特許第6585887号(P6585887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585887
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20190919BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20190919BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190919BHJP
【FI】
   F21S8/02 430
   F21V23/00 120
   F21V23/00 150
   F21V23/00 160
   F21V23/00 170
   F21V23/00 200
   F21Y115:10
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-192235(P2014-192235)
(22)【出願日】2014年9月22日
(65)【公開番号】特開2016-62861(P2016-62861A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100108914
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 壯兵衞
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 将広
(72)【発明者】
【氏名】奥村 明彦
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−112520(JP,A)
【文献】 特開2008−282829(JP,A)
【文献】 特開平10−116508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子に電力を供給する電源基板と、
前記電源基板を覆う電源収納部と、
前記電源収納部と少なくとも一部が一体的に形成され、前記電源基板と電気的に接続する端子を収納する端子収納部と、を備え、
前記端子は、差込部を有し、
前記端子収納部は、前記差込部を差し込むための端子用貫通孔を有し、
前記端子用貫通孔に差し込まれた差込部は、前記電源基板に直接接続されることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記端子収納部は、
前記電源収納部の前記電源基板と対向する面の裏面に前記電源収納部と一体的に形成される端子台と、前記端子台と共に端子を収納する端子収納部カバーと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記端子台は、凸部を有し、
前記端子収納部カバーは、前記凸部が挿入する挿入孔部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記端子収納部は、
前記端子台に前記端子を固定するための押え部と、を含む
ことを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記端子収納部は、前記裏面の中心を含む範囲に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記端子は、前記裏面に設けられた孔部を通って前記電源基板に直接固定されることを特徴とする請求項2または5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記端子は、複数設けられ、
前記端子収納部は、外部から引き回された第1のケーブルを前記端子のうちの一の端子に接続するために設けられた第1の孔部と、前記第1の孔部に対向する面に設けられ、外部から引き回された第2のケーブルを前記端子のうちの他の端子に接続するために設けられた第2の孔部と、を有することを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低消費電力の照明装置として、LED(Light Emitting Diode)素子を用いた照明装置が実用化されている。本明細書では、以降、LED素子を用いた照明装置を「LED照明装置」と記すものとする。
【0003】
公知のLED照明装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、LED素子に給電するための配線基板を覆う基板収納ケースの上面に放熱フィンと給電装置が収容されるボックスとが設けられたLED照明装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−134501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたLED照明装置は、LED素子が発生する熱を、放熱フィンを使って放熱している。放熱フィンは、放熱効率の観点から配線基板の直上に設けられる。このため、特許文献1に記載のLED照明装置は、基板収納ケースの配線基板直上にあたる位置に放熱フィンを備え、給電装置が基板収納ケースの外部に張り出している。このような構成のLED照明装置は、装置を小型化することにおいて不利である。
