(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6585975
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】ウェザーストリップの端部構造及びウェザーストリップの端部成形方法
(51)【国際特許分類】
B60J 10/86 20160101AFI20190919BHJP
B60J 10/84 20160101ALI20190919BHJP
B60J 10/18 20160101ALI20190919BHJP
B60J 10/24 20160101ALI20190919BHJP
B60R 13/06 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
B60J10/86
B60J10/84
B60J10/18
B60J10/24
B60R13/06
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-179740(P2015-179740)
(22)【出願日】2015年9月11日
(65)【公開番号】特開2017-52488(P2017-52488A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2018年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】川口 敏路
(72)【発明者】
【氏名】松本 美智彦
【審査官】
宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06240677(US,B1)
【文献】
特許第5476898(JP,B2)
【文献】
特開2005−075085(JP,A)
【文献】
特開2009−202782(JP,A)
【文献】
米国特許第04910918(US,A)
【文献】
特開2004−148892(JP,A)
【文献】
特開2008−055978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/00−10/90
B60R 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のドア又はドア開口部側のボディに形成されたフランジが途切れた空間部に取付けられるとともに、中空部又はリップ部が断面略U字形状の取付基部に一体的に成形されるとともにインサートが埋設されてなるウェザーストリップの端部構造であって、
前記インサートには前記ウェザーストリップの長手方向に延びる凸部が形成され、前記凸部には、ウェザーストリップの端部に設けられた取付基部の凹部が嵌め込まれ、前記インサートと前記ウェザーストリップの端部とは型成形材料によって一体的に接続されてなるもので、
前記インサートに形成された凸部は、板厚の幅広部と幅狭部が前記長手方向に向かって交互に形成されるとともに、前記ウェザーストリップに設けられた取付基部の凹部は、前記凸部の幅広部と幅狭部のいずれにも嵌め込まれることを特徴とするウェザーストリップの端部構造。
【請求項2】
前記インサートの、前記ウェザーストリップ中央側の端部は、幅広部として、ウェザーストリップに設けられた取付基部の凹部に嵌め込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップの端部構造。
【請求項3】
前記取付基部には前記中空部が一体的に成形され、その中空部が、前記ドアとドア開口部との間に異物が挟み込まれると対応する信号を出力して異物の存在を検知するセンサー後挿入用の中空であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ウェザーストリップの端部構造。
【請求項4】
自動車のドア又はドア開口部側のボディに形成されたフランジが途切れた空間部に取付けられるとともに、中空部又はリップ部が断面略U字形状の取付基部に一体的に成形されるとともにインサートが埋設されてなるウェザーストリップの端部成形方法であって、
前記インサートには前記ウェザーストリップの長手方向に延びる凸部が形成され、その凸部に、押出成形されたウェザーストリップの端部に設けられた取付基部の凹部を嵌め込んだ後、前記インサートと前記押出成形されたウェザーストリップの端部を一体的に型成形接続することを特徴とするウェザーストリップの端部成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワゴン車やワンボックスカーやセダン車などのように車体の前後に移動するスライドドアの上部や下部のようにフランジを設定できない区間に取付けられるウェザーストリップの端部構造及びウェザーストリップの端部成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ウェザーストリップを自動車のドアや、ドア開口部側のボディに形成されたフランジに固定する場合、断面略U字形状の取付基部の内方に設けられた爪形状部の反力を利用して固定する方法が一般的に知られている。
