特許第6585901号(P6585901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 公立大学法人岩手県立大学の特許一覧

<>
  • 特許6585901-支援システム 図000002
  • 特許6585901-支援システム 図000003
  • 特許6585901-支援システム 図000004
  • 特許6585901-支援システム 図000005
  • 特許6585901-支援システム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585901
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】支援システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/30 20180101AFI20190919BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   G16H20/30
   A63B69/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-30264(P2015-30264)
(22)【出願日】2015年2月19日
(65)【公開番号】特開2016-151983(P2016-151983A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2018年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】507234427
【氏名又は名称】公立大学法人岩手県立大学
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100184262
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 義則
(72)【発明者】
【氏名】村田 嘉利
【審査官】 原 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−122628(JP,A)
【文献】 特開2002−191718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
A63B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支援サーバ装置と、該支援サーバ装置にアクセスし又はその制御下におかれる専門家用端末装置、トレーニー用端末装置及びオペレータ用端末装置と、を含む、支援システムであって、
前記支援サーバ装置が、
医師、理学療法士その他の専門家が作成するトレーニー毎のトレーニングプログラムを格納する格納手段と、
オペレータ用端末装置からのアクセスに応じて前記格納手段から、支援を受けるトレーニーのトレーニングプログラムに関する情報を取得し、前記オペレータ用端末装置を操作するオペレータに当該オペレータ用端末装置を経由して当該情報を出力し、オペレータの操作の入力を当該オペレータ用端末装置を経由して受けることによりトレーニングプログラムに沿ってトレーニー用端末装置に対して情報を送信することで、トレーニングを支援する支援手段と、
前記支援手段により支援を受ける当該トレーニーのトレーニングの状況をトレーニー毎に記録する記録手段と、
前記専門家用端末装置からのアクセスに応じて、前記格納手段から当該専門家用端末装置により編集するトレーニーのトレーニングプログラムを取得すると共に、前記記録手段によって記録されている当該トレーニーのトレーニング前後での強化したい部位の状態に関するデータを取得し、当該トレーニーのトレーニングプログラムを編集し、前記格納手段に格納する編集手段と、
前記支援手段により当該トレーニー用端末装置から当該トレーニーのトレーニング状況をモニターし、前記支援手段にアクセスした前記オペレータ用端末装置に出力するモニタリング手段と、
前記オペレータ用端末装置から前記モニタリング手段により出力されるトレーニング状況により、オペレータが専門家に伝達する必要があると判断したことを格納するメモ手段と、
前記オペレータ用端末装置と前記トレーニー用端末装置との間で送受信される情報を、オペレータ毎に格納するオペレータ属性データ格納手段と、
前記専門家用端末装置からのアクセスに応じて、前記オペレータ属性データ格納手段に格納されているデータを返して、該データから前記オペレータへの指導を支援するオペレータ支援手段と、
を備え
前記支援システムが、
第1フェーズとして、前記専門家による前記トレーニングプログラムの設定を行い、
第2フェーズとして、前記オペレータによる前記トレーニーへの前記トレーニングの支援を行い、
第3フェーズとして、前記トレーニーの前記トレーニング前後の状況の前記専門家へのフィードバックと、前記専門家によるトレーニングプログラムの編集と、を行い、
オプショナルなフェーズとして、前記専門家による前記オペレータへの助言と指導を行う、支援システム。
【請求項2】
前記支援手段は、当該トレーニー用端末装置を経由して計測機器を制御し、
前記記録手段は、当該トレーニーのトレーニングの前後での強化すべき部位の状態に関する計測結果をトレーニー毎に記録する、請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記計測機器は、前記トレーニーの体幹の前後方向の曲がり具合、横方向の曲がり及び捻じれに分解して表示する三次元撮影センサーである、請求項に記載の支援システム。
