(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マイクロフォンにより入力された音声信号に基づいて前記第1の特定情報および前記第2の特定情報を生成する特定情報生成部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の調理装置。
カメラにより撮影された前記第1の食材および前記第2の食材を含む画像に基づいて前記第1の特定情報および前記第2の特定情報を生成する情報生成部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の調理装置。
前記第1の食材および前記第2の食材、または、前記第1の食材を含む食品の包装に付されたバーコードおよび前記第2の食材を包む食品の包装に付されたバーコードに基づいて、前記第1の特定情報および前記第2の特定情報を生成する情報生成部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の調理装置。
前記第1の食材および前記第2の食材、または、前記第1の食材を含む食品を特定する第1の特定情報および前記第2の食材を含む食品を特定する第2の特定情報が、前記ネットワークを介して、前記通信部以外から前記サーバ装置に送信された場合に、前記通信部は、前記第1の特定情報および前記第2の特定情報に応じて、前記サーバ装置から送信された前記第1の調理情報および前記第2の調理情報を受信し、前記記憶部は、前記通信部が受信した前記第1の調理情報および前記第2の調理情報を記憶する請求項1に記載の調理装置。
前記第1の特定情報および前記第2の特定情報は、前記第1の食材および前記第2の食材、または、前記第1の食材を含む食品の重さの情報および前記第2の食材を含む食品の重さの情報をさらに含み、前記通信部は、前記第1の食材を含む食品の重さの情報および前記第2の食材を含む食品の重さの情報に基づいて、前記サーバ装置により送信された前記第1の調理情報および前記第2の調理情報を受信する請求項2〜5のいずれか1項に記載の調理装置。
前記載置部に載置された前記第1の食材および前記第2の食材の位置を検出する位置検出部をさらに備え、前記調理制御部は、前記位置検出部により検出された前記第1の食材および前記第2の食材の位置に基づいて、前記第1の食材および前記第2の食材の調理をそれぞれ別個に制御する請求項2〜6のいずれか1項に記載の調理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明者らが本開示に係る各態様の発明をするにあたって、検討した事項を説明する。
【0014】
(本発明の基礎となった知見)
特許文献1の従来技術では、2種類の食材を電子レンジの加熱室内で加熱することを想定しておらず、2種類の食材それぞれについて最適な調理を行うことができない。
【0015】
また、特許文献2の従来技術は、食材が配置されている各場所の温度を均一にすることを目的としているが、各場所の温度を均一にすることは、2種類の食材それぞれについて最適な調理を行うことに必ずしも結びつくものではない。
【0016】
このようなことから、複数の食材を調理する際に、少ない手間で、より最適な調理を行うことができる調理装置の開発が望まれている。
【0017】
本開示は、複数の食材を調理する際に、少ない手間で、より最適な調理を行うことを可能とする調理装置、調理方法、調理制御プログラムを記録した非一時的記録媒体、および、調理情報提供方法を提供する。
【0018】
本開示の調理装置は、第1の食材の調理方法を示す第1の調理情報と、第2の食材の調理方法を示す第2の調理情報とを記憶する記憶部と、前記第1の食材および前記第2の食材を異なる位置に載置する載置部と、前記載置部に前記第1の食材と前記第2の食材とが異なる位置に載置された場合に、前記第1の調理情報に基づいて前記第1の食材の調理を制御するとともに、前記第2の調理情報に基づいて前記第2の食材の調理を制御する調理制御部と、を備える。
【0019】
このような構成とすることにより、異なる位置に載置された複数の食材を調理する際に、少ない手間でより最適な調理を行うことができる。
【0020】
また、本開示の調理装置は、ネットワークに接続されたサーバ装置により送信された前記第1の調理情報、および前記第2の調理情報を受信する通信部をさらに備え、前記記憶部は、前記通信部が受信した前記第1の調理情報および前記第2の調理情報を記憶する。
【0021】
このような構成とすることにより、異なる位置に載置された第1の食材および第2の食材を、サーバ装置から送信された第1の調理情報に基づいて第1の食材の調理、および第2の調理情報のそれぞれに基づいて調理を行うことができる。
【0022】
また、本開示の調理装置は、前記通信部は、前記第1の食材および前記第2の食材、または、前記第1の食材および前記第2の食材を含む食品を特定する特定情報を前記サーバ装置に送信し、前記特定情報に応じて前記サーバ装置により送信された前記第1の調理情報および前記第2の調理情報を受信し、前記記憶部は、前記通信部が受信した前記第1の調理情報および前記第2の調理情報を記憶する。
【0023】
このような構成とすることにより、特定情報に基づいて前記第1の調理情報および前記第2の調理情報をサーバ装置から受信することができる。
【0024】
また、本開示の調理装置は、マイクロフォンにより入力された音声信号に基づいて前記特定情報を生成する情報生成部をさらに備えたことを特徴とする。
【0025】
このような構成とすることにより、マイクロフォンに入力された音声信号に基づいて食材の特定ができる。
【0026】
また、本開示の調理装置は、カメラにより撮影された画像に基づいて前記特定情報を生成する情報生成部をさらに備えたことを特徴とする。
【0027】
このような構成とすることにより、カメラにより撮影された画像に基づいて食材を特定することができる。
【0028】
また、本開示の調理装置は、前記第1の食材および前記第2の食材、または、前記第1の食材および前記第2の食材を包む食品の包装に付されたバーコードに基づいて前記特定情報を生成する情報生成部をさらに備えたことを特徴とする。
