【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示日:平成28年6月8日、9日 展示会名:LIFE SOLUTION 2016 東京ドームシティ プリズムホール 公開者:コイズミ照明株式会社
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る照明器具11について、
図1から
図10を用いて説明する。本実施形態に係る照明器具11は、複数のLED素子42を光源とする照明器具である。
図1、
図2に示すように、照明器具11は、天井等の器具取付面(図示せず)に直付けされるシーリングライトである。以下の説明では、照明器具11の光を照射する側を照明器具11の照射面側(器具前面側)とし、照明器具11における天井等の器具取付面に対向する側を照明器具11の取付面側(器具背面側、取付状態では天井側ともいう)として説明する。また、照明器具11の上下方向は、照明器具11が天井等の器具取付面に設置された状態における上下方向(
図2、
図5及び
図6における上下方向)として説明する。上下方向に直交する方向を径方向として説明する。また、本実施形態の説明において、下方から照明器具11等を視た状態を平面視とする。上下方向に対して直交方向から照明器具11等を視た状態を側面視とする。
【0016】
照明器具11は、主に器具本体21、電源部31、光源部41、透光性カバー51、電源カバー61、取付部71、受信部81、及び保護カバー91を有している。照明器具11は、平面視における形状が円形である。
【0017】
器具本体21は、照明器具11の本体を構成するものである。器具本体21は、いわゆるベースやシャーシと呼ばれる部材である。器具本体21は、扁平な有底略円筒状で平面視における外形輪郭形状が円形である。器具本体21は、照射面側に光源部41、保護カバー91及び透光性カバー51等を保持するものである。器具本体21は、取付面側に電源部31、取付部71及び電源カバー61等を保持するものである。
【0018】
器具本体21は、取付面側に凹部(後述する収容部26の取付面側の部分)が形成される。器具本体21は、取付面側の反対側となる照射面側に凸部(後述する収容部26の照射面側の部分)が形成されている。器具本体21は、
図3に示すように、開口部22、内周縁部23、底板部24、周壁部25、収容部26、及び鍔部27を有し、単一の部材として一体的に形成されている。器具本体21では、底板部24の照射面側(器具前面側)が光源部41を取り付けるための光源取付部24aとなり、該光源取付部24aを器具本体21の照射面側の凸部の頂部に有する。器具本体21は、電源部31、取付部71、電源カバー61、保護カバー91及び透光性カバー51等を保持可能な耐久性や強度と、電源部31及び光源部41が発する熱を放熱させるための熱伝導性とを考慮し、鉄やアルミニウム、またはそれらの合金等の金属板を用いて形成されている。なお、器具本体21は、耐久性、強度及び放熱性が高い材料であれば、先述した金属材料に限らず、その他の合金材料や樹脂等の他の材料で形成することができる。
なお、本実施形態においては、内周縁部23、底板部24、周壁部25、収容部26、及び鍔部27を器具本体21として一体的に形成しているが、特に限定するものではなく、上記各構成部材を各々組み付けて構成してもよい。
【0019】
開口部22は、取付部71が露出する円形の開口部分である。開口部22は、器具本体21の径方向中心となる位置に設けられている。
【0020】
内周縁部23は、開口部22の周縁部分であり、平面視において円環状である。内周縁部23は、取付部71の他端(下端)がネジ部材により取り付けられる部分である。内周縁部23には、取付部71の他端をネジ部材により取り付けるためのネジ孔が設けられている。
【0021】
底板部24は、内周縁部23の周囲に円環状に形成された板状部分である。底板部24は、照射面側に光源部41が取り付けられる平坦面である光源取付部24aを有する。
【0022】
