名Silsoft(商標)SurFace PFで販売されているポリアクリル酸ジメチコーンPEG-8である。
【0029】
本発明の好ましい一実施形態では、不揮発性シリコーン油はジメチコーンである。
【0030】
シリコーン流体、ガム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を説明する節を含むシリコーンに関する背景資料が、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, vol. 15, 2d ed., pp 204-308, John Wiley & Sons, Inc. (1989)に見られる。
【0031】
本発明の組成物での使用に適するシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、同第3,964,500号、同第4,364,837号、英国特許第849,433号、及びSilicon Compounds, Petrarch Systems, Inc.(1984)に開示されている。特に好ましいシリコーン流体は、Dow Corning 1503流体である。
【0032】
有機コンディショニング油
本発明において油状コンディショニング剤はまた、少なくとも1種の有機コンディショニング油を単独で又は他のコンディショニング剤、例えば前述のシリコーンと組み合わせて含み得る。
【0033】
炭化水素油
本発明の組成物においてコンディショニング剤としての使用に適する有機コンディショニング油としては、ポリマー及びそれらの混合物を含めた、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環式炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)が挙げられるが、それらだけに限定されない。直鎖炭化水素油は、好ましくは、約C12〜約C19である。炭化水素ポリマーを含めた分枝鎖炭化水素油は、通常、19個超の炭素原子を含有するものである。
【0034】
これらの炭化水素油の具体的な非限定的な例としては、パラフィン油、鉱油、飽和及び不飽和のドデカン、飽和及び不飽和のトリデカン、飽和及び不飽和のテトラデカン、飽和及び不飽和のペンタデカン、飽和及び不飽和のヘキサデカン、ポリブテン、ポリデセン、並びにそれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の、並びにより長鎖の炭化水素の分枝鎖異性体を使用することもでき、その例として、Permethyl Corporationから入手可能な2,2,4,4,6,6,8,8-ジメチル-10-メチルウンデカン及び2,2,4,4,6,6-ジメチル-8-メチルノナンが挙げられる。好ましい炭化水素ポリマーは、ポリブテン、例えば、イソブチレン及びブテンのコポリマーであり、これはAmoco Chemical CorporationからL-14ポリブテンとして市販されている。
【0035】
ポリオレフィン
本発明の組成物において使用する有機コンディショニング油としては、液体ポリオレフィン、より好ましくは液体ポリ-α-オレフィン、より好ましくは水素化液体ポリ-α-オレフィンも挙げられ得る。本明細書において使用するポリオレフィンは、C4〜約C14、好ましくは約C6〜約C12のオレフィン系(olefenic)モノマーを重合することによって調製される。
【0036】
本明細書においてポリオレフィン液体の調製に使用するオレフィン系モノマーの非限定的な例としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、分枝鎖異性体、例えば4-メチル-1-ペンテン、及びそれらの混合物が挙げられる。また、オレフィン含有精油所原料又は流出物がポリオレフィン液体の調製に適している。
【0037】
脂肪酸エステル(fatty ester)
本発明の組成物においてコンディショニング剤としての使用に適する他の有機コンディショニング油としては、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられる。これらの脂肪酸エステルには、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステルが含まれる。これに関する脂肪酸エステルのヒドロカルビル基は、それに共有結合した他の相溶性官能基、例えば、アミド及びアルコキシ部(例えば、エトキシ又はエーテル結合など)を含む又は有し得る。
【0038】
好ましい脂肪酸エステルの具体例としては、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル、及びアジピン酸オレイルが挙げられるが、それらだけに限定されない。
【0039】
本発明の組成物での使用に適する他の脂肪酸エステルは、多価アルコールエステルとして既知のものである。そのような多価アルコールエステルには、アルキレングリコールエステルが挙げられる。