【0029】
このような構成とすることにより、食品の包装に付されたバーコードに基づいて食材を特定することができる。
【0030】
また、本開示の調理装置は、前記第1の食材および前記第2の食材、または、前記第1の食材および前記第2の食材を含む食品を特定する特定情報が端末装置から前記サーバ装置に送信された場合に、前記通信部は、前記特定情報に応じて前記サーバ装置により送信された前記第1の調理情報および前記第2の調理情報を受信し、前記記憶部は、前記通信部が受信した前記第1の調理情報および前記第2の調理情報を記憶する。
【0031】
このような構成とすることにより、特定情報に基づいて前記第1の調理情報および前記第2の調理情報をサーバ装置から受信することができる。
【0032】
また、本開示の調理装置は、前記特定情報は、前記第1の食材および前記第2の食材、または、前記第1の食材および前記第2の食材を含む食品の重さの情報をさらに含み、前記通信部は、前記重さの情報に基づいて前記サーバ装置により送信された前記第1の調理情報および前記第2の調理情報を受信する。
【0033】
このような構成とすることにより、重さの情報に基づいて前記第1の調理情報および前記第2の調理情報をサーバ装置から受信することができる。
【0034】
また、本開示の調理装置は、前記載置部に載置された前記第1の食材および前記第2の食材の位置を検出する位置検出部をさらに備え、前記調理制御部は、前記位置検出部により検出された前記第1の食材および前記第2の食材の位置に基づいて、前記第1の食材および前記第2の食材の調理をそれぞれ別個に制御する。
【0035】
このような構成とすることにより、異なる位置に載置された前記第1の食材および前記第2の食材の調理を別個に行うことができる。
【0036】
また、本開示の調理装置は、前記第1の食材と前記第2の食材とは、2つの異なる食品である。
【0037】
このような構成とすることにより、2つの異なる食品を異なる調理方法で調理することができる。
【0038】
また、本開示の調理装置は、前記第1の食材と前記第2の食材とは、1つの食品の異なる部位である。
【0039】
このような構成とすることにより、1つの食品の異なる部位を異なる調理方法で調理することができる。
【0040】
また、本開示の調理装置は、前記第1の調理情報および前記第2の調理情報は、複数のユーザによる順位付けに基づいて選択された情報である。
【0041】
このような構成とすることにより複数のユーザによる順位付けに基づいて前記第1の食材および前記第2の食材の調理を行うことができる。
【0042】
本開示の調理方法は、調理装置を用いた調理方法であって、前記調理装置のコンピュータに対し、第1の食材と第2の食材とが前記調理装置の載置部の異なる位置に載置された場合に、前記第1の食材の調理方法を示す第1の調理情報と、前記第2の食材の調理方法を示す第2の調理情報とを前記調理装置の記憶部から読み出す処理と、前記第1の調理情報に基づいて前記第1の食材の調理を制御するとともに、前記第2の調理情報に基づいて前記第2の食材の調理を制御する処理と、を実行させる。
【0043】
このような構成とすることにより、異なる位置に載置された複数の食材を調理する際に、少ない手間でより最適な調理を行うことができる。
【0044】
また、本開示の調理制御プログラムは、コンピュータに実行させる調理制御プログラムであって、前記コンピュータに対し、第1の食材と第2の食材とが前記コンピュータが備える載置部の異なる位置に載置された場合に、前記第1の食材の調理方法を示す第1の調理情報と、前記第2の食材の調理方法を示す第2の調理情報とを記憶部から読み出す処理と、前記第1の調理情報に基づいて前記第1の食材の調理を制御するとともに、前記第2の調理情報に基づいて前記第2の食材の調理を制御する処理と、をコンピュータに実行させる。
【0045】
このような構成とすることにより、異なる位置に載置された複数の食材を調理する際に、少ない手間でより最適な調理を行うことができる。
【0046】
また、本開示の調理情報提供方法は、調理装置とネットワークを介して接続し、各食材の調理方法を示す調理情報を管理する調理情報管理システムにおける調理情報提供方法であって、前記調理情報管理システムのコンピュータに対し、第1の食材および第2の食材、または、前記第1の食材および前記第2の食材を含む食品を特定する特定情報を前記調理装置から受信した場合に、前記特定情報に基づいて、各食材の調理方法を示す調理情報を記憶する記憶部から前記第1の食材に対応する第1の調理情報、および、前記第2の食材に対応する第2の調理情報を検索する処理と、載置部の異なる位置に前記第1の食材と前記第2の食材とが載置された場合に、前記第1の調理情報に基づいて前記第1の食材を調理するとともに、前記第2の調理情報に基づいて前記第2の食材を調理する調理装置に、前記第1の調理情報、および、前記第2の調理情報を送信する処理と、を実行させる。
【0047】
このような構成とすることにより、異なる位置に載置された複数の食材を調理する際に、少ない手間でより最適な調理を行うことができる。
【0048】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0049】
まず、本開示の実施の形態に係る調理情報提供サービスの概要について説明する。
図1A、
図1B、
図1Cは、本開示の実施の形態における調理情報提供サービスの概要について説明する図である。
図1Aは、本開示の実施の形態における情報提供システムの全体像の一例を示している。グループ100は、その規模を問わず、例えば企業、団体、家庭等などのグループである。
【0050】
グループ100には、複数の機器101である機器A、機器Bおよびホームゲートウェイ102が存在する。複数の機器101には、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、PC、TV等)もあれば、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、レンジ調理器、照明、洗濯機、冷蔵庫等)も存在する。
【0051】
