(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性ローラを前記発泡体を用いたスポンジローラとして形成した際、前記スポンジローラと略同径で剛性を有して前記用紙の反りを抑えるリング状の用紙抑えローラを該スポンジローラの外周面に沿って移動可能に嵌め込んだことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置の給紙装置。
前記弾性ローラは、前記駆動軸上で間隔を離して嵌め込んだ一対のリング状円板間に圧縮バネを介装させて、前記一対のリング状円板及び前記圧縮バネを前記駆動軸の軸線方向に長尺に形成した布状筒体で円筒状に包んで布巻き弾性ローラとして形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置の給紙装置。
前記駆動軸に取り付けられた前記給紙ローラの用紙幅方向の両側に同軸的に複数の前記布巻き弾性ローラを取り付けると共に、前記布巻き弾性ローラ間の前記駆動軸に該布巻き弾性ローラと略同径で剛性を有して前記用紙の反りを抑えるリング状の用紙抑えローラを駆動軸線上に沿って移動可能に嵌め込んだことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の給紙装置。
前記画像形成装置の装置内部の排熱を利用して温められた温風を、前記発泡体からなる前記弾性ローラに吹き付けて該弾性ローラを温める温風吹き付け手段を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置の給紙装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記した特許文献1に記載された従来の給紙装置を適用した画像形成装置では、給紙台の下流側に固定設置した搬送フレームが外部に対して開口されているために、装置内で生じた騒音が搬送フレームに形成した開口部から漏れてしまう。
【0013】
画像形成装置では静音化を図ることが求められているので、静音性を高めるために、仮にピックアップローラの両側に設けた一対の紙受けローラを樹脂材を用いて駆動軸線上に沿って長尺な円柱状に形成して搬送フレームに形成した開口部を覆うようにすることが考えられる。
【0014】
しかしながら、仮に一対の紙受けローラを長尺な円柱状に形成した場合、剛性を有する一対の紙受けローラの周囲の開口空間が失われ、用紙ジャムが発生したときにジャム用紙解除性能(ジャム用紙取り除き性能)が著しく低下してしまうという別の問題が発生してしまう。
【0015】
そこで、本発明は、画像形成装置の筐体の一部を開口した開口部の近傍に給紙ローラを設置すると共に、給紙ローラよりも用紙搬送方向の下流側の、前記開口部と前記筐体内部との境界部に、上下の用紙搬送ガイド板を設け、筐体内で生じた騒音が上下の用紙搬送ガイド板を通して開口部から漏れ出すのを防止して静音性を高めることができると共に、ジャム用紙解除性能が良好で且つ給紙性能も良好になる画像形成装置の給紙装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、筐体の一部を外部に対して開口した開口部の近傍に設置され、給紙台上に積載された用紙を捌いて用紙搬送方向に搬送する画像形成装置の給紙装置であって、
前記開口部と前記筐体内部との境界部に設けられて、上下間に用紙搬送路を形成する上下の用紙搬送ガイド板と、
前記上下の用紙搬送ガイド板の上流側に設けられ、前記用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に沿って長尺に形成され、回転駆動源と連結されて用紙を給紙する方向に回転する駆動軸と、
前記駆動軸に取り付けられ、前記給紙台上に積載された用紙を捌いて前記上下の用紙搬送ガイド板の間に用紙を給送する給紙ローラと、
前記駆動軸上で前記給紙ローラの両側に同軸的に取り付けられ、前記上下の用紙搬送ガイド板の間の空間を覆うように長尺に形成され且つ前記給紙ローラよりも僅かに小径に形成された弾性ローラとを備えたことを特徴とする画像形成装置の給紙装置である。
【0017】
また、第2の発明は、上記した第1の発明の画像形成装置の給紙装置において、
前記弾性ローラは、発泡体からなる弾性材料から形成されることを特徴とする画像形成装置の給紙装置である。
【0018】
また、第3の発明は、上記した第2の発明の画像形成装置の給紙装置において、
前記弾性ローラを前記発泡体を用いたスポンジローラとして形成した際、前記スポンジローラと略同径で剛性を有して前記用紙の反りを抑えるリング状の用紙抑えローラを該スポンジローラの外周面に沿って移動可能に嵌め込んだことを特徴とする画像形成装置の給紙装置である。
【0019】
また、第4の発明は、上記した第1の発明の画像形成装置の給紙装置において、
前記弾性ローラは、前記駆動軸上で間隔を離して嵌め込んだ一対のリング状円板間に圧縮バネを介装させて、前記一対のリング状円板及び前記圧縮バネを前記駆動軸の軸線方向に長尺に形成した布状筒体で円筒状に包んで布巻き弾性ローラとして形成されていることを特徴とする画像形成装置の給紙装置である。
【0020】
また、第5の発明は、上記した第4の発明の画像形成装置の給紙装置において、
前記駆動軸に取り付けられた前記給紙ローラの用紙幅方向の両側に同軸的に複数の前記布巻き弾性ローラを取り付けると共に、前記布巻き弾性ローラ間の前記駆動軸に該布巻き弾性ローラと略同径で剛性を有して前記用紙の反りを抑えるリング状の用紙抑えローラを駆動軸線上に沿って移動可能に嵌め込んだことを特徴とする画像形成装置の給紙装置である。
