(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0005】
[0006]消費者に対して現在市場に出されて販売されている多くの製品は、限定された使用のために設計されている。これらの製品は、通常、単一の事象、制限された期間、または制限されたアクセスと関連されている。単回使用または限定された使用の製品の必要については、多くの理由がある。
【0006】
[0007]単回使用の製品の例は、使い捨ての注射器である。器具の汚染や患者間での相互感染は、注射器が不注意で再使用される場合、絶えず存在する懸念である。これは、器具の繰り返しの使用がHIVや肝炎などの重病を伝染させると知られている一部の国では、特に懸念される。外科用メスまたはトノメータ(患者の眼圧の測定用)など、殺菌されなければならない医療器具や眼科器具、および、複数の顧客に用いられるピアス穴開け器具や刺青器具も懸念をもたらす。鍼治療で用いられる鍼は、別の例をもたらす。汚染除去の手順または単回使用の器具の採用は、相互感染を管理するために用いられる方法であるが、個人の意識、規定に従おうとする意志、監視、および文書化に依拠する。
【0007】
[0008]限定された使用の製品の種類は、制限された期間の間に使用されるべきである物品と通常関連付けられる。この種類の製品の一例は、「一日装用」または使い捨てのコンタクトレンズである。屈折補正または美容の目的のためのコンタクトレンズは、良好な目の健康を保つために、適切な着用および手入れの体制を必要とする。患者の側における未順守は、選択を通じてなのか教育の欠如によるものなのかに拘わらず、目を傷める可能性がある。頻繁に交換されるレンズは、ときとして推奨されるよりも長くにわたって着用される、または、不適切に保管または洗浄される可能性がある。
【0008】
[0009]感染の危険性または効果の低減により、以後、使用されるべきでない保存可能期間のある限定された使用の製品の他の例には、化粧品、電気ハブラシのヘッドなどの個人用衛生用品、ならびに、妊娠テストおよび排卵予報テストなどの家庭用診断キットがある。例えば、美容用途は、目に感染し得るバクテリアの住処となる可能性があり、目の感染を防ぐために期限切れの前に廃棄されるべきであることが分かっている。
【0009】
[0010]消費者に対して現在市場に出されて販売されている多くの製品は、あらかじめ包装されて供給されており、その包装は、食品または飲み物などの製品の鮮度、または、薬物の場合には包装内の内容物の効力を保存することが意図されている。これらの製品は、単一の事象と通常関連付けられており、つまり、包装が消費者によって開けられるまで内容物は新鮮または有効なままであるが、内容物の鮮度または品質は時間と共に低下する可能性がある。
【0010】
[0011]包装された製品の保存の重要性の例としては、風邪薬または食品が挙げられる。医薬の効力または食品の腐敗と、これらの問題に関連する費用とは、消費者と製造者との両方にとって重要である。薬剤、食料品、および同様の品物は、密封されたプラスチック容器に通常包装される。
【0011】
[0012]容器のプラスチック材料を通じた酸素などのガスの浸透は、多くの包装された製品の内容物の鮮度または品質に悪影響を与える。薬剤の場合には、酸素吸収は効力を低下させてしまう。食品の場合には、包装された食品への酸素吸収は、食品を味気ないものにしてしまう。
【0012】
[0013]製品は、異なる使用目的を有する可能性があり、使用目的に基づいて、製品が、以後、もはや使用されるべきではない時間が異なる可能性がある。例えば、単一の医療器具は、多くの異なる使用規定を持っている可能性がある。使用規定に依存して、医療器具は、異なる期間の後で取り換えられるべきである。例えば、カテーテルは、ある状況では72時間後に取り換えられるべきであるが、別の状況で使用されるときは、96時間または168時間まで取り換えられる必要はない。薬物も、異なる使用に基づいて、異なる保存可能期間がある可能性がある。例えば、最大の効力は、ある使用については必要とされ得るが、効力の低下は、別の使用については許容可能である。食品も同様に、それらの意図した使用に基づいて、異なる保存可能期間があり得る。同じ食品が、人間による消費について許容可能であると考えられる場合よりも、ペットによる消費についてはより長く許容可能と考えられる可能性がある。
【発明の概要】
【0013】
[0014]本出願は、所定期間にわたって特定の環境に曝露された後で色を変化させる可変色染料に関する。
【0014】
[0015]本出願の一実施形態では、色変化表示を伴う器具が、2つ以上の使用規定を有する使い捨て、限定または制限された使用の製品と、可変色染料を有する少なくとも1つの交換可能な使用規定インジケータであって、染料が、環境への曝露直後およびその後の所定時間にわたって半透明であるかまたは第1の色を有し、染料が、所定時間にわたって環境に曝露された後で色を変化させる、使用規定インジケータとを備える。
【0015】
[0016]環境は酸素含有環境とすることができ、前記可変色染料は酸素感知可変色染料である。環境は二酸化炭素含有環境とすることができ、前記可変色染料は二酸化炭素感知可変色染料とすることができる。環境は二酸化炭素含有環境とすることができ、前記可変色染料は酸素感知可変色染料とすることができる。
【0016】
[0017]少なくとも1つの交換可能な使用規定インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品に組み込まれ得る。例えば、少なくとも1つの交換可能な使用規定インジケータは、可変色染料が組み込まれている毛細管を有することができる。少なくとも1つの交換可能な使用規定インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品に配置され得る。少なくとも1つの使用規定インジケータに、使い捨て、限定または制限された使用の製品が提供され得る。
【0017】
