特許第6586036号(P6586036)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6586036
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 20060101AFI20190919BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20190919BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20190919BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
   H01L25/08 Y
   H01L25/08 E
   H01L21/60 301A
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-51543(P2016-51543)
(22)【出願日】2016年3月15日
(65)【公開番号】特開2017-168586(P2017-168586A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2018年1月31日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】東芝メモリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176599
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100205095
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 啓一
(74)【代理人】
【識別番号】100208775
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 雅章
(72)【発明者】
【氏名】岩政 直樹
【審査官】 加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−176906(JP,A)
【文献】 特開2002−222889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/065
H01L 21/60
H01L 25/07
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子を有する基板上に第1半導体チップを設け、
前記接続端子と、前記第1半導体チップ上の接続電極とをワイヤにて接続し、
矩形状の第1接着層と、前記第1接着層の四隅に位置し前記第1接着層における2対の
対辺のうち少なくとも1対の対辺のそれぞれの下部に開口部が形成された柱状の第2接着
層と、を有する接着部をフィルム状の絶縁材料の接着剤をスタンプすることで形成し、
前記接着部を、前記第2接着層の一部が前記ワイヤ及び前記接続端子に接触し、前記接
続電極とは接触しないように前記第1半導体チップの上に設け、
前記接着部の上に第2半導体チップを設け、
前記接着部と前記第1半導体チップとの間を含む領域をモールド材で封止し、
前記ワイヤの前記接続電極からの最大高さが前記接続電極と前記第1接着層との間隔よ
りも小さくなる、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
接続端子を有する基板上に第1半導体チップを設け、
前記接続端子と、前記第1半導体チップ上の接続電極とをワイヤにて接続し、
矩形状の第1接着層と、前記第1接着層の四隅に位置し前記第1接着層における2対の
対辺のうち少なくとも1対の対辺のそれぞれの下部に開口部が形成された柱状の第2接着
層と、を有する接着部をフィルム状の接着剤をブレード加工により必要な箇所だけ薄膜化
することで形成し、
前記接着部を、前記第2接着層の一部が前記ワイヤ及び前記接続端子に接触し、前記接
続電極とは接触しないように前記第1半導体チップの上に設け、
前記接着部の上に第2半導体チップを設け、
前記接着部と前記第1半導体チップとの間を含む領域をモールド材で封止し、
前記ワイヤの前記接続電極からの最大高さが前記接続電極と前記第1接着層との間隔よ
りも小さくなる、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体パッケージにおいて、半導体チップにダイアタッチフィルム(DAF:Die Attach Film)等の接着剤を用いてメモリチップを積層する構造(FOD:Film On Die)が広く利用されている。しかしながら、ダイアタッチフィルムを用いて半導体チップ同士を接着させると、モールド加工をした際に、基板上に接着したチップにより半導体パッケージに凹凸が生じ、その凹凸に起因する半導体基板の反りが問題となる場合がある。さらに、Al(アルミニウム)電極パッド上にAu(金)ボンディングワイヤが接続される場合、ソルダーレジストや接着剤に含まれるCl(塩素)イオンにより、Alが腐食し、Al電極パッドとAuボンディングワイヤがオープンとなる可能性がある。
【0003】