【0021】
また、第6の発明は、上記した第2又は第3の発明の画像形成装置の給紙装置において、
前記画像形成装置の装置内部の排熱を利用して温められた温風を、前記発泡体からなる前記弾性ローラに吹き付けて該弾性ローラを温める温風吹き付け手段を設けたことを特徴とする画像形成装置の給紙装置である。
【0022】
また、第7の発明は、筐体の一部を外部に対して開口した開口部の近傍に設置され、給紙台上に積載された用紙を捌いて用紙搬送方向に搬送する画像形成装置の給紙装置であって、
前記開口部と前記筐体内部との境界部に設けられて、上下間に用紙搬送路を形成する上下の用紙搬送ガイド板と、
前記上下の用紙搬送ガイド板の上流側に設けられ、前記用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に沿って長尺に形成され、回転駆動源と連結されて用紙を給紙する方向に回転する駆動軸と、
前記駆動軸と平行に回転可能に支持され、前記給紙台上に積載された用紙を上層部分から下流側に搬送するスクレーパローラと、
前記駆動軸に取り付けられ、前記スクレーパローラで給送された用紙を捌いて前記上下の用紙搬送ガイド板の間に用紙を給送するピックアップローラと、
前記駆動軸上で前記ピックアップローラの両側に同軸的に取り付けられ、前記上下の用紙搬送ガイド板の間の空間を覆うように長尺に形成され且つ前記ピックアップローラよりも僅かに小径に形成された弾性ローラとを備えたことを特徴とする画像形成装置の給紙装置である。
【発明の効果】
【0023】
第1又は第7の発明の画像形成装置の給紙装置によると、回転駆動源と連結した駆動軸に取り付けられた給紙ローラの用紙幅方向の両側に長尺な弾性ローラを同軸的に取り付け、この弾性ローラで給紙ローラよりも下流側に設けた上下の用紙搬送ガイド板間に形成された空間を覆うことで、筐体内で生じた騒音が上記空間を通り抜けて筐体の一部を開口した開口部から漏れ出すのを防止しているので、静音性を高めることができる。
【0024】
また、弾性ローラは、反りが生じている用紙を抑える用紙抑えローラとしての機能を有しているので、給紙性能を向上させることができる。
【0025】
また、弾性ローラは、弾性変位可能であるので、給紙時に何らかの原因により生じたジャム用紙を容易に取り出すことができるジャム用紙解除性能を有しているので、ユーザ又はサービスマンが指で弾性ローラを変形させることで、ジャム用紙を容易に取り出すことができる。
【0026】
また、第2の発明の画像形成装置の給紙装置によると、弾性ローラは、発泡体からなる弾性材料から形成されているので、連続性の気泡を多数有する発泡体の吸音特性から上記騒音を内部で吸収することができる。
【0027】
また、第3の発明の画像形成装置の給紙装置によると、弾性ローラを発泡体を用いたスポンジローラとして形成した際、スポンジローラと略同径で剛性を有して用紙の反りを抑えるリング状の用紙抑えローラをスポンジローラの外周面に沿って移動可能に嵌め込んだために、厚みが厚く且つ反りが生じている用紙の幅方向のサイズが異なっても、各用紙サイズに応じて反りを確実に抑えることができる。
【0028】
また、第4の発明の画像形成装置の給紙装置によると、弾性ローラは、円筒状に包んだ布巻き弾性ローラとして形成されているので、上記した第1の発明と略同様の効果を得ることができ、静音性,給紙性能,ジャム用紙解除性能を向上させることができる。
【0029】
また、第5の発明の画像形成装置の給紙装置によると、駆動軸に取り付けられた給紙ローラの用紙幅方向の両側に同軸的に複数の布巻き弾性ローラを取り付けると共に、布巻き弾性ローラ間の駆動軸に布巻き弾性ローラと略同径で剛性を有して用紙の反りを抑えるリング状の用紙抑えローラを駆動軸線上に沿って移動可能に嵌め込んだために、厚みが厚く且つ反りが生じている用紙の幅方向のサイズが異なっても、各用紙サイズに応じて反りを確実に抑えることができる。
【0030】
また、第6の発明の画像形成装置の給紙装置によると、画像形成装置の装置内部の排熱を利用した温風吹き付け手段により温風を発泡体からなる弾性ローラに吹き付けているので、弾性ローラ(スポンジローラ)の硬化を防止できると共に、吸音スポンジ特性により安定した静音効果を得ることができ、とくに室温が低い冬場において弾性ローラ(スポンジローラ)の硬化防止効果が顕著となる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に本発明に係る画像形成装置の給紙装置の一実施形態について詳細に説明する。
【0033】
本発明に係る画像形成装置の給紙装置は、インクジェット方式、孔版方式、電子写真方式等の画像形成装置に適用可能なものであり、その例を
図1〜
図3を用いて説明する。
【0034】
(画像形成装置)
図1は本発明に係る画像形成装置の給紙装置の全体構成を示している。尚、
図1中において、ユーザから視て、上下左右を上下左右方向とする。また、
図2は本発明に係る画像形成装置の給紙装置の要部を拡大して示している。また、
図3は
図2に示した画像形成装置の給紙装置の要部を一部変形させた変形例1の画像形成装置の給紙装置を拡大して示している。
【0035】
図1に示す如く、画像形成装置1では、外観を形成する筐体2が略箱状に形成されており、この筐体2内でインクジェット印刷方式により用紙P上にインク画像を印刷するように構成されている。
【0036】
上記した画像形成装置1は、用紙搬送部3と、操作パネル部4と、内部給紙部10と、外部給紙部20と、ベルトプラテン部50及びインクジェット印刷部55と、排紙部60と、用紙反転部65と、制御部70とを備えている。