しかし、
図10に示すような車体の場合、コーナーRが小さい及びドア開口が大きい等の理由で、
図9に示すように、スライドドア100の上部Xあるいは下部Yのように、車両設計の制約上、フランジ101を設定できない区間Lが生じることがある。
【0003】
そのようにフランジ101を設定できない区間Lには、通常、ウェザーストリップの端部を型成形したものをクリップや両面テープなどを介して固定することが行われている。
しかしながら、この区間をウェザーストリップの型成形部だけで占めるのではなく、押出成形された断面中空形状の部分を設ける必要がある場合がある。
例えば、中空部内にセンサーが設けられ、スライドドア100を閉じたときに手足等が挟まれていることを検出するウェザーストリップの場合、検出範囲をなるべく広範囲にするようにセンサー入りのウェザーストリップを延長したいとの要望が強い。
【0004】
なお、フランジ101の折曲部に対してあえて切欠部を設けてセンサー入りのウェザーストリップを設けたものは知られているが(特許文献1の
図11)、フランジ101の切欠部において、ウェザーストリップは安定した状態で取付けられていないという問題がある。
また、フランジ101の途切れた部位にブラケットを使用して上フランジと下フランジを接続することで補強したものも知られているが(特許文献2の
図8)、ブラケットはウェザーストリップとは別体であるのでセンサー入りのウェザーストリップを延長するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−075085号公報
【特許文献2】特許第5476898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、フランジを設定できない区間においてもウェザーストリップを安定した状態で取付けられるウェザーストリップの端部構造及びウェザーストリップの端部成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明のウェザーストリップの端部構造は、自動車のドア(100)又はドア開口部側のボディに形成されたフランジ(101)が途切れた空間部(M)に取付けられるとともに、中空部(12)又はリップ部が断面略U字形状の取付基部(11)に一体的に成形されるとともにインサート(20)が埋設されてなるウェザーストリップ(10)の端部構造であって、
前記インサート(20)には前記ウェザーストリップ(10)の長手方向に延びる凸部(22)が形成され、前記凸部(22)には、ウェザーストリップ(10)の端部に設けられた取付基部(11)の凹部(15)が嵌め込まれ、前記インサート(20)と前記ウェザーストリップ(10)の端部とは型成形材料(30)によって一体的に接続されてなる
もので、
前記インサート(20)に形成された凸部(22)は、板厚の幅広部(22A)と幅狭部(22B)が前記長手方向に向かって交互に形成されるとともに、前記ウェザーストリップ(10)に設けられた取付基部(11)の凹部(15)は、前記凸部(22)の幅広部(22A)と幅狭部(22B)のいずれにも嵌め込まれることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記インサート(20)の、前記ウェザーストリップ(10)中央側の端部は、幅広部(22A1)として、ウェザーストリップ(10)に設けられた取付基部(11)の凹部(15)に嵌め込むようにしたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記取付基部(11)には前記中空部(12)が一体的に成形され、その中空部(12)が、前記ドア(100)とドア開口部との間に異物が挟み込まれると対応する信号を出力して異物の存在を検知するセンサー(S)後挿入用の中空であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のウェザーストリップの端部成形方法は、自動車のドア(100)又はドア開口部側のボディに形成されたフランジ(101)が途切れた空間部(M)に取付けられるとともに、中空部(12)又はリップ部が断面略U字形状の取付基部(11)に一体的に成形されるとともにインサート(20)が埋設されてなるウェザーストリップ(10)の端部成形方法であって、