【請求項4】
前記三次元撮影センサーによる表示は、スケルトンモデルにより行われ、該スケルトンモデルは、顔、首、左肩、右肩、臍、左腰、右腰の7箇所で構成される、請求項に記載の支援システム。
【請求項5】
前記体幹の前後方向の曲がり具合、横方向の曲がり及び捻じれから前記トレーニーの患部における各関節の角度を測定する、請求項に記載の支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医者、理学療法士その他の専門家によるトレーニングプログラムをトレーニーに行わせる支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な支援システムにはTV電話機能が備わっており、利用者とオペレータとの間でビデオ回線によって接続している。また、リハビリテーションの支援ツールとして、インターネットを介した介護事業支援システム(特許文献1)、リハビリテーションにおける訓練管理のための分析システム(特許文献2)、装着式動作補助装置の動作補助システム(特許文献3)などが提案されている。
【0003】
リハビリテーションは病院やリハビリ施設で行われている。リハビリテーションは、医師や理学療法士などの専門家が作成したリハビリテーションプログラムに沿って、その専門家の付き添いの下で行われている。また、リハビリテーションは専門家が患者宅を訪れ、その専門家の下で行われる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−132945号公報
【特許文献2】特開2003−132147号公報
【特許文献3】特開2008−200512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のリハビリテーションでは患者が医師や理学療法士の下で行うため、患者が自主的にトレーニングできないなど効率的に行えない。またトレーニングプログラムの場合でも同様な課題がある。
【0006】
そこで本発明は、リハビリテーションプログラムなどのトレーニングプログラムに沿ってリハビリテーションなどのトレーニングを自主的に行える支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンセプトは以下のとおりである。
[1]支援サーバ装置と、該支援サーバ装置にアクセスし又はその制御下におかれる専門家用端末装置、トレーニー用端末装置及びオペレータ用端末装置と、を含む、支援システムであって、
前記支援サーバ装置が、
医師、理学療法士その他の専門家が作成するトレーニー毎のトレーニングプログラムを格納する格納手段と、
オペレータ用端末装置からのアクセスに応じて前記格納手段から、支援を受けるトレーニーのトレーニングプログラムに関する情報を取得し、前記オペレータ用端末装置を操作するオペレータに当該オペレータ用端末装置を経由して当該情報を出力し、オペレータの操作の入力を当該オペレータ用端末装置を経由して受けることによりトレーニングプログラムに沿ってトレーニー用端末装置に対して情報を送信することで、トレーニングを支援する支援手段と、
前記支援手段により支援を受ける当該トレーニーのトレーニングの状況をトレーニー毎に記録する記録手段と、
前記専門家用端末装置からのアクセスに応じて、前記格納手段から当該専門家用端末装置により編集するトレーニーのトレーニングプログラムを取得すると共に、前記記録手段によって記録されている当該トレーニーのトレーニング前後での強化したい部位の状態に関するデータを取得し、当該トレーニーのトレーニングプログラムを編集し、前記格納手段に格納する編集手段と、
前記支援手段により当該トレーニー用端末装置から当該トレーニーのトレーニング状況をモニターし、前記支援手段にアクセスした前記オペレータ用端末装置に出力するモニタリング手段と、
前記オペレータ用端末装置から前記モニタリング手段により出力されるトレーニング状況により、オペレータが専門家に伝達する必要があると判断したことを格納するメモ手段と、
前記オペレータ用端末装置と前記トレーニー用端末装置との間で送受信される情報を、オペレータ毎に格納するオペレータ属性データ格納手段と、
前記専門家用端末装置からのアクセスに応じて、前記オペレータ属性データ格納手段に格納されているデータを返して、該データから前記オペレータへの指導を支援するオペレータ支援手段と、
を備え
前記支援システムが、
第1フェーズとして、前記専門家による前記トレーニングプログラムの設定を行い、
第2フェーズとして、前記オペレータによる前記トレーニーへの前記トレーニングの支援を行い、
第3フェーズとして、前記トレーニーの前記トレーニング前後の状況の前記専門家へのフィードバックと、前記専門家によるトレーニングプログラムの編集と、を行い、
オプショナルなフェーズとして、前記専門家による前記オペレータへの助言と指導を行う、支援システム。
[2]前記支援手段は、当該トレーニー用端末装置を経由して計測機器を制御し、
前記記録手段は、当該トレーニーのトレーニングの前後での強化すべき部位の状態に関する計測結果をトレーニー毎に記録する、前記[1]に記載の支援システム。
[3]前記計測機器は、前記トレーニーの体幹の前後方向の曲がり具合、横方向の曲がり及び捻じれに分解して表示する三次元撮影センサーである、前記[2]に記載の支援システム。