【0037】
ここで、画像形成装置1内の各部について具体的に説明する。
【0038】
まず、用紙搬送部3は、筐体2内で用紙Pを搬送する機能を有している。この用紙搬送部3は、二点鎖線で示す給紙経路RSと、実線で示す通常経路RCと、点線で示す排紙経路RDと、一点鎖線で示す両面印刷時の反転経路RRとからなる。尚、以下の説明において、上流,下流は、用紙Pの搬送方向に対する上流,下流を意味する。
【0039】
給紙経路RSと接続するループ状の用紙搬送経路が、インクジェット印刷部55の周辺に沿った通常経路RCと、反転経路RRとを合わせてループ状に形成されている。
【0040】
尚、用紙搬送部3には、用紙Pを搬送する複数の用紙搬送ローラ対Rや、用紙Pの搬送方向を切り替える複数のフリッパFがそれぞれ図示位置に設置されている。
【0041】
次に、操作パネル部4は、筐体2の天板2aの近傍に設けられている。この操作パネル部4には、印刷ジョブを行うための各種の釦や、テンキーや、表示パネルなどが取り付けられている。
【0042】
次に、筐体2内で用紙Pを給紙する内部給紙部10は、筐体2内の下方部位に設けられている。
【0043】
この内部給紙部10では、用紙サイズに応じて形成された複数の内部給紙トレイ11A,11B,11Cが上下方向に3段に分かれて紙面前方に向かって引き出し自在になっている。また、複数の内部給紙トレイ11A,11B,11C内には、可動板12A,12B,12Cが不図示の上下動手段により上下動可能に設けられており、各可動板12A,12B,12C上に複数枚の用紙Pが用紙サイズごとに積載されている。
【0044】
また、各内部給紙トレイ11A,11B,11Cの用紙搬送方向の先端部上方には、各内部給紙トレイ11A,11B,11Cに積載された最上層の用紙Pに接離するスクレーパローラ13と、このスクレーパローラ13よりも下流に設けたピックアップローラ14とがそれぞれ回転可能に設けられていると共に、ピックアップローラ14と対向して捌き板15がそれぞれ設けられている。
【0045】
そして、ユーザの操作パネル部4への操作によって一つの内部給紙トレイ(11A),(11B),(11C)が選択され、この一つの内部給紙トレイ上に積載された複数枚の用紙Pのうちで上層側の用紙P数枚がスクレーパローラ13により取り出され、その後、ピックアップローラ14と捌き板15とによって最上層の用紙Pのみが1枚だけ他の用紙Pから分離されて、下流の給紙経路RSに向けて給送されている。
【0046】
次に、筐体2の外側上方から用紙Pを給紙台21上に積載して用紙Pをこの筐体2内に向けて給紙する外部給紙部20は、本発明に係る画像形成装置の給紙装置として構成されており、筐体2の左側板2b側で筐体2の一部を外部に対して開口した開口部2cの近傍に設置されている。
【0047】
この外部給紙部20では、
図2にも拡大して示す如く、給紙台21がギアードモータ22により筐体2の左側板2bの外側下方部位に沿って上下動可能に設置されている。
【0048】
この際、給紙台21上には、最小サイズ(例えば、葉書サイズ)から最大サイズ(例えば、A3サイズ)までの複数種の用紙Pのうちで1種類の用紙Pが積載されており、1種類の用紙Pの用紙サイズは給紙台21内で不図示の用紙サイズ検出手段により自動的に検出されている。
【0049】
また、筐体2の左側板2bの中間部位には、外部に対して一部開口した開口部2cが形成されており、この開口部2cの外側近傍で給紙台21の上方には、スクレーパローラ23が下記する駆動軸27(
図2のみ図示)に従動回転する従動軸24(
図2のみ図示)に取り付けられている。
【0050】
また、スクレーパローラ23の下流に接近してピックアップローラ25及びこのピックアップローラ25と同軸的に後述する弾性ローラ26が駆動軸27(
図2のみ図示)に取り付けられている。弾性ローラ26は駆動軸27と一体となって回転駆動される。また、ピックアップローラ25の下方に捌き板28がこのピックアップローラ25と対向して固定設置されている。
【0051】
更に、ピックアップローラ25及び弾性ローラ26よりも下流側で筐体2内には、上下間に空間Kを挟んで用紙搬送路を形成する上下の用紙搬送ガイド板29,30と、用紙Pを搬送する用紙搬送ローラ対Rとが給紙経路RSに沿ってこの順に設けられている。上下の用紙搬送ガイド板29,30は、筐体2の開口部2cと筐体内部との境界部に設けられており、画像形成処理や用紙搬送処理等によって生じる筐体内部の音は、その多くが、上下の用紙搬送ガイド板29,30の間の空間Kを通って筐体外部に放出される。筐体2の他の部分については隙間をなくしあるいは少なくすることで音の漏れをなくし、あるいは減少することが出来るが、筐体外部の給紙台21上にある用紙Pの搬送経路を確保するためには、上下の用紙搬送ガイド板29,30の間の空間Kはなくすことができない。なお、上下の用紙搬送ガイド板29,30は、用紙Pの搬送経路を確保できればよく、搬送経路とならない部分(例えば上流側の端部)については画像形成装置1の筐体2や他の部分に連結されていてもよい。
【0052】
上記したスクレーパローラ23及びピックアップローラ25は、共に用紙Pを給紙する給紙ローラとして機能している。本発明では、用紙Pを給紙するに際に、給紙台21上に積載された上層の用紙P数枚を取り出すスクレーパローラ23と、スクレーパローラ23によって取り出された数枚の用紙Pを捌き板28との間で1枚ずつ分離するピックアップローラ25とによる2つの給紙ローラで構成することにより高速給紙を確実に行うことができる。