また、半導体チップを支柱チップにより支える構造もあるが、半導体チップと配線基板とを接続するワイヤが、支柱チップに接触することにより、半導体パッケージ内の配線がショートする可能性がある。このため、ワイヤの配置が制限され、すなわち、半導体チップのレイアウトが制限されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−62328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、パッドの腐食を低減させ、さらに半導体チップとワイヤの配置の自由度を向上する構造を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、接続端子を有する基板上に第1半導体チップを設け、接続端子と、
第1半導体チップ上の接続電極とをワイヤにて接続し、矩形状の第1接着層と、第1接着
層の四隅に位置し第1接着層における2対の対辺のうち少なくとも1対の対辺のそれぞれ
の下部に開口部が形成された柱状の第2接着層と、を有する接着部をフィルム状の絶縁材
料の接着剤をスタンプすることで形成し、接着部を第2接着層の一部がワイヤ及び接続端
子に接触し、接続電極とは接触しないように第1半導体チップの上に設け、接着部の上に
第2半導体チップを設け、接着部と第1半導体チップとの間を含む領域をモールド材で封
止し、ワイヤの接続電極からの最大高さが接続電極と第1接着層との間隔よりも小さくな
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る半導体装置を模式的に示す正面図。
図2】一実施形態に係る半導体装置を模式的に示す平面図。
図3】一実施形態に係る半導体装置を模式的に示す平面断面図。
図4A】一変形例に係る半導体装置を模式的に示す正面図。
図4B図4Aに係る半導体装置のA−A断面図。
図5A】一変形例に係る半導体装置を模式的に示す正面図。
図5B図5Bに係る半導体装置のA−A断面図
図6A】一変形例に係る半導体装置を模式的に示す正面図。
図6B図6Bに係る半導体装置のA−A断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0009】
本発明の実施形態に係る半導体装置は、第1半導体チップと接触せずに、第1半導体チップを覆うように設置された机状の第2接着剤を介して第2半導体チップを設置することにより、半導体装置の反りを抑制するとともに、第1半導体チップの電極とボンディングワイヤの接続部分における腐食を抑制するとともに、第1半導体チップに接続されるボンディングワイヤと接着剤との位置関係の自由度を向上するものである。より詳しく、以下に説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る半導体装置1を模式的に示す正面図である。この図1に示すように、半導体装置1は、例えば、半導体パッケージであり、基板10と、第1接着剤12と、第1半導体チップ14と、第1接続端子16と、第1接続電極18と、第1ワイヤ20と、接着部22と、第2半導体チップ24と、第2接着剤26と、第2接続端子28と、第2接続電極30と、第2ワイヤ32と、モールド材34と、を備えて構成される。なお、以下、全ての図において、各構成要素の大きさの比や、細かい配置などは、実施形態を理解しやすいように示されているため、実際の比や配置とは異なる。また、模式的に示す図であるので、チップや基板上の配線等は、省略している。
【0011】
基板10は、所謂ウエハやダイであり、シリコン等により形成される。半導体装置1である半導体パッケージは、この基板10上に形成される。
【0012】
第1接着剤12は、第1半導体チップ14を基板10上に固定するための絶縁材料の接着剤である。この第1接着剤12は、例えば、接着剤をフィルム状に加工したダイアタッチフィルムであり、第1半導体チップ14の基板10と接着させる面に装着し、その後基板10へと固定される。
【0013】
第1半導体チップ14は、所謂インターフェースチップやコントローラチップであり、基板10上に第1接着剤12を介して設置される。この第1半導体チップ14は、半導体装置1と外部を接続するインターフェースを構成するチップであり、データの書込及び読出を制御するチップである。
【0014】
第1接続端子16は、基板10上の配線と第1半導体チップ14上の配線とを接続するために基板10上に形成される接続端子である。この第1接続端子16は、例えば、Cu(銅)の端子にNi(ニッケル)やAuをめっきしたものである。図1に示すように、第1接続端子16は、基板10上に複数個設置されている。
【0015】
第1接続電極18は、第1半導体チップ14上に設置された電極であり、第1半導体チップ14上の配線と、基板10上の配線とを接続する電極である。この第1接続電極18は、例えば、Alにより形成されるパッド状の電極である。第1接続電極18は、第1半導体チップ14上に複数個配置されている。
【0016】
第1ワイヤ20は、所謂ボンディングワイヤであり、基板10上の配線と第1半導体チップ14上の配線とを、第1接続端子16及び第1接続電極18とを介して接続するワイヤである。すなわち、本実施形態においては、複数の第1接続端子16と複数の第1接続電極18との間を、複数の第1ワイヤ20が電気的に接続している。この第1ワイヤ20は、例えば、AuやCuにより形成される。
【0017】
接着部22は、第2半導体チップ24を基板上に固定するための絶縁材料の接着剤である。この接着部22も、第1接着剤12と同様に、例えば、接着剤をフィルム状に加工したダイアタッチフィルムの一種である。接着部22は、図1に示すように、第2半導体チップ24と接する上部の第1接着層22aと、基板10と接する下部の第2接着層22bとを備えて構成される。また、第2接着層22bは、その一部にモールド材34を通過させるための開口部22cを有している。
【0018】