[0018]少なくとも1つの交換可能な使用規定インジケータは曝露時間インジケータとすることができる。
【0018】
[0019]本出願の別の実施形態では、色変化インジケータを有する器具が、第1の環境への曝露直後に半透明であるかまたは第1の色を有し、第2の環境に曝露された後で色を変化させる第1のインジケータ可変色染料と、第2の環境への曝露直後およびその後の所定時間にわたって半透明であるかまたは第1の色を有し、所定時間にわたって第2の環境に曝露された後で色を変化させる第2のインジケータ可変色染料とを備える。第1の環境は、二酸化炭素または不活性ガスとすることができ、第2の環境は大気中酸素とすることができる。インジケータは曝露時間インジケータとすることができる。
【0019】
[0020]本発明のさらに別の実施形態では、色変化表示を伴う器具が、少なくとも1つの可変色染料を備える曝露時間インジケータを備え、少なくとも1つの可変色染料が、逐次的に色を変化させるように配置される。少なくとも1つの可変色染料は、環境への曝露直後に半透明であり得るかまたは第1の色を有することができ、環境への曝露の後で色を変化させることができる。曝露時間インジケータは、第1の時間の後で色を変化させる可変色染料の第1の領域と、第1の時間の後の増加していく時間間隔で色を変化させる可変色染料の連続領域と、最終的な所定時間の後で色を変化させる最終領域とを有し得る。最終的な所定時間は、使い捨て、限定または制限された使用の製品についての有効期限に対応できる。
【0020】
[0021]環境は酸素含有環境とすることができ、前記可変色染料は酸素感知可変色染料とすることができる。環境は二酸化炭素含有環境とすることができ、前記可変色染料は二酸化炭素感知可変色染料とすることができる。
【0021】
[0022]曝露時間インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品に組み込まれ得る。例えば、曝露時間インジケータは、可変色染料が組み込まれている毛細管とすることができる。曝露時間インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品に配置され得る。
【0022】
[0023]曝露時間インジケータは、逐次の色変化を実現するために、可変色染料の領域の上に障壁層を有することができる。
【0023】
[0024]本出願のさらに別の実施形態では、色変化表示を伴う器具を使用する方法が、2つ以上の使用規定を有する使い捨て、限定または制限された使用の製品を提供するステップであって、2つ以上の使用規定が、可変色染料を持つ関連された使用規定インジケータを有し、染料が、環境への曝露直後およびその後の所定時間にわたって半透明であるかまたは第1の色を有し、染料が、所定時間にわたって環境に曝露された後で色を変化させる、ステップと、少なくとも1つの使用規定インジケータを選択するステップとを含む。
【0024】
[0025]本発明のさらに別の実施形態では、キットが、可変色染料を有する2つ以上の使用規定インジケータであって、染料が、環境への曝露直後およびその後の所定時間にわたって半透明であるかまたは第1の色を有し、染料が、所定時間にわたって環境に曝露された後で色を変化させる、2つ以上の使用規定インジケータを備え、前記2つ以上の使用規定インジケータが異なる所定時間を有する。キットは、使い捨て、限定または制限された使用の製品をさらに備え得る。使用規定インジケータは粘着性使用規定インジケータとすることができる。
【0025】
[0026]本発明のこれらの利点および新規の特徴と他の利点および新規の特徴とは、本発明の図示された実施形態の詳細と共に、以下の図面の説明からより十分に理解されるものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0032]前述の概要と共に、本出願のある実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せ読めば、より良く理解される。図示の目的のために、ある実施形態が図面で示されている。しかしながら、特許請求の範囲は添付の図面に示された構成および手段に限定されないことは、理解されるべきである。さらに、図面に示された外観は、説明されるシステムの機能を実現するために採用され得る多くの表面的な外観のうちの1つである。
【0028】
[0033]本発明によれば、製品における色変化表示は、単回使用の製品または器具の使用前の正確な情報または警告と、限定された使用の製品がその有効期限に到達したこと、または、使用が制限されている製品が改ざんされていることの注意喚起の正確な情報または警告とをユーザに提供する。警告表示は、時間が制御された状態で色を変化させる染料によって提供される。染料は、製品に印刷されるか、または、製品内もしくは製品の一部を形成する材料内に組み込まれるかのいずれかによって、製品自体に配置され得る。染料は、製品に付いてくる包装または他の品物に配置されるか、または、組み込まれてもよい。したがって、製品は、製品に無菌の環境を提供するために、または、製品への限定されたアクセスを提供するために、その後で包装される。包装の内部の雰囲気は、酸素、二酸化炭素、窒素、水などの染料の色変化のトリガとなる物質のない密封された環境を包装が提供するように、不活性ガス、二酸化炭素、または真空である。包装がその後で開けられると、製品は、大気中酸素などのトリガとなる物質に曝露され、製品に配置された染料は、染料の組成と後で詳述されるような他の要因とによって制御される期間であって、一回の使用の製品の場合には製品の一回の使用についての典型的な時間に対応するように選択される期間、または、製品の有効期限に対応する期間の後、第1の色(しばしば半透明またはいくらか半透明であり、つまり、乳白色または「ウォーターホワイト」)から第2の色(しばしば青色または赤色である)へと変化することになる。染料が色を変化させる時間は、製品が改ざんされている可能性があることを示すために選択されてもよい。
