(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の塗布容器では、弁部材が塗布位置とされた状態において、該弁部材の内部を通して容器外部に開口する吐出孔が開いたままの状態(全開状態)となっており、計量室内から容器外部に吐出される内容物の吐出量を制御することが難しかった。そのため、吐出の精度を高めることに改善の余地があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、吐出の精度を高めることができる塗布容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の塗布容器は、被塗布部に塗布する内容物が収容される有底筒状の容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、該容器本体内に連通する連通孔が形成された中栓部材と、前記中栓部材との間に、前記連通孔を通して前記容器本体内に連通する計量室を形成するとともに、頂部に前記計量室に連通する吐出孔が形成された計量筒部材と、前記計量室に設けられるとともに、先端が前記吐出孔から前記計量室の外部に突出される塗布栓と、を備え、前記塗布栓は、前記吐出孔と前記計量室との連通を遮断し、かつ前記計量室と前記連通孔とを連通させる計量位置と、前記計量位置よりも容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に位置するとともに、前記計量室と前記連通孔との連通を遮断し、かつ前記吐出孔と前記計量室とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設され、前記塗布栓が前記塗布位置に位置した状態では、該塗布栓の外周と前記吐出孔との間に形成された隙間を通して、内容物が吐出可能とされており、前記塗布栓には、径方向の外側へ向けて弾性部が突設され、前記計量室には、前記塗布栓が前記塗布位置に位置した状態で、前記弾性部をその容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側から支持する受け座が設けられ、前記弾性部が弾性変形されるとともに、前記塗布位置に位置する前記塗布栓が容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側へ向けて弾性変位したときに、前記塗布栓の容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側の端部が前記中栓部材に当接することで、前記塗布栓が所定の弾性変位量以上に弾性変位することが規制されることを特徴とする。
【0008】
本発明の塗布容器では、計量室の塗布栓が塗布位置に位置した状態で、該塗布栓において径方向外側へ突設された弾性部が、計量室の受け座に支持されるようになっている。そして、このように塗布位置に配置された塗布栓の先端が被塗布部に押し付けられることで、該塗布栓は、弾性部が弾性変形することにより容器軸方向に沿う容器本体の底部側へ向けて移動(弾性変位)可能である。
【0009】
つまりこの塗布容器によれば、塗布栓が塗布位置に位置したときでも、該塗布栓の先端を被塗布部に押し付けたときに、弾性部がその押し付け力に応じて弾性変形することで、さらに塗布栓は容器軸方向に沿う容器本体の底部側へ向けて移動できる。
【0010】
そして、塗布位置に位置した塗布栓が弾性変位したときに、例えば、塗布栓の外周と吐出孔との間に隙間を生じさせたり、或いは塗布栓の外周と吐出孔との間に形成された隙間をさらに広げたりすることができる。これにより、塗布栓が塗布位置に位置した状態であっても、吐出孔を開閉させる(開度を調整する)ことが可能になり、該吐出孔を通して計量室から容器外部へ吐出される内容物の吐出量を、使用に合わせて調整できる。従って、この塗布容器によれば、前記隙間を通して計量室内から容器外部に吐出される内容物の吐出量を制御することが容易である。
すなわち、塗布栓の先端を被塗布部に押し付ける回数や押し付け力を調整することで、所望の塗布(吐出)を精度よく行うことができる。従って、本発明によれば、吐出の精度を高めることができるのである。
【0011】
さらに、人体の頭皮や皮膚等の被塗布部に塗布栓を押し付け、内容物を塗布する際に、弾性部のクッション作用により押し付け時に被塗布部に及ぼされる衝撃や外力等が緩和されて、柔らかな塗布感触を得ることができるとともに、不快さや心地悪さを感じることが抑えられ、快適で心地よい塗布を行うことができる。
【0012】
また、塗布位置に位置した塗布栓が弾性変位したときに、塗布栓の容器軸方向に沿う容器本体の底部側の端部が中栓部材に当接するようになっており、これにより塗布栓が所定の弾性変位量以上に弾性変位することが規制されている。
従って、弾性部が弾性変形しすぎるようなことが防止され、弾性部の機能が安定して維持される。さらに、例えば、塗布栓の前記端部に対して容器軸方向に沿う同等の位置、又はそれより容器軸方向に沿う容器本体の口部側(上側)の位置で、この塗布栓と中栓部材とを嵌合させるなどにより連通孔を遮断する構成とすることができ、この場合、塗布栓が塗布位置に位置したときの計量室と連通孔との連通の遮断をより確実なものとすることができる。
