特許第6586006号(P6586006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コヴィディエン リミテッド パートナーシップの特許一覧

特許6586006クラムシェル外科手術ステープル留めローディングユニット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6586006
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】クラムシェル外科手術ステープル留めローディングユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20190919BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】20
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2015-248592(P2015-248592)
(22)【出願日】2015年12月21日
(65)【公開番号】特開2016-123858(P2016-123858A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2018年10月31日
(31)【優先権主張番号】14/590,059
(32)【優先日】2015年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】スタニスロー コストシェフスキー
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−514505(JP,A)
【文献】 欧州特許第1091695(EP,B1)
【文献】 特表2009−521991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクターであって、
近位部分と、中央部分と、遠位部分とを有する第1の顎であって、該中央部分は、第1の組織接触表面を有し、空洞を規定し、該第1の顎は、エンドエフェクター軸を規定する、第1の顎と、
第2の組織接触表面を有する第2の顎であって、該第2の顎は、回転軸の周りで該第1の顎に回転可能に固定されており、該回転軸は、該エンドエフェクター軸に平行であり、該第2の顎は、該第2の顎の該第2の組織接触表面が該第1の顎の該第1の組織接触表面と同じ方向に向いている状態で、該第2の顎が該第1の顎の該空洞内に位置決めされるように、折りたたまれた位置を有し、該第2の顎は、該第2の顎の該第2の組織接触表面が該第1の顎の該第1の組織接触表面に対向している状態で、該第2の顎が該回転軸の周りで回転されるように、締め付けられた位置に回転可能である、第2の顎と
を含む、エンドエフェクター。
【請求項2】
前記第1の顎は、複数のファスナーを有するファスナーカートリッジを含む、請求項1に記載のエンドエフェクター。
【請求項3】
前記第1の顎は、そりを含み、該そりは、前記第2の顎が前記締め付けられた位置にある場合、前記複数のファスナーを該第1の顎から該第2の顎に向かって射出するために、前記ファスナーカートリッジを通って並進可能である、請求項2に記載のエンドエフェクター。
【請求項4】
前記第2の顎は、近位フランジと、遠位フランジと、該近位フランジと該遠位フランジとを接続している中央部分とを含む、請求項1に記載のエンドエフェクター。
【請求項5】
前記第1の顎の近位部分および遠位部分は、各々が、前記空洞に隣接している折りたたみ停止凹部を規定し、前記第2の顎の前記近位フランジおよび前記遠位フランジの各々は、該第2の顎の前記中央部分から離れて延びている停止ピンを含み、該停止ピンは、該第2の顎が該折りたたまれた位置にある場合、該折りたたみ停止凹部内に受け取られている、請求項4に記載のエンドエフェクター。
【請求項6】
前記第1の顎の前記中央部分は、該第1の顎の前記近位部分および前記遠位部分に隣接している締め付け停止凹部を規定し、該締め付け停止凹部は、前記第2の顎が前記締め付けられた位置にある場合、該第2の顎の該近位フランジおよび該遠位フランジを受け取るように構成されている、請求項4に記載のエンドエフェクター。
【請求項7】
ローディングユニットであって、
コネクターを含むハウジングであって、該コネクターは、該ハウジングの近位端に位置決めされ、該コネクターは、該ローディングユニットを外科手術器具に結合するように構成され、該ハウジングは、長手方向軸を規定する、ハウジングと、
該ハウジングの遠位端において支持されているエンドエフェクターであって、該エンドエフェクターは、
近位部分と、中央部分と、遠位部分とを有する第1の顎であって、該中央部分は、第1の組織接触表面を有し、空洞を規定し、該中央部分は、複数のファスナーを含み、該第1の顎は、エンドエフェクター軸を規定する、第1の顎と、
第2の組織接触表面を有する第2の顎であって、該第2の顎は、回転軸の周りで該第1の顎に回転可能に固定されており、該回転軸は、該エンドエフェクター軸に平行であり、該第2の顎は、該第2の顎の該第2の組織接触表面が該第1の顎の該第1の組織接触表面と同じ方向に向いている状態で、該第2の顎が該第1の顎の該空洞内に位置決めされるように、折りたたまれた位置を有し、該第2の顎は、該第2の顎の該第2の組織接触表面が該第1の顎の該第1の組織接触表面に対向している状態で、該第2の顎が該回転軸の周りで回転されるように、締め付けられた位置に回転可能である、第2の顎と
を含む、エンドエフェクターと、
該ハウジング内に配置されている締め付け機構であって、該締め付け機構は、該第2の顎を該折りたたまれた位置と該締め付けられた位置との間で回転するように該第2の顎と動作可能に関連づけられ、該締め付け機構は、締め付けロッドと、締め付けシャフトと、旋回アームとを含み、該旋回アームは、該締め付けシャフトの長手方向の並進に応答して該締め付けロッドを長手方向に並進するために、該締め付けロッドと該締め付けシャフトとの間に位置決めされている、締め付け機構と、
該ハウジング内に配置されている発射機構と
を含み、該発射機構は、該第2の顎が該締め付けられた位置にある場合、該複数のファスナーを該第1の顎から該第2の顎に向かって射出するように該第1の顎と動作可能に関連付けられ、該発射機構は、該ハウジング内で長手方向に並進可能である発射ロッドを含む、ローディングユニット。
【請求項8】
前記締め付けシャフトの遠位端は、締め付けフックを含み、前記旋回アームは、該ハウジングに回転可能に結合されている第1の端部と、前記締め付けロッドの近位端に結合されている第2の端部と、該旋回アームの該第1の端部と該第2の端部との間に位置決めされているカム従動部とを含み、該締め付けフックは、該旋回アームの該カム従動部を係合して、該旋回アームを、該旋回アームの折りたたまれた位置と締め付けられた位置との間で回転し、該旋回アームの回転は、該締め付けロッドの並進を達成する、請求項7に記載のローディングユニット。
【請求項9】
前記締め付けロッドは、締め付けケーブルに結合され、該締め付けケーブルは、該第2の顎に結合され、該締め付けケーブルは、前記折りたたまれた位置と前記締め付けられた位置との間で該第2の顎を回転する、請求項7に記載のローディングユニット。
【請求項10】
前記締め付けロッドの遠位並進は、前記締め付けケーブルに張力をかけて、前記第2の顎を前記締め付けられた位置に向かって回転し、該締め付けロッドの近位並進は、該締め付けケーブルに張力をかけて、該第2の顎を前記折りたたまれた位置に向かって回転する、請求項9に記載のローディングユニット。
【請求項11】
前記締め付け機構は、ケーブルテンショナーを含み、前記締め付けケーブルの第1の部分は、該締め付けロッドから該ケーブルテンショナーを通って前記エンドエフェクターの中に通っており、該ケーブルテンショナーは、近位方向に付勢されて、該締め付けケーブルの該第1の部分に張力を印加している、請求項9に記載のローディングユニット。
【請求項12】
前記エンドエフェクターは、該エンドエフェクターの下表面に回転可能に取り付けられている、遊び滑車と、近位滑車と、遠位滑車とを含み、該遊び滑車は、該エンドエフェクターの近位端に隣接して位置決めされ、該遠位滑車は、該エンドエフェクターの遠位端に隣接して位置決めされ、該近位滑車は、該遊び滑車と該遠位滑車との間に位置決めされている、請求項9に記載のローディングユニット。
【請求項13】
前記エンドエフェクターの前記第1の顎の前記近位部分および前記遠位部分の各々は、前記中央部分に隣接している溝を規定し、前記締め付けケーブルの第2の部分は、前記遊び滑車、前記近位滑車、前記遠位滑車の周り、および該第1の顎の該遠位部分に規定される該溝の中に通っており、該締め付けケーブルの該第2の部分は、前記第2の顎に結合されている、請求項12に記載のローディングユニット。
【請求項14】
前記発射ロッドの遠位端は、発射ケーブルに結合され、該発射ケーブルは、前記第1の顎内に配置されているそりに結合され、該そりは、前記複数のファスナーを該第1の顎から射出するために、該第1の顎を通ってスライド可能である、請求項7に記載のローディングユニット。
【請求項15】
前記そりは、前記複数のファスナーを前記第1の顎から射出するために、前記エンドエフェクター軸に対して平行に近位方向にスライド可能である、請求項14に記載のローディングユニット。
【請求項16】
前記発射ロッドの遠位並進は、前記そりを近位方向にスライドする、請求項15に記載のローディングユニット。
【請求項17】
前記ハウジング内に配置されている関節運動ロッドを含む関節運動機構をさらに含み、該関節運動ロッドは、該ハウジングの前記コネクター内に位置決めされている関節運動フラッグから、前記エンドエフェクターに結合されている遠位端に延びており、該関節運動フラッグは、該エンドエフェクターを該ハウジングに対して関節運動するために、長手方向に並進可能である、請求項7に記載のローディングユニット。
【請求項18】
前記エンドエフェクターは、まっすぐな構成と関節運動した構成との間で関節運動可能であり、該まっすぐな構成において、前記エンドエフェクター軸は、前記ハウジングの前記長手方向軸に対して第1の角度を関節運動され、該関節運動した構成において、該エンドエフェクター軸は、該ハウジングの該長手方向軸に対して第2の角度を関節運動され、該第1の角度は、該第2の角度と異なる、請求項17に記載のローディングユニット。
【請求項19】
