(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ソース共振器とターゲット共振器との間の共振は、前記ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振であることを特徴とする請求項1に記載の無線エネルギー受信装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
近距離無線電力送信とは、動作周波数で波長に比べて電力のやり取りを行う送受信コイル間の距離が十分短い場合の無線電力送信を意味する。共振特性を用いる無線電力送受信システムは、電力を供給するソースと電力が供給されるターゲットを備える。
【0018】
無線エネルギー送受信システムは、電源のない記憶装置の遠隔制御に応用される。無線エネルギー送受信システムは、情報記憶装置に遠隔で装置を駆動する電力を供給すると同時に、情報記憶装置に保存された情報を無線で呼び出すシステムに応用される。
【0019】
無線エネルギー送受信システムは、信号を発生するために電源供給装置からエネルギーをソース共振器に蓄え、電源供給装置とソース共振器とを電気的に接続するスイッチをターンオフさせることで、ソース共振器の自己共振を誘導する。自己共振するソース共振器と相互共振することが可能な十分近い距離にソース共振器の共振周波数と同じ共振周波数を有するターゲット共振器が存在する場合、ソース共振器とターゲット共振器との間に相互共振現象が発生する。
【0020】
ソース共振器は電源供給装置からエネルギーが供給される共振器を意味し、ターゲット共振器は相互共振現象によってソース共振器からエネルギーを受信する共振器を意味する。
【0021】
図1は、電力入力部と電力送信部がキャパシタ及びスイッチによって物理的に分離され、受信部と電力出力部がキャパシタ及びスイッチによって物理的に分離される無線エネルギー送受信システムの等価回路の例を示す図である。
【0022】
図1を参照すると、無線エネルギー送受信システムは、ソースとターゲットで構成されるソース−ターゲット構造である。無線エネルギー送受信システムは、ソースに該当する無線エネルギー送信装置と、ターゲットに該当する無線エネルギー受信装置を備える。無線エネルギー量は無線電力量を所定時間の間積分して得られた値であるため、無線エネルギーの送受信は無線電力の送受信と同一の意味である。
【0023】
無線エネルギー送信装置は、電力入力部110、電力送信部120、及びスイッチ部130を備える。電力入力部110は、電源供給装置を用いてキャパシタC
1にエネルギーを蓄える。スイッチ部130は、C
1にエネルギーが蓄えられる間電力入力部110にC
1を接続し、C
1に蓄えられたエネルギーを放電する間電力入力部110に接続されたC
1を電力送信部120に接続する。スイッチ部130は、C
1が電力入力部110及び電力送信部120に同時に接続することを防止する。
【0024】
電力送信部120は、電磁気(electromagnetic)エネルギーを、相互共振を通して受信部140に送信する。即ち、電力送信部120の送信コイルL
1は、受信部140の受信コイルL
2との相互共振を通して電力を送信する。送信コイルL
1と受信コイルL
2との間に発生する相互共振の程度は、送信コイルL
1と受信コイルL
2との間の相互インダクタンスMの影響を受ける。
【0025】
電力送信部120は、C
1に蓄えられたエネルギーをシンボル単位毎に量子化して送信する。即ち、電力送信部120は、シンボル単位毎に送信されるエネルギー量を異なるように制御することで情報を送信する。ここで、シンボル単位は、ソースとターゲットとの間に1つのビット情報が伝えられる単位であり、スイッチ部130の動作に応じてC
1にエネルギーが1回充電されて放電される期間を意味する。
【0026】
電力入力部110は、入力電圧V
DC、内部抵抗R
in、及びキャパシタC
1でモデリングされ、電力送信部120は、ソース共振器を構成する基礎回路素子R
1、L
1、C
1でモデリングされ、スイッチ部130は、少なくとも1つのスイッチでモデリングされる。スイッチには、例えばオン/オフ機能を行うことのできる能動素子を用いる。R
1はソース共振器の抵抗成分、L
1はソース共振器のインダクター成分、C
1はソース共振器のキャパシタ成分を意味する。キャパシタC
1に加わる電圧はV
inとして表示される。
【0027】
無線エネルギー受信装置は、受信部140、電力出力部150、及びスイッチ部160を備える。受信部140は、電力送信部120から電磁気エネルギーを受信する。受信部140は、受信した電磁気エネルギーを接続されたキャパシタC
2に蓄える。スイッチ部160は、C
2にエネルギーが蓄えられる間受信部140にC
2を接続し、C
2に蓄えられたエネルギーを負荷に送信する間受信部140に接続されたC
2を電力出力部150に接続する。負荷の例としてバッテリが含まれる。スイッチ部160は、C
2が受信部140及び電力出力部150に同時に接続されることを防止する。
【0028】
即ち、受信部140の受信コイルL
2は、送信コイルL
1と受信コイルL
2との間の相互共振を通して電力送信部120の送信コイルL
1から電力を受信する。受信した電力を用いて受信コイルL
2に接続されたC
2が充電される。電力出力部150は、C
2に充電された電力をバッテリに伝送する。電力出力部150は、バッテリの代わりに、負荷又は電力を必要とするターゲット装置に電力を伝送してもよい。
【0029】
受信部140は、電力送信部120からシンボル単位にエネルギーを受信し、受信したエネルギー量に応じてソースから送信された情報を復調する。
【0030】
受信部140はターゲット共振器を構成する基礎回路素子R
2、L
2、C
2でモデリングされ、電力出力部150はキャパシタC
2及びバッテリでモデリングされ、スイッチ部160は少なくとも1つのスイッチでモデリングされる。キャパシタC
2に加わる電圧はV
outとして表示される。
【0031】
上記のように、電力入力部110を電力送信部120から物理的に分離し、受信部140を電力出力部150から物理的に分離して電力を送信する、いわゆるRI(Resonator Isolation)システムは、インピーダンスマッチングを用いた従来方式に比べて様々な長所を有する。第1に、DC電源からソース共振器に直接電力供給が行われるため、電力増幅器を使用しなくてもよい。第2に、受信機のC
2に充電された電力からエネルギーを捕捉(capture)するため、整流器を通した整流作業を必要としない。第3に、インピーダンスマッチングを行う必要がないため、エネルギーの送信効率が送信機と受信機との間の距離変化に影響を受けない。また、単数の送信機及び単数の受信機で構成された無線エネルギー送受信システムから複数の送信機及び複数の受信機を含む無線エネルギー送受信システムへの拡張が容易である。
【0032】
図2は、電力充電部と送信部がスイッチによって物理的に分離され、充電部と電力出力部がスイッチによって物理的に分離される無線エネルギー送受信システムの等価回路の例を示す図である。
【0033】
図2を参照すると、無線エネルギー送受信システムは、ソースとターゲットで構成されるソース−ターゲット構造である。即ち、無線エネルギー送受信システムは、ソースに該当する無線エネルギー送信装置とターゲットに該当する無線エネルギー受信装置を備える。
【0034】
無線エネルギー送信装置は、電力充電部210、制御部220、及び送信部230を備える。電力充電部210は、電源供給装置V
inと抵抗R
inで構成される。送信部230として動作するソース共振器は、キャパシタC
1とインダクターL