【0053】
しかし、
図3に示すように、
図2に示した画像形成装置の給紙装置20の要部を一部変形させた変形例1では、給紙ローラをピックアップローラ25のみで構成し、このピックアップローラ25と捌き板28とで給紙台21上に積載された最上層の用紙Pを1枚ずつ給紙するように構成することも可能である。なお、
図3においても、
図2と同様に、ピックアップローラ25と同軸的に後述する弾性ローラ26が駆動軸27に取り付けられている。
【0054】
図1に戻り、給紙台21が上動して、給紙台21上に積載した複数枚の用紙Pのうちで最上層の用紙Pが給紙位置に至ったときに、この最上層の用紙Pにスクレーパローラ23が回転しながら圧接して上層の用紙P数枚を取り出している。
【0055】
この後、スクレーパローラ23で取り出された数枚の用紙Pは、ピックアップローラ25と捌き板28との間で挟持搬送される際に1枚ずつに分離され、筐体2内に設定した用紙搬送方向に沿って下流の給紙経路RSに向けて給送されている。
【0056】
この際、ピックアップローラ25及び弾性ローラ26を駆動軸27に同軸的に取り付けたことが、本発明の要部となっているが、これについては後で詳述する。
【0057】
次に、内部給紙部10及び外部給紙部20からの各給紙経路RSの最下流と、反転経路RRの最下流とに接続した通常経路RCの上流側には、レジストローラ対Reが設置されている。このレジストローラ対Reは、回転停止中に用紙Pを突き当ててループを形成することで斜行を補正し、この後、所定のタイミングで回転して用紙Pを通常経路RCの下流側に送っている。
【0058】
次に、ベルトプラテン部50及びインクジェット印刷部55は、筐体2の略中央部位に通常経路RCを挟んで互いに対向して設けられており、且つ、ベルトプラテン部50の上方にインクジェット印刷部55が設置されている。
【0059】
上記したベルトプラテン部50は、レジストローラ対Reから送られた用紙Pを回転自在なエンドレスベルトプラテン51上にエアー吸引しながら一定の用紙搬送速度で通常経路RCの下流側に送っている。
【0060】
上記したインクジェット印刷部55は、エンドレスベルトプラテン51上に搭載された用紙Pに対してシアン(C),ブラック(K),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクを吐出する4つのライン型インクジェットヘッド56を用いて画像情報をカラーで印刷している。
【0061】
次に、排紙部60は、筐体2の左側板2bの上方部位に設けられている。この排紙部60では、インクジェット印刷部55で印刷された印刷済みの用紙Pを排紙経路RDの最下流に設置した排紙トレイ61の上面61a上に積載している。
【0062】
次に、用紙反転部65も、筐体2の左側板2bの上方部位に設けられている。この用紙反転部65では、片面印刷済みの用紙Pがループ状の通常経路RC,反転経路RRを通って排紙トレイ61の裏面側に形成したスイッチバック用ガイド61bに進入して、用紙Pの搬送方向の先端部が入れ替り、且つ、ループ経路によって用紙Pの表裏が反転され、この後、反転された用紙Pは再びレジストローラ対Reを経てインクジェット印刷部55で両面印刷が行われる。
【0063】
次に、制御部70は筐体2内の適宜な場所に設けられている。この制御部70は、画像形成装置1を全体的に制御している。この制御部70は、内部にCPU,ROM,RAM,カウンタ,タイマなどを備えている。
【0064】
ここで、本発明の実施例1に係る画像形成装置の給紙装置について
図4を用いて説明する。
【0065】
(実施例1の画像形成装置の給紙装置)
図4(a),(b)は本発明の実施例1に係る画像形成装置の給紙装置を拡大して示している。
【0066】
図4(a),(b)に示した本発明の実施例1に係る画像形成装置の給紙装置20A(20)は、先に
図1及び
図2を用いて説明した画像形成装置1の左側板2bの一部を外部に対して開口した開口部2cの近傍に設置された外部給紙部20として構成されている。
【0067】
上記した本発明の実施例1に係る画像形成装置の給紙装置20Aでは、給紙ローラとして機能するスクレーパローラ23が用紙搬送方向(用紙給紙方向)と直交する用紙幅方向に沿って短尺に形成した従動軸24に取り付けられている。
【0068】
また、スクレーパローラ23よりも下流側でこのスクレーパローラ23と対向して給紙ローラとして機能するピックアップローラ25が用紙幅方向に沿って長尺に形成した駆動軸27の長手方向の略中央部位に取り付けられている。
【0069】
この際、用紙幅方向に沿って長尺な駆動軸27は、回転駆動源となるギアードモータ31に連結されて用紙Pを給紙する方向となる反時計方向に回転可能になっている。
【0070】
また、従動軸24及び駆動軸27を嵌め込んだ一対のアーム32,32でスクレーパローラ23及びピックアップローラ25の用紙幅方向の両側を連結させている。
【0071】
また、一対のアーム32,32のうちで一方のアーム側には、駆動軸27に固着されたギアG1を含むギア列G1,G2,G3が取り付けられているので、駆動軸27の回転を従動軸24に伝達することができ、スクレーパローラ23及びピックアップローラ25が共に用紙Pを給紙する方向(反時計方向)に回転自在になっている。
【0072】
そして、スクレーパローラ23及びピックアップローラ25の周囲を上方から下部を開口したローラカバー33で覆っている。
【0073】
また、ピックアップローラ25よりも用紙搬送方向の下流側で筐体2(
図1,