前記第2の角度は、−4°〜100°の範囲内である、請求項18に記載のローディングユニット。
【請求項20】
膣円蓋を閉鎖するためのローディングユニットであって、
該ローディングユニットは、該ローディングユニットのハウジングの遠位端上に支持されているエンドエフェクターのエンドエフェクター軸が、該ハウジングの長手方向軸と整列されているように、まっすぐな構成において、開口部を通して挿入されるように構成され、該エンドエフェクターは、第1の顎と第2の顎とを有し、該第2の顎は、該第1の顎に対して折りたたまれた位置にあり、
該エンドエフェクターは、該エンドエフェクター軸が患者の膣円蓋に対して垂直であるように、該ハウジングに対して関節運動されるように構成され、
該エンドエフェクターの該第2の顎は、該第2の顎の組織接触表面が該第1の顎の組織接触表面に対向しており、該膣円蓋が該第1の顎の組織接触表面と該第2の顎の組織接触表面との間に位置決めされるように、該折りたたまれた位置から締め付けられた位置に回転されるように構成され、
複数のファスナーが、該第1の顎から該第2の顎に向かって射出されて、該膣円蓋を閉鎖するように構成されている、
ローディングユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
1.技術分野
本開示は、外科手術器具に関し、より詳しくは、中空器官の開放端を閉鎖するための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の議論
子宮摘出術手順(例えば、全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)手順)中、子宮および頸部は除去され、膣円蓋と呼ばれる膣管の端部において、おおよそ円形の構造を作り出す。残っている膣円蓋の閉鎖は、手順の最も難しい局面のうちの1つであり得る。それは、開腹手順において訓練された者にとって、腹腔鏡の外科手術の実行に対する障壁のうちの1つであるとも考えられる。
【0003】
子宮が除去された後、披裂(これは、外科手術縫合に沿って創傷が破ける場合のことである)を避けながら、膣円蓋を閉鎖することが必要である。現在、膣円蓋の閉鎖は、針と縫合糸とを用いて、またはスティッチング外科手術器具を用いてこの蓋を縫合することによって、手動で行われる。両方の方法は、多くの外科手術スキルおよび時間を必要とする。
【0004】
よりスキルを必要とせず、時間を節約し、強い一貫した吻合を提供する、膣円蓋を閉鎖し得る器具の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示の局面において、エンドエフェクターは、第1の顎と第2の顎とを含む。第1の顎は、近位部分と、中央部分と、遠位部分とを有し、エンドエフェクター軸を規定する。中央部分は、第1の組織接触表面を有し、空洞を規定する。第2の顎は、第2の組織接触表面を有し、回転軸の周りで第1の顎に回転可能に固定されており、この回転軸は、エンドエフェクター軸に平行である。第2の顎は、第2の顎の第2の組織接触表面が第1の顎の第1の組織接触表面と同じ方向に向いている状態で、第2の顎が第1の顎の空洞内に位置決めされるように、折りたたまれた位置を有する。第2の顎は、第2の顎の第2の組織接触表面が第1の顎の第1の組織接触表面に対向している状態で、第2の顎が回転軸の周りで回転されるように、締め付けられた位置に回転可能である。
【0006】
複数の局面において、第1の顎は、複数のファスナーを有するファスナーカートリッジを含む。第1の顎は、そりを含み得、このそりは、第2の顎が締め付けられた位置にある場合、複数のファスナーを第1の顎から第2の顎に向かって射出するために、ファスナーカートリッジを通って並進可能である。
【0007】
いくつかの局面において、第2の顎は、近位フランジと、遠位フランジと、近位フランジと遠位フランジとを接続している中央部分とを含む。第1の顎の近位部分および遠位部分は、各々が、空洞に隣接している折りたたみ停止凹部を規定する。第2の顎の近位フランジおよび遠位フランジの各々は、第2の顎の中央部分から離れて延びている停止ピンを含み得る。停止ピンは、第2の顎が折りたたまれた位置にある場合、折りたたみ停止凹部内に受け取られ得る。
【0008】
本開示の別の局面において、ローディングユニットは、ハウジングと、エンドエフェクターと、締め付け機構と、発射機構とを含む。ハウジングは、長手方向軸を規定し、ハウジングの近位端に位置決めされているコネクターを含む。コネクターは、ローディングユニットを外科手術器具に結合するように構成されている。エンドエフェクターは、ハウジングの遠位端において支持されており、第1の顎と第2の顎とを含む。第1の顎は、近位部分と、中央部分と、遠位部分とを有し、エンドエフェクター軸を規定する。中央部分は、第1の組織接触表面を有し、空洞を規定する。中央部分は、複数のファスナーを含む。第2の顎は、第2の組織接触表面を有し、回転軸の周りで第1の顎に回転可能に固定されており、この回転軸は、エンドエフェクター軸に平行である。第2の顎は、第2の顎の第2の組織接触表面が第1の顎の第1の組織接触表面と同じ方向に向いている状態で、第2の顎が第1の顎の空洞内に位置決めされるように、折りたたまれた位置を有する。第2の顎は、第2の顎の第2の組織接触表面が第1の顎の第1の組織接触表面に対向している状態で、第2の顎が回転軸の周りで回転されるように、締め付けられた位置に回転可能である。締め付け機構は、ハウジング内に配置されており、第2の顎を折りたたまれた位置と締め付けられた位置との間で回転するように第2の顎と動作可能に関連づけられている。締め付け機構は、締め付けロッドと、締め付けシャフトと、旋回アームとを含み、この旋回アームは、締め付けシャフトの長手方向の並進に応答して締め付けロッドを長手方向に並進するために、締め付けロッドと締め付けシャフトとの間に位置決めされている。発射機構は、ハウジング内に配置されており、第2の顎が締め付けられた位置にある場合、複数のファスナーを第1の顎から第2の顎に向かって射出するように第1の顎と動作可能に関連付けられている。発射機構は、ハウジング内で長手方向に並進可能である発射ロッドを含む。
【0009】
複数の局面において、締め付けシャフトの遠位端は、締め付けフックを含み、旋回アームは、ハウジングに回転可能に結合されている第1の端部と、締め付けロッドの近位端に結合されている第2の端部とを含む。旋回アームは、その第1の端部と第2の端部との間に位置決めされているカム従動部とを含み得る。締め付けフックは、旋回アームのカム従動部を係合して、旋回アームを、折りたたまれた位置と締め付けられた位置との間で回転し得る。折りたたまれた位置と締め付けられた位置との間での旋回アームの回転は、締め付けロッドの並進を達成する。
【0010】
いくつかの局面において、締め付けロッドは、締め付けケーブルに結合され、この締め付けケーブルはまた、第2の顎に結合されている。締め付けケーブルは、折りたたまれた位置と締め付けられた位置との間で第2の顎を回転する。締め付けロッドの遠位並進は、締め付けケーブルに張力をかけて、第2の顎を締め付けられた位置に向かって回転し得、締め付けロッドの近位並進は、締め付けケーブルに張力をかけて、第2の顎を折りたたまれた位置に向かって回転し得る。
【0011】
特定の局面において、締め付け機構は、ケーブルテンショナーを含む。締め付けケーブルの第1の部分は、締め付けロッドからケーブルテンショナーを通ってエンドエフェクターの中に通り得る。ケーブルテンショナーは、近位方向に付勢されて、締め付けケーブルの第1の部分に張力を印加し得る。
【0012】
特定の局面において、エンドエフェクターは、エンドエフェクターの下表面に回転可能に取り付けられている、遊び滑車と、近位滑車と、遠位滑車とを含む。遊び滑車は、エンドエフェクターの近位端に隣接して位置決めされ得る。遠位滑車は、エンドエフェクターの遠位端に隣接して位置決めされ得る。近位滑車は、遊び滑車と遠位滑車との間に位置決めされ得る。エンドエフェクターの第1の顎の近位部分および遠位部分の各々は、中央部分に隣接している溝を規定する。締め付けケーブルの第2の部分は、遊び滑車、近位滑車、遠位滑車の周り、および第1の顎の遠位部分に規定される溝の中に通り得る。締め付けケーブルの第2の部分は、第2の顎に結合されている。
【0013】
複数の局面において、発射ロッドの遠位端は、発射ケーブルに結合され、この発射ケーブルは、第1の顎内に配置されているそりに結合されている。そりは、複数のファスナーを第1の顎から射出するために、第1の顎を通ってスライド可能であり得る。そりは、複数のファスナーを第1の顎から射出するために、エンドエフェクター軸に対して平行に近位方向にスライド可能であり得る。発射ロッドの遠位並進は、そりを近位方向にスライドし得る。
【0014】
いくつかの局面において、ローディングユニットは、関節運動機構を含む。関節運動機構は、ハウジング内に配置されている関節運動ロッドを含み得、この関節運動ロッドは、ハウジングのコネクター内に位置決めされている関節運動フラッグから、エンドエフェクターに結合されている遠位端に延びている。関節運動フラッグは、エンドエフェクターをハウジングに対して関節運動するために、長手方向に並進可能であり得る。エンドエフェクターは、まっすぐな構成と関節運動した構成との間で関節運動可能であり得る。まっすぐな構成において、エンドエフェクター軸は、ハウジングの長手方向軸に対して第1の角度を関節運動されている。関節運動した構成において、エンドエフェクター軸は、ハウジングの長手方向軸に対して第2の角度を関節運動され得る。第1の角度は、第2の角度と異なり得る。第2の角度は、約−4°〜約100°の範囲内であり得る。
【0015】
本開示の別の局面において、膣円蓋を閉鎖するための方法は、まっすぐな構成において、開口部を通してローディングユニットを挿入することと、エンドエフェクターのエンドエフェクター軸が患者の膣円蓋に対して垂直であるように、ローディングユニットのエンドエフェクターを関節運動することと、エンドエフェクターの第2の顎を該折りたたまれた位置から締め付けられた位置に回転することと、複数のファスナーをエンドエフェクターの第1の顎から第2の顎に向かって射出して、膣円蓋を閉鎖することとを含む。ローディングユニットのまっすぐな構成において、エンドエフェクターのエンドエフェクター軸は、ローディングユニットのハウジングによって規定される長手方向軸と整列されている。エンドエフェクターは、ハウジングの遠位端上に支持されている。ローディングユニットの挿入中、第2の顎は、第1の顎に対して折りたたまれた位置にある。第2の顎が締め付けられた位置に回転される場合、膣円蓋は、第1の顎の組織接触表面と第2の顎の組織接触表面との間に位置決めされる。