それ自身ではインターネットと接続不可能であっても、ホームゲートウェイ102を介してインターネットと接続可能となる機器が存在してもよい。また、グループ100には、複数の機器101を使用するユーザ10が存在する。
【0052】
データセンタ運営会社110には、クラウドサーバ111が存在する。クラウドサーバ111とは、インターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。クラウドサーバ111は、主に、通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。
【0053】
データセンタ運営会社110は、データ管理やクラウドサーバ111の管理、それらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社110が行っている役務については詳細を後述する。
【0054】
ここで、データセンタ運営会社110は、データ管理やクラウドサーバ111の運営等のみを行っている会社に限らない。
図1Bは、データセンタ運営会社110が機器メーカである場合の一例を示している。
【0055】
例えば、複数の機器101のうちの一つの機器を開発・製造している機器メーカが、併せてデータ管理やクラウドサーバ111の管理等を行っている場合は、
図1Bに示すように、機器メーカがデータセンタ運営会社110に該当することになる。
【0056】
また、データセンタ運営会社110は一つの会社に限らない。
図1Cは、データセンタ運営会社110が機器メーカおよび他の管理会社である場合の一例を示している。例えば機器メーカおよび他の管理会社が、共同もしくは分担してデータ管理やクラウドサーバ111の運営を行っている場合は、
図1Cに示すように、両者もしくはいずれか一方がデータセンタ運営会社110に該当するものとする。
【0057】
図1Aの説明に戻ると、サービスプロバイダ120は、サーバ121を保有している。ここで言うサーバ121とは、その規模は問わず、例えば、個人用PC内のメモリなどにより構成されるものも含む。また、サービスプロバイダ120がサーバ121を保有していない場合もある。
【0058】
なお、上記サービスにおいて、ホームゲートウェイ102は必須ではない。例えば、クラウドサーバ111が全てのデータ管理を行っている場合などは、ホームゲートウェイ102は不要となる。また、家庭内のあらゆる機器がインターネットに接続されている場合のように、それ自身でインターネットと接続不可能な機器が存在しない場合もある。
【0059】
次に、上記サービスにおける情報の流れを説明する。まず、グループ100の機器Aまたは機器Bは、各ログ情報をデータセンタ運営会社110のクラウドサーバ111に送信する。クラウドサーバ111は機器A又は機器Bのログ情報を集積する(
図1A(a))。
【0060】
ここで、ログ情報とは、例えば、複数の機器101における運転状況や動作日時などを示す情報である。例えば、レンジ調理器の調理情報やテレビの視聴履歴、レコーダーの録画予約情報、洗濯機の運転日時・洗濯物の量、冷蔵庫の開閉日時・開閉回数などであるが、これらのものに限らずあらゆる機器から取得が可能なすべての情報をいう。
【0061】
ログ情報は、インターネットを介して複数の機器101自体から直接クラウドサーバ111に提供される場合もある。また複数の機器101から一旦ホームゲートウェイ102にログ情報が集積され、ホームゲートウェイ102からクラウドサーバ111に提供されてもよい。
【0062】
つぎに、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111は、集積したログ情報を一定の単位でサービスプロバイダ120に提供する。ここで、この単位は、データセンタ運営会社が集積した情報を整理してサービスプロバイダ120に提供することの出来る単位でもいいし、サービスプロバイダ120が要求した単位でもいい。また、一定の単位と記載したが、一定でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化する場合もある。
【0063】
上記ログ情報は、必要に応じてサービスプロバイダ120が保有するサーバ121に保存される(
図1A(b))。そして、サービスプロバイダ120は、ユーザに提供するサービスに適合する情報にログ情報を整理し、整理後の情報をユーザに提供する。
【0064】
上記情報を提供するユーザは、複数の機器101を使用するユーザ10でもよいし、グループ100の外部のユーザ20でもよい。そして、上記情報は、例えば、サービスプロバイダから直接ユーザへ提供されてもよい(
図1A(e)、(f))。また、上記情報は、例えば、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111を再度経由して、ユーザに提供されてもよい(
図1A(c)、(d))。
【0065】
さらに、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111が、ユーザに提供するサービスに適合する情報にログ情報を整理し、整理後の情報をサービスプロバイダ120に提供してもよい。
【0066】
なお、ユーザ10とユーザ20とは、別人でもよいし、同一人でもよい。
【0067】
つぎに、本開示の実施形態に係る調理システムの一例について説明する。
図2は、本開示の実施形態に係る調理システムの構成の一例を示す図である。この調理システムは、調理装置200とサーバ装置300がネットワーク400を介して接続される。ネットワーク400は、有線ネットワークでもよいし、無線ネットワークでもよい。また、有線ネットワークと無線ネットワークとが混在していてもよい。
【0068】
また、
図2には、調理装置200とサーバ装置300がそれぞれ1台ずつしか示されていないが、調理装置200とサーバ装置300は2台以上であってもよい。ここで、調理装置200とは、食材を調理するために用いられる装置であり、例えば、レンジ調理器などの装置である。以下では、調理装置200が食材を加熱調理するレンジ調理器であるものとして説明を行う。
【0069】