図2)内から左側板2bの一部を開口した開口部2cを臨むように上下の用紙搬送ガイド板29,30が設けられている。
【0074】
これら上下の用紙搬送ガイド板29,30は、用紙幅方向に沿って最大サイズの用紙Pの幅よりも長尺に形成されている。
【0075】
また、上下の用紙搬送ガイド板29,30間には、ピックアップローラ25で給紙した用紙Pを進入させて用紙搬送をガイドするように上下間に用紙幅方向に沿った空間Kが形成されており、この空間Kは筐体2(
図1,
図2)の左側板2bの一部を開口した開口部2cを臨んでいる。
【0076】
更に、駆動軸27の長手方向の略中央部位に取り付けたピックアップローラ25を覆ったローラカバー33の用紙幅方向の両側の駆動軸27上には、この駆動軸27の軸線方向に沿って長尺に形成した一対の弾性ローラ26,26が略左右対称に取り付けられている。
【0077】
これら一対の弾性ローラ26,26は、駆動軸27の両端側にEワッシャ34を嵌め込むことで駆動軸27からの抜け防止が図られている。
【0078】
上記した一対の弾性ローラ26,26は、この実施例1の要部を構成する部材であり、弾性変位可能で連続性の気泡を多数有する発泡体を用いている。この実施例1において、一対の弾性ローラ26,26は、一例として発泡ウレタンゴム、発泡ウレタンフォームなどを用いた一対のスポンジローラ26S,26Sとして形成されている。
【0079】
尚、一対のスポンジローラ26S,26Sは、弾性変位可能で発泡性を有するEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、ポリエチレン、ブチルゴム、シリコン系ゴムなどの発泡体からなる弾性材料から形成されていれば良い。
【0080】
ここで、一対のスポンジローラ26S,26Sを用いた第1の理由は、ピックアップローラ(給紙ローラ)25よりも下流側で筐体2(
図1,
図2)内に設けた上下の用紙搬送ガイド板29,30間に形成された空間Kを長尺に形成した一対のスポンジローラ26S,26Sで覆うことで、筐体2内で生じた騒音が空間Kを通り抜けて筐体2の左側板2bに形成した開口部2cから漏れ出すのを防止するためである。
【0081】
長尺に形成した一対のスポンジローラ26S,26Sは、連続性の気泡を多数有する発泡体の吸音特性から上記騒音を内部で吸収することができるので、画像形成装置1に対して静音性を高めることができる。
【0082】
また、一対のスポンジローラ26S,26Sを用いた第2の理由は、スクレーパローラ23及びピックアップローラ25により用紙Pを給紙する際に、反りが生じている用紙Pを抑える用紙抑えローラとして機能させるためである。一対のスポンジローラ26S,26Sは、ピックアップローラ25と同軸で回転するので搬送される用紙Pの抵抗にはならず、しわも発生しにくい。
【0083】
なお、
図4には明確に開示されていないが、ピックアップローラ25の直径φD1よりも一対のスポンジローラ26S,26Sの直径φD2を僅かに小径に形成している。これにより、用紙Pに皺や斜行を生じることを防止しつつ、反りが生じている用紙Pを一対のスポンジローラ26S,26Sで抑えながら給紙することができるので、スクレーパローラ23及びピックアップローラ25、又は、ピックアップローラ25のみの場合よりも給紙性能を向上させることができる。
【0084】
この際、ピックアップローラ25の直径φD1を例えばφ60mm程度に形成した場合に、一対のスポンジローラ26S,26Sの直径φD2を例えばφ56mm〜φ58mm程度に形成している。
【0085】
スポンジローラ26Sの直径φD2をピックアップローラ25の直径φD1より僅かに小径にしている点についてさらに補足する。ピックアップローラ25と捌き板28との間で用紙Pを捌いているとき、捌き部分の周囲で、一時的に用紙Pにゆがみが生じる。このとき、もしスポンジローラ26Sの外径がピックアップローラ25の外径と同じ又はそれより大きい場合には、スポンジローラ26Sが前記捌き部分の周囲で生じるゆがみをつぶしてしまい、そのつぶれた部分が皺になったり、斜行を引き起こす原因となりうる。本件発明では、スポンジローラ26Sの外径をピックアップローラ25の外径よりわずかに小さくしているので、ピックアップローラ25と捌き板28との間で用紙Pを捌いているとき、捌き部分の周囲に一時的に用紙Pにゆがみが生じても、このゆがみがつぶされないための隙間があり、ゆがみは用紙Pが搬送されるにつれてなくなり、ピックアップローラ25の周囲に皺や斜行は発生しない。
【0086】
また、一対のスポンジローラ26S,26Sを用いた第3の理由は、弾性変位可能であるので、給紙時に何らかの原因により生じたジャム用紙(図示せず)を容易に取り出すことができるジャム用紙解除性能を持たせるためである。
【0087】
この際、ユーザ又はサービスマンが弾性変位可能なスポンジローラ26Sを指で変形させることで、ジャム用紙を容易に取り出すことができる。
【0088】
次に、本発明の実施例1に係る画像形成装置の給紙装置を一部変形させた変形例2,3の画像形成装置の給紙装置について
図5,
図6を用いて説明する。
【0089】
(変形例2の画像形成装置の給紙装置)
図5(a),(b)は本発明の実施例1に係る画像形成装置の給紙装置を一部変形させた変形例2の画像形成装置の給紙装置を拡大して示している。
【0090】
図5(a),(b)に示した変形例2の画像形成装置の給紙装置20B(20)は、先に