[4]前記三次元撮影センサーによる表示は、スケルトンモデルにより行われ、該スケルトンモデルは、顔、首、左肩、右肩、臍、左腰、右腰の7箇所で構成される、前記[3]に記載の支援システム。
[5]前記体幹の前後方向の曲がり具合、横方向の曲がり及び捻じれから前記トレーニーの患部における各関節の角度を測定する、前記[3]に記載の支援システム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トレーニーが効率良くトレーニングを行うことができる。例えば、トレーニーが自主的に行うことができたり、トレーニング効果を定量的に分かったり、トレーニーのモチベーションの維持や向上を図ったりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る支援システムの概略を示す構成図である。
図2】本発明の一実施形態として、支援サーバ装置により各端末装置に表示する際に利用するスケルトンモデルである。
図3】前屈した状態を表示する際の可視化の例を示す図である。
図4】(a)(b)はそれぞれ体幹の傾きを表示する際の可視化の例を示す図である。
図5】(a)(b)はそれぞれ体幹の捻じれを表示する際の可視化の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(支援システムの全体構成)
本発明の実施形態に係る支援システムは、図面を参照して説明するものに限られることなく、ICT(Information Communication Technology)に関する技術進歩や、適用される社会や制度に応じて適宜変更されるものも含まれる。
【0011】
本発明の実施形態に係る支援システム1は、図1に示すように、支援サーバ装置10を備えており、支援システム1自体を支援装置と呼んでもよい。支援システム1は、支援サーバ装置10にアクセスし又はその制御下におかれる各種端末装置20を含んでもよい。支援サーバ装置10は、一か所に設置される形態だけでなく、複数箇所に分散配置される形態であってもよい。
【0012】
各種端末装置20には、専門家用端末装置21、トレーニー用端末装置としての患者用端末装置22、オペレータ用端末装置23の少なくとも何れかを含んでいる。何れの端末装置20も一台又は二台以上支援サーバ装置10に接続される。端末装置20は、汎用性のあるコンピュータに支援システム1から提供されるソフトウェア(アプリケーションを含む)を搭載することにより、実現されてもよい。
【0013】
専門家用端末装置21は、医師、理学療法士その他の専門家が使用する端末装置である。ここでいう専門家とは、トレーニングプログラムなどのリハビリテーションプログラムの作成・変更等の編集作業を行うものであり、専門家は、理学療法士の他、作業療法士、義肢装具士、医療ソーシャルワーカー(医療相談部)などであってもよい。専門家はトレーニーとしての患者にトレーニングプログラムとしてのリハビリテーションプログラムを提供する者である。ここで、リハビリテーションとは、能力低下やその状態を改善し障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段というような、障害者が環境に適応するための訓練を行う狭い意味だけではない。リハビリテーションとは、身体的、精神的、かつまた社会的に最も適した機能水準の達成を可能とすることによって、各個人がみずからの人生を変革していくための手段を提供していくことをめざし、かつ時間を限定したプロセスという広い意味を含む。さらに、トレーニングとは、上記のようなリハビリテーションのみならず、トレーニーが欲しい肉体的又は精神的な向上を求めるためのトレーニーの行為を指す。
【0014】
トレーニー用端末装置はトレーニングを行うトレーニーが使用する端末装置である。トレーニー用端末装置としての患者用端末装置22は、リハビリテーションを行う患者、家族、付添人やそれに類する者(以下、「患者等」という。)が使用する端末装置である。患者用端末装置22は、例えば患者の自宅に設置され、患者等が起動、終了等を行え、簡単なプログラムやアプリケーションを実行できるものであればよい。
【0015】
オペレータ用端末装置23は、専門家ではなく、トレーニーがトレーニングを行うに当たってサポートするためのスタッフが使用する端末装置であり、特にリハビリテーション支援の場合には、患者がリハビリテーションを行うに当たってサポートするスタッフが使用する端末装置である。
【0016】
支援サーバ装置10と各端末装置20との間は、各種の情報通信ネットワークによって接続される。情報通信ネットワークの種別は問わない。
【0017】
支援サーバ装置10、各種端末装置20は、何れも、各種プログラムやアプリケーション(以下「プログラム」と呼ぶ。)を格納する記憶部、記憶部からのプログラムを読み出して実行する演算処理部、情報通信ネットワークに接続される通信部と、を備える。各種端末装置は、キーボード、ポインティングデバイス、マイクに例示される入力部、モニターやスピーカーに例示される出力部を備える。入力部は、端末装置20を使用する患者、専門家、オペレータのそれぞれの音声などの入力を受け付けるインターフェースを備えている。出力部は、当該端末装置を使用するトレーニーとしての患者、専門家、オペレータに対して音や画面表示として出力するインターフェースを備えている。
【0018】
(支援サーバ装置の基本形態)
