特許第6585930号(P6585930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585930
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】ケーソン応用工法
(51)【国際特許分類】
   E02D 23/00 20060101AFI20190919BHJP
   E02D 23/08 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   E02D23/00 Z
   E02D23/08 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-115400(P2015-115400)
(22)【出願日】2015年6月8日
(65)【公開番号】特開2016-108925(P2016-108925A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2018年6月5日
(31)【優先権主張番号】103141720
(32)【優先日】2014年12月2日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514123358
【氏名又は名称】椋田 浩樹
(74)【代理人】
【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺
(74)【代理人】
【識別番号】100151002
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 剛之
(74)【代理人】
【識別番号】100201673
【弁理士】
【氏名又は名称】河田 良夫
(74)【代理人】
【識別番号】230121968
【弁護士】
【氏名又は名称】堀米 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100080056
【弁理士】
【氏名又は名称】西郷 義美
(72)【発明者】
【氏名】椋田 浩樹
【審査官】 湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−076844(JP,A)
【文献】 特開2008−231810(JP,A)
【文献】 特公昭46−042738(JP,B1)
【文献】 特開昭62−029625(JP,A)
【文献】 特開昭61−172924(JP,A)
【文献】 特開2000−204563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 23/00
E02D 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
延出方向における両端が開口された中空空間を有する筒形状で、且つ前記延出方向の一端側において、前記中空空間の前記延出方向に直交する断面積が前記一端側の先端に向けて拡大されるテーパ部を有する壁面体、及び前記延出方向に沿って前記壁面体を貫通する複数の壁面貫通孔を含む駆体と、前記壁面体の前記一端側における外壁面から前記テーパ部にかけて配置される金属製刃口と、を有するケーソンを、未改良の地盤の指定区域に直接圧入する第1の圧入ステップと、
圧入した前記ケーソンの前記壁面体の前記中空空間に位置する地盤を掘削器具を用いて掘削する掘削ステップと、
前記ケーソンを地盤に圧入する第2の圧入ステップと、
前記掘削ステップ及び前記第2の圧入ステップを繰り返し、前記地盤の予定の深さまで前記ケーソンを沈下させるステップと、
前記地盤への前記ケーソンの圧入時に、前記ケーソンの下端部が前記地盤内の異物に接触したことを受けて、前記壁面貫通孔に挿入された除去器具を用いて前記異物を破砕するステップと、
前記ケーソンを予定の深さまで沈下させたときに、前記壁面貫通孔に挿入された洗浄器具を用いて前記駆体の下端部及び前記金属製刃口を洗浄して前記異物を除去するステップと、
を含むことを特徴とするケーソン応用工法
【請求項2】
請求項1に記載のケーソン応用工法は、
前記掘削ステップと前記第2の圧入ステップを繰り返し実行する過程で、前記掘削による前記地盤表面からの深さが前記地盤の地下水位線よりも深くなる場合に、前記中空空間の内部に前記地盤の地下水位線まで水を供給するステップをさらに有することを特徴とするケーソン応用工法
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のケーソン応用工法は、
前記第1の圧入ステップの後に実施され、前記ケーソンが有する前記駆体に繋がる反力桁と該反力桁に繋がるジャッキとを含む圧入設備を前記駆体の上部に設置するステップを有し、