光源取付部24aは、複数(本実施形態では2つ)のLED光源モジュール44が所定位置に取り付け可能な平坦面であり、当該平坦面にLED光源モジュール44が当接して取り付けられる。光源取付部24aは、光源部41で発生した熱を伝えて外部に放出する放熱部としても機能させるため、光源部41が取り付けられる光源取付部24aは、光源部41との接触面積が広くなるよう平坦に形成されている。
【0023】
底板部24の内周縁の近傍には、一端に接続端子を有した、電源部31から延びる配線を挿通するための長孔形状の挿通孔24bが設けられている。
【0024】
底板部24の内周縁の近傍には、受信部81が有する受光素子82に対応する位置に平面視においてオーバル形状の開口である受光窓24cが設けられている。受光窓24cは、上記挿通孔24bに近接して配置されている。
【0025】
底板部24の外周縁の近傍には、保護カバー91が有する爪部95を嵌合するための複数(本実施形態では、8つ)の貫通孔24dが設けられている。複数の貫通孔24dは、底板部24の周方向に略均等配置されている。
【0026】
周壁部25は、底板部24の外周縁から上方に延設される円筒状の部分である。
【0027】
収容部26は、内周縁部23、底板部24及び周壁部25により形成される扁平で有底略円筒形状の部分である。収容部26は、平面視において外形形状が円形である。収容部26は、取付面側から見ると下方に凹状に形成されており、照射面側から見ると下方に凸状に形成されている。収容部26は、内部に電源部31、取付部71及び電源カバー61が収容されて取り付けられる部分である。取付部71は、引掛シーリングアダプタ等の配線部品110が取り付けられ、該配線部品110を介して照明器具11を天井等の器具取付面側に配置された配線器具と電気的に接続される。収容部26の底面となる底板部24には、複数(本実施形態では、4つ)のスペーサ40の一端を挿通して係合し、該スペーサ40を底板部24上に立設するための複数の貫通孔24eが設けられている。
【0028】
鍔部27は、収容部26の周囲に形成される。鍔部27は、周壁部25の上端の外周縁から径方向外側に突出する円環状の部分である。鍔部27は、器具本体21の外周縁部分である。鍔部27の照射面側には、透光性カバー51を保持するための複数(本実施形態では、3つ)の保持部29が設けられている。複数の保持部29は、鍔部27に略均等間隔に配置される。また、鍔部27の取付面側には、複数の緩衝材30が略均等間隔に配置される。緩衝材30は、照明器具11を天井等の器具取付面に取り付けた状態で、器具取付面と照明器具11との間に挟まれて、その弾性力によって照明器具11のガタツキを防止するためのものである。
【0029】
電源部31は、光源部41と電気的に接続され、器具本体21の凹部である収容部26内に取り付けられるものである。電源部31は、器具本体21の器具背面側に配置される。電源部31は、光源部41が有するLED素子42(
図7参照)に給電を行って、LED素子42を点灯させるための電源回路である。電源部31は、長方形状に加工されたプリント配線基板である電源基板33上に複数の電源回路部品等の電子部品が実装された電源回路である。電源部31は、外部商用電源から供給される交流電流を所定の直流電流に変換し、変換後の電流を基板43に実装された複数のLED素子42に供給するためのものである。電源基板33は、電源回路部品等の電子部品の実装面側を下側に向けた状態で配置される。電源基板33の実装面側(下面側)には、電源回路部品等の電子部品、受光素子82及びチャンネル切替スイッチ83が配置されている。すなわち、電源部31は、電源回路部品等の電子部品とリモコン信号を受信する受光素子82が同一の基板に実装されて形成されている。また、電源部31は、電源回路部品等の電子部品とチャンネル切替スイッチ83が同一の基板に実装されて形成されている。また、電源部31では、前記電源回路部品等の電子部品と受光素子82が電源基板33の一方の表面(下面)に実装されている。詳細は後述するが、電源基板33には、器具本体21の受光窓24cに対向する位置に受信部81の受光素子82が配置されている。また、電源基板33の一端部には、チャンネル切替スイッチ83が配置されている。電源部31は、器具本体21の底板部24に複数(本実施形態では、4つ)の電源取付部材の一例であるスペーサ40を介して器具本体21の底板部24と所定の離間距離を有するように取り付けられている。