【0016】
さらに、本明細書中に記載される局面のうちの任意のものは、一貫した程度まで、本明細書中に記載される他の局面のうちの任意のものまたは全てとともに使用され得る。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
エンドエフェクターであって、
近位部分と、中央部分と、遠位部分とを有する第1の顎であって、該中央部分は、第1の組織接触表面を有し、空洞を規定し、該第1の顎は、エンドエフェクター軸を規定する、第1の顎と、
第2の組織接触表面を有する第2の顎であって、該第2の顎は、回転軸の周りで該第1の顎に回転可能に固定されており、該回転軸は、該エンドエフェクター軸に平行であり、該第2の顎は、該第2の顎の該第2の組織接触表面が該第1の顎の該第1の組織接触表面と同じ方向に向いている状態で、該第2の顎が該第1の顎の該空洞内に位置決めされるように、折りたたまれた位置を有し、該第2の顎は、該第2の顎の該第2の組織接触表面が該第1の顎の該第1の組織接触表面に対向している状態で、該第2の顎が該回転軸の周りで回転されるように、締め付けられた位置に回転可能である、第2の顎と
を含む、エンドエフェクター。
(項目2)
上記第1の顎は、複数のファスナーを有するファスナーカートリッジを含む、上記項目に記載のエンドエフェクター。
(項目3)
上記第1の顎は、そりを含み、該そりは、上記第2の顎が上記締め付けられた位置にある場合、上記複数のファスナーを該第1の顎から該第2の顎に向かって射出するために、上記ファスナーカートリッジを通って並進可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目4)
上記第2の顎は、近位フランジと、遠位フランジと、該近位フランジと該遠位フランジとを接続している中央部分とを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目5)
上記第1の顎の近位部分および遠位部分は、各々が、上記空洞に隣接している折りたたみ停止凹部を規定し、上記第2の顎の上記近位フランジおよび上記遠位フランジの各々は、該第2の顎の上記中央部分から離れて延びている停止ピンを含み、該停止ピンは、該第2の顎が該折りたたまれた位置にある場合、該折りたたみ停止凹部内に受け取られている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目6)
上記第1の顎の上記中央部分は、該第1の顎の上記近位部分および上記遠位部分に隣接している締め付け停止凹部を規定し、該締め付け停止凹部は、上記第2の顎が上記締め付けられた位置にある場合、該第2の顎の該近位フランジおよび該遠位フランジを受け取るように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目7)
ローディングユニットであって、
コネクターを含むハウジングであって、該コネクターは、該ハウジングの近位端に位置決めされ、該コネクターは、該ローディングユニットを外科手術器具に結合するように構成され、該ハウジングは、長手方向軸を規定する、ハウジングと、
該ハウジングの遠位端において支持されているエンドエフェクターであって、該エンドエフェクターは、
近位部分と、中央部分と、遠位部分とを有する第1の顎であって、該中央部分は、第1の組織接触表面を有し、空洞を規定し、該中央部分は、複数のファスナーを含み、該第1の顎は、エンドエフェクター軸を規定する、第1の顎と、
第2の組織接触表面を有する第2の顎であって、該第2の顎は、回転軸の周りで該第1の顎に回転可能に固定されており、該回転軸は、該エンドエフェクター軸に平行であり、該第2の顎は、該第2の顎の該第2の組織接触表面が該第1の顎の該第1の組織接触表面と同じ方向に向いている状態で、該第2の顎が該第1の顎の該空洞内に位置決めされるように、折りたたまれた位置を有し、該第2の顎は、該第2の顎の該第2の組織接触表面が該第1の顎の該第1の組織接触表面に対向している状態で、該第2の顎が該回転軸の周りで回転されるように、締め付けられた位置に回転可能である、第2の顎と
を含む、エンドエフェクターと、
該ハウジング内に配置されている締め付け機構であって、該締め付け機構は、該第2の顎を該折りたたまれた位置と該締め付けられた位置との間で回転するように該第2の顎と動作可能に関連づけられ、該締め付け機構は、締め付けロッドと、締め付けシャフトと、旋回アームとを含み、該旋回アームは、該締め付けシャフトの長手方向の並進に応答して該締め付けロッドを長手方向に並進するために、該締め付けロッドと該締め付けシャフトとの間に位置決めされている、締め付け機構と、
該ハウジング内に配置されている発射機構と
を含み、該発射機構は、該第2の顎が該締め付けられた位置にある場合、該複数のファスナーを該第1の顎から該第2の顎に向かって射出するように該第1の顎と動作可能に関連付けられ、該発射機構は、該ハウジング内で長手方向に並進可能である発射ロッドを含む、ローディングユニット。
(項目8)
上記締め付けシャフトの遠位端は、締め付けフックを含み、上記旋回アームは、該ハウジングに回転可能に結合されている第1の端部と、上記締め付けロッドの近位端に結合されている第2の端部と、該旋回アームの該第1の端部と該第2の端部との間に位置決めされているカム従動部とを含み、該締め付けフックは、該旋回アームの該カム従動部を係合して、該旋回アームを、該旋回アームの折りたたまれた位置と締め付けられた位置との間で回転し、該旋回アームの回転は、該締め付けロッドの並進を達成する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目9)
上記締め付けロッドは、締め付けケーブルに結合され、該締め付けケーブルは、該第2の顎に結合され、該締め付けケーブルは、上記折りたたまれた位置と上記締め付けられた位置との間で該第2の顎を回転する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目10)
上記締め付けロッドの遠位並進は、上記締め付けケーブルに張力をかけて、上記第2の顎を上記締め付けられた位置に向かって回転し、該締め付けロッドの近位並進は、該締め付けケーブルに張力をかけて、該第2の顎を上記折りたたまれた位置に向かって回転する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目11)
上記締め付け機構は、ケーブルテンショナーを含み、上記締め付けケーブルの第1の部分は、該締め付けロッドから該ケーブルテンショナーを通って上記エンドエフェクターの中に通っており、該ケーブルテンショナーは、近位方向に付勢されて、該締め付けケーブルの該第1の部分に張力を印加している、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目12)
上記エンドエフェクターは、該エンドエフェクターの下表面に回転可能に取り付けられている、遊び滑車と、近位滑車と、遠位滑車とを含み、該遊び滑車は、該エンドエフェクターの近位端に隣接して位置決めされ、該遠位滑車は、該エンドエフェクターの遠位端に隣接して位置決めされ、該近位滑車は、該遊び滑車と該遠位滑車との間に位置決めされている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目13)
上記エンドエフェクターの上記第1の顎の上記近位部分および上記遠位部分の各々は、上記中央部分に隣接している溝を規定し、上記締め付けケーブルの第2の部分は、上記遊び滑車、上記近位滑車、上記遠位滑車の周り、および該第1の顎の該遠位部分に規定される該溝の中に通っており、該締め付けケーブルの該第2の部分は、上記第2の顎に結合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目14)
上記発射ロッドの遠位端は、発射ケーブルに結合され、該発射ケーブルは、上記第1の顎内に配置されているそりに結合され、該そりは、上記複数のファスナーを該第1の顎から射出するために、該第1の顎を通ってスライド可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目15)
上記そりは、上記複数のファスナーを上記第1の顎から射出するために、上記エンドエフェクター軸に対して平行に近位方向にスライド可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目16)
上記発射ロッドの遠位並進は、上記そりを近位方向にスライドする、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目17)
上記ハウジング内に配置されている関節運動ロッドを含む関節運動機構をさらに含み、該関節運動ロッドは、該ハウジングの上記コネクター内に位置決めされている関節運動フラッグから、上記エンドエフェクターに結合されている遠位端に延びており、該関節運動フラッグは、該エンドエフェクターを該ハウジングに対して関節運動するために、長手方向に並進可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目18)
上記エンドエフェクターは、まっすぐな構成と関節運動した構成との間で関節運動可能であり、該まっすぐな構成において、上記エンドエフェクター軸は、上記ハウジングの上記長手方向軸に対して第1の角度を関節運動され、該関節運動した構成において、該エンドエフェクター軸は、該ハウジングの該長手方向軸に対して第2の角度を関節運動され、該第1の角度は、該第2の角度と異なる、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目19)
上記第2の角度は、−4°〜100°の範囲内である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目20)
膣円蓋を閉鎖するためのローディングユニットであって、