また、給電装置が配線基板直上からずれて配置されると、給電装置と配線基板との距離が長くなり、両者を電気的に接続する配線の引き回しが複雑になる。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みて行われたものであり、小型化に有利であって、給電装置と基板との距離が短く、しかも組立工程数が少ない照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る照明装置は、発光素子に電力を供給する電源基板と、前記電源基板を覆う電源収納部と、前記電源収納部と少なくとも一部が一体的に形成され、前記電源基板と電気的に接続する端子を収納する端子収納部と、を備え、前記端子は、差込部を有し、前記端子収納部は、前記差込部を差し込むための端子用貫通孔を有し、前記端子用貫通孔に差し込まれた差込部は、前記電源基板に直接接続されることを特徴とする。

【0008】
また、本発明の一態様に係る照明装置は、上記態様において、前記端子収納部は、前記電源収納部の前記電源基板と対向する面の裏面に前記電源収納部と一体的に形成される端子台と、前記端子台と共に端子を収納する端子収納部カバーと、を含むようにすることができる。
また、本発明の一態様に係る照明装置は、前記端子台は、凸部を有し、前記端子収納部カバーは、前記凸部が挿入する挿入孔部を有することができる。
また、本発明の一態様に係る照明装置は、前記端子収納部は、前記端子台に前記端子を固定するための押え部と、を含むことができる。
また、本発明の一態様に係る照明装置は、上記態様において、端子収納部が、裏面の中
心を含む範囲に形成することができる。
また、本発明の一態様に係る照明装置は、上記態様において、端子を、裏面に設けられ
た孔部を通って電源基板に直接固定することができる。
また、本発明の一態様に係る照明装置は、上記態様において、端子が複数設けられ、端
子収納部は、外部から引き回された第1のケーブルを端子のうちの一の端子に接続するた
めに設けられた第1の孔部と、第1の孔部に対向する面に設けられ、外部から引き回され
た第2のケーブルを端子のうちの他の端子に接続するために設けられた第2の孔部と、を
有することができる
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、給電装置と基板との距離が短く、しかも組立工程数が少ない照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るLED照明装置の外観を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るLED照明装置の側面図及び断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る他の方向から見たLED照明装置の側面図及び断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るLED照明装置の上面図及び底面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るLED照明装置の分解斜視図である。
図6図5に示した構成のうち、端子収納部カバー、端子台、電源収納部及び電源基板の分解斜視図である。
図7】他のバッフルを用いたLED照明装置の外観を示した斜視図である。
図8図7に示したLED照明装置の側面図及び断面図である。
図9図7に示したLED照明装置を他の方向から見た側面図及び断面図である。
図10図7に示したLED照明装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態ついて説明する。
図1は、本実施形態のLED照明装置1の外観を示した斜視図である。図2(a)は図1に示したLED照明装置1を矢線pが示す方向から見た側面図、図2(b)は図2(a)に示した線分A−Aに沿うLED照明装置1の断面図である。図3(a)は図1に示したLED照明装置1を矢線qが示す方向から見た側面図、図3(b)は図3(a)に示した線分B−Bに沿うLED照明装置1の断面図である。図4(a)はLED照明装置1の上面図、図4(b)はLED照明装置1の底面図である。
【0012】
本実施形態のLED照明装置1は、天井や壁に設けられた取付孔部に差し込んで取付けられる。本実施形態では、LED照明装置1が取り付けられた状態で光を照射する側を「下」、取付孔部に対する差し込み方向を「上」、上下方向に直交する方向を「横」として以降の説明を行う。
本実施形態のLED照明装置1は、図1に示すように、端子収納部3と、電源収納部5と、バッフル7と、を備えている。端子収納部3は、後に図示する電源基板15と対向する電源収納部5の面の裏面の中心を含む範囲に形成されている。なお、上記定義によれば、LED照明装置1は、端子収納部3を有する側が「上」、バッフル7が設けられている側が「下」となる。
【0013】
端子収納部3は、全体が略直方体を有している。図4(a)に示すように、直方体の対向する一対の側面には、孔部13a、13bが2つずつ形成されていて、孔部13aには外部から引き回される破線で示すケーブルc1及びc2が挿入され、孔部13bには外部から引き回される破線で示すケーブルc3及びc4が挿入される。ケーブルc1及びc2は、交流の商用電源と接続されている。