【0029】
[0034]本件出願人によって共同所有される先行の特許および出願は、可変色染料の使用を取り扱っている。米国特許第8,388,131号は、可変色部を備え、色変化が起こるときが、単回使用の器具の一回の使用の終わりのおおよその時間と一致するように、または、延長されるが限定もしくは制限された使用の器具のおおよその有効期限と一致するように制御される、使い捨ての限定または制限された使用の器具を提示している。米国特許出願公開第2013/0150785号は、例えば、単回使用の製品または器具の使用前の正確な情報または警告と、限定された使用の製品がその有効期限に到達したこと、または、使用が制限されている製品が改ざんされていることの注意喚起の正確な情報または警告とをユーザに提供する色変化表示を製品に作り出すために、酸化還元インジケータを備える可変色染料を提示している。米国特許第8,388,131号およびその関連する出願(例えば、米国特許出願公開第2013/0088683号、米国特許出願第13/780,050号、および米国特許出願第13/795,343号)と、米国特許出願公開第2013/0150785号とは、参照によりそれらの全体において、本明細書に組み込まれている。
【0030】
[0035]本出願は、さらに、複数の使用規定を持つ使い捨て、限定または制限された使用の製品に対処する。例えば、カテーテルなどの医療器具は、使用され得る複数の異なる手順を有し得る。医療器具がその期限切れに到達するまでの時間は、医療器具が使用される手順に依存して異なる可能性がある。例えば、コネクタまたはアダプタは、腫瘍の薬物を送達する医療器具と連結する特定の使用規定で使用される可能性があり、その場合、器具は、例えば約6時間といった、1回分の投与だけに使用されるべきである。代わりに、コネクタまたはアダプタは、96時間にわたって感染用の薬を送達するカテーテルと共に、第2の使用規定で使用される可能性がある。あるいは、コネクタまたはアダプタは、168時間にわたって患者へとインスリン治療を送達する医療器具と共に、第3の使用規定で使用される可能性がある。本出願は、使い捨て、限定または制限された使用の製品が、具体的な使用規定について、以後、もはや使用されるべきではない時間を示すために、可変色染料を利用する使用規定インジケータを提供する。このような実施形態では、色変化表示のある器具は、使い捨て、限定または制限された使用の製品と、少なくとも1つの交換可能な使用規定インジケータとを備える。
【0031】
[0036]使い捨て、限定または制限された使用の製品は、少なくとも1つの使用規定を有する。より一般的には、使い捨て、限定または制限された使用の製品は、2つ以上の使用規定を有する。例えば、使い捨て、限定または制限された使用の製品は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、またはより多くの使用規定を有し得る。各々の使用規定は、使い捨て、限定または制限された使用の製品が、その特定の使用規定について使用されたときについて、以後、もはや使用されるべきではない所定時間を有している。例えば、医療器具は、酸素への72時間の曝露の後で使用されるべきではないある使用規定を有する可能性があり、酸素への96時間の曝露の後で、以後、使用されるべきではない第2の使用規定と、酸素への168時間の曝露の後で、以後、使用されるべきではない第3の使用規定と、1週間の後で、以後、使用されるべきではない第4の使用規定とを有する可能性がある。別の例として、医療器具は、酸素への6時間の曝露の後で使用されるべきではないある使用規定を有する可能性があり、酸素への12時間の曝露の後で、以後、使用されるべきではない第2の使用規定と、酸素への90時間の曝露の後で、以後、使用されるべきではない第3の使用規定と、120時間の後で、以後、使用されるべきではない第4とを有する可能性がある。
【0032】
[0037]交換可能な使用規定インジケータは、可変色染料を有する。可変色染料は、環境への曝露直後およびその後の所定時間にわたって半透明、ウォーターホワイト、または第1の色である。染料は、使い捨て、限定または制限された使用の製品が、特定の使用規定について、以後、もはや使用されるべきではない時間に対応する所定時間にわたって環境に曝露された後、色を変化させる。使い捨て、限定または制限された使用の製品について複数の使用規定があるのに対して、複数の交換可能な使用規定インジケータがあり得る。インジケータは、単一のインジケータが複数の異なる製品と使用できるように適合されるように、または、異なるインジケータが単一の製品で使用できるように、交換可能であってもよい。複数の使用規定インジケータは、可変色染料が変化するまでの所定時間が、特定の使用規定についての使い捨て、限定または制限された使用の製品についての有効期限に対応するような可変色染料を有することができる。例えば、72時間、96時間、および168時間にわたっての酸素への曝露の後で使用されるべきではない使用規定を持つ上述の医療器具は、それぞれ、72時間、96時間、および168時間にわたっての酸素への曝露の後で変化する可変色染料を持つ3つの使用規定インジケータを有し得る。使い捨て、限定または制限された使用の製品についての有効期限は、製造者が交換を推奨する時間、製品が品質、効力、もしくは効果において低下することになる時間、および/または、製品が使用するのに危険となり得る時間であり得る。
【0033】
[0038]可変色染料は、所定時間についての様々な異なる環境に反応して色を変化させるために、変更され得る。好ましい実施形態では、環境は酸素含有環境であり、可変色染料は酸素(O
2)感知可変色染料である。別の好ましい実施形態では、環境は二酸化炭素含有環境であり、可変色染料は二酸化炭素(CO