前記第2の圧入ステップは、前記ジャッキが前記反力桁を押す力を利用して、前記ケーソンの前記駆体を前記地盤に沈下させることを特徴とするケーソン応用工法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーソン応用工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケーソン工法は、道路、鉄道や河川などの橋梁基礎を作ることができ、現場で施工する場所打杭工法と比較して、地上で施工することによって品質や剛性は、良好な耐震性と安定性を有している。
【0003】
さらに、場所打杭工法は広い施工面積が必要だが、それと比較してケーソン工法は、必要な面積が小さく、市街地に於ける狭窄空間内の施工にも、施工面積が小さい利点を発揮でき、さらに、橋梁基礎工、立坑工や河川改修工、建築基礎工及び地下室工事など幅広い運用が可能である。
【0004】
ケーソン工法はケーソンを地盤内に沈める工法であるので、ケーソンの沈下作業の可否が施工過程おける非常に重要な工程の一つである。
伝統的なケーソン工法には、オープン・ケーソン工法やニューマチックケーソン工法、水中ケーソン工法、載荷工法がある。
伝統的な工法はケーソン底部の地盤を掘り越す必要があり、ケーソンの自重で沈下させる。
しかし、湧砂や地盤隆起などが発生する可能性があり、しかも、ケーソンの沈下時に不平衡な力を受け、ケーソンの垂直度が偏移する可能性がある。
したがって、現在では圧入式工法が多く採用されるようになった。
圧入式工法では、アンカーで反作用力を負担させ、油圧ジャッキの上下方向の交互作用によって、油圧ジャッキ上の治具が竹節状のロッドを挟んで垂直に動力を伝導し、さらに油圧ジャッキが竹節状のロッド上で刃先の抵抗力及びケーソン周りの摩擦力より大きな力を駆動させて、ケーソンを沈下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
伝統的なケーソン工法や圧入式ケーソン工法でも施工上の克服すべき問題がある。
主因はケーソン工事を始める前に、圧入する地盤の状況を検査しなければならず、固い岩盤がある場合にはそのままではケーソン工事が不可能であるので、先に岩盤を破砕処理し、沈下させる領域の土砂を入れ替えた後でケーソン工事が可能になる。
ここで、破砕や取り出し、置換等の前処理作業に多くの施工時間やスペース、輸送コストを消費し、ケーソンを沈下させる時に同時にこれらの作業が出来ないことからコストも高くなり、時間の浪費にもなる。
【0006】
さらに、ケーソンを沈下させる時に遭遇する土砂に高低差がある場合には、土砂をすぐ破壊しないとケーソンが偏移することになる。
図1に示すように、ケーソン1を沈下させている時に遭遇した地盤Rには高低差があり、ケーソンの左下にある刃口10が先に地盤Rに接触し、左の地盤Rをすぐ破壊しないとケーソンが傾いて、ケーソン1の偏移が施工精度に影響を与える。
さらに、図2に示したように、掘削機具を使ってケーソン内部の土砂を掘削する際、ケーソン1の壁11は一定の厚みがあり、死角区域R1を形成することから、掘削機具では壁11の下の区域R1にある土砂を掘ることができず、ケーソン1をスムーズに沈下させることができなくなる。
したがって、現在のケーソン工法は改善する必要がある。
【0007】
本発明は、伝統的なケーソン工法と圧入試気ケーソン工法に適用できるケーソン応用工法の提示である。
【0008】
前述した目的のように、本発明は一種のケーソン構造の提出であり、それには一つの躯体が含まれ、その躯体の中には一つの貫通孔があって、その貫通孔に繋がっている第一開口部は本体の片端にあって、第一穴から離れた側にある第二開口部もその貫通孔に繋がっていている。
その第一開口部と第二開口部、貫通孔を囲んで一つの壁面体があり、壁面体を貫通している複数の壁面貫通孔があって、その壁面と平行している。
【0009】
また、本発明は、一種の応用を提示することであり、これはこれまで説明したようにケーソン構造のケーソン応用工法であり、以下のステップを含む。
ステップ1:ケーソンを指定区域の地盤に圧入。
ステップ2:掘削機具を用いて地盤上にある異物を掘り出し、ケーソン内部から排出。
ステップ3:ケーソンを地盤に沈下。
さらに、
ステップ4:ステップ2とステップ3を繰り返し、躯体を予定の深度まで沈下。
【0010】
さらに、ステップ2において、洗浄機具を壁面貫通孔に通して、貫通孔周辺の異物を破壊する。
【0011】
さらに、ステップ4の後でステップ5として、壁面貫通孔を通した洗浄器具で躯体底部にある異物を取り除く。
【0012】
そのうえ、本発明はもう一種の応用を提示する。
これはこれまで説明したようにケーソン構造のケーソン応用工法であり、下のステップを含む。
ステップA:箱体を指定区域の地盤に圧入。