図2(b)、図3(b)及び図5に示すように、端子収納部3は、端子収納部カバー23と、端子台25とが係り合って構成されている。端子台25は、電源収納部5の上部34、即ち、電源基板15と対抗する電源収納部5の面の裏面と一体的に形成されている。このような端子収納部3は、その少なくとも一部が電源収納部5と一体的に形成されるものである。端子台25の底面となる電源収納部5の上部34には、端子収納部3に収納される図5に示す端子57a、57bの差込部59が貫通する端子用貫通孔27が2つ形成されている。さらに、端子収納部3は、シリコーン製のカバー24に覆われている。
【0014】
本実施形態は、上記構成により、端子収納部3と電源収納部5とを一体の構成として組み立てることができる。このため、本実施形態は、端子収納部3と電源収納部5とを別個に組み立てて両者の間を電気的に接続するよりも、組立に係る工程の数を少なくすることができる。
【0015】
また、図2(b)、図3(b)に示したように、電源収納部5は、上部34、上段部35、段差部33及び下段部36を有している。上部34は円板状の板部材の上に端子台25が一体的に形成されている部材である。上段部35は、上部34の端子台25が設けられている面に対する裏面と周面の一方の端部が接触する筒部として構成される。段差部33は、上段部35の周面の他方の端部から略横方向に張り出すドーナツ板形状の部材である。下段部36は、段差部33の外縁から略下方向に沿って延びる周面を有する筒部として構成される。
【0016】
本実施形態の電源収納部5は、外周面に等間隔に設けられた4つの凹部37を有し、4つの凹部37は対向する凹部37と対をなす。一対の凹部37は、上段部35、段差部33、下段部36に亘って形成された面37aと、面37aと直交して下段部36に形成される面37bとを各々有している。一対の凹部37の面37a、37bには、各々取付バネ9がネジ11によって固定されている。
端子収納部3及び電源収納部5の材質としては、絶縁性と耐熱性の条件を満たす樹脂が用いられる。このような樹脂としては、ポリカーボネート等が考えられる。
【0017】
LED照明装置1は、端子収納部3の側から天井や壁面に形成された取付孔に差し込まれる。LED照明装置1を天井に取り付ける場合、取付バネ9は、LED照明装置1本体の側に寄せて縮められた状態で、取付孔に挿入される。取付バネ9全体が取付孔に入り込むと、縮んでいた取付用バネ9が弾性変形により広がる。このため、取付用バネ9の折り曲げ部9aが天井等の裏面(上面)に接する。また、天井等の表面(下面)には照射口49の鍔部50が接する。
これによりLED照明装置1は、取付バネ9とバッフル7の照射口49の鍔部50とによって挟持される天井板に保持されて、取付孔内に取り付けられる。
【0018】
バッフル7は、LED素子が発光した光の照射範囲を規制すると共に、LED素子が発生した熱を吸収し、外部に放出する枠体である。即ち、図2(b)、図3(b)に示したように、LED照明装置1は、LED素子41が実装されたLED実装基板17と、LED実装基板17のLED素子41が実装された面に対する裏面に設けられ、LED素子41が発生した熱を伝導する放熱板21と、LED素子41の光の照射側に設けられ、放熱板21から伝導された熱を吸熱するバッフル7と、を有している。
【0019】
バッフル7は、放熱板21と熱的に接触する接触部47と、LED素子41の光を外部に照射する照射口49と、を有している。放熱板21は、LED実装基板17と略面積が等しい円形の底部20と、底部20に対して段差を有し、ドーナツ板形状の縁部22と、を有している。接触部47は、縁部22の略全面と接触する面を有するドーナツ板形状の部材であり、バッフル7は、接触部47と、このような接触部47の外縁から略下方向に向かって延びる周面を有する筒部材46と、を有している。筒部材46は、照射口49から横方向に広がるドーナツ板形状の鍔部50を有している。
【0020】
バッフル7の接触部47における厚さd1は、照射口49の側のバッフル7の厚さd2よりも厚く形成されている。なお、本実施形態において、「バッフルの厚さ」とは、バッフル7の筒部材46が接触部47の外縁から図中の−Y方向に広がりを持つものとし、−Y方向と直交するX方向のバッフル7の厚さをいう。
上記X方向、Y方向を示す軸は、図2(a)に示した線分A−A、または図3(a)に示した線分B−B上に原点を定められる。図2(b)、図3(b)に示したX軸、Y軸、Z軸は、座標を移動して図示したものである。X軸は、図2(a)、図3(a)に示した側面図において、対をなす2つの取付バネ9同士を結ぶ最短の直線に沿う方向を示す。Y軸は、図2(a)に示した線分A−A、または図3(a)に示した線分B−Bに沿う方向を示す。Z軸は、X軸及びY軸に対して直交する方向を示している。
【0021】
上記構成を有することにより、本実施形態のバッフル7は、LED素子41が照射する光の光路を含み、LED素子41の側から照射口49の側に向かって末広がりの略円錐台形状の空間51を内部に有することになる。バッフル7の筒部材46の内壁48は、バッフル7が吸熱した熱を放熱する放熱部として機能する。
なお、バッフル7は、LED素子41が発生した熱を効率的に吸収する適正な比熱の金属材料であればどのような材料を用いるものであってもよい。バッフル7に好適な材料としては、例えば、アルミニウムを材料としてダイカスト製法により製造された金属がある。
【0022】