【0013】
また、本発明の塗布容器において、前記弾性部は、前記塗布栓の栓本体を径方向外側から囲繞するとともに周方向に延びる環状をなし、前記受け座に当接されるリング体と、前記リング体と前記栓本体とを連結するとともに弾性変形可能とされた弾性片と、を備えることとしてもよい。
【0014】
上記構成によれば、弾性部のうち、リング体が受け座に対して周方向全体に当接されることで安定して着座され、これにより弾性片が安定して弾性変形させられて、上述の作用効果がより確実に得られやすくなる。
【0015】
また、本発明の塗布容器において、前記中栓部材には、前記弾性部が弾性変形したときに前記塗布栓に対して容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側から当接可能な支持部が形成されていることとしてもよい。
【0016】
上記構成によれば、弾性部が弾性変形したときに塗布栓が中栓部材の支持部に当接され、これにより該塗布栓が容器本体の底部側から支持されることで、弾性部が弾性変形しすぎるようなことが防止される。
従って、弾性部の機能が安定して維持されるとともに、上述した本発明の作用効果をより安定的に得ることができる。
【0017】
また、支持部により塗布位置に位置する塗布栓が支持されることで、塗布栓の姿勢が安定し、該塗布栓の中栓部材に対する容器軸方向や径方向の位置を安定させることが可能になる。これにより、例えば、塗布位置に位置している塗布栓の先端が押し付けられた状態(弾性変位した状態)において、吐出孔と塗布栓との間の流路断面積を安定化して内容物の塗布量を安定させることができ、又は、計量室と連通孔との連通の遮断を確実に行うことができる。
【0018】
また、本発明の塗布容器において、前記塗布栓には、径方向の外側へ向けてストッパー突起が突設され、前記ストッパー突起は、前記塗布栓が前記計量位置に位置したときに、前記計量筒部材の前記吐出孔の開口周縁部に対して、容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側から当接可能であることとしてもよい。
【0019】
上記構成によれば、計量位置に位置した塗布栓が、吐出孔から容器外部(計量室外)へ抜け出してしまうことが防止される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の塗布容器によれば吐出の精度を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る塗布容器1について説明する。
この塗布容器1には、例えば人体の頭皮や皮膚等の被塗布部Sに塗布される育毛剤や薬液等の内容物が収容される。
図1及び
図2に示されるように、塗布容器1は、被塗布部Sに塗布する内容物が収容される有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部3に装着され、該容器本体2内に連通する連通孔5が形成された中栓部材4と、中栓部材4との間に、連通孔5を通して容器本体2内に連通する計量室6を形成するとともに、頂部に計量室6に連通する吐出孔8が形成された計量筒部材7と、計量室6に設けられるとともに、先端が吐出孔8から計量室6の外部に突出される塗布栓9と、容器本体2の口部3に着脱自在に装着されて吐出孔8及び塗布栓9の先端を覆うオーバーキャップ10と、を備えている。
【0023】
図1において、容器本体2の口部3、中栓部材4、計量筒部材7、塗布栓9及びオーバーキャップ10は、それぞれの中心軸線が共通軸上に配置されている。本明細書では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿う容器本体2の底部側(
図1における下側)を下側、容器軸O方向に沿う容器本体2の口部3側(
図1における上側)を上側という。また、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0024】
容器本体2は有底筒状をなしており、その口部3が該口部3以外の部位(胴部、底部及び肩部)よりも小径とされている。また、口部3の外周面には雄ねじ部が形成されている。口部3の上端部は、前記雄ねじ部が形成された該上端部以外の部分より外径が小さくされており、該上端部の外周面には、径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状又は円弧状の突起3aが形成されている。
また、容器本体2における口部3と肩部との連結部分には、径方向外側へ向けて突出するとともに容器軸O方向に沿って延びる回り止めリブ3bが形成されている。
【0025】