該ローディングユニットは、該ローディングユニットのハウジングの遠位端上に支持されているエンドエフェクターのエンドエフェクター軸が、該ハウジングの長手方向軸と整列されているように、まっすぐな構成において、開口部を通して挿入されるように構成され、該エンドエフェクターは、第1の顎と第2の顎とを有し、該第2の顎は、該第1の顎に対して折りたたまれた位置にあり、
該エンドエフェクターは、該エンドエフェクター軸が患者の膣円蓋に対して垂直であるように、該ハウジングに対して関節運動されるように構成され、
該エンドエフェクターの該第2の顎は、該第2の顎の組織接触表面が該第1の顎の組織接触表面に対向しており、該膣円蓋が該第1の顎の組織接触表面と該第2の顎の組織接触表面との間に位置決めされるように、該折りたたまれた位置から締め付けられた位置に回転されるように構成され、
複数のファスナーが、該第1の顎から該第2の顎に向かって射出されて、該膣円蓋を閉鎖するように構成されている、
ローディングユニット。
(項目20A)
膣円蓋を閉鎖するための方法であって、該方法は、
ローディングユニットのハウジングの遠位端上に支持されているエンドエフェクターのエンドエフェクター軸が、該ハウジングの長手方向軸と整列されているように、まっすぐな構成において、開口部を通して該ローディングユニットを挿入することであって、該エンドエフェクターは、第1の顎と第2の顎とを有し、該第2の顎は、該第1の顎に対して折りたたまれた位置にある、ことと、
該エンドエフェクター軸が患者の膣円蓋に対して垂直であるように、該エンドエフェクターを該ハウジングに対して関節運動することと、
該第2の顎の組織接触表面が該第1の顎の組織接触表面に対向しており、該膣円蓋が該第1の顎の組織接触表面と該第2の顎の組織接触表面との間に位置決めされるように、該エンドエフェクターの第2の顎を該折りたたまれた位置から締め付けられた位置に回転することと、
複数のファスナーを該第1の顎から該第2の顎に向かって射出して、該膣円蓋を閉鎖することと
を含む、方法。
(摘要)
クラムシェルステープル留めエンドエフェクターは、第1の顎と第2の顎とを含み、エンドエフェクター軸を規定する。第1の顎は、近位部分と、中央部分と、遠位部分とを有する。中央部分は、第1の組織接触表面を含み、空洞を規定する。第2の顎は、第2の組織接触表面を含み、回転軸の周りで第1の顎に回転可能に固定されている。回転軸は、エンドエフェクター軸に平行である。第2の顎は、第1の組織接触表面と第2の組織接触表面とが、互いに平行であり、同じ方向に向いている状態で、第2の顎が第1の顎の空洞内に位置決めされるような、折りたたまれた位置と、第1の組織接触表面と第2の組織接触表面とが互いに対向しているような、締め付けられた位置とを有する。
【0017】
本開示の様々な局面は、図面を参照して以下に記載され、図面は、本明細書中に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、シッピング構成における、本開示に従って提供されるローディングユニットの斜視図である。
図2図2は、部品が分離されている分解図であり、図1のローディングユニットの内部構成要素を例示している。
図3図3は、図2の示される詳細領域の拡大された図である。
図4図4は、部品が分離されている、図3のエンドエフェクターの分解図である。
図5図5は、図4のエンドエフェクターのファスナー顎の斜視図である。
図6図6は、部品が分離されている、図5のファスナー顎の分解図である。
図7図7は、部品が分離されている、図4のリテーナー顎の分解図である。
図8A図8Aは、図3のエンドエフェクターの斜視図であり、リテーナー顎が折りたたまれた位置にある。
図8B図8Bは、図8Aの切断線8B−8Bに沿って得られる断面図である。
図9A図9Aは、図3のエンドエフェクターの斜視図であり、リテーナー顎が開放位置にある。
図9B図9Bは、図9Aの切断線9B−9Bに沿って得られる断面図である。
図10A図10Aは、図3のエンドエフェクターの斜視図であり、リテーナー顎が締め付けられた位置にある。
図10B図10Bは、図10Aの切断線10B−10Bに沿って得られる断面図である。
図11図11は、図1のローディングユニットの斜視図であり、上方ハウジング部分が取り外されている。
図12図12は、図3のエンドエフェクターの底面斜視図である。
図13図13は、図11の示される詳細領域の拡大された図である。
図14図14は、折りたたまれた位置における図13の締め付け機構の斜視図である。
図15図15は、開放位置における図13の締め付け機構の斜視図である。
図16図16は、締め付けられた位置における図13の締め付け機構の斜視図である。
図17図17は、図13の締め付け機構の底面斜視図である。
図18図18は、図11の示される詳細領域の拡大された図である。
図19図19は、締め付けケーブルの経路を例示している斜視図であり、細長い本体の部分が取り外され、エンドエフェクターの部分が破線で示されている。
図20図20は、図3のエンドエフェクターの端面図であり、端部キャップが取り外されており、リテーナー顎が折りたたまれた位置にある。
図21図21は、図3のエンドエフェクターの端面図であり、端部キャップが取り外されており、リテーナー顎が開放位置にある。
図22図22は、図3のエンドエフェクターの端面図であり、端部キャップが取り外されており、リテーナー顎が締め付けられた位置にある。
図23図23は、図1のローディングユニットの発射機構の斜視図である。
図24図24は、図23の示される詳細領域の拡大された図である。
図25図25は、図23の発射シャフトの近位部分の斜視図である。
図26図26は、図23の発射シャフトの遠位部分および発射滑車の斜視図である。
図27図27は、図25の切断線27−27に沿って得られる断面図である。
図28図28Aは、図5の切断線28A−28Aに沿って得られる断面図であり、そりが初期位置にある。図28Bは、図5の切断線28B−28Bに沿って得られる断面図であり、ファスナーがファスナーカートリッジ内に配置されている。
図29図29Aは、そりがファスナーカートリッジを通って部分的に引っ張られている、図28Aのエンドエフェクターの断面図であり、締め付けられた位置にあるリテーナー顎を含む。図29Bは、そりがファスナーカートリッジを通って部分的に引っ張られて、ファスナーをファスナーカートリッジから射出している、図28Bのエンドエフェクターの断面図であり、締め付けられた位置にあるリテーナー顎を含む。
図30図30は、図29Bの完成した2部品ファスナーの斜視図である。
図31図31は、図30の切断線31−31に沿って得られる断面図である。
図32図32は、シッピング構成における図1のローディングユニットの斜視図であり、上方ハウジング部分が取り外されている。
図33図33は、図32の示される詳細領域の拡大された図である。
図34図34は、図32のローディングユニットの近位部分の斜視図であり、下方ハウジング部分が取り外されている。
図35図35は、図34の示される詳細領域の拡大された図である。
図36図36は、図1のシッピングウェッジおよび係止リングの斜視図である。
図37図37は、図36のシッピングウェッジおよび係止リングの斜視図であり、係止リングが、係止されていない位置に回転されている。
図38図38は、本開示に従う、外科手術手順中の使用における図1のローディングユニットの切欠き図であり、ローディングユニットは、まっすぐな構成にある。
図39図39は、図38のローディングユニットの切欠き図であり、エンドエフェクターが、折りたたまれた位置において、膣円蓋の端部に隣接して位置決めされている。
図40図40は、図39の切断線40−40に沿って得られる断面図である。
図41図41は、締め付けられた位置における図40のエンドエフェクターの断面図である。
図42図42は、折りたたまれた位置に戻された図41のエンドエフェクターの断面図であり、ファスナーがファスナーカートリッジから膣円蓋を通って、リテーナーカートリッジのリテーナーの中に射出されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
次に、本開示の実施形態が、図面を参照して詳細に記載され、図面において、類似の参照数字は、数枚の図の各々における、同一の要素または対応する要素を表す。本明細書中で用いられる場合、用語「臨床家」は、医師、看護師、または任意の他の世話をする人を指し、援助要員を含み得る。本記載にわたって、用語「近位」は、臨床家に最も近い、デバイスまたはその構成要素の部分を指し、用語「遠位」は、臨床家から最も遠い、デバイスまたはその構成要素の部分を指す。
【0020】
本開示は、組織を接合するためのエンドエフェクターを含めるための、動力式または手動の外科手術ハンドル用のローディングユニットに関する。エンドエフェクターは、閉鎖位置へ回転する顎を有し、クラムシェルの形態であり得る。エンドエフェクターは、リテーナー顎を含み、このリテーナー顎は、ファスナー顎によって規定される凹部の中に旋回可能に受け取られる。リテーナー顎は、凹部から締め付けられた位置に旋回され、次に、ファスナーがファスナーカートリッジからリテーナーカートリッジに向かって射出されて、ファスナー顎とリテーナー顎との間に捕捉されている組織を固定する。下で詳述されるように、ローディングユニットは、膣円蓋を閉鎖するために、全腹腔鏡下子宮全摘術中に使用され得る。
【0021】
次に図1を参照すると、ローディングユニット10は、本開示に従って提供され、コネクター23からエンドエフェクター30に延びている細長い本体12を含む。図1に示され、より詳細に下で議論されるように、ローディングユニット10は、シッピング構成にあり、シッピングウェッジ40が細長い本体12の近位チューブ14の周りに固定されている。コネクター23は、ローディングユニット10を駆動ロッドを含む外科手術器具(示されない)に固定するように構成され、この駆動ロッドは、ローディングユニット10を作動して、エンドエフェクター30を細長い本体12に対して関節運動し、エンドエフェクター30内に組織を締め付け、締め付けられた組織を通してファスナーを形成する。
【0022】
ローディングユニット10のコネクター23は、動力式ハンドヘルド電気機械式器具(示されない)への選択的な接続のために構成され得るか、動力式または手動の器具のためのアダプターへの選択的な接続のための構成され得るか、または手動で作動されるハンドルアセンブリへの選択的な接続のために構成され得る。例示的な手動で作動されるハンドルアセンブリの構造および機能の詳細な説明のために、共有に係る米国特許第8,789,737号を参照されたい。例示的な電気機械式器具およびアダプターの構造および機能の詳細な説明について、2012年5月31日に出願された、共有に係る米国特許出願第13/484,975号(現在、米国特許公開第2012/0253329号として公開されている)を参照されたい。これらの開示の各々は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0023】