1で構成される。送信部230は、ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振を通してソース共振器に蓄えられたエネルギーをターゲット共振器に送信する。制御部220は、電力充電部210からソース共振器に電力を供給するようにスイッチをターンオン(turn on)する。電源供給装置V
inから、キャパシタC
1に電圧が供給され、インダクターL
1に電流が供給される。電源供給装置V
inから供給される電圧によってソース共振器が定常状態に達すると、キャパシタC
1に供給される電圧は0になり、インダクターL
1に流れる電流はV
in/R
inの値を有する。定常状態でインダクターL
1には供給される電流を通して電力が充電される。
【0035】
制御部220は、定常状態でソース共振器に充電された電力が所定値に達すると、スイッチをターンオフ(turn off)する。所定値に関する情報は、制御部220で設定される。制御部220がスイッチをターンオフすると、電力充電部210と送信部230は分離される。電力充電部210と送信部230が分離されると、ソース共振器のキャパシタC
1とインダクターL
1との間に自己共振が発生する。ソース共振器とターゲット共振器との間の相互インダクタンスM270を考慮したソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振を通してソース共振器に蓄えられたエネルギーは、ターゲット共振器に伝送される。ここで、ソース共振器の共振周波数f
1とターゲット共振器の共振周波数f
2のそれぞれは、下記の数式(1)及び数式(2)で表され、数式(3)で表されるように互いに同一である。
【0039】
上記数式(3)がソース共振器の共振周波数f
1とターゲット共振器の共振周波数f
2が互いに同一であることを示すにも拘らず、ソース共振器の共振周波数f
1とターゲット共振器の共振周波数f
2が互いに同一でなくてもソース共振器に蓄えられたエネルギーは依然としてターゲット共振器に送信されるが、エネルギーの送信効率はソース共振器の共振周波数f
1とターゲット共振器の共振周波数f
2が同一な時よりも劣る。送信部230は、ソース共振器に蓄えられたエネルギーをシンボル単位毎に量子化して送信する。即ち、送信部230は、シンボル単位毎に送信されるエネルギー量を異なるように制御することで情報を送信する。ここで、シンボル単位は、ソースとターゲットとの間に1つのビット情報が伝えられる単位であり、制御部220の動作を通してC
1及びL
1にエネルギーが1回充電されて放電される期間を意味する。
【0040】
無線エネルギー受信装置は、充電部240、制御部250、及び電力出力部260を備える。充電部240として動作するターゲット共振器はキャパシタC
2とインダクターL
2で構成される。ソース共振器とターゲット共振器との間に相互共振が発生すると、ソース共振器は電源供給装置V
inから分離され、ターゲット共振器は負荷(LOAD)及びキャパシタC
Lから分離される。ターゲット共振器のキャパシタC
2とインダクターL
2は、相互共振を通して電力を充電する。制御部250は、ターゲット共振器に電力を充電するようにスイッチをターンオフする。スイッチがターンオフされる間、ターゲット共振器とソース共振器は、数式(3)によって表されるように同一の共振周波数を有するため、ソース共振器とターゲット共振器との間に相互共振が発生する。制御部250は、ターゲット共振器に充電された電力が所定値に達すると、スイッチをターンオンする。所定値に関する情報は、制御部250で設定される。制御部250がスイッチをターンオンすると、キャパシタC
Lが充電部240に接続され、ターゲット共振器の共振周波数は数式(4)で表されるように変更された共振周波数f’
2に変更される。
【0042】
変更されたターゲット共振器の共振周波数f’
2は、ソース共振器の共振周波数f
1ともはや同一ではないために、ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振が終了する。即ち、ターゲット共振器のQを考慮してf’
2がf
2より十分低ければ、ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振チャネルが中断(interrupt)される。また、制御部250がスイッチをターンオンすると、電力出力部260は、キャパシタC
2とインダクターL
2に充電された電力を負荷(LOAD)に送信する。
【0043】
制御部250は、ターゲット共振器に充電された電力量が所定の値未満であると、スイッチをターンオフする。ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振が再発生し、充電部240は、ソース共振器とターゲット共振器との間の相互共振を通してターゲット共振器に電力を再充電する。
【0044】
充電部240は、送信部230からシンボル単位にエネルギーを受信し、受信したエネルギー量に応じてソースから送信された情報を復調する。
【0045】
ソース共振器とターゲット共振器との間に相互共振が発生する時、制御部250がスイッチをオープンするため、スイッチを通した充電部240と電力出力部260との間の接続は中断される。従って、スイッチを通した接続によって発生するエネルギー送信効率の減少を予防することができる。
【0046】
図1に示すキャパシタに充電されたエネルギーを送信する方式に比べて
図2に示す方式は、ターゲット共振器に蓄えられたエネルギーのキャプチャー時点を制御することがより容易である。
図1に示すキャパシタに充電されたエネルギーを送信する方式は、キャパシタに充電されたエネルギーのみをキャプチャーするが、
図2に示す共振周波数を変更してエネルギーをキャプチャーする方式は、ターゲット共振器のインダクター及びキャパシタの両方に蓄えられたエネルギーをキャプチャーするため、エネルギーのキャプチャー時点に対する自由度が向上する。
【0047】
図3は、無線エネルギー送受信システムの等価回路の他の例を示す図である。
【0048】
図3を参照すると、無線エネルギー送受信システムは、ソースとターゲットで構成されるソース−ターゲット構造を有する。即ち、無線エネルギー送受信システムは、ソースに該当する無線エネルギー送信装置とターゲットに該当する無線エネルギー受信装置を備える。
【0049】
RIシステムにおける無線エネルギー送信装置から無線エネルギー受信装置にエネルギーを送信する過程には次のような5段階がある。
【0050】
第1段階は、無線エネルギー送信装置にエネルギーを供給(supply)する段階として、ソース共振器310が電源V
inにSW
TXを介して接続されると、ソース共振器310にエネルギーが供給される。
【0051】
第2段階は、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との間で相互共振する段階として、ソース共振器310が電源V
inから切り離されると、相互共振を通して所定の周期の間ソース共振器310はターゲット共振器320にエネルギーを送信し、ターゲット共振器320はエネルギーを受信する。
【0052】
第3段階は、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との間で同期化する段階として、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との間でエネルギーの送受信を開始する開始時点と、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置とのそれぞれに位置するスイッチSW
TX及びSW
RX1の周期が推定される。
【0053】