図4を用いて説明した実施例1の画像形成装置の給紙装置20A(20)の構成に対して一部異なっており、ここでは説明の便宜上、先に実施例1で示した構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例1に対して異なる構成部材に新たな符号を付して説明する。
【0091】
図5(a),(b)に示す如く、変形例2の画像形成装置の給紙装置20B(20)も、実施例1と同様に、画像形成装置1(
図1)内に設けた外部給紙部20として構成されており、且つ、駆動軸27に取り付けたピックアップローラ25を覆ったローラカバー33の用紙幅方向の両側の駆動軸27上に長尺に形成した一対のスポンジローラ26S,26Sが取り付けられている。
【0092】
ここで、変形例2の画像形成装置の給紙装置20Bにおいて、実施例1に対して異なる点を説明すると、長尺に形成した一対のスポンジローラ26S,26Sの各外周面26Sa,26Sa上に、樹脂材を用いて用紙幅方向の幅が狭くリング状に形成した一対の用紙抑えローラ35,35が嵌め込まれている。
【0093】
これら一対の用紙抑えローラ35,35は、樹脂材を用いて剛体に形成されているので、厚みが厚く且つ反りが生じている用紙Pに対して反りを確実に抑え込むことができる。
【0094】
一対の用紙抑えローラ35,35は、ピックアップローラ25の直径φD1よりも僅かに小径で一対のスポンジローラ26S,26Sの直径φD2と略同径に形成されていると共に、内部に一対のスポンジローラ26S,26Sの直径φD2よりも小径な貫通孔35a,35aがそれぞれ形成されている。
【0095】
そして、一対の用紙抑えローラ35,35は、各貫通孔35a,35a内に一対のスポンジローラ26S,26Sの各外周面26Sa,26Saを弾性変形させながら嵌め込むことで、用紙Pの幅方向のサイズに対応して一対のスポンジローラ26S,26Sの軸線上での取り付け位置を移動させている。これにより、厚みが厚く且つ反りが生じている用紙Pの幅方向のサイズが異なっても、各用紙サイズに応じて反りを確実に抑えることができる。
【0096】
(変形例3の画像形成装置の給紙装置)
図6は本発明の実施例1に係る画像形成装置の給紙装置を一部変形させた変形例3の画像形成装置の給紙装置を拡大して示している。
【0097】
図6に示した変形例3の画像形成装置の給紙装置20C(20)は、先に
図4を用いて説明した実施例1の画像形成装置の給紙装置20A(20)の構成に対して一部異なっており、ここでは説明の便宜上、先に実施例1で示した構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例1に対して異なる構成部材に新たな符号を付して説明する。
【0098】
図6に示す如く、変形例3の画像形成装置の給紙装置20C(20)も、実施例1と同様に、画像形成装置1内に設けた外部給紙部20として構成されており、且つ、駆動軸27に取り付けたピックアップローラ25を覆ったローラカバー33の用紙幅方向の両側の駆動軸27上に発泡体からなる弾性ローラ26として一対のスポンジローラ26S,26Sが取り付けられている。
【0099】
ここで、変形例3の画像形成装置の給紙装置20Cにおいて、実施例1に対して異なる点を説明すると、画像形成装置1の装置内部の排熱を利用して温められた温風を、発泡体からなる弾性ローラ26に吹き付けてこの弾性ローラ26を温める温風吹き付け手段80を設けている。
【0100】
上記した温風吹き付け手段80は、画像形成装置1内に設けたインクジェット印刷部55で生じた排熱を利用して温めた温風を画像形成装置の給紙装置20Cに向って送風するダクト81及び第1,第2送風ファン82,83から構成されている。
【0101】
温風送風用のダクト81は、インクジェット印刷部55内に設けた4つのライン型インクジェットヘッド56の周辺を覆うヘッド周辺ダクト部81aと、外部給紙部20の駆動軸27と略平行に設置されて駆動軸27に取り付けたピックアップローラ25を覆ったローラカバー33及びこのローラカバー33の用紙幅方向の両側の駆動軸27上に取り付けた一対のスポンジローラ26S,26Sを覆う給紙周辺ダクト部81bと、ヘッド周辺ダクト部81aと給紙周辺ダクト部81bとの間を接続する接続用ダクト部81cとが板金材を用いて溶接などにより一体的に形成されている。
【0102】
この際、接続用ダクト部81cは、一端部81c1がヘッド周辺ダクト部81aの左側面部位に接続され、中間部81c2が筐体2(
図1)内の後方から左側板2b(
図1)に沿うように逆コ字状に屈曲した後に、他端部81c3が給紙周辺ダクト部81bの用紙幅方向の略中央部位に接続されている。
【0103】
また、ヘッド周辺ダクト部81a内の左側面側で接続用ダクト部81cの一端部81c1に形成された接続口の近傍に第1送風ファン82が設置されていると共に、接続用ダクト部81cの他端部81c3に形成された接続口の近傍に第2送風ファン83が設置されている。
【0104】
上記のように温風吹き付け手段80を構成したときに、排熱用のダクト81のヘッド周辺ダクト部81a内で印刷時に加熱されたシアン(C),ブラック(K),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクを吐出する4つのライン型インクジェットヘッド56の排熱により各ヘッド56の周辺の空気が温められる。
【0105】
この後、ヘッド周辺ダクト部81a内で温められた空気は、第1送風ファン82により温風となって接続用ダクト部81c内に送風され、更に、温風は接続用ダクト部81c内の第2送風ファン83により給紙周辺ダクト部81bに送風される。
【0106】