調理装置200は、入力部201、表示部202、載置部203、情報取得部204、通信部205、記憶部206、調理部207、制御部208を備える。
【0070】
入力部201は、ボタンやタッチパネルなどの入力装置である。表示部202は、ディスプレイなどの表示装置である。載置部203は、調理時に調理される食材が載置される台である。この載置部203には、食材が載置された場合に、その食材の重量を測定する重量計が備えられている。
【0071】
情報取得部204は、これから調理される食材を特定するために必要な情報(特定情報)を取得する装置である。例えば、情報取得部204は、食材を撮影するカメラである。この場合、カメラにより撮影された画像の画像認識により、食材が特定される。また、情報取得部204は、食材を包む包装に付されたバーコードを読み取るバーコードリーダであってもよい。
【0072】
さらに、情報取得部204は、ユーザの音声を電気信号に変換するマイクロフォンであってもよい。この場合、ユーザが食材の名称をマイクに向かって話すと、ユーザの音声がマイクロフォンにより音声信号に変換され、その音声信号に基づいて食材が特定される。
【0073】
通信部205は、ネットワーク400に接続された他の装置と通信を行う装置である。例えば、通信部205は、サーバ装置300に調理される各食材を特定する特定情報を送信する。また、通信部205は、サーバ装置300から各食材の調理方法の情報を含む食材別調理情報206aを受信する。
【0074】
記憶部206は、メモリやハードディスク装置などの記憶装置である。記憶部206は、例えば、サーバ装置300から受信した食材別調理情報206aなどを記憶する。
図3は、食材別調理情報206aの一例を示す図である。
【0075】
図3に示す食材別調理情報206aには、食材ID、食材名、調理方法の一例としての、加熱方法、調理方法に用いる設定情報としてのワット数、加熱時間といった情報が登録されている。食材IDおよび食材名は、調理する各食材のIDおよび名称である。加熱方法、ワット数、および、加熱時間は、各食材の加熱に適した方法、ワット数、および、時間である。
【0076】
なお、ワット数の代わりに、温度などが登録されてもよい。この場合、各食材は、登録された温度になるまで調理部207により加熱される。食材が登録された温度になったか否かは、温度センサや赤外放射温度計などを用いて判定される。
【0077】
図2の説明に戻ると、調理部207は、載置部203に、複数の食材が載置された場合に、各食材の調理方法の設定情報に従って、各食材を加熱調理する装置である。この調理部207は、レンジ加熱、スチーム加熱、ヒータ加熱、グリル加熱などの調理方法のうち、各食材に適した方法で食材ごとに加熱を行う。
【0078】
図4A、
図4B、
図4Cは、各食材の様々な調理方法の一例について説明する図である。
図4Aには、1つの食品の異なる部位である鮭の皮500と鮭の身501とが示されている。例えば、調理部207は、鮭の皮500に対して800Wでヒータ加熱を5分間行い、鮭の身501に対して500Wでレンジ加熱を3分間行う。
【0079】
また、
図4Bには、2つの異なる食品であるたこ焼き502と鮭503とが示されている。例えば、調理部207は、たこ焼き502に対して600Wでヒータ加熱を8分間行い、鮭503に対して600Wでスチーム加熱を4分間行う。
【0080】
また、
図4Cには、ライス504とハンバーグ505とが入っている弁当が示されている。例えば、調理部207は、ライス504に対して500Wでスチーム加熱を1分間行い、ハンバーグ505に対して600Wでヒータ加熱を2分間行う。
【0081】
なお、食材ごとの加熱は、例えば、以下のようにして行う。
図5は、食材ごとにレンジ加熱を行う方法の一例を示す図である。
図5には、加熱室内部600が示されている。この加熱室内部600には、マグネトロン601、載置部203が備えられている。
【0082】
マグネトロン601は、指向性のマイクロ波を発生させる装置である。載置部203は、前述のように、食材602a、602bを載置する台である。そして、検出された位置にある各食材602a、602bにマイクロ波を照射するため、載置部203が水平方向に移動する。これにより、各食材602a、602bを選択的に加熱することができる。
【0083】
なお、各食材602a、602bの位置は、カメラによる撮影画像の画像認識により検出すればよい。あるいは、また、載置部203にマーク203aを付しておき、ユーザにマーク203aに合わせて食材602a、602bを載置させることにより、食材602a、602bの位置が特定できるようにしてもよい。
【0084】
なお、ヒータ加熱、スチーム加熱についても同様に、載置部203を水平方向に移動させ、各食材602a、602bと熱源との間の距離を調整することにより、各食材602a、602bを選択的に加熱することができる。
【0085】
また、載置部203を移動させるのではなく、マイクロ波の照射方向、ヒータの位置、スチームの噴出方向などを制御することにより、各食材602a、602bを選択的に加熱することとしてもよい。あるいは、マグネトロン601、ヒータ、スチーム噴射口の位置を移動させることにより、各食材602a、602bを選択的に加熱することとしてもよい。
【0086】
または、例えば、指向性の高いマグネトロンを2つ有し、一方のマグネトロンの照射されるマイクロ波の照射方向に食材602aを載置部203の上に載置し、他方の一方のマグネトロンの照射されるマイクロ波の照射方向に食材602bを載置部203の上に載置してもよい。このようにすることで、各マグネトロンから照射されるマイクロ波の強さを、独立して制御できる。よって、食材602aに照射するマイクロ波の強さを、食材602aの調理方法の設定情報に応じた強さとし、食材602bに照射するマイクロ波の強さを、食材602b調理方法の設定情報に応じた強さとすることができる。よって、異なる位置に載置された食材602a、食材602bを同時に調理することができる。
【0087】