図2に示されるように、中栓部材4は、後述する塗布位置に位置する塗布栓9の下端部が当接可能な支持部11bを備えた支持体11と、容器本体2の口部3内に配設される有底筒状の受け筒12と、受け筒12を径方向外側から囲繞するとともに該受け筒12に連結されて、容器本体2の口部3内に嵌合するシール筒13と、受け筒12とシール筒13とを連結する環状のフランジ部14と、フランジ部14に立設された筒状の受け座15と、シール筒13の上端部から径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状の鍔部16と、鍔部16に立設された嵌合筒17と、を有している。
【0026】
支持体11は、受け筒12の底壁に立設されて容器軸Oに同軸に延びる軸部11aと、軸部11aの下端部から径方向外側へ向けて突出するとともに容器軸O方向に沿って延びるリブ状の支持部11bと、を備えている。
軸部11aの上側部分は、受け筒12及び受け座15よりも上側へ向けて突出している。支持部11bは、軸部11aの外周面に周方向に間隔をあけて複数設けられており、図示の例では、受け筒12の底壁に連結されている。また支持部11bの上端は、受け筒12の周壁の上端開口縁よりも下側に位置している。
【0027】
受け筒12には、周方向に間隔をあけて前記連通孔5が複数形成されている。図示の例では、連通孔5は、受け筒12の周壁と底壁とにわたって形成されており、該連通孔5を画成する内周縁(内周壁面)のうち径方向内側に位置する端縁は、支持部11bの径方向外側を向く端面と径方向に沿う位置が略同一であり、前記内周縁のうち上側に位置する端縁は、支持部11bの上端よりも下側に位置している。
【0028】
また、受け筒12の周壁の内周面のうち、連通孔5より上側に位置する部位は、塗布栓9の下端部が摺動可能に嵌合する中栓シール部となっている。ここで、支持部11bの上端は、その上下方向(容器軸O方向)に沿う位置が前記中栓シール部に対して同等、又はそれより下側に位置している。またこれにより、塗布栓9の下端部のうち、支持部11bに当接する部分(後述するガイド筒部25の下端部)は、受け筒12の前記中栓シール部に対して、上下方向に沿う位置が同等、又はそれより下側に位置している。受け筒12の周壁の内周面のうち、上端部は、上側へ向かうに従い漸次拡径するテーパ状に形成されている。
【0029】
シール筒13は、その上端部がフランジ部14を介して受け筒12の上端部に連結されている。図示の例では、シール筒13の下端部が、受け筒12の底壁より下側に位置している。
受け座15は、フランジ部14の外周縁部から上側へ向けて突設されており、図示の例では、受け座15の内周面が、上側へ向かうに従い漸次拡径するテーパ状に形成されている。
【0030】
鍔部16は、容器本体2の口部3の上端開口縁に、その上側から当接している。図示の例では、鍔部16の上下方向に沿う位置が、フランジ部14よりも僅かに下側となっている。
嵌合筒17は、鍔部16の外周縁部から上側へ向けて突設されている。嵌合筒17の外周面には、径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状又は円弧状の突起17aが形成されている。
【0031】
計量筒部材7は、容器本体2の口部3に装着される装着筒部18と、装着筒部18より上側に位置して該計量筒部材7の頂部をなし、前記吐出孔8が形成された吐出筒部19と、装着筒部18と吐出筒部19との間に位置してこれら筒部18、19同士を連結する連結筒部20と、を有している。
本実施形態に示される例では、計量筒部材7は下側から上側へ向かって、装着筒部18、連結筒部20、吐出筒部19の順に段階的に縮径している。
【0032】
装着筒部18は有頂筒状をなしており、環状の天壁と、周壁と、を有している。
装着筒部18の周壁は、容器本体2の口部3の上端部、及び中栓部材4の嵌合筒17に対して外嵌している。装着筒部18の周壁の内周面には、径方向内側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状又は円弧状の突起18aと、該突起18aより上側に位置して径方向内側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状又は円弧状の突起18bと、が形成されている。
【0033】
装着筒部18の周壁に設けられた複数の突起18a、18bのうち、下側に位置する突起18aは、口部3の突起3aにその下側から係止されており、上側に位置する突起18bは、嵌合筒17の突起17aにその下側から係止されていて、これにより装着筒部18と口部3、及び、装着筒部18と中栓部材4の嵌合筒17が、それぞれアンダーカット嵌合されている。
【0034】
装着筒部18の天壁は、嵌合筒17の上端開口縁に、その上側から当接している。また、装着筒部18の天壁の内周縁部には、中栓部材4の嵌合筒17と受け座15との間に挿入されるシール筒部21が垂下設されている。
シール筒部21は、計量室6における中栓部材4と計量筒部材7との連結部分の液密性を確保できるように、受け座15及び嵌合筒17の少なくともいずれかに嵌合している。
【0035】
連結筒部20は有頂筒状をなしており、環状の天壁と、周壁と、を有している。