第4段階は、無線エネルギー送信装置と無線エネルギー受信装置との間で非共振化する段階として、相互共振する間に大部分のエネルギーが無線エネルギー受信装置に移動した時、ソース共振器とターゲット共振器との間に非共振化が具現されることで、エネルギーが無線エネルギー受信装置から無線エネルギー送信装置に再伝送されないようにする。ここで、非共振化は、ソース共振器の共振周波数を変更ずるか、及び/又はターゲット共振器の共振周波数を変更することによって具現される。
【0054】
第5段階は、無線エネルギー受信装置に誘導されたエネルギーを負荷に送信する段階として、ターゲット共振器320がSW
RX2を通して負荷に接続されることによって、ターゲット共振器320に誘導されたエネルギーが負荷に伝送される。
【0055】
図3に示す無線エネルギー送受信システムを
図2と比較すると、ターゲットに追加スイッチSW
RX2を更に含む。スイッチSW
RX1はターゲット共振器320の共振周波数を変更し、スイッチSW
RX2はターゲット共振器320に充電されたエネルギーを負荷に伝える。
【0056】
ターゲット共振器310がソース共振器310からエネルギーを用いて変調されたエネルギー又はデータを受信するためには、SW
TXとSW
RX1との間の同期化が必要である。
【0057】
無線エネルギー送信装置は、SW
RX1の動作周期(on/off)が所定値である場合、ソース共振器310とターゲット共振器320との間の相互共振を通してターゲット共振器320に誘導されるエネルギー量を推定することによって、SW
TXのターンオフ時点及び動作周期を決定する。
【0058】
以下、ターゲット共振器320に誘導されるエネルギー量を推定する過程及びSW
TXのターンオフ時点と動作周期を決定する過程を詳細に説明する。
【0059】
図4は、無線エネルギー送信装置の例を示すブロック図である。
【0060】
図4を参照すると、無線エネルギー送信装置は、スキャン部410、誘導エネルギー推定部420、及び制御部430を備える。以下の説明で、無線エネルギー送信装置は送信端に対応し、無線エネルギー受信装置は受信端に対応する。
【0061】
スキャン部410は、ソース共振器401に蓄えられるエネルギー量を所定のサンプルの個数(サンプルのそれぞれはサンプル長を有する)に対応するスキャン時間の間にスキャンする。スキャン部410は、ソース共振器401とターゲット共振器との間の相互共振を通して、ソース共振器401から無線でエネルギーを送信する間ソース共振器401に蓄えられるエネルギー量をスキャンする。相互共振によってソース共振器401に蓄えられたエネルギーはソース共振器401からターゲット共振器に伝送され、続いてターゲット共振器からソース共振器401に再伝送される。
【0062】
スキャン部410は、ソース共振器401に蓄えられるエネルギー量をサンプル毎にスキャンする。ここで、サンプルは、電源からソース共振器401に供給されるエネルギーの単位を意味し、ソース共振器401に供給する1つのエネルギーとソース共振器410に供給する次のエネルギーとの間の時間に対応する。また、それぞれのサンプルは所定時間を有する。例えば、最初のサンプルはソース共振器401に供給する最初のエネルギーとソース共振器401に供給する2番目のエネルギーとの間の時間に対応し、2番目のサンプルはソース共振器401に供給する2番目のエネルギーとソース共振器401に供給する3番目のエネルギーとの間の時間に対応する。次も同様である。
【0063】
サンプル長は、サンプル持続時間と同じ意味として、受信端のスイッチ、即ち
図3に示すSW
RX1の動作周期にサンプル単位時間の整数倍を加えた値である。サンプル長は数式(5)のように表される。
【0065】
数式(5)において、T
Sampleはサンプル長、T
RXは
図3に示すSW
RX1の動作周期、T
Cはサンプル単位時間、sは0よりも大きい整数を意味する。サンプル単位時間は、サンプル内で信号処理するために用いられる最も小さい時間単位を意味する。
【0066】
サンプルの個数は、無線エネルギー送信装置で無線エネルギー受信装置に誘導されるエネルギー量を推定するサンプルの個数を意味し、
図3に示すSW
RX1の動作周期をサンプル単位時間の整数倍で割った値に決定される。サンプルの個数及びサンプルの最大個数は、数式(6)及び数式(7)のように表される。
【0069】
数式(6)において、Nはサンプルの個数を示す。数式(7)において、N
MAXはsが1であるときのサンプルの最大個数を示す。誘導されるエネルギー量を推定するために用いられるサンプルの個数がN
MAXで最大となるため、サンプルの個数がN
MAXである場合、誘導されるエネルギー量がより精密に推定される。
【0070】
スキャン部410は、サンプル長T
Sampleとサンプルの個数N又はN
MAXの積に対応するスキャン時間の間、ソース共振器401に蓄えられるエネルギー量をスキャンする。
【0071】
エネルギーをスキャンする時間(t)がt=0である時点から増加することによってサンプルの個数も増加する。サンプル番号(N)が増加することによって、
図3に示すSW
RX1がターンオンされる時点は前のサンプルの開始時点に比べてサンプル単位時間の整数倍sT
Cだけ繰り上げられる。
【0072】
スキャン部410は、サンプル時点をサンプル単位時間の整数倍sT
Cずつ繰り上げてサンプル毎にソース共振器401に蓄えられるエネルギー量をスキャンする。
【0073】
誘導エネルギー推定部420は、スキャン部410でスキャンされたエネルギー量に基づいてソース共振器401とターゲット共振器との間の非共振区間でソース共振器401とターゲット共振器に蓄えられる総エネルギー量を算出する。誘導エネルギー推定部420は、ソース共振器401に蓄えられたエネルギー量及び算出された総エネルギー量に基づいてターゲット共振器に誘導されるエネルギー量を推定する。
【0074】
誘導エネルギー推定部420は、送信端エネルギー算出部421、総エネルギー算出部423、及び受信端エネルギー推定部425を備える。
【0075】
送信端エネルギー算出部421は、スキャンされたエネルギー量に基づいて各サンプルのサンプル単位時間毎にソース共振器401に蓄えられるエネルギー量を算出する。ここで、各サンプルで異なる時間に
図3に示すSW
RX1がターンオンして、各サンプルの異なる区間で非共振(off−resonant)現象が発生する。
【0076】
総エネルギー算出部423は、非共振区間でサンプル毎に算出されたエネルギー量のうちの最も大きいエネルギー量を算出し、最も大きいエネルギー量を所定時間におけるソース共振器401とターゲット共振器に蓄えられる総エネルギー量に決定する。各サンプルの異なる区間で非共振現象が発生するため、最も大きいエネルギー量がサンプル単位時間毎の総エネルギー量として決定される。
【0077】
受信端エネルギー推定部425は、サンプル毎に、総エネルギー算出部423で決定された総エネルギー量と送信端エネルギー算出部421で算出されたソース共振器401に蓄えられるエネルギー量との差が最も大きいエネルギー量をターゲット共振器に誘導されるエネルギー量として推定する。
【0078】
所定時間に受信端に誘導されるエネルギー量、より具体的にターゲット共振器に誘導されるエネルギー量は、所定時間におけるソース共振器401とターゲット共振器に蓄えられる総エネルギー量と所定時間におけるソース共振器401に蓄えられるエネルギー量との差として算出される。所定時間におけるソース共振器401とターゲット共振器に蓄えられる総エネルギー量は、所定時間で非共振現象が発生する時にソース共振器401に蓄えられるエネルギー量と同一である。従って、非共振現象が発生する区間でソース共振器401に蓄えられるエネルギー量を算出することによって総エネルギー量を算出することができる。
【0079】