前記インサート(20)には前記ウェザーストリップ(10)の長手方向に延びる凸部(22)が形成され、その凸部(22)に、押出成形されたウェザーストリップ(10)の端部に設けられた取付基部(11)の凹部(15)を嵌め込んだ後、前記インサート(20)と前記押出成形されたウェザーストリップ(10)の端部を一体的に型成形接続することを特徴とする。
【0012】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自動車のドア又はドア開口部側のボディに形成されたフランジが途切れた空間部には、インサートが埋設されたウェザーストリップの端部が取付けられ、その端部の構造は、インサートに形成された凸部に、ウェザーストリップの取付基部の凹部が嵌め込まれたものが型成形材料によって一体的に接続されてなるものであるので、フランジを設定できない区間においてもウェザーストリップを安定した状態で取付けることができる。
また、フランジを設定できない区間には、従来例で示したように別体のブラケットが設けられるものではなく、ウェザーストリップの端部を設置することができるので、例えば、押出成形されたウェザーストリップの端部をフランジが存在する部位から延長して設置することでウェザーストリップの中空部又はリップ部による形状及びシール圧を略一様にすることができたり、あるいはウェザーストリップの中空部に後挿入される異物検知用センサーよる検出範囲を広範囲にすることができる。
【0014】
また本発明によれば、ウェザーストリップに設けられた取付基部の凹部は、インサートの凸部に形成された幅広部と幅狭部のいずれにも嵌め込まれるので、型成形材料は幅狭部では幅広部に比較して取付基部の凹部に多く流れ込む。そして、インサートの凸部に対する取付基部の凹部の嵌合力は幅狭部においても強度的に強くなる。
このように、インサートの凸部に対する取付基部の凹部の嵌合力に強弱を設けることでインサートに取付基部をより一層強度に取付けることができ、インサートに対する取付基部の嵌合時の位置決めも容易になる。
そして、インサートの、ウェザーストリップ中央側の端部は、幅広部として、ウェザーストリップに設けられた取付基部の凹部に嵌め込むようにすることで、インサートを存在させないウェザーストリップの押出断面部の取付基部の凹部に、インサートを覆うために使用される型成形材料が流入することを阻止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係るウェザーストリップの端部が、
図9に示したスライドドアに取付けられた状態を示す側面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るウェザーストリップの端部構造に使用されるインサートを示す視図である。
【
図6】
図5に示したインサートに押出成形されたウェザーストリップが嵌め込まれた状態を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示したインサートとウェザーストリップが型成形材料を介して一体化された状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る別のウェザーストリップの端部を示す、
図1のB−B線拡大断面図である。
【
図9】フランジが途切れた部位を有するスラトドドアの要部を示す側面図である。
【
図10】スライドドアを有する自動車の外観側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の実施形態に係るウェザーストリップの端部構造について説明する。
本発明の実施形態に係るウェザーストリップの端部構造は、
図1,
図9,
図10に示すように、ワゴン車やワンボックスカーやセダン車などのように車体の前後に移動するスライドドア100の上部においてフランジ101を設定できない区間Lに取付けられるものである。
【0017】
このウェザーストリップ10は、
図2乃至4に示したように、断面略U字形状の取付基部11に中空部12が一体的に形成されたもので、インサート20が埋設されている。また、中空部12は、上下方向に延び、スライドドア100とそのドア開口部との間に人体の一部(指や手足)などの異物が挟み込まれると対応する信号を出力して異物の存在を検知するセンサー(感圧センサー)Sを後挿入するための中空である。
【0018】