すなわち、電源部31の電源基板33は、底板部24に対して略平行となるように複数のスペーサ40により支持されている。これにより、器具本体21の底板部24と電源部31との間に所定の空間が形成され、電気的絶縁距離を確保している。また、当該所定の空間を有することで、通気性が良くなり、放熱性が向上する。電源部31にはコネクタ(図示せず)が設けられており、照明器具11を天井等の器具取付面に取り付ける際、電源部31のコネクタを配線器具側のコネクタ(図示せず)に接続することで、電源部31は照明器具用の天井配線器具を介して外部商用電源と電気的に接続される。電源部31と光源部41は配線(図示せず)によって電気的に接続されている。
【0030】
電源基板33は、平面視長方形状のプリント配線基板により形成されている。これにより、プリント配線基板の基板素材(元基板)をカットして複数のプリント配線基板を作製する際に、弧状などの曲面を有する形状よりも効率的に切り取り可能である。そのため、基板素材の廃棄する部分が少なく、製造コストが抑えられる。
【0031】
光源部41は、照明器具11の照射面側に向けて光を出射する部分である。光源部41は、器具本体21の凸部(収容部26の照射面側の部分)の頂部に配置される。光源部41は、複数のLED素子42を有する。光源部41は、底板部24の照射面側の光源取付部24a上に配置される平板状のものである。光源取付部24aは、平坦な表面を有する。具体的には、光源部41は、複数(本実施形態では、2枚)のLED光源モジュール44を有している。各LED光源モジュール44は、平板状モジュール基板である基板43(43a、43b)上に複数の点光源であるLED素子42が実装されて構成されている。複数のLED素子42は、器具本体21の開口部22を中心として略同心円状に略等間隔で配置されている。LED光源モジュール44は、器具本体21が有する保持部29よりも照射面側の位置に配置される。これにより、透光性カバー51に保持部29の影が出にくい。
【0032】
LED光源モジュール44の基板43aには、主光源としてLED素子42と、補助光源用発光素子として補助光源用LED素子42aが実装されている。補助光源用LED素子42aは、
図7に示すように、平面視において後述するコネクタ45から離れた位置に配置されている。具体的には、補助光源用LED素子42は、基板43の周方向における中央領域に実装されている。また、
図4に示すように、補助光源用LED素子42aは、平面視において電源部31と重ならない位置に実装されている。また、補助光源用LED素子42aは、平面視において電源カバー61と重ならない位置に実装されている。
なお、
図4では、補助光源用LED素子42aと、電源部31及び電源カバー61との位置関係を明確に示すため、主光源であるLED素子42の記載を省略している。
【0033】
LED光源モジュール44が有する基板43は、
図7に示すように、平面視において所定幅を有する略半円環状に形成されている。本実施形態では、2枚のLED光源モジュール44が用いられるが、各LED光源モジュール44の基板43は、共に略半円環状で類似の形状であるが外形輪郭形状の一部が異なっている。一方のLED光源モジュール44の基板43aは、内周側の一方の角部を略L字状に切り欠いた形状である。すなわち、基板43aは、内周側の周方向一端を略L字状に切り欠いた切欠き部43a1を有する。基板43aは、円周方向の両端部において、径方向に沿って形成された、切欠き部43a1に連設される端部43a2と、端部43a3とを有する。他方のLED光源モジュール44の基板43bは、内周側の一方の角部を所定形状に切り欠いた形状である。すなわち、基板43aは、内周側の周方向一端を受光窓24c及び挿通孔24bを露出するように切り欠いた切欠き部43b1を有する。基板43bは、円周方向の両端部において、径方向に沿って形成された、切欠き部43b1に連設される端部43b2と、端部43b3と、を有する。
【0034】
基板43a及び基板43bでは、それぞれの内周側の周方向一端を切り欠いた切欠き部43a1及び切欠き部43b1を設けている。これにより、
