【実施例1】
【0019】
以下は添付された図と呼応し、本発明の構造がどのように組み合わされて、使用するかをより詳しく説明することによって、本発明の目的や技術内容、特徴及びその達成される効能をより簡単に理解できる。
【0020】
本発明は
図3及び
図4で示すようなケーソン構造の一種を提示し、更に
図6と
図8に別々に示したように2種類のケーソン応用工法を提示する。
【0021】
図3と
図4に示す通り、ケーソン構造は躯体2が一つ、その躯体内部には貫通孔20があり、貫通孔20に繋がっている第一開口部21は躯体の片端にあって、第一開口部から離れた位置にある第二開口部22もその貫通孔に繋がっていている。
その第一開口部21と第二開口部22、貫通孔20を囲んで一つの壁面体23があり、壁面体23を貫通している複数の壁面貫通孔24があって、その壁面と平行している。
その中で幾つかの壁面貫通孔24は、掘削器具や洗浄器具を壁面貫通孔24に通し、除去機具や洗浄機具で
壁面体23の下にある異物を破壊し、異物が躯体2の偏移や沈下の障害にならないようにする。
その中で、異物というのは、地盤中の岩盤や、岩、土砂や鉱石など、工事に影響を与える媒介物質のことである。躯体2の沈下施工時、躯体2が沈下していく過程で先に金属製刃口25が掘削機具(クラムシェル等)では届かない場所にある異物に接触した場合、掘削器具や洗浄器具を壁面貫通孔24を通して躯体2底端の地盤で用いて躯体2が遭遇した異物を破壊し、躯体2をスムースに沈下できるようにする。
また、箱体2が沈下していく過程で、掘削機具が届かないような死角区域でも、同じように掘削器具や洗浄器具を壁面貫通孔24に通して処理する方法で改善される。
【0022】
このようにして、本発明は
図1と
図2に示すように岩盤に遭遇して沈下作業が難しくなったり、沈下が阻害されるような苦境に陥った場合であっても確実に効果的な改善ができる。
さらに、躯体2の内外の圧力を平衡にする目的で、ケーソン沈下時に地下水位線まで水を躯体内に入れるが、これによって掘削の過程で躯体2内部の水によって、水面下にある異物の状況を正確には把握できなくなり、そして掘削が出来なくなり、躯体2がスムースに沈下出来なくなる。
そのような場合に、除去器具や洗浄器具を壁面貫通孔24に通して、水面下にある異物を破壊できる。
【0023】
更に、本発明のケーソン構造は、
図3と
図4で示しているように、壁面体23の下端に複数の金属製刃口25を含んでいて、それらの金属刃口25は壁面体23の下端で鋭角部を下にした形になっている。
ケーソンを沈下させている時に、それらの金属製刃口25は、土砂を排除し、また岩盤を切り裂く一助となり、それにより躯体2をスムースに沈下させられる。
それ以外にも、本発明は、それらの壁面貫通孔24の効率を最大に発揮するために、本案の実施例において、それぞれの金属製刃口25を躯体2の下端で、尚且つそれぞれの壁面貫通孔24に抵触しないように設置している。
但し、本件は、この実施例の形態に限定されない。
【0024】
さらに、本発明は他の先行技術と違う重要な技術的改善箇所は、
図6と
図7で示しているように、壁面貫通孔24を通している除去機具5と洗浄機具6を含んでいることである。
本件の沈設工事を行っている時、外部の掘削機具で駆体2の中の岩盤や土砂を除去するが、駆体2の底部に死角ができ、前述の掘削機具では除去するのが難しく、駆体2の沈設の障害になり施工に影響を及ぼし得る。
一旦、駆体2の底部が沈設中に異物に遭遇し、不均衡な力を受けて駆体2が偏移した場合、施工精度に影響を与える。
また大型岩盤や硬い岩盤に遭遇し沈設の障害になった場合には、除去機具5を壁面貫通孔24に通し、壁23の下端と壁面貫通孔24の周囲にある異物を排除し、ケーソンが偏移したり停滞したりせずに、
図1と
図2に示しているような周知の欠点を克服し、ケーソンをスムースに沈設させられる。
【0025】
前に述べたように、沈設工事を行っている時、内外の気圧を平衡に保つために駆体2に水を地下水位線まで入れる場合があるが、そのために水中にある異物の状況を正確には把握できなくなる。
そのような時、除去器具5を壁面貫通孔24に通し、水中の異物を破壊する。
それ以外にも、駆体2を予定の深度まで沈設した後で、駆体2底面を密封する工程において、異物がこの作業に影響を与える事を避ける為に、洗浄器具6で駆体2の底部や内部の異物を金属製刃口25に付いている異物を除去する。
これは、除去器具5で壁面体23の下端や壁面貫通孔24の周りにある異物を破壊し、洗浄器具6で駆体2の底部やその内部にある異物を除去することで、工事をより順調に、より効率よく完工させ、現在のケーソン圧入工法が直面している問題を完全に克服できる、新たな発明である。
今回の実施例の中で、地下水位線と予定深度は実際の施工で遭遇する状況であるので、これ以上は述べない。
今件の実施例において、除去器具5はブレーカーやオーガー、その他の壁面貫通孔24を通して異物を破壊する器具を想定していて、洗浄機具6は圧力洗浄機やポンプ、サンドポンプ、或いは駆体2の底面の異物を除去する器具等を想定しているが、本件は、この実施例の形態に限定されない。