制御部430は、受信端エネルギー推定部425でサンプル毎に推定される誘導エネルギー量の分布に基づいて、ソース共振器401からエネルギーを受信するターゲット共振器が存在するか否かを判断する。ソース共振器401とターゲット共振器との間に発生する相互共振が可能な距離にターゲット共振器が存在する場合、サンプル毎に推定される誘導エネルギー量は0でない値に推定される。即ち、
図15又は
図16に示すグラフの分布のように誘導エネルギー量が推定される。
【0080】
制御部430は、受信端エネルギー推定部425でサンプル毎に推定される誘導エネルギー量の分布に基づいて受信端のスイッチ、即ち
図3に示すSW
RX1を活性化するか否かを決定する。ここで、
図3に示すSW
RX1は、インダクター又はキャパシタのようなインピーダンスをターゲット共振器に接続してターゲット共振器の共振周波数を変更する。
【0081】
図3に示すSW
RX1が活性化されると、即ちターンオンされると非共振現象が発生してサンプル毎に推定される誘導エネルギー量が最大値及び最小値を有する。即ち、
図15に示すグラフの分布のように誘導エネルギー量が推定される。
【0082】
図3に示すSW
RX1が非活性化されると、即ちターンオフされると持続的な共振現象が発生し、サンプル毎に推定される誘導エネルギー量が持続的に0でない他の値を有する。即ち、
図16に示すグラフのような分布に誘導エネルギー量が推定される。
【0083】
受信端のスイッチ、即ち
図3に示すSW
RX1が非活性化すると、制御部430は、受信端エネルギー推定部425でサンプル毎に推定される誘導エネルギー量の大きさに基づいて送信端スイッチ、即ち
図3に示すSW
TXの動作を制御する。ここで、送信端スイッチは、ソース共振器401をソース共振器401にエネルギーを供給する電源に電気的に接続し、ソース共振器401を電源から電気的に切り離す役割を果たす。
【0084】
制御部430は、測定部431、第1決定部433、及び第2決定部435を備える。
【0085】
測定部431は、
図3に示すSW
RX1が活性化されたと判断されると、受信端エネルギー推定部425でサンプル毎に推定される最大誘導エネルギー量が保持される区間を測定する。測定部431は、サンプル毎に推定される誘導エネルギー量と最大誘導エネルギー量との差が所定の閾値よりも小さい区間を測定する。
【0086】
第1決定部433は、最大誘導エネルギー量が保持される区間における最後のサンプル及びサンプル長に基づいて送信端スイッチの動作時点を決定する。誘導エネルギー量が最大値を保持した後に減少する直前のサンプルN
Syncは、
図3に示すSW
RX1の動作が送信端のエネルギー供給と同期されるサンプル、即ちソース共振器401から送信される瞬間エネルギー送信量が最大となる時点とSW
RX1がターンオンされる時点とが正確にマッチングするサンプルである。サンプルN
Syncを用いて送信端スイッチの動作時点及び動作周期が決定される。第1決定部433は、ソース共振器401に蓄えられるエネルギーのスキャン開始時点からN
Sync×T
Sampleが経過した時点に基づいて送信端スイッチの動作時点を決定する。
【0087】
第2決定部435は、送信端スイッチの動作周期を受信端スイッチの動作周期と同じ値に決定する。ここで、第2決定部435は、ソース共振器401に蓄えられるエネルギーのスキャン開始時点からN
Sync×T
Sampleが経過した時点に基づいて、受信端スイッチの動作周期と同じ値に送信端スイッチの動作周期を決定する。受信端スイッチの動作周期は、既に送信端で知っているものと仮定する。
【0088】
制御部430は、第1決定部433で決定される送信端スイッチの動作時点の前に送信端スイッチを制御してソース共振器401を電源に接続する。制御部430は、送信端スイッチの動作時点で送信端スイッチを制御してソース共振器401を電源から切り離す。即ち、送信端スイッチの動作時点は
図3に示すSW
TXがターンオフする時点を意味する。
【0089】
受信端スイッチが非活性化されたと判断されると、第1決定部433は、第1送信端スイッチの動作時点を任意のサンプル開始時点として決定し、第1送信端スイッチの動作周期を所定の周期として決定する。第1送信端スイッチは、
図3に示すSW
TXに対応する。
【0090】
第2決定部435は、スキャン部410でスキャンされたエネルギー量が最小になる時点をソース共振器401の第2送信端スイッチの動作時点として決定する。第2送信端スイッチは、
図20に示すSW
TX2に対応する。第2決定部435は、スキャンされたエネルギー量が最小になる時点が複数回である場合、スキャンされたエネルギー量が最小になる最も早い時点を第2送信端スイッチの動作時点として決定する。ここで、第2送信端スイッチの動作時点は、
図20に示すSW
TX2がターンオンされる時点を意味する。第2送信端スイッチの動作時点でソース共振器401とターゲット共振器との間に非共振現象が発生すると、ターゲット共振器に蓄えられたエネルギーはソース共振器401に伝送されない。
【0091】
制御部430は、第1決定部433で決定される第1送信端スイッチの動作時点の前に第1送信端スイッチを制御してソース共振器401を電源に接続する。制御部430は、第1送信端スイッチの動作時点で第1送信端スイッチを制御してソース共振器401を電源から切り離し、第2送信端スイッチを制御してソース共振器401をソース共振器の共振周波数を変更するインピーダンスから切り離す。制御部430は、第2決定部435で決定された第2送信端スイッチの動作時点で第2送信端スイッチを制御してソース共振器401をソース共振器の共振周波数を変更するインピーダンスに接続する。
【0092】
スキャン部410は、ソース共振器401に蓄えられるエネルギー量をサンプル単位でスキャンする。即ち、スキャン部410は、サンプル毎にソース共振器401に蓄えられるエネルギー量をスキャンする。ここで、制御部430は、サンプル単位でスキャンされたエネルギー量が所定の基準値に達する時点でソース共振器401の共振周波数を変更する。所定の基準値は、サンプル毎にスキャンされたエネルギー量のうちの最小値を意味する。例えば、所定の基準値は0である。所定の基準値は、スキャン部410のスキャン精度に応じて変更されるか又はユーザによって変更される。
【0093】
制御部430は、ソース共振器401に‘D’で示した追加インピーダンスを接続してソース共振器401の共振周波数を変更する。
図20に示すように、制御部430はスイッチSW
TX2の動作を制御してソース共振器401を追加インピーダンスに接続する。
【0094】
制御部430は、1つのサンプルでスキャンされたエネルギー量が所定の基準値に達する時点が複数回である場合、1つのサンプルでスキャンされたエネルギー量が所定の基準値に最も早く達した時点でソース共振器401の共振周波数を変更する。
【0095】
制御部430は、無線エネルギー送信装置を全般的に制御してスキャン部410及び誘導エネルギー推定部420の機能を遂行する。
図4に示す実施例は、スキャン部410、誘導エネルギー推定部420、及び制御部430の各機能を区別するために別構成として示したが、実際に製品を具現する場合にスキャン部410及び誘導エネルギー推定部420の機能の全てを制御部430で処理するように構成してもよく、一部のみを制御部430で処理するように構成してもよい。
【0096】
図5は、無線エネルギー受信装置の例を示すブロック図である。
【0097】
図5を参照すると、無線エネルギー受信装置は、受信部510及び制御部520を備える。
【0098】
受信部510は、ターゲット共振器501とソース共振器と間の相互共振を通してソース共振器から無線エネルギーを受信する。即ち、ソース共振器とターゲット共振器501との間の相互共振を通してターゲット共振器にエネルギーが誘導される。