支援サーバ装置10は、図1に示すように、格納手段11、支援手段12、記録手段13を備える。以下では、トレーニング支援として特に患者がリハビリテーションを行う際の支援の場合について説明するが、トレーナーがトレーニングを行う際の支援についても同様に適用することができる。
【0019】
格納手段11は、医師、理学療法士その他の専門家が作成するトレーニー毎のトレーニングプログラムを格納する。リハビリテーション支援を想定すると、格納手段11は患者毎のリハビリテーションプログラムを格納する。リハビリテーションプログラムは、例えばリハビリメニューを構成する項目から選択され、患部のレベル、リハビリテーションの進捗度合いなどに基づいて、各項目のレベルに応じて、患者毎に設定されるものである。よって、患者毎に、疾患状況毎に、項目の順列等により設定される。
【0020】
支援手段12は、オペレータ用端末装置23からのアクセスに応じて格納手段11から、当該オペレータ用端末装置23により支援を受けるトレーニーのトレーニングプログラムに関する情報を取得する。リハビリテーション支援では支援手段12は患者のリハビリテーションプログラムに関する情報を取得する。そして、支援手段12は、オペレータ用端末装置23を操作するオペレータに対して、オペレータ用端末装置23を経由して当該情報を表示する。支援手段12は、オペレータの操作の入力を、オペレータ用端末装置23を経由して受け付け、トレーニングプログラムに沿ってトレーニー用端末装置に対してオペレータの操作入力に従った情報を送信する。リハビリテーションの場合では、リハビリテーションプログラムに沿って患者用端末装置22に対してオペレータの操作入力に従った情報を送信する。これにより、支援手段12はトレーニングとしてのリハビリテーションを支援する。
【0021】
記録手段13は、支援手段12により支援を受けるトレーニーとしての当該患者のリハビリテーションの状況を患者毎のデータベース17に記録する。
【0022】
支援サーバ装置10が、格納手段11、支援手段12及び記録手段13を備えることにより、患者はオペレータの下で、リハビリテーションを自ら主体的にすることができる。すなわち、専門家が、専門家用端末装置21を用いて患者の現状に応じたリハビリテーションプログラムを設定して格納手段11に格納しておく。患者は患者用端末装置22を使用し、オペレータはオペレータ用端末装置23を使用する。支援サーバ装置10は、オペレータ用端末装置23からのアクセスに応じて格納手段11から当該患者のリハビリテーションプログラムに関する情報を取得し、オペレータ用端末装置23に送信する、オペレータ用端末装置23は、支援サーバ装置10から受信したリハビリテーションプログラムに関する情報をオペレータに表示等の出力をする。よって、オペレータは、オペレータ用端末装置23から、支援手段12によって、リハビリテーションプログラムに則りリハビリレーションをするように、発話、静止画や動画などの各種画像データをその患者の患者用端末装置22に対して出力して、患者へリハビリテーションを勧めることができる。患者は辛くなってもオペレータが肉声によって励ますことによりリハビリテーションを持続的に行える。よって、患者は専門家が不在であってもオペレータが指示する手順に従ってリハビリテーションを行える。患者の数が複数になっても、さらには患者が多くなって専門家が足りなくなっても、オペレータの協力の下でリハビリテーションを効率的に行える。健康保険などの保険制度によってリハビリ回数が制限されて患者が主体的にリハビリテーションに対して消極的にならずに、患者は自ら主体的にリハビリテーションをすることができる。よって、経費削減、患者の金銭的な負担軽減も図ることができる。
【0023】
本発明の実施形態では、さらに、支援手段12によりオペレータが患者にリハビリテーションを行わせる前後の間で、記録手段13が、患者用端末装置22を経由して当該患者のリハビリテーションの状況を患者毎のデータベース17に記録する。よって、オペレータによりリハビリテーションの前後でリハビリにより患部の状態が良くなったか否かなどに関して簡単な基準を予め設定しておけば、オペレータから患者にリハビリテーションの効果についてリアルタイムで伝達することができる。これにより、リハビリテーションの実効性をより高めることができる。
【0024】
(支援システムの好ましい形態)
好ましい形態にあっては、患者用端末装置22には計測機器22aが接続されており、支援手段12からのコマンドに応じて患者用端末装置22を経由して計測機器22aを制御する。計測機器22aとしては、例えば、三次元撮影センサなどが挙げられる。そのセンサは、赤外線カメラを搭載しており、赤外線カメラで患者の患部を投影した状態で患部を撮影し、三角測量により画像上の各点の距離や深さを計測するためのデバイスである。患者用端末装置22や支援サーバ装置10内に格納されている計測プログラムにより、計測プログラム中のフローに沿って計測機器22aからセンサからのデータを取得し、患部の計測画像データ、患部の各部の位置や所定の部間距離を計測することができる。よって、患者のリハビリテーションの前後での患部の状態を計測し、この計測されたデータ等の情報がデータベース17に記録される。これにより、患部といった強化したい部位がリハビリテーションによってどの程度強化されたかを、オペレータや患者は知ることができる。
【0025】
