(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585917
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】電気モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/34 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
H02K3/34 B
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-88447(P2015-88447)
(22)【出願日】2015年4月23日
(65)【公開番号】特開2015-211635(P2015-211635A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2018年2月22日
(31)【優先権主張番号】201410166063.4
(32)【優先日】2014年4月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェ チャイ
(72)【発明者】
【氏名】サン ユアン シャオ
【審査官】
三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−055098(JP,A)
【文献】
特開平10−271734(JP,A)
【文献】
特開2003−224948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、該ステータに対して回転自在なロータとを有する電気モータであって、前記ステータは、
ヨークと、該ヨークから内向きに延びる複数の歯と、複数の巻線通路とを含むステータコアを備え、前記歯の各々は、基部と、該基部の端部から円周方向逆向きに延びる2つのアーム部分とを含み、前記巻線通路の各々は、隣接する歯の対の間に形成されて、該隣接する歯の2つのアーム部分の間に巻線開口部を有し、前記ステータは、
前記歯の前記基部の周囲に巻き付けられて前記巻線通路内に収容されるステータ巻線と、
前記ステータコアの第1の軸端部上に組み立てられた第1の絶縁フレームと、
前記ステータコアの第2の軸端部上に組み立てられた第2の絶縁フレームと、
前記第1の絶縁フレームと前記第2の絶縁フレームとの間に延び、各々が前記巻線開口部に隣接する前記巻線通路の内面に沿って延びる2つの側部を有し、対応する巻線通路に嵌め込まれて前記ステータ巻線を前記ステータコアから絶縁するように構成された複数の第1の絶縁要素と、
前記第1の絶縁フレームと前記第2の絶縁フレームとの間に延び、各々が対応する前記巻線開口部を横切って延びるとともに、前記第1の絶縁要素と対応する前記歯のそれぞれの前記アーム部分との間に配置された2つの側部を有する複数の第2の絶縁要素と、
をさらに備え、
前記第1の絶縁フレームは、それぞれが前記歯の第1の軸端部を覆う複数の第1の絶縁アームを備え、前記第2の絶縁フレームは、それぞれが前記歯の第2の軸端部を覆う複数の第2の絶縁アームを備え、各第1の絶縁アームは、該第1の絶縁アームの端部から円周方向逆向きに延びる2つの第1のタブを備え、各第1のタブは、前記ステータコアの前記ヨークに面する傾斜面を形成し、該傾斜面は、前記ステータコアの前記ヨークに隣接する端部を含み、前記第1の絶縁要素は、前記傾斜面の前記端部に当接して、前記第1の絶縁要素と前記第1のタブの表面との間に前記第2の絶縁要素を挿入するためのスロットを形成することを特徴とする電気モータ。
【請求項2】
前記傾斜面は、前記ステータコアの前記ヨークに面する前記第1のタブの表面に形成された突起部によって形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記突起部の直径は、半径方向内端から半径方向外端に向かう方向に徐々に減少する、ことを特徴とする請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記突起部は、プリズム、ピラミッド、円錐、円錐台、半球、気泡又はこれらの組み合わせから成る群から選択された形状を有する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のモータ。
【請求項5】
各第1の絶縁アームは、該第1の絶縁アームの端部から円周方向逆向きに延びる2つの第2のタブをさらに備え、該第2のタブは、前記第1のタブよりも前記ステータコアの半径方向外面に近く、前記第2のタブは、前記第1のタブと協働して、前記第2の絶縁要素を挿入するためのスロットを形成する、
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のモータ。
【請求項6】
前記第2のタブは、前記第1のタブから前記ステータコアの軸方向及び半径方向にオフセットされる、
ことを特徴とする請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
各第2の絶縁アームは、該第2の絶縁アームの端部から円周方向逆向きに延びる2つの第3のタブを備え、各第3のタブは、前記第2の絶縁要素の半径方向面に当接する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項8】