本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものは、特定のパラメーターを測定するなどのために、識別目的のためのマイクロチップまたは他のデバイスを含み得る。以下の出願の開示全体は、これにより、本明細書中で参考として援用される:2014年6月26日に出願された米国仮特許第62/017626号、および2014年2月4日に出願された米国特許出願第14/172,109号。
【0024】
図2をさらに参照すると、細長い本体12は、下方ハウジング部分21と上方ハウジング部分22とから形成される内側ハウジング20を含む。内側ハウジング20は、コネクター23と、近位シリンダー24と、遠位シリンダー26と、遠位延長27とを含む。近位シリンダー24は、コネクター23から延び、遠位シリンダー26は、近位シリンダー24から延びている。遠位シリンダー26は、近位シリンダー24の直径よりも大きい直径を有する。遠位延長27は、遠位シリンダー26から延び、エンドエフェクター30を内側ハウジング20に旋回可能に固定する。下方ハウジング部分21と上方ハウジング部分22とは、近位シリンダー24を覆って配置される近位チューブ14および遠位シリンダー26を覆って配置される遠位チューブ16によって、一緒に固定される。第1の直径を有する近位チューブ14および第2の直径を有する遠位チューブ16は、第1の直径よりも大きい。第1の直径は、約5mm〜約15mmの範囲内(例えば、12mm)であり得、第2の直径は、約12mm〜約20mmの範囲内(例えば、15mm)であり得る。近位チューブ14と遠位チューブ16とは、近位チューブ14上および遠位チューブ16内に配置されるハウジングリング15によって接合され得る。ハウジングリング15は、近位チューブ14と遠位チューブ16との間に規定されるギャップを密封し得る。図1に示されるように、コネクター23は、近位チューブ14から近位方向に延びている。
【0025】
ハウジング20は、下で詳述されるように、エンドエフェクター30を操作する、関節運動ロッド52と、締め付け機構60と、発射機構80とを収容している。関節運動ロッド52は、近位フラッグ53と、近位フラッグ53から遠位端56に延びている本体54とを含む。関節運動ロッド52の遠位端56は、エンドエフェクター30の中に規定される関節運動スロット58を進み、関節運動ピン59によって、エンドエフェクター30に旋回可能に結合される。近位フラッグ53は、まっすぐな位置(図38)と関節運動した位置(図39)との間でエンドエフェクター30を細長い本体12に対して関節運動するために、コネクター23の中に規定される関節運動チャネル57において長手方向に並進可能である。まっすぐな位置において、エンドエフェクター30は、エンドエフェクター30の長手方向軸と細長い本体12の長手方向軸との間に規定される角度が約175°〜約185°の範囲内(例えば、0°または180°)であるように、細長い本体12と実質的に整列される。換言すると、エンドエフェクター30の長手方向軸は、まっすぐな位置において、細長い本体12の長手方向軸から約5°〜約−5°の範囲内(例えば、0°)で関節運動され得る。完全に関節運動した位置(明らかには示されない)において、エンドエフェクター30の長手方向軸と細長い本体12の長手方向軸との間に規定される角度は、約75°〜約105°の範囲内(例えば、90°)である。換言すると、エンドエフェクター30の長手方向軸は、完全に関節運動した位置において、細長い本体12の長手方向軸から約75°〜約105°の範囲内(例えば、90°)で関節運動され得る。エンドエフェクター30が、まっすぐな位置と完全に関節運動した位置との間の任意の角度で関節運動され得ることが認識される。より詳細に下で詳述されるように、本体54は、関節運動係止切欠き55を規定し、この関節運動係止切欠き55は、シッピングウェッジ40によって係合されて、エンドエフェクター30をまっすぐな位置と完全に関節運動した位置との間のシッピング位置(図1)に係止する。
【0026】
図3図7を参照すると、エンドエフェクター30は、ファスナー顎32とリテーナー顎34とを含み、このリテーナー顎34は、ピン36によってファスナー顎32に回転可能に結合される。図5および図6を特に参照すると、ファスナー顎32は、近位部分32aと、中央部分32bと、遠位部分32cとを含む。中央部分32bは、近位部分32aと遠位部分32cとの間に配置され、ファスナーカートリッジ130をファスナー顎32に解放可能に結合するように構成されている。ファスナーカートリッジ130は、複数のプッシャー132と複数のファスナー134とを含む。中央部分32bは、リテーナー顎34を回転可能に受け取るための空洞33を規定する。リテーナー顎は、遠位端と近位端とを有し、遠位端および近位端は、リテーナー顎がエンドエフェクターの長手方向軸の周りで旋回可能であるように、各々がファスナー顎に旋回可能に接続される。近位部分32aおよび遠位部分32cの壁は、中央部分32bに隣接している環状溝79を規定し、空洞33に隣接している折りたたみ停止凹部39を環状溝79において規定する。さらに、ファスナーカートリッジ130は、近位部分32aおよび遠位部分32cの壁に隣接している締め付け停止凹部138(図6)を規定する。ファスナー顎32は、そりリテーナー38aを有する端部キャップ38を含み、このそりリテーナー38aは、そり94を解放可能に保持する。そり94は、下で詳述されるように、複数のファスナー134をファスナーカートリッジ130から射出するために、カートリッジ130を通して規定されるそりチャネル136(図6)を通ってスライド可能である。さらに、下で詳述されるように、遊び滑車76、近位滑車77、および遠位滑車78は、ファスナー顎32の下表面に回転可能に結合される。
【0027】
図7を特に参照すると、リテーナー顎34は、近位端および遠位端における近位フランジ34aおよび遠位フランジ34c、ならびに近位フランジ34aと遠位フランジ34cとの間に延びている中央部分34bを含む。近位フランジ34aおよび遠位フランジ34cの各々は、中央部分34bから離れて延びているケーブルピン35を含む。各ケーブルピン35は、下で詳述されるように、締め付けケーブル75(図20)に結合されているケーブル通路35aを含む。中央部分34bは、リテーナーカートリッジ140をリテーナー顎34に回転可能に結合するように構成されている。リテーナーカートリッジ140は、複数のリテーナー144を解放可能に保持する本体142を含む。図4に戻って参照すると、近位フランジ34aおよび遠位フランジ34cは、ピン36によってファスナー顎32に回転可能に結合される。
【0028】
図8A図10Bを参照すると、エンドエフェクター30は、折りたたまれた位置(図8Aおよび図8B)と、開放位置(図9Aおよび図9B)と、締め付けられた位置(図10Aおよび図10B)とを有する。折りたたまれた位置において、リテーナー顎34は、エンドエフェクター30が実質的に円筒形で、ファスナー顎32の近位部分32aからファスナー顎32の遠位部分32cに実質的に均一の外径を有するように、ファスナー顎32の中央部分32bの中に規定される空洞33内に完全に配置されている。エンドエフェクター30が折りたたまれた位置にある場合、ファスナーカートリッジ130の組織接触表面130aおよびリテーナーカートリッジ140の組織接触表面140aは、同じ方向(例えば、図8Aに示されるように上)に向いている。折りたたまれた位置において、リテーナー顎32のケーブルピン35は、環状溝79において規定される折りたたみ停止凹部39内に受け取られている。
【0029】
エンドエフェクター30の開放位置において、ファスナー顎32およびリテーナー顎34は、互いに対して開放状態(すなわち、折りたたまれた位置と締め付けられた位置との間)である。ローディングユニット10(図1)のシッピング構成において、エンドエフェクター30は、図9Aおよび図9Bに示されるような特定の開放位置にあり、リテーナーカートリッジ140の組織接触表面140aは、ファスナーカートリッジ130の組織接触表面130aに対して実質的に垂直である。下で詳述されるように、エンドエフェクター30は、シッピング構成において、シッピングウェッジ40(図1)によって固定され得、その結果、ファスナーカートリッジ130は、ファスナー顎32に結合され得、またはファスナー顎32から切り離され得、リテーナーカートリッジ140は、リテーナー顎34に結合され得、またはリテーナー顎34から切り離され得る。
【0030】
エンドエフェクター30の締め付けられた位置において、ファスナーカートリッジ130の組織接触表面130aおよびリテーナーカートリッジ140の組織接触表面140aは、互いに対向している。締め付けられた位置において、ファスナーカートリッジ130の各ファスナー134は、リテーナーカートリッジ140のそれぞれのリテーナー144と整列され、その結果、ファスナー134がファスナーカートリッジ130から射出される場合、ファスナー134は、ファスナーカートリッジ130の組織接触表面130aとリテーナーカートリッジ140の組織接触表面140aとの間の組織を通して、リテーナー144とともに2部品ファスナーを形成する。締め付けられた位置において、リテーナー顎34の近位フランジ34aおよび遠位フランジ34cは、ファスナーカートリッジ130の締め付け停止凹部138(図10A)内に受け取られて、リテーナー顎34の過度の回転を防止する。
【0031】
図11図22を参照すると、締め付け機構60は、締め付けシャフト62の並進を、折りたたまれた位置と締め付けられた位置との間でのエンドエフェクター30の回転に変換する。図11を特に参照すると、締め付け機構60は、細長い本体12のハウジング20(図1)内に配置されている、締め付けシャフト62と、旋回アーム68と、締め付けロッド71と、締め付け滑車74とを含む。締め付け機構60はまた、図12に示されるように、ファスナー顎32の下表面に配置されている、遊び滑車76と、近位滑車77と、遠位滑車78とを含む。
