(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6586191
(24)【登録日】2019年9月13日
(45)【発行日】2019年10月2日
(54)【発明の名称】遮水板、および遮水板の設置方法
(51)【国際特許分類】
E06B 5/00 20060101AFI20190919BHJP
E04H 9/14 20060101ALI20190919BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E04H9/14 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-85682(P2018-85682)
(22)【出願日】2018年4月26日
(62)【分割の表示】特願2014-177501(P2014-177501)の分割
【原出願日】2014年9月1日
(65)【公開番号】特開2018-112068(P2018-112068A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2018年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大井 勝
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 展之
(72)【発明者】
【氏名】中島 厚二
【審査官】
秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−50447(JP,A)
【文献】
実開平7−21928(JP,U)
【文献】
実開平7−19583(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面と隣接し側方に向けて開口する開口部の少なくとも下部を屋外側から覆う遮水板であって、
前記遮水板の上端部から上方に向けて突出し、前記開口部の縁部に設けられた第一の引掛部に下側および屋内側から引っ掛けられ、上側および屋外側への移動が抑制される板状の第二の引掛部と、
前記遮水板の下端部に設けられ、前記下端部と前記床面との間をシールする弾性変形可能な第一シール部材と、
前記遮水板の側端部に設けられ、かつ前記第一引掛部および前記第二引掛部よりも下方に位置され、前記側端部と前記開口部の縁部との間をシールする弾性変形可能な第二シール部材と、
を有した、遮水板。
【請求項2】
前記第二の引掛部は、前記第一の引掛部によってさらに前記開口部の左右方向への移動が抑制される、請求項1に記載の遮水板。
【請求項3】
前記第二の引掛部の屋内側の後面は、下方へ向かうにつれて屋内側へ向かうよう傾斜した傾斜面に構成される、請求項1または2に記載の遮水板。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の遮水板の設置方法であって、
前記遮水板を上昇させながら、前記第一の引掛部の下側から前記第二の引掛部を挿入させる第一ステップと、
前記遮水板の下部を屋内側へ押し込むことで、前記遮水板を前記開口部の少なくとも下部を屋外側から覆う位置まで移動させる第二ステップと、
を含む、遮水板の設置方法。
【請求項5】
請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の遮水板の設置方法であって、
前記遮水板の下部を、屋内側へ向けて押す第一ステップと、
前記遮水板の上部を屋内側へ向けて押し、前記第二の引掛部が前記第一の引掛部に当接することにより、当該第一の引掛部から前記第二の引掛部が押圧され前記第一シール部材が上下方向に弾性的に圧縮されて前記遮水板が下方へ沈み込みながら屋内側へ移動する第二ステップと、
前記遮水板の上部をさらに屋内側へ向けて押すことで、前記第二の引掛部が前記第一の引掛部に引っ掛けられ、前記遮水板が前記開口部の少なくとも下部を屋外側から覆った状態で前記遮水板が前記開口部の縁部に設置される第三ステップと、
を含む、遮水板の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
遮水板、および遮水板の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開口部を屋外側から覆う防水シートを有した開口部の防水装置、遮水板、および遮水板の設置方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4459740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、より容易に取り付けたり取り外したりできるなど、より不都合が少なく改善された新規な開口部の防水装置、遮水板、および遮水板の設置方法が得られれば有意義である。本発明の課題の一つは、例えば、より不都合が少なく改善された新規な開口部の防水装置、遮水板、および遮水板の設置方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の