さらに、LED照明装置1は、図2(b)、図3(b)及び図4(b)、図5に示したように、バッフル7においてLED実装基板17の下側にシール部材29を挟んで取り付けられた拡散カバー19を有している。拡散カバー19は、LED素子41が発した光を拡散させる機能を有している。このため、拡散カバー19を透過した光は、拡散カバーの全面から略均一な明るさで下方に向けて照射される。
【0023】
図5は、本実施形態のLED照明装置1の分解斜視図である。図5に示すように、端子収納部3は、端子収納部カバー23と、端子台25とによって構成されている。端子収納部カバー23には切欠部13aaを有し、端子台25は切欠部13abを有している。端子収納部カバー23と端子台25とを重ね合わせることによって切欠部13aaと切欠部13abとが対向して配置され、孔部が形成される。切欠部13aaと切欠部13abとによって形成される孔部が、端子収納部3の対向する一対の側面に形成される孔部13a、13bとなる。
【0024】
また、端子収納部3の内部には、2つの端子57a、57bが設けられる。端子57a、57bは、図2(b)に示した端子用貫通孔27に差込部59を差し込んで端子台25に固定される。端子用貫通孔27に差し込まれた差込部59は、電源基板15に直接接続されて、商用電源につながる図示しない配線と電源基板15が電気的に接続される。
【0025】
このような構成によれば、端子収納部3内の端子57a、57bを電源基板15に直接接続することができる。このため、端子57a、57bと電源基板15との間に配線を引き回すことが必要なくなり、端子57a、57bと電源基板15とを低抵抗で接続することができると共に、LED照明装置1の設計の自由度を高めることができる。
【0026】
端子収納部3内において、端子57a、57bは、それぞれ端子押え部31によって端子台25に押えつけられて固定されている。端子57a、57bは複数設けられ(本実施形態では2つ)、端子57aには、例えば図1図4(a)に示したケーブルc1、c3が挿入される。また、端子57bには、例えば図1図4(a)に示したケーブルc2、c4が挿入される。
孔部13aの一方は、端子57aと挿入されたケーブルc1とを電気的に接続するために設けられている。孔部13aの他方は、端子57bと挿入されたケーブルc2とを電気的に接続するために設けられている。また、孔部13bの一方は、端子57aと挿入されたケーブルc3とを電気的に接続するために設けられ、孔部13bの他方は、端子57bと、挿入されたケーブルc4とを電気的に接続するために設けられている。
LED照明装置1が合計4つの孔部13a、13b2つずつを有する理由は、複数のLED照明装置1を並列に接続する場合に2つの孔部13a、13bを中継用に使用するためである。
【0027】
図6は、図5に示した端子収納部カバー23、端子台25、電源収納部5及び電源基板15を示した図である。端子収納部カバー23は、平面視において矩形の蓋面52と、矩形の4辺に対して垂直な側面54とを有している。対向する1つの側面54は孔部23aを有している。端子台25は、上部34に対して垂直な4つの側面56を有している。対向する一対の側面56は、凸部25aを有している。
さらに、蓋面52は、2つの孔部53を有している。孔部53には、2つの端子押え部31がそれぞれ挿入される。
【0028】
端子収納部カバー23と端子台25とを重ね合わせたとき、孔部23aに凸部25aを挿入することにより、端子収納部カバー23は端子台25に固定される。また、このとき、孔部53に端子押え部31が挿入され、端子押え部31は端子57a、57bを端子収納部3内の所定の場所に固定すると共に、自身も端子収納部3内に固定される。
さらに、端子収納部カバー23のネジ穴11aと端子台25のネジ穴11bとが重なり、端子収納部カバー23と端子台25とが図2(b)、図3(b)に示したネジ11によって留められる。
【0029】
以上説明した本実施形態によれば、端子収納部3が電源基板15と対向する電源収納部5の面の裏面(即ち上部34)の中心を含む範囲に形成されている。このため、端子収納部3が上部34から張り出すことがなく、LED照明装置1を小型化することに有利である。
また、本実施形態は、端子収納部3と電源収納部5とが一体的に形成されているため、端子収納部3及び電源収納部5の組立工程が簡易になる。また、LED照明装置1の部品点数を低減することができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、バッフル7を使ってLED素子41が発生した熱を吸熱し、放熱している。このため、本実施形態は、電源収納部に放熱フィン等を設ける必要がなく、端子収納部3を電源収納部5の上部34の中央に設けることができる。このため、第1実施形態は、端子と電源収納部5に収容される電源基板との距離を極力短くすることができる。さらに、端子収納部3の対向する面にケーブル接続用の孔部13a、13bを設けることができる。このため、第1実施形態は、端子57a、57bに対するケーブルの引き回しを簡易にすることができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、バッフル7をLED実装基板17よりも照射口49の側に設けたことにより、バッフル7の内壁48が外部に露出し、接触部47によって吸熱された熱を効率的に放熱することができる。さらに、本実施形態は、接触部47の厚さを内壁48の厚さよりも厚くしたことにより、接触部47の熱容量を高め、LED素子41が発生した熱を効率的に吸熱することができる。