この場合、マグネトロンからのマイクロ波が照射される載置部203の位置に、食材を配置させるための光源を備えてもよい。例えば、食材602aまたは食材602bを載置部203の上に載置するために調理装置200の扉を開いたとき、光源により光が照射される。このとき、光源により照射される光が食材602a、602bを載置すべき位置付近を照らす。
【0088】
このように構成することで、調理装置200を利用するユーザは、食材602aまたは食材602bを載置部203の上の適切な位置に載置することができる。
【0089】
または、マグネトロンからのマイクロ波が照射される載置部203の位置付近に光源を配置してもよい。例えば、食材602aまたは食材602bを載置部203の上に載置するために調理装置200の扉を開いたとき、光源の電源をオンにし、食材602a、602bを載置すべき位置付近に配置した付近が明るくなる。
【0090】
このように構成することで、調理装置200を利用するユーザは、食材602aまたは食材602bを載置部203の上の適切な位置に載置することができる。
【0091】
なお、上述の例では、指向性の高いマグネトロンを2つ有する構成を例について説明をしたが、本発明はこれに限定をされるものではない。例えば、異なる方向に指向性の高いマイクロ波を照射できるマグネトロンを1つ用いてもよい。
【0092】
また、載置部203が垂直方向に移動することにより、加熱室内部600の天井部分などに設けられた熱源からの距離を調節し、グリル加熱の強さなどを調整することとしてもよい。
【0093】
図2の説明に戻ると、制御部208は、調理装置200の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御装置である。制御部208は、特定情報生成部208a、位置検出部208b、調理制御部208cを備える。
【0094】
特定情報生成部208aは、情報取得部204により取得された食材の情報から、サーバ装置300に送信する特定情報を生成する。特定情報とは、載置部203に載置されている食材のIDや重量の情報を含む情報である。
【0095】
例えば、特定情報生成部208aは、情報取得部204がカメラである場合、カメラにより撮影された画像を画像解析することにより食材を特定する。そして、特定情報生成部208aは、特定された食材に対応するIDを用いて特定情報を生成する。この場合、記憶部206が、食材とIDの対応関係の情報を予め記憶しておけばよい。
【0096】
なお、カメラは、調理装置200の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。カメラが調理装置200の内部に設けられる場合、カメラは調理装置200の加熱室に向けられ、載置部203に載置された各食材の画像を撮影する。あるいは、カメラが調理装置200の外部に向けられ、加熱室に入れられる前の各食材の画像を、覗き窓等を介して撮影することとしてもよい。
【0097】
カメラが調理装置200の外部に設けられる場合、カメラは調理装置200の外部に向けられ、加熱室に入れられる前の各食材の画像を撮影する。あるいは、カメラは調理装置200の加熱室に向けられ、載置部203に載置された各食材の画像を、覗き窓等を介して撮影することとしてもよい。
【0098】
また、特定情報生成部208aは、情報取得部204がバーコードリーダである場合、バーコードに含まれる食材のIDの情報から特定情報を生成する。なお、バーコードは、各食材を包む包装などに付されているものとする。
【0099】
また、特定情報生成部208aは、情報取得部204がマイクロフォンである場合、マイクロフォンにより入力された音声を解析することにより食材を特定する。そして、特定情報生成部208aは、特定された食材に対応するIDを用いて特定情報を生成する。この場合も、記憶部206が、食材とIDの対応関係の情報を予め記憶しておけばよい。
【0100】
さらに、特定情報生成部208aは、載置部203が備える重量計により測定された食材の重量の情報を取得し、その情報を特定情報に追加する。
【0101】
なお、特定情報生成部208aは、各食材のIDを含む特定情報を生成することとしたが、複数の食材が入った食品のID情報を含む特定情報を生成することとしてもよい。
【0102】
例えば、
図4Cにはライス504とハンバーグ505が入っている弁当が示されているが、情報取得部204により取得された情報に基づいてこの弁当が特定された場合に、特定情報生成部208aは、この弁当のID情報を含む特定情報を生成することとしてもよい。
【0103】
この場合、この特定情報がサーバ装置300に送信され、それに応じて、この弁当に含まれる各食材の調理方法の情報がサーバ装置300から送信される。これを実現するためには、サーバ装置に、弁当のID情報に対応付けて、その弁当に含まれる各食材の調理方法の情報が登録されていればよい。これにより、調理装置200は、弁当に含まれる各食材の適切な調理方法の情報を得ることができる。
【0104】
図2の説明に戻ると、位置検出部208bは、情報取得部204により撮影された各食材の画像を画像解析し、各食材の位置を検出する。なお、
図5を用いて説明したように、載置部203にマーク203aを付しておくなどして、各食材を置く位置を予め定めておくこととしてもよい。
【0105】
また、特定情報生成部208a、位置検出部208bは、各食材を加熱する加熱室の扉が閉められた場合や、載置部203に備わる重量計が各食材の重量を検出した場合などに起動され、特定情報の生成、および、各食材の位置検出を開始することとしてもよい。
【0106】
調理制御部208cは、食材別調理情報206aに含まれる各食材の調理方法に従って各食材を別個に調理するよう調理部207を制御する。具体的には、調理制御部208cは、記憶部206から食材別調理情報206aを読み出し、食材別調理情報206aから各食材の調理方法の情報を抽出する。
【0107】
そして、調理制御部208cは、抽出した情報を、各食材の調理方法として調理部207に設定する。この設定情報に従って、各食材は、調理部207により加熱調理される。
【0108】
つぎに、サーバ装置300の構成の一例について説明する。サーバ装置300は、ネットワーク400に接続されたさまざまな機器からさまざまなデータを収集するクラウドサーバ装置である。このサーバ装置300は、入力部301、表示部302、通信部303、記憶部304、制御部305を備える。