ステップB:圧入設備を躯体の上部に設置する。
圧入設備とは、ケーソンに繋がる反力桁と反力桁に繋がるジャッキを含む。
ステップC:掘削機具を用いて地盤上にある異物を掘り出し、躯体内から排出。
ステップD:ジャッキを用いて反力桁を圧し、ケーソンを沈下。
さらに、
ステップE:ステップCとステップDを繰り返し、予定深度まで沈下。
【0013】
さらに、ステップCにおいて、洗浄機具を壁面貫通孔に通して、貫通孔周辺の異物を破壊する。
【0014】
さらに、ステップEの後で、ステップFとして、壁面貫通孔を通した洗浄器具で躯体底部にある異物を取り除く。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、延出方向における両端が開口された中空空間を有する筒形状で、且つ前記延出方向の一端側において、前記中空空間の前記延出方向に直交する断面積が前記一端側の先端に向けて拡大されるテーパ部を有する壁面体、及び前記延出方向に沿って前記壁面体を貫通する複数の壁面貫通孔を含む駆体と、前記壁面体の前記一端側における外壁面から前記テーパ部にかけて配置される金属製刃口と、を有するケーソンを、未改良の地盤の指定区域に直接圧入する第1の圧入ステップと、圧入した前記ケーソンの前記壁面体の前記中空空間に位置する地盤を掘削器具を用いて掘削する掘削ステップと、前記ケーソンを地盤に圧入する第2の圧入ステップと、前記掘削ステップ及び前記第2の圧入ステップを繰り返し、前記地盤の予定の深さまで前記ケーソンを沈下させるステップと、前記地盤への前記ケーソンの圧入時に、前記ケーソンの下端部が前記地盤内の異物に接触したことを受けて、前記壁面貫通孔に挿入された除去器具を用いて前記異物を破砕するステップと、前記ケーソンを予定の深さまで沈下させたときに、前記壁面貫通孔に挿入された洗浄器具を用いて前記駆体の下端部及び前記金属製刃口を洗浄して前記異物を除去するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の特徴は、以下のようである。
(1)本発明は、ケーソン沈下時に、それぞれの壁面貫通孔を通した洗浄器具を用いて躯体下端で壁面貫通孔周辺の異物を同時に破壊することによって、沈下操作と岩盤破壊が同時に行えないという欠点を克服し、準備作業時間、施工スペースの浪費を大幅に削減でき、コスト効率の低下を改善し、施工効率を上昇できる。
(2)本発明は、ケーソン沈下時に高低差のある異物に遭遇した際、増設した洗浄機具を壁面貫通孔に通し、躯体下部と壁面貫通孔周辺の異物を破壊でき、ケーソンが不均衡な力を受けて偏移するのを防ぐことができる。
(3)本発明は、洗浄機具を壁面貫通孔に通し、躯体下部と壁面貫通孔周辺の異物を破壊することによって、掘削機具で掘るのが容易でない躯体下部の死角区域内のケーソン沈下の障害となる異物を克服できる。
(4)本発明は、洗浄機具を壁面貫通孔に通し、躯体下部と壁面貫通孔周辺の異物を破壊することによって、異物がケーソン底面の密封作業に影響を与える事を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の従来技術を示すケーソン工法の欠点の一つを示した透視断面図である。
図2図2はケーソン工法の別の欠点の一つを示した透視断面図である。
図3図3は本発明のケーソン構造立体図である。(実施例1)
図4図4図3のA−A位置の透視断面図である。(実施例1)
図5図5図3の1種類目のケーソン応用工法のフローチャートである。(実施例1)
図6図6図5の施工時の透視断面図である。(実施例1)
図7図7は1種類目のケーソン応用工法の洗浄器具の透視断面図である。(実施例1)
図8図8図3の2種類目のケーソン応用工法のフローチャート図である。(実施例1)
図9図9図8の施工時の透視断面図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
以下は添付された図と呼応し、本発明の構造がどのように組み合わされて、使用するかをより詳しく説明することによって、本発明の目的や技術内容、特徴及びその達成される効能をより簡単に理解できる。
【0020】
本発明は図3及び図4で示すようなケーソン構造の一種を提示し、更に図6図8に別々に示したように2種類のケーソン応用工法を提示する。
【0021】
図3図4に示す通り、ケーソン構造は躯体2が一つ、その躯体内部には貫通孔20があり、貫通孔20に繋がっている第一開口部21は躯体の片端にあって、第一開口部から離れた位置にある第二開口部22もその貫通孔に繋がっていている。
その第一開口部21と第二開口部22、貫通孔20を囲んで一つの壁面体23があり、壁面体23を貫通している複数の壁面貫通孔24があって、その壁面と平行している。