遮水板は、例えば、床面と隣接し側方に向けて開口する開口部の少なくとも下部を屋外側から覆う遮水板
であって、前記遮水板の上端部から上方に向けて突出し、前記開口部の縁部に設けられた第一の引掛部に下側
および屋内側から引っ掛けられ、上側
および屋外側への移動が抑制される
板状の第二の引掛部と、前記遮水板
の下端部に設けられ
、前記下端部と前記床面との間をシールする弾性変形可能な
第一シール部材と、
前記遮水板の側端部に設けられ、かつ前記第一引掛部および前記第二引掛部よりも下方に位置され、前記側端部と前記開口部の縁部との間をシールする弾性変形可能な第二シール部材と、を
有する。よって、例えば、比較的簡素な構成によって、遮水板を開口部を覆う位置に留めることができる。
【0006】
上記
遮水板では、例えば、
前記第二の引掛部は、前記第一の引掛部によって
さらに前記開口部の左右方向への移動が抑制される。よって、例えば、比較的簡素な構成によって、遮水板が開口部を覆う位置から側方へ移動するのを抑制することができる。
【0007】
上記遮水板
では、例えば、
前記第二の引掛部の屋内側の後面は、下方へ向かうにつれて屋内側へ向かうよう傾斜した傾斜面に構成される。
【0008】
本発明の遮水板の設置方法は、例えば、
上記遮水板の設置方法であって、前記遮水板を上昇させながら、
前記第一の引掛部の下側から前記第二の引掛部を挿入させる第一ステップと、前記遮水板の下部を屋内側へ押し込むことで、前記遮水板を前記開口部の少なくとも下部を屋外側から覆う位置まで移動させる第二ステップと、を含む。
【0009】
本発明の遮水板の設置方法は、例えば、
上記遮水板の設置方法であって、前記遮水板の下部を、屋内側へ向けて押す第一ステップと、前記遮水板の上部を屋内側へ向けて押し、前記第二の引掛部が
前記第一の引掛部に当接することにより、当該第一の引掛部から前記第二の引掛部が押圧され前記
第一シール部材が上下方向に弾性的に圧縮されて前記遮水板が下方へ沈み込みながら屋内側へ移動する第二ステップと、前記遮水板の上部をさらに屋内側へ向けて押すことで、前記第二の引掛部が前記第一の引掛部に引っ掛けられ、前記遮水板が前記開口部の少なくとも下部を屋外側から覆った状態で前記遮水板が前記開口部の縁部に設置される第三ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、より容易に取り付けたり取り外したりできる開口部の防水装置、遮水板、および遮水板の設置方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態の開口部の防水装置の模式的かつ例示的な平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の開口部の防水装置の屋外側かつ上側から見た例示的な斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の開口部の防水装置の第一の引掛部と第二の引掛部とを屋外側および下方から見た例示的な分解斜視図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の開口部の防水装置の
図4の状態となる前の状態での
図4と同等位置での断面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態の開口部の防水装置の
図4と同等位置での
図7の状態となる前の状態での断面図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態の開口部の防水装置の
図4と同等位置での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つが得られうる。
【0013】
また、以下に開示される実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれる。以下では、同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。また、便宜上、開口部の開口方向の屋外側がX方向、X方向の視線での左側がY方向、および上方がZ方向と、定義される。
【0014】
<第1実施形態>
図1,2に示されるように、防水装置1Aは、建物等の構造物の壁10(側壁)に設けられた開口部11に対応して、設けられる。開口部11は、床面12の上側に隣接し、側方(Y方向)に向けて開口している。開口部11は、上下方向に長い長方形状(四角形状)に形成される。開口部11の縁は、床面12と、左右両側で上下方向に延びる方立13,13(柱)と、上方で左右方向(側方)に延びる梁(図示されず)とによって構成される。方立13は、角柱状に構成される。なお、開口部11の屋内側には、開口部11を開閉可能に覆う扉15,15が設けられている。扉15は、スライドドア(所謂自動ドア)である。扉15は、壁10および床面12に沿って、
図1の左右方向(Y方向およびその反対方向)に、開位置(図示されず)と閉位置(