【0032】
図2に手短に戻って参照すると、締め付けシャフト62は、キャリッジ切欠き65を規定する近位部分64を含み、このキャリッジ切欠き65は、コネクター23の中に規定されるキャリッジチャネル29内に配置されるキャリッジ18を受け取る。キャリッジ18は、コネクター23に結合される外科手術器具の駆動ロッド(示されない)に応答して並進するように構成されている。
【0033】
次に図13図17を参照すると、締め付けシャフト62は、カムまたは締め付けフック67を規定する遠位部分を含む。締め付けフック67は、旋回アーム68をスライド可能に係合して、エンドエフェクター30の折りたたまれた構成(図8A)に対応する折りたたまれた位置(図14)、エンドエフェクター30の開放位置(図9A)に対応する開放位置(図15)、およびエンドエフェクター30の締め付けられた位置(図10A)に対応する締め付けられた位置(図16)の間で旋回アーム68を旋回する。旋回アーム68は、第1の端部68aと、第2の端部68bと、カム従動部または係合部分69とを含む。旋回アーム68は、内側ハウジング20(図1)の下方ハウジング部分21内に回転可能に固定されている第1の端部68aの周りで回転可能である。旋回アーム68の第1の端部68aはまた、内側ハウジング20の上方ハウジング部分22(図2)によって回転可能に固定され得る。第2の端部68bは、締め付けロッド71の近位端71aに回転可能に結合されている。係合部分69は、締め付けシャフト62の締め付けフック67によって係合されて、その第1の端部68aの周りで旋回アーム68を回転する。旋回アーム68がその第1の端部68aの周りで旋回する場合、旋回アーム68は、締め付けロッド71を並進する。締め付けシャフト62が矢印「P」によって示されるように前進される場合、締め付けフック67は、旋回アーム68の係合部分69にカム作用して、旋回アーム68を締め付けられた位置(図16)に向かって回転する。締め付けシャフト62が反対の矢印Pに後退される場合、締め付けフック67は、旋回アーム68の係合部分69にカム作用して、旋回アーム68を折りたたまれた位置(図14)に向かって回転する。締め付けシャフト62の締め付けフック67は、締め付けシャフト62が後退されて旋回アーム68の係合部分69を締め付けフック67と再係合するまで旋回アーム68が締め付けられた位置(図16)にとどまるように、旋回アーム68を越えて前進され得る。締め付けシャフト62は、締め付けロック切欠き66(図2)を規定し、この締め付けロック切欠き66は、エンドエフェクター30のシッピング位置およびローディングユニット10のシッピング構成に対応する特定の開放位置であるシッピング位置において、締め付け機構60を固定するために、シッピングウェッジ40(図1)によって係合可能である。
【0034】
次に図18および図19を参照すると、締め付けロッド71の遠位端71bは、締め付けケーブル75に圧着されているか、または結合されている。締め付けロッド71の遠位端71bは、締め付けケーブル75に圧着されているか、または結合されているピンを含み得る。締め付けケーブル75は、内側ハウジング20からエンドエフェクター30を通って内側ハウジング20の中に戻るように通っている連続的なケーブルである。締め付けケーブル75は、締め付けロッド71の遠位端71bから締め付け滑車74の周りに近位方向に延びている。締め付け滑車74は、付勢部材73に取り付けられているケーブルテンショナー72に取り付けられている。付勢部材73(図11)は、締め付けケーブル75に予め張力をかけるために、下方ハウジング部分21に固定されている。ケーブル滑車74から、締め付けケーブル75は、内側ハウジング20の近位端を通って出て、エンドエフェクター30の中へいく。締め付けケーブル75は、エンドエフェクター30の遊び滑車76の周り、およびエンドエフェクター30の近位滑車77の周りを通っている。ケーブルテンショナー72によって印加される予めの張力は、エンドエフェクター30がハウジング20に対して関節運動される場合に、リテーナー顎34が回転することを防止する。
【0035】
締め付けケーブル75は、近位滑車77から遠位滑車78の周りに延びている。遠位滑車78から、締め付けケーブル75は、ファスナー顎32を通って、環状溝79の中に通っている。締め付けケーブル75は、環状溝79からリテーナー顎34の遠位フランジ34cに結合されているケーブルピン35を通って延びている。締め付けケーブル75は、締め付けケーブル75がケーブルピン35に対して固定されるように、ケーブルピン35のケーブル通路35a内に結合されているか、または圧着されている。ケーブルピン35から、締め付けケーブル75は、環状溝79に戻り、遠位滑車78の周りに戻る。遠位滑車78から、締め付けケーブル75は、近位滑車77のそばを通り、遊び滑車76の周りを通っている。遊び滑車76から、締め付けケーブル75は、内側ハウジング20に再び入り、締め付けロッド71の遠位端71bに結合されている。
【0036】
締め付けケーブル75の別の部分が、締め付けロッド71の遠位端71bから締め付け滑車74の周りに近位方向に延びている。ケーブル滑車74から、締め付けケーブル75は、内側ハウジング20の近位端を通って出て、エンドエフェクター30の中へいく。締め付けケーブル75は、エンドエフェクター30の遊び滑車76の周りを通り、エンドエフェクター30の近位滑車77の周りを通っている。締め付けケーブル75は、近位滑車77からファスナー顎32の近位部分32aに規定される環状溝79の中に延びている。締め付けケーブル75は、環状溝79からリテーナー顎34の近位フランジ34aに結合されているケーブルピン35を通って延びている。ケーブルピン35は、締め付けケーブルがケーブルピン35に対して固定されるように、締め付けケーブル75に結合されているか、または圧着されている。ケーブルピン35から、締め付けケーブル75は、環状溝79に戻り、近位滑車77の周りに戻る。近位滑車77から、締め付けケーブル75は、遊び滑車76の周りを通り、内側ハウジング20に再び入り、締め付けロッド71の遠位端71bに結合されている。
【0037】
図14図16に戻って参照し、図20図22を参照すると、旋回アーム68が折りたたまれた位置から締め付けられた位置に向かって旋回される場合、締め付けケーブル75は、折りたたまれた位置(図20)から開放位置(図21)を通して締め付けられた位置(図22)にリテーナー顎34を回転する。特に、旋回アーム68が旋回されて、締め付けロッド71を遠位方向に延ばす場合、締め付けロッド71の遠位端71bは、ケーブルテンショナー72の周りを通っている締め付けケーブル75の部分に張力をかけ、その結果、締め付けケーブル75は、図20図22における矢印Aによって示されるように、反時計回りの方向(エンドエフェクター30の遠位端から見られるとき場合)にケーブルピン35を引っ張って、リテーナー顎を締め付けられた位置(図22)に向かって回転する。旋回アーム68が折りたたまれた位置に向かって旋回される場合、締め付けロッド71の遠位端71bは、締め付けロッド71の遠位端71bから直接、内側ハウジング部分20に入る締め付けケーブル75に張力をかけ、時計回りの方向(すなわち、図20図22における矢印Aによって示される方向と反対)にケーブルピン35を引っ張り、リテーナー顎34を折りたたまれた位置(図20)に向かって回転する。
【0038】
次に図23図27を参照すると、発射機構80は、発射ロッド82と、下方ハウジング部分21(図13)の中に回転可能に支持されている発射滑車91と、エンドエフェクター30(図1)内にスライド可能に配置されているそり94と、発射ロッド82からそり94に延びている発射ケーブル81とを含む。発射ロッド82は、発射ロッド82の近位部分に位置決めされている、近位発射フラッグ83aと遠位発射フラッグ83bとを含む。近位発射フラッグ83aおよび遠位発射フラッグ83bは、近位発射フラッグ83aと遠位発射フラッグ83bとの間に発射ギャップ84を規定する。キャリッジ18は、近位発射フラッグ83aと遠位発射フラッグ83bとの間の発射ギャップ84内に受け取られている。発射ロッド82は、ケーブルリテーナー86と遠位フィンガー87とを有する遠位部分85を含む。発射ケーブル81は、ケーブルリテーナー86を通って、遠位フィンガー87の周りを通り、ケーブルリテーナークリップ88によって遠位フィンガー87に固定されており、このケーブルリテーナークリップ88は、遠位フィンガー87および発射ケーブル81を覆って固定されているか、または圧着されている。
【0039】
発射ケーブル81は、発射ロッド82の遠位フィンガー87から、下方ハウジング部分21の中に規定される発射滑車開口部92(図2および図13)内に回転可能に支持されている発射滑車91上を近位方向に延びている。発射ケーブル81は、発射滑車91からエンドエフェクター30の遊び滑車76の周りに遠位方向に延びている。遊び滑車76から、発射ケーブル81は、エンドエフェクター30を通って延び、そり94に取り付けられている。
【0040】
キャリッジ18がコネクター23(図2)を通って前進される場合、キャリッジ18は、キャリッジ18の発射表面18a(図27)が発射ロッド82の遠位発射フラッグ83bを係合するまで、発射ロッド82の発射ギャップ84内で移動する。寸法Dによって示されるキャリッジ18の発射表面18aと遠位フラッグ83bとの間の距離は、キャリッジ18の前進に応答して発射ロッド82を前進するための締め付けドウェルまたは遅れを規定する。上で詳述されるように、締め付けドウェルは、図16に示されるような、締め付けフック67が旋回アーム68を越えていて、その結果、旋回アーム68が締め付けられた位置にある位置へ、締め付けシャフト62を前進するために必要とされる距離と少なくとも等しい。換言すると、締め付けドウェルは、エンドエフェクター30が締め付けられた位置にある前に発射ロッド82が前進されることを防止する。ローディングユニット10が手動で作動されるハンドルに取り付けられている場合、締め付けドウェルは、トリガーまたは移動可能なハンドルの第1の引きと等しく、その結果、トリガーまたは移動可能なハンドルのその後の引きは、ファスナー134をファスナーカートリッジ130から射出する。
【0041】