【0040】
さらに、本発明の組成物での使用に適する他の脂肪酸エステルは、グリセリド、例えば、モノ、ジ、及びトリグリセリド、好ましくはジ及びトリグリセリド、より好ましくはトリグリセリドであるが、それらだけに限定されない。様々なこれらのタイプの物質は、植物及び動物の脂肪及び油、例えば、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、ゴマ油、ラノリン、及びダイズ油から得ることができる。合成油としては、トリオレイン及びトリステアリングリセリルジラウラートが挙げられるが、それらだけに限定されない。
【0041】
フッ素化コンディショニング化合物
有機コンディショニング油として毛髪又は皮膚へのコンディショニングの送達に適するフッ素化化合物としては、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロ化オレフィン、前述のシリコーン流体に類似する流体でもエラストマー形態でもよいフッ素ベースの特殊ポリマー、及びペルフルオロ化ジメチコーンが挙げられる。適切なフッ素化化合物の具体的な非限定的な例としては、Ausimont製のFomblin製品ライン、例えば、HC/04、HC/25、HC01、HC/02、HC/03、Biosil Technologiesから供給されるBiosil Basics Fluoro Gerbet 3.5と一般に呼ばれるジオクチルドデシルフルオロエプチルシトラート、また、Biosil Technologiesから供給されるBiosil Basics Fluorosil LFが挙げられる。
【0042】
アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体
本発明のパーソナルケア組成物での使用に適する有機コンディショニング油としては、アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体が挙げられるが、それらだけに限定されない。適切なアルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体の具体的な非限定的な例としては、Amercholから市販されているGlucam E-10、Glucam E-20、Glucam P-10、及びGlucquat 125が挙げられる。
【0043】
追加構成成分
本発明のパーソナルケア組成物は、パーソナルケア製品での使用が既知の1種以上の追加構成成分をさらに含み得るが、但し、この追加構成成分は、本明細書に記載の必須構成成分と物理的及び化学的に相溶性があり、そうでない場合は、製品安定性、審美性、又は性能を不当に損なわないものである。このような追加構成成分の個々の濃度は、パーソナルケア組成物の約0.001重量%〜約10重量%の範囲であり得る。
【0044】
本組成物において使用する追加構成成分の非限定的な例としては、天然カチオン性沈着ポリマー、合成カチオン性沈着ポリマー、ふけ防止剤、粒子、懸濁化剤、パラフィン系炭化水素、噴射剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、増泡剤、追加の界面活性剤又は非イオン性共界面活性剤、殺シラミ薬、pH調整剤、芳香剤、保存剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、並びにビタミンが挙げられる。
【0045】
セルロース又はグアーカチオン性沈着ポリマー
本発明のパーソナルケア組成物はまた、セルロース又はグアーカチオン性沈着ポリマーを含み得る。セルロース又はガラクトマンナン(glactomannan)のカチオン性沈着ポリマーが好ましい。通常、このようなセルロース又はグアーカチオン性沈着ポリマーは、組成物の約0.05重量%〜約5重量%の濃度で存在し得る。適切なセルロース又はグアーカチオン性沈着ポリマーは、約5,000超の分子量を有する。好ましくは、セルロース又はグアーカチオン性沈着ポリマーは、約200,000超の分子量を有する。さらに、このようなセルロース又はグアー沈着ポリマーは、パーソナルケア組成物の意図された使用のpH、通常pHは約pH3〜約pH9の範囲、好ましくは約pH4〜約pH8の間において約0.15meq/g〜約4.0meq/gの電荷密度を有する。本発明の組成物のpHは、組成物そのままで測定する。
【0046】
適切なセルロース又はグアーカチオン性ポリマーとして、次式に従うものが挙げられる。
【0047】
【化1】
[式中、Aは、アンヒドログルコース残基、例えば、セルロースアンヒドログルコース残基であり、Rは、アルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、若しくはヒドロキシアルキレン基、又はそれらの組合せであり、R1、R2、及びR3は独立に、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各基は最大約18個の炭素原子を含有し、各カチオン性部分の炭素原子数の合計(即ち、R1、R2、及びR3の炭素原子の和)は好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである]。このような対イオンの非限定的な例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、硫酸塩、及びメチル硫酸塩が挙げられる。これらの多糖ポリマーのカチオン置換度は、通常、アンヒドログルコース単位当たり約0.01〜約1カチオン基である。