取付基部11は、スライドドア100に取付けられた際には、スライドドア100の車外側(前方)に位置する第一側壁11a,スライドドア100の車内側(後方)に位置する第二側壁11b,第一側壁11aと第二側壁11bを連結し車内側に位置する連結壁11cからなり、第二側壁11bの内方から2つの保持リップ14,14が突設されている。また、取付基部11には断面略U字形状の芯材16が埋設されている。
【0019】
中空部12は、取付基部11の連結壁11cから車内側に向けて突出するように設けられた上下方向に延びる筒状体である。
また取付基部11の第二側壁11bの外方には、断面C字形状のチャンネル部13が設けられ、後挿入するセンサーSに接続されるワイヤーハーネス(図示しない)を保持するために使用される。チャンネル部13の断面形状は断面C字形状に限定されるものではなくワイヤーハーネスを保持するものであればよい。また、チャンネル部を省くこともできる。
【0020】
これら、取付基部11,中空部12,チャンネル部13及び保持リップ14は、例えばEPDMなどの合成ゴムやTPO,TPSといった熱可塑性エラストマーからなるゴム様弾性体で押出成形され、端部は型成形されることによって外形が整えられる。
なお、ここではセンサーSを中空部12に対して後から挿入するようにしたものを示したが、これにかえて、中空部12と同時にセンサーSを一体形成することもできる(例えば、特許第3718922号公報の
図10に示されている様にすることもできる)。
【0021】
インサート20は、
図5に示すように、ウェザーストリップ10の長手方向(取付時には上下方向)に延びる本体部21と、その本体部21に対して同じく長手方向に延び車内側に向かって突出するように形成された凸部22からなり、この凸部22に押出成形されたウェザーストリップ10の取付基部11の凹部15が嵌め込まれるようになっている。凸部22の長さは、フランジ101を設定できない区間Lよりも短く、フランジ101が途切れた空間部Mにウェザーストリップ10の端部が取付けられた後に、凸部22がフランジ101に沿って延びるように、すなわちフランジ101と凸部22が連続して延びるように設けられている。
また、凸部22は、長手方向に直交する方向の幅において幅の広い幅広部22Aと幅の狭い幅狭部22Bが長手方向に交互に形成されてなる。ここでは、幅広部22Aは四か所(22A1,22A2,22A3,22A4)、幅狭部22Bは三ケ所(22B1,22B2,22B3)形成され、両端部には幅広部22Aが位置するようにしている。
【0022】
幅広部22Aの幅WAは取付基部11の内幅、すなわち凹部15の幅15Wと略同一又は保持リップ14の厚さ分の幅15Wより狭く設定してあり、取付基部11の第二側壁11bには保持リップ14,14が突設されていることからインサート20の凸部22の幅広部22Aに対して取付基部11の凹部15は大きい抵抗にさからって圧入される。また、凸部22の幅狭部22Bに対しては保持リップ14,14が撓むことによって幅広部22Aよりは小さい抵抗にさからって圧力される。
なお、幅狭部22Bから幅広部22Aにかけての板幅は、段差を設けるようにすることもできるがここではテーパー状に除変するようにしている。また、インサート20は金属製でもよいがここでは樹脂製のものとして軽量化と型成形材料30との接着性を良好にしている。
また、インサート20にはウェザーストリップ10を車体に固定するための穴23が設けられている。
【0023】
そして、ウェザーストリップ10の端部は次のように成形される。
まず、
図6に示すように、インサート20に形成された凸部22に対して、押出成形されたウェザーストリップ10の端部に設けられた取付基部11の凹部15を嵌め込む。
このとき、インサート20の凸部22の端面、すなわち最も上方に位置する幅広部22Aの端面と押出成形されたウェザーストリップ10の端部の端面を一致させてもよいが、ここでは、幅広部22Aの端面が押出成形されたウェザーストリップ10の端部の端面より上方に突出する状態でインサート20の凸部22に対して、押出成形されたウェザーストリップ10の取付基部11の凹部15を嵌め込んでいる。
【0024】
次に、インサート20の凸部22に嵌め込まれた、押出成形されたウェザーストリップ10の端部を、金型(図示しない)にセットして型成形材料30を流し込むことで、
図7に示すように、インサート20と押出成形されたウェザーストリップ10の端部を一体的に型成形接続する。
このとき、ウェザーストリップ10の端部に設けられた取付基部11の凹部15は、一様の断面形状であり、型成形材料30は、インサート20の凸部22に形成された幅広部22Aと幅狭部22Bのいずれにも嵌め込まれるので、
図2及び
図3に示すように、型成形材料30は幅狭部22Bでは幅広部22Aに比較して取付基部11の凹部15に多く流れ込み、これによりインサート20の凸部22に対する取付基部11の凹部15の嵌合力は幅狭部22Bにおいても強度的に強くなる。