エンドエフェクター30が締め付けられた位置(図10A)にある状態で、キャリッジ18は前進され、その結果、発射表面18aは、発射ロッド82の遠位フラッグ83bを係合して、発射ロッド82を矢印B(図26)によって示されるように前進する。発射ロッド82が前進される場合、発射ロッド82は、発射滑車91の周りで、発射ロッド82の遠位フィンガー87に固定されている発射ケーブル81に張力をかけて、矢印Cによって示される方向に発射ケーブル81を引っ張る。発射ケーブル81が発射滑車91の周りで張力をかけられる場合、発射ケーブル81は、下で詳述されるように、ファスナーカートリッジ130のチャネル136を通してそり94を近位方向に引っ張り、ファスナー134をファスナーカートリッジ130から射出する。
【0042】
図28A図29Bを参照すると、初期位置(図28Aおよび図28B)において、そり94は、キャップ38のそりリテーナー38aによってファスナー顎32の遠位部分32cの中に保持され、ファスナー134の各々は、ファスナーカートリッジ130内に位置決めされている。そり94が、矢印F(図29A)によって示されるように、チャネル136を通して近位方向に引っ張られる場合、そり94の角度付き表面95は、プッシャー132のカム作用表面133を係合して、プッシャー132をリテーナー顎34に向かって移動する。各プッシャー132は、1つ以上のファスナー134と係合されて、ファスナー134をファスナーカートリッジ130からリテーナーカートリッジ140に向かって射出する。図30および図31に示されるように、各ファスナー134は、リテーナー144のうちの1つ以上を係合して、ファスナーカートリッジ130とリテーナーカートリッジ140との間に締め付けられている組織を通って2部品ファスナーを形成する。
【0043】
実施形態において、ファスナー134は、形成されていないステープルであり得、リテーナー顎32は、アンビル(示されない)を含み得る。そのような実施形態において、ファスナー134は、ファスナー134がアンビルと相互作用して、ファスナーカートリッジ130とアンビルとの間に締め付けられている組織を通ってステープルを形成する(すなわち、形成されていないステープルのレッグを変形する)ように、ファスナーカートリッジ130から射出される。
【0044】
いくつかの実施形態において、そり94は、ファスナー顎32の近位部分32aの中に位置決めされ、発射ケーブル81が張力をかけられる場合、発射ケーブル81によって遠位方向に引っ張られる。そのような実施形態において、発射ケーブル81は、遊び滑車76の周りを通った後に遠位滑車78の周りを通る。そのような実施形態において、そり94の角度付き表面95は遠位方向に向いており、プッシャー132のカム作用表面133は近位方向に向いていることが認識される。
【0045】
特定の実施形態において、そり94は、ナイフ(示されない)を含み、このナイフは、ナイフスロット(示されない)を通って延び、そり94がエンドエフェクター30を通して引っ張られる場合、ファスナー顎32とリテーナー顎34との間の組織を切断する。特定の実施形態において、ナイフ(示されない)は、そり94と別個であり、そり94から独立して発射ケーブル81に取り付けられる。
【0046】
図27に戻って参照すると、所望の数のファスナー134がファスナーカートリッジ130から射出される場合、キャリッジ18は、キャリッジ18が発射ロッド82の近位フラッグ83aを係合して発射ロッド82を後退するように後退される。発射ロッド82が後退される場合、発射ケーブル81における引張は、発射ケーブル81が内側ハウジング20内でゆるむように解放される。引張が発射ケーブル81から解放される場合、そり94は、ファスナーカートリッジ130内の所定の位置にとどまる。
【0047】
次に図32図35を参照すると、ローディングユニット10は、シッピング構成においてエンドエフェクター30を固定するために、シッピングウェッジ40を備えている。シッピング構成において、エンドエフェクター30は、細長い本体12に対して関節運動され、リテーナー顎34は、ファスナー顎32に対して開放位置にある。図1に示されるように、シッピング構成において、エンドエフェクター30は、細長い本体12に対して約45°関節運動されているが、シッピング構成において、エンドエフェクター30が細長い本体12に対して約15°〜約60°の範囲内で関節運動され得ることが企図される。さらに、図9Aおよび図9Bに示されるように、シッピング構成において、リテーナー顎34は、リテーナーカートリッジ140がリテーナー顎34に取り付けられている場合、リテーナーカートリッジ140の組織接触表面140aがファスナー顎32に取り付けられているファスナーカートリッジ130の組織接触表面130aに対して実質的に垂直であるように、位置決めされている。シッピング構成において、リテーナー顎34は、リテーナーカートリッジ140がリテーナー顎34に結合され、リテーナー顎34から切り離され、ファスナーカートリッジ130がファスナー顎32に結合され、ファスナー顎32から切り離されることを可能にする任意の開放位置(すなわち、折りたたまれた位置と締め付けられた位置との間)にあり得ることが企図される。
【0048】
図33図35に特に参照すると、関節運動ロッド52は、関節運動係止切欠き55を規定し、締め付けシャフト62は、締め付け係止切欠き66を規定する。シッピング構成において、係止切欠き55、66の各々は、シッピングウェッジ40のそれぞれの係止フィンガー45、46によって係合される。特に、シッピングウェッジの関節運動係止フィンガー45は、関節運動ロッド52の関節運動係止切欠き55を係合し、シッピングウェッジ40の締め付け係止フィンガー46は、締め付けシャフト62の締め付け係止切欠き46を係合する。係止切欠き45、46との係止フィンガー45、46の係合は、細長い本体12に対するエンドエフェクター30の関節運動、およびファスナー顎32に対するリテーナー顎34の位置を固定する。エンドエフェクター30の関節運動およびリテーナー顎34の位置を固定することによって、関節運動アセンブリ50、締め付け機構60、および発射機構80を移動することなく、ファスナーカートリッジ130は、ファスナー顎32に結合され得、ファスナー顎32から切り離され得、リテーナーカートリッジ140は、リテーナー顎34に結合され得、リテーナー顎34から切り離され得る。さらに、エンドエフェクター30の関節運動およびリテーナー顎34の位置を固定しているので、ローディングユニット10は、エンドエフェクター30またはリテーナー顎34の意図されない移動なく、外科手術器具に取り付けられ得、外科手術器具から外され得る。シッピングウェッジ40は、シッピングウェッジ40を細長い本体12の近位チューブ14上に支持するための支持フィンガー47も含み得ることが企図される。
【0049】
図1図36、および図37を参照すると、シッピングウェッジ40は、シッピングウェッジ40のフック41と係合される係止リング42によって、ローディングユニット10に固定される。係止リング42は、係止シェルフ43と近位フィンガー44とを含む。係止リング42は、内側ハウジング20のコネクター23を覆って回転可能に位置決めされる。係止リング42(図1および図36)の係止された位置において、係止リング42の係止シェルフ43は、シッピングウェッジ40のフック41を係合して、シッピングウェッジ40をローディングユニット10に固定する。ローディングユニット10がアダプター(示されない)または外科手術器具(示されない)に結合されている場合、コネクター23は、アダプターまたは外科手術器具が係止リング42の近位フィンガー44を係合するように、差込み型接続によってアダプターまたは外科手術器具に固定され、係止シェルフ43がフック41との係合を離れて回転されるように、係止リング42を係止されていない位置(図37)に回転する。係止リング42が係止されていない位置にある状態で、シッピングウェッジ40の解放タブ48は、シッピングウェッジ40をローディングユニット10から取り外すように係合される。
【0050】
次に図38図41を参照すると、ローディングユニット10は、膣円蓋VCを閉鎖するために、全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH)手順中に使用される。開始するために、ローディングユニット10は、ファスナーカートリッジ130をファスナー顎32に結合し、リテーナーカートリッジ140をリテーナー顎34に結合することによって、装填される。ローディングユニット10は、予め装填された状態で供給され得るか、または様々な長さおよびタイプのファスナー(例えば、2mm、3mmまたは3.5mm、4mmまたは4.8mm、または5mmの2部品ファスナーまたは変形可能なステープル)とともにファスナーおよびリテーナーカートリッジの1つ以上の対を有するキット中に供給され得る。ファスナーカートリッジ130およびリテーナーカートリッジ140がエンドエフェクター30に結合されている状態で、ローディングユニット10は、外科手術器具(明らかには示されない)に取り付けられる。ローディングユニット10が外科手術器具に取り付けられる場合、係止リング42は、係止された位置から係止されていない位置に回転される。係止リング42が係止されていない位置にある状態で、解放タブ48は、シッピングウェッジ40をローディングユニット10から取り外すように係合される。ローディングユニット10は、ファスナーカートリッジ130およびリテーナーカートリッジ140がエンドエフェクター30に結合される前に、外科手術器具に取り付けられ得ることが企図される。
【0051】
シッピングウェッジ40がローディングユニット10から取り外されている状態で、エンドエフェクター30は、エンドエフェクター30が細長い本体12と実質的に整列されるように、細長い本体12に対してまっすぐな位置に関節運動される。さらに、リテーナー顎32は、エンドエフェクター30がその長さに沿って実質的に円筒形で、実質的に均一の外径を有するように、折りたたまれた位置へ回転される。
【0052】
図38を特に参照すると、エンドエフェクター30がまっすぐな位置にあり、リテーナー顎32が折りたたまれた位置にある状態で、ローディングユニット10は、患者Pの外科手術部位Sに挿入されて、膣円蓋VCにアクセスする。示されるように、ローディングユニット10は、開口部(例えば、天然に存在する開口部または切開I)を通って位置決めされているカニューレCNを通って挿入されて、患者Pの体腔内の外科手術部位にアクセスする。
【0053】