そして、給紙周辺ダクト部81bの下方に用紙幅方向に沿って開口した送風口81b1から温風がピックアップローラ25や一対のスポンジローラ26S,26Sに吹き付けられる。
【0107】
この際、給紙周辺ダクト部81bの送風口81b1から吹き付けられる温風の温度は、60°C前後であり、この温風によりピックアップローラ25や一対のスポンジローラ26S,26Sが何らの支障もなく温められるために、ピックアップローラ25や一対のスポンジローラ26S,26Sの硬化を防止できると共に、吸音スポンジ特性により安定した静音効果を得ることができ、とくに室温が低い冬場に一対のスポンジローラ26S,26Sの硬化防止効果が顕著となる。
【0108】
尚、上記した温風吹き付け手段80は、先に
図5を用いて説明した変形例2の画像形成装置の給紙装置20Bにも適用可能であり、この場合も温風吹き付け手段80により画像形成装置1の装置内部の排熱を利用して温められた温風を、ピックアップローラ25や一対のスポンジローラ26S,26Sに吹き付けることができる。
【0109】
尚また、上記した温風吹き付け手段80では、画像形成装置1の装置内部の排熱としてライン型インクジェットヘッド56の排熱を利用した場合について説明したが、これに限ることなく、例えば、用紙P上に印刷したインク画像を乾燥させる乾燥機(図示せず)を設けた場合に、乾燥機の排熱を利用することも可能である。
【0110】
次に、本発明の実施例2に係る画像形成装置の給紙装置について
図7を用いて説明する。
【0111】
(実施例2の画像形成装置の給紙装置)
図7(a),(b)は本発明の実施例2に係る画像形成装置の給紙装置を拡大して示している。
【0112】
図7(a),(b)に示した本発明の実施例2に係る画像形成装置の給紙装置20D(20)は、先に
図4を用いて説明した実施例1の画像形成装置の給紙装置20A(20)の構成に対して一部異なっており、ここでは説明の便宜上、先に実施例1で示した構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例1に対して異なる構成部材に新たな符号を付して説明する。
【0113】
図7(a),(b)に示す如く、本発明の実施例2に係る画像形成装置の給紙装置20D(20)も、先に
図1及び
図2を用いて説明した画像形成装置1内に設けた外部給紙部20として構成されている。
【0114】
この実施例2の画像形成装置の給紙装置20D(20)では、先に
図4を用いて説明した弾性ローラ26の一例である一対のスポンジローラ26S,26Sに代えて、弾性ローラ26として一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nを用いた点のみが異なっている。
【0115】
上記した一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nも、駆動軸27の軸線方向に沿って長尺に形成されており、且つ、駆動軸27に取り付けたピックアップローラ25を覆ったローラカバー33の用紙幅方向の両側の駆動軸27に同軸的に略左右対称に取り付けられている。
【0116】
この布巻き弾性ローラ26Nは、ピックアップローラ25の直径φD1よりも外径が僅かに小径で駆動軸27の軸径と同径の貫通孔41aを形成した一対のリング状円板41,41と、一対のリング状円板41,41の外径と巻き径が略同径で一対のリング状円板41,41間に介装される圧縮バネ42と、一対のリング状円板41,41及び圧縮バネ42を円筒状に包むように駆動軸27の軸線方向に長尺に形成した布状筒体43とで構成されている。
【0117】
そして、一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nを駆動軸27の両端側から取り付ける際、駆動軸27上で間隔を離して嵌め込んだ一対のリング状円板41,41間に圧縮バネ42を介装させて、一対のリング状円板41,41及び圧縮バネ42を駆動軸27の軸線方向に長尺に形成した布状筒体43で円筒状に包んで各布巻き弾性ローラ26Nを形成している。
【0118】
これにより、一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nは、それぞれ布状筒体43が圧縮バネ42の付勢力で駆動軸27の軸線方向に円筒状に伸び、この後,Eワッシャ34を駆動軸27の両端側に嵌め込むことで駆動軸27からの抜け防止が図られている。
【0119】
ここで、一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nを用いた第1の理由は、実施例1と同様に、ピックアップローラ(給紙ローラ)25よりも下流側で筐体2(
図1,
図2)内に設けた上下の用紙搬送ガイド板29,30間に形成された空間Kを長尺に形成した一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nで覆うことで、筐体2内で生じた騒音が空間Kを通りぬけて筐体2(
図1,
図2)の左側板2bに形成した開口部2cから漏れ出すのを防止するためである。
【0120】
また、一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nを用いた第2の理由は、実施例1と同様に、スクレーパローラ23及びピックアップローラ25により用紙Pを給紙する際に、反りが生じている用紙Pを抑える用紙抑えローラとして機能させるためである。
【0121】
なお、