2)感知可変色染料である。別の好ましい実施形態では、酸素または二酸化炭素の感知可変色染料を持つインジケータが、二酸化炭素の濃い環境内に収容され、後で大気中酸素の環境に曝露される。別の好ましい実施形態では、二酸化炭素感知可変色染料を持つインジケータが、酸素の濃い環境内に収容され、後で二酸化炭素の濃い環境に曝露される。別の好ましい実施形態では、酸素または二酸化炭素の感知可変色染料を持つインジケータが、不活性ガスの環境内に収容され、後で大気中酸素または二酸化炭素の環境に曝露される。可変色染料が反応する環境は、具体的な使用規定に基づいて選択され得る。例えば、医療器具は、酸素への1時間の曝露の後で使用されるべきではないある使用規定を有する可能性があり、酸素への8時間の曝露の後で、以後、使用されるべきではない第2の使用規定と、二酸化炭素への20分間の曝露の後で、以後、使用されるべきではない第3の使用規定とを有する可能性がある。したがって、関連する交換可能な使用規定インジケータについての可変色染料は、3つの使用規定インジケータにおける可変色染料が、それぞれ、酸素への1時間の曝露、酸素への8時間の曝露、および二酸化炭素への20分間の曝露の後で変化するように選択され得る。
【0034】
[0039]色変化インジケータは、第1の環境(二酸化炭素または不活性ガスなど)への曝露直後に半透明であるかまたは第1の色を有し、第2の環境(大気中酸素など)に曝露された後で色を変化させる第1のインジケータ可変色染料と、第2の環境への曝露直後およびその後の所定時間にわたって半透明であるかまたは第1の色を有し、所定時間にわたって第2の環境に曝露された後で色を変化させる第2のインジケータ可変色染料とを備え得る。一実施形態として、インジケータは、第1のインジケータ染料が包装状態を示し、第2のインジケータ染料が使用規定と関連付けられるように、第1のインジケータ染料と第2のインジケータ染料とを備え得る。例えば、インジケータは、二酸化炭素感知染料と酸素感知染料とを備えてもよく、その場合、インジケータは、二酸化炭素感知染料のトリガとなる二酸化炭素の濃い環境内で包装され、包装が密封されていることを示す。インジケータが後で包装から取り外されたとき、酸素感知染料が、本発明による使用規定インジケータとして働くことになる。さらに、インジケータは、後で説明するような曝露時間インジケータであってもよい。
【0035】
[0040]異なる環境に曝露された後で、異なる期間の後で色を変化させる染料を作り出すために、いくつかの可能な取り組みがある。完全に異なる組成を有する染料が使用されてもよい。染料の構成における変動が用いられてもよい。酸素捕捉剤などの捕捉剤が加えられてもよい。化学的または物理的な障壁が加えられてもよい。異なる時間における色変化、または、異なる雰囲気に反応しての色変化を実現するためにこれらの取り組みを用いる可変色染料の一部の例は、後で詳述される。
【0036】
[0041]様々な時間の色変化を持つ酸素感知可変色染料の例は、米国特許第8,388,131号およびその関連する出願(例えば、米国特許出願公開第2013/0088683号、米国特許出願第13/780,050号および米国特許出願第13/795,343号)に詳述されている。染料が実質的に半透明である必要があり、染料が大気中酸素に約5〜10分間曝露された後で色を変化させることになる用途については、染料溶液は、次のように形成され得る。約12グラムのグルコースを、600ccの蒸留純水に加える。次に、約12グラムの水酸化ナトリウムを、混合物に加える。この混合物に、100ccのエタノールに0.1グラムのメチレンブルーを混合することで調合されたメチレンブルー溶液10ccが加えられ、エタノールは乾燥法で蒸発する。その後、60グラムのメチルセルロースが混合物に加えられる。あるいは、E414アカシアゴムがメチルセルロースの代わりに用いられてもよい。この染料溶液は、包装が開けられ、染料が配置されている製品が酸素に曝露された後に短時間で半透明から青色へと変化することになる。望まれる色変化が実質的な半透明から赤色への場合、10ccのサフラニンT溶液がメチレンブルー溶液の代わりに用いられてもよい。サフラニンT溶液は、0.3グラムのサフラニンTを10mlのエタノールと混合することで調合される。
【0037】
[0042]染料が酸素へと曝露されて色を変化させる時間を遅延させるために、炭酸鉄(II)が上記の染料溶液に加えられてもよい。例えば、0.1グラムの炭酸鉄(II)が3mlの量の上記の染料溶液に加えられると、約9〜10分間の大気中酸素への曝露の後で青色または赤色へと色を変化させることになる染料が形成される。炭酸鉄(II)の量を増加または低減することで、色変化が酸素への曝露において起こるのに掛かる時間が、それぞれ延長または短縮できる。なお、炭酸鉄(II)の追加は、染料を、実質的に半透明から、いくらか半透明、または、「ウォーターホワイト」として知られる淡い乳白色まで変化させることになり、半透明性は、炭酸鉄(II)がより多く加えられるにつれて低減する。
【0038】
[0043]色変化が、例えば大気中酸素において12〜16時間といったように、大気中酸素において実質的に10分間より長く掛かることが望まれる場合、0.1グラムの炭酸鉄(II)の代わりに0.5グラムの炭酸鉄(II)が、3mlの量の染料溶液に加えられる。なお、炭酸鉄(II)は、染料溶液において、優先的に酸素を吸収して炭酸鉄(III)へと変わる酸素捕捉剤として働く。炭酸鉄(II)が炭酸鉄(III)へと完全に変えられるとき、環境における酸素は可変色染料と反応し、その結果、染料は青色や赤色に変化し、視認可能となる。
【0039】
[0044]さらにより長い時間が経過するまで染料が色を変化させるのを妨げるために、蝋が染料溶液に加えられてもよい。大気中酸素において約1500時間後に製品に色変化表示を提供するために、染料溶液を通じた酸素の浸透の割合は、次のように蝋を追加することで低減または縮小できる。具体的には、0.3ccの蜜蝋が、先に説明した3mlの量の染料に加えられるとき、色変化は、0.01mm