【0048】
本発明の一実施形態では、セルロース又はグアーカチオン性ポリマーは、業界(CTFA)でポリクオタニウム10と呼ばれ、Amerchol Corp.(Edison、N.J.、USA)から市販されている、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩である。
【0049】
粒子
本発明の組成物は、場合により追加の粒子を含み得る。好ましくは、本発明に有用な粒子は、分散非水溶性粒子である。本発明に有用な粒子は、無機、合成、又は半合成のものであり得る。本発明の組成物では、組成物の約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、さらにより好ましくは2重量%以下の粒子を組み込むことが好ましい。本発明の一実施形態では、追加の粒子は、約300μm未満の平均粒径を有する。
【0050】
無機粒子の非限定的な例としては、コロイドシリカ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、シリカゲル、ケイ酸マグネシウム、ガラス粒子、タルク、マイカ、セリサイト、並びにベントナイト、ヘクトライト、及びモンモリロナイトを含めた様々な天然及び合成粘土が挙げられる。
【0051】
合成粒子の例としては、シリコーン樹脂、ポリ(メタ)アクリラート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド(例えば、Nylon(登録商標))、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アクリル粉末などが挙げられる。
【0052】
ハイブリッド粒子の非限定的な例としては、セリサイト及び架橋ポリスチレンのハイブリッド粉末並びにマイカ及びシリカのハイブリッド粉末が挙げられる。
【0053】
不透明化剤
本発明の組成物はまた、1種以上の不透明化剤を含有し得る。不透明化剤は、通常、組成物に所望の審美的効果、例えば、色又は真珠光沢を与えるために使用される。本発明の組成物では、組成物の約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、さらにより好ましくは2重量%以下の不透明化剤を組み込むことが好ましい。
【0054】
適切な不透明化剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、ポリメタクリル酸メチル、微粉化Teflon(登録商標)、窒化ホウ素、硫酸バリウム、アクリラートポリマー、ケイ酸アルミニウム、アルミニウムデンプンオクテニルスクシナート、ケイ酸カルシウム、セルロース、チョーク、コーンスターチ、珪藻土、フラー土、グリセリルデンプン、ケイ酸(水和シリカ)、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、微結晶セルロース、コメデンプン、シリカ、二酸化チタン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレン、アルミナ、アタパルジャイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン、ナイロン、シリル化シリカ、絹粉末、ダイズ粉、酸化スズ、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、クルミ殻粉末、又はそれらの混合物が挙げられる。前述の粉末は、レシチン、アミノ酸、鉱油、シリコーン油、又は様々な他の薬剤を単独で又は組み合わせて用いて表面処理することができ、それによって、粉末表面が被覆され、粒子は事実上疎水性になる。
【0055】
不透明化剤はまた、様々な有機及び無機顔料を含み得る。有機顔料は、通常、様々な芳香族タイプ、例えば、アゾ、インジゴイド、トリフェニルメタン、アントラキノン、及びキサンチン染料である。無機顔料としては、酸化鉄、ウルトラマリン、及びクロム又は水酸化クロム着色剤、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
懸濁化剤
本発明の組成物は、分散形の非水溶性物質を懸濁させること又は組成物の粘度を調整することに関して効果的な濃度で懸濁化剤をさらに含み得る。このような濃度は、通常、組成物の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.3重量%〜約5.0重量%の懸濁化剤に及ぶ。
【0057】