図8に示すように、基板素材(元基板)をカットして複数の基板を作製する際に、切欠き部43a1及び切欠き部43b1に基板43a及び基板43bの外周側の周方向の一端を配置することで、効率的に切り取り可能となり、基板素材の廃棄する部分が少なく、製造コストが抑えられる。
【0035】
各LED光源モジュール44は、円周方向における、端部43a2と端部43b3、端部43a3と端部43b2を対向させて光源取付部24aに配置される。また、各LED光源モジュール44には、端部43a3と端部43b2とを対向させた配置した際に、電源部31から延びる配線を電気的に接続するための接続部であるコネクタ45を有している。コネクタ45は、各LED光源モジュール44に配置された複数のLED素子42に給電するためのコネクタである。コネクタ45は、
図4に示すように、平面視において電源部31と重なる位置に配置されている。また、各LED光源モジュール44間を電気的もしくは機械的に接続する接続部品により接続して複数のLED光源モジュール44を一つのユニットにすることもできる。略半円環状の2つのLED光源モジュール44を、端部同士を対向させて光源取付部24aに配置することにより、略円環状を成した光源部41を形成することができる。各LED光源モジュール44は、各々に対応する配線(図示せず)を各コネクタ45に接続することによって電源部31と電気的に接続されている。各LED光源モジュール44は、基板43の実装面の裏面が各光源取付部24aの平坦な表面に当接して固定されるため、各LED光源モジュール44が発熱した際には、LED光源モジュール44の熱が器具本体21や電源カバー61に伝わる。器具本体21に伝わった熱は、器具本体21の温度よりも周辺温度が低い場合、器具本体21周辺の空気へ伝わる。これにより、器具本体21に伝わった熱は、器具本体21の周囲に放熱される。
なお、各LED光源モジュール44は、熱伝導性シート(図示せず)や放熱グリスを介して光源取付部24aに取り付けてもよく、これにより、より高い放熱性を得ることができる。
また、本実施形態では、光源として発光素子の一例である表面実装型のLED素子を用いたが、光源の種類はLED素子に限定されず、例えばCOB型発光モジュールや有機EL素子(OLED)などであっても実現可能である。
【0036】
本実施形態のLED光源モジュール44では、略同心円状(基板43の径方向内側、径方向中間、径方法外側の3列)に複数のLED素子42が配列されている。LED光源モジュール44においては、基板43の径方向中間に配列されたLED素子42の数(本実施形態では、11個)が基板43の径方向外側に配列されたLED素子42の数(本実施形態では、10個)よりも多くなるように構成されている。これにより、照明器具11の発光ムラを抑えることができる。
【0037】
透光性カバー51は、器具本体21の照射面側を覆うように器具本体21に取り付けられ、光源部41からの光を反射及び拡散させつつ、外部へ配光する部材である。透光性カバー51は、セード等を含む。透光性カバー51は、透光性を有する樹脂素材で形成されている。透光性カバー51の全体形状は、平面形状が円形であり、下面側に緩やかにドーム状に膨らんでいる。透光性カバー51は、透光性カバー51の内部の清掃や器具本体21の部品交換等のために器具本体21に対して着脱できる構造となっている。透光性カバー51の上面側の開口縁部には、透光性カバー51を器具本体21が有する鍔部27に取り付けるための被保持部52が形成されている。なお、本実施形態における透光性カバー51の形状は一例であって、ドーム状の他、円筒状や角筒状などにすることもできる。
【0038】
器具本体21には、透光性カバー51の被保持部52を保持するための取付金具である保持部29が設けられている。詳細は省略するが、透光性カバー51を器具本体21の取り付け位置に配置して透光性カバー51の周方向の一方に回動させると、透光性カバー51の被保持部52が器具本体21の保持部29に保持されて透光性カバー51が器具本体21に取り付けられる。また、透光性カバー51が器具本体21に取り付けられた状態で透光性カバー51を周方向の他方に回動させると、透光性カバー51の被保持部52が器具本体21の保持部29から外れて、透光性カバー51を器具本体21から取り外すことができる。