各第3のタブは、該第3のタブの端部から半径方向に延びて対応する前記第2の絶縁要素の軸端部を支持する制限要素を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載のモータ。
【請求項9】
エンドキャップによって閉じられた閉鎖端及び開放端を有するハウジングをさらに備え、前記ステータコアは前記ハウジングに適合し、前記ロータは、前記エンドキャップと前記ハウジングの前記閉鎖端とに装着されたベアリングによって前記ハウジングに取り付けられたシャフトを有する、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項10】
前記ステータ巻線は、各々が前記ステータコアの対応する単一の歯の周囲に巻き付けられた複数のコイルを含む、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータに関し、具体的には、電気モータのためのステータアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なブラシレスモータは、ステータコア、ステータ巻線、ロータなどを有する。ステータコアは、リングヨーク、及びこのリングヨークから内向きに延びる複数の歯を含む。隣接する歯間には、巻線通路が形成される。ステータ巻線は、歯の周囲に巻かれて巻線通路内に配置される。
【0003】
ステータ巻線をステータコアから絶縁するために、ステータは2つの絶縁フレームをさらに含む。この2つの絶縁フレームは、ステータコア上に組み立てられてステータコアの軸端部を覆い、これによってステータコアの2つの軸端部を絶縁する。さらに、巻線通路の内面をステータ巻線から絶縁するために、巻線通路の内面を覆うように複数の絶縁紙が備えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来の構造では、重要な絶縁安全手段であるステータ巻線とステータコアとの間の沿面距離が増加せず、従ってステータ巻線とステータコアの間の絶縁性は改善されていない。
【0005】
従って、改善された沿面距離を有するステータアセンブリを備えた電気モータに対する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明は、その1つの態様において、ステータと、このステータに対して回転自在なロータとを有する電気モータであって、ステータが、ヨークと、このヨークから内向きに延びる複数の歯と、複数の巻線通路とを含むステータコアを備え、歯の各々は、基部と、この基部の端部から円周方向逆向きに延びる2つのアーム部分とを含み、巻線通路の各々は、隣接する歯の対の間に形成されて、これらの隣接する歯の2つのアーム部分の間に巻線開口部を有し、上記ステータが、歯の基部の周囲に巻き付けられて巻線通路内に収容されるステータ巻線と、ステータコアの第1の軸端部上に組み立てられた第1の絶縁フレームと、ステータコアの第2の軸端部上に組み立てられた第2の絶縁フレームと、第1の絶縁フレームと第2の絶縁フレームとの間に延び、各々が巻線開口部に隣接する巻線通路の内面に沿って延びる2つの側部を有し、対応する巻線通路に嵌め込まれてステータ巻線をステータコアから絶縁するように構成された複数の第1の絶縁要素と、第1の絶縁フレームと第2の絶縁フレームとの間に延び、各々が対応する巻線開口部を横切って延びるとともに、第1の絶縁要素と対応する歯のそれぞれのアーム部分との間に配置された2つの側部を有する複数の第2の絶縁要素と、をさらに備える電気モータを提供する。
【0007】
第1の絶縁フレームは、それぞれが歯の第1の軸端部を覆う複数の第1の絶縁アームを備え、第2の絶縁フレームは、それぞれが歯の第2の軸端部を覆う複数の第2の絶縁アームを備え、各第1の絶縁アームは、その端部から円周方向逆向きに延びる2つの第1のタブを備え、各第1のタブは、ステータコアのヨークに面する傾斜面を形成し、この傾斜面は、ステータコアのヨークに隣接する端部を含み、第1の絶縁要素は、傾斜面の端部に当接して、第1の絶縁要素と第1のタブの表面との間に第2の絶縁要素を挿入するためのスロットを形成することが好ましい。
【0008】
傾斜面は、ステータコアのヨークに面する第1のタブの表面に形成された突起部によって形成されることが好ましい。
【0009】
突起部の直径は、半径方向内端から半径方向外端に向かう方向に徐々に減少することが好ましい。
【0010】
突起部は、プリズム、ピラミッド、円錐、円錐台、半球、気泡又はこれらの組み合わせから成る群から選択された形状を有することが好ましい。
【0011】
第1の絶縁アームは、その端部から円周方向逆向きに延びる2つの第2のタブをさらに備え、この第2のタブは、第1のタブよりもステータコアの半径方向外面に近く、第2のタブは、第1のタブと協働して、第2の絶縁要素を挿入するためのスロットを形成することが好ましい。
【0012】
第2のタブは、第1のタブからステータコアの軸方向及び半径方向にオフセットされることが好ましい。
【0013】
各第2の絶縁アームは、その端部から円周方向逆向きに延びる2つの第3のタブを備え、各第3のタブは、第2の絶縁要素の半径方向面に当接することが好ましい。
【0014】
各第3のタブは、その端部から半径方向に延びて対応する第2の絶縁要素の軸端部を支持する制限要素を含むことが好ましい。