3の量の染料について、大気中酸素において約10時間遅延される。この量の染料は、製品において、高さが約2mmで20mmの長さの領域に使用できる。染料溶液への0.6ccの蜜蝋の追加で、色変化は大気中酸素において約100時間遅延され得る。色変化を大気中酸素で約1500時間掛かる時間にさらに引き延ばすために、0.7グラムの炭酸鉄(II)が染料溶液と蝋との混合物に加えられてもよい。
【0040】
[0045]酸化還元インジケータを組み込んでいる染料を含む可変色染料の例は、米国特許出願公開第2013/0150785号に詳述されている。この出願は、可変色染料が、酸化還元インジケータと、還元反応開始剤と、電子供与体と、酸素捕捉剤と、インジケータバリア剤と、混合を促進する化学物質と、増粘剤とを含み得る可変色染料を詳述しており、可変色染料は、所定期間にわたって酸素に曝露された後で警告する色へと変化する。
【0041】
[0046]この用途で詳述されている可能性のある酸化還元インジケータには、インディゴテトラスルホン酸塩、フェノサフラニン、メチレンブルー、ジフェニルアミン、4’−エトキシ2,4−ジアミノアゾベンゼン、ジフェニルアミンスルホン酸、ジフェニルベンジジンスルホン酸、トリス(2,2’−ビピリジン)鉄、トリス(1,10−フェナントロリン)鉄(フェリオン)、トリス(5−ニトロ−1,10−フェナントロリン)鉄、およびトリス(2,2’−ビピリジン)ルテニウムがある。この用途で詳述されている好ましい酸化還元インジケータは、インディゴテトラスルホン酸塩(ITS)である。
【0042】
[0047]還元反応開始剤は、酸化還元インジケータの還元を開始させる。還元反応開始剤の例は二酸化チタンである。電子供与体は、酸化還元インジケータの還元を可能にするために、電子を還元反応開始剤に供与する。電子供与体の例には、グリセロールおよび糖類がある。好ましい実施形態では、還元反応開始剤は二酸化チタンであり、電子供与体はグリセロールである。
【0043】
[0048]酸素捕捉剤は、酸素を酸化還元インジケータと反応させる前に酸素と反応することで、酸化還元インジケータの酸化を遅延させるように働く。酸素捕捉剤の例には、重硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、炭酸鉄(II)がある。好ましい酸素捕捉剤は、重硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、および炭酸鉄(II)である。
【0044】
[0049]インジケータバリア剤は、物理的または化学的な障壁を酸化還元インジケータの周りに形成することで酸化還元インジケータの酸化をさらに遅延させるように働く。インジケータバリア剤の例には、酸化還元インジケータの周りに物理的な障壁を形成する蝋、および、酸化還元インジケータを包むポリマーがある。好ましいインジケータバリア剤は、DADMAとしても知られているポリマー、ポリ(ジアリジメチルアンモニウムクロリド)である。PDADMAは、可変色染料においてナノリアクタを作り出すように働く。
【0045】
[0050]他の化学物質が、染料をその意図した目的のために有用とさせる物理的性質を染料に与えるために、可変色染料に加えられてもよい。例えば、増粘剤が、染料に有効な堅さを与えるために染料に加えられてもよい。好ましい増粘剤は、2−ヒドロキシエチルセルロースである。
【0046】
[0051]その意図された目的のために有用な物理的性質を染料に与える化学物質の他の例として、混合を促進する化学物質は、吸湿グリセロールが水性溶媒と混合して有用な溶液を形成するのを助けるために、酸化還元インジケータの粘着性のある性質を弱め、ミクロスフェアを作り出す。混合を促進する化学物質の例には、ベントナイトナノクレイ、ガラスミクロスフェア、および酢酸セルロースがある。混合を促進する好ましい化学物質はベントナイトナノクレイである。
【0047】
[0052]その環境における二酸化炭素のレベルに基づいて反応する可変色染料の例には、1:クレゾールレッド、20:グリセロール、3:10M KOH(aq)、テキサスレッドヒドラジド(THR)、ブロモチモールブルー(BTB、ヒドロキシトリアリルメタン)、または、m−クレゾールパープル(MCP、ヒドロキシルトリアリルメタン)の式で例示されるクレゾールレッド(CR、o−クレゾールスルホンフタレイン)など、二酸化炭素反応染料があり得る。この二酸化炭素反応染料は、アルコール、メタノール、またはアセトンなどの溶媒と混合され得る。ベントナイトナノクレイまたは珪藻土が、可変色染料に所望の物理的性質を与えるために加えられてもよい。
【0048】
[0053]二酸化炭素感知可変色染料は、次に基質に適用されてもよい。可能な基質の例には、プラスチック、金属、他の同様の材料から成る焼結材料、親水性のコンタクトレンズ(一日装用の使い捨てのもの)に使われるようなメタクリル酸ヒドロキシエチル基質、または、線条もしくは細片へと押し出されてから二酸化炭素可変色染料に浸されたスポンジがある。
【0049】
[0054]二酸化炭素感知可変色染料が表面にある基質は、次に、二酸化炭素の制限された雰囲気(二酸化炭素を含有または排除)において、非常に低い雰囲気の浸透の割合を有するポリ(塩化ビニル)、(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、またはサランなどのプラスチック材料の層同士の間で積層または封入でき、それによってインジケータ細片を形成する。加えて、ステッカーの形のインジケータを形成するために、接着性の裏面が細片に適用されてもよい。二酸化炭素の制限された雰囲気において、インジケータ細片の上部が切り取りまたは切断されることで、押し出された線条または細片に小さな雰囲気への開口を提供する。
【0050】
[0055]インジケータ細片は、任意の器具の表面、内部、もしくは周囲に、または、包装内に配置され得る。包装は、好ましくは、二酸化炭素で満たされて充填される。包装は、閉止/密封される。包装が一度開けられると、インジケータ細片は小さい二酸化炭素の環境に曝露される。これは、インジケータ基質を通じた二酸化炭素感知可変色染料の表示のトリガとなる。