【0099】
制御部520は、受信部510が無線エネルギーを受信するか否かに基づいてソース共振器が存在するか否かを判断する。
【0100】
制御部520は、負荷に蓄えられたエネルギー量が所定の閾値よりも小さいか否かを判断して第1受信端スイッチ及び第2受信端スイッチの動作を制御する。負荷としてバッテリが挙げられる。所定の閾値は、第1受信端スイッチ又は第2受信端スイッチを動作させるために必要な最小のエネルギー量として設定される。
【0101】
制御部520は、負荷に蓄えられたエネルギー量が所定の閾値よりも大きい時に、非共振区間の間、第1受信端スイッチを制御してターゲット共振器501をターゲット共振器501の共振周波数を変更するインピーダンスに接続し、ターゲット共振器501に蓄えられたエネルギーを負荷に送信するために第2受信端スイッチを制御してターゲット共振器501を負荷に接続する。また、制御部520は、相互共振区間の間、第1受信端スイッチを制御してターゲット共振器501をターゲット共振器501の共振周波数を変更するインピーダンスから切り離し、第2受信端スイッチを制御してターゲット共振器501を負荷から切り離す。相互共振区間の間にターゲット共振器501にエネルギーが蓄えられる。
【0102】
制御部520は、負荷に蓄えられたエネルギー量が所定の閾値以下である時に、第1受信端スイッチを制御してターゲット共振器501をターゲット共振器501の共振周波数を変更するインピーダンスから切り離し、ソース共振器との相互共振を持続的に維持する間ターゲット共振器501に蓄えられるエネルギーを負荷に伝送するように第2受信端スイッチを制御してターゲット共振器を負荷に接続する。
【0103】
制御部520は、無線エネルギー受信装置を全般的に制御して受信部510の機能を遂行する。
図5に示す実施例は、受信部510及び制御部520の各機能を区別するために別構成として示したが、実際に製品を具現する場合に受信部510の全てを制御部520で処理するように構成してもよく、一部のみを制御部520で処理するように構成してもよい。
【0104】
図6は、無線エネルギー送受信システムの送信端と受信端で測定されるエネルギー量の例を示すグラフである。
【0105】
無線エネルギー送受信システムは、相互共振を用いてエネルギーを送信する送信端とエネルギーを受信する受信端で構成される。ここで、送信端をTX端として示し、受信端をRX端として示す。
【0106】
図6は、エネルギーが電源からTX端に供給された直後に、TX端のソース共振器が電源から物理的に独立し、RX端のターゲット共振器が負荷から物理的に独立した状態で相互共振する間TX端とRX端に蓄えられるエネルギー量を示す。相互共振を通してTX端からRX端に伝送されるエネルギーは、1つのサンプルの区間でTX端とRX端との間で繰り返し伝送される。
【0107】
図6で、TX端とRX端に蓄えられるエネルギー量は、グラフに示すy軸の正規化された電圧で表される。x軸の正規化された時間はエネルギー測定時間をサンプル単位時間で割った値に該当し、サンプル単位時間T
Cはサンプル内で信号処理するために用いられる最も小さい時間単位を意味する。
【0108】
図7は、無線エネルギー送受信システムの受信端で非共振現象が発生する時に受信端に蓄えられるエネルギー量の例を示すグラフである。
【0109】
図7は、TX端とRX端との間で相互共振する間に時点710で
図3に示すSW
RX1がターンオンして非共振化される時にTX端に伝送されずにRX端に残るエネルギー量を示す。
【0110】
非共振区間の間、即ち時点710から時点720でRX端に残るエネルギー量は、非共振化された時点710でRX端に誘導されるエネルギー量によって決定される。従って、最大可能エネルギー量をRX端に送信するためには、RX端に誘導されるエネルギー量が最大である時に
図3に示すSW
RX1がターンオンされなければならない。また、
図3に示すSW
RX1のターンオン/ターンオフが所定の動作周期である場合、RX端に誘導されるエネルギー量が最大の時にTX端のスイッチが開放されなければならない。従って、RX端に誘導されるエネルギー量が最大である時点がTX端で推定された時、TX端のスイッチの制御を通してTX端のスイッチがRX端のスイッチと同期化される。
【0111】
図8A及び
図8Bは、無線エネルギー送受信システムの受信端で相互共振の間に受信端に蓄えられるエネルギー量が最大である時点と、その時に送信端に蓄えられるエネルギー量の例を示すグラフである。
【0112】
図8AはTX端とRX端との間で相互共振する間にRX端に蓄えられるエネルギー量の変化を示し、
図8BはTX端とRX端との間で相互共振する間にTX端に蓄えられるエネルギー量の変化を示す。
【0113】
図8A及び
図8Bにおいて、RX端に蓄えられるエネルギー量が最大となる時点でTX端に蓄えられるエネルギー量は最小にならないため、RX端に誘導されるエネルギー量が最大になる時点をTX端で判断することは困難である。
【0114】
上記時点が異なる理由は、RX端のエネルギー減衰速度とTX端からRX端にエネルギーが伝送される速度に差があるためである。即ち、TX端からRX端へのエネルギー伝送速度よりRX端でのエネルギー減衰速度が速い場合、TX端からRX端にエネルギーが全て伝送される瞬間より早い時点でRX端に誘導されるエネルギー量が最大になる。
【0115】
図9は、無線エネルギー送受信システムの送信端と受信端に蓄えられる総エネルギー量の例を示すグラフである。
【0116】
図9を参照すると、TX端の自己共振のみならず、TX端とRX端との間で相互共振する場合、TX端とRX端の総エネルギー量は相互インダクタンスMの値に関わらずに一律に減少する。
【0117】
所定時間にTX端とRX端に蓄えられる総エネルギー量とTX端に蓄えられるエネルギー量から当該時間にRX端に誘導されるエネルギー量が推定される。
【0118】
従って、所定時間にRX端に誘導されるエネルギー量を推定するためには当該時間にTX端に蓄えられるエネルギー量のみならず、TX端とRX端に蓄えられる総エネルギー量も把握しなければならないが、TX端とRX端に蓄えられる総エネルギー量は、TX端の信号を分析することで把握される。
【0119】
図10A及び
図10Bは、無線エネルギー送受信システムの受信端のスイッチ動作により送信端と受信端に蓄えられるエネルギー量の例を示すグラフである。
【0120】
図10A及び
図10Bでは、TX端とRX端との間で非共振化‘OR’(Off−Resonant)される時点が異なる。ここで、非共振化は、
図3に示すSW
RX1がターンオンする間に発生し、TX端とRX端との間でエネルギーを交換する現象が発生しない。
【0121】
図10Aの場合、20T
cでSW
RX1がターンオフされ、70T
cでSW
RX1がターンオンされる。即ち、20T
cと70T
cとの間の区間(ハッチングされた区間)が相互共振‘R’区間であり、残りの区間が非共振区間‘OR’である。
【0122】
図10Aを参照すると、非共振区間(0〜20T
c)でRX端に蓄えられるエネルギー量が0である時に、TX端に蓄えられるエネルギー量はRX端とTX端に蓄えられる総エネルギー量と同一になる。
【0123】
図10Bでは、
図10Aに示す場合と反対に、20T
cでSW
RX1がターンオンし、70T
cでSW
RX1がターンオフされる。即ち、20T
cと70T
cとの間の区間が非共振区間‘OR’であり、残りの区間が相互共振区間‘R’である。
【0124】
TX端で所定時間にRX端に蓄えられるエネルギー量を推定するためには、所定時間の総エネルギー量を把握する必要がある。TX端で総エネルギー量の変化を推定するための最も容易な方法は、TX端が自己共振している間、即ち相互共振がTX端とRX端との間で発生しない時にTX端に蓄えられるエネルギー量の変化を測定することである。