【0109】
入力部301は、キーボードやマウスなどの入力装置である。表示部302は、ディスプレイなどの表示装置である。通信部303は、ネットワーク400に接続された他の装置と通信を行う装置である。
【0110】
例えば、通信部303は、調理する各食材を特定する特定情報を調理装置200から受信する。また、通信部303は、各食材の調理方法の情報を含む食材別調理情報206aを調理装置200に送信する。
【0111】
記憶部304は、メモリやハードディスク装置などの記憶装置である。記憶部304は、調理情報304aを記憶する。調理情報304aは、食材を販売する企業や、食材を調理するユーザの端末装置などから受信したさまざまな食材の調理方法の情報である。
図6は、調理情報304aの一例を示す図である。
【0112】
図6に示す調理情報304aには、食材ID、食材名、重量、加熱方法、ワット数、加熱時間、関連食材ID、ランキングの情報が登録されている。
【0113】
食材IDは、各食材を識別するために各食材に付された識別情報である。食材名は、各食材の名称である。重量は、各食材の重量である。なお、重量の情報は、必ずしも登録される必要はなく、加熱方法やワット数、加熱時間が重量に応じて変わる場合に登録される。
【0114】
例えば、
図6の例では、食材ID「1」の食材「鮭切り身」には、重量として「100g未満」という情報が、食材ID「2」の食材「鮭切り身」には、重量として「100g以上」という情報が登録されている。
【0115】
そして、載置部203(つまり、載置部203の重量計)により測定された重量が100g未満であった場合には、食材ID「1」の食材「鮭切り身」に対応付けて登録されている調理方法により、食材「鮭切り身」が調理されることになる。
【0116】
また、載置部203により測定された重量が100g以上であった場合には、食材ID「2」の食材「鮭切り身」に対応付けて登録されている調理方法により、食材「鮭切り身」が調理されることになる。
【0117】
加熱方法は、各食材の最適な加熱方法の情報である。例えば、
図6には、加熱方法として、レンジ加熱、ヒータ加熱、スチーム加熱などが登録されている。ワット数は、最適な消費電力(ワット数)の設定情報である。加熱時間は、最適な加熱時間の情報である。
【0118】
なお、ワット数の代わりに、温度などが登録されてもよい。この場合、各食材は、登録された温度になるまで調理装置200により加熱される。食材が登録された温度になったか否かは、調理装置200に温度センサや赤外放射温度計などを設けておき、これらを用いて判定される。
【0119】
関連食材IDは、各食材に関連する食材の食材IDの情報である。例えば、食材ID「1」、「2」の食材「鮭切り身」には、関連食材IDとして食材ID「3」が、食材ID「3」の食材「鮭皮」には、関連食材IDとして食材ID「1」、「2」が登録されている。食材「鮭切り身」には皮があるため、食材「鮭皮」が食材「鮭切り身」の関連食材として、また、食材「鮭切り身」が食材「鮭皮」の関連食材として登録されている。
【0120】
同様に、食材ID「6」の食材「ライス」には、関連食材IDとして食材ID「7」が、食材ID「7」の食材「ハンバーグ」には、関連食材IDとして食材ID「6」が登録されている。この場合の食材「ライス」、「ハンバーグ」は、1つの弁当に入っている食材である。そのため、食材「ライス」が食材「ハンバーグ」の関連食材として、また、食材「ハンバーグ」が食材「ライス」の関連食材として登録されている。
【0121】
ランキングは、食材の各調理方法の順位の情報である。このランキングの情報は、ユーザによる投票の結果得られるものである。例えば、食材ID「3」の食材「鮭皮」には、3種類の加熱時間「4分」、「5分」、「6分」が登録されている。そして、加熱時間「4分」、「5分」、「6分」のランキングはそれぞれ「2」、「1」、「3」である。これは、加熱時間「5分」、「4分」、「6分」の順にユーザの投票数が多かったことを意味する。
【0122】
例えば、調理装置200を利用するユーザは、調理装置200の入力部201を操作して、投票数の多かった調理方法で調理するよう調理装置200に指示する。この場合、調理装置200から、ランキングが「1」である調理方法を送信するようサーバ装置300に要求する信号が送信される。
【0123】
この信号を受信すると、サーバ装置300は、ランキングが「1」である調理方法の情報を調理装置200に送信する。これにより、ユーザは、多数のユーザの評価を反映した調理方法で調理を行うことができる。
【0124】
図2の説明に戻ると、制御部305は、サーバ装置300の各部を制御するCPUなどの制御装置である。制御部305は、調理情報管理部305aを備える。
【0125】
調理情報管理部305aは、記憶部304に記憶される調理情報304aの管理を行う処理部である。
【0126】
例えば、調理情報管理部305aは、食材を販売する企業や、食材を調理するユーザが利用する端末装置などから送信された調理方法の情報を調理情報304aとして登録する処理を行う。
【0127】
具体的には、調理情報管理部305aは、調理情報304aにおける食材名、重量、加熱方法、ワット数、加熱時間、関連食材IDの情報を登録する。その際、調理情報管理部305aは、他の食材IDと重ならないよう食材IDを生成し、生成した食材IDの情報も登録する。
【0128】
また、調理情報管理部305aは、食材の各調理方法に対するランキングの情報を調理情報304aに登録する。具体的には、調理情報管理部305aは、食材の各調理方法に対する投票をユーザから受け付けるウェブサイトのデータを生成し、生成したデータをユーザが利用する端末装置にネットワーク400を介して送信する。
【0129】
そして、調理情報管理部305aは、そのウェブサイトにおいてユーザによりなされた各調理方法に対する投票数を集計し、各調理方法の順位を決定する。その後、調理情報管理部305aは、その順位を調理情報304aにランキングの情報として登録する。調理情報管理部305aは、この処理を定期的に行う。