【0051】
[0056]表示のタイミングの管理は、インジケータ基質からの二酸化炭素の浸透の割合を調節することで、開口の直径を小さくして表示の時間を長引かせることで、または、細片組立体をより長くすることで、調節され得る。長さおよび開口などの調節の組み合わせが用いられてもよい。
【0052】
[0057]交換可能な使用規定インジケータは、いくつかの異なる方法で提供できる。一実施形態では、使用規定インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品自体に組み込まれ得る。製品に組み込まれる交換可能な使用規定インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品自体に、(例えば、製造者または最終ユーザによって)組み合わせられてもよく、挿入されてもよく、結合されてもよく、または固定されてもよい。別の実施形態では、使用規定インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品に配置され得る。製品に配置される交換可能な使用規定インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品自体に、(例えば、製造者または最終ユーザによって)取り付けられてもよく、添付されてもよく、接着されてもよく、または固定されてもよい。
【0053】
[0058]さらに別の実施形態では、使用規定インジケータには、使い捨て、限定または制限された使用の製品が別に提供され得る。この最後の例では、2つ以上の使用規定インジケータが提供されてもよく、意図した使用規定のための適切な使用規定インジケータをユーザに選択させることができる。例えば、異なる使用規定インジケータが、栄養管、カテーテル、またはコネクタなどの使い捨て、限定または制限された使用の医療器具のための包装に提供されてもよい。複数の使用規定インジケータが、医療器具、または、医療器具へと嵌め込まれ得るプラスチック部品などの部品に配置できる粘着性使用規定インジケータの形態で、提供されてもよい。したがって、ユーザは、ユーザによる医療器具の用途の使用規定と関連付けられる使用規定インジケータを選択できる。その使用規定インジケータは、医療器具へと組み込まれてもよく、または医療器具に配置されてもよい。そして、医療器具は意図した環境で使用できる。その後、使用規定インジケータにおける可変色染料は、医療器具がその特定の使用規定について、以後、もはや使用されるべきではない所定時間に、色を変化させることになる。別の例として、複数の粘着性使用規定インジケータが、異なる使用に基づいて異なる保存可能期間を有する薬物を伴う包装に含まれてもよい。そうすると、ユーザは、自身の用途に適した粘着性使用規定インジケータを選択でき、それを薬物用の包装に取り付けることができる。そして、使用規定インジケータは、薬物がその特定の用途について、以後、もはや使用されるべきではない時間に、色を変化させることになる。
【0054】
[0059]さらに別の実施形態では、2つ以上の交換可能な使用規定インジケータがキットに含まれている。交換可能な使用規定インジケータには、使い捨て、限定または制限された使用の製品が提供される必要はない。交換可能な使用規定インジケータは、数多くの使い捨て、限定または制限された使用の製品での使用に適し得る。例えば、ステッカーなどの粘着性の交換可能な使用規定インジケータのキットには、例えば、1日、3日、5日、1週間などの異なる色変化時間が提供され得る。そうすると、ユーザは、例えば冷蔵庫内の食品に賞味期限に基づいて適用する場合のように、粘着性の交換可能な使用規定インジケータを製品に適用できる。別の例では、交換可能な使用規定インジケータは、様々な製品の周りに巻き付けできるゴムバンドなどの弾性の環体であってもよい。先に詳述したように、使用規定インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品自体に組み込むことができる。使用規定インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品が意図される使用規定を示す外観を有する使い捨て、限定または制限された使用の製品の一部とすることができる。例えば、使用規定インジケータは、特定の使用規定と関連付けられた特定の色を有する使い捨て、限定または制限された使用の製品の一部とすることができる。
【0055】
[0060]一実施形態では、可変色染料は使用規定インジケータに配置される。染料は、使用規定インジケータに直接的に配置できる。染料は、使用規定インジケータに間接的にも配置できる。例えば、可変色染料は、使用規定インジケータにおける粘着性ラベルに配置できる。別の実施形態では、可変色染料は使用規定インジケータ自体に組み込まれる。
【0056】
[0061]
図1は、可変色染料が組み込まれている使用規定インジケータ102を有する医療器具100を示す、本発明の一実施形態の概略図である。使用規定インジケータ102は、医療器具が意図されている使用規定を示すプラスチックの着色された交換可能な環体である。例えば、第1の色は、医療器具が第1の使用規定向けのものであることを示し、第2の色は、医療器具が第2の使用規定向けのものであることを示し、第3の色は、医療器具が第3の使用規定向けのものであることを示す。
【0057】
[0062]先に詳述したように、医療器具には、ある使用規定向けのものであることを示すために医療器具にすでに組み込まれている着色部品が、(例えば、製造者によって)提供され得る。あるいは、複数の交換可能な着色された取り付け可能な部品が、ユーザによる挿入、連結、または取り付けのために、医療器具と共に包装に提供されてもよい。部品は、特定の使用規定と関連付けられたある環境におけるある長さの時間の後で色を変化させる可変色染料を各々有し得る。したがって、ユーザは、ユーザによる医療器具の用途に関する特定の使用規定と関連付けられる部品を選択できる。