【0125】
また、TX端から相互共振が不可能な距離にRX端が存在するか否かを確認できない場合、TX端の信号を分析して総エネルギー量の変化を把握する。1サンプル内のスキャン区間は、
図10Aに示すようにサンプルの開始時点が非共振区間に含まれる場合、サンプル開始時点から最初の非共振区間が終了する点まで伸びる。
図10Bに示すようにサンプル開始時点が相互共振区間に含まれる場合、サンプル開始時点から非共振区間の最初の開始時点の区間の間に一部のエネルギーがTX端からRX端に伝送されるため、TX端の信号のみを用いて総エネルギー量を推定することはできない。
【0126】
サンプル内で相互共振区間が短いほど、即ちサンプル内で非共振区間が長くなるほど総エネルギー量に関する情報を多く把握することができるが、RX端に格納されるエネルギー量が最大となる時点が相互共振する間に発生するため、相互共振区間が極めて短い場合にRX端に誘導されるエネルギー量が最大にならない。
【0127】
図10A及び
図10Bにおいて、
図3に示すSW
RX1のターンオン時間及びターンオフ時間のそれぞれはSW
RX1の全体動作周期の50%である。即ち、SW
RX1は、50%の区間でターンオンし、50%の区間でターンオフする。この場合、総エネルギー量が推定される最大区間はサンプル開始時点からT
RX/2まで伸びる。即ち、サンプルの開始時点が相互共振区間に含まれる場合、最大区間は非共振現象が発生する区間である。
【0128】
結果として、1サンプルの0≦T≦T
RX/2区間内におけるサンプル単位時間T
C毎にスキャンされたTX端に蓄えられるエネルギー量の最大値は、
図9に示す当該時間毎の総エネルギー量と同一になる。
【0129】
また、非共振区間がT
RX/2より大きくならないため、T>T
RX/2区間で総エネルギー量を推定することや、RX端のエネルギー量が最大になる時点を推定する必要がない。
【0130】
図11は、無線エネルギー送受信システムの送信端から送信されるエネルギーのサンプル区間で受信端に蓄えられるエネルギー量の例を示すグラフである。
【0131】
図3に示すSW
RX1が予め設定された動作周期T
RXでターンオン/オフされる間、TX端でソース共振器が電源から周期的にエネルギーが供給され、TX端でソース共振器に蓄えられるエネルギー量がスキャンされる。
【0132】
電源から供給されるエネルギーの単位をサンプルというとき、サンプル長はT
Sample=T
RX+sT
Cとして定義される。ここで、sは0よりも大きい整数であり、T
Cは無線エネルギー送信装置で信号を処理するために用いられる最も小さい時間単位として定義される。TX端で信号をスキャンする時間(t)がt=0である時点から始まり増加することによってサンプルの個数が増加し、サンプル番号(N)が増加することによってサンプルの開始時点、即ちエネルギー供給時点から
図3のSW
RX1がオンする時点がsT
Cずつ繰り上げられる。
【0133】
図11は、例えばT
RX=100T
C、sT
C=20T
C、T
Sample=120T
Cである場合にTX端で推定されたRX端に蓄えられるエネルギー量を示す。TX端で推定される時、最初のサンプル(0T
c〜120T
c区間)に比べて2番目のサンプル(120T
c〜240T
c区間)で
図3に示すSW
RX1のオン時点が20T
Cだけ繰り上げられる。
図11において、各サンプルで20T
Cずつ繰り上げられてスキャンされる。また、サンプルの個数がT
RX/sT
C=5である場合に5種類のサンプルについてスキャンされる。従って、s=1である場合に最大N
MAX=T
RX/T
C個のサンプルに対してスキャンされ、
図3に示すSW
RX1のオン時点がより精密に推定される。
【0134】
図12〜
図14は、無線エネルギー送信装置で任意のサンプル区間で推定された無線エネルギー受信装置に誘導されるエネルギー量の例を示すグラフである。
【0135】
図12は、任意のサンプルにおいてTX端で推定されたRX端に誘導されるエネルギー量を示す。
図12を参照すると、13T
C時点でRX端に最大エネルギー量1210が誘導される。ここで、最大エネルギー量1210は、任意のサンプルでTX端から送信された瞬間最大エネルギー量を意味する。Rは相互共振区間を示す。
【0136】
図13は、
図12に示す時点を基準として10番目のサンプルを示す。
図13を参照すると、13T
C時点でRX端に最大エネルギー量1310が誘導される。
【0137】
図14は、
図12に示す時点を基準として20番目のサンプルを示す。
図14を参照すると、5T
C時点でRX端に最大エネルギー量1410が誘導される。
図13に示す最大エネルギー量1310と
図14に示す最大エネルギー量1410との差は、非共振区間がサンプル毎にT
Cずつ繰り上げられるために発生する。相互共振区間が長くなるほどRX端に誘導されるエネルギー量は増大する。これはサンプルの開始時点に非共振区間が近づくほど相互共振区間が短くなり、RX端に誘導されるエネルギー量が減少するためである。
【0138】
図15は、無線エネルギー送信装置でサンプル毎に推定された無線エネルギー受信装置に誘導されるエネルギー量の例を示すグラフである。
【0139】
TX端でスキャンされたサンプル番号をN(0≦N<N
MAX)、サンプル時点をT(0≦T<T
Sample)、TX端でスキャンされたエネルギー量をE
TX(t)(0≦t<N
MAX×T
Sample)というとき、所定時間(T)における総エネルギー量E
Total(T)は次の数式(8)及び(9)を用いて算出される。
【0142】
上記数式で、T
Sample=T
RX+T
C、及びN
MAX=T
RX/T
Cである。エネルギー量はTX端でスキャンされ、同時に下記の数式(10)を用いてサンプル毎にRX端に誘導される最大エネルギー量M
RX(N)がTX端で算出される。
【0144】
M
RX(N)はN番目のサンプルでTX端からRX端に送信される瞬間最大エネルギー量を意味する。
【0145】
図15は、TX端とRX端との間で相互共振する間に
図3に示すSW
RX1が活性化される時にRX端に誘導されるエネルギー量を推定したグラフである。
【0146】
ターゲット共振器に誘導されるエネルギーがバッテリを通してRX端で吸収される区間は、
図3に示すSW
RX1がターンオンされる区間であり、
図12〜
図14に示すハッチングされない背景の区間である。
【0147】
最大エネルギー量がRX端に誘導されるために、
図3に示すSW
RX1がターンオンされる時点は、TX端からRX端に送信される瞬間エネルギー量が最大になる時点と同期化されなければならない。
図12及び
図13に示すサンプルにおいてRX端に誘導される最大エネルギー量は13T
C時点で一律に維持される。しかし、
図14に示すサンプルで
図3に示すSW
RX1がターンオンされる区間が繰り上げられるため、RX端に誘導される最大エネルギー量は減少する。
【0148】
図15を参照すると、サンプル番号Nが増加することで最大エネルギー量M
RX(N)が区間X
Nの間で一律に保持される。この区間で、最大エネルギー量M
RX(N)が減少する直前のサンプルは、
図3に示すSW
RX1がターンオンする時点とTX端の瞬間エネルギー送信量が最大になる時点1510とが同期化されたサンプルN
Syncである。サンプルN
Syncに基づいてTX端のスイッチの動作時点t
TX_
startと動作周期T
TXが次の数式(11)〜(14)を用いて算出される。
【0153】
数式(12)において、「s.t.」は「such that」の略語であり、
はXNの補数(complement)を示す。最大エネルギー量M
RX(n)が保持される区間X
Nは、最大エネルギー量M
RX(N)と閾値m