【0130】
さらに、調理情報管理部305aは、前述の食材別調理情報206aを生成し、生成した食材別調理情報206aを、通信部303を介して調理装置200に送信する。各食材の調理は、この食材別調理情報206aに基づいて行われることになる。
【0131】
具体的には、調理情報管理部305aは、通信部303が前述の特定情報を調理装置200から受信した場合に、特定情報に含まれる食材IDに対応する食材ID、食材名、加熱方法、ワット数、加熱時間の情報を調理情報304aから検索し、検索の結果得られた情報から食材別調理情報206aを生成する。
【0132】
つぎに、本開示の実施形態に係る調理方法の一例について説明する。
図7は、本開示の実施形態に係る調理方法の一例を示すシーケンス図である。なお、調理装置200、サーバ装置300の処理はすでに
図2等を用いて説明したため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0133】
まず、調理装置200は、各食材の画像データなど、これから調理される各食材を特定するために必要な情報を取得する(ステップS11)。また、調理装置200は、載置部203上の各食材の位置を検出する(ステップS12)。
【0134】
その後、調理装置200は、取得した情報から、サーバ装置300に送信する特定情報を生成する(ステップS13)。そして、調理装置200は、生成した特定情報をサーバ装置300に送信する(ステップS14)。
【0135】
一方、サーバ装置300は、調理装置200により送信された特定情報を受信する(ステップS15)。そして、サーバ装置300は、特定情報に対応する食材ID、食材名、加熱方法、ワット数、加熱時間の情報を調理情報304aから検索し、検索の結果得られた情報から食材別調理情報206aを生成する(ステップS16)。
【0136】
その後、サーバ装置300は、生成した食材別調理情報206aを調理装置200に送信する(ステップS17)。
【0137】
続いて、調理装置200は、サーバ装置300により送信された食材別調理情報206aを受信する(ステップS18)。そして、調理装置200は、食材別調理情報206aから各食材の調理方法を抽出し、抽出した調理方法を各食材の調理方法として設定する(ステップS19)。
【0138】
その後、調理装置200は、設定された各食材の調理方法に従って、食材別に調理を行う(ステップS20)。
【0139】
なお、上記実施形態では、調理装置200に備えられた特定情報生成部208aが食材を特定する特定情報をサーバ装置300に送信することとしたが、調理装置200以外の装置が特定情報をサーバ装置300に送信することとしてもよい。
【0140】
例えば、スマートフォンなどの端末装置が食材を特定し、その食材の情報を含む特定情報をサーバ装置300に送信することとしてもよい。
【0141】
この場合、カメラの機能を備える端末装置が、カメラにより撮影された画像を画像解析することにより食材を特定してもよい。または、バーコードリーダの機能を備える端末装置が、バーコードに含まれる食材のIDの情報から食材を特定してもよい。または、マイクロフォンの機能を備える端末装置が、マイクロフォンにより入力された音声を解析することにより食材を特定してもよい。
【0142】
または、各食材が端末装置を用いてオンラインショッピングにより購入されたものであって、各食材の購入リストが端末装置により表示される場合に、端末装置が、購入リスト内の食材の選択をユーザから受け付けて食材を特定してもよい。
【0143】
または、各食材の在庫管理が端末装置を用いてなされており、各食材の在庫リストが端末装置により表示される場合に、端末装置が、在庫リスト内の食材の選択をユーザから受け付けて食材を特定してもよい。
【0144】
なお、特定情報に含まれる重量の情報は、端末装置がユーザ入力により取得することとしてもよいし、端末装置が調理装置200と通信を行い、調理装置200から取得することとしてもよい。または、調理装置200がサーバ装置300に重量の情報を直接送信することとしてもよい。
【0145】
また、上記実施形態では、調理装置200の特定情報生成部208aが、情報取得部204により取得された食材の情報から各食材を特定することとしたが、サーバ装置300が各食材を特定してもよい。
【0146】
この場合、情報取得部204により取得された食材の情報がサーバ装置300に送信され、サーバ装置300がこの情報から各食材を特定する。スマートフォンなどの端末装置により取得された食材の情報がサーバ装置300に送信される場合も、サーバ装置300がこの情報から各食材を特定してもよい。
【0147】
また、
図3に示した食材別調理情報206a、
図6に示した調理情報304aに、さらに加熱の順番の情報を含めることとしてもよい。加熱の順番の情報とは、例えば、ハンバーグの加熱を1番目に行い、ライスの加熱を2番目に行うといった情報である。これにより、より最適な調理方法で各食材の調理を行うことができる。
【0148】
さらに、
図3に示した食材別調理情報206a、
図6に示した調理情報304aにおいて、1つの食材に対し、複数の調理方法の情報を含めることとしてもよい。例えば、
図6に示した調理情報304aにおいて、食材ID「1」の食材「鮭切り身」に対応する加熱方法の項目に「レンジ加熱、グリル加熱」と登録し、ワット数の項目に「500W、NULL」と登録し、加熱時間の項目に「3分、1分」と登録してもよい。
【0149】
調理装置200の載置部203に食材ID「1」の食材「鮭切り身」が載置された場合、サーバ装置300から調理装置200に上記情報が送信され、食材別調理情報206aに記憶されることになる。
【0150】
そして、その情報に従って、食材「鮭切り身」はまず、500Wのレンジ加熱で3分間調理され、その後グリル加熱で1分間調理される。そして、食材「鮭切り身」の調理が完了した後、食材別調理情報206aに他の食材に対する調理情報が登録されている場合には、その調理情報に従って、他の食材の調理が実行される。
【0151】