連結筒部20の周壁は、装着筒部18の天壁の内周縁部から上側へ向けて突設されている。連結筒部20の周壁の内径は、受け座15の内径より大きくされており、図示の例では、受け座15の外径と略同一となっている。
また、連結筒部20の天壁は、径方向内側へ向かうに従い漸次上側へ向けて傾斜している。
【0036】
吐出筒部19は筒状をなし、周壁を有している。
吐出筒部19の周壁は、連結筒部20の天壁の内周縁部から上側へ向けて突設されている。吐出筒部19の周壁の内部が、前記吐出孔8となっている。
本実施形態では、計量筒部材7の連結筒部20と、中栓部材4の受け座15、フランジ部14及び受け筒12とにより画成される円柱状の空間(室)が、前記計量室6とされている。
【0037】
計量室6内に配設された塗布栓9は、吐出孔8と計量室6との連通を遮断し、かつ計量室6と連通孔5とを連通させる計量位置(
図2における容器軸Oの左側部分に示す状態)と、前記計量位置よりも下側に位置するとともに、計量室6と連通孔5との連通を遮断し、かつ吐出孔8と計量室6とを連通させる(ここでいう「連通させる」とは、「連通する、又は連通可能な状態とする」の両方の意味を含む)塗布位置(
図2における容器軸Oの右側部分に示す状態)と、の間を容器軸O方向(上下方向)に移動自在に配設されている。また、塗布栓9が前記塗布位置に位置した状態では、該塗布栓9の外周と吐出孔8との間に形成された隙間を通して、内容物が吐出可能とされている。
【0038】
塗布栓9は、上下方向に延びるとともにその上端(先端)が吐出孔8から上側へ向けて突出される栓本体22と、栓本体22から径方向の外側へ向けて突設された弾性部23と、を一体に有している。
【0039】
図示の例では、栓本体22は、天壁24aと周壁24bとを有する有頂筒状の下筒部24と、下筒部24の天壁24aに垂下設されて周壁24bに径方向外側から囲繞されるガイド筒部25と、下筒部24の天壁24aに立設された上筒部26と、を有している。
【0040】
下筒部24の周壁24bのうち、上端部は、
図2において容器軸Oの左側部分に示される塗布栓9の前記計量位置で、吐出筒部19の周壁(吐出孔8)の径方向内側に摺動自在に嵌合する塗布栓上シール部となっている。
また、下筒部24の周壁24bのうち、下端部は、
図2において容器軸Oの右側部分に示される塗布栓9の前記塗布位置で、受け筒12の周壁(中栓シール部)の径方向内側に摺動自在に嵌合する塗布栓下シール部となっている。
尚、本実施形態では、塗布栓9の下端部に、中栓部材4の受け筒12内に嵌合する前記塗布栓下シール部(周壁24bの下端部)が設けられ、この径方向の嵌合のみによって、計量室6と連通孔5との連通が遮断されるようになっている。
【0041】
図示の例では、周壁24bのうち下端部(塗布栓下シール部)の肉厚が、該下端部以外の部位の肉厚より薄くされている。また、周壁24bのうち、上端部と下端部との間に位置する中間部分の肉厚は、該中間部分以外の部位の肉厚より厚くされている。
【0042】
また塗布栓9には、径方向の外側へ向けてストッパー突起24cが突設されており、該ストッパー突起24cは、
図2において容器軸Oの左側部分に示されるように塗布栓9が前記計量位置に位置したときに、計量筒部材7の吐出孔8の開口周縁部に対して、下側から当接可能である。
具体的に本実施形態では、周壁24bの前記中間部分における上端部に、径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のストッパー突起24cが形成されており、該ストッパー突起24cが、計量筒部材7のうち連結筒部20の天壁の内周縁部に対して、その下側から当接可能となっている。
【0043】
また、ガイド筒部25は、軸部11aの径方向外側に摺動自在に外挿されている。図示の例では、ガイド筒部25の下端開口縁と、周壁24bの下端開口縁とが、上下方向に沿う同一の位置に配置されて、互いに面一とされている。具体的に、ガイド筒部25の下端開口縁は、中栓部材4の前記中栓シール部(受け筒12の周壁内周面のうち、連通孔5の上側に位置する部分)に摺動自在に嵌合する周壁24bの下端開口縁に対して、上下方向に沿う位置が同等、又はそれより下側に配置される。
【0044】
図2において容器軸Oの右側部分に示される塗布栓9の前記塗布位置で(塗布栓9の先端が被塗布部Sに押し付けられていない状態で)、ガイド筒部25の下端開口縁と、中栓部材4の支持部11bの上端との間には、上下方向に隙間が設けられており、該隙間が設けられていることにより、後述する弾性部23の弾性変形が、所定の弾性変形量の範囲内で許容されるようになっている。具体的に、弾性部23が弾性変形したときに、中栓部材4の支持部11bは、塗布栓9のガイド筒部25に対して、その下側から当接可能である。
【0045】
また前記塗布位置において(塗布栓9の先端が被塗布部Sに押し付けられていない状態で)、軸部11aの上端と、天壁24aとの間にも上下方向に隙間が設けられており、この隙間は、ガイド筒部25の下端開口縁と支持部11bの上端との上下方向の隙間に比べて、その大きさが同等以上とされている。
【0046】