次に図39および図40を参照すると、エンドエフェクター30は、膣円蓋VCの開放端に隣接して位置決めされ、エンドエフェクター30が膣円蓋VCに対して実質的に垂直であるように関節運動される。リテーナー顎34は、ファスナーカートリッジ130に対して膣円蓋VCの開放端のより近くに位置決めされ、膣円蓋VCは、リテーナー顎34の近位フランジ34aと遠位フランジ34cとの間に位置決めされる。次に、ローディングユニット10は、キャリッジ18を前進し、締め付け機構60を係合し、リテーナー顎34を折りたたまれた位置から図41に示されるような締め付けられた位置に回転するように操作される。リテーナー顎34が回転される場合、膣円蓋VCは、ファスナー顎32とリテーナー顎34との間に位置決めされる。膣円蓋VCが顎32と顎34との間に位置決めされている場合、膣円蓋VCは、ファスナーカートリッジ130およびリテーナーカートリッジ140の、組織接触表面130aと組織接触表面140aとの間で平らにされ得る。
【0054】
膣円蓋VCが顎32と顎34との間に位置決めされている状態で、臨床家は、膣円蓋VCの開放端がファスナー顎32を越えていることを確かめる。次に、上で詳述されるように、ローディングユニット10は、キャリッジ18をさらに前進させ、発射機構80を係合し、ファスナーカートリッジ130を通してそり94を引っ張り、ファスナー134をリテーナー144に向かって駆動し、2部品ファスナーを形成して膣円蓋VCを閉鎖するように操作される。上で詳述されるように、ファスナー134はまた、変形可能なステープルであり得、変形可能なステープルは、変形されてステープルを形成し、膣円蓋VCを閉鎖する。ファスナー134およびリテーナー144は、膣円蓋VCの吻合が完了した場合にファスナー134およびリテーナー144が吸収されるように、生体吸収性であり得る。ファスナー134またはリテーナー144は、膣円蓋VCの吻合を助ける材料でコーティングされ得ることが企図される。
【0055】
図42を参照すると、ファスナー134が膣円蓋VCを通って射出された後、リテーナー顎34は、折りたたまれた位置に戻るように回転されている。リテーナー顎34が折りたたまれた位置に戻される場合、膣円蓋VCは、ファスナー顎32とリテーナー顎34との間から解放される。次に、エンドエフェクター30は、エンドエフェクター30が細長い本体12と整列されるように、まっすぐな位置に関節運動される。エンドエフェクター30がまっすぐな位置にあり、リテーナー顎34が折りたたまれた位置にある状態で、ローディングユニット10は、外科手術部位Sから引き抜かれる。
【0056】
ローディングユニット10が外科手術部位Sから引き抜かれた後、ローディングユニット10は、外科手術器具から外され得る。ローディングユニット10が外科手術器具から分離された状態で、ローディングユニット10は、別の外科手術手順において再使用されるために滅菌され得る。
【0057】
あるいは、ローディングユニット10は、ローディングユニット10をシッピング構成に位置決めする(すなわち、エンドエフェクター30をシッピング位置に関節運動し、リテーナー顎34をシッピング位置に回転する)ことによって再装填され得る。ローディングユニット10がシッピング構成にある状態で、シッピングウェッジ40は、近位チューブ14の周りに結合されて、シッピング構成にあるローディングユニット10を固定し得る。ローディングユニット10がシッピング構成にある状態で、ファスナーカートリッジ130は、ファスナー顎32から切り離され得、リテーナーカートリッジ140は、リテーナー顎34から切り離され得る。次に、ローディングユニット10が同じ外科手術手順中に再使用され得るように、新しいファスナーカートリッジがファスナー顎32に結合され得、新しいリテーナーカートリッジがリテーナー顎34に結合され得る。
【0058】
TLHを実施するためのローディングユニット10が上で詳述されているが、ローディングユニット10が多様な管状構造(静脈、動脈、および腸が挙げられるが、これらに限定されない)を閉鎖するために使用され得ることが企図される。
【0059】
本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものにおいて、エンドエフェクターは、第1の顎と、遠位端と近位端とを有する第2の顎とを有し得、遠位端および近位端は、各々が、第1の顎に旋回可能に接続されており、第2の顎は、エンドエフェクターの長手方向軸の周りで旋回可能である。第1の顎は、複数のファスナーを保持し得、第2の顎は、複数のリテーナーを有し得る。他の実施形態において、エンドエフェクターは、ステープルカートリッジ顎と、他方の顎上に、ステープル形成凹部を有するアンビルとを有する。
【0060】
エンドエフェクターは、折りたたまれた位置と、開放位置と、締め付けられた位置とを有する。折りたたまれた位置において、組織接触表面は、同じ方向に向いており、エンドエフェクターは、円形のエンベロープ/プロフィールを有する。エンドエフェクター顎は、その様々な位置の間で回転またはスライドし得る。
【0061】
エンドエフェクターは、ケーブルピンを有するリテーナー顎を有し得、このケーブルピンは、締め付けケーブルの通行を可能にするための穴を有する。エンドエフェクターは、顎の位置を移動するため、発射のため、および/または関節運動のためのケーブルを有し得る。特定の実施形態において、機能を作動する他の手段(例えば、ねじ切りされた回転可能な部材、プッシングロッド、電子機器など)が使用される。
【0062】
外科手術固定器具の顎を締め付ける方法は、締め付けシャフトを後退することを含み得、締め付けシャフトの締め付けフックは、旋回アームの係合部分にカム作用して、旋回アームを折りたたまれた位置に向かって回転し、旋回アームの折りたたまれた位置は、器具のエンドエフェクターの折りたたまれた位置に対応する。特定の実施形態において、締め付けフックが旋回アームを係合解除し、エンドエフェクターを締め付けられた位置に保持するように、旋回アームを越えて締め付けフックを前進する。
【0063】
特定の実施形態において、ケーブルとプッシュロッドとの組み合わせが使用される。締め付けケーブルは、器具の顎を移動するために、締め付けロッドに接続され得る。締め付けケーブルは、滑車の周りに延び、滑車は、締め付けケーブルに予め張力をかけるためのテンショニングデバイスを有する。締め付けケーブルは、器具の一方の顎を通って延びている端と、他方の顎を通って延びている端とを有する。カム機構は、締め付けケーブルおよびプッシュロッドの接続を断つために使用され得る。
【0064】
ケーブルの一方の端は、1つ以上の滑車の周りに延び、第2の顎またはリテーナー顎のケーブルピンに固定される。ケーブルの他方の端は、ファスナー顎を通って延び、第2の顎またはリテーナー顎の他方のケーブルピンに固定される。
【0065】
エンドエフェクターは、締め付け遅れを規定する発射ロッドを有し得る。締め付けフックは、発射が開始する前、締め付けロッドから係合解除され、顎を締め付けられた位置に維持する。特定の実施形態において、発射ケーブルは、発射ロッドからそりに延びている。キャリッジは、発射前、締め付け遅れを規定する、発射ロッドにおける発射ギャップ内で移動する。締め付け遅れ後、キャリッジは、発射ロッドを係合し、この発射ロッドは、ケーブルに張力をかけ、そりを近位方向に引っ張る。遅れを有する締め付け機構は、本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものにおいて使用され得る。遅れは、カム作用部材(例えば、旋回アーム)を係合、係合解除する締め付けシャフトによって達成され得、その結果、締め付けシャフトのさらなる移動は、締め付けロッドおよび締め付けケーブルを移動せず、一方で、エンドエフェクターは、締め付けられた位置にとどまる。
【0066】
デバイスは、2列または3列のファスナーを有し、ナイフを有さない場合がある。デバイスは、1部品もしくは2部品を有する吸収可能なファスナー、外科手術ステープル、クリップ、または他のファスナーを配備し得る。そりは、エンドエフェクターの遠位部分に置かれ、近位方向に移動され得、またはそりは、近位端から始まって遠位方向に移動し得る。プッシャーは、望ましくはダブルプッシャーまたはトリプルプッシャーであり、すなわち、プッシャーは、望ましくは、同時に駆動される2つまたは3つのファスナーを支持する。
【0067】
シッピングウェッジは、本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものに含まれ得る。シッピングウェッジは、関節運動ロッドの移動を防止し得、および/もしくはそりが移動することから保護し得、または、他の機能を有し得る。
【0068】
特定の実施形態において、エンドエフェクターは、手動であろうと動力式であろうとアダプターまたはハンドルに取り付け可能であるローディングユニットの一部である。関節運動ロッドは、その近位端において、フラッグまたは他の係合特徴を有する。特定の実施形態において、フラッグは、ローディングユニットをアダプター、ハンドル、または他のアクチュエーターに取り付けるために、中間位置になければならない。シッピングウェッジまたはシッピング設備は、ローディングユニットに取り付けられており、関節運動ロッドの中間位置を維持するために、関節運動ロッドを係合する部材を有する。シッピング設備はまた、締め付けシャフトおよび/または発射ロッドの位置を維持し得る。
【0069】
本明細書中に開示される実施形態のうちの任意のものは、子宮摘出術後に膣円蓋を閉鎖するために使用され得るか、またはいくつかの他の中空器官を閉鎖するために使用され得る。
【0070】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されてきたが、本開示は当該分野が許容するのと同じくらい範囲が広いこと、および本明細書が同様に読まれることが意図されるので、本開示はそれらの実施形態に限定されることが意図されない。上の実施形態の任意の組み合わせも想定され、それは、添付される特許請求の範囲の範囲内である。従って、上の記載は、限定するものではなく、単に特定の実施形態の例証と解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲内で他の改変を想定する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42