その中で幾つかの壁面貫通孔24は、掘削器具や洗浄器具を壁面貫通孔24に通し、除去機具や洗浄機具で壁面体23の下にある異物を破壊し、異物が躯体2の偏移や沈下の障害にならないようにする。
その中で、異物というのは、地盤中の岩盤や、岩、土砂や鉱石など、工事に影響を与える媒介物質のことである。躯体2の沈下施工時、躯体2が沈下していく過程で先に金属製刃口25が掘削機具(クラムシェル等)では届かない場所にある異物に接触した場合、掘削器具や洗浄器具を壁面貫通孔24を通して躯体2底端の地盤で用いて躯体2が遭遇した異物を破壊し、躯体2をスムースに沈下できるようにする。
また、箱体2が沈下していく過程で、掘削機具が届かないような死角区域でも、同じように掘削器具や洗浄器具を壁面貫通孔24に通して処理する方法で改善される。
【0022】
このようにして、本発明は図1図2に示すように岩盤に遭遇して沈下作業が難しくなったり、沈下が阻害されるような苦境に陥った場合であっても確実に効果的な改善ができる。
さらに、躯体2の内外の圧力を平衡にする目的で、ケーソン沈下時に地下水位線まで水を躯体内に入れるが、これによって掘削の過程で躯体2内部の水によって、水面下にある異物の状況を正確には把握できなくなり、そして掘削が出来なくなり、躯体2がスムースに沈下出来なくなる。
そのような場合に、除去器具や洗浄器具を壁面貫通孔24に通して、水面下にある異物を破壊できる。
【0023】
更に、本発明のケーソン構造は、図3図4で示しているように、壁面体23の下端に複数の金属製刃口25を含んでいて、それらの金属刃口25は壁面体23の下端で鋭角部を下にした形になっている。
ケーソンを沈下させている時に、それらの金属製刃口25は、土砂を排除し、また岩盤を切り裂く一助となり、それにより躯体2をスムースに沈下させられる。
それ以外にも、本発明は、それらの壁面貫通孔24の効率を最大に発揮するために、本案の実施例において、それぞれの金属製刃口25を躯体2の下端で、尚且つそれぞれの壁面貫通孔24に抵触しないように設置している。
但し、本件は、この実施例の形態に限定されない。
【0024】
さらに、本発明は他の先行技術と違う重要な技術的改善箇所は、図6図7で示しているように、壁面貫通孔24を通している除去機具5と洗浄機具6を含んでいることである。
本件の沈設工事を行っている時、外部の掘削機具で駆体2の中の岩盤や土砂を除去するが、駆体2の底部に死角ができ、前述の掘削機具では除去するのが難しく、駆体2の沈設の障害になり施工に影響を及ぼし得る。
一旦、駆体2の底部が沈設中に異物に遭遇し、不均衡な力を受けて駆体2が偏移した場合、施工精度に影響を与える。
また大型岩盤や硬い岩盤に遭遇し沈設の障害になった場合には、除去機具5を壁面貫通孔24に通し、壁23の下端と壁面貫通孔24の周囲にある異物を排除し、ケーソンが偏移したり停滞したりせずに、図1図2に示しているような周知の欠点を克服し、ケーソンをスムースに沈設させられる。
【0025】
前に述べたように、沈設工事を行っている時、内外の気圧を平衡に保つために駆体2に水を地下水位線まで入れる場合があるが、そのために水中にある異物の状況を正確には把握できなくなる。
そのような時、除去器具5を壁面貫通孔24に通し、水中の異物を破壊する。
それ以外にも、駆体2を予定の深度まで沈設した後で、駆体2底面を密封する工程において、異物がこの作業に影響を与える事を避ける為に、洗浄器具6で駆体2の底部や内部の異物を金属製刃口25に付いている異物を除去する。
これは、除去器具5で壁面体23の下端や壁面貫通孔24の周りにある異物を破壊し、洗浄器具6で駆体2の底部やその内部にある異物を除去することで、工事をより順調に、より効率よく完工させ、現在のケーソン圧入工法が直面している問題を完全に克服できる、新たな発明である。
今回の実施例の中で、地下水位線と予定深度は実際の施工で遭遇する状況であるので、これ以上は述べない。
今件の実施例において、除去器具5はブレーカーやオーガー、その他の壁面貫通孔24を通して異物を破壊する器具を想定していて、洗浄機具6は圧力洗浄機やポンプ、サンドポンプ、或いは駆体2の底面の異物を除去する器具等を想定しているが、本件は、この実施例の形態に限定されない。
【0026】
伝統的なケーソン工法に本発明のケーソン構造を応用した説明を続ける。
図5から図7までを参照せよ。
本発明で示したケーソン応用工法の一つは、以下のステップを含む。
ステップ1:上記で述べたケーソン構造の駆体2を指定区域R2の地盤に圧入。
ステップ2:掘削機具3を貫通孔20に通して、地盤上にある異物を掘り出し、駆体2の内部から排出する。
ステップ3:駆体2を地盤に沈める。
ステップ4:ステップ2とステップ3を繰り返し、予定された深度に沈設する。
ステップ5:洗浄器具6を壁面貫通孔24に通して、駆体2の底にある異物を除去し、それによって、異物の影響が駆体2底部の密封作業に影響を及ぼすのを避ける。