上筒部26は、吐出筒部19内に配設されている。上筒部26は、下筒部24の周壁24bの上端部(塗布栓上シール部)に対して、外径が同等、又は外径が小さく形成されており、本実施形態では外径が小さくなっている。
図2において容器軸Oの右側部分に示される塗布栓9の前記塗布位置で、上筒部26の外周面と、吐出筒部19の内周面(吐出孔8)との間には、内容物が流通可能な隙間が形成されている。そして、この隙間を通して、計量室6内と容器外部とが連通されている。尚、上筒部26が、周壁24bの上端部(前記塗布栓上シール部)に対して、外径が同等とされた場合には、前記塗布位置で(塗布栓9の先端が被塗布部Sに押し付けられていない状態で)、前記隙間がゼロとなり、吐出孔8と計量室6とは遮断されつつも連通可能な状態となっている。そしてこの状態から、後述するように弾性部23が弾性変形することで、前記隙間が生じて(大きくなって)吐出孔8と計量室6とが連通する。
【0047】
図示の例では、上筒部26の外周面は、その下端部が最も大径とされ、該下端部以外の部分は小径に形成されている。また上筒部26の前記下端部は、上側へ向かうに従い漸次縮径している。これにより、後述するように弾性部23が弾性変形し、計量筒部材7に対して塗布栓9が下側へ移動した際には、上筒部26の外周面と吐出筒部19の内周面(吐出孔8)との前記隙間が広がることになり、内容物の流路断面積がより大きく確保されるようになっている。
【0048】
また上筒部26の外周面のうち、上端部には、径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状又は円弧状の突起26aが形成されている。また図示の例では、上筒部26の肉厚が、下筒部24及びガイド筒部25の肉厚に比べて厚くなっている。
【0049】
弾性部23は、塗布栓9の栓本体22を径方向外側から囲繞するとともに周方向に沿って延びる環状をなし、前記受け座15に当接されるリング体27と、リング体27と栓本体22とを連結するとともに弾性変形可能とされた弾性片28と、を備えている。尚、本実施形態では、弾性部23のリング体27及び弾性片28と、栓本体22とは、一体に形成されている。
【0050】
図示の例では、リング体27は、上下方向に沿う長さが短い(高さが低い)筒状をなしている。リング体27には、その下側から受け座15が当接可能である。具体的に、リング体27の直径は、受け座15の直径と同等とされており、本実施形態では、受け座15の肉厚に対して、リング体27の肉厚が同等以下となっている。
【0051】
弾性片28は、栓本体22の周壁24bから径方向外側へ向けて突設されるとともに、該周壁24bの外周面に沿うように円弧状に延びている。具体的に、弾性片28は、周壁24bのうち前記中間部分に配設されており、該周壁24bとの連結部分(円弧状に沿う向きの一端部)から離間するに従い漸次下側へ向けて傾斜して延びていて、その下端部(円弧状に沿う向きの他端部)がリング体27に連結されている。
また弾性片28は、互いに周方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0052】
そして、
図2において容器軸Oの右側部分に示されるように、塗布栓9が前記塗布位置に位置した状態で、計量室6内に設けられた受け座15は、弾性部23をその下側から支持している。この状態において、塗布栓9の先端(上筒部26の先端)は吐出孔8(吐出筒部19の上端開口縁)から上側へ向けて突出されており、該塗布栓9の先端が外力を受けることで弾性部23の弾性片28が弾性変形して、該塗布栓9は、受け座15に対して下側へ移動可能(弾性変位可能)である。
【0053】
また、前記塗布位置に位置した塗布栓9が、計量室6の受け座15に対して下側へ弾性変位する移動量(弾性変位量)は、上述したガイド筒部25の下端開口縁と、中栓部材4の支持部11bの上端との間に設けられた上下方向の隙間の大きさ(距離)により規定されており、ガイド筒部25の下端開口縁と支持部11bの上端とが当接されて前記隙間がゼロとなった状態では、それ以上に弾性部23が弾性変形することが規制される。
【0054】
また本実施形態では、前記隙間がゼロとなった状態で、
図3において容器軸Oの右側部分に示されるように、塗布栓9の先端が吐出筒部19(吐出孔8)の先端開口縁に面一とされ、又はそれより計量室6内部へ後退して配置されるようになっている。またこの状態で、弾性部23の弾性片28は、その円弧状に沿う向きの一端部と他端部とが、上下方向において同等の位置となるように配置されている。
【0055】
また、塗布栓9の先端に付与されていた外力が無くなる(又は低減する)ことで、弾性部23は復元変形して、
図3において容器軸Oの左側部分に示されるように、塗布栓9は計量室6内の元の前記塗布位置に戻される。このように、計量室6の塗布栓9は、前記塗布位置において外力を受けたり、該外力が解除されたりすることで、上下方向に揺動可能とされている。
つまり本実施形態では、塗布栓9の先端に対して下側へ向かう外力が加えられ、弾性部23が弾性変形されるとともに、前記塗布位置に位置する塗布栓9が下側へ向けて弾性変位したときに、塗布栓9の外周と吐出孔8との間の隙間の流路断面積が大きくなるように構成され、かつ、塗布栓9の下端部が中栓部材4に当接することで、塗布栓9が所定の弾性変位量以上に弾性変位することが規制されている。