【0015】
このモータは、エンドキャップによって閉じられた閉鎖端及び開放端を有するハウジングをさらに備え、ステータコアはハウジングに適合し、ロータは、エンドキャップとハウジングの閉鎖端とに装着されたベアリングによってハウジングに取り付けられたシャフトを有することが好ましい。
【0016】
ステータ巻線は、各々がステータコアの対応する単一の歯の周囲に巻き付けられた複数のコイルを含むことが好ましい。
【0017】
以下、添付図面の図を参照しながら、本発明の好ましい実施形態をほんの一例として説明する。図では、複数の図に出現する同一の構造、要素又は部品には、一般にこれらが出現する全ての図において同じ参照番号を付している。一般に、図に示す構成要素及び特徴部の寸法は、表現の便宜上明瞭にするために選択したものであり、必ずしも縮尺通りではない。以下、各図を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の好ましい実施形態によるステータアセンブリを示す図である。
【
図3】
図2のステータアセンブリの2つの絶縁フレームを取り除いた上面図である。
【
図4】
図1のステータアセンブリの第1の絶縁フレームを上方から見た図である。
【
図5】第1の絶縁フレームを下方から見た図である。
【
図6】
図1のステータアセンブリの第2の絶縁フレームを上方から見た図である。
【
図7】第2の絶縁フレームを下方から見た図である。
【
図8】
図1のステータアセンブリを組み込んだ電気モータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜
図3に示すステータアセンブリ20は、ステータコア31と、ステータ巻線37を形成する複数のコイルと、ステータコア31の対向する軸端部にそれぞれ取り付けられた第1の絶縁フレーム41及び第2の絶縁フレーム51とを有する。2つの軸端部は、第1の軸端部及び第2の軸端部を含む。
【0020】
ステータコア31は、リングヨーク32と、このヨーク32から内向きに延びる複数の歯33とを含む。各歯33は、基部と、この基部から逆方向に延びる2つのアーム部分とを含む。各隣接する歯33の対の間には、巻線通路330が形成される。各巻線通路は、2つの隣接する歯33の隣接するアーム部分の対向する両端間に定められた巻線開口部331を有する。
【0021】
第1の絶縁フレーム41は、ステータコア31の第1の軸端部に取り付けられて、(
図4に示す)第1の絶縁ヨーク42と、この第1の絶縁ヨーク42から内向きに延びる複数の第1の絶縁アーム43とを含む。この実施形態では、第1の絶縁ヨーク42がリング形状である。第1の絶縁ヨーク42は、ステータコア31のヨーク32の第1の軸端部を覆い、第1の絶縁アーム43は、歯33の対応する第1の軸端部をそれぞれ覆い、これによって歯33の第1の軸端部をステータ巻線37から絶縁する。
【0022】
第2の絶縁フレーム51は、ステータコア31の第2の軸端部上に組み立てられ、(
図6に示す)第2の絶縁ヨーク52と、この第2の絶縁ヨーク52から内向きに延びる複数の第2の絶縁アーム53とを含む。第2の絶縁ヨーク52は、ステータコア31のヨーク32の第2の軸端部を覆い、第2の絶縁アーム53は、歯33の対応する第2の軸端部をそれぞれ覆い、これによって歯33の第2の軸端部をステータ巻線37から絶縁する。
【0023】
ステータ巻線37は、歯33を覆う第1の絶縁アーム43及び第2の絶縁アーム53上に巻き付けられて巻線通路330内に収容された複数のコイルを含む。ステータアセンブリ20は、各々が対応する巻線通路330内に収容された複数の第1の絶縁要素35をさらに含む。各第1の絶縁要素35は、対応する巻線通路330の内面をしっかりと覆う。各第1の絶縁要素35の2つの側部は、対応する巻線開口部331に近付くように延びる。第1の絶縁要素35は、第1の絶縁アーム43及び第2の絶縁アーム53と協働してステータコア31をステータ巻線37から絶縁する。この実施形態では、第1の絶縁要素35を絶縁紙とすることができる。この実施形態では、各第1の絶縁要素35の2つの側部が巻線開口部331を超えて延びるべきではなく、さもなければステータ巻線37の巻回しに影響を与えてしまう。
【0024】
ステータアセンブリ20は、対応する巻線開口部331をそれぞれ閉じる複数の第2の絶縁要素36をさらに含む。各第2の絶縁要素36は、巻線通路の内側から巻線開口部331を横切って配置される。各第2の絶縁要素36の2つの側部は、第1の絶縁要素35の2つの側部と、2つの歯33の2つの隣接するアーム部との間に配置され、これによって巻線通路330内のステータ巻線37の収容部分が第1の絶縁要素35及び第2の絶縁要素36によって取り囲まれ、ステータ巻線37と歯33の間の沿面距離が効果的に延びるようになる。第2の絶縁要素36は、プラスチックシートであることが好ましい。
【0025】
図4及び