このように、インサート20の凸部22に対する取付基部11の凹部15の嵌合力に強弱を設けることでインサート20に取付基部11をより一層強度に取付けることができ、インサート20に対する取付基部11の嵌合時の位置決めも容易になる。
【0025】
なお、押出成形されたウェザーストリップ10において端部ではない部分、すなわちインサート20の凸部22Aではなく、フランジ101が存在する部分においては、
図4に示すように、取付基部11の凹部15はフランジ101に直接嵌込まれる。
【0026】
また、インサート20の、ウェザーストリップ10中央側の端部は、幅広部22A1として、ウェザーストリップ10に設けられた取付基部11の凹部15に嵌め込むようにすることで、インサート20を存在させないウェザーストリップ10の押出断面部の取付基部11の凹部15に、インサート20を覆うために使用される型成形材料30が流入することを阻止することもできる。
【0027】
なお、インサート20の穴23の位置に対応してウェザーストリップ10にも車体固定用の穴17が設けられている。
【0028】
このように、自動車のスライドドア100に形成されたフランジ101が途切れた空間部Mには、インサート20が埋設され、押出成形されたウェザーストリップ10の端部が取付けられ、その端部の構造は、インサート20に形成された凸部22に、押出成形されたウェザーストリップ10の取付基部11の凹部15が嵌め込まれたものが型成形材料30によって一体的に接続されてなるものであるので、フランジ101を設定できない区間Lにおいてもウェザーストリップ10を安定した状態で取付けることができる。
【0029】
また、フランジ101を設定できない区間Lには、従来例で示したように別体のブラケットが設けられるものではなく、ウェザーストリップ10の端部を直接的に設置することができるので、押出成形されたウェザーストリップ10の端部をフランジ101が存在する部位から延長して設置することでウェザーストリップ10の中空部12に異物検知用センサーSを後挿入した場合の検出範囲を上方に向けて広範囲にすることができる。
【0030】
なお、本実施形態例では、取付基部11の第二側壁11bの内方から2つの保持リップ14,14を突設して、インサート20の凸部22に取付基部11の凹部15を圧入状態で嵌め込むようにしたが、取付基部11の第一側壁11aの内方にも保持リップ(特に数は限定されない)を突設してもよいし、圧入状態が保持されるのであれば保持リップを取付基部11には一切設けないようにし、かつ幅広部22Aの幅WAを取付基部11の凹部15の幅15Wと同一かそれより若干大きくするようにしてもよい。
【0031】
また、インサート20の形状についても様々な態様が考えられ、例えば、
図8に示すように、インサート20の幅狭部22Bから流入した型成形材料30の注入圧力により取付基部11の連結壁11cや中空部12が変形するようであれば、幅狭部22Bの上部だけを幅広にした、断面略T字状にすることもできる。
【0032】
また、本実施形態例では、スライドドア100においてセンサーSが後から挿入されるための中空部12が取付基部11に一体的に成形されたものを示したが、スライドドア100に限定されることなく、ドア開口部側に弾接するシール材として機能する中空部やリップ部が断面略U字形状の取付基部11に一体的に成形されるものでもよく、サイドドアやバックドアにおいてフランジが途切れた空間部に取付けられるものであれば適用可能である。
これによれば、押出成形されたウェザーストリップ11の端部をフランジ101が存在する部位から延長して設置することができるのでウェザーストリップ10の中空部又はリップ部による形状及びシール圧を略一様にすることができる。
また、これらのように、ドア側ではなくドア開口部側のボディに形成されたフランジ101が途切れた空間部Mに取付けられるものにも適用可能である。
また、ウェザーストリップ10の端部全体を型成形によって形成してインサート20と一体化させることもできる。
【符号の説明】
【0033】
10 ウェザーストリップ
11 取付基部
11a 第一側壁
11b 第二側壁
11c 連結壁
12 中空部
13 チャンネル部
14 保持リップ
15 凹部
16 芯材
17 ウェザーストリップに形成された穴
20 インサート
21 本体部
22 凸部
22A 幅広部
22B 幅狭部
23 インサートに形成された穴
30 型成形材料
100 ドア(スライドドア)
101 フランジ
L 区間
M 空間部
S センサー
WA 広幅(幅広部の幅)
WB 狭幅(幅狭部の幅)
X 上部
Y 下部