このような形態にあっては、オペレータ用端末装置23からオペレータの操作により患者用端末装置22を経由して計測機器22aを制御し、記録手段13がデータベース17に計測結果を患者毎に記録する。そのため、オペレータによるリハビリテーションの前後の患者の状況をデータベース化することができる。専門家用端末装置21からデータベース17において当該患者をサーチすることにより、専門家はリハビリテーションの状況を把握することができる。よって、トレーニング効果を定量的に把握することができ、患者のトレーニングのモチベーションの維持や向上を図ることができる。
【0026】
さらに別の好ましい形態にあっては、支援サーバ装置10は、編集手段14を備える。編集手段14は、専門家用端末装置21からのアクセスに応じて開始される手段であり、専門家用端末装置21から必要な患者コードなどのデータを受けて格納手段11からリハビリテーションプログラムに関する情報を取得し、専門家用端末装置21に対してそのプログラムに関する情報を表示する。また、患者コードなどのデータからその患者のデータベース17からトレーニング前後での患部の状態に関するデータを取得して、専門家用端末装置21に出力する。すると、専門家用端末装置21は、取得したデータをモニターに表示し、専門家の操作入力を受けてリハビリテーション前後での患部の状態に関するデータからリハビリテーションプログラムを編集し、格納手段11に格納する。
【0027】
このような形態にあっては、専門家用端末装置21から専門家がリハビリテーションプログラムを編集することができる。その際、記録手段13により、リハビリテーションの前後の状態の結果をデータベース17から参照することで、患者の状況に応じてプログラムを変更することができる。よって、リハビリテーションを効率的に支援することができる。
【0028】
支援サーバ装置10は、モニタリング手段15及びメモ手段16を備えてもよい。
モニタリング手段15は、支援手段12により当該患者用端末装置22から当該患者のトレーニング状況をモニターし、支援手段12にアクセスしたオペレータ用端末装置23に出力する。オペレータ用端末装置23は患者用端末装置22から支援サーバ装置10に送信された静止画、動画を表示すると共に、患者用端末装置22から支援サーバ装置10へ送信される音データを出力する。
メモ手段16は、モニタリング手段15にてオペレータ用端末装置23から表示されるトレーニング状況により、オペレータが専門家に伝達する必要があると判断した事項を格納する。
【0029】
このような形態にあっては、モニタリング手段15によりオペレータ用端末装置23からオペレータに対して、患者のリハビリテーションの状況を伝達することができ、支援手段12により患者のそのときの状況に応じてリハビリテーションを促したり、患者の様子によってリハビリテーションを中止するように促したりすることができる。さらに、オペレータがメモ手段16を用いて専門家に伝達する必要があると判断したときに、専門家にその内容のメモを残すことができる。よって、専門家は、自分が作成したリハビリテーションプログラムをより適切に修正することができる。
【0030】
別の好ましい形態にあっては、支援サーバ装置10は、オペレータ属性データ格納手段18とオペレータ支援手段19を備える。オペレータ属性データ格納手段18は、オペレータ用端末装置23と患者用端末装置22との間で送受信される情報を、オペレータ毎に格納する。送受信される情報には、患者のリハビリテーション中に、患者の画像データが含まれ、患者やオペレータの音声データが含まれる。
オペレータ支援手段19は、専門家用端末装置21からのアクセスに応じて、オペレータ属性データ格納手段18に格納されている画像データや音声データを返して、専門家用端末装置21が返信データを出力することにより、オペレータへの指導を支援する。
【0031】
支援手段12によりオペレータ用端末装置23と患者用端末装置22との間で各種情報が送受信可能になると、オペレータ属性データ格納手段18は、オペレータ用端末装置23に接続されたカメラやマイクなどのセンサから画像データや音声データを、オペレータ毎に、それらのデータを格納する。その際、患者毎のそれらのデータは、記録手段13によってデータベース17に格納されてもよい。よって、オペレータ支援手段19は、オペレータ用端末装置23と患者用端末装置22との間で送受信されるデータのうち画像データや音声データを、オペレータ属性データ格納手段18、データベース17、格納手段11などから、専門家用端末装置21からのアクセス要求に応じて返答し、専門家用端末装置21から専門家に出力される。
【0032】
したがって、このような形態にあっては、専門家は、専門家用端末装置21から、オペレータと患者との間での会話の状況、オペレートの状況を知ることができるので、これにより、オペレータに対してリハビリテーションのオペレートに関して指導することができる。指導には各種メールなどのデータ送受信方法のみならず、専門家がオペレータに対して面と向かって指導するようにしてもよい。
【0033】
(支援方法)
図1に示す支援システム1を用いた支援方法について詳細に説明する。
支援システム1を用いた支援方法は、大きく、次のように分かれる。
第1フェーズ:専門家によるトレーニングプログラムの設定
第2フェーズ:オペレータによるトレーニーへのトレーニングの支援
第3フェーズ:トレーニーのトレーニング前後の状況の専門家へのフィードバックと、専門家によるトレーニングプログラムの編集
さらに、次の付加的な要素がある。