thrとを用いて算出される。区間X
Nにおける最後のサンプルN
Syncを用いて、スキャン開始時点t=0から経過した時間がTX端で算出される。
【0154】
スキャン開始時点からN
Sync×T
Sampleが経過した時点を基準にしてTX端の動作周期T
TXをRX端の周期T
RXと同一にした場合、次のサンプルのエネルギー供給時点t
Tx_startが
図3に示すSW
RX1の動作と同期化される。エネルギー供給時点t
Tx_startは、
図3に示すSW
TXがターンオフする時点を意味する。
【0155】
図15を参照すると、N
Sync=89、T
Sample=101T
C、T
RX=100T
Cである。上記数式(13)からTX端にエネルギーを供給する時点t
Tx_startは(8989+100k)T
Cであり、スキャン終了時点はN
MAX×T
Sample=10100T
Cであるため、同期化の後にTX端に最初にエネルギーを供給する時点はk=12、即ち10189T
Cとなる。従って、同期化された状態でTX端にエネルギーを供給する時点は、スキャン開始時点を基準にして「10189T
C、10289T
C、10389T
C、10489T
C…」となる。SW
RX1が活性化されるか否かは最大エネルギー量の分布MRX(N)を用いてTX端で判断される。
【0156】
図16は、無線エネルギー送受信システムの受信端のスイッチが非活性化される時に無線エネルギー受信装置に誘導されるエネルギー量の例を示すグラフである。
【0157】
TX端とRX端との間の相互共振の間に
図3に示すSW
RX1が非活性化されると、即ちSW
RX1がターンオフされると、
図16に示すように最大エネルギー量M
RX(N)が0よりも大きい値で一律に保持される。SW
RX1が非活性化されるか否かは最大エネルギー量の分布M
RX(N)を用いてTX端で判断される。
【0158】
RX端でデータ通信を行わずにエネルギーのみを受信する場合、
図3に示すSW
RX1がターンオフして相互共振を持続的に維持し、
図3に示すSW
RX2がターンオンしてバッテリでエネルギーを持続的に受信する。
【0159】
RX端のバッテリに蓄えられたエネルギー量が通信するのに足りないか又は初めてTX端とRX端との間で相互共振を開始する時、RX端ではSW
RX1が非活性化状態に制御される。
【0160】
SW
RX1が動作しない時、即ちSW
RX1がターンオンされない時、最大エネルギー量M
RX(N)に変化がないため、TX端のスイッチの動作時点t
Tx_startと動作周期T
TXは、最大エネルギー量M
RX(N)を用いずに任意のサンプル開始時点及び所定の動作周期に決定される。任意のサンプル開始時点は、次の数式(15)のように表現される。
【0162】
SW
RX1が動作せずに相互共振を持続的に発生させる場合、RX端に誘導されたエネルギーがTX端に再伝送される。従って、エネルギーがTX端に再伝送されることを防止し、最大可能エネルギー量をRX端で保持するために、TX端でソース共振器の共振周波数を変更して相互共振を中断させる必要がある。相互共振の中断は非共振化を意味する。
【0163】
図17は、無線エネルギー送受信システムの受信端が存在しないために相互共振が発生しない場合に無線エネルギー受信装置に誘導されるエネルギー量の例を示すグラフである。
【0164】
RX端とTX端との間で相互共振が可能な距離にRX端が存在しないためにTX端の自己共振が発生する場合、
図17に示すグラフのように最大エネルギー量M
RX(N)は常に0を有する。
【0165】
最大エネルギー量M
RX(N)の値が常に0である場合、TX端ではRX端が存在しないと判断する。所定区間待機した後に再びRX端を探すために最大エネルギー量M
RX(N)がTX端で繰り返し測定される。
【0166】
図18は、無線エネルギー送受信システムの送信端のスイッチがターンオンして非共振化される時の送信端のエネルギー変化の例を示すグラフである。
【0167】
即ち、
図18は、TX端に蓄えられるエネルギー量が最小になる時点17T
Cで
図20に示すSW
TX2がターンオンされる時のTX端の電圧変化を示す。TX端の電圧変化は、エネルギー変化を意味するものと解釈される。
図20に示すSW
TX2がターンオンすると、ソース共振器の共振周波数が変更されて相互共振が中断される。即ち、非共振化が発生する。
【0168】
図19は、無線エネルギー送受信システムの送信端のスイッチがターンオンして非共振化される時の受信端のエネルギー変化の例を示すグラフである。
【0169】
即ち、
図19は、TX端に蓄えられるエネルギー量が最小になる時点17T
Cで
図20に示すSW
TX2がターンオンされる時にRX端に蓄えられるエネルギー量を示す。SW
RX2がターンオンしてターゲット共振器が負荷に接続されると、負荷にはターゲット共振器から持続的にエネルギーが供給され、
図19に示すように時間の経過によってターゲット共振器に蓄えられたエネルギーが減少する。
【0170】
図20は、無線エネルギー送受信システムの等価回路の他の例を示す図である。
【0171】
図20を参照すると、
図3に示す等価回路と比較してTX端で1つのスイッチSW
TX2及び追加インピーダンス2030を更に含む。SW
TX2を通して追加インピーダンス2030にソース共振器2010が接続されると、ソース共振器2010の共振周波数が変更されてソース共振器2010とターゲット共振器2020との間が非共振化される。追加インピーダンス2030はデバイスDとして表され、デバイスDはインダクター成分及び/又はキャパシタ成分を含む。
【0172】
t
Tx_start時点でSW
TX2が再びターンオフしてTX端とRX端との間に共振状態が再び発生する。SW
TX2によって決定される非共振化の時点がTX端に残っているエネルギー量が無視できる時点に決定されるため、エネルギー送信効率に及ぼす影響は少ない。従って、SW
TX2とデバイスDに用いられる成分又は物質はRX端のC
Lよりもより自由に選択される。SW
RX1の動作の間にSW
TX2がターンオフ状態になる時、無線エネルギー送受信システムは
図3に示すRIシステムと同じ構造を有する。
【0173】
SW
TX2をターンオンさせることによる非共振化時点t
off_resonantは、1つのサンプルのみを必要とし、相互共振の間にTX端に蓄えられるエネルギー量E
TXが最小になる時点である。
【0174】
相互共振の間に、TX端でエネルギー量が複数回0になり、このとき数式(16)で表現されるように最も早い時点が非共振化時点に決定される。
【0176】
TX端に蓄えられるエネルギー量が一周期T
TXの間に続けて減少して0になる場合が発生しなければ、エネルギー供給は非共振化を発生せずに直ちに行われる。この場合、SW
TX2はオフ状態に維持される。
【0177】
図21は、無線エネルギー送信方法の例を示すフローチャートである。
【0178】
ステップS2105において、無線エネルギー送信装置は、サンプル長及びサンプルの個数を決定する。サンプル長、サンプルの個数、及びサンプルの最大個数は次の数式(17)〜(19)のように表される。
【0182】
数式(17)〜(19)において、T
RXは受信端スイッチの動作周期、T
Cはサンプル単位時間、sは0よりも大きい整数を意味する。
【0183】
ステップS2110において、無線エネルギー送信装置は、TX端に蓄えられるエネルギー量をスキャンする。即ち、無線エネルギー送信装置は、ソース共振器に蓄えられるエネルギー量E
TX(t)を所定のサンプルの個数(サンプルのそれぞれがサンプル長を有する)に対応するスキャン区間(0≦t<N
MAX×T
Sample)の間スキャンする。
【0184】