【0026】
伝統的なケーソン工法に本発明のケーソン構造を応用した説明を続ける。
図5から
図7までを参照せよ。
本発明で示したケーソン応用工法の一つは、以下のステップを含む。
ステップ1:上記で述べたケーソン構造の駆体2を指定区域R2の地盤に圧入。
ステップ2:掘削機具3を貫通孔20に通して、地盤上にある異物を掘り出し、駆体2の内部から排出する。
ステップ3:駆体2を地盤に沈める。
ステップ4:ステップ2とステップ3を繰り返し、予定された深度に沈設する。
ステップ5:洗浄器具6を壁面貫通孔24に通して、駆体2の底にある異物を除去し、それによって、異物の影響が駆体2底部の密封作業に影響を及ぼすのを避ける。
そのほかに、洗浄器具6を駆体2の内部の貫通孔2を通して駆体2底面にある異物を除去することもできる。
【0027】
更に、ステップ2において、除去器具5は壁面貫通孔24の周りにある異物を除去し、それによって駆体2が偏移して施工に影響するのを防ぐ。
その中で、本件の第一種類目のケーソン応用工法の手順は、伝統的なケーソン工法に適用できる。
例えば、オープンケーソン工法や、ニューマチックケーソン工法、水中ケーソン工法、載荷工法など、その工法は当該の地盤を先堀方式で掘削し、駆体2の自重を金属製刃口25に伝達し、金属製刃口25が地盤に切り込むのを利用して駆体2を沈下させる。
しかし、本件はその限りではない。
【0028】
上記で説明した圧入式ケーソン工法に対する本発明のケーソン構造への応用について続ける。
図8、9を参考せよ。
本発明は、もう一つ別のケーソン応用工法を示す、その工法は以下のステップを含む。
ステップA:上記で説明したケーソン構造の駆体2を指定区域R2の地盤に圧入。
ステップB:圧入設備4を駆体2の上に設置し、その圧入設備4は、駆体2上端の少なくとも一つの反力桁40に繋がっていて、また反力桁40上端の少なくとも一台のジャッキ41に繋がっている。
本件の実施例中には、反力桁40は一つ、ジャッキ41は二台が想定されているが、本件は、この実施例の形態に限定されない。
ステップC:掘削機具3を貫通孔20から通して、地盤にある異物を掘り出し、更に駆体2の内部から排出する。
ステップD:ジャッキ41の力を利用して反力桁を押し、駆体2を沈下させる。
ステップE:ステップCとステップDを繰り返し、ケーソンを予定深度まで沈下させる。
ステップF:洗浄器具6(
図7を参照せよ)を壁面貫通孔24に通して、箱体2の底面にある異物を除去し、さらに、洗浄器具6を貫通孔20から通して、駆体2底部にある異物を除去する。
【0029】
さらに、ステップCにおいて、除去器具5を壁面貫通孔24に通して、その周囲にある異物を除去し、それによって、駆体2が偏移して施工に影響することを防ぐ。
【0030】
本発明の二種類目の応用工法の手順は、圧入式ケーソン工法に適用でき、且つ施工過程において、反力桁架40やジャッキ41の引張部材42が複数交互に垂直に組み合わされて設置され、更に複数の引張部材42の最下端が地盤上のアンカー
43に固定されている。
アンカー43が、施工中に反力桁40とジャッキ41、引張部材42の連結強度及び安定度を与え、ジャッキ41が引張部材42上で反作用によって、連続した下向きの動作で反力桁40を押し下げ、それによって駆体2を予定の深度まで押し下げる。
その中で、ジャッキは引張部材を挟む事ができる治具があり、それぞれの引張部材42は、もう一つ別の引張部材42と相互に繋ぐことで連続した一つの金属製連結部材になる。
アンカー43は、複数のPC鋼撚り線をその上に設置し固定した地盤上の一種の装置であり、その機能は、アンカー鋼線が主要な構造体を通して周辺の緊密な地層に伝達することであり、但し前述したジャッキ41や引張部材42、アンカー43は現工法で既にあり、従ってここでは詳細な説明はしない。
【0031】
上で述べたように、本発明は除去器具5を駆体2の壁面体23の壁面貫通孔24に通すことで、壁面体23下端で且つそれぞれの壁面貫通孔24周辺の異物を破壊し、周知の三種類の欠点を改善する。
且つ、ケーソン施工中に、駆体2内外を平行にするために駆体2内に水を地下水位線まで注入するが、掘削過程において水位以下にある異物が正確に把握できなくなり、駆体2をスムースに沈下出来なくなる。
また除去器具5を壁面貫通孔24を通して水位以下の異物を破壊する。
それ以外にも、本発明は、洗浄器具6を駆体2の壁面体23の壁面貫通孔24に通すことで、駆体2の底部と金属製刃口25に付着した異物を除去し、駆体2の底部の密封作業に影響するのを防ぐ。
【0032】
しかし、上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎない。
その目的は、その実施例によって本発明の内容を当該の担当者に十分に理解させるためであり、本発明の実施範囲を限定するものではない。
従って、本発明の実施例において説明した内容、すなわちこれまで記述したような形状や構造、特徴などのいわゆる均等の変更や修飾は、本発明の特許請求の範囲内に含めるべきである。