オプショナルなフェーズ:専門家によるオペレータへの助言指導
【0034】
以下では、トレーニングプログラムとしてリハビリテーションプログラムを例にとり、専門家としての医者、理学療法士、その他医療従事者が、トレーニーとしての患者にリハビリテーションを促し、効率良く支援する形態について説明する。
【0035】
[第1フェーズ:専門家によるリハビリテーションプログラムの設定]
専門家用端末装置21は、専門家による入力操作に応じて、支援サーバ装置10にアクセスし、支援手段12から患者のプロフィール、患部等の状況の送信要求をする。支援手段12は、専門家用端末装置21から支援要求を受けると、当該送信要求と共に送信された当該患者のコードから、例えば格納手段11、データベース17などに格納されている患者のプロフィール、患部等の状況などに関する情報をサーチして、当該専門家用端末装置21に返信する。
【0036】
専門家用端末装置21は、支援手段12から返信された情報に基づいて、モニターへの表示などにより出力する。すると、専門家は、専門家用端末装置21に対して、当該患者に応じてリハビリテーションプログラムを、専門家用端末装置21に入力する。その際、オペレータへのリハビリテーションプログラムの支援の際の留意事項をリハビリテーションプログラム中に付加したり備考として付加したりする。
【0037】
その後、専門家用端末装置21は、これらの入力されたリハビリテーションプログラムを支援手段12に送信する。支援手段12は、受信したリハビリテーションプログラムに関する情報を格納手段11の当該患者の領域に格納する。
【0038】
なお、格納手段11は、疾患別に一般的なリハビリテーションメニューを格納しており、専門家用端末装置21からの専門家による操作入力により、当該患者の疾患に応じて専門家が該当項目を選択したり項目を追加したりすることにより、格納手段11に格納されている当該患者のリハビリテーションプログラムを設定してもよい。
【0039】
[第2フェーズ:オペレータによるトレーニーへのトレーニングの支援]
オペレータは、オペレータ用端末装置23から支援サーバ装置10にアクセスし、患者は、患者用端末装置22から支援サーバ装置10にアクセスし、オペレータ用端末装置23と患者用端末装置22とが支援サーバ装置10を経由してそれぞれの状況を双方向に伝達可能な状態になる。その手段については、支援サーバ装置10だけでなく、各種の電話端末を利用してもよい。また、双方向に伝達するための手段は既に公開されている手段でよく、公開鍵暗号等によるセキュリティを確保してもよい。
【0040】
支援サーバ装置10は、患者用端末装置22とオペレータ用端末装置23との間で双方向に伝達可能な状態になると、支援手段12によって、格納手段11から当該患者のリハビリテーションプログラムに関する情報を取得しオペレータ用端末装置23に送信する。その際、支援手段12は、患者用端末装置22において表示等される情報があれば患者用端末装置22にも送信してもよい。
【0041】
オペレータ用端末装置23は、支援サーバ装置10から受信した情報に基づいて、オペレータに対し、リハビリテーションプログラムに則り患者がすべきリハビリテーションの内容をイラストなどの画像データ、文字等の表示などの出力をする。すると、オペレータは、出力された情報に基づいて、オペレータ用端末装置23にリハビリテーションの内容を患者の動きとタイミングをとって入力する。オペレータ用端末装置23は、入力操作に従い、支援手段12は、患者用端末装置22に対してそれに対応した情報等を送信し、オペレータの入力に対応した出力をする。
【0042】
よって、支援手段12によりオペレータ用端末装置23と患者用端末装置22とを経由して、オペレータから患者に対して、オペレータによるリハビリテーションプログラムに則ってリハビリテーションを促すことできる。
【0043】
さらに、モニタリング手段15は、患者用端末装置22から、患者のリハビリテーションの状況の映像や音をキャッチして、オペレータ用端末装置23に送信する。オペレータ用端末装置23は送信された映像や音をオペレータに出力する。よって、患者とオペレータが隔離された、例えば互いに遠隔の地にあっても、患者はリハビリの状況をオペレータに伝達することができ、逆に、オペレータは患者のリハビリの状況を把握することができる。したがって、オペレータは患者がリハビリテーションを中止しようとすると、そのリハビリテーションの状況に応じてリハビリを中止してもらうよう促したり、逆にその状況からリハビリを促すようにしたりすることもできる。特に、ヒトの音声による励ましは患者を勇気づけることになるので有効となる。
【0044】
支援サーバ装置10において、通常、支援手段12によって、患者用端末装置22とオペレータ用端末装置23の間をリアルタイムで中継する。支援手段12は、専門家用端末装置21から支援サーバ装置10へのアクセスに応じて、このリアルタイムによる中継状況を専門家用端末装置21を経由して専門家にもシエアしてもよい。
【0045】
支援手段12は、専門家用端末装置21には、患者用端末装置22での患者への出力情報、オペレータ用端末装置23でのオペレータへの出力情報の一方又は双方を、画面に映し出すことができる。これにより、支援手段12は、専門家用端末装置21からの患者用端末装置22に対して患者への指示をしてもよく、専門家による適切なリハビリテーション支援を可能にする。支援手段12は、専門家用端末装置21からオペレータ用端末装置23に対してオペレータへの指示をしてもよく、リハビリテーション支援に関してオペレータへ適切な指導を可能にする。