【0056】
一方、
図2において容器軸Oの左側部分に示されるように、塗布栓9が前記計量位置に位置した状態では、弾性部23は、受け座15から上側に離間している。またこの状態で、弾性部23は計量筒部材7の連結筒部20の天壁に接近又は当接して配置されているものの、ストッパー突起24cが前記天壁にその下側から当接されていることで、たとえ計量室6に対して塗布栓9を上側へ移動させる向きの外力が作用した場合でも、弾性部23が弾性変形することはなく、よって前記計量位置に位置した塗布栓9が弾性変位することはない。
【0057】
図2において、オーバーキャップ10は、外キャップ29と、該外キャップ29内に収容される内キャップ30と、を有している。
外キャップ29は有頂筒状をなしている。
内キャップ30は有頂筒状をなしており、天壁30aと、天壁30aから下側に向かうに従い段階的に拡径する周壁30bと、周壁30bの下端部から径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ部30cと、を有している。
【0058】
内キャップ30の天壁30aは、外キャップ29の天壁に、その下側から当接している。また、内キャップ30の天壁30aには、計量筒部材7の吐出筒部19と、塗布栓9の上筒部26との間にその上側から挿入される引き上げ筒31が、垂下設されている。
図2において容器軸Oの右側部分に示されるように、容器本体2の口部3にオーバーキャップ10が装着された状態で、引き上げ筒31は、その外周面が吐出筒部19の径方向内側に嵌合している。
【0059】
また、引き上げ筒31の内周面には、径方向内側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状又は円弧状の突起31aが形成されている。
図2の容器軸Oの右側部分に示されるように、容器本体2の口部3にオーバーキャップ10が装着された状態で、引き上げ筒31の突起31aは、塗布栓9の上筒部26の突起26aにその下側から対向している。
【0060】
また、引き上げ筒31の突起31aは、塗布栓9に対してオーバーキャップ10が上側へ向けて移動したときに、塗布栓9の突起26aに対してその下側から係止され、かつ、所定以上の外力が作用したときにこの突起26aを上側へ向けて乗り越え可能とされている。
【0061】
具体的に、
図2において容器軸Oの左側部分に示されるように、容器本体2の口部3からオーバーキャップ10を取り外すときには、引き上げ筒31の突起31aは塗布栓9の突起26aにその下側から当接して係止され、この係止状態からさらにオーバーキャップ10が上側へ移動することで、引き上げ筒31に係止された塗布栓9が引き上げられ、前記塗布位置から前記計量位置へと移動する。
【0062】
塗布栓9が前記計量位置へ移動させられると、該塗布栓9のストッパー突起24cが計量筒部材7の連結筒部20の天壁(吐出孔8の開口周縁部)に当接し、これにより、この塗布栓9が前記計量位置を越えて上昇することが規制される。この状態から、さらに容器本体2の口部3に対してオーバーキャップ10が上側へ向けて移動することで、引き上げ筒31の突起31aが、塗布栓9の突起26aを上側へ向けて乗り越えて、オーバーキャップ10が塗布栓9から取り外される。
【0063】
一方、オーバーキャップ10を容器本体2の口部3に装着する際には、引き上げ筒31の突起31aは塗布栓9の突起26aにその上側から当接して係止され、この係止状態からさらにオーバーキャップ10が下側へ移動することで、塗布栓9が前記計量位置に位置している場合には前記塗布位置まで押し下げられる。
そして、塗布栓9の弾性部23が受け座15に着座された状態から、さらにオーバーキャップ10が下側へ向けて移動することで、弾性部23が弾性変形して塗布栓9が下側へ移動し、塗布栓9のガイド筒部25は中栓部材4の支持部11bに対してその上側から当接し、これにより、塗布栓9のそれ以上の下側へ向けた移動が規制される。この状態からさらにオーバーキャップ10が下側へ向けて移動することで、引き上げ筒31の突起31aは塗布栓9の突起26aを下側へ向けて乗り越えて、
図2において容器軸Oの右側部分に示される状態となる。尚図示の例では、この状態で塗布栓9の先端(上筒部26の先端)が、内キャップ30の天壁30aに対して、その下側から当接している。
【0064】
内キャップ30の周壁30bは、計量筒部材7及び容器本体2の口部3の外周面の形状に対応して形成されており、天壁30aから下側へ向かって段階的に拡径する小径筒部、中径筒部及び大径筒部を有している。周壁30bの中径筒部及び大径筒部は、環状の天壁と、周壁とを備えた有頂筒状をそれぞれなしており、
図2において容器軸Oの右側部分に示される例では、前記大径筒部の天壁が、装着筒部18の天壁にその上側から当接している。また、周壁30bの前記大径筒部の内周面には、口部3の雄ねじ部に螺着する雌ねじ部が形成されている。