図5を参照すると、各第1の絶縁アーム43は、その端部から2つの逆方向に向かって円周方向に延びる2つの第1のタブ46を含む。各第1のタブ46は、ヨーク42に面する表面を含み、ここから突起部47が突出する。第1の絶縁アーム43の端部は突起部47に当接し、第1の絶縁要素43とヨーク42に面する第1のタブ46の表面との間にスロット460を形成する。第2の絶縁要素36は、このスロット460に挿入されて巻線開口部331を閉じる。第2の絶縁要素36がスロット460に挿入された後、第2の絶縁要素36の2つの軸端部は、第1の絶縁要素35と突起部47の間に挟み付けられる。任意に、別の実施形態では、第2の絶縁要素36の円周方向幅が巻線通路330の両側に位置する2つの突起部47間の円周方向距離以下であり、第2の絶縁要素36の半径方向厚が突起部47の半径方向高さ以下である場合、2つの突起部47は第1の絶縁要素35のみに当接する。
【0026】
さらに、各第1の絶縁アーム43は、その端部から円周方向逆向きに延びる2つの第2のタブ48をさらに含む。この実施形態では、第2のタブ48の方が第1のタブ46よりもステータコアの半径方向外面に近く、これによって第2のタブ48と第1のタブ46の間にスロット460が形成され、この中に第2の絶縁要素36が挿入される。
【0027】
さらに、第1のタブ46と第2のタブ48は、ステータコア31の軸方向及び半径方向にずれて配置される。第1のタブ46と第2のタブ48をこのように配置する利点は、第1の絶縁フレーム41を一体成形品として第1のタブ46及び第2のタブ48と一体的に形成できる点である。
【0028】
さらに、
図1に示すように、2つの第2のタブ48は、一体成形品として一体に形成されて第1の絶縁アーム43から軸方向に突出し、これによってステータ巻線37の軸端部から各歯33の半径方向内面までの沿面距離が延びる。
【0029】
さらに、突起部47の目的は、第1の絶縁要素35と第1のタブ46の間に第2の絶縁要素36を挿入するためのスロット460を設けることであるため、突起部47の直径は、ステータコア31の半径方向に徐々に減少することによって傾斜したガイド面を形成する。例えば、突起部47の形状は、以下に限定されるわけではないが、プリズム形、ピラミッド形、円錐形、円錐台形、半球形又は気泡形とすることができる。さらに、突起部47によって形成される傾斜したガイド面の代わりに、第1のタブ46の半径方向外面を直接傾斜面として形成することもできる。この傾斜面は、ヨークに面する第1の端部を含み、この第1の端部は、第1の絶縁要素35に当接して第1のタブと第1の絶縁要素の間に分離距離又はスロットを形成し、第2の絶縁要素を第1のタブと第1の絶縁要素の間に容易に挿入できるようにする。
【0030】
さらに、各第1のタブ46から突出する突起部47の数は、1又はそれ以上とすることができる。図示の実施形態では、各第1のタブ46から2つの突起部47が突出している。
【0031】
図6及び
図7を参照すると、各第2の絶縁アーム53は、その端部から円周方向逆向きに延びる2つの第3のタブ56を含む。各第3のタブ56は、その端部から半径方向に突出する、第2の絶縁要素36の軸端部を支持するための制限要素57を含む。すなわち、組み立て中に、第2の絶縁要素36がスロット460に挿入されて制限要素57の抵抗を受けた時に、この第2の絶縁要素36が正確な位置に取り付けられるようになる。この実施形態では、制限要素57が、第3のタブ56から延びるフランジ又は段部である。
【0032】
さらに、再び
図6を参照すると、ステータ巻線37の軸端部から歯33の半径方向内面までの沿面距離を増やすために、第2の絶縁アーム53は、その端部から軸方向に延びるフランジ58を含む。
【0033】
さらに、第2の絶縁フレーム51は、ステータ巻線37に電気的に接続された複数の端子59をさらに含む。或いは、端子59を第1の絶縁フレーム41上に設けることもできる。
【0034】
図8に電気モータ10を示す。電気モータ10は、ステータ及びロータを含む。ステータは、ハウジング21と、上述したステータアセンブリ20とを含む。ステータアセンブリ20は、好ましくは深絞りされたカップ形のハウジング21内で組み立てられる。ハウジング21の底部23は、ステータのエンドキャップとすることができる。ロータは、シャフト71と、このシャフト71に固定されたロータコアとを含む。シャフト71は、ベアリングによってエンドキャップに回転自在に接続され、これによってロータがステータに対して回転できるようになる。
【0035】
本出願の明細書及び特許請求の範囲では、記述する項目又は特徴の存在を明示する一方でさらなる項目又は特徴の存在を排除しないように、「備える、含む、有する(comprise、include、contain及びhave)」という動詞、並びにその派生形の各々を包括的な意味で使用している。
【0036】
明確化のために別個の実施形態の文脈で説明した本発明のいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできると理解されたい。これとは逆に、簡潔さを期すために単一の実施形態の文脈で説明した本発明の様々な特徴を別個に、又はいずれかの好適な下位の組み合わせで提供することもできる。
【0037】
上述した実施形態はほんの一例にすぎず、当業者には、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、他の様々な修正が明らかである。
【符号の説明】
【0038】
20 ステータアセンブリ
31 ステータコア
32 ヨーク
33 歯
35 第1の絶縁要素
36 第2の絶縁要素
37 ステータ巻線
41 第1の絶縁フレーム
43 第1の絶縁アーム
51 第2の絶縁フレーム