【0046】
モニタリング手段15には、リアルタイムでの画像、音について共有するだけでなく、例えば、オペレータ用端末装置23からの操作によって、静止画又は動画として記録するようにしてもよい。オペレータの操作により患者用端末装置22のカメラシャッタを制御して患者のリハビリテーションの状況を写真撮影、録画、録音してもよい。モニタリング手段は、このように写真撮影、録画、録音した情報を、データベース17に格納する。
【0047】
オペレータ用端末装置23は、オペレータから、専門家にリハビリテーションの状況を伝達する必要があると判断した事項として入力された情報等については、二次データとして、支援サーバ装置10に送信し、メモ手段16と連携して、データベース17等に格納する。
【0048】
このように、支援サーバ装置10には、モニタリング手段15によって、リハビリテーションの状況が一次データとして記録され、さらに、オペレータによって二次データが記録される。
【0049】
以上のように、支援手段12は、オペレータに対してオペレータ用端末装置23を介在したオペレータの操作に従って、患者に対してリハビリテーションプログラムに則ってリハビリテーションの動作を指示させることができる。また、支援手段12は、患者に対して患者用端末装置22を介在してリハビリテーションに関する助言や指導を適切に行うことができる。また、支援サーバ装置10は、患者用端末装置22によって、リハビリテーションの状況をリアルタイムでオペレータに伝達し、オペレータはその状況に応じて適切な助言をすることができる。
【0050】
また第2フェーズでは、第3フェーズにおいて患者のリハビリテーション前後の状況を専門家へフィードバックすることができるように、支援手段12の下で、モニタリング手段15によって患者用端末装置22とオペレータ用端末装置23との間で送受信されたデータや情報は、オペレータ用端末装置23を経由したオペレータの操作により、データベース17に格納される。さらに、メモ手段16によって、オペレータ用端末装置23からリハビリテーション状況で専門家に伝達が必要と判断された情報は、書き留められたり音として入力されたりすることによって、データベース17に付加的に格納される。これらのデータや情報は、第3フェーズにおいて利用される。
【0051】
また、第2フェーズでは、オプショナルなフェーズにおいて、専門家によるオペレータへの指導・助言ができるように、オペレータ属性データ格納手段18は、患者用端末装置22とオペレータ用端末装置23との間が支援サーバ装置10で中継されている際にその両者間で送受信される情報を、画像データや音データを含めてオペレータ毎に、格納しておく。
【0052】
[第3フェーズ:専門家によるトレーニングプログラムの編集]
オペレータによるオペレータ用端末装置23により患者用端末装置22を介在したリハビリテーションの支援の後、専門家用端末装置21から患者のリハビリテーションの状況を確認し、リハビリテーションプログラムを編集することができる。
【0053】
患者用端末装置22とオペレータ用端末装置23との間で双方向による伝達が可能な状態が解除された状態であっても、専門家用端末装置21から支援サーバ装置20にアクセスされる。支援サーバ装置20において編集手段14は、当該アクセスの際に送信された患者のコードに基づいて、データベース17からリハビリテーションの状況に関する情報やデータをサーチして取得し、また、格納手段11から当該患者のリハビリテーションプログラムに関する情報を取得する。その上で、編集手段14は、当該専門家用端末装置21に返信する。すると、専門家用端末装置21は、その返信された情報やデータを出力する。その際、メモ手段16による当該患者のリハビリテーションの際のオペレータからの伝達情報についても出力する。これにより、専門家は、当該患者に対するリハビリテーションの現状を把握し、その患者の現状にマッチしたリハビリテーションプログラムを専門家用端末装置21に入力する。専門家用端末装置21は、入力されたリハビリテーションプログラムに応じて、格納手段11に格納されている当該患者のリハビリテーションプログラムを更新する。
【0054】
[オプショナルフェーズ:専門家によるオペレータへの助言指導]
患者用端末装置22とオペレータ用端末装置23との間で双方向による伝達が可能な状態が解除された状態であっても、専門家用端末装置21から支援サーバ装置20にアクセスされる。支援サーバ装置20において、オペレータ支援手段19が、専門家用端末装置21から送信されたオペレータのコードをもとにして、当該コードで格納している情報、つまり、患者用端末装置22とオペレータ用端末装置23との間が支援サーバ装置10で中継されている際にその両者間で送受信される情報を、場合によっては画像データや音データを含めてオペレータ属性データ格納手段18からサーチして、専門家用端末装置21に返信する。返信を受けた専門家用端末装置21は、画面やスピーカーからその返信された情報を出力する。専門家はその出力された情報をベースに、オペレータ毎に、リハビリテーションに必要な知識やスキルの習得を助言することができる。よって、オペレータへの指導を支援することができる。
【0055】
以上、支援システム1により、専門家と患者との間でなされているリハビリテーションの一部を専門家が立ち会うことなく、オペレータによって患者に対してリハビリテーションが行える。