【0058】
[0063]先に詳述したように、可変色染料は、使用規定インジケータに配置されてもよく、または使用規定インジケータに組み込まれてもよい。一実施形態では、プラスチックの着色された部分は、可変色染料が組み込まれた複層ポリマーである。さらに別の実施形態では、その部分は、可変色染料が組み込まれている毛細管を有する。
図2は、可変色染料204を収容する毛細管202を持つ交換可能部品200を示す、本発明の一実施形態の概略図である。毛細管202は交換可能部品200に組み込まれている。毛細管202は、金属またはプラスチックの材料とすることができる。毛細管202は、可変色染料が反応する環境条件を、可変色染料204にアクセスさせることができる開口206を有している。これは、環境条件が可変色染料204と接触する仕方を制御する。例えば、可変色染料204が酸素感知可変色染料である場合である。開口206は、染料への酸素の流れを制御できる。染料の色変化は、この仕方で遅延および/または制御できる。さらに、追加的な障壁材料が、染料の色変化をさらに遅延させるために、毛細管に組み込まれてもよい。
【0059】
[0064]
図3は、医療器具と共に使用するための粘着性使用規定インジケータを示す、本発明の一実施形態の概略図である。医療器具300と、粘着性使用規定インジケータ302のシートとが、例えば二酸化炭素または不活性ガスといった、無菌の環境の制御された包装304で一緒に包装されている。ユーザは、包装304を開けるとき、粘着性使用規定インジケータ302および医療器具300を意図した使用環境に曝露する。したがって、ユーザは、ユーザによる医療器具300の用途に関する使用規定と関連付けられる粘着性使用規定インジケータを選択できる。そして、選択された粘着性使用規定インジケータは、ユーザによって選択された特定の規定について医療器具300が、以後、もはや使用されるべきではない所定時間に、色を変化させることになる。可変色染料は、粘着性使用規定インジケータに配置されてもよく、または粘着性使用規定インジケータに組み込まれてもよい。
【0060】
[0065]本出願は、交換可能な使用規定インジケータを使用するための方法にも関する。方法は、可変色染料を持つ2つ以上の関連された使用規定インジケータを持つ2つ以上の使用規定を有する使い捨て、限定または制限された使用の製品を提供することと、少なくとも1つの使用規定インジケータを選択することとを伴う。
【0061】
[0066]本出願の別の実施形態は、使い捨て、限定または制限された使用の製品が特定の環境にどれくらいの長さ曝露されたかと、使い捨て、限定または制限された使用の製品がもはや使用されるべきでなくなる前の残っている時間とを示す曝露時間インジケータ目盛を提供することに対処している。換言すれば、曝露時間インジケータは、製品に関しての経過した時間と残っている時間とを反映する連続体を示す。このような器具は、使い捨て、限定または制限された使用の製品と、曝露時間インジケータとを備えている。曝露時間インジケータは、少なくとも1つの可変色染料を備えている。少なくとも1つの可変色染料は、環境への曝露直後に半透明か乳白色であるか、または、第1の色を有し、環境への曝露の後で色を変化させる。少なくとも1つの可変色染料は、使い捨て、限定または制限された使用の製品がある環境にどれくらいの長さ曝露されたかと、使い捨て、限定または制限された使用の製品がもはや使用されるべきでなくなる前の残っている時間とを示す連続した色変化を作り出す。ユーザは、製品がその期限日に到達したかどうかを知るだけでなく、その日に到達するまでどれくらいあるかが分かる。
【0062】
[0067]これが有用となり得る一例は、約1週間後に交換されるべき栄養管である。病院の従事者は、曝露時間インジケータ目盛を見て、栄養管がいつ交換されるべきかを決定できる。曝露時間インジケータの有用性の別の例は、食品における賞味期限日を決定することにおいてであり得る。このような表示が有用であると分かることができる製品の他の例には、化粧品、電気ハブラシのヘッドなどの個人用衛生用品、ならびに、妊娠テストおよび排卵予報テストなどの家庭用診断キットがある。これらの例の各々において、曝露時間インジケータは、製品がその有効期限に到達するまでユーザはどれくらいの時間があるかを示すことで、ユーザに製品の交換または取り外しのためにより良い計画を立てさせることができる。
【0063】
[0068]
図4は、逐次的に環境への曝露の後で色を変化させる可変色染料を持つ曝露時間インジケータを示す、本発明の一実施形態の概略図である。曝露時間インジケータは、第1の時間の後で色を変化させる可変色染料の第1の領域402と、第1の時間の後の増加していく時間間隔で色を変化させる可変色染料の連続領域404と、最終所定時間の後で色を変化させる可変色染料の最終領域406とを有する。最終所定時間は、使い捨て、限定または制限された使用の製品が、以後、使用されるべきでない時間に対応している。
【0064】
[0069]可変色染料は、例えば先に詳述したように、所定時間についての様々な異なる環境に反応して色を変化させるために、変更され得る。好ましい実施形態では、環境は酸素含有環境であり、可変色染料は酸素感知可変色染料である。別の好ましい実施形態では、環境は二酸化炭素含有環境であり、可変色染料は二酸化炭素感知可変色染料である。可変色染料が反応する環境は、使い捨て、限定または制限された使用の製品が使用されることが意図されている環境に基づいて選択できる。
【0065】
[0070]異なる環境に曝露された後で異なる期間の後で色を変化させる染料を作り出すために、先に詳述したように、いくつかの可能な取り組みがある。完全に異なる組成を有する染料が使用されてもよい。染料の構成における変動が用いられてもよい。酸素捕捉剤などの捕捉剤が加えられてもよい。障壁が加えられてもよい。異なる時間における色変化、または、異なる雰囲気に反応しての色変化を実現するためにこれらの取り組みを用いる可変色染料の上記の一部の例は、この実施形態に等しく適用可能である。