本明細書で有用な懸濁化剤は、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーを含む。ビニルポリマー、例えば、CTFA名カルボマーの架橋アクリル酸ポリマーが本明細書で有用である。
【0058】
パラフィン系炭化水素
本発明の組成物は、1種以上のパラフィン系炭化水素を含有し得る。本発明の組成物での使用に適するパラフィン系炭化水素としては、パーソナルケア組成物での使用が既知の物質、例えば、約21℃(約70°F)以上の1atmで蒸気圧を有するものが挙げられる。非限定的な例としては、ペンタン及びイソペンタンが挙げられる。
【0059】
噴射剤
本発明の組成物はまた、1種以上の噴射剤を含有し得る。本発明の組成物での使用に適する噴射剤としては、パーソナルケア組成物での使用が既知の材料、例えば、液化ガス噴射剤及び圧縮ガス噴射剤が挙げられる。適切な噴射剤は、約21℃(約70°F)未満の1atmで蒸気圧を有する。適切な噴霧剤の非限定的な例は、アルカン、イソアルカン、ハロアルカン、ジメチルエーテル、窒素、一酸化二窒素、二酸化炭素、及びそれらの混合物である。
【0060】
他の任意の構成成分
本発明の組成物は、芳香剤を含有し得る。
【0061】
本発明の組成物はまた、水溶性及び非水溶性ビタミン、例えば、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びそれらの誘導体、並びにビタミンA、D、E、及びそれらの誘導体を含有し得る。本発明の組成物はまた、水溶性及び非水溶性アミノ酸、例えば、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸、及びそれらの塩、並びにチロシン、トリプタミン、リシン、ヒスチジン(histadine)、及びそれらの塩を含有し得る。
【0062】
本発明の組成物は、一価又は二価の塩、例えば、塩化ナトリウムを含有し得る。
【0063】
本発明の組成物はまた、キレート剤を含有し得る。
【0064】
本発明の組成物は、脱毛予防に有用な物質及び発毛刺激剤又は発毛剤をさらに含み得る。
【0065】
毛髪又は皮膚を処置する方法
本発明のパーソナルケア組成物は、毛髪をコンディショニング、スタイリング、及びボリュームアップするための従来の方法で使用される。通常、本発明の毛髪を処置する方法は、毛髪に組成物を施用するステップを含む。より詳細には、有効量のパーソナルケア組成物を、好ましくは水で湿らせておいた、好ましくはシャンプーで洗った毛髪に施用する。組成物を、コンディショニング、ボリュームアップ、及び毛髪固定の効果を実現するのに効果的な量でエアロゾル又はポンプ型噴霧器によって毛髪に施用する。このような有効量は、通常、約1g〜約50g、好ましくは約1g〜約20gに及ぶ。毛髪への施用は、通常、毛髪の大部分又はすべてが組成物と接触するように毛髪の隅々まで組成物を作用させることを含む。組成物は好ましくはリーブイン組成物として使用されるので、施用後毛髪から組成物を洗い流す必要はない。
【0066】
[実施例]
本明細書における部、パーセンテージ、及び比はすべて、別段の指定がない限り、重量によるものである。いくつかの構成成分は、希釈溶液として供給業者からもたらされ得る。レベルは、別段の指定がない限り、活性物質の重量パーセントを表す。
【0067】
以下の実施例において説明する組成物は、本発明の組成物の特定の実施形態を説明するものであるが、本発明の組成物を限定することを意図するものではない。当業者なら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の改変を行うことができる。本発明の組成物のこれらの例示の実施形態は、コンディショニング剤の毛髪及び/又は皮膚への沈着を高める。
【0068】
以下の実施例で説明する組成物は従来の配合及び混合方法で調製され、その一例は前述の通りである。例示の量はすべて、別段の指定がない限り、重量パーセントとして列挙され、微量物質、例えば、希釈剤、保存剤、着色溶液、イメージ成分(imagery ingredient)、植物成分などは除外する。
【0069】
高内相エマルジョンを、少量のエステル(2.5〜5%)と水を混合することで形成して、構造化外相を作製する。次いで、最大約95%のアクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコンをエステル/水プレミックスに撹拌しながら添加し、その結果として、透明なゲル化エマルジョンが生じる。
【0070】
【表1】
【0071】
次いで、上に例示した高内相エマルジョン(I.〜IV.)を、下に例示する様々なパーソナルケア組成物へ組み込むことができる。上記実施例で説明した高内相エマルジョンの組込みを説明するために、以下の実施例において、高内相エマルジョンをそれぞれ「HIE I.〜IV.」と表す。
【0072】
下記は、本発明のシャンプー組成物の一例である。
【0073】
【表2】
【0074】
下記は、本発明のコンディショナー組成物の一例である。