図1)との間で移動する。なお、屋外側および屋内側とは、説明上わかりやすくするための便宜上の表現であって、水が浸入する可能性がある場合の上流側および下流側を意味する。本発明は、例えば廊下等の通路のような家屋や部屋等の概念が必ずしも明確にならない場所に設置された扉に対しても適用できる。
【0015】
防水装置1Aは、遮水板2を有する。遮水板2は、長方形(四角形)の板状に構成される。遮水板2は、開口部11の少なくとも下部を覆う。具体的に、遮水板2は、その厚さ方向が床面12(X方向)と略平行な姿勢で、床面12上に接して起立するとともに、方立13に屋外側から接する。このように遮水板2が開口部11の下部を覆った状態で、遮水板2の端部2a(下端部)と床面12との間、および遮水板2の左右両側の端部2b(側端部)と方立13(の外面)との間がシールされることにより、開口部11を介した屋内への雨水等の水の浸入が、抑制される。また、遮水板2は、ケース(例えば金属材料等)と、当該ケースの内部に収容された比較的軽量な材料(例えば発泡材料等)とを有し、全体として比較的軽量となるよう構成されている。遮水板2の全体の比重は、例えば、水の比重よりも小さく設定されうる。これにより、操作者は、遮水板2の運搬や、取り付け、取り外し等を、より容易に行える。なお、床面12とは、説明上わかりやすくするための便宜上の表現であって、通常の床面のみならず、コンクリート面や地面等の開口部11の下方に位置する面をも意味する。
【0016】
図4に示されるように、端部2aと床面12との間、および端部2bと方立13との間には、それぞれ、シール部材3が設けられている。シール部材3は、例えば、エラストマ等の弾性材料で構成される。シール部材3は、遮水板2と構造物(床面12あるいは方立13)との間に挟まれることで、弾性的に圧縮され、面圧を生じる。この面圧によって、水の浸入がより一層確実に抑制されうる。なお、本実施形態では、シール部材3は、遮水板2に設けられるが、シール部材3の少なくとも一部は、構造物側に設けられてもよい。また、水の浸入が抑制されるとは、水の浸入が阻止されたり防止されたりする意味をも含む。
【0017】
また、左右の方立13には、それぞれ、
図2〜4に示される引掛部4が設けられる。引掛部4は、例えば、方立13の屋外側に設けられうる。
図3に示されるように、引掛部4は、壁部4a(天壁部、上壁部)や、壁部4b(前壁部、周壁部)、壁部4c(側壁部、周壁部)等の部分を有している。引掛部4には、壁部4a,4b,4c等で囲まれて下方(Z方向の反対方向)に向けて開口された開口部4d(凹部、収容部)が設けられている。
【0018】
また、遮水板2には、左右の引掛部4のそれぞれに対応して、
図3,4に示される引掛部5Aが設けられる。引掛部5Aは、遮水板2の端部2cの左右両端の近傍から上方に向けて突出している。引掛部5Aは、
図2,4に示される状態、すなわち、遮水板2が開口部11を屋外側から覆うように配置された(取り付けられた)状態で、引掛部4の開口部4d内に収容される。引掛部5Aは、
図3に示されるように、引掛部4に収容された状態で壁部4aと対向する面5a(天面、上面)や、引掛部4に収容された状態で壁部4bと対向する面5b(前面)、引掛部4に収容された状態で壁部4cと対向する面5c等の部分を有している。引掛部5Aは、長方形(四角形)の板状に構成される。引掛部4は、引掛部5Aを引っ掛けることにより、遮水板2が開口部11を覆う位置(閉位置)から外れる(離脱する、移動する)のを抑制する。引掛部4は、第一の引掛部の一例であり、引掛部5Aは、第二の引掛部の一例である。
【0019】
図2,4に示されるように遮水板2が開口部11を屋外側から覆うように取り付けられ、引掛部5Aが引掛部4の開口部4dに収容された状態では、面5aが引掛部4の壁部4aと接触するとともに面5bが壁部4bと接触する。すなわち、引掛部5Aは、屋外側および下側から引掛部4に引っ掛けられる。面5aと壁部4aとの接触により、引掛部5Aひいては遮水板2の上方への移動が抑制され、面5bと壁部4bとの接触により、引掛部5Aひいては遮水板2の屋外側への移動が抑制される。また、引掛部4の壁部4aの下端部(下面)と床面12との間の長さLv(
図4、収容する側の寸法)は、シール部材3が自由状態(弾性変形していない状態)での遮水板2の引掛部5Aの上端部(上面)とシール部材3の下端部(下面)との長さ(図示されず、収容される側の寸法)よりも短く設定されている。また、引掛部4の壁部4bの後端部(後面、
図4の右側の面)と方立13の前端部(前面、
図4の左側の面)との長さLh(
図4、収容する側の寸法)は、シール部材3が自由状態での遮水板2の引掛部5Aの前端部(前面)とシール部材3の後端部(後面)との長さ(図示されず、収容される側の寸法)よりも短く設定されている。よって、遮水板2は、引掛部4の壁部4aと床面12との間に上下方向(Z方向)に挟まれ、引掛部4の壁部4bと方立13との間に開口部11の開口方向(X方向)に挟まれる。したがって、