【0065】
フランジ部30cの外周縁部は、外キャップ29の内周面に当接されている。フランジ部30cは、外キャップ29の下端開口縁より上側に位置している。
内キャップ30におけるフランジ部30cの径方向内側の端部と、周壁30bの下端部との連結部分には、周方向を向く壁面を備えた段部32が形成されており、オーバーキャップ10が容器本体2の口部3に装着された際において、段部32は、容器本体2の回り止めリブ3bに周方向から当接可能とされている。
【0066】
以上説明した本実施形態の塗布容器1を用いて、内容物を被塗布部Sに塗布するには、まず、容器本体2の口部3からオーバーキャップ10を取り外し、吐出孔8及び塗布栓9の先端を容器外部に露出させる。ここで、オーバーキャップ10が取り外される際に、計量室6内の塗布栓9は引き上げられて、前記塗布位置から前記計量位置へと移動する。
【0067】
次いで、塗布栓9が前記計量位置に配置された状態で、この塗布容器1を倒立姿勢にして、計量室6内に内容物を流入させる。この状態から、
図3に示されるように塗布栓9の先端を被塗布部Sに押し付け、該塗布栓9が前記塗布位置に移動させられることで、
図3における容器軸Oの左側部分に示されるように、計量室6と連通孔5との連通が遮断され、かつ塗布栓9の外周と吐出筒部19の内周(吐出孔8)との隙間も略シールされた状態(この倒立姿勢において、塗布栓9が弾性変位していないうちは前記隙間から内容物が流出しない程度にシールされた状態)となって、計量室6に所定量の内容物が計量される。そしてこの塗布容器1は吐出孔8と塗布栓9の先端(上筒部26)との間を通して内容物を塗布可能な状態となり、該塗布栓9の先端を被塗布部Sに押し付けるなどによって、所定量の内容物が塗布される。
【0068】
ここで、計量室6の塗布栓9が前記塗布位置に位置した状態で、該塗布栓9において径方向外側へ突設された弾性部23が、計量室6の受け座15に支持されるようになっている。そして、このように塗布位置に配置された塗布栓9の先端が被塗布部Sに押し付けられることで、該塗布栓9は、弾性部23が弾性変形することにより容器軸O方向に沿う容器本体2の底部側(本明細書で定義する下側、
図3においては上方)へ向けて移動(弾性変位)可能である。
【0069】
つまりこの塗布容器1によれば、塗布栓9が塗布位置に位置したときでも、該塗布栓9の先端を被塗布部Sに押し付けたときに、弾性部23がその押し付け力に応じて弾性変形することで、さらに塗布栓9は容器軸O方向に沿う容器本体2の底部側へ向けて移動できる。
【0070】
そして、塗布位置に位置した塗布栓9が弾性変位したときに、例えば、塗布栓9の外周と吐出孔8との間に隙間を生じさせたり、或いは塗布栓9の外周と吐出孔8との間に形成された隙間をさらに広げたりすることができる。これにより、塗布栓9が塗布位置に位置した状態であっても、吐出孔8を開閉させる(開度を調整する)ことが可能になり、該吐出孔8を通して計量室6から容器外部へ吐出される内容物の吐出量を、使用に合わせて調整できる。尚本実施形態では、塗布栓9が弾性変位することで、該塗布栓9の外周と吐出孔8との間に形成された隙間がさらに広がって該隙間の流路断面積が大きくなるように構成されている。
従って、この塗布容器1によれば、前記隙間を通して計量室6内から容器外部に吐出される内容物の吐出量を制御することが容易である。
すなわち、塗布栓9の先端を被塗布部Sに押し付ける回数や押し付け力を調整することで、所望の塗布(吐出)を精度よく行うことができる。従って、本実施形態によれば、吐出の精度を高めることができるのである。
【0071】
さらに、人体の頭皮や皮膚等の被塗布部Sに塗布栓9を押し付け、内容物を塗布する際に、弾性部23のクッション作用により押し付け時に被塗布部Sに及ぼされる衝撃や外力等が緩和されて、柔らかな塗布感触を得ることができるとともに、不快さや心地悪さを感じることが抑えられ、快適で心地よい塗布を行うことができる。
【0072】
また、塗布位置に位置した塗布栓9が弾性変位したときに、塗布栓9の下端部(容器軸O方向に沿う容器本体2の底部側の端部であり、具体的にはガイド筒部25の下端開口縁)が中栓部材4に当接するようになっており、これにより塗布栓9が所定の弾性変位量以上に弾性変位することが規制されている。
従って、弾性部23が弾性変形しすぎるようなことが防止され、弾性部23の機能が安定して維持される。さらに、本実施形態で説明したように、塗布栓9の下端部(ガイド筒部25)に対して上下方向に沿う同等の位置、又はそれより上側の位置で、この塗布栓9と中栓部材4(受け筒12の周壁)とを嵌合させて連通孔5を遮断する構成とすることができ、塗布栓9が塗布位置に位置したときの計量室6と連通孔5との連通の遮断をより確実なものとすることができる。
【0073】
また本実施形態において、弾性部23は、塗布栓9の栓本体22を径方向外側から囲繞するとともに周方向に延びる環状をなし、受け座15に当接されるリング体27と、リング体27と栓本体22とを連結するとともに弾性変形可能とされた弾性片28と、を備えているので、下記の効果を奏する。