【0056】
ここで、トレーニングとしてのリハビリテーションが必要な患者として、一例として脳血管疾患系の患者を対象とする場合、どのようなリハビリテーションの前後での状況を計測機器22aを用いて計測すればよいか、説明する。能血管疾患はリハビリテーションが必要となる患者として運動疾患系の次に多く、リハビリテーション期間が最も長く、能血管疾患による障害として、身体の片側に麻痺が生じることが多く、その結果、麻痺している側に身体が歪んでしまう症状が生じやすい。このような歪み状態の計測において、比較的安価でかつ容易に身体の歪みを測定することができる場合を説明する。
【0057】
このような患者では身体が傾いており、さらに捻じれが加わった状態で歪み状態を計測することは素人では難しい。以下では、体幹の傾きや捻じれ、前屈状態を計測することを念頭に説明する。体幹の前後方向の曲がり(前屈)具合、横方向の曲がり(傾き)、及び捻じれに分解して表示する。カメラ撮影によるデータを患者用端末装置22から支援サーバ装置10に送信し、オペレータ用端末装置23に画像として表示する。
【0058】
図2は、本発明の一実施形態として支援サーバ装置10により各端末装置20に表示する際に利用されるスケルトンモデルである。スケルトンモデルは、顔、首、左肩、右肩、臍、左腰、右腰の7箇所で構成される。前屈具合については7箇所だけでなく、首と臍との間を複数、例えば4分割する分割点も加えることができる。
【0059】
計測機器22a、患者用端末装置22及び支援手段12の何れかにおいて、測定機器22aに搭載したカメラによる撮影された画像データに基づいて、スケルトンモデルの各箇所の位置が求められる。
【0060】
各端末装置20に表示する際には、例えば次のようにすることができる。
前屈した状態を表示するには、計測機器22aに対する左右方向をX軸とし、上下方向をY軸とし、前後方向をZ軸として、図3に示すように、ZY平面に首、臍とその間の3点で示すことができる。
体幹の傾きを表示するには、図4(a)に示すように、XY平面に、臍と両肩を結ぶ三角形と、臍と両腰を結ぶ三角形とで示す場合と、図4(b)に示すように、XY平面に、両肩の線と両腰の線の各中心を原点として表示する場合と、が考えられる。
体幹の捻じれを表示するには、両肩を結ぶ線と両腰を結ぶ線をXZ平面、つまり、頭上から見下ろす形で、図5(a)に示すように、臍を原点として計測機器22aからの相対位置を表示する場合と、図5(b)に示すように、各線からの中点を原点として表示する場合と、が考えられる。
【0061】
前屈状態、体幹の傾き、体幹の捻じれをそれぞれ計測するためには、それぞれのアプリケーションを、計測機器22a又は患者用端末装置22に搭載すればよい。そして、オペレータ用端末装置23から支援サーバ装置10の支援手段12を経由して患者用端末装置22に対して、オペレータから肉声により、計測機器22aに対する体の向きや姿勢などを指示することができ、オペレータが遠隔の地にあっても、リハビリテーションの前後における患部の状態を計測することができる。また、オペレータは患者の画像や映像を各端末装置20及び支援サーバ装置10を経由して入手することができるので、患部における各関節の角度を測定することも容易となる。
【0062】
患者用端末装置22とオペレータ用端末装置23とには、計測機器22aによって、その撮影すべき患者の画像データが表示しておけば、オペレータ用端末装置23において表示されている画像データに対してポインティングデバイスにより或る部位を指し示すことによって、患者用端末装置22にもその指し示された部位を矢印などの目印を表示することができ、このような遠隔マーキングツールを用いて、音声のみならず、画像を用いてリハビリテーションを支援することができる。
【0063】
本発明の実施形態に係る支援システムによれば、リハビリテーションを含むトレーニングの際、トレーニーとして一人の患者に対して一人の専門家が常に付き添う必要がなく、オペレータが映像や音声を通じて、複数の患者に対して一人のオペレータで対処することができ、人的な資源を有効に活用し、専門家の人材不足、過疎地域でのトレーニング等を効率良く、適切に行える。
【0064】
各端末装置20同士は、静止画、動画等の画像データ、肉声などの音データを双方向にやり取りするため、オペレータは、医師等の専門家が作成したリハビリテーションプログラムなどのトレーニングプログラムに則り、患者のトレーニングなどのリハビリテーションを支援することができる。即ち、個々のトレーニングについて、オペレータがトレーニングの仕方について説明することができ、トレーニング前の状態に応じてまたトレーニング中の状態を見ながら適切にトレーニングを進めることができる。さらに、オペレータによって、患者などのトレーニーに対してトレーニングの仕方を音声や画像で説明したりするだけでなく、トレーニーが挫けそうになったら音声で励ましたり、またイラスト等を用いて不快感を取り除いたりすることができる。
【符号の説明】
【0065】
1;支援システム
10:支援サーバ装置
11:格納手段
12:支援手段
13:記録手段
14:編集手段
15:モニタリング手段
16:メモ手段
17:データベース
18:オペレータ属性データ格納手段
19:オペレータ支援手段
20:端末装置
21:専門家用端末装置
22:患者用端末装置(トレーニー用端末装置)
22a:計測機器
23:オペレータ用端末装置
図1
図2
図3
図4
図5