図4に示されるように、遮水板2の端部2aと床面12との間には、シール部材3の弾性変形に伴う力Fp1(弾性力)が生じてシール部材3の面圧が高まり、遮水板2の端部2bと方立13との間には、シール部材3の弾性変形に伴う力Fp2(弾性力)が生じてシール部材3の面圧が高まる。これにより、端部2aと床面12との間、および端部2bと方立13との間の面圧が増大し、これらの位置でのシール性が向上する。また、面圧の増大によって高まったシール部材3と床面12との摩擦力により、遮水板2(の端部2a)の開口部11から離れる方向(X方向)への移動が抑制される。
【0020】
図5に示されるように、操作者は、引掛部5Aを引掛部4の開口部4d内に下方から挿入し、遮水板2(の下部)を方立13側へ押し込むことで、遮水板2を所定位置(開口部11を屋外側から覆う位置)に移動することができる。また、操作者は、遮水板2をX方向(
図4,5の左方向)に引っ張ることで、遮水板2を取り外すことができる。
【0021】
このように、本実施形態では、遮水板2に設けられた引掛部5A(第二の引掛部)が、方立13(開口部11の縁部)に設けられた引掛部4に下側および屋内側から引っ掛けられ、引掛部4に上側および屋外側への移動が抑制される。そして、引掛部5Aが引掛部4に引っ掛けられた状態で、遮水板2が、床面12と接した状態で開口部11の少なくとも下部を屋外側から覆う。よって、例えば、比較的簡素な構成によって、遮水板2を開口部11を覆う位置に留めることができる。また、例えば、操作者は、引掛部5Aを引掛部4に引っ掛けて移動させるという比較的簡単な操作によって、遮水板2を開口部11を覆う位置に取り付けたり、開口部11を覆う位置から取り外したりすることができる。また、引掛部5Aと引掛部4との引っ掛かりによって、シール部材3が弾性変形して面圧が増大され、遮水板2と床面12との間、および遮水板2と方立13との間のシール性が向上されうる。
【0022】
また、本実施形態では、例えば、引掛部4によって引掛部5Aの左右方向への移動が抑制される。よって、例えば、比較的簡素な構成によって、遮水板2が開口部11を覆う位置から側方(左右方向、Y方向)へ移動するのを抑制することができる。また、引掛部5A(第二の引掛部)が引掛部4に下側から引っ掛けられて、引掛部4に上側への移動が抑制されるように構成されているので、遮水板2の全体の比重が水の比重よりも小さく設定されていたとしても、水による浮力で遮水板2が上側へ移動してしまうのを効果的に抑制したり阻止したりできる。
【0023】
また、本実施形態では、例えば、遮水板2の端部2aと床面12との間をシールする弾性変形可能なシール部材3が設けられる。よって、操作者は、シール部材3を弾性的に圧縮しながら遮水板2を開口部11を覆う位置に取り付けたり開口部11を覆う位置から取り外したりすることができる。また、例えば、シール部材3の弾性力によって、シール部材3の面圧が増大し、シール性が向上されうる。また、例えば、遮水板2が比較的軽量である場合(例えば、遮水板2の全体の比重が水の比重より小さい場合等)に、引掛部4と引掛部5Aとの引っ掛かりが、シール性の向上に資する場合がある。
【0024】
<第2実施形態>
図6,7に示される本実施形態の防水装置1Bでは、引掛部5Bの構成が、上記実施形態とは異なっている。引掛部5Bの屋内側(
図6,7の右側)の面5dは、下方へ向かうにつれて屋内側へ向かうよう傾斜している。よって、操作者は、まずは、遮水板2の端部2a(下端部)を方立13側(屋内側)へ押し当て、その後、遮水板2の上部に力Fを加えて遮水板2を方立13側へ押す。これにより、引掛部5Bの面5dと引掛部4の壁部4bの下端部との接触によって、引掛部5Bひいては遮水板2は、引掛部4から下方への力を受け、シール部材3の端部2aと床面12との間の部分3aが弾性的に圧縮され、遮水板2は下方へ沈み込みながら、屋内側へ移動する。すなわち、操作者による力Fにより、引掛部5Bは引掛部4の壁部4bを下方側から回り込んで(乗り越えて)、引掛部4の開口部4d(
図3参照)内に収容される。このようにして、遮水板2は所定位置(開口部11を屋外側から覆う位置、
図7)に移動する。なお、操作者は、遮水板2に上方から力を加えて屋外側に引くことで、遮水板2を所定位置から取り外すことができる。本実施形態によれば、例えば、操作者は、比較的簡単な操作によって、遮水板2を開口部11を覆う位置に取り付けたり、開口部11を覆う位置から取り外したりすることができる。なお、シール部材3は、遮水板2と一体化されていたり、遮水板2自体が兼ねていてもよい。すなわち、遮水板2の少なくとも床面12と接する近傍の部材が、弾性変形可能な材質で構成されていてもよい。また、使用上支障が無ければ、シール部材3は無くてもよい。
【0025】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。また、複数の実施形態間で、構成を部分的に入れ替えて実施することができる。例えば、開口部の縁部(方立等)の形状や、引掛部の形状、引掛部の位置等も、上記実施形態には限定されない。
【符号の説明】
【0026】
1A,1B…防水装置、2…遮水板、3…シール部材、4…引掛部(第一の引掛部)、5A,5B…引掛部(第二の引掛部)、11…開口部、12…床面(構造物、開口部の縁部)、13…方立(構造物、開口部の縁部)。