そのほかに、洗浄器具6を駆体2の内部の貫通孔2を通して駆体2底面にある異物を除去することもできる。
【0027】
更に、ステップ2において、除去器具5は壁面貫通孔24の周りにある異物を除去し、それによって駆体2が偏移して施工に影響するのを防ぐ。
その中で、本件の第一種類目のケーソン応用工法の手順は、伝統的なケーソン工法に適用できる。
例えば、オープンケーソン工法や、ニューマチックケーソン工法、水中ケーソン工法、載荷工法など、その工法は当該の地盤を先堀方式で掘削し、駆体2の自重を金属製刃口25に伝達し、金属製刃口25が地盤に切り込むのを利用して駆体2を沈下させる。
しかし、本件はその限りではない。
【0028】
上記で説明した圧入式ケーソン工法に対する本発明のケーソン構造への応用について続ける。
図8、9を参考せよ。
本発明は、もう一つ別のケーソン応用工法を示す、その工法は以下のステップを含む。
ステップA:上記で説明したケーソン構造の駆体2を指定区域R2の地盤に圧入。
ステップB:圧入設備4を駆体2の上に設置し、その圧入設備4は、駆体2上端の少なくとも一つの反力桁40に繋がっていて、また反力桁40上端の少なくとも一台のジャッキ41に繋がっている。
本件の実施例中には、反力桁40は一つ、ジャッキ41は二台が想定されているが、本件は、この実施例の形態に限定されない。
ステップC:掘削機具3を貫通孔20から通して、地盤にある異物を掘り出し、更に駆体2の内部から排出する。
ステップD:ジャッキ41の力を利用して反力桁を押し、駆体2を沈下させる。
ステップE:ステップCとステップDを繰り返し、ケーソンを予定深度まで沈下させる。
ステップF:洗浄器具6(図7を参照せよ)を壁面貫通孔24に通して、箱体2の底面にある異物を除去し、さらに、洗浄器具6を貫通孔20から通して、駆体2底部にある異物を除去する。
【0029】
さらに、ステップCにおいて、除去器具5を壁面貫通孔24に通して、その周囲にある異物を除去し、それによって、駆体2が偏移して施工に影響することを防ぐ。
【0030】
本発明の二種類目の応用工法の手順は、圧入式ケーソン工法に適用でき、且つ施工過程において、反力桁架40やジャッキ41の引張部材42が複数交互に垂直に組み合わされて設置され、更に複数の引張部材42の最下端が地盤上のアンカー43に固定されている。
アンカー43が、施工中に反力桁40とジャッキ41、引張部材42の連結強度及び安定度を与え、ジャッキ41が引張部材42上で反作用によって、連続した下向きの動作で反力桁40を押し下げ、それによって駆体2を予定の深度まで押し下げる。
その中で、ジャッキは引張部材を挟む事ができる治具があり、それぞれの引張部材42は、もう一つ別の引張部材42と相互に繋ぐことで連続した一つの金属製連結部材になる。
アンカー43は、複数のPC鋼撚り線をその上に設置し固定した地盤上の一種の装置であり、その機能は、アンカー鋼線が主要な構造体を通して周辺の緊密な地層に伝達することであり、但し前述したジャッキ41や引張部材42、アンカー43は現工法で既にあり、従ってここでは詳細な説明はしない。
【0031】
上で述べたように、本発明は除去器具5を駆体2の壁面体23の壁面貫通孔24に通すことで、壁面体23下端で且つそれぞれの壁面貫通孔24周辺の異物を破壊し、周知の三種類の欠点を改善する。
且つ、ケーソン施工中に、駆体2内外を平行にするために駆体2内に水を地下水位線まで注入するが、掘削過程において水位以下にある異物が正確に把握できなくなり、駆体2をスムースに沈下出来なくなる。
また除去器具5を壁面貫通孔24を通して水位以下の異物を破壊する。
それ以外にも、本発明は、洗浄器具6を駆体2の壁面体23の壁面貫通孔24に通すことで、駆体2の底部と金属製刃口25に付着した異物を除去し、駆体2の底部の密封作業に影響するのを防ぐ。
【0032】
しかし、上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎない。
その目的は、その実施例によって本発明の内容を当該の担当者に十分に理解させるためであり、本発明の実施範囲を限定するものではない。
従って、本発明の実施例において説明した内容、すなわちこれまで記述したような形状や構造、特徴などのいわゆる均等の変更や修飾は、本発明の特許請求の範囲内に含めるべきである。
【符号の説明】
【0033】
1 ケーソン
10 刃口
11 壁面体
R 地盤
R1 区域
2 躯体
20 貫通孔
21 第一開口部
22 第二開口部
23 壁
24 壁面貫通孔
25 金属製刃口
3 掘削機具
4 圧入設備
40 反力桁
41 ジャッキ
42 引張部材
43 アンカー
5 洗浄器具
6 除去器具
R2 予定区域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9