【0075】
【表3】
【0076】
本明細書に開示の寸法及び値は、詳述する正確な数値に厳密に限定するものとして理解すべきではない。それよりも、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値及びその値周辺の機能的に等価な範囲の両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」と表される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0077】
本発明の詳細な説明に引用した文書はすべて、関連部分において参照により本明細書に組み込まれており、いずれの文書の引用も、本発明に関して従来技術であることを承認するものとして解釈してはならない。本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれている文書における同様の用語のいずれかの意味又は定義と対立する限りにおいて、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0078】
本発明の特定の実施形態を説明し、記載してきたが、様々な他の変更及び改変が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実施し得ることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような変更及び改変すべてを添付の特許請求の範囲に包含することを意図する。
本発明は、例えば以下の実施形態を包含する:
[実施形態1]
(a)第1に、ポリグリセリル脂肪酸エステルを水と合わせて構造化外相プレミックスを作製する工程、
(b)第2に、該プレミックスをアクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコンと合わせてゲル化エマルジョンを形成する工程
を含む、高内相エマルジョンの形成方法。
[実施形態2]前記アクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコン対前記構造化外相の比が、少なくとも約90:10である、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]前記アクリラート/ジメチコーンコポリマー/メチルトリメチコン対前記構造化外相の比が、少なくとも約95:5である、実施形態2に記載の方法。
[実施形態4]前記ポリグリセリル脂肪酸エステル対前記水の比が、約1:1である、実施形態1に記載の方法。
[実施形態5]前記高内相エマルジョンがパーソナルケア組成物の構成成分であり、該パーソナルケア組成物がさらに界面活性剤及びコンディショニング剤を含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態6]前記コンディショニング剤が、シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率シリコーン、有機変性シリコーン、フルオロ変性シリコーン、シリコーン樹脂、炭化水素油、ポリオレフィン、脂肪酸エステル、及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態5に記載の方法。
[実施形態7]前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群から選択される、実施形態5に記載の方法。
[実施形態8]前記パーソナルケア組成物が、カチオン性沈着ポリマーをさらに含む、実施形態5に記載の方法。
[実施形態9]前記カチオン性沈着ポリマーが、セルロース及びグアーカチオン性沈着ポリマーからなる群から選択される、実施形態8に記載の方法。
[実施形態10]前記パーソナルケア組成物が、約300μm未満の平均粒径を有する粒子をさらに含む、実施形態5に記載の方法。
[実施形態11]前記粒子が、コロイドシリカ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、シリカゲル、ケイ酸マグネシウム、ガラス粒子、タルク、マイカ、セリサイト、及び粘土からなる群から選択される、実施形態10に記載の方法。
[実施形態12]前記パーソナルケア組成物が、合成カチオン性沈着ポリマー、ふけ防止剤、懸濁化剤、パラフィン系炭化水素、噴射剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒、希釈剤、真珠光沢剤、増泡剤、追加の界面活性剤又は非イオン性共界面活性剤、殺シラミ薬、pH調整剤、芳香剤、保存剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンからなる群から選択される1種以上の追加成分をさらに含む、実施形態5に記載の方法。
[実施形態13]前記高内相エマルジョンが、前記パーソナルケア組成物の約1重量%〜約20重量%のレベルで存在する、実施形態5に記載の方法。