【0039】
電源カバー61は、電源部31を覆う金属製の箱状(本実施形態では、有底角筒状)の部材である。電源カバー61は、一端(下端)が開放された扁平な略直方体形状に形成され、内部に電源部31が収容されるとともに取付部71が取り付けられる部材である。電源カバー61は、器具本体21の収容部26(底板部24)の取付面側(器具背面側)に取り付けられる。電源カバー61は、平面視において器具本体21の凹部である収容部26の一部を覆うように取り付けられる。また、電源カバー61の内部には、アダプタ等の配線部品110を取り付けるための取付部71が取り付けられる。電源カバー61は、取付孔62、周縁部63、天板部64、側壁部65、及び電源カバー取付部66を有している。また、電源カバー61は、取付部71等を保持可能な耐久性や強度と、電源部31及び光源部41が発する熱を放熱させるための熱伝導性とを考慮し、鉄やアルミニウム、またはそれらの合金等の金属板を用いて形成されている。なお、電源カバー61は、耐久性、強度及び放熱性が高い材料であれば、先述した金属材料に限らず、その他の合金材料や樹脂等の他の材料で形成することができる。
なお、本実施形態の電源カバー61は、有底角筒状に形成されているが、有底円筒状等のその他の箱状であっても構わない。
【0040】
取付孔62は、その中心が平面視において電源カバー61(天板部64)の中心から偏在して形成される開口である。取付孔62は、照明器具11を天井に取り付ける際、引掛シーリングアダプタ等の配線部品110を挿通する円形の開口部分である。取付孔62は、天板部64に設けられた開口部分である。取付孔62の中心は、電源カバー61の天板部64の中心から天板部64の長手方向の一方側に偏在している。
なお、「電源カバーの中心」とは、電源カバーの平面視における外形形状の中心を意味し、例えば、本実施形態の電源カバー61では、電源カバー61が有する天板部64の平面視形状は長方形であり、その中心は長方形の対角線の交点となる。また、長方形等の四角形以外の形状では、中心として厳密な図形の中心点だけに限らず、重心であってもよく、当該中心点や重心の近傍部も含む。
【0041】
周縁部63は、取付孔62の周縁部分である。周縁部63は、円環部63aと、該円環部63aの周囲に形成され、下方に向けて突出する円環状の面である突面部63bを有している。
【0042】
突面部63bは、取付部71の一端(上端)がネジ部材により取り付けられる部分である。突面部63bは、取付部71が有する鍔部73が取り付けられる部分である。突面部63bには、取付部71が有する爪部74が嵌合するための貫通孔63cが設けられている。本実施形態では、複数(本実施形態では、3つ)の貫通孔63cが突面部63bの周方向に沿って等間隔に配置される。突面部63bには、取付部71をネジ部材により取り付けるためのネジ孔63dが設けられている。取付部71が有する爪部74が突面部63bに設けられた貫通孔63cに嵌合することで該取付部71が周縁部63の所定の位置(取付孔62の中心が取付部71の中心と合致する位置)に位置決めされるとともに、取付部71の鍔部73がネジ部材により固定される。すなわち、取付部71は、爪部74を貫通孔63cに嵌合することで仮止めされ、ネジ部材により突面部63bが有するネジ孔63dに固定される。
【0043】
天板部64は、外径輪郭形状が長方形状の板状部分である。側壁部65は、天板部64の外周縁から下方に延設される角筒状の部分である。電源カバー取付部66は、側壁部65の下端であって、電源カバー61の長手方向において対向する第1側壁部65aの下端から外側に延出された一対の帯板状の部分である。電源カバー取付部66は、電源カバー61を器具本体21の収容部26に取り付けた際に、収容部26の底面となる底板部24に当接する部分である。電源カバー取付部66には、複数のネジ孔が設けられており、ネジ部材により収容部26の底板部24に電源カバー取付部66が取り付けられる。
【0044】