以上、本開示に係る実施形態について図面を参照して詳述してきたが、上述した調理装置200やサーバ装置300などの各装置の機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
【0152】
図8は、各装置の機能をプログラムにより実現するコンピュータ700のハードウェア構成を示す図である。
【0153】
例えば、このコンピュータ700は、キーボードやマウス、タッチパッドなどの入力装置701、ディスプレイやスピーカーなどの出力装置702、CPU703、ROM(Read Only Memory)704、RAM(Random Access Memory)705、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置706、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)やUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置707、ネットワークを介して通信を行うネットワークカード708などを備え、各部はバス709により接続される。
【0154】
そして、読取装置707は、上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、読み取ったプログラムを記憶装置706に記憶させる。あるいは、ネットワークカード708が、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記憶装置706に記憶させる。
【0155】
そして、CPU703が、記憶装置706に記憶されたプログラムをRAM705にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM705から順次読み出して実行することにより、上記各装置の機能が実現される。
【0156】
また、上記実施の形態において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現され得る。しかし、上記実施の形態において説明された技術が実現される類型はこれに限られるものでない。
【0157】
(サービスの類型1:自社データセンタ型)
図9は、サービスの類型1(自社データセンタ型)を示す図である。本類型は、サービスプロバイダ120がグループ100から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する類型である。本類型では、サービスプロバイダ120が、データセンタ運営会社の機能を有している。即ち、サービスプロバイダが、ビッグデータの管理をするクラウドサーバ111を保有している。従って、データセンタ運営会社は存在しない。
【0158】
本類型では、サービスプロバイダ120は、データセンタ803(クラウドサーバ111)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ120は、OS802及びアプリケーション801を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS802およびアプリケーション801を用いてサービス提供804を行う。
【0159】
(サービスの類型2:IaaS利用型)
図10は、サービスの類型2(IaaS利用型)を示す図である。ここで、IaaSとは、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0160】
本類型では、データセンタ運営会社が、データセンタ803(クラウドサーバ111)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ120は、OS802およびアプリケーション801を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS802およびアプリケーション801を用いてサービス提供804を行う。
【0161】
(サービスの類型3:PaaS利用型)
図11は、サービスの類型3(PaaS利用型)を示す図である。ここで、PaaSとは、プラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウェアを構築および稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0162】
本類型では、データセンタ運営会社110は、OS802を管理し、データセンタ803(クラウドサーバ111)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ120は、アプリケーション801を管理する。サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社が管理するOS802およびサービスプロバイダ120が管理するアプリケーション801を用いてサービス提供804を行う。
【0163】
(サービスの類型4:SaaS利用型)
図12は、サービスの類型4(SaaS利用型)を示す図である。ここで、SaaSとは、ソフトウェア・アズ・ア・サービスの略である。例えばデータセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社・個人(利用者)が、インターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
【0164】
本類型では、データセンタ運営会社110は、アプリケーション801を管理し、OS802を管理し、データセンタ803(クラウドサーバ111)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社110が管理するOS802およびアプリケーション801を用いてサービス提供804を行う。
【0165】
以上、いずれの類型においても、サービスプロバイダ120が、サービス提供行為を行うものとする。また、例えば、サービスプロバイダ120もしくはデータセンタ運営会社110は、OS、アプリケーションもしくはビッグデータのデータベースなどを自ら開発してもよいし、また、第三者に外注してもよい。