すなわち上記構成によれば、弾性部23のうち、リング体27が受け座15に対して周方向全体に当接されることで安定して着座され、これにより弾性片28が安定して弾性変形させられて、上述の作用効果がより確実に得られやすくなる。
【0074】
また、中栓部材4には、弾性部23が弾性変形したときに塗布栓9に対して容器軸O方向に沿う容器本体2の底部側から当接可能な支持部11bが形成されているので、下記の効果を奏する。
すなわち上記構成によれば、弾性部23が弾性変形したときに塗布栓9が中栓部材4の支持部11bに当接され、これにより該塗布栓9が容器本体2の底部側から支持されることで、弾性部23が弾性変形しすぎるようなことが防止される。
従って、弾性部23の機能が安定して維持されるとともに、上述した本実施形態の作用効果をより安定的に得ることができる。
【0075】
また、支持部11bにより前記塗布位置に位置する塗布栓9が支持されることで、塗布栓9の姿勢が安定し、該塗布栓9の中栓部材4に対する容器軸O方向や径方向の位置を安定させることが可能になる。これにより、例えば、塗布位置に位置している塗布栓9の先端が押し付けられた状態(弾性変位した状態)において、吐出孔8と塗布栓9との間の流路断面積を安定化して内容物の塗布量を安定させることができ、又は、計量室6と連通孔5との連通の遮断を確実に行うことができる。
【0076】
また、塗布栓9の栓本体22には、径方向の外側へ向けてストッパー突起24cが突設されており、ストッパー突起24cは、塗布栓9が前記計量位置に位置したときに、計量筒部材7の吐出孔8の開口周縁部に対して、容器軸O方向に沿う容器本体2の底部側から当接可能であるので、下記の効果を奏する。
すなわち上記構成によれば、前記計量位置に位置した塗布栓9が、吐出孔8から容器外部(計量室6外)へ抜け出してしまうことが防止される。
【0077】
尚、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0078】
例えば、前述の実施形態では、計量室6の受け座15が、中栓部材4のフランジ部14に上側に向けて突設されていると説明したが、これに限定されるものではない。すなわち本発明では、計量室6に、塗布栓9が前記塗布位置に位置した状態で、弾性部23をその容器軸O方向に沿う容器本体2の底部側から支持する受け座15が設けられていればよいことから、受け座15の形状は前述の実施形態で説明した筒状に限定されない。具体的に、受け座15は、例えば中栓部材4のフランジ部14上面とされていてもよく(尚この場合、受け座とされるフランジ部14の上面(受け座の容器軸O方向に沿う位置)が、例えば、
図2に示される受け座15の上端開口縁に位置してもよい)、或いは中栓部材4以外の計量筒部材7等に設けられていてもよい。
【0079】
また前述の実施形態では、塗布栓9が、有頂筒状の下筒部24、下筒部24の天壁24aから垂下設されたガイド筒部25、及び、下筒部24の天壁24aから立設された上筒部26を備えた構成を一例として用いたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、下筒部24の周壁24bとガイド筒部25とは、互いに径方向に間隔をあけずに一体に形成されていてもよく、また上筒部26は、筒状をなしている代わりに中実の柱状をなしていてもよい。
【0080】
また、弾性部23の弾性片28が、栓本体22の外周面に、互いに周方向に間隔をあけて複数設けられているとしたが、弾性片28は1つのみ設けられていてもよい。
また弾性部23は、前述の実施形態で説明した機能を有するものであればよく、前述したリング体27及び弾性片28を備えた構成に限定されない。
【0081】
また、塗布栓9には、ストッパー突起24cが設けられていなくてもよい。この場合、塗布栓9が前記計量位置に位置したときに、弾性部23が吐出孔8の開口周縁部にその下側から当接して、該塗布栓9が計量室6外へ抜け出ることが防止される。ただし、ストッパー突起24cが設けられていることにより、前記計量位置に位置した塗布栓9の弾性変位が規制され、また弾性部23の損耗(劣化)が抑制されることから、より好ましい。
【0082】
また前述の実施形態では、容器本体2の口部3に対して、オーバーキャップ10が螺着により着脱自在に装着されているとしたが、これに限定されるものではなく、例えばそれ以外のアンダーカット嵌合等により、着脱自在に装着されていてもよい。
また、オーバーキャップ10が設けられていなくてもよい。
【0083】
また前述の実施形態では、引き上げ筒31が、塗布栓9の上筒部26の径方向外側に嵌合しており、突起31a、26a同士が乗り越え可能に係止されていると説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、引き上げ筒31が、塗布栓9の上筒部26の径方向内側に嵌合しているとともに、互いに乗り越え可能な突起がそれぞれ形成されていてもよい。
【0084】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。