側壁部65における一対の第1側壁部65aのうち、取付孔62から離間している一方の第1側壁部65aには、チャンネル切替スイッチ83の先端部を挿通して外部に突出するための挿通孔65bが形成されている。チャンネル切替スイッチ83を挿通孔65bに挿通してチャンネル切替スイッチ83の先端部を第1側壁部65aの表面から突出させることで、第1側壁部65aの表面に使用者がチャンネル切替スイッチ83の操作が可能となるチャンネル切替スイッチ83の操作部が形成される。
【0045】
電源カバー61は、内部に取付部71を有した状態で、電源カバー取付部66が器具本体21の収容部26(底板部24)に当接されて取り付けられる。電源カバー61は、収容部26内において一方側に偏った位置(偏在した位置)に設けられている。電源カバー61が収容部26の取付面側に取り付けられることで、取付部71の一部が器具本体21の開口部22から露出するように配置されるとともに、電源カバー61と収容部26(底板部24)により所定の空間が形成され、該空間に電源部31及び取付部71を収容するための高さ及び幅が確保される。電源カバー61内においては、電源部31が取付部71と隣り合うように配置される。
なお、本実施形態では、電源カバー61の長手方向両端に設けた、一対の電源カバー取付部66により電源カバー61を器具本体21に取り付けているが、特に限定するものでない。例えば電源カバー61の四方もしくは周囲に鍔状の電源カバー取付部を設けて、該電源カバー取付部を器具本体21に取り付けることもできる。このように構成した場合、器具本体21に対する電源カバー61の接触面積が増えることで、電源カバー61と器具本体21と間の熱伝導性が向上し、放熱効果が高まる。
【0046】
取付部71は、引掛シーリングアダプタ等の配線部品110を取り付ける部分である。取付部71は、器具本体21の中心に配置され、器具本体21を器具取付面に取り付けるためのものである。取付部71は、電源カバー61の取付孔62に対応する位置に配置される。取付部71は、器具本体21が有する開口部22より大径の円筒部72と、該円筒部72の一端側(上端側)の外周縁に径方向外側に延出される鍔部73を有している。該鍔部73の周方向の所定位置には、取付部71の一端(上端)をネジなどの固定部材により電源カバー61に取り付けるためのネジ孔が設けられている。鍔部73の取付面側には、電源カバー61が有する貫通孔63cに嵌合する複数(本実施形態では、3つ)の爪部74が上方に突出して設けられている。爪部74は、電源カバー61が有する貫通孔63cに嵌合可能である。また、取付部71は、爪部74を貫通孔63cに嵌合するとともに、ネジ部材により電源カバー61が有する突面部63bに取り付けられる。円筒部72の他端側(下端側)の外周縁には、ネジなどの固定部材により取付部71の他端側(下側)を器具本体21や保護カバー91と締結するためのネジ孔が設けられている。取付部71の他端は、内周縁部23の取付面側に当接した状態で、ネジ部材により器具本体21や保護カバー91と締結される。なお、本実施形態では、ネジ部材により取付部71の他端(下端側)は、器具本体21と保護カバー91の両方と締結されて固定されている。しかしながら、取付部71は必ずしも器具本体21や保護カバー91と結合して固定する必要はない。また、取付部71を器具本体21と保護カバー91の一方側とだけ結合してもよい。また、ネジ部材による締結ではなく嵌合などの固定方法を用いてもよい。
【0047】
照明器具11を天井に取り付ける場合は、照明器具用の天井配線器具(引掛シーリングボディ)に引掛シーリングアダプタ等の配線部品110を取付け、電源カバー61が有する取付孔62に配線部品110を差し込むとともに、該配線部品110を取付部71内に嵌合する。
【0048】