【0066】
[0071]その環境における二酸化炭素のレベルに基づいて反応する可変色染料の例は、先に記載している。
【0067】
[0072]障壁は、上記の曝露時間インジケータの引き延ばされた逐次の色変化を実現するためにも用いられ得る。物理的なポリマーの障壁が、逐次の色変化を作り出す段階的な方法で可変色染料上に適用され得る。先に記載したもののような可変色染料は、紙製のインジケータ細片などの基質に配置できる。次に、ポリプロピレンなどのポリマーシートが、可変色染料の上に配置される。この場合のポリマーシートは、第1の領域にはシートがなく、第2の領域には1枚のシートがあり、第3の領域には2枚のシートがあり、第4の領域には3枚のシートがあるといった状態で配置され得る。厚さが増加していく1枚のシートが用いられてもよい。
【0068】
[0073]
図5A〜
図5Lは、二酸化炭素の濃い環境から除去され、例えば大気環境といった意図した使用環境に曝露された後、逐次的に色を変化させる可変色二酸化炭素感知染料(先に記載したような)を備える曝露時間インジケータを利用した段階的なポリマー障壁の写真である。例における紙製インジケータ細片上に接着された段階的ポリマーシートは、0.002インチの厚さのセルロースである。この器具は、第1の領域にはシートがなく、第2の領域には1枚のシートがあり、第3の領域には2枚のシートがあるといった状態で9つの領域を有している。ポリマー細片のない領域は、ほんの数分で色を変化させる。これは、
図5A〜
図5Dで見てとれる。この素早い変化は、試験細片が機能しており、作動されたことを示す。可変色1枚の細片のある領域は約2時間後に色を変化させ、2枚の細片のある領域は約4時間後に色を変化させる、といったように、各々の0.002インチの厚さのセルロース層は、制御された状態で逐次的に、約2時間の障壁を可変色染料に提供する。これは、
図5E〜
図5Kで見てとれる。最終領域は8枚の細片を有しており、約16時間後に変化する。これは、
図5Lで見てとれる。この逐次的な変化によって、ユーザは、使い捨て、限定または制限された使用の製品が開けられてから経過した時間を確認でき、交換が必要とされる前の残り時間を予測することができる。
【0069】
[0074]より多くのシートまたはより厚いシートは、表示時間を延長することになる。反対に、より少ないシートまたはより薄いシートは、表示時間を短縮することになる。また、より多い、またはより少ないガスを浸透させる材料を用いることも、それぞれ時間を短縮または延長させることになる。例えば、Mylar(登録商標)およびTeflon(登録商標)は、ガスに関して大きな低浸透の割合を有し、可変色染料の色変化の前の時間を延長させることになる。ポリエチレンは、ガスに関して大きな浸透の割合を有し、可変色染料の色変化の前の時間を短縮させることになる。異なるガスが、異なる割合で障壁を通って浸透してもよい。例えば、二酸化炭素は、より小さい分子であり、より素早く浸透することになる。時間の変化は、この情報を用いてさらに調節されてもよい。
【0070】
[0075]曝露時間インジケータは、いくつかの異なる方法で提供できる。一実施形態では、曝露時間インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品自体に組み込まれ得る。別の実施形態では、曝露時間インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品に直接的に配置され得る。別の実施形態では、曝露時間インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品に間接的に配置されてもよい。例えば、曝露時間インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品における粘着性ラベルに配置できる。さらに別の実施形態では、曝露時間インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品が別に提供され得る。あるいは、曝露時間インジケータは、ユーザがインジケータを様々な異なる製品に使用できるように、独立して提供され得る。
【0071】
[0076]先に詳述したように、曝露時間インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品に組み込むことができる。曝露時間インジケータは、使い捨て、限定または制限された使用の製品の一部に、先に記載した使用規定インジケータと併せて組み込むことができる。別の実施形態では、プラスチックの部分は、可変色染料が組み込まれた複層ポリマーである。
【0072】
[0077]さらに別の実施形態では、部品は、可変色染料が組み込まれている毛細管を有する。先に記載したように、
図2は、曝露時間インジケータが使用され得る本発明の一実施形態の概略図である。具体的には、色変化は、曝露時間インジケータを用いて逐次的に進むように制御され得る。色変化は、経過した時間と、使い捨て、限定または制限された使用の製品がもはや使用されるべきではなくなるまでの時間とを示すために、第1の領域、連続領域、および最終領域を通じて、逐次的に毛細管の周りの連続体で移動できる。さらに、追加的な障壁材料が、染料の色変化をさらに遅延させるために、毛細管に組み込まれてもよい。
【0073】
[0078]本出願は特定の実施形態を参照して説明されてきたが、様々な変更が行われ得ること、および、均等物が本出願の範囲から逸脱することなく置き換えられ得ることは、当業者によって理解されるものである。また、多くの改良が、具体的な状況または材料を、本出願の範囲から逸脱することなく本出願の教示に適応させるために、行われてもよい。そのため、本出願が、開示された具体的な実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことになることが、意図されている。