【0032】
なお、本実施形態のLED照明装置は、以上説明した構成に限定されるものではない。例えば、LED照明装置のバッフルは、上記した接触部47を有するバッフルに限定されるものではない。本実施形態は、例えば、バッフルとしてLED素子が発生した熱を放熱させる枠体として機能するバッフルを用いてもよい。以下、このようなバッフルを用いたLED照明装置70の構成を説明する。
【0033】
図7は、図1から図5に示したバッフル7と異なるバッフル77を用いたLED照明装置70の外観を示した斜視図である。図8図7に示したLED照明装置70を矢線pが示す方向から見た側面図、図8(b)は図8(a)に示した線分C−Cに沿うLED照明装置70の断面図である。図9(a)は図7に示したLED照明装置70を矢線qが示す方向から見た側面図、図9(b)は図9(a)に示した線分D−Dに沿うLED照明装置70の断面図である。図10は、LED照明装置70の分解斜視図である。図7から図10のうち、図7から図6中に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を略すものとする。
【0034】
LED照明装置70は、LED照明装置1と同様に、天井や壁に設けられた取付凹部に取付けられる。このようなLED照明装置70は、端子収納部73を有する側を「上」、バッフル77が設けられている側が「下」となる。さらに、上下方向に対して直交する方向を「横方向」として以降の説明を行う。
【0035】
端子収納部73は、図8(b)、図9(b)に示すように、直方体の対向する一対の側面の一方に2つの孔部13aが形成されていて、他方の側面に2つの孔部13bが形成されている。図7に示すように、孔部13aと、孔部13aが形成された側面に対向する側面に設けられた孔部13bには、ケーブルc1からケーブルc4が挿入されている。
図8(b)、図9(b)に示すように、端子収納部73は、端子収納部カバー83と、端子台85とが係り合って構成されている。端子台85は電源収納部75の上面と一体的に形成されている。図8(b)に示すように、端子台85の端子用貫通孔に差し込まれた端子57a、57bは、電源基板15に直接電気的に接続されている。端子収納部73は、シリコーン製のカバー84に覆われている。
【0036】
また、図8(b)、図9(b)に示したように、電源収納部75は、上部94、上段部95、段差部93及び下段部96を有している。上部94は円板状の板部材の上に端子台85が一体的に形成されている部材である。上段部95は、上部94の端子台85が設けられている面に対する裏面と周面の一方の端部が接触する筒部として構成される。段差部93は、上段部95の周面の他方の端部から略横方向に張り出すドーナツ板形状の部材である。下段部96は、段差部93の外縁から略下方向に沿って延びる周面を有する筒部として構成される。
【0037】
電源収納部75は、対向する位置に設けられた2つの凹部87を有している。2つの凹部87には、各々取付バネ9がネジ11によって固定されている。端子収納部73及び電源収納部75の材質としては、絶縁性と耐熱性の条件を満たす樹脂が用いられる。このような樹脂としては、ポリカーボネート等が考えられる。
【0038】
バッフル77は、LED素子41が発光した光の照射範囲を規制すると共に、LED素子が発生した熱を伝えて外部に放出する。このようなバッフル77としては、熱を伝導しやすく、放熱しやすい材料が望ましい。このようなバッフル77は、例えば、鋼板を材料とすることができる。鋼板は、加工がし易く、低コストであることで知られている。このため、LED照明装置70の材料として好適である。
【0039】
図10に示すように、LED照明装置70は、LED実装基板17と接触する放熱板81を有している。放熱板81は、LED実装基板17と略面積が等しい円形の底部80と、底部80に対して段差を有し、ドーナツ板形状の縁部82と、を有している。バッフル77は、放熱板81の縁部82と熱的に接触するドーナツ状の熱伝達部107と、熱伝達部107に伝わった熱を外部に放熱する放熱部106と、を有している。熱伝達部107及び放熱部106は、図8(b)、図9(b)に示すように、一様の厚さを有している。
[その他]
【0040】
本発明は、以上に記載した実施形態に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて各実施形態に設計の変更等を加えてもよく、そのような変更が加えられた態様も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1:LED照明装置、3,73:端子収納部、5,75:電源収納部、
7,77:バッフル,9:取付バネ、13a,13b:孔部、15:電源基板、
17:LED実装基板,19:拡散カバー、21:放熱板、23:端子収納部カバー、
25:端子台、27:端子用貫通孔、33:段差部、34:上部、35:上段部、
36:下段部、37:凹部、41:LED素子、46:筒部材、47:接触部、
48:内壁、49:照射口、51:空間、57a,57b:端子、59:差込部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10