第1接着層22aは、第2半導体チップ24との接触面とほぼ同等の面積を有する、矩形状の薄い接着層である。一方の第2接着層22bは、第1接着層22aに比べて厚い接着層である。この第2接着層22bの厚さは、第1半導体チップ14の上方において、第1ワイヤ20と第1接着層22aとが接触しない程度の高さとなるように、その厚さが確保されている。本実施形態においては、第1接続電極18に接続する第1ワイヤ20が最も高くなる箇所で、第1ワイヤ20が第1接着層22aに接触しない程度の厚さを有している。言い換えると、第1ワイヤ20の第1接続電極18からの最大高さが、第1接着層22aと第1接続電極18との間隔より小さい。なお、第1接着剤12と、接着部22を構成する接着剤とは、接着作用のある同じ絶縁材料から構成されていてもよいし、違う絶縁材料から構成されていてもよい。
【0019】
第2半導体チップ24は、所謂メモリチップであり、接着部22上に複数設置される。この第2半導体チップ24は、データの書込や読出をするメモリチップである。図1に示すように、第2半導体チップ24は、この第2半導体チップ24上の第2接続電極30の領域を確保できる程度にずらして積層され、全体として1つのメモリアレイを構成する。なお、構成によっては、第2半導体チップ24を1枚とすることもできる。
【0020】
第2接着剤26は、第2半導体チップ24同士を接着する接着剤である。すなわち、複数の第2半導体チップ24が、第2接着剤26を介して、積層される。この第2接着剤26も、第1接着剤12や接着部22と同様に、ダイアタッチフィルムで構成されていてもよい。
【0021】
第2接続端子28は、基板10上の配線と第2半導体チップ24上の配線とを接続するために基板10上に設置される接続端子である。この第2接続端子28は、例えば、Cuの端子にNiやAuをめっきしたものである。第1接続端子16と同様に、第2接続端子28は、第2半導体チップ24との接続をするために複数個設置されている。
【0022】
第2接続電極30は、第2半導体チップ24上に設置された電極であり、第2半導体チップ24上の配線と、基板10上の配線とを接続する電極である。この第2接続電極30は、例えば、Alにより形成されるパッド状の電極である。また、第2接続電極30も、第2半導体チップ24上に複数個設置されている。
【0023】
第2ワイヤ32は、所謂ボンディングワイヤであり、基板10上の配線と第2半導体チップ24上の配線とを、第2接続端子28及び第2接続電極30とを介して接続するワイヤである。すなわち、本実施形態においては、複数の第2接続端子28と複数の第2接続電極30との間を、複数の第2ワイヤ32が電気的に接続している。この第2ワイヤ32は、例えば、AuやCuにより形成される。
【0024】
モールド材34は、第1半導体チップ14と、第2半導体チップ24とを基板10に封止する絶縁材料のモールド材であり、例えば、エポキシ樹脂、シリカの粉末、カーボンブラック等を主体とするモールド樹脂である。なお、この図1においては、説明の便宜上、モールド材34は、一部を省略して図示されているが、モールド材34は、基板10上に、基板10上に設置された種々の半導体チップや接続ワイヤを覆うような形で配置されている。
【0025】
図2は、図1に示す半導体装置1の平面図である。なお、この図2においては、モールド材34は説明のために図示していない。また、以下で示す平面断面図においても、説明の便宜上、モールド材34の図示は省略している。
【0026】
この図2に示すように、半導体装置1を平面からみると、複数の第2半導体チップ24がずらして積層されている。また、これらの第2半導体チップ24の端部において、複数の第2接続電極30を介して複数の第2ワイヤ32が、基板10上の複数の第2接続端子28と接続することにより、第2半導体チップ24と基板10とが接続されている。
【0027】
破線は、第2半導体チップ24の下方にある、第1半導体チップ14を示す。このように、平面視において、第1半導体チップ14は、第2半導体チップ24により覆われるように設置されている。
【0028】
図3は、半導体装置1の第1半導体チップ14を上方から見た平面断面図であり、図1のA−A断面図に相当する。図3に示すように、第1半導体チップ14は、その上面に、複数の第1接続電極18が配置され、複数の第1ワイヤ20と複数の第1接続端子16を介して、基板10と接続されている。
【0029】
図中の破線は、図示されない接着部22の第1接着層22aが存在する領域を示している。第2接着層22bは、この図3に示すように、矩形状の第1接着層22aの4隅において、柱状となるように配置されている。さらに、第2接着層22b同士の間には、接着層を有しない開口部22cがそれぞれ配置されている。接着部22は、この開口部22cにおいて、第1接着層22aの下部には接着層を有しないように形成されている。すなわち、接着部22は、第1接着層22aを天板とし、第2接着層22bを脚とするような机状に形成されている。また、第2接着層22bは、図3に示すように、その一部において、第1接続端子16及び第1ワイヤ20と接触していてもよい。
【0030】