受信部81は、上述した電源部31の電源基板33上に配置されている。受信部81は、リモコン(図示せず)からの無線信号(本実施形態では赤外線による信号)を受信する部分である。受信部81は、受光部である受光素子82と、チャンネル切替スイッチ83を有している。受光素子82は、電源部31の電源基板33の長手方向中央部であって、該電源基板33の一側の長辺端部近傍に実装されている。受光素子82は、光源部41のLED素子42と同じ向き(受光素子82の受光面とLED素子42の発光面が同じ向きになる)になるように実装されている。受光素子82は、電源基板33上において取付部71に近接する側(本実施形態では、電源基板33の一側の長辺端部側)に配置されている。受光素子82は、器具本体21の中央側であって、器具本体21の開口部22の近傍に配置されている。チャンネル切替スイッチ83は、電源部31の電源基板33の長手方向中央部であって、該電源基板33の他側の長辺端部近傍に実装されている。受信部81は、平面視において開口部22の近傍に配置される。受光素子82は、平面視において器具本体21が有する受光窓24cから露出するように配置される。受信部81は、電源基板33に電気的に接続される。受光素子82は、使用者によって操作されるリモコンから送信される無線信号を伝送媒体としたリモコン信号を受信することができる。リモコンにより受光素子82に所定の信号を送信することで使用者はLED光源モジュール44(LED素子42)の点灯、消灯、調光等を遠隔操作できる。
また、本実施形態ではリモコン信号を受信する受信部81を設けたが、これに限らず、その他のセンサ制御方法を採用してもよい。また、無線信号による制御ではなく、有線での制御でもよく、その場合には受信部を設けなくてもよい。
【0049】
保護カバー91は、器具本体21と透光性カバー51との間において、光源部41を覆う部材である。保護カバー91は、光源部41と透光性カバー51との間に配置される。保護カバー91は、透光性を有しており、例えば透光性を有する樹脂素材で形成されている。保護カバー91は、平面視において略円環状の部材であって、
図10に示すように、主に内周縁部92、光源カバー部93、外周鍔部94、及び爪部95を有している。
【0050】
内周縁部92は、保護カバー91の中央に配置される略円環状の部分である。内周縁部92には、ネジ部材により取付部71と器具本体21と保護カバー91を締結して固定するためのネジ固定部96が設けられている。このとき、保護カバー91の内周縁部92は、器具本体21の底板部24の内周縁部23の照射面側に当接もしくはほとんど隙間を有しない状態で近接する。
【0051】
光源カバー部93は、平面視円環状であり、照射面側に凸状である。具体的には、光源カバー部93は、内周縁部92の径方向外側に連続して形成され、光源部41に対して所定の隙間を有するように照射面側に向かって膨らむ形状の凸状の部分である。光源カバー部93は、径方向外側に向けて延設される外側カバー部93aを有している。外側カバー部93aは、底板部24から突出したスペーサ40の一部を覆う部分である。光源カバー部93の外周近傍と、光源カバー部93の内周近傍とは、保護カバー91を電源カバー61に取り付けた際に、LED光源モジュール44の基板43の外周端部及び内周端部に当接する。すなわち、LED光源モジュール44の基板43の外周端部及び内周端部は、器具本体21の光源取付部24aと光源カバー部93とにより挟まれて固定される。つまり、各LED光源モジュール44は、保護カバー91を電源カバー61に取り付けることでネジやビス等の固定部材(取付部材)を用いずに器具本体21上に固定される。
なお、各LED光源モジュール44は、基板43(43a、43b)の中央部にネジ孔等のネジ固定部47を有している。光源取付部24aとの密着性を高めるために、ネジ部材によりネジ固定部47(
図7参照)を光源取付部24aに取り付けることもできる。
【0052】
外周鍔部94は、光源カバー部93の周囲に連続して形成される平坦な部分である。外周鍔部94には、器具本体21に設けられた貫通孔24dに嵌合するための複数(本実施形態では、8つ)の鉤状の爪部95が形成されている。爪部95は、貫通孔24dの端部を挟持することができる。保護カバー91は、器具本体21の底板部24の照射面側と内周縁部23をほぼ覆うことができる。
【0053】
保護カバー91は、該保護カバー91の外周縁部に設けられた爪部95と、器具本体21に設けられた貫通孔24dとを嵌合することで固定され、かつ保護カバー91の内周縁部92が複数のネジ部材により器具本体21に取り付けられる。このように、保護カバー91において外周縁側を爪部95と貫通孔24dにより嵌合固定し、内周縁側をネジ部材により固定するため、照明器具11の組立作業の際に、ネジ部材による固定箇所が器具本体21の中央付近に集まっており、器具本体21を回転等の位置の変更をしなくても固定作業が可能となり作業性が良い。