図7には明確に開示されていないが、ピックアップローラ25の直径φD1よりも一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nの直径φD2を僅かに小径に形成している。これにより、用紙Pに皺や斜行を生じることを防止しつつ、反りが生じている用紙Pを一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nで抑えながら給紙することができるので、スクレーパローラ23及びピックアップローラ25、又は、ピックアップローラ25のみの場合よりも給紙性能を向上させることができる。
【0122】
この際、ピックアップローラ25の直径φD1を例えばφ60mm程度に形成した場合に、一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nの直径φD2を例えばφ56mm〜φ58mm程度に形成している。
【0123】
また、一対の布巻き弾性ローラ26N,26Nを用いた第3の理由は、実施例1と同様に、弾性変位可能であるので、給紙時に何らかの原因により生じたジャム用紙(図示せず)を容易に取り出すことができるジャム用紙解除性能を持たせるためである。
【0124】
この際、ユーザ又はサービスマンが弾性変位可能な布巻き弾性ローラ26Nを指で変形させることで、ジャム用紙を容易に取り出すことができる。
【0125】
次に、本発明の実施例2に係る画像形成装置の給紙装置を一部変形させた変形例4の画像形成装置の給紙装置について
図8を用いて説明する。
【0126】
(変形例4の画像形成装置の給紙装置)
図8(a),(b)は本発明の実施例2に係る画像形成装置の給紙装置を一部変形させた変形例4の画像形成装置の給紙装置を拡大して示している。
【0127】
図8(a),(b)に示した変形例4の画像形成装置の給紙装置20E(20)は、先に
図7を用いて説明した実施例2の画像形成装置の給紙装置20D(20)の構成に対して一部異なっており、ここでは説明の便宜上、先に実施例2で示した構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、先に示した構成部材は必要に応じて適宜説明し、実施例2に対して異なる構成部材に新たな符号を付して説明する。
【0128】
図8(a),(b)に示す如く、変形例4の画像形成装置の給紙装置20E(20)も、実施例2と同様に、画像形成装置1(
図1)内に設けた外部給紙部20として構成されている。
【0129】
ここで、変形例4の画像形成装置の給紙装置20Eにおいて、実施例2に対して異なる点を説明すると、駆動軸27の略中央部位に取り付けたピックアップローラ25を覆ったローラカバー33の用紙幅方向の両側の駆動軸27上に布巻き弾性ローラ26N,用紙抑えローラ45,布巻き弾性ローラ26Nを組として2組が、駆動軸27の中心部に対して略左右対称に取り付けられている。
【0130】
この変形例4における用紙抑えローラ45は、先に
図5を用いて説明した変形例2における用紙抑えローラ35とは異なって、布巻き弾性ローラ26N,26N間の駆動軸27に嵌め込まれている。
【0131】
この際、用紙抑えローラ45は、樹脂材を用いて用紙幅方向の幅が狭くリング状に形成されており、且つ、ピックアップローラ25の直径φD1よりも僅かに小径で布巻き弾性ローラ26Nの直径φD2と略同径に形成されていると共に、内部に駆動軸27の軸径と同径の貫通孔45aが形成されている。
【0132】
そして、用紙抑えローラ45は、樹脂材を用いて剛体に形成されているので、厚みが厚く且つ反りが生じている用紙Pに対して反りを確実に抑え込むことができる。
【0133】
更に、用紙抑えローラ45は、布巻き弾性ローラ26N,26N間で各圧縮バネ42を駆動軸27の軸線方向に弾性変形させることで、用紙Pの幅方向のサイズに対応して駆動軸27上での取り付け位置を移動させている。
【0134】
これにより、厚みが厚く且つ反りが生じている用紙Pの幅方向のサイズが異なっても、各用紙サイズに応じて反りを確実に抑えることができる。
【符号の説明】
【0135】
1…画像形成装置、2…筐体、2a…天板、2b…左側板、2c…開口部、
3…用紙搬送部、4…操作パネル部、10…内部給紙部、
20…外部給紙部(給紙装置、変形例1の給紙装置)、
20A…実施例1の画像形成装置の給紙装置、
20B…実施例1を一部変形させた変形例2の画像形成装置の給紙装置、
20C…実施例1を一部変形させた変形例3の画像形成装置の給紙装置、
20D…実施例2の画像形成装置の給紙装置、
20E…実施例2を一部変形させた変形例4の画像形成装置の給紙装置、
21…給紙台、22…ギアードモータ、
23…給紙ローラ(スクレーパローラ)、24…従動軸、
25…給紙ローラ(ピックアップローラ)、
26…弾性ローラ、26S…スポンジローラ、26Sa…外周面、
26N…布巻き弾性ローラ、27…駆動軸、28…捌き板、
29,30…上下の用紙搬送ガイド板、31…回転駆動源(ギアードモータ)、
32…一対のアーム、33…ローラカバー、34…Eワッシャ、
35…用紙抑えローラ、35a…貫通孔、
41…リング状円板、42…圧縮バネ、43…布状筒体、45…用紙抑えローラ、
50…ベルトプラテン部、
55…インクジェット印刷部、56…ライン型インクジェットヘッド、
60…排紙部、65…用紙反転部、70…制御部、
80…温風吹き付け手段、81…温風送風用のダクト、81a…ヘッド周辺ダクト部、
81b…給紙周辺ダクト部、81b1…送風口、81c…接続用ダクト部、
82…第1送風ファン、83…第2送風ファン、
K…上下の用紙搬送ガイド板間に形成された空間、P…用紙、R…用紙搬送ローラ対。