このように構成された半導体装置1は、例えば、基板10の下方に設けられた図示しないはんだボール等のインターフェースを介して、外部と接続される。外部から入力された信号は、第1半導体チップ14により処理され、メモリにアクセスするための制御信号へと変換される。この第1半導体チップ14が出力したメモリアクセスの制御信号により、第2半導体チップ24上に配置されているメモリのデータの書込及び読出を行う。そして、このデータを外部とやりとりすることにより、本実施形態に係る半導体装置1は、例えば、メモリとして作用する。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る半導体装置1の構造によれば、第1半導体チップ14と第2半導体チップ24との間に、机状の接着部22を設置することにより、半導体パッケージが形成される。第1半導体チップ14と、第1ワイヤ20とが接続する領域に、接着部22が接触しないことにより、この第1半導体チップ14と第1ワイヤ20との接続部における腐食を抑制することが可能となる。
【0032】
例えば、第1接続電極18は、AuとAlの合金やCuとAlの合金で形成され、第1ワイヤ20は、Alで形成されるが、これらが接続する部分は、接着剤に含まれるClイオン等の不純物により腐食する。本実施形態によれば、この第1接続電極18と第1ワイヤ20とが接続されている箇所は、接着部22を構成する接着剤とは接触しないため、接触によるCl等に起因する腐食を防ぐことができる。この結果、接着部22を構成する接着剤のClイオン濃度を低く抑える必要性が下がるため、素材の選択の自由度が高くなる。
【0033】
また、第1接着層22aと第1半導体チップ14との間がモールド材34によって封止され、第1接着層22aと第1半導体チップ14とが直接接触しないため、第1半導体チップ14により押し上げられた接着部22により第2半導体チップ24に凹凸が生じることを抑制できる。すなわち、モールド形成をした後においても、基板10の反りや凹凸を抑制することが可能となる。この結果、接着部22を構成する接着剤の粘度を低く抑える必要がなくなり、半導体チップ同士を接着するために、粘度の高い接着剤、例えば、フィルム状の接着剤等を用いることが可能となる。
【0034】
さらに、接着部22は、絶縁材料からなる接着剤により構成されるので、第1半導体チップ14と基板10とを接続する第1ワイヤ20と接触しても電気的にショートすることがない。この結果、第1半導体チップ14と、第1接続端子18と、第1ワイヤ20と、接着部22との位置関係を選択する自由度を高めることが可能となる。
【0035】
なお、接着部22は、例えば、フィルム状の接着剤にスタンプ処理を施すことにより第1接着層22aと第2接着層22bを形成することもできるし、フィルム状の接着剤をブレード加工などにより必要な箇所だけ薄膜化することにより形成することもできる。また、別々に作成された第1接着層22aと第2接着層22bとを接着することにより接着部22を形成することもできる。
【0036】
(変形例)
以下、図を用いて開口部22cの配置や大きさの違いによる、いくつかの変形例を示す。以下、図中において、図1乃至図3と同じ符号は同じものを示す符号であるので、詳しい説明は省略する。
【0037】
図4Aは、一変形例であり、上述した実施形態とは開口の大きさが異なる半導体装置1の正面図である。また、図4Bは、図4Aに示すA−A断面図である。この図4Aに示すように、図1と比較すると、第2接着層22bの正面から見た幅が狭くなり、開口部22cの幅が広くなっている。上面から見たのが図4Bである。図3と比較すると、それぞれの第2接着層22bの断面が、左右方向に狭くなり、上下方向に広くなっている。このような構造としても、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0038】
図5Aは、別の変形例であり、第1接着層22aの2対の対辺のうち、一方の対辺のそれぞれの下部において、開口部22cを有しない構造とした半導体装置1の正面図である。この図5Aに示すように、正面視において、接着部22は、開口部22cを有しない。図5Bは、図5Aに示すA−A断面図である。この図5Bに示すように、もう一方の対辺のそれぞれの下部において、開口部22cを有している構造としている。すなわち、第1接着層22aの4隅の下部にある柱状の第2接着層22bのうち、一方の対辺にあるそれぞれの第2接着層22bの幅が広くなり、接続したものとなる。
【0039】
図6A及び図6Bは、さらに別の変形例であり、図5A及び図5Bに示す半導体装置1とは、逆の対辺の下部において開口部22cを有しない構造となっている。この図5A図5B図6A及び図6Bに示す半導体装置1のように、第1接着層22aの2対の対辺のうち、いずれかの対辺のそれぞれの下部に開口部22cを有していれば、他方の対辺の下部には、開口部22cを有しなくてもよい。
【0040】
なお、いずれの場合においても、第2接着層22bは、第1接続端子16上に重なるように構成されているが、これは一例であり、必ずしもこのように重なっている必要はない。また、上述したように変形例を示したが、いずれの場合においても、第1接着層22aの2対の対辺のうち、少なくとも一方の対辺のそれぞれの下部には、開口部22cを有している。このようにすることにより、モールド材34をウエハ上に流し込む際に、モールド材が隅々まで行き渡ることが可能となる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を部分的に適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1:半導体装置、10:基板、14:第1導電体チップ、16:第1接続端子、18:第1接続電極、20:第1ワイヤ、22:接着部、22a:第1接着層、22b:第2接着層、22c:開口部、24:第2導電体チップ、28:第2接続端子、30:第2接続電極、32:第2ワイヤ、34:モールド材
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B