【0054】
以上説明した本実施形態に係る照明器具11では、平面視で器具本体21の中心に配置され、器具本体21を器具取付面に取り付けるための取付部71を有する。電源カバー61は、平面視において電源カバー61の中心(本実施形態では、天板部64の対角線の交点)から偏在する位置に開口である取付孔62を有する。取付部71は、取付孔62に対応する位置に配置されている。このように、照明器具11では、平面視において電源カバー61における取付部71の位置が電源カバー61の中心から偏在している。そのため、電源カバー61は、その中心が器具本体21の中心から偏在した位置に取り付けられる。すなわち、電源カバー61は、器具本体21の中心に位置する取付部71に対してオフセットした状態で器具本体21に取り付けられる。この場合、電源カバー61は、取付部71に近接する部分と取付部71から離間する部分を有することになる。このような構成の電源カバー61を器具本体21に取り付けると、電源カバー61を介して器具本体21はその中央付近と中央から離間した位置(本実施形態では、器具本体21の外周付近)の両方から支えられる。また、電源部31は電源カバー61内に配置されているため、電源カバー61が器具本体21を支える位置(中央付近と中央から離間した位置)の間に配置される。そのため、電源部31が器具本体21に対して偏在している位置に配置されていても、電源カバー61によって器具本体21の中央付近と電源部31の近傍の両方から器具本体21を支える。すなわち、電源カバー31は、器具本体21の中央付近で器具本体21を取付面方向に引き上げるように支えるとともに、電源部31の近傍をさらに取付面方向に引き上げるように支える。そのため、照明器具11は、器具取付面に取り付けたときに傾きにくくなる。特許文献1のような照明器具では、電源カバーと取付部とにおいて連結する部分がない別体として構成されているため、電源カバーが器具本体21を支えることがない。したがって、本実施形態によれば、器具取付面に取り付けたときに取付部71が器具本体21の中央部のみだけではなく、電源部31の近傍も支えることができ、傾きにくい照明器具11を提供することができる。
【0055】
また、照明器具11では、電源部31が取付部71と隣り合うように配置されている。これにより、電源部31が器具本体21の中央寄りに配置されるため、器具取付面に取り付けたときに、器具本体21が傾きにくく安定性が向上する。また、電源部31を取付部71の近傍に配置することにより、電源部31と配線部品110とを電気的に接続するときに配線距離を短くすることができる。
【0056】
また、照明器具11では、電源部31が器具本体21に取り付けられる。すなわち、照明器具11では、電源部31を電源カバー61に取り付けないので、電源カバー31の重量バランスが崩れにくい。また、電源カバー61に電源部31を取り付けていないため、電源カバー61の取付面側から衝撃を受けた場合に、衝撃が直接電源部31に伝わらないので、電源部31に影響を与えにくい。
【0057】
また、照明器具11では、電源カバー61が箱状(本実施形態では、有底角筒状)に形成されている。箱状に形成することにより、電源カバーの剛性を高めることができる。例えば、電源カバー61は折り曲げ加工や絞り加工で成形することもできる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、照明器具11は丸型としたが、角型やその他の形状としてもよい。また、シーリングライトの他、ペンダントライト等に適用してもよい。
【0059】
本実施形態の器具本体21の形状は一例であり、本実施形態の形状に限定されるものではない。例えば、照明器具11の形状が丸型以外の角型やその他の形状である場合には、それに応じた形状とすることができる。また、器具本体21及び電源カバー61の形状は、電源部31や光源部41の形状に応じて適宜変形させることも可能である。