ステップS2115において、無線エネルギー送信装置は、スキャンされたエネルギー量に基づいて各サンプルのサンプル単位時間毎にソース共振器401に蓄えられるエネルギー量を次の数式(20)を用いて算出する。
【0186】
無線エネルギー送信装置は、非共振区間の間にサンプル毎に算出されたエネルギー量のうちの最も大きいエネルギー量を次の数式(21)を用いて算出し、最も大きいエネルギー量を所定時間にソース共振器とターゲット共振器に蓄えられる総エネルギー量として決定する。
【0188】
無線エネルギー送信装置は、各サンプルで総エネルギー量とソース共振器に蓄えられるエネルギー量との差が最も大きいエネルギー量を次の数式(22)を用いて算出し、算出されたエネルギー量をターゲット共振器に誘導されるエネルギー量として推定する。
【0190】
ステップS2120において、無線エネルギー送信装置は、無線エネルギー受信装置が存在するか否かを判断する。無線エネルギー受信装置は、無線エネルギー送受信システムのRX端に該当する。無線エネルギー送信装置は、最大エネルギー量M
RX(N)が持続的に0であるか否かに基づいて無線エネルギー受信装置が存在するか否かを判断する。
【0191】
ステップS2125において、無線エネルギー送信装置は、無線エネルギー受信装置が存在しないと判断された場合、他のスキャンを行う前に所定時間の間待機する。
【0192】
ステップS2130において、無線エネルギー送信装置は、無線エネルギー受信装置が存在すると判断された場合、無線エネルギー受信装置のスイッチSW
RXが活性化されたか否かを判断する。無線エネルギー送信装置は、最大エネルギー量M
RX(N)が0でない一定の値を有するか否かに基づいて無線エネルギー受信装置のスイッチSW
RXが活性化されたか否かを判断する。
【0193】
ステップS2135において、無線エネルギー送信装置は、スイッチSW
RXが活性化されたと判断されると、サンプル毎に推定される最大誘導エネルギー量が保持される区間を次の数式(23)を用いて測定する。
【0195】
無線エネルギー送信装置は、最大誘導エネルギー量が保持される区間における最後のサンプル及びサンプル長に基づいて送信端スイッチSW
TX1の動作時点を決定する。最後のサンプル及びSW
TX1の動作時点は、次の数式(24)及び(25)によって表される。
【0198】
無線エネルギー送信装置は、送信端スイッチSW
TX1の動作周期を受信端スイッチSW
RXの動作周期と同一の値に決定する。
【0199】
ステップS2140において、無線エネルギー送信装置は、スイッチSW
RXが非活性化されたものと判断されると、送信端スイッチSW
TX1の動作時点t
Tx_startを次の数式(26)を用いて任意のサンプル開始時点として決定し、送信端スイッチSW
TX1の動作周期を所定の動作周期として決定する。
【0201】
無線エネルギー送信装置は、次の数式(27)及び(28)を用いて、スキャンされたエネルギー量が最小になる時点を送信端スイッチSW
TX1の動作時点t
off_resonantとして決定する。
【0204】
無線エネルギー送信装置は、スキャンされたエネルギー量が最小になる時点が複数回である場合、次の数式(29)を用いて最も速い時点を送信端スイッチSW
TX2の動作時点として決定する。
【0206】
ステップS2145において、無線エネルギー送信装置は、ソース共振器を電源に接続してソース共振器にエネルギーを供給するように送信端スイッチSW
TX1の動作時点t
Tx_startより前の時点Δtで送信端スイッチSW
TX1をターンオンする。Δtは、サンプル単位時間T
Cよりも極めて小さい値であるため、信号処理に影響を及ぼさない。無線エネルギー送信装置は、相互共振を開始するように送信端スイッチSW
TX1を動作時点t
Tx_startでターンオフする。送信端スイッチSW
TX2はオフ状態に維持される。
【0207】
ステップS2150において、無線エネルギー送信装置は、ソース共振器を電源に接続してソース共振器にエネルギーを供給するように送信端スイッチSW
TX1を動作時点t
Tx_startより前の時点Δtで送信端スイッチSW
TX1をターンオンする。Δtは、サンプル単位時間T
Cよりも極めて小さい値であるため、信号処理に影響を及ぼさない。無線エネルギー送信装置は、相互共振を開始するように送信端スイッチSW
TX1の動作時点t
Tx_startで送信端スイッチSW
TX1をターンオフする。無線エネルギー送信装置は、非共振化を開始するように送信端スイッチSW
TX2の動作時点t
off_resonantで送信端スイッチSW
TX2をターンオンし、相互共振を開始するように送信端スイッチSW
TX1の動作時点t
Tx_startで送信端スイッチSW
TX2をターンオフする。
【0208】
図22は、無線エネルギー受信方法の例を示すフローチャートである。
【0209】
ステップS2210において、無線エネルギー受信装置は、ターゲット共振器にエネルギーが蓄えられるか否かに基づいて無線エネルギー送信装置が存在するか否かを判断する。
【0210】
ステップS2220において、無線エネルギー受信装置は、無線エネルギー送信装置が存在しないと判断される場合、所定時間の間待機する。無線エネルギー受信装置は、所定時間待機した後、ステップS2210の処理を繰り返す。
【0211】
ステップS2230において、無線エネルギー受信装置は、相互共振可能な無線エネルギー送信装置が存在すると判断された場合、無線エネルギー受信装置のバッテリの充電量が閾値よりも大きい値を有するか否かを判断する。
【0212】
ステップS2240において、無線エネルギー受信装置は、バッテリの充電量が閾値よりも大きいと判断されると、非共振区間(0≦t<T
RX/2)でSW
RX1をターンオンしてターゲット共振器をターゲット共振器の共振周波数を変更するインピーダンスに接続し、SW
RX2をターンオンしてターゲット共振器をバッテリに接続する。この場合、SW
RX1の周期中の50%がターンオンされる区間であり、残りの50%がターンオフされる区間である。
【0213】
無線エネルギー受信装置は、共振区間(T
RX/2≦t<T
RX)でSW
RX1をターンオフしてターゲット共振器をターゲット共振器の共振周波数を変更するインピーダンスから切り離し、SW
RX2をターンオフしてターゲット共振器をバッテリから切り離す。
【0214】
ステップS2250において、無線エネルギー受信装置は、バッテリの充電量が閾値以下の値を有するものと判断されると、SW
RX1をターンオフしてターゲット共振器をターゲット共振器の共振周波数を変更するインピーダンスから切り離し、SW
RX2をターンオンしてターゲット共振器をバッテリに接続し、ソース共振器との持続的な相互共振を通してターゲット共振器に蓄えられたエネルギーをバッテリに伝送することを可能にする。
【0215】
上述した方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行するプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つ又はその組合せを含む。記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、光ディスクのような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードが含まれる。ハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成され、その逆も同様である。
【0216】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
従って、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである